説明

ガラス用撥水処理組成物及びガラス用撥水処理剤

【課題】乾燥・拭き上げ工程の省略により、ワンステップ使用が可能であるという従来のドライブライト型表面処理剤の利点をも維持しつつ、アルコールベースの処理液の場合であっても、高い撥水性と透明性を確保でき、しかも従来より少量での処理が可能な、ガラス用撥水処理組成物を提供すること。
【解決手段】使用時に、極細繊維を構成成分として含む布帛に含浸させて用いる、撥水処理組成物であって、下記(A)及び(B)を含むことを特徴とする、ガラス用撥水処理組成物。
(A)フッ素系アルキルアルコキシシラン:0.05〜10質量%
(B)触媒:0.01〜5質量%

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワンステップで撥水性と透明性を付与することのできる、ガラス用撥水処理組成物及びガラス用撥水処理剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物の表面に、特定の性質を付与する表面処理剤としては、その組成,剤形等について、様々なものが開発されている。
【0003】
表面処理剤には、大きく分けて、塗布型とドライブライト型があり、表面処理剤を施与する対象物等によって、適宜使い分けされている。
【0004】
塗布型とは、固形ワックス,半ねりワックス,液体ワックス等を用いた、塗布→乾燥→拭き上げ工程を必要とする方法であり、ドライブライト型とは、処理液の塗布と拭上げを同時に行い、ワンステップで対象物を処理する方法である。
【0005】
これまでの表面処理剤には、塗布型の方が多かったが、塗布型には、少なくとも下記の3つのステップを要するため、作業性が悪く、手間と時間を要するという難点があった。
(ステップ1)表面処理剤の対象物への塗布
(ステップ2)乾燥(表面層の形成)
(ステップ3)布帛による余分な層の拭き上げ,掻き取り(透明性回復)
【0006】
そこで、本発明者等も以前、予め表面処理剤を含浸させた布帛(ウェットクロス)を用い、ワンステップ式で施与可能な、ドライブライト型で、撥水処理を行う方法を提案した(特許文献1,[0001][産業上の利用分野],[0048][発明の効果]等参照)。
【0007】
この方法は、工程が少なく、作業性を向上させる上、施与時間の短縮にも役立つという利点を有している。
【0008】
しかしながら、この特許文献1の方法は、塗装面用のものであって、そのままではガラス用には使用できなかった。撥水成分であるワックス成分,シリコーンオイル,シリコーン樹脂成分は、基本的に油性が強すぎるため、ガラス面がギラツクからである。
【0009】
一方、ガラス用撥水剤の撥水成分として、本発明の(A)成分であるフッ素系アルキルアルコキシシランを用いるものが、知られている(特許文献2や3等)。
しかし、特許文献1のような「水」ベースの処理液と異なり、「アルコール」を主な溶媒として用いる特許文献2や3の撥水処理組成物を、特許文献1のようなワンステップ用のクロスに応用することは、どうしても出来なかった。
撥水処理組成物の施与面に、原因不明の、くすみ,透明性の低下,及び撥水性の低下等が生じるからである。
【0010】
この、くすみ,透明性の低下,撥水性の低下は、特許文献1のような塗装面を施与対象とするものでは、それほど問題にならなくても、本件のようにガラス面を施与対象とする場合には、致命的な欠点となる。
【0011】
また、特許文献2や3は、そもそもワンステップで使用することを全く想定されておらず、ティッシュによる塗布,乾燥,ティッシュやタオル等による拭き上げという3つのステップを要するものであり、どのような布帛と組み合わせれば、フッ素系アルキルアルコキシシランを含む撥水処理組成物のワンステップ使用を実現し得るかについては、一切開示も示唆もされていない。
【0012】
【特許文献1】特開2000−256969号公報
【特許文献2】特開平8−277388号公報
【特許文献3】特開平9−104861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本件発明者は、鋭意検討の結果、アルコールを溶媒として用いた場合に透明性が損なわれる原因が、アルコールと、ウェットクロスの表面層に常用されているポリエステル等との間に起こる、何らかの相互作用に起因するという可能性に思い至り、敢えてウェットクロスでは無く、使用直前に含浸させる形態にする一方、処理液である撥水処理組成物中の組成及び施与時の基材となる布帛の種類を工夫することによって、驚くべきことに、特許文献1より速いスピードで,しかも、予想外に少量の処理液での高い撥水処理が可能であることを見いだし、本件発明に到達したものであって、その目的とするところは、乾燥・拭き上げ工程の省略により、ワンステップ使用が可能であるという特許文献1の利点をも維持しつつ、アルコールベースの処理液の場合であっても、ガラス面の高い撥水性と透明性を確保できる、ガラス用撥水処理組成物を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的は、下記第一の発明から第七の発明によって、達成される。
