説明

ガラス外壁構造

【課題】 建築物の1階分の高さ方向に継ぎ目なく施工可能であり、外観の意匠性が優れたガラス外壁構造を提供する。
【解決手段】 建築物の外壁をガラスで構成するガラス外壁構造であって、前記ガラスは少なくとも2枚の矩形板ガラスを積層した積層ガラス(複層ガラス1,1a)であり、該積層ガラス1,1aは、下部支持枠から上部支持枠までのほぼ階高におよぶ高さを有する1枚の矩形板ガラスからなる室外側ガラス11と、該室外側ガラス11より高さ方向に短寸の矩形板ガラスからなる室内側ガラス12とを対向させてなり、該積層ガラスの上辺または下辺のうち、前記室内側ガラス12の端部が前記室外側ガラス11の端部より高さ方向において該積層ガラスの中央側に配置された段違い辺部において、前記室外側ガラス11と前記室内側ガラス12とを個別に支持して建築物に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の建築物で用いられるガラス外壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、採光性や視認性を高めるとともに外観を向上させるために、ビルの外壁にガラスを使用することが多くなっている。そして、省エネルギー効果や快適な室内環境を得るために、外壁用ガラスとして、遮熱・断熱効果を有する複層ガラスや防音・防犯効果を有する合わせガラスが広く使用されている。
【0003】
複層ガラスは、2枚またはそれ以上の板ガラスを、これらの間に空気層が形成されるように周縁部にスペーサを介在させて配置し、スペーサの側面と板ガラスとの境界面にブチルゴム等の一次シールを施し、さらに、スペーサの外縁側の板ガラス間に例えばシリコーン系の二次シールを施して形成される。このような複層ガラスは、例えば特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0004】
特許文献1は、複層ガラス端部の二次シールにスリットを形成し、そこにガラス取付部材の受け具を嵌入させたものである。これによると、取付部材が室外側に露出することなく複層ガラスを施工できるので、意匠性は高まるが、二次シールの一部を分断して受け具を嵌め込むスペースを設けるため、製造工程が煩雑である。
【0005】
特許文献2は、室外側ガラスよりも室内側ガラスの縦寸法を少し大きくして、アタッチメントで室外側ガラスの縦方向端部を挟持するとともに室内側ガラスへ保持させ、室内側ガラスの縦方向端部を単板ガラス用の枠材に取り付けるものである。これによると、従来の単板ガラス用の枠材を用いて複層ガラスを取り付けることができるので、単板ガラスを複層ガラスに付け替えることが可能である。ところが、この複層ガラスは、上端の段差部において、主板ガラスの端部のみを框の内溝に取り付ける複層ガラスであり、主板ガラスと従板ガラスの寸法差が大きい場合には、そのまま適用することが困難である。したがって、大きな寸法差のある2枚の板ガラスを同時に保持する新たな支持部材が必要になる。
【0006】
一方、建築物の防火基準を満たすため、外壁を構成するガラスに、網入り板ガラスや耐熱板ガラス等の使用が求められることがある。ところが、商業ビル等のように外観の意匠を重視するビルにおいては、網入り板ガラスは適さない。更に、意匠性を考慮すると、1階分の高さを全て1枚のガラスで覆うことが望まれる。
【0007】
しかしながら、耐熱板ガラスは、製造上の制約から、所定寸法以上の大きなサイズを製造することが困難であるとともに、コスト面で実用的ではない。また、防火認定上の制約等もあり、通常、耐熱板ガラスは、長辺の最大寸法が3000mmである。従って、階高が3000mmを上回るときには、1枚のガラスで覆うことができず、複数の板ガラスを継ぎ目を介して施工したり、スパンドレルを介して外壁を構成することとなるため、意匠性の改善が望まれていた。
【特許文献1】特開平9−278498号公報
【特許文献2】特開平9−317336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術を考慮してなされたものであり、建築物の1階分の高さ方向に継ぎ目なく施工可能であり、外観の意匠性が優れたガラス外壁構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、建築物の外壁をガラスで構成するガラス外壁構造であって、
