説明

キノコの加工方法、およびこれを用いた出し汁の製造方法、並びに調味材料

【課題】モエギタケ科スギタケ属に属するナメコの旨味を向上させることのできる加工方法、およびナメコを、より安定して供給することができるようにしたキノコの加工方法、およびこれを用いた出し汁の製造方法、並びに調味材料を提供すること。
【解決手段】 モエギタケ科スギタケ属のキノコにおける旨味を向上させるキノコの加工方法であって、少なくともモエギタケ科スギタケ属のキノコを冷凍させる冷凍工程を含んでおり、当該冷凍工程は、採取したモエギタケ科スギタケ属のキノコに塩分を添加することなく、且つ加熱加工を施すことなく実施されるキノコの加工方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナメコなどのモエギタケ科スギタケ属のキノコの加工方法、およびこれを用いた出し汁の製造方法、並びに調味材料に関し、特に旨味成分を向上させることのできるキノコの加工方法、およびこれを用いた出し汁の製造方法、並びに調味材料に関する。
【背景技術】
【0002】
キノコ類には、漢方薬として古くから珍重されてきたものもあれば、毎日の食卓にのるもの、毒性を持つキノコとたくさんの種類があり、その栄養成分によって食感、旨味、効能もさまざまである。キノコ全体に言える栄養的特徴は、ナトリウムが少なくカリウムが多いことで、このカリウムには血圧を下げる働きがあることがよく知られている。その上、コレステロールのたまる心配のないノーカロリー食品であり、アミラーゼなど各種消化酵素、代謝に欠かせないビタミンB1、B2も多く含まれている。
【0003】
また採取したキノコについての加工方法についても、従前においては、適宜味付けなどを行ったり、加熱処理や水洗い、或いは特殊な処理を行ってから、瓶、缶、真空パックに詰めつ加工方法又は保存方法が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1(特開平6−276928号公報)では、茸を密閉容器内の加熱された植物油等に投入し、密閉容器内を3段階に減圧することにより、茸内部に油を浸透させて茸内の水分を約6%に脱水した後、茸内に浸透した油を15〜18%まで脱油することを特徴とする、茸類の保存処理方法が提案されている。
【0005】
また、特許文献2(特開昭56−151453号公報)では、生又は熱処理された茸類を、ゼラチン等の被膜形成性水溶性高分子の水溶液に浸漬した後、冷凍させることを特徴とする、茸類の保存方法が提案されている。
【0006】
ここで、特許文献2でもキノコの保存方法として冷凍させることが提案されているが、このキノコを冷凍させることについては、以下のような技術が提案されている。
【0007】
即ち、特許文献3(特開平09−000152号公報)では、松茸の冷凍真空パックに関し、保存の困難な松茸を繊維、香りを損なうこと無く冷凍、保存することを目的として、松茸を保存袋にいれて、松茸内のエキスと水分を松茸の体内より松茸の体外へ出るまで吸出し、真空パックして冷凍し保存する技術が提案されている。
【0008】
また特許文献4(特開2006−034242号公報)では、冷凍キノコの製造方法に関し、旨味成分を多く含み、一段と美味しく食すことができるようにした冷凍キノコの製造方法を提供するべく、キノコ原料を水蒸気で加熱する工程と、加熱した後のキノコ原料をタンパク質分解酵素の至適温度下で所要時間保温する工程と、保温した後のキノコ原料を冷凍する工程と、を含む冷凍キノコの製造方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−276928号公報
【特許文献2】特開昭56−151453号公報
【特許文献3】特開平09−000152号公報
【特許文献4】特開2006−034242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の通り、キノコの加工方法乃至は保存方法として冷凍する技術は存在しているが、これらの技術では、冷凍する前に何らかの加工を要していた。このような前加工が必要とされていたのは、前記特許文献3にも示されている通り、瓶詰、缶詰等その他の加工品はあるが松茸を冷凍すると、松茸の体内のエキス等水分がこおり松茸の繊維を壊すうえ、解凍すると水分を含みべちゃべちゃになり松茸独特の歯触りと香りが無く形も崩れて焼くことは不可能であり、焼いたとしても食べられたものではないこと、及び特許文献4に示されているように、冷凍キノコは、長期保存が可能なことや、予め加熱処理されているために調理しやすいといった利点から主に業務用材料として販売されているものの、キノコは冷凍することによって褐変したり、破損する恐れがあり、冷凍後の褐変や破損を防止する技術が必要であると認識されていたからに他ならない。
