説明

ガラス繊維壁装材、反射天井防音材、及び導電性又は電気抵抗性、高性能、高強度のコンクリートなどの建築材料におけるEMI及び放射性同位元素を遮蔽する有機及び鉱物の混和剤の製法及び使用

【課題】コンクリートなどの建築材料における、強度補強、防水加工を行い、合わせて、電磁気、高周波、及びマイクロ波、並びに放射性同位元素を遮蔽する方法を提供する。
【解決手段】ヒドロキシプロピルセルロースなどの多糖類及びエトキシル化メチルグルコシドなどの単糖類から成る有機混和剤、脱イオン水、例えば電気めっきされたニッケル酸化物又は銅被覆ステンレス鋼繊維、超微細石炭フライアッシュ、シリカフュームなどの金属及び鉱物の添加物、黒鉛及び石油コークス粉などの炭素系材料、並びにホルミウムなどの放射安定アルカリ常磁性金属又はゼオライトを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気めっきされたニッケル酸化物又は銅被覆ステンレス鋼繊維、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、エトキシル化メチルグルコシド、石油コークス粉又は黒鉛、及びシリカフューム、並びに放射能の捕捉剤としてのホルミウムなどの非放射性アルカリ金属、クリノプチロライトなどの天然ゼオライトを使用して、コンクリート、セメント、石膏、又はフライアッシュなどのその他のポゾラン(アルミナシリカ質)における、引っ張り強度、曲げ強度、及び圧縮強度を増強し、並びにEMI/RF/マイクロ波及び放射性同位元素を遮蔽する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の考察
セメントは広く使用されている建築材料であるが、電磁放射線を遮蔽する能力に欠けている。環境が電子汚染に対して次第に敏感になるにつれて、建物の電磁放射線を遮蔽する能力は、重要さを増している。
【0003】
最近、高品質かつ軽量な、放射性同位元素を遮蔽する壁装材及び壁材などの建築材料に対する強い要望がある。
【0004】
セメント中において0.90vol.%の範囲内の短い又は刻まれた、連続若しくは不連続の繊維が十分に分散された混合物である、ステンレス鋼繊維補強コンクリート(SSRC)は、1970年代から知られている。SSRCは、従来の補強コンクリートによって超えることができない多くの優れた機械的特長を有しており、特に、強アルカリ環境に対する化学的安定性、及び機械強度の長期耐久性は、SSRCの進歩におけるいくつかの本質的特徴である。
【0005】
フライアッシュ又はゼオライトは、社会基盤の国際的建設において、エネルギーの節約、廃棄物処理、地球温暖化に関わる排出物からの環境保護、コンクリートの質の改善、及び費用削減のために、コンクリート混合物中のセメントと置き換えが可能である。超微細フライアッシュをシリカフュームに添加することで、コンクリートの強度を増強することが可能である。
【0006】
必要性の明示
補強鋼の腐食を引き起こす水溶性汚染物質及び塩化物を多く含む液体の浸透を阻止することによって、コンクリート構造の耐用年数を長くさせる補強鋼を保護することが必要である。
【0007】
セメントと構造上用の鋼又は鋼繊維との間の結合力の強化及び接触抵抗の増加が必要である。
【0008】
エレクトロニクス技術の発展によって、特に、電力及び電気通信に関連する電力変圧器及びその他の電子機器を備えた地下室において、及び電磁的方式によるスパイ活動の抑止のために、例えば、石膏ボード及びコンクリートなどの建築材料におけるEMI/RF/マイクロ波干渉の遮蔽が必要である。
【0009】
石炭及び石油の工業燃焼から生まれる灰、及びその中に含まれるセレン、バナジウム、ニッケル及びホルミウムなどの鉱物及び金属を再利用するための、環境に優しい方法が必要である。
【0010】
誤って又は意図的に環境に放出された、例えば、セシウム137及びストロンチウム90などの放射性核分裂生成物(同位元素)を捕捉する方法が確実に必要である。
【0011】
一般的背景
米国の電力事業において、毎年、1億トンを超える石油コークス灰及び石炭フライアッシュが副産物として発生している。特に、フライアッシュは通常埋立地において廃棄される。約3.8μmに粉砕された粗フライアッシュは、高強度のコンクリートを生産することが可能であり、これによってセメントを25%代替すると、最も強い圧縮強度(100.3MPa)が与えられる。25%のセメント代替は、セメントの製造によって生じる温室効果ガス(セメント1トン当たり680Kg)の27%の減少をもたらし得る。
【0012】
セメント産業は、世界全体の5%のCO2排出に関与している。その60%は石灰石などの再生不能材料の脱炭によるものであり、40%は再生不能化石燃料を使用してセメントキルンを1500℃まで加熱することによるものである。
【0013】
