説明

ガラスセラミックプレート

本発明の対象は、ヒ素およびアンチモンを含まないリチウム−アルミノケイ酸塩タイプのガラスセラミックプレートであり、400nmと500nmとの間の少なくとも1つの波長について4mmの厚さの場合のその光透過率は0.2%と4%との間である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスセラミックスの分野に関する。
【0002】
それは、とくにリチウム−アルミノケイ酸塩タイプのガラスセラミックプレートに関する。
【0003】
そのようなガラスセラミックスは、台所用物品として、とくに、ハロゲンもしくは放射熱源などの加熱要素を覆うレンジの上面として、または台所用具として、使用されることをとくに意図されている。
【背景技術】
【0004】
リチウム−アルミノケイ酸塩タイプのガラスセラミックスがこれらの使用に対して非常に適しているのは、大きな範囲で変わり得るそれらの美的外観、それらの機械的特性、とくに、使用される温度範囲内の低い熱膨張係数による高い衝撃強度、およびそれらの化学的特性、すなわち酸および塩基の両方に対する抵抗力のお陰である。
【0005】
従来、ガラスセラミックの製造では、いくつかの工程が行われる。すなわち、a)少なくとも1種の核生成剤を含有するガラスバッチ原料を溶融する工程、b)「母材ガラス」として知られているガラスを成形し、その転移範囲よりも低い温度まで冷却する工程、およびc)ガラスをセラミック化するための熱処理の工程が行われる。
【0006】
「セラミック化」として知られているこの熱処理は、ガラスの中における、(セラミック化温度によって決まる)β−石英またはβ−スポジューメン構造の結晶の成長を可能にする。それは、負の熱膨張係数を有するという特有の特徴を有する。
【0007】
最終のガラスセラミック内における上記結晶および残留ガラス相の存在により、概してゼロまたは非常に小さい熱膨張係数を得ることが可能になる(膨張係数の絶対値が、大体15×10-7/℃以下、または5×10-7/℃以下である。)。β−石英構造の結晶のサイズは、可視光を散乱しない程、一般にとても小さい。
【0008】
また、ガラスセラミックスは、それらの使用によって決まる特有の光学的特性を有する。たとえば、クッキングプレートの場合、加熱要素が動作していないとき、ユーザが、下にある加熱要素を識別できないように、または困難性をともなってようやく識別できるように、ガラスセラミックは低い光透過能力を有することが重要である。しかし、同時に、ホットプレートに接触して火傷する危険性を減少させるように、クッキングプレートは、加熱要素が加熱しているとき、ユーザをまぶしくさせないで、加熱要素が見えるようにしなければならない。また、ガラスセラミックは、可能な限り短い時間で所望の温度に食物を加熱するために、とくに加熱要素によって発生される赤外光を伝達する、良好なエネルギー伝達特性を有していなければならない。
【0009】
現在のクッキングプレートは、酸化バナジウムを使用して一般に着色されている。酸化バナジウムは、溶融の前に母材ガラスのバッチ原料に添加され、セラミック化後、バナジウムの還元に起因する非常に深いオレンジ−ブラウン色を付与する。
【0010】
加熱要素が高い温度にされたときに加熱要素が見えるように、酸化バナジウムを使用して着色されたこれらのガラスセラミックスは、赤色の範囲に位置する(600nmを超える)波長の光を透過させる。また、赤色の範囲の光を放射する発光ダイオードを使用して作り出された表示もクッキングプレートを通して見ることができる。
【0011】
また、審美的な理由のため、異なる色、とくに青色の表示を見えるようにするニーズが最近ある。
【0012】
欧州特許出願公開第1 465 460A号明細書は、可視スペクトル全体にわたって積分された光透過率Yが、3mmの厚さで2.5%以上であり、15%までの範囲でもよいところのガラスセラミックスを提案することによってこの問題を解決しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1 465 460A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、高い透過率により、加熱が起きていないときでさえ、下にある加熱要素の存在を見ることが可能であるので、この解決策は、不利な点がないものではない。さらに、上記出願は、酸化バナジウムによる着色を減少させるために酸化された母材ガラスを使用することを奨めている。しかし、上記方法を進めることによって、酸化バナジウムは、セラミック化工程の間に完全には還元されないこと、および、クッキングプレートが被る高温によって、クッキングプレートの使用経過にわたり酸化バナジウムは還元され続けることは、発明者にとって明らかである。