説明

ガス濾過システム

【課題】簡単な構造、プロセスで、効率の高いガス濾過システムを提供する。
【解決手段】ガス濾過システムは、液体濾過システムおよびガス移送システムを含む。液体濾過システムは、ガス洗浄液を含有する互いに接続された複数のタンク30を有し、ガスは泡となってこの液体を通される。ガス移送システムは、ガスを移送するためにタンクに結合されたパイプを含む。タンクは、ガスポンプ14a,b、流体ポンプ16、フィルタおよびガス流バッファのうち1つまたはそれ以上を格納するために用いられる乾燥タンクを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はガス濾過システムに関し、より詳しくは、たとえば焼却炉、石油精製所、ゴム工場、プラスチック工場、大型コンテナ船、エネルギープラントなどの、化石/燃料を燃焼させる設備から排出される有害なガスを洗浄するための異なる量の水を含有するタンクの組合せを含むガス濾過システムに関する。
【背景技術】
【0002】
世界中で経済および産業が急速に発展することによって、温室/有害ガス/粒子状物質の環境への放出が増加している。地球の大気中の一般的な温室/有害ガスは、二酸化炭素、二酸化硫黄、メタン、亜酸化窒素、オゾン、およびクロロフルオロカーボンを含む。これらの有害ガスの排出によって、酸性雨および/または温室効果などの多くの問題がもたらされる。温室効果は、たとえば地球の温度に影響して地球温暖化をもたらすいくつかの要因のうちの1つである。大気汚染の結果として、これらのガス排出物中のガス汚染を減らすために多くの努力がなされてきた。
【0003】
長年にわたり、たとえば排気ガスを洗浄するなど、ガスを濾過するためにいくつかの装置が開発されてきた。しかし、ほとんどの装置は複雑な構造を有するため、装置のコストが高くなる。さらに、当該技術分野におけるガスを洗浄するための方法は、場合によっては所望の効率を得るために複雑なプロセスを必要とする。ガスを洗浄するための従来の装置のいくつかの例を以下に例示する。
【0004】
ガス流から酸性またはアルカリ性の不純物を洗浄するための装置の1つは、トーマス(Thomas)(米国特許第6,893,484号)に開示されている。具体的には、トーマスの図面に示されるとおり、ガスが容器中に導入されて、容器の下部に位置する複数の管を通過する。次いでガスは管の穴から放出されて、液体吸収性物質を含有する密閉されたスペースに入る。最後に、洗浄されたガスが金属メッシュを通過して容器の外に放出される。
【0005】
ガスを洗浄するための別の方法は、トリベット(Trivett)(米国特許第7,056,367号)に開示されている。トリベットはガスを洗浄するための方法を開示しており、すなわちガスは液体タンクに押込まれて洗浄液の中を流れる。次いでガスは混合羽根を通じて反対方向に流れることによって小さい泡を生じさせ、それによってガス汚染物質と洗浄液との相互作用が高められる。
【0006】
さらに、ルーベ(Lube)(米国特許第4,212,656号)に開示されている煙洗浄システムは、煙の洗浄を促進するために水を噴霧することを含む。この構成において、煙は水噴霧に十分に接触するためにいくつかのチャンバを通過する。洗浄された煙は、次いで容器の外に放出される。最大限の効率を得るために、ルーベはファン噴霧タイプなどのいくつかのノズルを与えることによって、水が効果的に煙に接触するようにしている。この構成は、必然的にこうした煙洗浄システムの製造コストを増加させるのに加え、各容器の内側に配されるノズルを修理/維持することは難しいと考えられる。
【0007】
当該技術分野における開発の多くのその他の例が、同様の対象物に向けられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つまたはそれ以上の実施例において、ガス濾過システムは液体濾過システムとガス移送システムとを含む。液体濾過システムは、液体を含有するための互いに接続された複数のタンクを有する。ガス移送システムは、ガスを移送するために、タンクに結合されるパイプを含む。液体濾過システムのタンクは、液体を含まないタンクを少なくとも1つ含む。このタンク、すなわち乾燥タンクは、乾式濾過のために用いられてもよいし、場合によってはガスをガス濾過システムに強制的に流すためのポンプを入れるために用いられてもよい。