0.90vol.(wt)%のステンレス鋼繊維をセメントに添加することで強度を23%向上させ、それは非補強コンクリートの2−3倍の強さに相当する。ミクロンサイズ(>100nm)の鋼繊維のEMI/RF/マイクロ波遮蔽における主要なメカニズムは吸収である。直径が0.1μmの炭素フィラメントをニッケルで電気めっきすることによって生成された、直径が0.4μmのニッケルフィラメントは、特に効果的であることが示された。それらは大部分が炭素よりもニッケルであるため、ニッケルフィラメントとして知られている。1GHzにおいて87dBの遮蔽効果が、わずか7vol.%のニッケルフィラメントを含む高分子マトリックス複合体において達成された。ニッケルは銅よりも魅力的であるが、それはニッケルの優れた耐酸化性に一部起因している。
【0014】
EMIを99%遮断するために、150kHz〜16MHzの範囲の磁場において、40dB以上の遮蔽が必要である。この程度の遮蔽効果で、電磁干渉構造の建設には十分である。
【0015】
水酸化カルシウム又は消石灰(CaCO3)とHPCとの結合特性。
【0016】
水酸化カルシウム又は消石灰は、石灰と水との水和生成物である。
【0017】
Ca(OH)2<=======>CaO+H2
石灰は、アルカリ又はわずかに苦い味を有する軟性の白色非晶質粉末である。石灰は糖の存在下で溶解可能であることが示されており、かつ凝結したポルトランドセメント中で六方板状結晶として観察されている(Lea、1970年)。石灰は二酸化炭素(CO2)と反応して炭酸カルシウム(CaCO3)を形成する。湿気の存在下において行われるこの反応が、高カルシウム石灰モルタルを硬化させる原因である。
【0018】
HPCと鋼繊維及びセメントとの結合特性
HPC及びエトキシル化メチルグルコシド(防湿層)は、1−3’C末端領域において結合する。どのようにHPCはコンクリート中でカルシウムと結合するのか?水の存在下において、HPC中のN末端セルロース結合領域に位置するカルシウムは、セメント中の1−4’βカルシウム結合部位においてカルシウム結合に結合する。
【0019】
ヒドロキシプロピルセルロース又はメチルセルロース(セメントの0.4wt%〜0.8wt%)をセメントペースト又はコンクリート中で混和剤として使用すると、鋼補強筋及び鋼繊維とのせん断接着強度を増加させることが発見された。接着強度は、ヒドロキシプロピルセルロース又はメチルセルロースを増量すると共に増加した。セメントと繊維との間、又はコンクリートと補強筋との間の接触電気抵抗は、ヒドロキシプロピルセルロース又はメチルセルロースの添加によって変化しなかった。
【0020】
非放射性安定金属元素を使用した放射性核分裂生成物(同位元素)の捕捉
ホルミウムは、記号Ho及び原子番号67を有する化学元素である。ランタニド系列の一部であるホルミウムは、比較的軟性で、可鍛性銀白色の金属元素であり、室温の乾燥空気中で安定である。希土類金属は、鉱物のモナザイト及びガドリナイト中で発見される。ホルミウムは、あらゆる元素の中で最も高い磁気強度を有するため、最も強い永久磁石の磁極片に使用される。ホルミウムは核分裂によって生成された中性子を強力に吸収するため、原子力制御棒においても使用される。
【0021】
ゼオライトの化学的性質は、Tサイトのシリコン及びアルミニウムの原子の分布にある。レーベンシュタイン規則によると、ゼオライト骨格におけるAl−O−Al結合は禁じられている。その結果、全てのアルミン酸塩四面体は、4つのケイ酸塩四面体と結合しなければならず、一般に、これは事実であることが証明されている。しかしながら、高温で合成されたゼオライトの最近の調査では、ソーダライト材料における非レーベンシュタインの分布が示されている。アルミニウムイオンは、3つの電子を失うことでそれを中性に帯電させるように形成されている。負に帯電したシリカとアルミニウムとの組み合わせは、電磁波を吸収し得る負に帯電したイオンを生成する。陰イオンは自然界に存在する抗酸化剤の一種であり、それの血流における毒素との反応及び毒素の分解が報告されている。
【0022】
SiO4/AlO4比率の範囲は、ゼオライト間で変化する。ZSM−5型は高ケイ酸塩ゼオライトである一方で、ゼオライトX/Y型は高ケイ酸塩形態又は高アルミン酸塩形態で調製可能である。しかしながら、通常は、レーベンシュタイン規則に従って、四面体位置に完全に配列されたSi−Al分布を有する結合体に近いSi/Al比率で生産される。アルミニウムをゼオライト構造中に含めることは、2つの主要な効果を有する。
・正味の負電荷の増加−これは架橋酸素の孤立電子対に結合される陽子、水素によって中性化される。これらの酸性部位は、ゼオライト触媒活性において重要な役割を果たす。
・材料が親水性になる。
【0023】