【0015】
<第一の発明>
使用時に、極細繊維を構成成分として含む布帛に含浸させて用いる、撥水処理組成物であって、下記(A)及び(B)を含むことを特徴とする、ガラス用撥水処理組成物。
(A)フッ素系アルキルアルコキシシラン:0.05〜10質量%
(B)触媒:0.01〜5質量%(酸触媒又は塩基触媒の場合、一価換算)
【0016】
<第二の発明>
更に(C)を含むことを特徴とする、第一の発明記載のガラス用撥水処理組成物。
(C)不溶性微粉末
【0017】
<第三の発明>
(A)フッ素系アルキルアルコキシシランが、下記の(a−1),(a−2)で表される群から選択される少なくとも一種以上の化合物を含むものであることを特徴とする、第一又は第二の発明に記載のガラス用撥水処理組成物。
(a−1)CF3 (CF2)5 (CH2)m−Si−(OCnH2n+1)3
(a−2)CF3 (CF2)7 (CH2)m−Si−(OCnH2n+1)3
(上記において、mは、1〜4の整数,nは、1又は2を表す。)
【0018】
<第四の発明>
(B)触媒が、強酸であることを特徴とする、第一乃至第三の発明のいずれかに記載のガラス用撥水処理組成物。
【0019】
<第五の発明>
(C)不溶性微粉末が、表面を疎水化処理したものであることを特徴とする、第一乃至第四の発明のいずれかに記載のガラス用撥水処理組成物。
【0020】
<第六の発明>
(C)不溶性微粉末の含有量が、0.1〜20質量%であることを特徴とする、第一乃至第五の発明のいずれかに記載のガラス用撥水処理組成物。
【0021】
<第七の発明>
下記(X)及び(Y)を別個に含むことを特徴とする、ガラス用撥水処理剤。
(X)極細繊維を構成成分として含む布帛
(Y)第一乃至第六の発明のいずれかに記載のガラス用撥水処理組成物
【発明の効果】
【0022】
本発明のガラス用撥水処理組成物及びガラス用撥水処理剤は、乾燥・拭き上げ工程の省略により、ワンステップ使用が可能であるばかりか、従来よりも速いスピードで処理することができる。また、アルコールベースの処理液の場合であっても、高い撥水性と透明性を確保できるものである。更には、撥水処理組成物のガラスへの塗着効率が高いため、従来の塗布型でフロントガラス1枚辺り10〜15ml要していたところ、3〜4mlと格段に少量で処理ができ、環境面,及びコスト面でも非常に優れたものである。
つまり、本発明のガラス用撥水処理組成物及びガラス用撥水処理剤は、ドライブライト型のガラス用撥水処理組成物及びガラス用撥水処理剤に非常に適したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】
《本発明のガラス用撥水処理組成物》
本発明のガラス用撥水処理組成物は、使用時に、極細繊維を構成成分として含む布帛に含浸させて用いる、撥水処理組成物であって、下記(A)及び(B)を含むことを特徴とするものである。
「使用時に、極細繊維を構成成分として含む布帛に含浸させて用いる」とは、ウェットクロス等のように、予め含浸させないで、使用直前に含浸させて用いることを意味する。
(A)フッ素系アルキルアルコキシシラン:0.05〜10質量%
(B)触媒:0.01〜5質量%(一価換算)(酸触媒又は塩基触媒の場合)
【0025】
[(A)フッ素系アルキルアルコキシシラン]
本発明のガラス用撥水処理組成物に用いられる(A)フッ素系アルキルアルコキシシランは、撥水成分としての機能を発揮しうるものである。
フッ素系のものを用いるのは、非フッ素系のアルキルシランと比較して、組成物の施与後に生成する層の、耐候性(特に耐UV性)及び耐摩耗性に優れるからである。
【0026】
((A)の種類)
具体的な(A)フッ素系アルキルアルコキシシランとしては、好ましくは、下記の(a−1),(a−2)で表される化合物等が挙げられる。
【0027】
(a−1)CF3 (CF2)5 (CH2)m−Si−(OCnH2n+1)3
(a−2)CF3 (CF2)7 (CH2)m−Si−(OCnH2n+1)3
【0028】
(上記において、mは、1〜4の整数,nは、1又は2を表す。)
【0029】
フッ素の結合した炭素の数が6つ又は8つのものが、撥水性及び耐摩耗性に優れているからである。
【0030】
mは、1〜4の整数の場合に、(CH2)mの紫外線による損傷が、フッ素部分の有する耐候性に悪影響を与え難いと考えられるため、好ましい。
【0031】
アルコキシ基置換基は、フッ素系アルキルシランの一端を保護し、フッ素系化合物同士が重合するのを抑制し、組成物の安定性を、より向上させることができる点で、好ましい。
【0032】
