説明

キメラのHCNチャネル

本発明は、2種以上の型のHCNチャネルの部分を含む、キメラの過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(HCN)ポリペプチドを提供する。また、本発明は、心臓の律動障害に罹患した対象を治療する方法も提供し、この方法は、キメラのHCNポリペプチドを心臓の選択した領域で発現させるステップを含み、その結果、心臓においてペースメーカー電流を誘発し、それによって、対象を治療する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種以上のHCNチャネルのアイソフォームに由来する部分を含む、キメラの過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(HCN)ポリペプチド。
【請求項2】
前記部分が、アミノ末端部分、膜内部分およびカルボキシ末端部分である、請求項1に記載のHCNポリペプチド。
【請求項3】
前記部分が、ヒトHCNのアイソフォームに由来する、請求項2に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項4】
HCNのキメラの少なくとも1つの部分が、その他の2つの部分のうちの少なくとも1つが由来する動物種とは異なる動物種に由来し、請求項2に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項5】
膜内部分が、HCN1チャネルに由来する、請求項2に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項6】
膜内部分が、配列番号・に記載する配列を有するhHCN1のD140-L400である、請求項5に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項7】
膜内部分が、配列番号・に記載する配列を有するmHCN1のD129-L389である、請求項5に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項8】
アミノ末端部分が、HCN2、HCN3またはHCN4に由来し、カルボキシ末端部分が、HCN2、HCN3またはHCN4に由来する、請求項2に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項9】
アミノ末端部分がHCN2に由来し、カルボキシ末端部分がHCN2に由来する、請求項2に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項10】
野生型HCNチャネルと比較して、より迅速な動態、より正の活性化、増加した発現、向上した安定性、増強されたcAMP応答性、および増強された神経体液性応答からなる群から選択された改善された特徴を提供する、請求項1に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項11】
mHCN112、mHCN212、mHCN312、mHCN412、mHCN114、mHCN214、mHCN314、mHCN414、hHCN112、hHCN212、hHCN312、hHCN412、hHCN114、hHCN214、hHCN314またはhHCN414を含む、請求項1に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項12】
配列番号・に記載する配列を有するhHCN212である、請求項11に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項13】
配列番号・に記載する配列を有するmHCN212である、請求項11に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項14】
ポリペプチドの少なくとも1つの部分が、野生型HCNチャネルに由来する部分と比較して、より迅速な動態、より正の活性化、増加した発現、向上した安定性、増強されたcAMP応答性、および増強された神経体液性応答からなる群から選択された改善された特徴を提供する変異を含有するHCNチャネルに由来する、請求項1に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項15】
変異HCNチャネルが、S4電位センサー、S4-S5リンカー、S5、S6およびS5-S6リンカー、Cリンカー、ならびにCNBDからなる群から選択されたチャネルの領域に変異を含有する、請求項14に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項16】
変異部分が、配列番号・に記載の配列を有するmHCN2に由来し、かつE324A-mHCN2、Y331A-mHCN2、R339A-mHCN2またはY331A,E324A-mHCN2を含む、請求項14に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項17】
変異部分が、E324A-mHCN2を含む、請求項16に記載のキメラのHCNポリペプチド。
【請求項18】
請求項12に記載のキメラのHCNポリペプチドをコードする核酸。
【請求項19】
請求項18に記載の核酸と薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物。
【請求項20】
請求項18に記載の核酸を含むベクター。
【請求項21】
プラスミドベクター、コスミドベクターまたはウイルスベクターである、請求項20に記載のベクター。
【請求項22】
請求項18に記載のベクターと、薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物。
【請求項23】
キメラのHCNポリペプチドを発現する、請求項18に記載の核酸を含む細胞。
【請求項24】
キメラのHCNポリペプチドを、細胞内でペースメーカー電流を誘発するのに有効なレベルで発現する、請求項23に記載の細胞。
【請求項25】
少なくとも1種の心臓のコネキシンを発現するように操作された線維芽細胞もしくは骨格筋細胞、幹細胞、心筋細胞または内皮細胞である、請求項23に記載の細胞。
【請求項26】
成体間葉系幹細胞または胚性幹細胞である、請求項25に記載の細胞。
【請求項27】
ヒト成体間葉系幹細胞である、請求項26に記載の細胞。
【請求項28】
少なくとも1種の心臓のコネキシンをさらに発現する、請求項23に記載の細胞。
【請求項29】
少なくとも1種の心臓のコネキシンが、Cx43、Cx40またはCx45である、請求項28に記載の細胞。
【請求項30】
請求項27に記載の細胞と薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物。
【請求項31】
請求項27に記載の細胞を対象の心臓のある領域に投与するステップを含む、心臓の律動障害に罹患した対象を治療する方法であって、キメラのHCNポリペプチドの心臓の前記領域における発現が、心臓のペースメーカー電流を誘発する効果を示し、それによって、対象を治療する方法。
【請求項32】
心臓に予め存在するペースメーカー活動の源を切除する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記細胞が、心臓と機能性の合胞体を形成する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記細胞を、心臓の領域に、注入、カテーテル法、外科的挿入または外科的付着によって投与する、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記細胞を、直接心臓組織上または心臓組織中に、注入またはカテーテル法によって局所投与する、請求項4に記載の方法。
【請求項36】
