説明

ガラス板の加熱搬送方法及びその装置

【課題】加熱炉内に搬入されたガラス板下面の受熱量が上面よりも大きくなることに起因するガラス板の反りを防止又は低減する。また、ガラス板のローラの軸方向にローラからの受熱量に分布ができることに起因するガラス板の挙動が不安定になることを防止又は低減する。
【解決手段】加熱炉10内に設置された複数のローラ20によりガラス板Gを搬送する搬送工程と、該加熱炉10内に設けられた加熱手段40によって搬送中のガラス板Gを加熱する加熱工程とを備えるガラス板Gの加熱搬送方法において、前記ローラ20の軸方向の少なくともガラス板Gが接する領域に前記加熱炉10内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射することにより、該ローラ20を所望の温度に制御するローラ温度制御工程を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板の加熱搬送方法及びその装置に関し、特に加熱炉内において該加熱炉内に搬入されたガラス板を良好に加熱軟化させつつ搬送するのに好適なガラス板の加熱搬送方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用窓ガラスには、ガラス板を所望の形状に切断および面取りしてから加熱炉内で軟化点近傍(680℃程度)まで加熱し、プレス成形等により所望の湾曲形状に成形した後、冷却エアを吹き付けて急冷することより作られる強化ガラスが用いられる。
【0003】
従来、図7に示すように、ガラス板Gの加熱は、加熱炉10´内に設けられたローラ20´によりガラス板Gをローラ搬送しながら、加熱炉10´内に設置された輻射加熱装置30´により搬送方向下流に向かって高温になるように加熱処理される。加熱炉10´は複数のゾーンに区画され各ゾーンで温度制御されており、搬送方向下流に向かうに従ってゾーンの温度が高温になるように設定されている。また、輻射加熱装置30´に加えて、加熱したエアをガラス板に吹き付けて加熱する対流加熱装置を設けたものも知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−97033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来設備で強化ガラスを製造した場合、加熱炉10´内にガラス板Gが搬入される前、ローラ20´は加熱炉10´内(各ゾーン内)の雰囲気温度まで加熱されることになる。このため、外部から加熱炉10´内にガラス板Gが搬入されると、ガラス板Gの上面は輻射加熱、対流加熱などでの受熱量であるが、ガラス板Gの下面は加熱されたローラ20´と接するため、輻射加熱などに加えてローラ20´からの受熱があり、ガラス板G下面の受熱量が上面よりも大きくなる。その結果、ガラス板Gの下面側が上面側よりも膨張して下凸形状に反り、凸状部分が局所的にローラ20´と接触して接触傷が生じやすくなる。また、ガラス板Gが局所的に何度もローラ20´に接触することでローラ20´が削られて粉体が発生し、それがガラス板Gに付着し外観欠点となることもある。そのため、ガラス板Gを連続搬入して、ローラ20´の熱をガラス板Gが奪って、ローラ20´温度が低下して安定するまでの間、ガラス板Gに欠点が発生しやすく歩留まりが悪いという問題があった。
【0005】
また、図6に示すように、自動車のドアガラスやクオータウィンドウとして用いられるような三角形状のガラス板Gを加熱するような場合、ガラス板の鋭角部分は表面積が小さく、他の領域と比べてローラ14からの受熱量が少ないため、ガラス板Gを連続搬入してローラ14の温度が安定しても、ローラ14の鋭角部分が接する部分と他の領域が接する部分とで、ローラ軸方向に温度分布が発生することになる。ローラ14の軸方向に温度分布が発生することで、ガラス板Gのローラ14の軸方向にローラ14からの受熱量に分布ができ、ガラス板Gの挙動が不安定になることがあった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、加熱炉内に搬入されたガラス板下面の受熱量が上面よりも大きくなることに起因するガラス板の反りを防止又は低減することを目的とする。また、本発明は、ローラの軸方向に温度分布が発生することで、ガラス板のローラの軸方向にローラからの受熱量に分布ができることに起因するガラス板の挙動が不安定になることを防止又は低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、加熱炉内に設置された複数のローラによりガラス板を搬送する搬送工程と、該加熱炉内に設けられた加熱手段によって搬送中のガラス板を加熱する加熱工程とを備えるガラス板の加熱搬送方法において、前記ローラの軸方向の少なくともガラス板が接する領域に前記加熱炉内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射することにより、該ローラを所望の温度に制御するローラ温度制御工程を含むことを特徴とするガラス板の加熱搬送方法を提供する。