尚、上記のような化合物は、フッ素系シランカップリング剤等として市販されており、例えば
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製:TSL8257,TSL8233
東レダウコーニング(株)製:AY43-158E
信越化学工業(株)製:KBM7803
クラリアントジャパン(株)製:Fluowet FS600
エボニック・デグサャパン(株)製:ダイナシランF8261
等として入手することができる。
【0033】
これらの(A)フッ素系アルキルアルコキシシランは、単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
((A)の含有量)
本発明のガラス用撥水処理組成物における、(A)フッ素系アルキルアルコキシシランの含有量は、ガラス用撥水処理組成物全体を100とした場合に、0.05〜10質量%である必要があり、好ましくは、0.1〜5質量%,更に好ましくは、0.2〜2質量%である。
【0035】
0.05質量%未満だと、撥水性能が不十分となる他、撥水層の耐摩耗性が低くなり、10質量%を超えると、作業性及び透明性に劣るほか、フッ素系アルキルアルコキシシラン分子同士の縮合による膜欠陥が生じ、撥水層の耐摩耗性が低下し、更にはコストが高く付くという欠点があるからである。
【0036】
[(B)触媒]
本発明のガラス用撥水処理組成物に用いられる(B)触媒は、(A)のフッ素系アルキルアルコキシシランのアルコキシ基部分の加水分解によってSiOH基を生成させ、ガラス表面のOH基と、反応させることで、強固な撥水層を形成する機能を発揮する。
【0037】
((B)の種類)
触媒としては、酸触媒,アルカリ触媒,金属触媒等が挙げられるが、中でも触媒活性の高いものが好ましい。
触媒活性が高い程、作業性に優れ、撥水層の耐摩耗性も高くなるからである。
【0038】
酸触媒の中では、特に強酸が好ましく、例えば塩酸,硫酸,硝酸等の強酸が挙げられるが、その他の下記に示したような酸であっても良い。
【0039】
ギ酸,酢酸,乳酸,モノ−,ジ−及びトリ−クロル酢酸,モノ−,ジ−及びトリ−フルオロ酢酸,p−トルエンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸,エチルスルホン酸,メチルスルホン酸,エチレンジスルホン酸,ドデシルスルホン酸,トリフルオロメチルスルホン酸,パーフルオロアルキルカルボン酸類,パーフルオロアルキルスルホン酸類,マレイン酸,ピクリン酸,トリヒドロキシ安息香酸,トリニトロフェノール,スルファミン酸,フルオロケイ酸,クロロスルホン酸,フルオロスルホン酸,亜硫酸,発煙硫酸(オレウム),フッ化水素酸,臭化水素酸,リン酸,亜リン酸,ピロリン酸,硫化水素,ヨウ素酸
【0040】
これらの触媒は、ハンドリングの都合上,あるいは触媒活性の向上の点では、水溶液として入手かつ使用することが好ましいが、撥水処理組成物の保存安定性の面からは、水分が少ないほど良い。
【0041】
これらの(B)触媒は、単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0042】
(Bの含有量)
本発明のガラス用撥水処理組成物における、(B)触媒の含有量は、ガラス用撥水処理組成物全体を100とした場合に、触媒自体の量として、(酸触媒又は塩基触媒の場合は一価換算)、0.01〜5質量%である必要があり、好ましくは、0.05〜2質量%,更に好ましくは、0.1〜1質量%である。
【0043】
0.01質量%未満だと、撥水性能が不十分である他、撥水層の耐摩耗性が低くなり、5質量%を超えると、撥水処理組成物のガラスへの吸着力が増加し、作業性が低下するほか、ガラス以外との副反応が起こるため、作業性や撥水層の耐摩耗性が低下するだけでは無く、透明性,及び撥水性に劣るほか、撥水処理組成物の保存安定性に劣るという欠点があるからである。
【0044】
上記の(A)と(B)(触媒自体の量)の含有比率は(酸触媒又は塩基触媒の場合は一価換算)10:1〜1:1が好ましく、更に好ましくは、5:1〜1.5:1である。
本発明のガラス用撥水処理組成物を使用する際の基材に含まれる極細繊維は、掻き取り性が高いため、撥水剤とガラスの反応を速める必要があり、触媒量を従来品より高めの、10:1以上に設定する事が望ましい一方、触媒量を1:1以下にすることによって、撥水処理組成物自体の保存安定性及び作業性も確保できるからである。
【0045】
[(C)不溶性微粉末]
本発明のガラス用撥水処理組成物には、更に、(C)不溶性微粉末を含有させることが好ましい。
本発明のガラス用撥水処理組成物に用いられる(C)不溶性微粉末としては、フッ素系アルキルアルコキシシランを吸収し得るものであれば良く、例えば下記のようなものが挙げられる。
【0046】
((C)の種類)
有機系粉末)