【0009】
別の実施例は、ガスを濾過/精製するための異なる量の水を含有するタンクの組合せを特徴とする。これは本発明の重要な特徴である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ガス濾過システムの1つまたはそれ以上の実施例の外枠を示す斜視図である。
【図2】ガス濾過システムの1つまたはそれ以上の実施例のガス移送システムを示す斜視図である。
【図3】ガス濾過システムの1つまたはそれ以上の実施例の内枠を示す分解概略斜視図である。
【図4】パイプによって互いに接続された2個のタンクの例を概略的に示して、ガス濾過システムのガス捕獲プロセスを示す斜視図である。
【図5】ガス濾過システムの1つまたはそれ以上の実施例に従った層フィルタシステムを示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、ガス濾過システムの1つまたはそれ以上の実施例の外枠の斜視図である。ガス濾過システム10は複数のタンク30を含む。少なくとも1つの実施例において、1個のタンクは液体濾過に用いられず、乾式ガス濾過に用いられる複数の層フィルタを含む。実施例において、タンク30に含まれることが望ましい液体は水である。ただし、ガス濾過システム10において用いられる液体は水に限定されないことに留意すべきである。同じ機能を達成できるあらゆるその他の構成要素がガス濾過システム10において用いられてもよい。
【0012】
いくつかの実施例において、濾過プロセスの最終段階は、活性炭/チャコールを含有する微粒子フィルタを含む乾燥フィルタの層に洗浄/湿潤(WET)濾過ガスを通すというものである。図1に示されるとおり、フィルタはタンク中に設けられることによって、いくつかの層のガス濾過を与える。
【0013】
各々のタンク30は、実質的に矩形または立方体の堅牢な形に形成される。いくつかのタンクを一緒に組立てて、前面24および頂面22を定める。図1に示される特定の実施例においては、8個のタンクを互いに隣接させて2列に配置している。加えて、図1に示される特定の実施例に従うと、液体を含有するためのタンク30の各々は、各タンク30の液体レベルを観察して液体を追加する適切なタイミングを示すために、タンク30の前面24上に透明なストリップ26を有する。フィルタ/液体捕獲観察のための装置28は、タンク30の外側に位置決めされ、一般的にはタンク30の前面24上に位置決めされる。装置28の本体は透明なプラスチックで作られることによって、使用者が液体の色変化を観察してタンク内で使用される液体の交換が必要なタイミングを決定できるようにしてもよいが、これに限定されるものではない。
【0014】
ガスをそれぞれのタンクに移送するために、この実施例においては、それ自体はガス濾過に用いられない1つまたはそれ以上のタンク中に、たとえばガスポンプ14a、14bおよび液体ポンプ16などのいくつかのポンプが設けられて位置決めされている。図1に示される実施例に関して、ガスポンプ14a、14bおよび水ポンプ16は、スペースの節約のために同じタンク中に置かれることが望ましい。ポンプ14a、14bおよび16を制御するための制御ボックス36は、タンクのうち1つの前壁に設けられている。
【0015】