【0008】
本発明によれば、加熱炉内に設置されたローラの軸方向の少なくともガラス板が接する領域に加熱炉内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射し、該ローラを所望の温度に制御する。これにより、加熱炉内に搬入されたガラス板下面の受熱量を従来と比較して小さくできるので、加熱炉内に搬入されたガラス板下面の受熱量が上面よりも大きくなることに起因するガラス板の反りを防止又は低減することが可能となる。
【0009】
また、ローラの軸方向のガラス板が接する領域に加熱エアを噴射するので、ガラス板搬送方向に対して左右非対称のガラス板G(あるいは、自動車のドアガラスやクオータウインドウとして用いられるような三角形状のガラス板)を搬送する際にも、ローラの軸方向の温度分布及びガラス板のローラの軸方向にローラからの受熱量を均一にできる。
【0010】
これにより、ガラス板へのローラからの受熱量の分布に起因するガラス板の挙動が不安定になることを防止又は低減することが可能となる。
【0011】
また、本発明の一態様において、前記加熱工程は、複数のゾーンに区画された前記加熱炉の各ゾーンの雰囲気温度をガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高くなるように設定する工程と、搬送中の前記ガラス板を搬送方向下流に向かって高温になるように加熱する工程とを含み、前記ローラ温度制御工程は、前記各ゾーンでの前記加熱エアの温度をガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高く設定し、前記ローラが搬送方向下流に向かって高温になるように該ローラの温度を制御する工程を含むことが好ましい。
【0012】
本態様によれば、加熱炉内のガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって各ゾーンの温度が高くなるように設定されている場合でも、各ゾーン毎に雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射して各ゾーンのローラ温度を制御することで、各ゾーンでのガラス板の上面と下面の受熱量の差を小さくすることが可能となり、ガラス板の反りを防止又は低減できる。また、ガラス板搬送方向に対して左右非対称のガラス板を搬送する際にも、ローラ軸方向の温度分布及びガラス板のローラの軸方向にローラからの受熱量を均一にでき、ガラス板の挙動が不安定になることを防止又は低減することが可能となる。
【0013】
また、本発明の一態様において、前記ローラ温度制御工程は、ガラス板搬送方向上流側から下流側に向かってガラス板の温度が550℃未満のゾーンで実施することが好ましい。
【0014】
ガラス板が500℃近傍になると粘弾性を示して、ガラス板がローラになじみローラと強く接触しなくなくなるので、ガラス板の挙動が安定し、ガラス板の温度が500℃以上のゾーン、特に550℃以降のゾーンではローラ温度制御工程を特に実施する必要がなくなる。そのため、ガラス板の温度が550℃未満のゾーンにのみローラ加熱手段を設けることで、設備を比較的小さく構成できる。
【0015】
一方、本発明は、加熱炉と、該加熱炉内に設置されたガラス板を搬送するための複数のローラと、搬送中のガラス板を加熱するための該加熱炉内に設けられた加熱手段とを備えるガラス板の加熱搬送装置において、前記加熱炉は、前記ローラの温度を制御するローラ温度制御手段を備え、前記ローラ温度制御手段は、前記ローラの軸方向の少なくともガラス板が接する領域に前記加熱炉内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射する加熱エア噴射手段を含むことを特徴とするガラス板の加熱搬送装置を提供する。
【0016】
本発明によれば、上記した方法(加熱炉内に設置されたローラの軸方向の少なくともガラス板が接する領域に加熱炉内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射し、該ローラを所望の温度に制御する方法)を実施することが可能となる。
【0017】
また、本発明の一態様において、前記加熱炉は、複数のゾーンに区画され、前記加熱手段は、各ゾーンの雰囲気温度がガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高くなるように設定され、前記ローラ温度制御手段は、前記各ゾーンでの前記加熱エアの温度をガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高くして、前記ローラが搬送方向下流に向かって高温になるように該ローラの温度を制御することが好ましい。
