説明

ガス発生剤組成物

【課題】燃焼温度が低く、着火性の良いガス発生剤の提供。
【解決手段】(a)燃料、(b)塩基性金属硝酸塩を含む酸化剤、(c)塩基性金属炭酸塩及び(d)バインダー(但し、デンプン、エーテル化デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアガム、エーテル化グアガム、タマリンドガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドンから選ばれるものを含まない)を含有しており、(a)成分の燃料がメラミンシアヌレート(MC)とニトログアニジン(NQ)を含むものであり、MC/NQ(含有割合比)=0.20〜1.50の範囲であるガス発生剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼温度が低く、着火性が良いガス発生剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるエアバッグ装置等の車両安全装置に使用されるインフレータの内、ガス発生剤を使用しているものの場合には、製品の信頼性を確保するためにガス発生剤の着火性を上げることは非常に重要である。
一方、ガス発生剤の燃焼温度を下げることは、インフレータに設置されているクーラントへの熱負荷を低減し、その使用量を低減することができることから重要である。
しかし、ガス発生剤の燃焼温度を下げすぎると着火性が悪くなるため、燃焼温度の低温化と優れた着火性を同時に高いレベルで実現することが望まれている。
【0003】
また、エアバッグ装置用のインフレータにおいては安定したバッグの展開力が要求されているが、インフレータ内で燃焼するガス発生剤の燃焼速度は、インフレータ内の圧力変動により、下式のように圧力指数nのべき乗の幅で変動することが知られている。
r=aPn〔r:燃焼速度,a:定数(ガス発生剤組成に固有の値),P:インフレータ内の圧力,n:圧力指数(ガス発生剤組成に固有の値)〕
【0004】
n指数が大きなガス発生剤の場合、インフレーター内の圧力変動により、大きくガス発生剤の燃焼速度が変動し、それに伴いガス発生剤が燃焼して生じるガスの量も大きく変動することになる。
このような事態を生じると、インフレーター内の圧力の変動によりバッグの展開力も変動することになり、乗員の保護装置であるエアバッグとしての用をなしえなくなってしまう。
したがって、n指数の小さなガス発生剤を提供し、温度や圧力などの環境の変化に大きく影響されない燃焼安定性を有するガス発生剤の提供が重要である。
【0005】
特許文献1は、(a)燃料であるメラミンシアヌレート又はメラミンシアヌレートと含窒素有機化合物の混合物、(b)含酸素酸化剤を含むインフレータ用ガス発生剤組成物に関する発明であり、燃料成分としては新規なメラミンシアヌレートを使用することで、燃焼温度が低く、有害ガスの生成量が少ない等の特有の効果を奏することができたものである。
メラミンシアヌレートと含窒素有機化合物との混合物の配合比(質量比)は、含窒素有機化合物/メラミンシアヌレートは0.05〜8が好ましく、0.1〜6がより好ましく、0.2〜2が更に好ましいと記載されている(段落番号0015)。
解決課題として燃焼温度を低くすることは記載されているが(段落番号0007)、着火性の改善は解決課題ではなく、バインダーの選択により着火性を改善することが記載されているのみである(段落番号0024)。
圧力指数については、表4の実施例28にて0.23、実施例29において0.31のものが示されているだけである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3907548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、燃焼温度が低く、着火性が良く、さらに特に排ガス中の一酸化炭素量が少ないガス発生剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、特許文献1の発明を改良すべき研究した結果、
(I)特許文献1には具体的に記載されていないメラミンシアヌレートとニトログアニジンを特定比率で組み合わせること、
(II)特許文献1には具体的に記載されていない塩基性金属硝酸塩を含む酸化剤と塩基性金属炭酸塩を特定比率で組み合わせること、
により上記課題を解決でき、さらに圧力指数も大きく低下できることを見出し、本発明を完成したものである。
【0009】
本発明は、課題の解決手段として、
(a)燃料、
(b)塩基性金属硝酸塩を含む酸化剤、
(c)塩基性金属炭酸塩及び
(d)バインダー(但し、デンプン、エーテル化デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアガム、エーテル化グアガム、タマリンドガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドンから選ばれるものを含まない)を含有するガス発生剤組成物であって、
(a)成分の燃料がメラミンシアヌレート(MC)とニトログアニジン(NQ)を含むものであり、MCとNQの含有割合の比率(MC/NQ)が0.20〜1.50の範囲であり、