複数の液体移送パイプ12は、液体を含有するように適合された各タンクに接続される。液体移送パイプ12は、各タンク30に対する液体入口34および液体出口32を定める複数のセグメントを有する。たとえば、ガス濾過システム10に用いられる液体は液体供給源入口38から導入され、液体移送パイプ12によって液体入口34を介して各タンク30に移送される。図1の特定の実施例において、液体入口34は前面24の上部においてそれぞれのタンク30に接続するように配置されている。ガス濾過プロセスが終了すると、ガス濾過システム10に用いられる液体は液体出口32から出される。液体出口32は使用済の液体をタンクから放出するために適合される。液体供給源入口38は液体移送パイプ12と結合される。液体を含有するために用いられるそれぞれのタンク30の各々に液体出口32が設けられることによって、使用済の液体をそれぞれのタンク30から別々に放出できる。液体ポンプ16は、たとえば液体を液体供給源入口38からタンクに強制的に流すためにタンク30中に置かれる。
【0016】
ガス濾過システムをしばらくの間使用した後には、タンク30中に汚染物質が残る。これらの汚染物質を洗浄するために、ホースを用いて各タンク30の前面24に形成されたホースプラグ80に接続してもよい。
【0017】
液体移送システムの動作中、濾過のためにガス濾過システムにおいて使用されるたとえば水などの液体は、水ポンプ16によって水供給源入口38から液体移送パイプ12に沿ってタンク30に移送される。ガスはガスポンプ14a、14bによって送り込まれる。
【0018】
図2は、ガス濾過システム10のガス移送システム50の実施例を示す斜視図である。いくつかのタンク30は、複数のガス移送パイプ52を含むガス移送システム50によっても接続されている。図2の実施例に従うと、ガス移送システム50は、1つのタンクから別のタンクにガスを移送するためのガス移送パイプ52a、52b、...52i(図3)を含む。望ましい実施例におけるガス移送パイプの材料はステンレス鋼である。いくつかの実施例において、各ガス移送パイプ52はタンク30内に設置されて、タンク30の頂面22から突出している。ガス移送パイプが突出する場所は必ずしも頂面22からでなくてもよいが、一般的に短時間でできる限り多くのガスを放出するように効率的にするには、タンクの頂面の近くにするべきである。ガス濾過プロセス全体は約10秒間続く。
【0019】
タンク30中のガス捕獲プロセスを示す図3に従って、ガス移送パイプ52の詳細な構造を以下に示す。タンク30の頂面22においては、濾過のためにタンク30にガスを導入するために、ガス入口54がタンク30の1つに接続されている。さらに、ガス濾過システム10によって洗浄された後のガスを放出するために、ガス出口56がタンク30の頂面22に設置されている。いくつかの実施例において、ガス出口56は、ガス濾過プロセスの最終ステップのための層フィルタを含有するタンク30の頂面22に設置されることが望ましい。(図3を参照しながら以下にガス濾過プロセスを示す。)
【0020】
図3は、ガス濾過システム10の1つまたはそれ以上の実施例の内部の構成を示す分解概略斜視図である。タンク30a、30b、...30gを含むタンク30は、たとえば複数のガス移送パイプ52a、52b、...52iなどのガス移送システム50によってともに接続される。ガス濾過システム10は、液体濾過のためのいくつかのタンクと、層濾過のための少なくとも1つのタンクとを含む。特に、図3に示されるとおり、タンク30a、30b、30d、30e、30fはガスを濾過/精製するための予め定められた量の液体を含有する。タンク30gはタンク30fに接続されており、複数の層フィルタ72(図5にも示される)を含有する。
【0021】
より特定的には、ガス濾過システム10のタンク30a、30b、...30hは互いに隣接して位置決めされ、一緒に組立てられている。図3に示される特定の実施例において、各タンク30a、30b、...30hは24”(インチ)×24”(インチ)×60”(インチ)という寸法を有する。なお、タンク30のサイズは図3に示されるものに限定されない。
【0022】
各タンク30a、30b、...30fに含有される液体の量は、ガスポンプ14a、14bの能力に基づいて予め定められる。各タンク30a、30b、...30fは、その液体の量に関連した液体レベルを有する。なお、液体レベルの高さも示される実施例に限定されず、液体レベルは液体の量に従って調整できる。図1〜3に示される特定の実施例として、各空気ポンプモーターの能力は230v、4hp、3451rpm、18ampsである。