ゼオライトはpHによって影響を受けるだけでなく、溶液のpHに影響を与えることも可能である。クリノプチロライトは、H+受容体又はH+供与体として作用することで、溶液を中和する傾向があることが分かった(Riveraら、2000年;Ersoy及びSelik、2002年)。また、溶液のpHは、ゼオライトの整合性に作用することで、除去効率に影響を与えることが可能である。クリノプチロライトは、アルカリ媒体中でそのイオン交換能が部分的に低下及び失われることが知られている(Mierら、2001年)。また、クリノプチロライト構造は、強酸性溶液中で分解する(Tsitsishvili、1992年)。一方で、溶液のpHが上昇するにつれて、負に帯電した部位の数が増加し(Benhammouら、2005年)、中性、酸性、及びアルカリ性のpH値におけるクリノプチロライト−脱イオン水懸濁は、約9±1のpH緩衝を示した。これはまた、Trgo及びPeric(2003年)によって観察され、かつ、脱イオン水−クリノプチロライト懸濁液pHにおいて調査された全ての初期pH(2−11)は、8〜9の間で安定となった。
【0024】
ゼオライト、炭素モレキュラーシーブ(CMS)、アルミナ、及びその他の多孔質吸着材料、並びにホルミウムなどのランタニド、などの活性吸着材料を、ガラス繊維紙上に被覆することが可能である。吸着剤粒子をガラス繊維に結合させるため、かつ吸着剤粒子を均一な分布にするために、保持用バインダーなどの多くの原料及び添加物を被覆溶液中に添加することも可能である。最終的な不織布シート(紙)は、保持剤、活性吸着材料、及び有機高分子から構成され得る。保持剤は、ガラス繊維が壁ライナー及び吸着材料に保持されるのを強化するあらゆる材料である。
【0025】
アルコアHiQ−40、Alucol、又はアルミナゾルなどの保持向上バインダーをスラリーに添加することで、吸着剤粒子は紙中のガラス繊維に結合する。この工程を通して、吸着剤粒子はベーマイトバインダー材料によってカプセル化される傾向にもある。
【0026】
ゼオライトなどの吸着材料は、限定されるものではないが、X型ゼオライト、A型ゼオライト、Y型ゼオライト、ZSM−3、EMT、EMC−2、ZSM−18、ZK5、ZSM−5、ZSM−11、ベータ、L、菱沸石、オフレット沸石、エリオン沸石、モルデン沸石、グメリン沸石、マッシィ沸石、及びこれらの混合物を含む。活性化されたアルミナゾル、シリカゲル、炭素モレキュラーシーブ、非晶質アルミノケイ酸塩、粘土材料、並びにホルミウム及びエルビウムなどの常磁性ランタニド金属などのその他の吸着材料も使用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】米国特許出願第6/524,846号明細書
【特許文献2】米国特許出願第11/110,923号明細書
【特許文献3】米国特許出願第12/656,741号明細書
【特許文献4】米国特許出願第13/067,917号明細書
【特許文献5】国際特許出願公開2006/041698号明細書
【特許文献6】米国特許第5,272,740号明細書
【非特許文献】
【0028】
【非特許文献1】Electromagnetic Interference Shielding Effectiveness of Carbon Materials,Composite Materials Research Laboratory,University at Buffalo,State University of New York,Buffalo,NY 14260−4400,USA,D.D.L.Chung,et al(2001)
【非特許文献2】Cement Based Electromagnetic Shielding and Absorbing Building Materials,Guan,H.et al.,Cement and Concrete Research,Vol.(28),Pgs.468−474.(2006)
【非特許文献3】Organic Chemistry,McMurray J.5th Edition,Chapter 25,Pgs.1030−1073 (2000)
【非特許文献4】Journal Of Biochem.Vol.(280)Pgs 530−537
【非特許文献5】Cereal Chemistry,Vol.(54)Pgs.266(1977)
【非特許文献6】Cement and Concrete Research,Pourchez et al,Vol.(36),Pgs.1252−1256(2006)
【非特許文献7】Proc.7th Int.Congr.Chemistry of Cement,Skalny et al,Vol.(I)II−1/32
【非特許文献8】Cement and Concrete Research,Birchall et al,Vol.(13)Pgs.830−842(1983)
【非特許文献9】Cement and Concrete Research,Vol.(32),Issue 3,Pgs.393−399(March,2002)