【0011】
そこで本発明は、キノコの加工方法乃至は保存方法としての冷凍技術を改良し、如何なる方法で冷凍すれば美味しく食することができるかを見出し、新規なキノコの加工方法、およびこれを用いた出し汁の製造方法、並びに調味材料を提供することを第一の課題とする。
【0012】
また、キノコのうち、モエギタケ科スギタケ属のキノコで食用に供されているもの、例えばナメコにあっては、多くの場合、生のままで提供されているか、瓶詰めされているか、或いは真空パックに収容されて提供されているのが通例である。即ち、瓶詰め以外、長期の保存に適した方法で提供されていないのが実情である。これは前記した様な冷凍による食味の低下を理由とするものであるが、食品流通をより安定に行うためには、冷凍することによっても食味が低下することのない加工方法が必要である。
【0013】
そこで本発明では、特にモエギタケ科スギタケ属に属するナメコを、より安定して供給することができるようにしたキノコの加工方法、およびこれを用いた出し汁の製造方法、並びに調味材料を提供することを第二の課題とする。
【0014】
更に、キノコのうちモエギタケ科スギタケ属に属するナメコは、主に食感を重視して食されていることが多いが、旨味成分を向上させることができれば、様々な料理に使用する場合において、食感のみならず出汁をとることができ、これまでに無い食材乃至は調味料として使用することが可能になる。そこで本発明は、ナメコにおける旨味成分をより多くすることのできるキノコの加工方法、およびこれを用いた出し汁の製造方法、並びに調味材料を提供することを第三の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題の少なくともいずれかを解決するべく、本発明では採取したキノコ、特にモエギタケ科スギタケ属に属するキノコ(ナメコなど)を、何らの加工・処理も行わずに、そのまま冷凍することにより旨味が向上することを見出し、本発明を完成させたものである。
【0016】
即ち、本発明にかかるキノコの加工方法は、モエギタケ科スギタケ属のキノコにおける旨味を向上させるキノコの加工方法であって、少なくともモエギタケ科スギタケ属のキノコを冷凍させる冷凍工程を含んでおり、当該冷凍工程は、採取したモエギタケ科スギタケ属のキノコに塩分を添加することなく、且つ加熱加工を施すことなく実施されることを特徴とする。
【0017】
かかる本発明では、キノコをそのまま冷凍する工程を経ることにより、旨味成分を向上させるものである。ここで、キノコにおける旨味成分の1つとしてグアニル酸が挙げられる。このグアニル酸は、キノコの細胞中におけるリボ核酸が分解酵素であるリボヌクレアーゼの作用により分解されて生成するものである。しかし生のキノコにおいて、細胞内は遺伝子に支配されたホメオスタシス(恒常性)が保たれている状態では、分解酵素であるリボヌクレアーゼがリボ核酸に作用することは困難である。そこで本発明では、このキノコの細胞におけるホメオスタシスを冷凍によって破壊し、これによりリボ核酸に対するリボヌクレアーゼの作用を活発化させて、グアニル酸を大量に生成させ、旨味を向上させるものである。
【0018】
本発明において、加熱加工を施すことなく冷凍工程を実施しているのは、熱により、分解酵素であるリボヌクレアーゼの減少を避けるためであり、当該リボヌクレアーゼを最大限存在させることにより、解凍時におけるグアニル酸の生成量を高め、旨味を向上させるものである。また、塩分を添加しないで冷凍工程を実施しているのは、解凍後における利用可能な範囲を拡大するのみならず、塩分添加により凝固点が降下し、これによる凍結温度の低下やキノコに対する影響を考慮したものである。
【0019】
