説明

ガンタイプバーナ

【課題】イグナイタの不良や着火失敗を確実に検知出来るガンタイプバ−ナを提供する。
【解決手段】バーナ外筒1の内側に該バーナ外筒1との間に空気通路5を形成して、燃料噴射用のノズル体8及び一次空気を旋回させる一次スタビライザ15を備えた整流筒4と、周壁に複数の空気孔を設けたバーナ内筒18とを備え、更にバーナ外筒1後方には燃焼空気供給用の送風機2を備え、更に前記ノズル体8の前方には一対の点火電極31の先端を位置させ、イグナイタ32からの通電でこの電極間に火花放電させることで、噴霧燃料に着火するもので、前記着火及び着火後の炎の状態を監視し異常検知で燃焼を停止させる炎監視装置33を備え、この炎監視装置33はイグナイタ32による火花放電も監視し異常検知で着火動作を中止させるので、着火動作を中止するので、バーナ内筒内に燃油が堆積せず、臭気やタールが発生する心配もなく、常に安心して使用出来るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は家庭用の給湯装置等のバーナとして利用されるガンタイプバーナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、ノズル体の近傍に炎監視装置を備え、着火及び着火後の燃焼状態を監視し、着火の失敗や燃焼途中の失火等を検知して、運転を停止させて安全を確保するようにしているものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平7−239122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでこの従来のものでは、ガンタイプバーナの炎監視装置は、炎の有無のみを監視しており、イグナイタの不具合による不着火を区別して検知していないため、イグナイタ不良による火花放電がないことによる不着火でも、ノズル体からの燃油の噴霧は行われるので、バーナ内筒内に燃油が堆積して臭気やタール発生の原因になるものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明はこの点に着目し上記欠点を解決するため、特にその構成を、バーナ外筒の内側に該バーナ外筒との間に空気通路を形成して、燃料噴射用のノズル体及び一次空気を旋回させる一次スタビライザを備えた整流筒と、周壁に複数の空気孔を設けたバーナ内筒とを備え、更にバーナ外筒後方には燃焼空気供給用の送風機を備え、更に前記ノズル体の前方には一対の点火電極の先端を位置させ、イグナイタからの通電でこの電極間に火花放電させることで、噴霧燃料に着火するものに於いて、前記着火及び着火後の炎の状態を監視し異常検知で燃焼を停止させる炎監視装置を備え、この炎監視装置はイグナイタによる火花放電も監視し異常検知で着火動作を中止させるものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、炎の有無は勿論のこと、イグナイタや点火電極の不具合による火花放電がないことを、ノズル体から燃油が噴霧される前に検知して、着火動作を中止するので、バーナ内筒内に燃油が堆積せず、臭気やタールが発生する心配もなく、常に安心して使用出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次にこの発明の一実施形態を示すガンタイプバーナを図面に基づき説明する。
1は有底筒状で先端に向かって二段階に絞られたバーナ外筒で、後端部には横向きに取り付けらた送風機2からの燃焼空気を流入させる風胴3が固着されている。
【0007】
4は前記バーナ外筒1の内側に該バーナ外筒1との間に空気通路5を形成して備えられた整流筒で、内方には電磁ポンプ6及び油比例弁7と連結した燃料噴射用のノズル体8と、該ノズル体8前方で流通して来る一次空気を集束させて中央穴10から放出する擂り鉢状の集束体11とが備えられており、更にこの集束体11の前方には、中央穴10より大径の開口12を有し、中央穴10部分で重合し周壁に形成された複数の二次空気孔13から流入する二次空気を、開口12周囲に切り起こしで形成した旋回羽根14で旋回させて供給する一次スタビライザ15が備えられている。
【0008】