これにより、クッキングプレートが徐々に黒くなるというエージング現象が起こる。さらに、その提案された組成物は、毒性の問題を有するヒ素および/またはアンチモンを含有する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、4mmの厚さの場合の光透過率が、400nmと500nmとの間の少なくとも1つの波長で0.2%と4%との間である、ヒ素およびアンチモンを含まないリチウム−アルミノケイ酸塩タイプのガラスセラミックプレートを提案することによって、これらの不利な点を克服することである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明によるプレートは、調理用レンジに一体化されることを意図されたとくにクッキングプレートである。この調理用レンジは、クッキングプレートと、加熱要素、たとえば放射もしくはハロゲン熱源、または誘導要素とを含む。その調理用レンジは、とくに青色の範囲の光を放射する発光ダイオードによる表示を好ましくは含む。
【0017】
4mmの厚さの場合の光透過率は、400nmと500nmとの間の少なくとも1つの波長で好ましくは、0.4%と1.5%との間である。
【0018】
有利なことに、4mmの厚さの場合の光透過率は、400nmと500nmの間の任意の波長で、好ましくは、0.2%と4%との間であり、とくに0.4%と1.5%との間である。
【0019】
この点で、青色または緑色の発光ダイオードの助力で作り出された表示を視覚化することが可能になるのみならず、それらの色を大きく歪曲することなくそれらの表示を視覚化することができる。少しでも歪曲することを防止するために、450nmと500nmとの間で、比較的平坦な透過スペクトルを有することが好ましい。450nmから500nmに至る波長の範囲で、もっとも高い光透過率ともっとも低い光透過率との間の差は、有利なことに、0.5%以下、または0.2%以下、または0.1%以下である。
【0020】
透過率がより高くなると、加熱期間以外でも加熱要素が視覚化され、それは避けるべきである。一方、透過率がより低い場合、青色または緑色の表示の視覚性が非常に悪くなる。
【0021】
ISO 9050:2003標準で意味するところの光透過率は、4mmの厚さの板の場合、好ましくは、3%以下、または2%以下、または1%以下である。この点で、加熱要素のスイッチがオフされているとき、加熱要素は見えない。
【0022】
用語「透過率」は、正透過率と起こりえる拡散透過率との両方を考慮に入れた全体的な透過率を意味すると理解される。したがって、好ましくは、積分球を備えた分光光度計が使用される。少なくとも一方の面に周期的な突状形状(とくに小突起)を有するガラスセラミックプレートの場合、そのプレートの厚さは、これらの突状形状を考慮に入れる。所与の厚さで測定された透過率は、とくにISO 9050:2003標準を含む当業者に知られている方法にしたがって4mmの基準厚さにその後変換される。
【0023】
表現「リチウム−アルミノケイ酸塩タイプのガラスセラミック」は、重量%として表現された以下に規定された範囲内の次の成分を含むガラスセラミックを意味すると好ましくは理解される。
SiO2 52〜75%
Al23 18〜27%
Li2O 2.5〜5.5%
2O 0〜3%
Na2O 0〜3%
ZnO 0〜3.5%
MgO 0〜3%
CaO 0〜2.5%
BaO 0〜3.5%
SrO 0〜2%
TiO2 1.2〜5.5%
ZrO2 0〜3%
25 0〜8%
【0024】
このガラスセラミックスは、1重量%までの必須でない成分を含んでもよい。この必須でない成分は、母材ガラスの溶融、または結果としてガラスセラミックスに至らしめる次の失透に不都合な影響を与えない。
【0025】
好ましくは、リチウム−アルミノケイ酸塩タイプのガラスセラミックは、重量%として表現された以下に規定された範囲内の次の成分を含む。
SiO2 64〜70%
Al23 18〜19.8%
Li2O 2.5〜3.8%
2O 0〜<1.0%
Na2O 0〜<1.0%
ZnO 1.2〜2.8%
MgO 0.55〜1.5%
CaO 0〜1%
BaO 0〜3%
SrO 0〜1.4%
TiO2 1.8〜3.2%
ZrO2 1.0〜2.5%
【0026】
ガラスの粘度を下げるために、酸化バリウムの含有率は、好ましくは1%と3%との間であり、とくに2%と3%との間である。同じ理由により、シリカの含有率は、好ましくは68%以下であり、とくに67%以下、または66%以下である。また、本発明者は、添加された量がとても少ない場合でさえ、粘度を低下させる点で石灰(CaO)の含有のとても強い効果を示すことができる。この理由で、CaOの含有量は、少なくとも0.2%、とくに少なくとも0.3%、または少なくとも0.4%である。
