説明

ガム容器

【課題】 本発明は、ガムを噛む毎に捨紙束を容器内に出し入れせずに、捨て紙に包んでガムを処分できるガム容器を提供することを課題とする。
【解決手段】 複数のガム5が収納された容器2と、複数の捨て紙31が個々に取出し可能に束ねられた捨紙束3とを備え、捨紙束3が、ガム5と共に容器2内に収納されているガム容器1であって、捨紙束3の一面に粘着層が設けられ且つこの粘着面に離型紙が添付されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に複数のガムと捨紙束が収納されているガム容器に関する。
【背景技術】
【0002】
チューインガム(本出願において「ガム」という)の包装形態として、開閉可能な蓋付きの合成樹脂製の容器内に、複数個のガムが収納されているガム容器が知られている。
かかる包装形態のガムは、一般に、ガムそのものは包装紙に包まれておらず、包装紙で個包装されたガムのように、噛み終わった後のガムを該包装紙に包んで捨てることができないため、別途、複数枚の捨て紙が束ねられた捨紙束が容器内に収納されている。
かかる捨て紙が同封されていることにより、消費者は、ガムを噛み終わった後、容器から捨紙束を取り出し、その束から1枚の捨て紙を取り出してガムを包み、ゴミ箱に捨てることができる。
しかしながら、ガムを噛んだ後、一々容器を開け、ガムと共に容器内に収納されている捨紙束を探して取り出すことは面倒である。又、捨紙束から1枚の捨て紙を取った後、この捨紙束をガムが収納されている容器内に戻すので、衛生上好ましいとは言えない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、ガムを噛む毎に捨紙束を容器内に出し入れせずに、捨て紙に包んでガムを処分できるガム容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明は、複数のガムが収納された容器と、複数の捨て紙が個々に取出し可能に束ねられた捨紙束とを備え、捨紙束が、ガムと共に容器内に収納されているガム容器であって、捨紙束の一面に粘着層が設けられ且つこの粘着面に離型紙が添付されているガム容器を提供する。
【0005】
かかるガム容器は、容器内に収納された捨紙束が、離型紙の添付された粘着層を有するので、使用者は、最初に該捨紙束を容器から取り出し、離型紙を剥がして、容器の外面などに貼り付けておくことができる。事後、ガムを噛む毎に、容器の収納部から捨紙束を出し入れしなくても、捨紙束から個々の捨て紙を取り出し、これにガムを包んで処分できる。
【0006】
また、本発明の第2の手段は、複数のガムが収容された容器と、複数の捨て紙が個々に取出し可能に捨ねられた捨紙束とを備え、捨紙束が、ガムと共にガム収容部に収納されているガム容器であって、容器の外面に、上層を引き剥がすことにより粘着面が露出しうるラベルが貼付されているガム容器を提供する。
【0007】
かかるガム容器は、容器の外面に上層を引き剥がすことにより粘着面が露出しうるラベルが貼付されているので、使用者は、最初に捨紙束を容器から取り出し、ラベル上層を引き剥がすことにより、ラベルの粘着面に捨紙束を貼り付けておくことができる。従って、上記と同様に、容器の収納部から捨紙束を取し入れせずに、個々の捨て紙にガムを包んで処分できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のガム容器は、ガムを噛む毎に捨紙束を容器内に出し入れせずに、捨て紙に包んでガムを処分できる。
従って、ガムを噛む毎に、容器内から捨紙束を探す必要もなく、簡単に捨て紙を取り出してガムを処分できる。
また、一度取り出した捨紙束を未だガムが収納されている容器内に戻さないので、衛生的に好ましいガム容器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
(第1実施形態)
図1に於いて、1は、複数のガム5が収納された容器2と、該容器2内に収納され、且つ複数の捨て紙31が個々に取出し可能に束ねられた捨紙束3と、を備えるガム容器を示す。
【0010】