そして、このリボ核酸に対するリボヌクレアーゼの作用を効率的かつ段階的に行わせることができるように、本発明のキノコの加工方法(特に、モエギタケ科スギタケ属のキノコとしてナメコである場合の加工方法)では、前記冷凍工程を、採取したナメコを水洗いすることなく、そのまま、−10〜−30℃の環境下、特に−20〜−30℃の環境下で冷凍させることが望ましい。−30℃よりも低い温度で冷凍させることも不可能ではないが、分解酵素の活性を考慮し、旨味をより高めるためには、−30℃よりも高い温度で冷凍させることが望ましい。また、水洗いを行わないことにより、分解酵素であるリボヌクレアーゼの存在量を高めることができる。
【0020】
上記のように冷凍工程が実施されたキノコは、冷凍状態のまま出荷・販売されても良いが、特にナメコの旨味を改善する加工方法の観点からは、必ずしも冷凍状態を維持する必要は無い。そこで本発明において、旨味を向上させるキノコの加工方法をより特徴的にする上では、キノコを冷凍した後、早い時期、例えば冷凍後36時間以内、更に12時間以内、特に6時間以内に解凍することが望ましい。更に本発明における冷凍工程は、専らキノコの旨味を向上させる目的で実施されるのであるから、前記冷凍工程により冷凍したキノコについて、冷凍後直ちに解凍する解凍工程を実施することもできる。特に冷凍後36時間以内に解凍すれば、キノコ(特にナメコ)の旨味を向上させながらも、食感の低下を減じることが無く、より望ましいキノコの加工方法となる。
【0021】
また、本発明では前記課題の少なくとも何れかを解決するため、前記本発明にかかるキノコの加工方法により加工されたキノコを用いた出し汁の製造方法を提供する。この出し汁の製造方法では、少なくとも、前記したキノコの加工方法により加工されたキノコを加熱することによって製造されることを特徴とするものである。特に、前記したキノコの加工方法により加工されたキノコを加熱する際には、約70℃、即ち50℃〜80℃の温度の温浴中で戻すのが望ましい。この温度域で解凍することにより、分解酵素であるリボヌクレアーゼが活性化され、より多くのグアニル酸を生成することができるためである。
【0022】
そして本発明では、上記課題の少なくとも何れかの課題を解決するために、ナメコを用いて製造した調味材料を提供する。かかる調味材料は、採取したナメコに塩分を添加することなく、且つ加熱加工を施すことなく、採取したナメコ水洗いすることなく、そのまま、−10〜−30℃のの環境下で冷凍させて製造することができる。
【0023】
かかる調味材料は、冷凍された状態、または解凍された状態で提供されることになり、解凍工程を減ることにより、ナメコの細胞におけるホメオスタシスが崩れており、これを50℃〜80℃の温度の温浴中に浸すことにより、分解酵素であるリボヌクレアーゼが活性化され、より多くのグアニル酸を生成することができる。これにより、従来では提供されていなかったナメコ由来の出汁を生じさせる調味料を提供することができる。
【0024】
そして本発明では、前記課題の少なくとも何れかの課題を解決するために、前記した調味材料を用いて製造された出し汁を提供する。かかる出し汁は、少なくとも、前記した調味材料を加熱することによって製造することができる。この加熱する温度は、リボヌクレアーゼの活性化を考慮して、50℃〜80℃の範囲であることが望ましい。
【発明の効果】
【0025】
上記本発明より、キノコの細胞におけるホメオスタシスを冷凍工程により崩壊させ、細胞膜を壊すことにより、そのリボ核酸に対してリボヌクレアーゼを効果的に作用させる事ができる。よって、加熱処理を施した後に冷凍した場合とは異なり、旨味成分であるグアニル酸が大量生成され、より旨味の増した加工キノコを製造することができる。
【0026】
而して、本発明により、キノコの加工方法乃至は保存方法としての冷凍技術が改良され、美味しく食することができる冷凍方法を見出し、新規なキノコの加工方法、およびこれを用いた出し汁の製造方法、並びに調味材料を提供することができる。
【0027】
また本発明により、モエギタケ科スギタケ属に属するナメコの冷凍技術が向上されたことにより、ナメコを、より安定して供給することができるキノコの加工方法、およびこれを用いた出し汁の製造方法、並びに調味材料を提供することができる。
【0028】