前記ガラスは少なくとも2枚の矩形板ガラスを積層した積層ガラスであり、該積層ガラスは、下部支持枠から上部支持枠までのほぼ階高におよぶ高さを有する1枚の矩形板ガラスからなる室外側ガラスと、該室外側ガラスより高さ方向に短寸の矩形板ガラスからなる室内側ガラスとを対向させてなり、該積層ガラスの上辺または下辺のうち、前記室内側ガラスの端部が前記室外側ガラスの端部より高さ方向において該積層ガラスの中央側に配置された段違い辺部において、前記室外側ガラスと前記室内側ガラスとを個別に支持して建築物に固定することを特徴とするガラス外壁構造を提供する。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記積層ガラスが、前記室外側ガラスと前記室内側ガラスとを周縁部に間隔保持部材を介し所定間隔を隔てて対向させた複層ガラスであり、該複層ガラスが、前記段違い辺部で前記間隔保持部材の外端面が前記室内側ガラス端部より前記複層ガラスの内部側に配置されていることを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記積層ガラスが、前記室外側ガラスと前記室内側ガラスとを中間接着層を介して接着された合わせガラスであることを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、前記室内側ガラスが耐熱板ガラスであることを特徴としてる。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、前記積層ガラスの上下端部のうち、下端部において前記室外側ガラスの端面と前記室内ガラスの端面とを揃えて配置することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によると、下部支持枠から上部支持枠までのほぼ階高におよぶ高さを有する1枚の矩形板ガラスからなる室外側ガラスを用いるので、建築物の1階分の高さ方向に継ぎ目がなくガラス外壁を施工できるので、外観の意匠性が優れたガラス外壁構造が得られる。一方、室内側ガラスには、室外側ガラスより高さ方向に短寸の矩形板ガラスからなる室内側ガラスを用いるので、製造可能な寸法に制限のあるガラスを室内側ガラスとして使用できる。また、本発明に用いるガラスは、高さ方向の寸法の異なる室外側ガラスと室内側ガラスとを積層した積層ガラスであり、室内側ガラスの端部が室外側ガラスの端部より高さ方向において該積層ガラスの中央部に配置された段違い辺部において、室外側ガラスと室内側ガラスとを個別に支持して建築物に固定するので、段違い辺部においてもガラスを確実かつ強固に躯体に取り付けられる。なお、室内側ガラスは、高さ方向に分割される複数の矩形板ガラスからなるものであってもよい。
【0015】
請求項2の発明によると、段違い辺部において間隔保持部材の外端面が室内側ガラス端部より前記複層ガラスの内部側に配置されるので、例えば間隔保持部材の一部を構成するシーリング材を分断することなく容易に室内側ガラスの端面のみを支持して建築物に取り付けられる。なお、間隔保持部材としては、断面略角形に成形しその内部に乾燥剤を封入したアルミニウム等からなる金属製スペーサをブチルゴム等のシール材料を介してガラス間に介在させ、このスペーサ外端面と両側のガラスに囲まれる領域にシーリング材料を充填したものや、乾燥剤を充填した樹脂製のスペーサを接着剤等を介してガラス間に介在させたもの等が使用できる。前者の場合、スペーサ外端面と両側のガラスに囲まれる領域に充填されるシーリング材料の外端面が室内側ガラス端部より複層ガラスの内部側に配置される。段違い辺部は、複層ガラスの上辺および下辺の両方に、又はどちらか一方のみに設ければよい。
【0016】
請求項3の発明によると、積層ガラスとして合わせガラスを用いるので、複層ガラスの場合に必要な間隔保持部材が不要であり、外部から間隔保持部材が見えないので外観の意匠に優れたガラス外壁が得られる。また、中間接着層として、例えば防耐火性能や遮音性能に優れる中間膜を使用することもできる。
【0017】