【0023】
所望の効率を達成するためのタンク30a、30b、...30f中の液体レベルすなわち液体の量は、実用例としては以下のとおりである。
【0024】
第1のタンク30aは、高さ36”(インチ)の液体量を含有する(89.9ガロン)。
第2のタンク30bは、高さ16”(インチ)の液体を含有する(39.9ガロン)。
第3のタンク30cは、ガス濾過のための液体を含有しない。
第4のタンク30dは、高さ39”(インチ)の液体を含有する(97.2ガロン)。
第5のタンク30eは、高さ24”(インチ)の液体を含有する(59.8ガロン)。
第6のタンク30fは、高さ39”(インチ)の液体を含有する(97.2ガロン)。
【0025】
この液体レベルは、液体タンク全体を2つのスペース、すなわち液体を有さない上側スペースと液体を有する下側スペースとに分割する液面を定める。図3に示される特定の実施例において、たとえばタンク30aでは、タンク30aを液面64が液体を有さない上側スペース66と液体を有する下側スペース68とに分割する。
【0026】
図3は、タンク30がガス移送パイプ52またはガスポンプ14a、14bを介して互いに接続されることも示している。タンク30の接続態様によって、ガス移送パイプは2タイプに分かれる。より特定的には、ガス移送パイプ52a、52b、52d、52e、52g、52hは第1タイプのガス移送パイプIであり、これらはタンク30の頂面22に設置されて、それぞれのタンクにガスを移送するために、たとえばタンク30a、30b、30c、30d、30e、30f、30gなどのそれぞれのタンクに接続される。ガス移送パイプ52c、52fは第2タイプのガス移送パイプIIであり、これらはたとえばタンク30bおよび30dなどのそれぞれのタンクの頂面22に設置されており、第2タイプのガス移送パイプIIはそれぞれのタンクに直接接続するのではなく、空気ポンプに接続される。
【0027】
第1タイプのガス移送パイプIの各々は3つの部分、すなわち上部74、中間部72および下部70を有する。第1タイプのガス移送パイプIの上部74はタンクの外側に位置決めされており、2つのタンクそれぞれの上に設置されて互いを接続する2つの端部76および78を有する。この特定の実施例において、タンク30aに設置された第1の端部76とタンク30bに設置された第2の端部78とが2つのタンク30a、30bをともに接続することによって、ガスは上部74を通って中間部72へと移送される。中間部72および下部70はどちらも各々のタンク30中に置かれる。中間部72は実質的に直線状に形成され、タンク30の前面24に沿って鉛直方向に延びる。中間部に接続された下部70は湾曲しており、タンク30の下側スペース68を実質的に占有する。いくつかの実施例において、第1タイプのガス移送パイプIの下部70は水平方向に湾曲して、たとえば閉じたM形の形などになることによって、液体中にガス泡を放出する所望の効率を達成する。
【0028】
ガス移送パイプ52iは第1タイプのガス移送パイプの1つであり、上部74および中間部72を有する。ガス移送パイプ52iはタンク30fの頂面22に設置されて、上部74を介してガスを精製するための層フィルタ18を含有するタンク30gに接続される。ガス移送パイプ52iと他の移送パイプ、たとえば52a、52b、52d、52e、52g、52hなどとの相違点は、下部70iがT形をしていて、ガスを放出するための少なくとも1つの出口78を有することである。いくつかの実施例において、下部70iは図5に示されるとおりに2つの出口78a、78bを有してもよい。
【0029】
図3に従って、水/湿潤(WET)濾過および乾式繊維濾過を含む濾過のための詳細なプロセスを以下に示しかつ例示する。
【0030】
第1のガスポンプ14aは、第1のタンク30aの頂面22に設置されたガス入口54から第1のタンク30a内へとガスを強制的に流す。ガス入口54は第1のガス移送パイプ52aに接続されている。