更に、従前において、ナメコは主に食感を重視して食されており、旨味成分については着目されていなかった所、本発明により、旨味成分が大幅に向上させることが可能になっている。これにより、ナメコであっても、出汁を取るための食品としてナメコを使用することができ、ナメコを様々な料理に使用する際に出汁をとる材料として使用することができる。その結果、ナメコをこれまでに無い食材乃至は調味料として使用することが可能になる。即ち、本発明により、ナメコにおける旨味成分をより多くすることのできるキノコの加工方法、およびこれを用いた出し汁の製造方法、並びに調味材料を提供することができ、従来からは予想し得ないナメコ由来の出汁材料乃至は食品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施の形態にかかるナメコの加工方法と、この加工方法で製造された冷凍ナメコを使用した出し汁の製造方法を示す行程図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本実施の形態にかかるキノコの加工方法、およびこれを用いた出し汁の製造方法、並びに調味材料を具体的に説明する。特に本実施の形態では、ナメコ10を使用した場合の実施の形態となっている。
【0031】
図1は、本実施の形態にかかるナメコ10の加工方法と、この加工方法で製造された冷凍ナメコ12を使用した出し汁の製造方法を示している。先ず、この図1を参照しながらナメコ10の加工方法を説明すると、当該ナメコ10は、採取したナメコ10をそのまま使用するものであり、水洗いや、塩分の添加、或いは加熱処理などは一切行わないものとする。これは加熱処理を実施することにより、旨味成分(グアニル酸)を製造する上で必要な分解酵素であるリボヌクレアーゼが死滅により減じられてしまうためである。そして塩分を添加しないことにより、当該冷凍加工したナメコ12を様々な用途に使用することが可能になっている。但し、水洗いを実施することにより、ごみ等を除去することが可能であり、水洗いによるリボヌクレアーゼの減少は僅かであることから、必要に応じて、適宜水洗いを実施することもできる。
【0032】
特に、本実施の形態において、冷凍加工が実施されるナメコ10は、菌床栽培又は原木栽培したものを採取し(A)、この中から形状や大きさなど、規格にあっていないものを使用することが望ましい。商品価値の高い規格内のナメコ10はそのまま出荷し、規格外となったナメコ10を使用して加工することにより、旨味成分が向上して商品価値の高い加工ナメコ10を製造することができるためである。
【0033】
そして採取したままのナメコ10は、袋その他の容器20に充填し(B)、これをそのまま冷凍させる(C)。この冷凍は、本実施の形態では約−25℃の環境下で冷凍を行っている。この冷凍により、ナメコ10については冷凍殺菌をすることができ、食品衛生上の安全性を保つことができる。また、冷凍する時の温度を約−25℃に設定していることから、ナメコ10の細胞におけるホメオスタシスの崩壊をゆっくり確実に行うことができ、これによりリボヌクレアーゼによるリボ核酸のグアニル酸への変換効率を高めることができる。
【0034】
特に本発明におけるキノコの加工方法は、キノコの冷凍保存方法ではないことから、必ずしも冷凍状態を維持する必要は無い。この冷凍加工はナメコ10の細胞におけるホメオスタシスの崩壊を目的として実施されるものであることから、旨味を向上させる加工方法の観点においては、冷凍後は直ちに解凍しても何ら支障はないのである。むしろ食味を向上させる上では、この冷凍状態の時間は短い方が望ましく、この点で保存方法としての冷凍保存とは一線を画すものとなっている。但し、輸送時や保存時における変質などを考慮すれば、当該ナメコ12は冷凍した状態であっても良い。
【0035】
本実施の形態において、冷凍加工したナメコ12は、その後、迅速に解凍した上で出荷するか、或いは冷凍されたままの状態において出荷する(D)。そして、冷凍加工を経て旨味が改善されたナメコ12は、その後、調理材料として使用する他、フリーズドライ加工などにより、各種の加工食品の原材料として使用することができる。
【0036】
上記の様に加工された加工ナメコ12は、それ自体に旨味が向上していることから、調味材料として使用することができる。そして、このナメコ由来の調味材料を使用し、これを約70程度の温度領域で解凍することにより(E)、より多くのグアニル酸を生成させることができ、その結果これまでに無い、ナメコ10を使用した出し汁と、その製造方法が実現している。
【0037】