【0018】
本態様によれば、上記した方法(各ゾーン毎に雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射して各ゾーンのローラ温度を制御する方法)を実施することが可能となる。
【0019】
また、本発明の一態様において、前記ローラ温度制御手段は、ガラス板搬送方向上流側から下流側に向かってガラス板の温度が550℃未満のゾーンに設置されていることが好ましい。
【0020】
本態様によれば、ガラス板の温度が550℃未満のゾーンにのみローラ加熱手段を設けることで、設備を比較的小さく構成できる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したとおり、本発明によれば、加熱炉内に搬入されたガラス板下面の受熱量が上面よりも大きくなることに起因するガラス板の反りを防止又は低減することが可能となる。また、本発明は、ローラの軸方向に温度分布が発生することで、ガラス板のローラの軸方向にローラからの受熱量に分布ができることに起因するガラス板の挙動が不安定になることを防止又は低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の一実施形態であるガラス板の加熱搬送装置及びこれを用いたガラス板の加熱搬送方法について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1、図2は、本実施形態のガラス板の加熱搬送装置の構成について説明するための図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態のガラス板の加熱搬送装置100は、加熱炉10、この加熱炉10内に設置された耐熱性部材(例えばシリカ等)で作られた複数のローラ20、この複数のローラ20により搬送されるガラス板Gを加熱するためのヒーター30(対流加熱装置又は輻射加熱装置)、及び、各ローラ20の下方に配置されたローラ加熱手段40が設置されている。
【0025】
図1、図2に示すように、ローラ加熱手段40は、各ローラ20直下に設置されている。ローラ加熱手段40は、加熱炉外より吸引したエアを加熱するヒーター41、このヒーター41により加熱されたエアが供給されるエア供給配管42、及び、このエア供給配管42に供給される加熱エアを噴射する複数のノズル43等を備えている。
【0026】
ローラ加熱手段40は、ローラ20の軸方向の少なくともガラス板Gが接する領域44に加熱炉10内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射するように、制御装置(図示せず)により制御される。このローラ加熱手段40により、ローラ20を所望の温度に制御する。
【0027】
図3、図4に示すように、加熱炉10は複数のゾーン1〜Nに区画されている。ヒーター30は、各ゾーンの雰囲気温度がガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高くなるように設定されている(図3参照)。ローラ加熱手段40は、各ゾーンでの加熱エアの温度をガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高くなるように、制御装置(図示せず)によって制御される。これにより、各ローラ20の温度が搬送方向下流に向かって高温になるように制御される(図3参照)。
【0028】
本実施形態では、ローラ加熱手段40は、ガラス板搬送方向上流側から下流側に向かってガラス板の温度が550℃未満のゾーン(図3ではゾーン1〜5)に設置されている。
【0029】
ガラス板の温度が550℃以上のゾーン(図3ではゾーン6以降のゾーン)にローラ加熱手段40を設置しない理由は、ガラス板が500℃近傍になると粘弾性を示して、ガラス板がローラになじみローラと強く接触しなくなくなるので、特にガラス板の温度が550℃以上のゾーンでローラ温度制御工程を実施する必要がないためである。
【0030】
次に、ローラ加熱手段40の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0031】
図2に示すように、エア供給配管42は、ガラス板G搬送方向に直交する方向に延びた、ローラ20と略同一の長さの配管であり、その一端には、ヒーター41が設置された配管を介して加熱炉外部に設置されたブロア等のエア供給源(図示せず)が接続されている。ヒーター41は、エア供給源からのエアを加熱炉10内の雰囲気温度よりも低い温度(予め設定された温度)まで加熱するように、制御装置(図示せず)により制御される。
【0032】
エア供給配管42上面には複数のノズル43が設けられている。各ノズル43は、エア供給配管42に供給される加熱エアを噴射する。
【0033】