【非特許文献10】Use of Fly Ash as an Admixture for Electromagnetic Interference Shielding,Composite Materials Research Laboratory,University at Buffalo,State University of New York,Buffalo,NY 14260−4400,USA,D.D.L.Chung,et al,(2004)
【非特許文献11】Use of Ground Course Fly Ash as a Replacement of Condensed Silica Fume in Producing High Strength Concrete,Chai,J.et al.,Department of Civil Engineering,King Mongkut’s University of Technology,Thonburi,Bankok 10140,Thailand(2003)
【非特許文献12】Rivera A.,Rodriguez−Fuentes G.,Altshuler E.(2000).Time evolution of a natural clinoptilolite in aqueous medium:conductivity and pH experiments.Microporous and Mesoporous Materials,40,173−179.
【非特許文献13】Trgo M.,Peric J.(2003)Interaction of the zeolitic tuff with Zn−containing simulated pollutant solutions.Journal of Colloid and Interface Science,260,166−175.
【発明の概要】
【0029】
発明の目的
本発明は、概して、ステンレス鋼繊維、フライアッシュ、及びHPCを加えた補強混合セメント(例えば、クリンカー、合成石膏、及び石油コークス粉)を製造することで、密度、結合力、引っ張り強度、曲げ強度、及び圧縮強度を強化した建築材料としての高性能コンクリートを製造する方法に関する。
【0030】
また、本発明は、新たな応用、すなわち電磁干渉(EMI)遮蔽のための、コンクリート中における導電性充填剤としての石油コークス粉及び鋼繊維の使用に関する。デジタル素子を有する無線(特に高周波)装置の干渉、及び電子装置の感受性の増加に起因して、EMI遮蔽は大いに必要とされている。遮蔽は、電力及び電気通信に関連する変圧器及びその他の電子機器を含む地下室で特に必要とされている。また、電磁的方式によるスパイ活動の抑止のためにも必要とされている。
【0031】
鋼繊維を含んでいるセメントペーストの高い遮蔽効果は、その低い電気抵抗率と一致している。0.36vol.%のステンレス鋼繊維(直径8mm)は非常に低い抵抗率を有する。抵抗率は0.78vol.%の鋼繊維(直径8mm)で40Ωcmである。従って、鋼繊維は電流を流すために効果的である。また、鋼は炭素よりはるかに導電性がある。その他の遮蔽材料と比較して大きな直径にもかかわらず、高い導電性によって鋼繊維は遮蔽に関して極めて優れている。実際に、0.90vol.%の鋼繊維(直径8mm)は、71dB(1.5GHz)に達した。
【0032】
以前にセメントマトリックス複合体で報告された、遮蔽効果を表す最も高い2つのEMI値は、1.5vol.%の炭素フィラメントを含むセメントペーストにおいて達した40dB、及び直径8mmかつ長さ6mmの0.72vol.%ステンレス鋼繊維を含むセメントペーストにおいて達した70dBである。
【0033】
また、本発明は、新たな応用、すなわちホルミウム又はゼオライト(天然若しくは合成)などのアルカリ常磁性材料の使用に関し、それを脱イオン水中に溶解し、次いで有機洗浄被覆高分子と共にガラス繊維基材(紙)上に被覆し、壁板、並びに天井タイル及びパネル、又は壁ライナー(壁装材)などの建築材料を覆うために使用することで、セシウム及びストロンチウムの放射性同位元素などの核分裂生成物質を吸収することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明に関する原理
上記目的の達成のために、コンクリートは、本発明の鋼繊維及び石炭フライアッシュ、並びに、例えばメチルセルロースなどの有機(多糖類)混和剤の添加によって補強されることが提案される。
【0035】
また、コンクリートのEMI/RF/マイクロ波遮蔽は、シリカフューム(<6vol.%)を含むフライアッシュ、コークス粉(1.02vol.%)、ニッケルめっき炭素フィラメント(7vol.%)、若しくは銅被覆ステンレス鋼繊維(0.78vol.%)などの反射材料又は吸収材料を、セルロース繊維と架橋又は結合させることによって達成可能であることが提案される。特に、EMI/RF/マイクロ波遮蔽の構造用及び非構造用の建築材料は、自動化された高速道路、橋梁舗装、及び堤防における、側面及び災害の誘導システムのために使用可能であることが提案される。
【0036】