【0027】
アルミナ(Al23)の含有量を19.5%以下、とくに19%以下にすると、もっともよい結果が得られた。
【0028】
本発明によるプレートの化学組成物は、0.01重量%と0.1重量%との間の含有率で酸化バナジウムを好ましくは含む。この含有率は、好ましくは0.05%以下であり、または0.04%以下であり、または0.03%%以下であり、または0.025%以下であり、または0.02%%以下である。酸化バナジウムの好ましい含有率は、0.01%と0.03%との間である。
【0029】
酸化バナジウムの含有率が高くなると、プレートは黒くなり、その結果、とくに青色の範囲の表示の可視性が低くなる。一方、含有率をより低くすることにより、クッキングプレートの色を薄くすることができる。
【0030】
また、加熱要素を完全に隠すために、本発明によるプレートは、重量%の次の範囲内における次の着色剤を、とくに酸化バナジウムと組み合わせて含有してもよい。
Fe23 0〜1%
NiO 0〜1%
CuO 0〜1%
MnO 0〜1%
【0031】
これらの着色剤の割合の合計は、少なくとも0.02%であり、好ましくは少なくとも0.045%であり、2%を超えない。しかし、酸化バナジウムの含有率が0.01%と0.03%との間である場合、好ましくは、本発明によるクッキングプレートは、酸化コバルトおよび酸化ニッケルを含有しない。酸化クロム(Cr23)は、ほとんどのバッチ原料の中に含まれている、とくにルチルタイプのチタニアが運んでくる不純物である。さらに、溶融炉を構成する特定の耐火材料が酸化クロムを含有するか、または酸化クロムから構成される。所望の特性を得るために、本発明によるプレート中の酸化クロムの重量含有率は、25ppm以下(1ppm=0.0001重量%)、とくに20ppm以下、さらに15ppm以下、または10ppm以下、さらに5ppmであることがとても好ましい。そのような低い含有率の制限のため、バッチ原料を注意して選択し、溶融ガラスと接触する、酸化クロムで作製された耐火材料の存在を避ける必要がある。
【0032】
本発明によるプレートの化学組成物は、0.1重量%と0.5重量%との間の含有率で酸化スズを含んでいてもよい。とくに、酸化スズは、結果として色が現れることになるセラミック化工程の間のバナジウムの還元を促進することができる。さらに、母材ガラスを溶融している間、酸化スズは、母材ガラスを清澄するのを助ける。すなわち、酸化スズは、溶融ガラスのかたまりの中のガス状含有物を除去することを促進させる。本文の残りにより詳細に説明されているように、スズ以外の還元剤、とくに金属硫化物は、さらにより効果的であることが示されている。したがって、本発明によるクッキングプレートの化学組成物は酸化スズを含んでなくてもよい。
【0033】
環境保護の理由のため、ならびにアンチモンおよびヒ素の酸化物は、溶融ガラスが溶融スズ浴の上に流されているところのフロートタイプの成形プロセスに合わないことが示されているため、本発明によるプレートの化学組成物はアンチモンおよびヒ素を含まない。
【0034】
本発明によるガラスセラミックは、残留ガラス相の中にβ-石英構造の結晶を好ましくは含む。その膨張係数の絶対値は、だいたい15×10-7/℃以下、または5×10-7/℃以下である。
【0035】
本発明の別の対象は、本発明によるプレートを得る方法である。この方法は、母材ガラスを溶融および清澄する工程と、その後のセラミック化工程とを含む。
【0036】
溶融は、少なくとも1つのバーナーの助力をともなって、ガラス溶融炉の中で好ましくは実行される。バッチ原料(シリカ、スポジューメン等)は、その炉の中に導入され、高温の影響下、脱炭素の反応、それ自体の溶融の反応などの様々な化学反応を受ける。
【0037】
清澄工程は、溶融ガラスのかたまりの中に閉じ込められているガス状含有物を除去することに対応する。溶融ガラスのかたまりの表面に望ましくない含有物を運び去る泡を生じさせる理由で、清澄は少なくとも溶融温度で一般に実行される。
【0038】
清澄は、酸化第二スズの形態で導入される酸化スズを使用してとくに実行されてもよい。酸化第二スズの酸化第一スズへの高温還元は、清澄を起こさせる、酸素の大量の放出を生じさせる。その後、酸化第一スズは、セラミック化工程の間に酸化バナジウムを還元するために使用される。
【0039】