ポリエチレン,シリコンレジン,4フッ化エチレン,ポリエチレン酢ビ共重合樹脂,ポリプロピレン,セルロース・アセテート・ブチレート,シリコーンゴム,微結晶セルロース,ナイロン,キトサン,ポリスチレン,ベンゾグアナミン・メラミン縮合物,アクリル,フェノールなどの樹脂粉末
【0047】
無機系粉末)
カオリン,焼成カオリン,アルミナ,シリカ,硅酸アルミニウム,ゼオライト,ベントナイト,タルク,モンモリロナイト,硅藻土,スメクタイト,酸化セリウム,酸化ジルコニウム,硅酸ジルコニウム,炭化硅素,酸化チタン,トリポリ燐酸アルミニウム,水酸化アルミニウム,硫酸バリウム,硅酸カルシウム等の粉末,球状シリカ,球状アルミナ,球状シリカゲル等の球状微粉末及び球形中空シリカ,中空ガラスビーズ等の中空状微粉末
無機系粉末の中では、SiO2(シリカ)とAl2O3(アルミナ)を主成分とするものが、ガラス面の油性汚れを除去し得る効果もあるという点で好ましい。
【0048】
具体的には、下記のようなものが挙げられる。尚、カッコ内の数字は、平均粒子径である。
[シリカ]
富士シリシア化学(株)製(三次元コロイド状シリカ):サイリシア310P(1.4μm),350(1.8μm),455等の各種のサイリシアシリーズ
[焼成カオリン]
BASF社製:サテントンW(1.4μm),SP−33(1.4μm),SPECIAL(1.2μm),No.5(0.8μm),PLUS(2.0μm)等のサテントンシリーズ
[アルミナ]
住友化学(株)製:アルミナAM−21(4μm),AM−22(3.5μm),AM−25(5.0μm),AM−27(1μm),AM−28(12μm),AM−29(7μm)
【0049】
この(C)不溶性微粉末は、ワンステップで、ガラス面に撥水層を形成させると同時に、余分な撥水処理組成物を掻き取り、透明性を確保する際の、作業者に要求される力を減少させて、作業性を向上させることができる。
【0050】
((C)の平均粒子径)
(C)不溶性微粉末の平均粒子径は、10μm以下のものが好ましく、更に好ましくは5μm以下,特に好ましくは、3μm以下である。
【0051】
10μm以下の場合、粒子表面積が広いために、過剰なフッ素系アルキルアルコキシシランの吸収性に特に優れ、本発明のガラス用撥水処理組成物の、ワンステップ使用を容易とし、また、粒子自体による透明性の低下や、粒子自身による撥水層の剥離やそれに伴う撥水性の低下,耐摩耗性の低下も起きにくいからである。
【0052】
((C)の表面修飾)
(C)不溶性微粉末は、その表面を疎水化したものが、好ましい。
フッ素系アルキルアルコキシシランの、過剰な掻き取りを防止する効果に、より優れ、更には粉残りし難いからである。
【0053】
疎水化方法としては、アルコールによるアルキル置換,シランカップリング剤によるカップリング剤修飾法,シリル化剤によるシリル化等の方法が上げられ、具体的な疎水化微粉末としては、疎水化シリカ,疎水化酸化チタン,疎水化焼成カオリン,疎水化水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0054】
尚、上記のような疎水化した(C)不溶性微粉末は、例えば下記のようなものとして入手することができる。
[疎水化シリカ]
東ソー・シリカ(株)製(ホワイトカーボン):ニップシールSS-10(2.7μm),SS-50(1.3μm),SS-70(4.2μm)
日本アエロジル(株)製:アエロジルR202(0.014μm),R972(0.016μm),R974(0.012μm)
富士シリシア化学(株)製:サイロホービック100,200,702,704,4004,507,505,603(上述の「サイリシア」の表面OH基に、有機ケイ素化合物を化学的に反応させたもの)
[疎水化焼成カオリン]
BASF社製:トランスリンク37,77,445,555(上述の「サテントン」の疎水化物)
[疎水化水酸化アルミニウム]
日本軽金属(株)製:B103S(8μm),B703S(2μm),B1403S(1μm),B103ST(8μm),B703ST(2μm),B1403ST(1μm),B103T(8μm),B703T(2μm),B1403T(1μm)
【0055】
これらの(C)不溶性微粉末は、単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0056】
((C)の含有量)
本発明のガラス用撥水処理組成物における、(C)不溶性微粉末の含有量は、ガラス用撥水処理組成物全体を100とした場合に、0.1〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは、0.2〜10質量%,特に好ましくは、0.5〜5質量%である。
【0057】