なお、加工されら冷凍ナメコ12又は解凍された冷凍ナメコ12を調味材料などとして使用する際には、必要に応じて水洗いなどにより洗浄することもできる。冷凍ナメコ12又は解凍された冷凍ナメコ12においては、既に細胞内におけるリボ核酸が、リボヌクレアーゼの作用によりグアニル酸に変換されていることから、水洗いで洗浄したとしても内部の細胞におけるグアニル酸は保持され、旨味を大幅に向上させることができる。
【実施例1】
【0038】
以下では、ナメコについての冷凍加工による効果を確認するべく、官能試験を実施した。この官能試験では、採取した生のナメコと、採取したものをそのまま冷凍し、これを解凍したものの2つのサンプルを用意し、これらを3人のパネラーが試食し、その味や見た目、或いは香りについて評価した。
【0039】
具体的には、各サンプルについて「色の濃さ」「色の好ましさ」「香りの強さ」「香りの好ましさ」「旨味の強さ」「旨味の好ましさ」「苦味の強さ」「味の好ましさ」「硬さ」「歯ごたえの好ましさ」の観点で評価した。
【0040】
そしてこの評価は、良い方について+1〜+5までの5段階で評価し、数値が大きくなるに従って、より良い評価とした。また悪い方については、―1〜―5までの5段階で評価し、数値が大きくなるに従って、より悪い評価とした。なお、あまり変わらない場合には、0の値とした。
以下、各パネラーにおける評価結果を表1に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
この実験の結果から、冷凍加工を経るこのにより、色合い、香り、旨味、および味の全てにおいて改善が図られ、歯ごたえについてまでも改善されていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明により、モエギタケ科スギタケ属のキノコ、特にナメコに関する新たな加工方法が提供され、これまでに実施されていない利用方法、即ち出し調味材料として利用することができる。
【0044】
更に、本発明における加工方法は、特段の大掛かりの設備を要せずに実施できることから、例えば規格外のキノコについて、商品価値を向上させることができ、よってキノコの生産分野および加工分野においても、活性化を図ることができる。
【符号の説明】
【0045】
10 ナメコ
12 冷凍ナメコ
20 容器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モエギタケ科スギタケ属のキノコにおける旨味を向上させるキノコの加工方法であって、
少なくともモエギタケ科スギタケ属のキノコを冷凍させる冷凍工程を含んでおり、
当該冷凍工程は、採取したモエギタケ科スギタケ属のキノコに塩分を添加することなく、且つ加熱加工を施すことなく実施されることを特徴とする、キノコの加工方法。
【請求項2】
前記モエギタケ科スギタケ属のキノコはナメコであり、
前記冷凍工程は、採取したナメコを水洗いすることなくそのまま、−10〜−30℃のの環境下で冷凍させる、請求項1に記載のキノコの加工方法。
【請求項3】
前記冷凍工程により冷凍したキノコについて、冷凍後直ちに解凍する解凍工程を実施する請求項1又は2に記載のキノコの加工方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載したキノコの加工方法により加工されたキノコを用いた出し汁の製造方法であって、
少なくとも、請求項1〜3の何れか一項に記載したキノコの加工方法により加工されたキノコを加熱することによって製造されることを特徴とする、出し汁の製造方法。
【請求項5】
ナメコを用いて製造された調味材料であって、
採取したナメコをに塩分を添加することなく、且つ加熱加工を施すことなく、−10〜−30℃のの環境下で冷凍させて製造されていることを特徴とする、調味材料。
【請求項6】
請求項5に記載した調味材料を用いて製造された出し汁であって、
少なくとも、請求項5に記載した調味材料を加熱することによって製造される出し汁。



【図1】
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【公開番号】特開2012−100620(P2012−100620A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253814(P2010−253814)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(510193212)菅原冷蔵株式会社 (1)
【Fターム(参考)】