【0031】
ガスはガス入口54から導入され、次いで第1のタンク30a内の第1のガス移送パイプ52aに強制的に流される。具体的には、ガスは第1のガス移送パイプ52aの中間部72を通って第1のガス移送パイプ52aの下部70へと下方に強制的に流され、さらに第1のタンク30aの下側スペース68中に放出される。
【0032】
本発明の実施例において、ガス移送パイプ52の下部70は、ガスをパイプ52の外に放出するための複数の小さい穴40を含む。各々の穴40は、意図される湿潤(WET)濾過を阻害する流動抵抗を与えることなく所望のガス/液体相互作用を生じさせるための予め定められた直径、たとえば3/16”(インチ)などを有する。
【0033】
ガスが穴40を通って放出されるときには、自然に泡効果(すなわち泡)が生じる。これは各々の泡に捕らえられたガスの表面積を最大化することを助け、それによって水がガスと適切に相互作用することを可能にする。第1ラウンドの濾過後、泡(ガス)は液体の頂面に上昇し、この頂面は液体レベル64によって定められており、さらに第1のタンク30aの上側スペース66にガスを放出し、その後ガスは第2のタンク30b中に強制的に流される。
【0034】
第1のタンク30aにおける第1ラウンドの濾過後のガスは、第2のタンク30bの頂面24に設置された第2のガス移送パイプ52b中に強制的に流される。ガスは、第2のガス移送パイプ52bの中間部72を介して第2の水タンク30bの下側スペース68へと下方に強制的に流される。次いでガスは第2のガス移送パイプ52bの下部70に送られ、小さい穴40を通って放出される。第1ラウンドの濾過と同様に、ガスは小さい穴40から外へ強制的に送られるために、自然に再び泡効果が生じて、各々の泡に捕らえられたガスの表面積を最大化することによって、液体がガスと完全に相互作用して所望の濾過を達成することを可能にする。2ラウンドの濾過後、泡(ガス)が液体の頂面64に上昇することによって、ガスは第2のタンク30bの上側スペース66に集まり、その後第3のタンク30c中に強制的に流される。
【0035】
第2のタンク30bからの濾過されたガスは、次いでガスポンプ14aに接続された第3のガス移送パイプ52c中に強制的に流される。ガスはガスポンプ14aによって、第4のガス移送パイプ52dを通って第3のタンク30c中に強制的に流される。
【0036】
ガスはガスポンプ14aによって強制的に流され、さらにガスポンプ14bによっても強制的に流されて、第3のタンク30cの頂面22に設置された第4のガス移送パイプ52dに入る。ガスは、第4のガス移送パイプ52dの中間部72を介して第3のタンク30cの下側スペース68へと下方に強制的に流される。次いでガスは第4のガス移送パイプ52dの下部70へと導かれ、小さい穴40を通って放出される。第3のタンク30cはガス濾過のための液体を含有していない。第3のタンク30cは、第1のガスポンプ14aおよび第2のガスポンプ14bがガスを次の濾過タンクへと円滑に移動させるのを助けるガスバッファとして用いられる。第3の水タンク30c中の濾過されたガスは、次いで第4のタンク30d中に強制的に流される。
【0037】
第3のタンク30cを通過した後のガスは、第4のタンク30dの頂面22に設置された第5のガス移送パイプ52e中に強制的に流される。ガスは、第5のガス移送パイプ52eの中間部72を介して第4のタンク30dの下側スペース68へと下方に強制的に流される。次いでガスは第5のガス移送パイプ52eの下部70に送られ、小さい穴40を通って放出されることによって前述の自然な泡効果を生成する。3ラウンドの濾過後、泡(ガス)は液体の頂面64に上昇し、ガスは第4のタンク30dの上側スペース66に放出され、その後ガスは集められて第5のタンク30e中に強制的に流される。
【0038】
第4のタンク30dからのガスは、次いでガスポンプ14bに接続された第6のガス移送パイプ52f中に強制的に流される。ガスは次いでガスポンプ14a、14bによって強制的に流され、第7のガス移送パイプ52gを通って第5のタンク30eに入る。