具体的には、容器2は、例えば、内部に空洞状の収納部23が形成された上面開口型の本体21と、該本体21にネジ螺合(図示せず)によって着脱自在で、且つ本体21の開口部を開閉可能な蓋体22と、から構成されている。該容器2は、例えば、合成樹脂の成形品で形成されており、蓋体22の外面及び/又は本体21の外周面の適宜箇所に、商品名、広告、商品説明などの意匠印刷が施されたラベル7が貼付されている。
この容器2の収納部23内に、複数のガム5と捨紙束3が収納されている。収納されるガム5は、(包装紙で包まれていない)非包装のガムであって、その形態は特に限定されず、糖衣にて被覆された粒状のものや、糖衣で被覆されていない板状のものなどが例示される。
【0011】
捨紙束3は、図2に示すように、比較的厚手の台紙32と、該台紙32の上面に重畳的に重ねられた複数の捨て紙31と、台紙32の下面に塗布された粘着剤からなる粘着層33と、該粘着層33の粘着面を覆うように添付された離型紙34と、から構成されている。
個々の捨て紙31の下面の一側縁部31aには、弱粘着剤が塗布されており、該捨て紙31を上下に重ね合わせることにより、各捨て紙31は、一側縁部31aに於いて綴じられている。一方、使用時には、最上層の捨て紙31の他側縁部から捲り上げることにより、1枚の捨て紙31を簡単に取り外すことができるようになっている。
捨て紙31の大きさ(形状)は、特に限定されず、ガム5を包み込むことができる程度の形状(例えば40mm四方の矩形状など)に形成される。
粘着層33の粘着剤は、捨紙束3を容器2に貼付可能な程度の粘着力を有する感圧型粘着剤が用いられているが、捨紙束3が容器2内にガム5と共に収納されることから、食品衛生法に適合する安全性の高い粘着剤を用いることが好ましい。
【0012】
上記ガム容器1は、例えば、最初に捨紙束3を容器2内から取り出し、図3に示すように、離型紙34を引き剥がして露出した粘着層33を介して、蓋体22の外面や内面、容器本体21の外周面など適宜箇所に貼付することができる。
そして、ガムを噛み終わった後、使用者は、該貼付状態の捨紙束3から捨て紙31を1枚取り出し、これにてガムを包んで処分できる。
このように捨紙束3を一々容器2の収納部23内に戻す必要がないので、ガムを処分する毎に捨紙束3の出し入れをする煩雑さがなくなり、又、手で何度も触る捨紙束3を容器2内に戻さずに済むので衛生的にも好ましいものである。
尚、捨紙束3の貼付箇所は、容器2に限られず、例えば、車内のフロントパネルや、部屋の机など、使用者が所望する任意の場所に貼付することもできる。
【0013】
(第2実施形態)
第2実施形態は、ラベルに捨紙束を貼付できるガム容器に関する。以下、主として上記各実施形態と異なる部分を説明し、同様の構成については、用語及び図番を援用し、その説明を省略する。
本実施形態の捨紙束3は、特に図示しないが、貼付用の粘着層33及び離型紙34が設けられていないという点を除いて、上記第1実施形態と同様であり、容器2内に収納されている。
本実施形態に於いては、図4(a)に示すように、容器2に貼付されたラベル7のうち、例えば蓋体22の外面に貼付されたラベル7’が、上層を引き剥がすことにより粘着面が露出しうるラベルとなっている。
【0014】
具体的には、該ラベル7’は、図5に示すように、下から順に、容器2に貼付するための第1粘着層71と、下層基材72と、捨紙束3を貼付するための第2粘着層73と、剥離層74と、意匠印刷が施された上層基材75とを備えている。
第1粘着層71は、容器2に貼付可能な粘着剤であれば特に限定されず、感圧型粘着剤、感熱型接着剤などを用いることができる。
第2粘着層73は、上記第1実施形態と同様に感圧型粘着剤が好ましいが、本実施形態に係る捨紙束貼付用のラベル7’は、通常、容器2の外面に貼付されるので、食品衛生法に適合しないものを使用することもできる。
下層基材72及び上層基材75は、特に限定されず、紙、合成紙、合成樹脂シート(フィルム)など、ラベル基材として通常使用されているものを用いることができる。また、剥離層74は、シリコーン樹脂などを塗布することにより形成される。
【0015】
上記ガム容器1は、まず最初に容器2から捨紙束3を取り出し、ラベル7’の上層基材75を剥離して第2粘着層73の粘着面を露出させれば、図4(b)に示すように、該粘着面に捨紙束3を貼付することができる。
そして、ガムを噛み終わった後、使用者は、該貼付状態の捨紙束3から捨て紙31を1枚取り出し、これにてガムを包んで処分できる。