また、核分裂生成物の非放射性同位元素を含む安定した捕捉剤は、ホルミウム(Ho23)又はクリノプチロライト及び菱沸石などの負に帯電したゼオライトであり、それは四面体におけるシリコンをアルミニウムによって置き換えることで生じ、イオン交換機構に積極的に干渉するものであることが、特に提案される。
【0037】
前述の考察は、単に本発明の例示的実施形態を開示及び説明するだけである。以下の特許請求の範囲において定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、修正及び変化をその中で行い得ることを、当業者は係る考察及び特許請求の範囲から容易に認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)又はメチルセルロース及びエトキシル化メチルグルコシド(EMG)などの有機添加物、石油コークス粉(石油コークス)、ミクロンサイズの銅被覆ステンレス鋼繊維又は電気めっきされたニッケル酸化物、超微細石炭フライアッシュ、並びに放射能の捕捉剤として放射安定アルカリ金属又はゼオライトを使用することで、コンクリートなどの建築材料における、強度補強、防水加工、並びに電磁気、高周波、及びマイクロ波干渉並びに放射性同位元素の遮蔽をする方法であって、
a)金属繊維(0.78v/w%)を石油コークス粉(1.02vol.%)を含むセメント系材料に添加し、それをHPC又はメチルセルロース及びエトキシル化メチルグルコシド(0.4vol.%)、超微細フライアッシュ(15vol.%)又はルビジウムを含むゼオライト(5−10vol.%)、シリカフューム(6vol.%)などの有機鉱物、水と混合することによってセメント系ペーストを形成し、
b)前記セメント系ペーストを4〜5分混ぜ合わせることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記セメント系ペーストは、75%を超える主な部分がポルトランドセメント又はその他のポゾラン材料から形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セメント系ペーストは、シリカフュームと合わされ、約3.8μmに粉砕されたクラスFのフライアッシュ又は天然若しくは合成のゼオライトを有し、その全含量が25(wt)%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1(wt)%未満のHPCを、繊維分散剤として、及びステンレス鋼繊維又はフィラメント、炭素、及び前記セメントマトリックス間の結合剤として使用することで、建物、道路、橋梁舗装及び堤防における構造用の鋼又は鉄筋の構成部分の透磁率を大きくすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1(wt)%未満のメチルセルロースを、繊維分散剤として、及びステンレス鋼繊維又はフィラメント、炭素、及び前記セメントマトリックス間の結合剤として使用することで、建物、道路、橋梁舗装及び堤防における構造用の鋼又は鉄筋の構成部分の透磁率を大きくすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
1(wt)%未満のエトキシル化メチルグルコシドを、ステンレス鋼繊維又はフィラメント、炭素、及び前記セメントマトリックス間の防水結合剤として使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
5(wt)%のステンレス鋼繊維をセメントに添加することで、その強度を23%向上させ、非補強コンクリートの2−3倍にすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
0.78(wt)%のステンレス鋼繊維をコンクリートに添加することで、EMI/RF遮蔽を強化することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
1.02(wt)%の石油コークス粉をセメントに添加することで、EMI/RF遮蔽を強化することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
6(wt)%のシリカフュームをコンクリートに添加することで、圧縮強度を増加、コンクリート透過率を減少、耐腐食性を向上、及び電気抵抗を増加させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
7(wt)%の電気めっきされたニッケル酸化物などの金属を、フライアッシュと混合されたポルトランドセメントに添加することで、EMI/RF遮蔽を強化することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
1.02%の石油コークス粉をポルトランドセメントに添加することで、コンクリートのEMI/RF遮蔽を強化することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