【0039】
ガスは、ガスポンプ14a、14bによって強制的に流され、第5のタンク30eの頂面22に設置された第7のガス移送パイプ52gに入る。ガスは第7のガス移送パイプ52gに沿って、第7のガス移送パイプ52gの中間部72を介して第5の水タンク30eの下側スペース68へと下方に強制的に流される。次いでガスは第7のガス移送パイプ52gの下部70に送られ、小さい穴40を通って放出される。4ラウンドの濾過後、泡(ガス)は液体の頂面64に上昇し、ガスは第5のタンク30eの上側スペース66に放出され、その後第6のタンク30f中に強制的に流される。
【0040】
ガスは、第6のタンク30fの頂面22に設置された第8のガス移送パイプ52h中に強制的に流される。ガスは第8のガス移送パイプ52hに沿って、第8のガス移送パイプ52hの中間部72を介して第6のタンク30fの下側スペース68へと下方に引かれる。次いでガスは第8のガス移送パイプ52hの下部70に送られ、小さい穴40を通って放出される。5ラウンドの濾過後、泡(ガス)は水の頂面64に上昇し、さらに第6のタンク30fの上側スペース66に放出され、次いで第7のタンク30g中に強制的に流される。
【0041】
第6のタンク30fにおける第5ラウンドの濾過において、特定の実施例では、ガスは水濾過を介して完全に湿潤(WET)濾過されている。
【0042】
洗浄されたガスは、第7のタンク30gの頂面22に設置された第9のガス移送パイプ52i中に強制的に流される。図3に示される実施例において、第7のタンク30gは最終フィルタタンクの役割をする。最終フィルタタンク30gは、その他の水タンク30a、30b、...30hと同じサイズを有してもよい。洗浄されたガスは、第9のガス移送パイプ52iを通って、第9のガス移送パイプ52iの中間部72を介してタンク30gの下側スペース68iへと下方に強制的に流される。第9のガス移送パイプ52iは、ガスタンク30gの下側スペース68iにガスを放出するための2つの出口78a、78bを有するT形の下部70iを含む。下側スペース68iは層フィルタ18によって定められている。図3に示される実施例において、層フィルタ18はタンク30gをいくつかのスペースに分けており、ガスは出口78a、78bから下側スペース68iに放出される。洗浄されたガスは、下側−上側方向に、濾過のいくつかの層、たとえば5層フィルタ18などを強制的に通される。
【0043】
濾過の各層フィルタ18は、間に活性炭/チャコールを有する微粒子フィルタを含有する。活性炭は臭気の中和/除去を可能にし、微粒子フィルタは濾過の付加的処置として用いられる。層濾過後、洗浄されたガスは最後にタンク30gの頂面22に設置されたガス出口56を通って大気中に放出される。
【0044】
湿潤(WET)濾過は、5ラウンドの濾過を通じてガスのほとんどの汚染物質を除去しているため、層フィルタは長期間使用可能であり、(たとえば)数ヶ月ごとに交換されるだけである。
【0045】
図4は、上述の実施例に従った2個の一般的なタンクの例を示して、ガス濾過システム10のガス捕獲プロセスを概略的に示している。
【0046】
ガス捕獲プロセスを簡略に示すため、図4には2つのガス移送パイプ52の中間部および下部のみを示す。基本的に、図3に対応して上述されるとおり、ガスはガス移送パイプ52を通ってタンク中に強制的に流され、小さい穴40を通って外に放出される。形成した泡は、隣接するガス移送パイプまたはパイプ出口(図4に示す)を通って出される。小さい穴40は、第1タイプおよび第2タイプのガス移送パイプ52の下部70に均一に分布している。より特定的には、この特定の実施例における穴は、互いに予め定められた距離1”(インチ)だけ間隔を置いている。
【0047】
図5は、本発明に従うガスタンクの内部の構成を示す。ガスタンク30gは、その他の水タンクと同じ3寸法を有する。ガスをガスタンク30gの下部に移送するために、ガスタンク30gの内側にガス移送パイプ52iが置かれている。ガス移送パイプ52iはすべての層フィルタを通過するように位置決めされ、パイプ52iの下部は一番下の層フィルタの下に置かれている。このため、ガスは一番下の層フィルタから一番上の層フィルタまで濾過されて、ガスタンク30gの外に放出される。