更に前記集束体11と一次スタビライザ15とが接触する中央穴10周囲では、この2つの隙間からの二次空気が中央穴10からの一次空気に全周から垂直にぶつかることで、一次空気が乱れて噴射燃料との混合不良が発生して良好な燃焼が得られなくなることを防止する為に、中央穴10の周囲に一次スタビライザ15と密着する段押し部16を形成し、更に確実に二次空気の中央穴10から放出される一次空気への干渉を阻止するように、中央穴10端部には前方へ立ち上がった立設壁17を設けているものである。
【0009】
18は前記整流筒4と同じく空気通路5を保持してバーナ外筒1の内側に備えられたバーナ内筒で、一次スタビライザ15の先端に連結した小径燃焼筒19と大径燃焼筒20の二段状に形成され、小径燃焼筒19及び大径燃焼筒20の周壁には、上下二段に三次空気孔21が複数個形成されており、又大径燃焼筒20の底部で小径燃焼筒19との連結部分の外周には、一次スタビライザ15と同一方向に三次空気を旋回させる二次スタビライザ22が形成され、更にこの二次スタビライザ22と小径燃焼筒19の先端連結部分との間には、複数のスリットから成る噴流噴出部23が形成されて、三次空気を層流にして噴出するものである。
【0010】
前記風胴3は、一側面を送風機2と、底面をバーナ外筒1とそれぞれ連通し他を閉塞した箱状に形成され、送風機2から供給される燃焼空気を一旦貯めるものであり、又風胴3のバーナ外筒1と連通するノズル体8側には、燃焼空気と直交するように複数の一次整流孔24を円を描くように配置した第一整流板25が設けられると共に、この第一整流板25の下流側には一次整流孔24で描いた円とオーバーラップする径であって、一端開口では整流筒4端部を嵌合したコップ状の整流筒ガイド26が設けられており、更に整流筒ガイド26の燃焼空気の流れと平行になる周壁には複数の第二整流孔27を形成して、強制的に押し込むのではなく、自然のながれとして燃焼空気が流入して一次空気となるものである。
【0011】
28は整流筒4底部で燃料噴射用のノズル体8を固定すると共に、該整流筒4内に一次空気を流入させる為の第三整流板で、固定されたノズル体8周囲に複数個の第三整流孔29を設けており、整流筒ガイド26に流入して来た一次空気を第三整流孔29を通すことで、更に整流して整流筒4に供給するものである。
【0012】
30はバーナ外筒1先端とバーナ内筒17先端とで形成された隙間から成る三次空気噴出口で、バーナ外で形成される火炎に三次空気を供給すると共に、火炎の広がりを抑制するものである。
【0013】
31はイグナイタ32からの電力の供給を受けて先端部で火花放電を行う一対の点火電極で、ノズル体8の側方から延ばした先端部を該ノズル体8の前方に位置させるようにし、噴霧される燃油に確実に着火出来るようにしている。
33はCdS素子から成る炎監視装置で、整流筒4後方で点火電極31先端部とノズル体8前方とが監視出来る位置に備え、火花放電の光と炎の光を抵抗値の違いで区別し、イガナイタ32や点火電極31の不具合と、失火とを検知して点火動作や燃焼動作を中止させるものである。
【0014】
次にこの発明の一実施形態の作動について説明する。
今送風機2及び電磁ポンプ6を駆動すれば、燃焼空気は先ず風胴3内に供給されここで一旦貯めて、回転力による方向性をなくした後、下方に向かう流れとし、この流れと直交するように配置された第一整流板25の第一整流孔24を通過させることで、全体的に流れ方向を一致させる整流を行い、そして空気通路5に流し流れ方向と平行な整流筒ガイド26の第二整流孔27から自然に整流されながら該整流筒ガイド26内に流入させ、更に第三整流板28の第三整流孔29を通り最後の整流が行われ、完全な下方への一次空気の流となって整流筒4内へ供給されるものである。
【0015】
そして整流筒4内に流入した一次空気は、擂り鉢状の集束体11で集められて中央穴10からノズル体8の噴射燃料と共に、バーナ内筒18内に放出され、この時点火電極31の放電で着火されるものであり、又これと同時に一次スタビライザ15からは、一次空気と燃料の混合気の外周に二次空気の旋回流を形成して二次空気の混合を良好にして、小径燃焼筒19内で一次燃焼及び二次燃焼し、更に大径燃焼筒20内では、上下の三次空気孔21から新鮮な三次空気が供給されると共に、二次スタビライザ22からは旋回した三次空気が供給されて、三次燃焼が行われ、そして外方に大きな火炎が形成されて良好な四次燃焼が行われるものである。