清澄は、金属硫化物の添加によって好ましくは実行される。硫化物もまた還元された母材ガラスを得るために使用され、セラミック化の間、酸化バナジウムの全体の還元の一因になる。また、硫化物を使用して清澄する場合、本発明による組成物は、上に示した含有率で酸化スズを含んでもよい。しかし、全く含有しないことが好ましい。
【0040】
金属硫化物は、遷移金属硫化物、たとえば硫化亜鉛、アルカリ金属硫化物、たとえば硫化カリウム、硫化ナトリウムおよび硫化リチウム、ならびにアルカリ土類金属硫化物、たとえば硫化カルシウム、硫化バリウム、硫化マグネシウムおよび硫化ストロンチウムから好ましくは選択される。好ましい硫化物は、硫化亜鉛、硫化リチウム、硫化バリウム、硫化マグネシウムおよび硫化ストロンチウムである。硫化亜鉛は、ガラスまたはガラスセラミックの着色の一因とはならないので、硫化亜鉛がとくに有利であることが示されている。また、ガラスセラミックが酸化亜鉛を含有しなければならない場合に硫化亜鉛が好ましい。この場合、硫化亜鉛は、還元剤/清澄剤および酸化亜鉛源の2つの役割を果たす。
【0041】
また、硫化物は、硫化物を多く含んだガラスフリットまたはスラグの形態でガラスバッチ原料の中に導入されてもよい。これは、ストーンの溶解を促進し、ガラスの化学的均質性およびその光学的特性を改善するという点で有利である。しかし、スラグは、赤外透過率を減少させる鉄を多く含有することがよく知られている。この観点から、化学的組成、とくに鉄の含有量を完全に制御し得るガラスフリットを使用することが好ましい。
【0042】
好ましくは、硫化物は、ガラスバッチ原料の2%未満の量で、有利なことに1%未満の量で、より好ましくは0.07%と0.8%との間の量で、ガラスバッチ原料に添加される。0.3%と0.7%との間の含有率が好ましい。
【0043】
清澄の役割を完全に行うために、硫化物、とくに硫化亜鉛は、コークスなどの還元剤と好ましくは組み合わされる。導入されるコークスの含有率は、好ましくは800ppmと2000ppmとの間であり、とくに1200ppmと1800ppmとの間である(1ppm=0.0001重量%)。
【0044】
また、硫化物は、酸化剤、好ましくは硫酸塩と組み合わされてもよい。硫酸塩は、ガラスまたはガラスセラミックの中に着色種を形成しない点で有利である。とくに、硫酸塩は、硫酸ナトリウム、硫酸リチウムまたは硫酸マグネシウムであってもよい。導入される硫酸塩の含有率は、SO3で換算すると、好ましくは0.2重量%と1重量%との間であり、とくに0.4重量%と0.8重量%との間である。
【0045】
母材ガラスの溶融および清澄は、1700℃以下、とくに1650℃以下、さらに1600℃以下の温度で好ましくは実行される。
【0046】
清澄工程の後、得られた母材ガラスは、ガラスセラミックを製造するための通常の条件下で処理される。
【0047】
たとえば、ガラスは、たとえばフロートプロセスの状況下でリボン状に成形される。フロートプロセスでは、溶融ガラスが、溶融スズ浴の上に浮いている。その後、上記リボンは、プレートに切断されるか、ローリングによって直接プレートの形状になるか、または型に入れられて所望の形状に成形される。
【0048】
その後、成形されたガラスは、そのガラスをガラスセラミックに変える目的で熱処理を受ける。
【0049】
セラミック化工程の間、母材ガラスは、次の工程を含むセラミック化サイクルをとくに受けてもよい。
a)通常、転移範囲の近くに位置する核生成範囲に温度を、とくに50〜80℃/分で上昇させる。
b)核生成範囲(670〜800℃)をおよそ20分間受けさせる。
c)900℃と1000℃との間のセラミック化平坦域の温度Tまで温度を15〜30分で上昇させる。
d)10〜25分の時間tの間、セラミック化平坦域温度Tに維持する。そして、
e)室温に急冷する。
【0050】
本発明の別の対象は、本発明による、または本発明による方法によって得られたクッキングプレートと、少なくとも1つの加熱要素、たとえば放射もしくはハロゲン加熱要素または誘導要素とを含む調理用レンジである。調理用レンジは、とくに青色の範囲の光を放射する、発光ダイオードによる表示を好ましくは含む。
【0051】
本発明は、限定しない次の例に照らし合わせると、よりよく理解されるであろう。
【0052】
以下の表1に示される組成を有する様々な母材ガラスが、酸素/天然ガスバーナーを使用して加熱された炉の中で溶融される。溶融温度は、1650℃のオーダーである。母材ガラスは、ローリングによってプレートに成形され、その後、ガラスセラミックを形成するためにセラミック化処理を受ける。この処理は、前に記載された工程a)〜e)を含むサイクルにしたがって実行される。
【0053】
酸化物の重量含有率、ガラスバッチに添加される所望によるコークスまたは硫化亜鉛の含有率ならびに450nmおよび500nmにおける4mmの厚さの場合の光透過率をその表は示す。