請求項4の発明によると、室内側ガラスが耐熱板ガラスなので、防火性能が求められる外壁として用いることができる。また、耐熱板ガラスは、製造上の制約から、所定寸法以上の大きなサイズを製造することが困難であるとともに実用的ではないので、例えば階高が大きいビルの外壁として用いる場合に、製造可能な最大寸法を縦辺とする耐熱板ガラスを室内側ガラスとして用い、かつ、この寸法を例えば天井高の寸法とし、天井内は他の防火壁を用いて防火対策を施すことができる。一方、室外側ガラスはほぼ階高におよぶ高さを有する1枚の矩形板ガラスを用いるので、外観の意匠性に優れ、かつ防火性能を満たす外壁を形成できる。
【0018】
請求項5の発明によると、室外側ガラスと室内側ガラスとを下端側で揃えて配置することにより、積層ガラス全体の自重をその下端部で安定して支持することができ、施工の際の作業性も良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の第一実施例を示す。複層ガラス1は、施工する建築物の階高分の縦寸法を有する室外側ガラス11と、例えば耐熱板ガラスからなる室内側ガラス12の2枚の板ガラスを、スペーサ2を介して、下端部の端辺21,22の位置を揃えて重ね合わせることにより形成される。室外側ガラス11は、例えば板厚15mmのフロート板ガラスで縦寸法が4500mm、室内側ガラス12は、例えば板厚10mmの耐熱板ガラスで縦寸法が3000mmである。耐熱板ガラスとしては、耐熱強化ガラスや低膨張防火ガラス、耐熱結晶化ガラスが例示される。なお、室外側ガラス11、室内側ガラス12として、それぞれ複層ガラスや合わせガラスを用いることもできる。
【0021】
室外側ガラス11および室内側ガラス12は、例えばブチルゴム等からなる一次シール3を介して配設されたスペーサ2を挟むことにより所定の間隔に保持される。スペーサ2よりも各ガラス11,12の外周側に、例えばシリコーン系の二次シール4を施して周縁部をシールし、ガラス11,12間に中空層10を形成する。スペーサ2は通常中空構造であり、内部に乾燥剤(不図示)が充填されて、中空層10内の曇りや結露等を防止する。また、中空層10には、例えばアルゴンガスやキセノンガスなど、空気よりも熱伝導率が小さく且つ空気よりも重い不活性ガスを封入し、中空層10内の対流を妨げて断熱性の向上を図ることができる。中空層10の厚さは、例えば12mmである。
【0022】
スペーサ2のガラス端縁側には二次シール4が配され、複層ガラス1の両側辺および下辺部に関しては、二次シール4の仕上げ面(外端面)が複層ガラス1の端面とほぼ同一になるように配設され、上辺部は、二次シール4の仕上げ面(上面)が、室内側ガラス12の上端の小口面24から30〜50mm程度下がった位置となるように配設される。
【0023】
図2は、図1の複層ガラス1の取付状態を示す。
複層ガラス1の下端は、床スラブ13aに固定された取付部材5aの上面に設けられる下部支持枠等の従来より周知の一般的な支持方法により取り付けられる。室外側ガラス11の上端は、上階の床スラブ13bに固定された取付部材5bの下面に設けられる上部支持枠等に取り付けられる。このように、1枚の室外側ガラス11の縦方向の長さが、下階の床スラブ13aから上階の床スラブ13bまでの1階分の高さとなる。
【0024】
室内側ガラス12の縦寸法は、下階の床スラブ13aから天井14までの高さであり、室内側ガラス12の上端は、天井14に固定された支持部材6に取り付けられる。天井14から上階の床面16までの間隔は900mm以上に設定され、その間の層を塞ぐように耐火ボード15が設置されて、スパンドレルの区画が形成される。
【0025】
図3は、図2のA部、すなわち室内側ガラス12上端部付近の拡大図である。
室外側ガラス11と室内側ガラス12との間には、一次シール3を介してスペーサ2が取り付けられ、スペーサ2よりもガラス11,12の外周側に二次シール4が施されている。室内側ガラス12上端の小口面24側は、前述の通り、二次シール4の仕上げ面(外端面)41が小口面24から少し下がった位置になるようにスペーサ2が配設されている。
【0026】