本実施形態に係るガム容器1は、上記と同様に、捨紙束3を容器2内に戻す必要がないので、捨紙束3の出し入れをする煩雑さがなくなり、衛生的にも好ましい。また、容器2内に収納する捨紙束3に貼付用の粘着層33を設けず、ラベル7’に貼付用の粘着層73を設けるため、粘着剤がガムに接触する虞がない。
【0016】
尚、上層基材75は、その全面を剥離して粘着面を露出させるものに限られず、例えば、上層基材75の一部分を剥離して粘着面を露出させるように構成されていてもよく、粘着面の露出面積は、捨紙束3を保持できる大きさに形成されていればよい。また、このような粘着面を露出しうるラベル7’を、本体21の外面及び蓋体22の上面の両方に設けても良い。
【0017】
<他の実施形態>
上記各実施形態では、捨紙束3は、複数枚の捨て紙31が一側縁部31aに於いて互いに弱接着されて束ねられたものからなるが、捨紙束3の構成はこれに限定されず、例えば、図6(a)に示すように、所定間隔をおいてミシン目などの切断線8が形成された帯状の紙を、該切断線8を境に交互に折り畳まれてなる捨紙束3を用いることもできる。かかる捨紙束3は、切断線8にて切り取られた紙片を捨て紙31として使用するものである。また、同図(b)に示すように、一面開口型のケース体9に、複数枚の捨て紙31が単葉で重ねて収納されている捨紙束3を用いることもできる。このように捨紙束3は、個々の捨て紙31を取り出し可能に構成されているものであれば、その具体的構成は特に限定されない。
また、捨て紙31の材質も紙に限定されず、プラスチックフィルムや合成紙などでもよい。
【0018】
また、上記各実施形態に於いて、容器2は、本体21とネジ作用によって着脱自在な蓋体22とからなるが、例えば、蓋体22が本体21に凹凸嵌合により着脱できるものでもよく、又、蓋体22が、ヒンジ部を介して本体21に連結されているものなどを用いることも可能である。
【0019】
さらに、上記各実施形態の容器2に代えて、本体21外面や蓋体22の外面に、捨紙束3が嵌り込む程度の大きさの凹部が形成された容器2を用いても良い。かかる凹部が形成された容器2によれば、捨紙束3を該凹部に貼付することができ、捨紙束3が容器2から突出することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態のガム容器を示す分解斜視図。
【図2】(a)は、捨紙束の斜視図、(b)は、同A−A線断面図。
【図3】同ガム容器の使用状態を示す縦断面図。
【図4】(a)は、第2実施形態のガム容器を示す斜視図、(b)は、同使用状態を示す斜視図。
【図5】図4(a)のB−B線で切断したラベルの断面斜視図。
【図6】(a)、(b)共に、捨紙束の他の実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0021】
1…ガム容器、2…容器、21…本体、22…蓋体、3…捨紙束、31…捨て紙、31a…捨て紙の一側縁部、32…台紙、33…粘着層、34…離型紙、5…ガム、7,7’…ラベル、71…第1粘着層、72…下層基材、73…第2粘着層、74…剥離層、75…上層基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のガムが収納された容器と、複数の捨て紙が個々に取出し可能に束ねられた捨紙束とを備え、前記捨紙束が、ガムと共に容器内に収納されているガム容器であって、
前記捨紙束の一面に粘着層が設けられ且つこの粘着面に離型紙が添付されていることを特徴とするガム容器。
【請求項2】
複数のガムが収容された容器と、複数の捨て紙が個々に取出し可能に束ねられた捨紙束と、を備え、前記捨紙束が、ガムと共に容器内に収納されているガム容器であって、
前記容器の外面に、上層を引き剥がすことにより粘着面の露出しうるラベルが貼付されていることを特徴とするガム容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−89054(P2006−89054A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−274319(P2004−274319)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】