前記細胞を、冠血管またはその他の心臓に近位の血管のうちの少なくとも1つに、注入またはカテーテル法によって投与する、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記細胞を、心臓の心房または心室のある領域に投与する、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記障害が、洞房結節の機能障害、洞性徐脈、辺縁性ペースメーカー機能、洞不全症候群、頻脈性不整脈、洞房結節リエントリー頻脈、異所性病巣からの心房性頻脈、心房粗動、心房細動、徐脈性不整脈または心不全であり、対象の心臓の右または左の心房筋、洞房結節あるいは房室接合部に、前記細胞を投与する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記障害が、伝導ブロック、完全房室ブロック、不完全房室ブロックまたは脚ブロックであり、前記細胞を、対象の心臓のある領域に投与して、心臓の損傷した伝導を補う、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記細胞を、心室の中隔壁または自由壁、房室接合部、あるいは心室の脚に投与する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
請求項27に記載の細胞を対象の心臓のある領域に投与するステップを含む、心臓の律動障害の発生を、そのような障害を起こしやすい対象において抑制する方法であって、心臓におけるキメラのHCNポリペプチドの発現が、心臓のペースメーカー電流を誘発する効果を示し、それによって、対象における前記障害の発生を抑制する方法。
【請求項42】
キメラのHCNポリペプチドを心臓において機能的に発現させるように、請求項18に記載の核酸を用いて対象の心臓の細胞を形質移入するステップを含む、心臓の律動障害に罹患した対象を治療する方法であって、前記ポリペプチドの発現が、心臓のペースメーカー電流を誘発する効果を示し、それによって、対象を治療する方法。
【請求項43】
心臓に予め存在するペースメーカー活動の源を切除する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記心臓の細胞が、心臓の心房または心室に存在する、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記障害が、洞房結節の機能障害、洞性徐脈、辺縁性ペースメーカー機能、洞不全症候群、頻脈性不整脈、洞房結節リエントリー頻脈、異所性病巣からの心房性頻脈、心房粗動、心房細動、徐脈性不整脈または心不全であり、対象の心臓の右または左の心房筋、洞房結節あるいは房室接合部の細胞を形質移入する、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記障害が、伝導ブロック、完全房室ブロック、不完全房室ブロックまたは脚ブロックであり、対象の心臓のある領域において細胞を形質移入して、心臓の損傷した伝導を補う、請求項47に記載の方法。
【請求項47】
心室の中隔壁または自由壁、房室接合部、あるいは心室の脚の細胞に形質移入する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
キメラのHCNポリペプチドを心臓において機能的に発現させるように、請求項18に記載の核酸を用いて対象の心臓の細胞を形質移入するステップを含む、心臓の律動障害の発生を、そのような障害を起こしやすい対象において抑制する方法であって、前記ポリペプチドの発現が、心臓のペースメーカー電流を誘発する効果を示し、それによって、対象における前記障害の発生を抑制する方法。
【請求項49】
請求項2に記載のキメラのHCNポリペプチドを産生する方法であって、(a)HCNポリペプチドのアミノ末端部分をコードする核酸をHCNポリペプチドの膜貫通部分をコードする核酸に連結し、前記の膜貫通部分をコードする核酸をHCNポリペプチドのカルボキシ末端部分をコードする核酸に連結することによって、組換え核酸を作製するステップであって、HCNポリペプチドのコード化部分が、2種以上のHCNアイソフォームまたはその変異体に由来するステップと、(b)前記キメラのHCNポリペプチドを産生するように、前記組換え核酸を細胞内で機能的に発現させるステップとを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29A】
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【図29B】
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【図29C】
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【図29D】
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【図29E】
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【図29F】
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【図29G】
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【図29H】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図30D】
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【図30E】
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【図30F】
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【図31B】
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【図33】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図34D】
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【図34E】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図35D】
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【図35E】
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【図36C】
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【図36D】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図31A】
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【図32】
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【図36A】
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【図36B】
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【図47】
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【公表番号】特表2009−507494(P2009−507494A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530036(P2008−530036)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/035729
【国際公開番号】WO2007/030834
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(306018457)ザ・トラスティーズ・オブ・コロンビア・ユニバーシティ・イン・ザ・シティ・オブ・ニューヨーク (25)
【出願人】(508072888)ザ・リサーチ・ファウンデーション・オブ・ザ・ステイト・ユニヴァーシティ・オブ・ニューヨーク (1)
【Fターム(参考)】