1−3(wt)%の石油コークス粉をポルトランドセメントに添加し、プレキャスト石膏ボードに5mm厚の被覆をすることで、EMI/RF遮蔽を強化することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
約3μmに粉砕された25%の産業用フライアッシュをポルトランドセメントに添加することで、圧縮強度及び電気抵抗を増加させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
核分裂性生成物を吸収する酸化物に含まれる放射能の捕捉剤であって、高温で安定な含酸素化合物を含み、前記含酸素化合物は少なくとも1つの金属性又は常磁性の酸化物と、放射能が捕捉される前記放射性核分裂生成物の非放射性同位元素の少なくとも1つの酸化物と、保持用バインダーとの組み合わせを含むことを特徴とする放射能の捕捉剤。
【請求項16】
前記安定な含酸素化合物において、前記金属性の酸化物は、Al23、CeO2、Nb25、SiO2、TiO2、UO2、V23、Y23、ZrO2、Na2O・Al23・xSiO2・yH2O、及びHo23から成る群より選択されることを特徴とする、請求項15に記載の放射能の捕捉剤。
【請求項17】
前記金属性の酸化物は、シリコアルミン酸塩、シリコジルコン酸塩、シリコニオブ酸塩、若しくはシリコセラート、又は酸化ホルミウムであることを特徴とする、請求項15に記載の放射能の捕捉剤。
【請求項18】
前記安定な含酸素化合物は、前記捕捉される核分裂生成物以外に、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の安定な定義された化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の放射能の捕捉剤。
【請求項19】
前記安定な含酸素化合物は、Csに対してRb、Na若しくはK、Srに対してCa、Ba、Mg若しくはBe、又は全てに対してHo若しくはクリノプチロライトを含むことを特徴とする、請求項15に記載の捕捉剤。
【請求項20】
クリノプチロライト(ゼオライト)などの吸着材料を含み、それを保持剤と共に脱イオン水中に溶解して、織布又は不織布のガラス繊維紙上に被覆(0.001インチ−0.002インチ(0.0254ミリ−0.0508ミリ))することで、石膏ボード、鉱物繊維防音天井タイル及びパネル、PVC積層石膏天井タイル、繊維ガラスの天井板、防音のパネル及び天井タイル、並びに壁ライナーなどの建築材料を製造する方法であって、
a)28−30℃、特に28.8℃にて、pH8−9、特にpH8.5−8.9の脱イオン水(5:1の比率)中において、放射線吸着材料〜60−80%のクリノプチロライト(ゼオライト)、40−20%の(ベーマイト)バインダーを混ぜ合わせ、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)+メチルグルセス−20(EMG)〜60%:40%(比率)を含む有機高分子を2分間混ぜ合わせるステップと、
b)前記吸着材料をガラス繊維紙の基材上に塗布、噴霧若しくは浸漬又は被覆するステップと、
c)脱イオン水中(20v/w%)にヒドロキシプロピルセルロース(HPC)+メチルグルセス−20(EMG)〜60%:40%(比率)を含む有機高分子を、前記放射線吸着材料の被覆材料(ガラス繊維紙)上に塗布することで、EMIの軽減を補助するステップ、を含むことを特徴とする建築材料を製造する方法。
【請求項21】
前記ゼオライトなどの吸着材料は、限定されるものではないが、X型ゼオライト、A型ゼオライト、Y型ゼオライト、ZSM−3、EMT、EMC−2、ZSM−18、ZK5、ZSM−5、ZSM−11、ベータ、L、菱沸石、オフレット沸石、エリオン沸石、モルデン沸石、グメリン沸石、マッシィ沸石、及びこれらの混合物を含み、活性化されたアルミナゾル、シリカゲル、炭素モレキュラーシーブ、非晶質アルミノケイ酸塩、粘土材料、ホルミウム及びエルビウムなどの常磁性ランタニド金属などが使用可能であることを特徴とする請求項20に記載の建築材料を製造する方法。
【請求項22】
前記保持剤は、BASF(Alcoa)HiQ−40、Alucol又はアルミナゾルであり、前記スラリーに添加することで、前記吸着剤粒子を前記ガラス繊維紙に結合させ、該ステップによって、前記吸着剤粒子は前記ベーマイトバインダー材料によってカプセル化されることを特徴とする請求項20に記載の建築材料を製造する方法。

【公開番号】特開2013−18695(P2013−18695A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−244133(P2011−244133)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(511270837)
【Fターム(参考)】