【0054】
組成C1(比較例)は、450nmと500nmとの間の透過率がとても低いため、青色発光ダイオードがほとんど見えないガラスセラミックである。
【0055】
組成1〜4は、本発明による例である。
【0056】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
400nmと500nmとの間の少なくとも1つの波長について4mmの厚さの場合の光透過率が0.2%と4%との間である、ヒ素およびアンチモンを含まないリチウム−アルミノケイ酸塩タイプのガラスセラミックプレート。
【請求項2】
400nmと500nmとの間の少なくとも1つの波長について4mmの厚さの場合の光透過率が0.4%と1.5%との間である請求項1に記載のプレート。
【請求項3】
前記プレートの化学組成物が、重量%として表現された以下に規定された範囲内の次の成分を含む請求項1または2に記載のプレート。
SiO2 52〜75%
Al23 18〜27%
Li2O 2.5〜5.5%
2O 0〜3%
Na2O 0〜3%
ZnO 0〜3.5%
MgO 0〜3%
CaO 0〜2.5%
BaO 0〜3.5%
SrO 0〜2%
TiO2 1.2〜5.5%
ZrO2 0〜3%
25 0〜8%
【請求項4】
前記プレートの化学組成物が、重量%として表現された以下に規定された範囲内の次の成分を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレート。
SiO2 64〜70%
Al23 18〜19.8%
Li2O 2.5〜3.8%
2O 0〜<1.0%
Na2O 0〜<1.0%
ZnO 1.2〜2.8%
MgO 0.55〜1.5%
CaO 0〜1%
BaO 0〜3%
SrO 0〜1.4%
TiO2 1.8〜3.2%
ZrO2 1.0〜2.5%
【請求項5】
前記プレートの化学組成物が0.01重量%と0.1重量%との間の含有率で酸化バナジウムを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のプレート。
【請求項6】
前記プレートの化学組成物が0.01重量%と0.03重量%との間の含有率で酸化バナジウムを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のプレート。
【請求項7】
前記プレートの化学組成物が0.1重量%と0.5重量%との間の含有率で酸化スズを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のプレート。
【請求項8】
前記プレートの化学組成物が酸化スズを含まない請求項1〜6のいずれか1項に記載のプレート。
【請求項9】
前記プレートの化学組成物が酸化ニッケルと酸化コバルトとを含有しない請求項1〜8のいずれか1項に記載のプレート。
【請求項10】
酸化クロムの重量含有率が25ppm以下、とくに20ppm以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載のプレート。
【請求項11】
母材ガラスを溶融および清澄する工程と、その後にセラミック化する工程とを含む請求項1〜10のいずれか1項に記載のプレートを得る方法。
【請求項12】
前記清澄する工程は、金属硫化物、とくに硫化亜鉛を添加することによって実行される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記溶融および清澄する工程は、1700℃以下の温度、とくに1650℃以下の温度で実行される請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の、または請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法よって得られる、クッキングプレートと、少なくとも1つの加熱要素とを含む調理用レンジ。

【公表番号】特表2012−528063(P2012−528063A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512439(P2012−512439)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【国際出願番号】PCT/FR2010/051028
【国際公開番号】WO2010/136731
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(504374919)ユーロケラ ソシエテ オン ノーム コレクティフ (16)
【Fターム(参考)】