【0048】
各々の層フィルタ18はガスタンク30g内に位置決めされて、たとえば9”(インチ)などの予め定められた距離だけ互いに間隔を置いている。たとえば、第1の層はガスタンク30gの底面から48”(インチ)だけ間隔を置いている;第2の層はガスタンク30gの底面から39”(インチ)だけ間隔を置いている;第3の層はガスタンク30gの底面から30”(インチ)だけ間隔を置いている;第4の層はガスタンク30gの底面から21”(インチ)だけ間隔を置いている;第5の層はガスタンク30gの底面から11”(インチ)だけ間隔を置いている。
【0049】
液体濾過および層濾過のプロセスの後、濾過に用いられた液体は液体移送パイプ12によって次の濾過のためにタンク30に戻される。濾過液として用いられた、たとえば水などの液体は、清浄な水と容易に交換可能であることによって、ガス濾過システムを無限の寿命で連続的に使用することが可能になる。
【0050】
さらに、(たとえば)使用済の水の交換が必要になったときに、その水をガス濾過システムから回収してもよいことが注目される。回収された使用済の水を草パッチ(grass patch)上でテストする実験によると、草の顕著な悪化は何もなかった。回収された排水は、たとえば草地または腐敗タンク廃棄システムなどに簡単に撒くことが可能である。
【0051】
前に示したとおり、たとえば微粒子フィルタなどの層フィルタは、単に数ヶ月ごとに交換されてもよい。これは、微粒子フィルタが濾過プロセス全体の最終ステップに用いられるものであり、乾式濾過段階に達する前に液体がほとんどの有害な汚染物質を濾過して除去しているためにより長期間持続するという事実のためである。
【0052】
所望の結果を得るためには、各タンク中の予め定められた量の水の組合せが必要であることに留意すべきである。さらに、上に示したとおり、こうした所望の組合せにおける各々の穴40のサイズは3/16”(インチ)である。
【0053】
本発明は上に示したすべての目的を果たすことが当業者には容易に分かるであろう。前述の明細書を読んだ後に、当業者はさまざまな変更、同等物の置換および本明細書に広く開示される本発明のさまざまな局面を行なうことができる。したがって、本発明に与えられる保護は、添付の請求項およびその同等物に含まれる定義によってのみ制限されることが意図される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス濾過システムであって、
互いに接続された複数のタンクを有する液体濾過システムと、
タンク間でガスを移送するために前記タンクに結合されるガス移送システムとを含み、
前記タンクは液体を含まない乾燥タンクを含む、ガス濾過システム。
【請求項2】
ガス濾過システムであって、
互いに接続された複数のタンクを有する液体濾過システムを含み、前記タンクは前記ガスを精製するために異なる量の前記液体を含有し、
前記ガス濾過システムはさらに
複数の乾燥フィルタを有し、かつ前記液体濾過システム内の前記タンクの1つに接続される層濾過システムと、
タンク間でガスを移送するために前記タンクに結合されるガス移送システムと、
を含むガス濾過システム。
【請求項3】
請求項2に記載のガス濾過システムであって、
前記液体濾過システムの前記タンクは、液体を含有するタンクの間に接続された、液体を含有しない乾燥タンクを含む、ガス濾過システム。
【請求項4】
請求項1に記載のガス濾過システムであって、
前記ガス移送システムは前記ガスを移送するための複数のパイプを含み、
前記パイプは
それぞれのタンクの頂面に設置されてそれぞれ隣接するタンク中に伸びる第1のガス移送パイプと、
前記ガスを移送するために前記それぞれのタンクの前記頂面に設置されて、前記ガスを前記タンクの中または外に強制的に流すためのポンプに接続される第2のガス移送パイプと、