0.1質量%以上で、過剰なフッ素系アルキルアルコキシシランの吸収性に特に優れ、本発明のガラス用撥水処理組成物の、ワンステップ使用を、容易とするからであり、また20質量%以下であれば、ガラス面の透明性が、より確実に担保され、またフッ素系アルキルアルコキシシランの過剰な掻き取りも防止し、粉残りも起こりにくいからである。
【0058】
[その他の成分]
本発明のガラス用撥水処理組成物は、この他、本発明の目的を損なわない範囲で、アルコール等の各種の溶媒,その他の、ガラス用撥水処理組成物に一般に用いられる成分を含有させることができる。
【0059】
例えば、陰イオン性界面活性剤,両性界面活性剤,非イオン性界面活性剤,陽イオン性界面活性剤等の各種界面活性剤,粘剤,油剤,色素,樹脂,顔料等の着色剤,香料,防腐剤,抗菌剤,酸化防止剤,キレート剤,パール化剤,中和剤,pH調整剤等の成分を適宜配合することができる。
【0060】
[溶媒]
本発明に用いられる溶媒は、揮発性が高く、表面張力が低いため、本発明の撥水処理組成物をワンステップで使用する際に、早期に揮発し、撥水層を形成させることができ、また撥水処理組成物の溶解性及び保存安定性を維持すると言う点から、アルコールを主たる成分とするものが好ましい。
【0061】
(溶媒の種類)
具体的には、メチルアルコール,エチルアルコール,ビニル(エテニル)アルコール,アセチルアルコール,プロピルアルコール,イソプロピルアルコール,プロパジエニルアルコール,プロピニルアルコール,ブチルアルコール,イソブチルアルコール,t−ブチルアルコール,ペンチルアルコール,ヘキシルアルコール等が挙げられるが、コストパフォーマンスが良い点,及び、適度な沸点と表面張力を有し、早期に撥水層を形成させる一方で、施与の終わる前には、乾ききらないという、ある種の相反する要求を満たすという点で、イソプロピルアルコール等が好ましい。
【0062】
アルコール溶媒は、溶質の溶解性を上げることで、ガラス用撥水処理組成物の凍結や、フッ素系アルキルアルコキシシランの分離を防止するという効果もある。
【0063】
(溶媒の含有量)
本発明のガラス用撥水処理組成物中の、溶媒の含有量は、特に限定されないが、例えば、ガラス用撥水処理組成物全体を100とした場合に、70〜99.5質量%等とすることができる。
【0064】
《本発明のガラス用撥水処理剤》
本発明のガラス用撥水処理剤は、下記(X)及び(Y)を別個に含むことを特徴とするものである。
(X)極細繊維を構成成分として含む布帛
(Y)上記本発明のガラス用撥水処理組成物
別個に含むとは、個々の独立したパーツとして含む、セット品であることを意味する。
このようなセット品とし、使用直前に、(Y)を(X)に含浸させて用いることによって、従来原因不明であった、アルコールベースのドライブライト型撥水組成物による、ガラスの透明性の低下を防止し得るからである。
【0065】
[(X)極細繊維を構成成分として含む布帛]
本発明のガラス用撥水処理剤に用いられる、(X)極細繊維を構成成分として含む布帛は、本発明の撥水処理組成物の使用基材ともなるものである。
【0066】
(X)の布帛は、その表面の少なくとも一方に、極細繊維が表出していることが好ましく、例えば、布帛が多層構造を有している場合には、最上層及び/又は最下層が、極細繊維を含むようにするのが好ましい。
最上層と最下層がともに、極細繊維を含むと、裏表の両面が、施与対象に接触させる面として使用できるため好ましい。
尚、この場合、内層は、必ずしも、極細繊維を含む必要は無い。
【0067】
(極細繊維の繊度)
本発明において用いられる極細繊維としては、0.5デニール以下の繊度を有するものが好ましく、更に好ましくは、0.4デニール以下である。
0.5デニール以下で、撥水処理組成物の均一な施与性,及び過剰なフッ素系アルキルアルコキシシランの掻き取り性に特に優れ、撥水性及びガラスの透明性を確保できる他、ガラスと布帛の摩擦が低く、作業性にも優れ、本発明のガラス用撥水処理組成物の、ワンステップ使用を、容易とするからである。
【0068】
(繊維の種類)
本発明で用いられる繊維としては、天然繊維,再生繊維,半合成繊維,合成繊維等が挙げられるが、具体的には、例えば、下記のようなものが挙げられる。
【0069】
天然繊維:綿,絹,麻,ウール,パルプ等
再生繊維:レーヨン,キュプラ,ポリノジック,リヨセル(テンセル(登録商標))等
半合成繊維:アセテート,トリアセテート,プロミックス等
合成繊維:ポリエステル,ポリプロピレン,ポリエチレン,アクリル,ナイロン,ビニロン,ポリ塩化ビニル,ポリウレタン等
【0070】
また、上記の分類では明確に分類できないが、各種の生分解性繊維を用いることもできる。
【0071】
上記の繊維は、1種または2種以上を、適宜組み合わせて用いることができ、2種以上の繊維を、交織(混織),交編(混編)する他、不織布材料として複数種の繊維を用いることができる。