これにより、室内側ガラス12の小口面24から二次シール4の仕上げ面41までの間の室内側ガラス12を支持部材6で挟持して室内側ガラス12を天井14に取り付けることができる。すなわち、室内側ガラス12の上端部を、ゴムまたは樹脂製の断面コ字状の緩衝部材7を介して、天井14(図2)に固定された支持部材6で挟持する。したがって、複層ガラス1の段違い辺部である上端側で、室外側ガラス11と室内側ガラス12とをそれぞれ別の部材(室外側ガラス11は取付部材5b、室内側ガラス12は支持部材6)を用いて個別に躯体に支持するので、複層ガラス1を確実かつ強固に支持できる。
支持部材6は、地震時の躯体の変形を考慮して、小口面24の上側に少し空間17を設けて室内側ガラス12を把持する。尚、この空間17に緩衝用部材を嵌装してもよい。
【0027】
室外側ガラス11の上端部は室内側ガラス12より突出し、単板の状態で取り付けられているため、室外側ガラス11の室内面側に結露が生じる場合がある。この結露水が室外側ガラス11と室内側ガラス12との隙間20に流れると、二次シール4の耐久性を損ない、中空層10に水が浸入するおそれがある。そのため、図3に示すように、隙間20の開口側を止水用のガスケット8で塞ぐことが好ましい。ガスケット8の上面は、室外側ガラス11の室内側を流れる結露水がガスケット8に沿って逃げることができるような傾斜が設けられる。
【実施例2】
【0028】
図4は本発明の異なる実施例であり、図1と同様の室外側ガラス11および室内側ガラス12からなる複層ガラスにおいて、室外側ガラス11の内側に、例えば熱線反射膜等の金属膜9をコーティングしたものである。これにより、熱線を反射して建物の冷房負荷を削減できる他、可視光透過率を比較的低く調整して適度な透視性を付与してスペーサ2や二次シール4が室外側から目立たなくし、意匠性を向上できる。
【実施例3】
【0029】
図5は、本発明の更に異なる実施例を示す。前述の実施例では、複層ガラス1の段違い辺部を上端部側に配置したが、図5の実施例は段違い辺部を複層ガラス1aの下端部側に配置したものである。この複層ガラス1aは、第一実施例と同様の室外側ガラス11および室内側ガラス12を、スペーサ2を介して、上端部の端辺21a,22aの位置を揃えて重ね合わせることにより形成される。
【0030】
室外側ガラス11および室内側ガラス12は、スペーサ2の側面との間に一次シール(不図示)を介して所定の間隔に保持され、スペーサ2の外周側に二次シール4を施して、内周側のガラス11,12間に中空層10を形成する。前述の例と同様、スペーサ2の内部には乾燥剤が充填され、中空層10には不活性ガスが封入される場合もある。
【0031】
スペーサ2は、複層ガラス1aの両側辺部および上辺部に関しては、二次シール4の仕上げ面が複層ガラス1aの端面とほぼ同一になるように取り付けられ、下端部は、二次シール4の仕上げ面(下面)が、室内側ガラス12の下端の小口面24aから30〜50mm程度上がった位置になるように取り付けられる。
【0032】
図6は、図5の複層ガラス1aの取付状態を示す。
複層ガラス1aの上端は、天井14bに固定された取付部材5dの下面に設けられる上部支持枠等に固定される。室外側ガラス12の下端は、その下階の天井14aに固定された取付部材5cの上面に設けられる下部支持枠等に取り付けられる。このように、1枚の室外側ガラス11の縦方向の長さが、下階の天井14aから上階の天井14bまでの1階分の高さとなる。
【0033】
室内側ガラス12の縦寸法は、床スラブ13から天井14bまでの高さにわたり、室内側ガラス12の下端は、床スラブ13に固定された支持部材6に取り付けられる。天井14aから床スラブ13までの間には、前述の第一実施例と同様、その間のスパンドレル層を塞ぐように耐火ボード15が設置される。
【0034】
図7は、図6のB部、すなわち室内側ガラス12下端部付近の拡大図である。
室外側ガラス11と室内側ガラス12との間には、一次シール3を介してスペーサ2が取り付けられ、スペーサ2の外端面側に二次シール4が施されている。室内側ガラス12下端の小口面24a側は、前述の通り、二次シール4の仕上げ面(下面)41が小口面24aから中空層10側に少し上がった位置になるようにスペーサ2が配設されている。
【0035】