(b)成分の含有割合が(c)成分の含有割合よりも大きく、(b)成分の含有割合/(c)成分の含有割合の比率が1.00以上である、ガス発生剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のガス発生剤組成物は、燃焼温度が低く着火性が良い。さらに本発明のガス発生剤組成物は、燃焼で生じるガス中の一酸化炭素等の有害ガス量が少なく、圧力指数も小さくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<(a)燃料>
本発明で用いる(a)成分の燃料は、メラミンシアヌレートとニトログアニジンを含むものであり、メラミンシアヌレートとニトログアニジンのみでもよいし、さらに本発明の課題を解決できる範囲で公知の他の燃料を含有することもできる。
公知の他の燃料としては、5−アミノテトラゾール、ビテトラゾールアンモニウム塩を含むテトラゾール類化合物;グアニジン硝酸塩、ジシアンジアミドを含むグアニジン類化合物(ニトログアニジンは除く);メラミン、トリメチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン、アンメリン、アンメランド、メラミンの硝酸塩、メラミンの過塩素酸塩、トリヒドラジノトリアジン、メラミンのニトロ化化合物を含むトリアジン類化合物から選ばれる1又は2以上を挙げることができる。
【0012】
メラミンシアヌレートとニトログアニジンの他に公知の他の燃料を含有するときには、(a)成分の燃料中における前記他の燃料の割合は5質量%以下である。
【0013】
<(b)酸化剤>
本発明で用いる(b)成分の酸化剤は、塩基性金属硝酸塩及び必要に応じて他の酸化剤を含むものである。(b)成分として塩基性金属硝酸塩を使用することで、燃焼温度を低下させることができる。
塩基性金属硝酸塩は、塩基性硝酸銅、塩基性硝酸コバルト、塩基性硝酸亜鉛、塩基性硝酸マンガンから選ばれる1又は2以上を挙げることができ、これらの中でも塩基性硝酸銅が好ましい。
他の酸化剤としては、金属硝酸塩、硝酸アンモニウム、金属過塩素酸塩、過塩素酸アンモニウム、金属亜硝酸塩、金属塩素酸塩等を挙げることができる。
【0014】
<(c)塩基性金属炭酸塩>
本発明で用いる(c)成分の塩基性金属炭酸塩は、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸銅又はこれらの組み合わせである。(c)成分を使用することで、燃焼温度を低下させることができる。
【0015】
<(d)バインダー>
本発明で用いる(d)成分のバインダーとしては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCNa)、カルボキシメチルセルロースカリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート(CAB)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、微結晶性セルロース、ポリアクリルヒドラジド、アクリルアミド・アクリル酸金属塩共重合体、ポリアクリルアミド・ポリアクリル酸エステル化合物の共重合体、アクリルゴム、シリコーンから選ばれる1又は2以上を挙げることができる。これらの中でもCMCNaが好ましい。
【0016】
但し、本発明で用いる(d)成分のバインダーは、デンプン、エーテル化デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアガム、エーテル化グアガム、タマリンドガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドンから選ばれるものを含まない。
【0017】
<その他の成分>
本発明のガス発生剤組成物は、本発明の課題を解決できる範囲で、ガス発生剤組成物の燃焼速度を調整し、燃焼ガスを清浄にする目的等のために公知の各種添加剤を含有することができる。
公知の添加剤としては、酸化第二銅、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化ビスマス、シリカ、アルミナ等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化コバルト、水酸化鉄等の金属水酸化物;炭酸コバルト、炭酸カルシウム;酸性白土、カオリン、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、ヒドロタルサイト等の金属酸化物又は水酸化物の複合化合物;ケイ酸ナトリウム、マイカモリブデン酸塩、モリブデン酸コバルト、モリブデン酸アンモニウム等の金属酸塩;二硫化モリブデン、ステアリン酸カルシウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、メタホウ酸、ホウ酸、無水ホウ酸等を挙げることができる。
【0018】
本発明のガス発生剤組成物において(a)成分の燃料中のメラミンシアヌレート(MC)とニトログアニジン(NQ)の含有割合の比率(MC/NQ)は0.20〜1.50である。