【0016】
更にこの時、噴流噴出部23から層流の三次空気が、一次スタビライザ15による旋回流と、二次スタビライザ22の旋回流間に供給されることで、二つの旋回流は大径燃焼筒20内で直ぐには一体化せず、個々にきめ細かな拡散、混合作用した後に、大径燃焼筒20先のバーナ外方で混合して良好な四次燃焼が得られるものであり、又このバーナ外方の四次燃焼には三次空気噴出口30から火炎の外方への広がりを抑える三次空気が供給されて更に良好な燃焼が行えるものである。
【0017】
更に集束体11の中央穴10部分では、段押し部16と立設壁17とで隙間が完全に塞がれるので、外周から流速の早い二次空気が供給されることがなく、一次空気の流速が乱れる心配もいらず、常に良好な燃焼を得ることが出来るものである。
【0018】
更に一次空気、二次空気、三次空気として燃焼部に供給される燃焼空気を、入り口である風胴3及び整流筒ガイド26で確実に整流し、流れ方向や量の片寄りのない燃焼空気として供給され、特に一次空気は第二、第三と3回に渡って整流が行われ、異常燃焼の原因になることなく、常に良好な燃焼が行われるものである。
【0019】
又第一整流孔24が燃焼空気の流れと直交し、全燃焼空気を強制的に整流することが出来、基本的な流れ方向の整流が確実に行われるものであり、又第二整流孔27が燃焼空気の流れと平行し、一次空気を自然に流入させられるので、癖のないスムーズな燃焼が常に行えるものである。
【0020】
一方図3のフローチャートに示す着火シーケンスでは、ステップ34で先ずイグナイタ32を駆動させて点火電極31で火花放電を行わせ、そしてステップ35ではこの火花放電が確かに行われているかを炎監視装置33で、抵抗値が300KΩ以上かで検知し、YESで火花放電有りでステップ36に進み始めて電磁ポンプ6を駆動して、ノズル体8から燃油を噴霧し、更にステップ37で着火されたかを再び炎監視装置33の抵抗値が10KΩ以上かで検知し、YESでステップ38に進み燃焼を継続するものであり、ステップ35で火花放電がなかった時には、NOでステップ39で着火動作を中止させ、又ステップ37で着火が検知出来なかった時には、NOでステップ40で燃焼動作を中止させて、安全を確保するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施形態を付したガンタイプバーナの断面図。
【図2】同点火電極の正面図。
【図3】同着火シーケンスを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0022】
1 バーナ外筒
2 送風機
4 整流筒
5 空気通路
8 ノズル体
13 二次空気孔
15 一次スタビライザ
18 バーナ内筒
31 点火電極
32 イグナイタ
33 炎監視装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナ外筒の内側に該バーナ外筒との間に空気通路を形成して、燃料噴射用のノズル体及び一次空気を旋回させる一次スタビライザを備えた整流筒と、周壁に複数の空気孔を設けたバーナ内筒とを備え、更にバーナ外筒後方には燃焼空気供給用の送風機を備え、更に前記ノズル体の前方には一対の点火電極の先端を位置させ、イグナイタからの通電でこの電極間に火花放電させることで、噴霧燃料に着火するものに於いて、前記着火及び着火後の炎の状態を監視し異常検知で燃焼を停止させる炎監視装置を備え、この炎監視装置はイグナイタによる火花放電も監視し異常検知で着火動作を中止させる事を特徴とするガンタイプバーナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−51415(P2008−51415A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228569(P2006−228569)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】