また、上記の繊維成分を、繊維化の段階で、複合紡糸したものや、上記繊維成分の2種以上を1繊維内に併せ持つ、いわゆるコンジュゲート繊維(複合繊維)等を用いることもできる。
コンジュゲート繊維は、そのままあるいは割繊して、用いることができる。
これらの中でも、コンジュゲート繊維は、用いられている複数の繊維成分の特質を、布帛面において、より均一に発揮し得ることや、異なる繊維が、様々な状態のフッ素系化合物,粉末を漏れなく拭き上げることができること等から、素早くしかも確実に拭き上げる必要のあるワンステップ使用に、好適である。
【0072】
布帛の表面(例えば、多層構造の場合の、最上層と最下層等の外層等)に現れる繊維としては、上記繊維のうち、特に親油性の優れたポリプロピレン,ポリエチレン,あるいはポリエステル等の合成繊維が特に好ましい。
親油性の繊維の方が、撥水性成分とのなじみが良く、拭き始めた際に、撥水性成分が少量ずつ放出され、均一に処理でき、また、拭き終わりに際しては、布帛表面が濡れにくいために、施与対象を濡らす恐れも少なく、早期に処理面が乾燥するためである。
【0073】
一方、布帛の内側(例えば、多層構造の場合の内層)には、綿,レーヨン,パルプ,ナイロン,ビニロン等の、親水性の繊維を用いることが好ましい。
親水性繊維が内部に存在することによって、撥水処理組成物の吸収性が向上し、施与前にあっては、液垂れを防止するとともに、拭き終わりに際しても、最後に布帛をガラスに押しつけることによって、余剰の組成物を内部に吸収して、処理面の早期乾燥を助けることができるからである。
【0074】
また、使用する親油性の繊維の細さが0.5デニール以下の極細繊維を、単独又は通常の繊維と組み合わせて用いることによって、過剰な(A)フッ素系アルキルアルコキシシランを良く吸収し、施与対象であるガラス面に対して、摩擦が低く作業性が良くなるため、より好ましい。
【0075】
(布帛の種類)
本発明に用いられる「(X)極細繊維を構成成分として含む布帛」は、織布,編物,不織布,フェルト等のいずれであっても良いが、コストや汎用性,及び撥水処理組成物のワンステップ使用に際して求められる、過剰なフッ素系アルキルアルコキシシランの、掻き取り効果,更には本発明の撥水処理組成物を含浸させる際の含浸速度及び含浸量と、ガラス面と接触させた際の撥水処理組成物放出速度及び放出量のバランスが良いという点から、不織布が好ましい。
【0076】
(布帛の構成)
本発明に用いられる「(X)極細繊維を構成成分として含む布帛」は、上記の布帛を単独で、あるいは複数枚を積層・一体化したものを用いることができる。
この場合、例えば、内層が、親水性繊維を主たる構成成分とする布帛であり、表と裏の2面の外層が、親油性繊維を主たる構成成分とする布帛である、3層構造とすると、布帛の圧着によって、内部に含浸させた撥水組成物を、ガラス面に放出する速度・量と、布帛による過剰な撥水処理組成物の吸収速度のバランスが良いために好ましい。
【0077】
(布帛の大きさ)
布帛の大きさ(面積)については、特に制限は無いが、本発明の撥水処理組成物は、例えば一般的な大きさのフロントガラス半面に施与する場合、一度に、約2ml程度を用いれば足りるため、この量を適度に保持し、また適度に放出できる大きさとすることが好ましく、例えば、後述するパッドの塗布面が105×50mm2であった場合、20〜30cm四方程度が好ましい。
【0078】
(布帛の目付)
布帛の目付についても、特に制限は無いが、本発明の撥水処理組成物は、ガラス面への塗着効率が高く、例えばフロントガラス半面に施与する場合、一度に、約2ml程度という従来に比べて極めて少量を用いれば足りるが、この量を適度に保持し、また少しの力で確実に放出でき、更には、撥水処理組成物のガラス面への施与時にかかる負荷に十分耐えうる目付とすることが好ましく、例えば、50〜100g/cm2程度が好ましい。
【0079】
(布帛の製造方法)
布帛の製造方法としては、一般的な織編方法,不織布の製造方法で良い。
【0080】
不織布は、
(1)短繊維,長繊維,あるいはこれらの混合物からなる積層物を製造し
(2)種々の方法で、これらの繊維同士を交絡させる
ことによって、製造することができる。
【0081】
(1)としては、スパンボンド法や、メルトブロー法(スパンボンド法の一種)等が挙げられる。
【0082】
(2)としては、サーマルボンド法(熱融着),ケミカルボンド法(接着剤),ニードルパンチ法(針),スパンレース法(水流絡合法),ステッチボンド法(一種のニードルパンチ),スチームジェット法(加熱蒸気)等が挙げられる。
【0083】
中でも、スパンレース法は、柔らかい手触りを有し、使い勝手が良いほか、高圧の水流を用いて交絡させているため、繊維同士が高度に交絡し、強度の保持性に優れているため好ましい。
ワンステップ方式によって、短時間に確実に撥水層の形成と、余分な撥水成分の掻き取り作業を行うには、結構な負荷がかかるため、不織布にも、それに十分耐えうる強度が求められるからである。