図2に示すように、ノズル43は、ローラ20の軸方向に延びたスリット状の形状であり、ローラ20の軸方向の略全長に亘って所定間隔ごとに設けられている。ノズル43は、ローラ20の軸方向の少なくともガラス板Gが接する領域44に設けてある。このため、例えば、図6に示すように、ガラス板搬送方向に対して左右非対称のガラス板G(あるいは、自動車のドアガラスやクオータウインドウとして用いられるような三角形状のガラス板)を搬送する際にも、ローラの軸方向の温度分布及びガラス板のローラの軸方向にローラからの受熱量を均一にできる。
【0034】
これにより、ローラ20の軸方向に温度分布が発生することで、ガラス板Gのローラ20の軸方向にローラ20からの受熱量に分布ができることに起因するガラス板Gの挙動が不安定になることを防止又は低減することが可能となる。
【0035】
次に、上記構成のガラス板の加熱搬送装置100における、ガラス板の加熱搬送方法について説明する。
【0036】
ガラス板Gは加熱炉10内(ゾーン1)に公知の搬送機構により搬入され、各ゾーン1〜Nに設置された複数のローラ20はこのガラス板Gを次のゾーンに向けて搬送する。
【0037】
各ゾーンの雰囲気温度はガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高くなるように設定されている(図3参照)。具体的には、各ゾーンに設置されたヒーター30は、ゾーン1の雰囲気温度が520℃、ゾーン2の雰囲気温度が540℃、ゾーン3の雰囲気温度が560℃、ゾーン4の雰囲気温度が590℃、ゾーン5の雰囲気温度が620℃となるよう設定されている。
【0038】
一方、加熱炉10内(第一ゾーン)に設置されたローラ加熱手段40は、ゾーン1に設置されたローラ20の軸方向の少なくともガラス板Gが接する領域44にゾーン1内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射するように、制御装置(図示せず)により制御される。このローラ加熱手段40により、ゾーン1に設置されたローラ20を所望の温度、好ましくは、ローラの温度制御を実施しなかったときのガラス板連続搬入後の安定時の温度(図3では460℃)に制御する。このように、ゾーン1内に設置されたローラ20の軸方向の少なくともガラス板Gが接する領域43にゾーン1内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射し、該ローラ20を所望の温度(図3では460℃)に制御する。これにより、図4に示すように、ゾーン1内においては、従来のローラの温度制御無ガラス無時のローラ温度よりも低く、かつ、ガラス温度により近い温度にローラ20が温度制御される。これにより、ゾーン1内に搬入されたガラス板G上面と下面との受熱量の差を従来と比較して小さくできるので、ゾーン1内に搬入されたガラス板G下面の受熱量が上面よりも大きくなることに起因するガラス板Gの反りを防止又は低減することが可能となる。従って、ガラス板Gの下面側が上面側よりも膨張して下凸形状に反り、凸状部分が局所的にローラ20と接触して接触傷が生じやすくなることがない。また、ガラス板Gが局所的に何度もローラ20に接触することでローラ20が削られて粉体が発生し、それがガラス板Gに付着し外観欠点となることもない。さらに、ガラス板Gを連続搬入して、ローラ20の熱がガラス板Gに奪われ、ローラ20温度が低下して安定するまで、ガラス板Gに欠点が発生するために歩留まりが悪いという問題も防止できる。
【0039】
以下のゾーン2〜ゾーン5においても、ゾーン1と同様である。すなわち、各ゾーン2〜5内に設置されたローラ20の軸方向の少なくともガラス板Gが接する領域43に各ゾーン2〜5内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射し、該ローラ20を前述と同様の所望の温度(すなわち、ゾーン2では500℃、ゾーン3では540℃、ゾーン4では570℃、ゾーン5では600℃)に制御する。すなわち、ローラ加熱手段40は、各ゾーンでの加熱エアの温度をガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高くなるように、制御装置(図示せず)によって制御される。これにより、図4に示すように、ゾーン2〜5内においても、従来のローラの温度制御無ガラス無時のローラ温度よりも低く、かつ、ガラス温度により近い温度にローラ20が温度制御される。これにより、ゾーン2〜ゾーン5内に搬入されたガラス板G上面と下面との受熱量の差を従来と比較して小さくできるので、ゾーン2〜ゾーン5内においても、ゾーン1と同様、搬入されたガラス板G下面の受熱量が上面よりも大きくなることに起因するガラス板Gの反りを防止又は低減することが可能となる。
【0040】