本発明のガス発生剤組成物においては(b)成分の含有割合が(c)成分の含有割合よりも大きく、(b)成分の含有割合/(c)成分の含有割合の比率((b)/(c))が1.00以上であることが好ましい。
【0019】
本発明のガス発生剤組成物は、目的とする低温における着火性、排ガスの清浄度及び圧力指数に応じて、各成分の比率を調整することができる。
【0020】
低温における着火性を向上させるためには、MC/NQ比率は0.20以上が好ましく、より好ましくは0.30〜1.00、さらに好ましくは0.6〜0.95である。
低温における着火性を向上させるためには、(b)/(c)比率は1.00以上であることが好ましく、より好ましくは1.50〜15.00であり、さらに好ましくは5.50〜13.00である。
【0021】
排ガス中の一酸化炭素濃度を低下させ、圧力指数を小さくするためには、MC/NQ比率は0.50以下が好ましく、より好ましくは0.50〜0.20である。
【0022】
低温における着火性を向上させ、かつ排ガス中の一酸化炭素濃度を低下させ、圧力指数を小さくするためには、MC/NQ比率は0.70〜0.90で、かつ(b)/(c)比率は4.00〜8.00である。
【0023】
本発明のガス発生剤組成物中の(a)〜(d)成分の含有割合は以下のとおりである。
(a)成分の燃料は20〜50質量%が好ましく、より好ましくは25〜40質量%である。
(b)成分の酸化剤は30〜75質量%が好ましく、より好ましくは40〜70質量%である。
(c)成分の塩基性金属炭酸塩は3〜30質量%が好ましく、より好ましくは3〜15質量%である。
(d)成分のバインダーは2〜10質量%が好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。
【0024】
本発明のガス発生剤組成物は、上記した各構成要件を調整することにより、圧力指数(n)を0.20以下にすることができ、好ましくは0.15以下にすることができる。
【0025】
本発明のガス発生剤組成物は所望の形状に成型することができ、単孔円柱状、多孔円柱状又はペレット状の成型体にすることができる。これらの成型体は、ガス発生剤組成物に水又は有機溶媒を添加混合し、押出成型する方法(単孔円柱状、多孔円柱状の成型体)又は打錠機等を用いて圧縮成型する方法(ペレット状の成型体)により製造することができる。
【0026】
本発明のガス発生剤組成物又はそれから得られる成型体は、例えば、各種乗り物の運転席のエアバック用インフレータ、助手席のエアバック用インフレータ、サイドエアバック用インフレータ、インフレータブルカーテン用インフレータ、ニーボルスター用インフレータ、インフレータブルシートベルト用インフレータ、チューブラーシステム用インフレータ、プリテンショナー用インフレータに適用できる。
【0027】
また本発明のガス発生剤組成物又はそれから得られる成型体を使用するインフレータは、ガスの供給が、ガス発生剤からだけのパイロタイプと、アルゴン等の圧縮ガスとガス発生剤の両方であるハイブリッドタイプのいずれでもよい。
【0028】
本発明のガス発生剤組成物又はそれから得られる成型体は、雷管やスクイブのエネルギーをガス発生剤に伝えるためのエンハンサ剤(又はブースター)等と呼ばれる着火剤として用いることもできる。
【実施例】
【0029】
実施例及び比較例
表1に示す組成を有するガス発生剤組成物を製造した。これらの組成物について、表1に示す各項目の測定を行った。結果を表1に示す。
【0030】
(1)燃焼温度
理論計算に基づく燃焼温度。
【0031】
(2)燃焼速度
<円柱状ストランドの調製法>
実施例及び比較例の組成物に水を添加混合し、押出成型、裁断、乾燥することにより単孔状成形体を得た。
得られた単孔状成形体をめのう乳鉢で粉砕し、500μmの目開きの金網を通過させた粉体を所定の金型の臼側に充填した。
次に、杵側端面より油圧ポンプで圧力14.7MPaにて5秒間圧縮保持させた後取り出し、外径9.55mm、長さ12.70mmの円柱状ストランドに成型した。
この円柱状成型体の側面にエポキシ樹脂系化学反応形接着剤コニシ株式会社製「ボンドクイック30」を塗布後、110℃で16時間、熱硬化させ、側面から着火せず、端面のみから着火燃焼する(単面移動燃焼する)ようにしたものをサンプルとした。
【0032】
<燃焼速度の測定方法>
サンプルとなる円柱状ストランドを内容積1LのSUS製密閉ボンブ内に設置して、ボンブ内を完全に窒素置換しながら、6860kPaにまで加圧安定させた。
その後、ストランド端面に接触させたニクロム線に所定の電流を流し、その溶断エネルギーにより着火、燃焼させた。
ボンブ内の経時圧力挙動は、記録計のチャートにて確認し、燃焼開始から圧力上昇ピークまでの経過時間をチャートの目盛りから確認し、燃焼前のストランド長さをこの経過時間で除して算出した数値を燃焼速度とした。
4900及び8820kPaの加圧安定化での実験を上記と同様に行った。
【0033】
(3)圧力指数
上記方法で製造した円柱状ストランドを使用し、4900、6860、8820kPaの圧力で、窒素雰囲気下で燃焼速度を測定した。