更には、スパンレース法は、交絡に接着剤成分等を用いないため、撥水層への接着剤成分の付着の心配等が無いという点でも好ましい。
【0084】
[パッド]
本発明の、下記(X)及び(Y)を別個に含むことを特徴とするガラス用撥水処理剤は、更に、(X)の布帛を固定し、作業性を向上させる目的で、(Z)パッドをも構成要素として含むこともできる。
【0085】
(X)極細繊維を構成成分として含む布帛
(Y)本発明のガラス用撥水処理組成物
【0086】
(Z)パッドとは、塗布具の一種であって、種々の形状のものが使用できるが、例えば、パッドの中央部を一部くり抜き、施与対象と接触させる面に当てた(X)の布帛の余った部分を、当該くり抜き部分に収納せしめ、その上から、陥没部に嵌合し得る大きさ・形状の部材(例えば、パッドからくり抜いて取り出した物等)を押し込み、布帛を、パッドと、できるだけズレないように装着させることができるような形状のものが好ましい。
【0087】
このような形状のパッドを用いることによって、加えた力の殆どを、効率良く、ガラス面に伝えることができ、(X)中の極細繊維の細さと相まって、少ない力で、本発明の撥水処理組成物をワンステップで適用可能となるからである。
【0088】
以下、本発明を、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限られるものでは無い。
【実施例】
【0089】
実施例に先立って、本発明のガラス用撥水処理組成物及びガラス用撥水処理剤の、評価方法を、下記に示す。
【0090】
[試験方法]
2007年式カローラフィルダーのフロントガラスを使って、試験した。
まず、フロントガラスの右側を撥水処理した。
【0091】
処理方法は、従来の、塗布・乾燥・余分な層の拭き上げの3工程を取る方法では無く、施与の直前に、布帛に処理液を含浸させた後、ガラスに塗り込み、乾燥・拭き上げ(掻き取り)も同時に進行させる、いわゆるワンステップ式で行った。
【0092】
具体的には、表1又は2に記載した仕様の(X)極細繊維を構成成分として含む布帛(不織布),又は(比較のための)主に約2〜3デニールの綿繊維からなるタオルに、実施例又は比較例の各撥水処理組成物溶液を2mlとり、液が布から吐出されなくなるまで、塗り込む作業を続けた。
続けて、同様の作業を左側に関しても行なった。
つまり、フロントガラス全面に対して、各処理液を4mlずつ用いたことになるが、この4mlという量は、従来の塗布型撥水処理組成物が必要とする10〜15mlと比べて、半分以下という劇的に少ない量である。
尚、不織布とタオルの大きさは、各々下記の通りである。
不織布:23×30cm=690cm2の四つ折
タオル:23×30cm=690cm2の四つ折
【0093】
このとき、作業が終了するまでの時間を測定し、作業終了時のガラスの透明度を目視で判定した。
【0094】
常温で2時間放置した後、水道水をシャワリングし、撥水性を目視で判定した。
【0095】
別途、30cm×15cmのフロート板ガラスに同様に撥水処理し、接触角、転落角を測定した。
【0096】
続けて、ガラスコンパウンド(研磨剤)を付けたコンパウンドスポンジを使って、約500gの加重でガラスを研磨し、撥水処理組成物による撥水層の耐摩耗性を評価した。
【0097】
実施例又は比較例の各撥水処理組成物を、50℃で3ヶ月保存した後に、同様にガラスに撥水処理を行い、撥水性を目視で判定し、保存前と同様の撥水性評価基準で評価し、保存安定性とした。
【0098】
下記に、各試験の評価基準を示す。
【0099】
[撥水性評価基準]
◎:非常に良く撥水し、シャワリング後の水滴が殆ど残っていない。
接触角=105度以上,転落角=35度未満
○:良く撥水しているが、シャワリング後の水滴がかなり残る。
接触角=100度以上105度未満,転落角=35〜50度
△:弱く撥水している。
接触角=80度以上100度未満
×:殆ど撥水していない。
接触角=80度未満
【0100】
[作業性試験(作業スピード)評価基準(ガラス半面)]
◎:15秒未満
○:15秒以上25秒未満
△:25秒以上〜35秒未満
×:35秒以上
【0101】
[透明性評価基準]
○:運転席からの前方の視界が完全に透明である。
△:運転席からの前方の視界に、僅かにギラツキ、粉残りが見られるが、運転には支障がない。
×:フロントガラスに著しいギラツキがあり、運転に支障がある。
【0102】
[耐摩耗性評価基準]
○:撥水剤が剥離されるのに、40往復以上
△:撥水剤が剥離されるのに、20往復以上40往復未満
×:撥水剤が剥離されるのに、20往復未満
【0103】
[実施例1〜15,比較例1〜5]
下記の表1及び2の組成に従って、実施例及び比較例の各ガラス用撥水処理組成物を製造した。
尚、それらを、表1及び2の組成の(X)極細繊維を構成成分として含む布帛,あるいは極細繊維を用いない一般的な綿製タオルで、ガラス面に施与した。