また、各ゾーン1〜5内に設置されたローラ20の軸方向の少なくともガラス板Gが接する領域44に各ゾーン1〜5内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射するので、例えば、図6に示すように、ガラス板搬送方向に対して左右非対称のガラス板G(あるいは、自動車のドアガラスやクオータウインドウとして用いられるような三角形状のガラス板)を搬送する際にも、ローラ20の軸方向の温度分布及びガラス板Gのローラ20の軸方向にローラ20からの受熱量を均一にできる。
【0041】
これにより、ローラ20の軸方向に温度分布が発生することで、ガラス板Gのローラ20の軸方向にローラ20からの受熱量に分布ができることに起因するガラス板Gの挙動が不安定になることを防止又は低減することが可能となる。
【0042】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態のガラス板の加熱搬送装置の構成について説明するための図である。
【図2】本実施形態のガラス板の加熱搬送装置の構成について説明するための図である。
【図3】各ゾーンの雰囲気温度、各ゾーンのローラ温度等を説明するための表である。
【図4】図3をグラフ化した図である。
【図5】ローラ加熱手段40の構成について説明するための図である。
【図6】ガラス板搬送方向に対して左右非対称のガラス板Gを搬送している状態の図である。
【図7】本発明に係るガラス板の加熱搬送装置の従来例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0044】
100…ガラス板の加熱搬送装置、10…加熱炉、20…ローラ、30…ヒーター、40…ローラ加熱手段、41…ヒーター、42…エア供給配管、43…ノズル、G…ガラス板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱炉内に設置された複数のローラによりガラス板を搬送する搬送工程と、該加熱炉内に設けられた加熱手段によって搬送中のガラス板を加熱する加熱工程とを備えるガラス板の加熱搬送方法において、
前記ローラの軸方向の少なくともガラス板が接する領域に前記加熱炉内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射することにより、該ローラを所望の温度に制御するローラ温度制御工程を含むことを特徴とするガラス板の加熱搬送方法。
【請求項2】
前記加熱工程は、複数のゾーンに区画された前記加熱炉の各ゾーンの雰囲気温度をガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高くなるように設定する工程と、搬送中の前記ガラス板を搬送方向下流に向かって高温になるように加熱する工程とを含み、
前記ローラ温度制御工程は、前記各ゾーンでの前記加熱エアの温度をガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高く設定し、前記ローラが搬送方向下流に向かって高温になるように該ローラの温度を制御する工程を含む請求項1に記載のガラス板の加熱搬送方法。
【請求項3】
前記ローラ温度制御工程は、ガラス板搬送方向上流側から下流側に向かってガラス板の温度が550℃未満のゾーンで実施する請求項1又は2に記載のガラス板の加熱搬送方法。
【請求項4】
加熱炉と、該加熱炉内に設置されたガラス板を搬送するための複数のローラと、搬送中のガラス板を加熱するための該加熱炉内に設けられた加熱手段とを備えるガラス板の加熱搬送装置において、
前記加熱炉は、前記ローラの温度を制御するローラ温度制御手段を備え、
前記ローラ温度制御手段は、前記ローラの軸方向の少なくともガラス板が接する領域に前記加熱炉内の雰囲気温度よりも低い温度の加熱エアを噴射する加熱エア噴射手段を含むことを特徴とするガラス板の加熱搬送装置。
【請求項5】
前記加熱炉は、複数のゾーンに区画され、
前記加熱手段は、各ゾーンの雰囲気温度がガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高くなるように設定され、
前記ローラ温度制御手段は、前記各ゾーンでの前記加熱エアの温度をガラス板搬送方向上流側から下流側に向かって高くして、前記ローラが搬送方向下流に向かって高温になるように該ローラの温度を制御する請求項4に記載のガラス板の加熱搬送装置。
【請求項6】
前記ローラ温度制御手段は、ガラス板搬送方向上流側から下流側に向かってガラス板の温度が550℃未満のゾーンに設置されている請求項4又は5に記載のガラス板の加熱搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−260656(P2008−260656A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104965(P2007−104965)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】