実施例では、6860kPaの燃焼速度と、4900〜8820kPaの間の圧力指数を示す。
【0034】
(4)着火性
押出成型により得られた単孔状成形体(外径約4mm、内径約1mm、長さ約4mm)を評価試験用のガス発生器(体積31cm3の燃焼室を内部に備え、外郭ハウジングに設けられた複数のガス排出用開口部の総面積が79.8mm2であるもの)の燃焼室に不要の隙間ができないよう、かつ、当該ガス発生器に密閉した際に内部の単孔状成形体が割れない程度の量を仕込んだ。測定に用いた単孔状成形体の量を表1に示す。
この評価試験用のガス発生器は、ZPPを55mg含む点火器、ニトログアニジン、硝酸ストロンチウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、酸性白土からなる伝火薬4.5gを備えた点火手段を有するものである。
この評価試験用のガス発生器を、圧力測定用センサーを備えた燃焼試験用60リットルタンク内(−40℃)におけるに設置した。このガス発生器を作動させることにより、燃焼試験を行った。
点火手段の作動開始の時間を0とし、その後の経過時間とその経過時間における60リットルタンク内の圧力値により着火性を評価した。
10ミリ秒における圧力が80kPa以上であれば、着火性は非常に良好(◎)、10ミリ秒における圧力が50kPa以上80kPa未満であると着火性は良好(○)、10ミリ秒における圧力が50kPa未満であると着火性は不良である(×)と判断した。
【0035】
(5)ガス濃度の測定方法
(2)燃焼速度<円柱状ストランドの調製法>と同様にして得られた単孔薬及び(4)着火性と同仕様の評価試験用ガス発生器を用いて測定を行った。
点火手段(ZPPを55mg含む点火器、ニトログアニジン、硝酸ストロンチウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、酸性白土からなる伝火薬を4.5g)を備えた評価試験用ガス発生器を内容積2800リットルのタンク内に設置して、ボンブ内を完全に窒素置換しながら、7MPaにまで加圧安定させた。
この状態で、常温(23℃)で燃焼させ、タンク内に排出された燃焼ガスをFT‐IR(日本分光製 VIR−9500)に導通させることによりNO2、NO、CO、NH3濃度を測定した。濃度の値は、それぞれ、燃焼後3分、15分、30分の値を平均することにより得た。
【0036】
【表1】

【0037】
MC:メラミンシアヌレート
NQ:ニトログアニジン
GN:硝酸グアニジン
BCN:塩基性硝酸銅
BCC:塩基性炭酸銅
CMCNa:カルボキシメチルセルロースナトリウム塩
【0038】
比較例2、4〜6の組成物は、(a)成分としてMC及びNQを含有しているが、MC/NQの比率が0.20〜0.95の範囲外であることから、着火性が不良となったり(×評価)、燃焼温度が極端に高くなったりしていた。
比較例1の組成物は、着火性は良好(○評価)であったが、実施例と比べると圧力指数は高く、さらに一酸化炭素及びアンモニアの生成量が非常に高くなった。
実施例の各組成物は、燃焼温度が低く、着火性が良く(◎又は○評価)、比較例1と比べると燃焼ガス(排ガス)中の一酸化炭素とアンモニアの生成量が少なかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)燃料、
(b)塩基性金属硝酸塩を含む酸化剤、
(c)塩基性金属炭酸塩及び
(d)バインダー(但し、デンプン、エーテル化デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアガム、エーテル化グアガム、タマリンドガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドンから選ばれるものを含まない)を含有するガス発生剤組成物であって、
(a)成分の燃料がメラミンシアヌレート(MC)とニトログアニジン(NQ)を含むものであり、MCとNQの含有割合の比率(MC/NQ)が0.20〜1.50の範囲であり、
(b)成分の含有割合が(c)成分の含有割合よりも大きく、(b)成分の含有割合/(c)成分の含有割合の比率が1.00以上である、ガス発生剤組成物。
【請求項2】
(a)成分の燃料の含有割合が20〜50質量%
(b)成分の酸化剤の含有割合が30〜75質量%、
(c)成分の塩基性金属炭酸塩の含有割合が3〜30質量%、
(d)成分のバインダーの含有割合が2〜10質量%である、請求項1記載のガス発生剤組成物。
【請求項3】
(d)成分のバインダーがカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩である、請求項1又は2記載のガス発生剤組成物。

【公開番号】特開2012−211064(P2012−211064A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100664(P2011−100664)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000002901)株式会社ダイセル (1,236)
【Fターム(参考)】