【0104】
【表1】

【0105】
【表2】

【0106】
表1及び2中の製品名の内容は、下記の通りである。
サイリシア310:富士シリシア化学(株)製,粒子径(平均粒子径)1.4μm,比表面積300m2/gの、ケイ酸をゲル化させた三次元構造のコロイド状シリカであり、多孔質微粉末構造を有する非疎水化微粉末。
【0107】
ハイジライト(登録商標)H21:昭和電工(株)製,平均粒子径27μmの、ボーキサイトを焼成して得られる、水酸化アルミニウム。
【0108】
サイロホービック100:富士シリシア化学(株)製,平均粒子径2.7μmの合成シリカ(サイシリシア)の表面OH基に有機ケイ素化合物を化学的に反応させた疎水化微粉末。
【0109】
また、表1及び2中の略語は、下記の意味を有する。
【0110】
PE:ポリエチレン
PET:ポリエチレンテレフタレート
PE/PET:50/50(重量比),丸断面で紡糸した複合繊維の菊花型割繊糸
d:デニール
【0111】
表1及び2から、本発明の実施例のガラス用撥水処理組成物は、比較例のものに比べて、本来の目的である撥水性はもとより、ワンステップという非常に簡便な手段,驚異的な作業性(作業スピードの短縮)や、ガラスの透明性の確保に優れ、更には耐摩耗性,組成物自体の保存安定性にも優れていることが分かった。更に、上記の試験で用いた、フロントガラス全面に対して4mlという量は、本発明のガラス用撥水処理組成物が、従来の塗布型撥水処理剤の場合に必要とされる10〜15mlに比べて、極めて少量で処理できることを意味している。
尚、比較例5は、ガラス用撥水処理組成物としては、実施例14と同じものであるが、使用時に用いる基材が異なるため、ワンステップ式による作業性,透明性が達成できなかった。
つまり、本発明のガラス用撥水処理組成物は、極細繊維を構成成分として含む布帛に含浸させて用いることで、その効果を発揮し得るものであることが証明された。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明のガラス用撥水処理組成物及びガラス用撥水処理剤は、乾燥・拭き上げ工程の省略により、ワンステップ使用が可能であるとともに、アルコールベースの処理液の場合であっても、高い撥水性と透明性を確保でき、しかも極少量の処理液で、ガラス面に撥水性を付与し得るものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時に、極細繊維を構成成分として含む布帛に含浸させて用いる、撥水処理組成物であって、下記(A)及び(B)を含むことを特徴とする、ガラス用撥水処理組成物。
(A)フッ素系アルキルアルコキシシラン:0.05〜10質量%
(B)触媒:0.01〜5質量%(酸触媒又は塩基触媒の場合、一価換算)
【請求項2】
更に(C)を含むことを特徴とする、請求項1記載のガラス用撥水処理組成物。
(C)不溶性微粉末
【請求項3】
(A)フッ素系アルキルアルコキシシランが、下記の(a−1),(a−2)で表される群から選択される少なくとも一種以上の化合物を含むものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガラス用撥水処理組成物。
(a−1)CF3 (CF2)5 (CH2)m−Si−(OCnH2n+1)3
(a−2)CF3 (CF2)7 (CH2)m−Si−(OCnH2n+1)3
(上記において、mは、1〜4の整数,nは、1又は2を表す。)
【請求項4】
(B)触媒が、強酸であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のガラス用撥水処理組成物。
【請求項5】
(C)不溶性微粉末が、表面を疎水化処理したものであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のガラス用撥水処理組成物。
【請求項6】
(C)不溶性微粉末の含有量が、0.1〜20質量%であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のガラス用撥水処理組成物。
【請求項7】
下記(X)及び(Y)を別個に含むことを特徴とする、ガラス用撥水処理剤。
(X)極細繊維を構成成分として含む布帛
(Y)請求項1乃至6のいずれかに記載のガラス用撥水処理組成物

【公開番号】特開2010−138210(P2010−138210A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312784(P2008−312784)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(000227331)株式会社ソフト99コーポレーション (84)
【Fターム(参考)】