を含むガス濾過システム。
【請求項5】
請求項4に記載のガス濾過システムであって、
前記第1のガス移送パイプの各々は、
前記タンクの下側スペースに伸びており、かつ前記ガスを放出するための複数の穴を有する下部と、
前記下部に連続的に伸びる上部と、
を含むガス濾過システム。
【請求項6】
請求項1に記載のガス濾過システムであって、
複数の乾燥フィルタを有し、かつ前記液体濾過システム中の前記タンクの1つに接続される層濾過システムをさらに含むガス濾過システム。
【請求項7】
請求項6に記載のガス濾過システムであって、
前記ガス移送パイプは、前記ガスを移送して前記乾燥フィルタに通すために前記それぞれのタンクの前記頂面に設置された第3のガス移送パイプをさらに含み、
前記第3のガス移送パイプは、前記タンクの前記下側スペースに位置決めされ、かつ前記ガスを放出するための2つの出口を有するT形部分を含むガス濾過システム。
【請求項8】
請求項4に記載のガス濾過システムであって、
前記第1のガス移送パイプの各々の前記下部は閉じた略M字形状を定め、実質的に前記パイプの全長に沿って穴が設けられるガス濾過システム。
【請求項9】
請求項8に記載のガス濾過システムであって、
前記穴は整列されており、前記第1のガス移送パイプの周りで互いに1インチの距離を置かれているガス濾過システム。
【請求項10】
請求項9に記載のガス濾過システムであって、
前記穴の各々の直径は3/16インチであるガス濾過システム。
【請求項11】
請求項1に記載のガス濾過システムであって、
前記液体は水を含むガス濾過システム。
【請求項12】
ガスを濾過するためのガス濾過システムで用いられる方法であって、
パイプを通じて前記ガスを複数のタンクにそれぞれ送るステップを含み、前記タンクは前記ガスを洗浄するための液体を含有し、
前記方法はさらに
略M字形状のパイプに沿って分布される複数の穴を通じて前記ガスを泡の形で前記液体中に送るステップと、
前記ガスを前記タンクから上方に送り、次いで前記それぞれのパイプを通じて前記ガスを隣接するタンク中に下方に送るステップと、
前記ガスを前記タンクから放出するステップと、
を含むガス濾過方法。
【請求項13】
請求項12に記載のガス濾過方法であって、
前記パイプを通じて前記ガスを複数のタンクに送り、前記タンクは液体を含まない乾燥タンクを含むことによって圧力を軽減し、前記ガスが隣接するタンクにより円滑に移動することを可能にするガス濾過方法。
【請求項14】
請求項12に記載のガス濾過方法であって、
前記ガスを放出するステップの前に、液体を含まない乾燥タンクに前記ガスを送り、前記乾燥タンク中に設けられた層フィルタに前記ガスを強制的に通すステップをさらに含む、ガス濾過方法。
【請求項15】
請求項12に記載のガス濾過方法であって、
前記液体は水を含むガス濾過方法。
【請求項16】
請求項12に記載のガス濾過方法であって、
前記ガスを移送するための前記パイプは
それぞれのタンクの頂面に設置されてそれぞれ隣接するタンク中に延びる第1のガス移送パイプと、
前記ガスを移送するために前記それぞれのタンクの頂面に設置されて、前記ガスを前記タンクの中または外に強制的に流すためのポンプに接続される第2のガス移送パイプと、を含むガス濾過方法。
【請求項17】
請求項15に記載のガス濾過方法であって、
前記第1のガス移送パイプの各々は、
前記タンクの下側スペースに伸びており、かつ前記ガスを放出するための穴を有する下部と、
前記下部に連続的に延びる上部と、
を含むガス濾過方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−88001(P2012−88001A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−236309(P2010−236309)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(510280512)
【Fターム(参考)】