これにより、室内側ガラス12の小口面24a側と二次シール4の下面41との間の室内側ガラス12を支持部材6で挟持して室内側ガラス12を躯体側に取り付けることができる。すなわち、室内側ガラス12の下端部を、ゴムまたは樹脂製の断面コ字状の緩衝部材7を介して、床スラブ13(図6)に固定された支持部材6で挟持して室内側ガラス12が固定される。支持部材6は、前述の実施例と同様、小口面24aの下側に少し空間18を設けた位置に取り付ける。空間18に緩衝用部材を嵌装してもよい。
【0036】
なお、上記の実施例1〜3では、いずれも複層ガラス1,1aを用いてガラス外壁を構成したが、これらの例と同様の室外側ガラス11と室内側ガラス12とをポリビニルブチラール等の中間接着膜を介して合わせガラスとしてガラス外壁を構成できる。また、室外側板ガラス11、室内側板ガラス12として、通常のフロート板ガラスや耐熱板ガラスのほか、強化ガラスや網入り板ガラスなど各種ガラスが使用できる。さらに、段違い辺部を複層ガラス1,1a等の上辺および下辺の両方に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、大型の商業用ビルや、その他小規模なビルまたは住宅等に用いられるガラス外壁構造に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態を示す部分斜視図。
【図2】図1の複層ガラスの取付状態を示す縦断面図。
【図3】図2のA部の拡大図。
【図4】本発明の異なる実施例を示す部分拡大断面図。
【図5】本発明の更に異なる実施例を示す部分斜視図。
【図6】図5の複層ガラスの取付状態を示す縦断面図。
【図7】図6のB部の拡大図。
【符号の説明】
【0039】
1,1a:複層ガラス、2:スペーサ、3:一次シール、4:二次シール、5a,5b,5c,5d:取付部材、6:支持部材、7:緩衝部材、8:ガスケット、9:金属フィルム、10:中空層、11:室外側ガラス、12:室内側ガラス、13,13a,13b:床スラブ、14,14a,14b:天井、15:耐火ボード、16:床面、17,18:空間、20:隙間、21,21a,22,22a:端辺、24,24a:小口面、41:仕上げ面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の外壁をガラスで構成するガラス外壁構造であって、
前記ガラスは少なくとも2枚の矩形板ガラスを積層した積層ガラスであり、
該積層ガラスは、下部支持枠から上部支持枠までのほぼ階高におよぶ高さを有する1枚の矩形板ガラスからなる室外側ガラスと、該室外側ガラスより高さ方向に短寸の矩形板ガラスからなる室内側ガラスとを対向させてなり、
該積層ガラスの上辺または下辺のうち、前記室内側ガラスの端部が前記室外側ガラスの端部より高さ方向において該積層ガラスの中央側に配置された段違い辺部において、前記室外側ガラスと前記室内側ガラスとを個別に支持して建築物に固定することを特徴とするガラス外壁構造。
【請求項2】
前記積層ガラスが、前記室外側ガラスと前記室内側ガラスとを周縁部に間隔保持部材を介し所定間隔を隔てて対向させた複層ガラスであり、該複層ガラスが、前記段違い辺部で前記間隔保持部材の外端面が前記室内側ガラス端部より前記複層ガラスの内部側に配置されている請求項1のガラス外壁構造。
【請求項3】
前記積層ガラスが、前記室外側ガラスと前記室内側ガラスとを中間接着層を介して接着された合わせガラスである請求項1のガラス外壁構造。
【請求項4】
前記室内側ガラスが耐熱板ガラスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス外壁構造。
【請求項5】
前記積層ガラスの上下端部のうち、下端部において前記室外側ガラスの端面と前記室内ガラスの端面とを揃えて配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス外壁構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−299506(P2006−299506A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117721(P2005−117721)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【出願人】(391017975)旭硝子ビル建材エンジニアリング株式会社 (28)
【Fターム(参考)】