説明

キャッピング装置及び記録液体吐出装置

【課題】キャップ部材を被覆面に所定圧力で安定して当接させる。
【解決手段】伝達機構50が、キャップ部材72を保持するホルダ71と固定板77との間に配置されている。伝達機構50は、先端のカム曲面53aがホルダ71の当接面71bに摺動自在に当接していると共に互いに対向しつつ吐出面2aと平行な軸を中心に回動自在な一対の回動部材52を有している。一対の回動部材52はコイルバネ54によって互いに近づく方向に付勢されている。伝達機構50は、吐出面2aがキャップ部材72を押圧したとき、反作用として発生する固定板77の底面に付与された押圧力をホルダ71に伝達すると共に、伝達する押圧力がほぼ一定に維持されるように、カム曲面53aが当接面71bに対して摺動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録液滴を吐出する記録液体吐出ヘッドの吐出面などの被覆面を被覆するキャッピング装置及びこれを備えた記録液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルが開口する吐出面をキャップ部材でキャッピングすることによって、ノズル内のインクが乾燥により増粘するのを防止するインクジェットプリンタが知られている。キャップ部材が吐出面を確実にキャッピングするためには、キャップ部材を吐出面に密着させる必要がある。このため、キャップ部材を保持するキャップホルダをバネで支持することによって、キャップ部材を吐出面に向かって付勢する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−224880号公報(図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バネなどの弾性体は、その長さ(バネ長)によって付勢力が変動する。このため、上述した技術によると、キャップホルダの位置が吐出面に対してばらつき(誤差等)、キャップ部材が吐出面に対して強く押し込まれたとき、キャップ部材と吐出面との当接圧力が過剰となることによって、キャップ部材や吐出面が異常な状態に変形し、キャップ部材が吐出面を正確に被覆することができなくなることがある。また、当接圧力が不足の場合は、キャップ部材と吐出面間の密閉性を確保できず、ノズル内のインク乾燥防止を十分に図れなくなることがある。
【0005】
本発明の目的は、キャップ部材を被覆面に所定圧力で安定して当接させることができるキャッピング装置及び記録液体吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のキャッピング装置は、被覆面に当接することによって当該被覆面を被覆するキャップ部材と、前記キャップ部材を前記被覆面に当接させるための押圧力を前記キャップ部材に伝達する伝達機構と、前記伝達機構を支持する支持部材とを備えており、前記支持部材に前記押圧力が付与される押圧力付与部が設けられ、前記伝達機構は、前記キャップ部材が前記被覆面に当接していると共に当接方向に関する前記キャップ部材と前記支持部材との距離が所定範囲内にあるとき、前記キャップ部材に伝達される前記押圧力が所定範囲内に収まるように前記押圧力の増減を抑制する。
【0007】
本発明の記録液体吐出装置は、記録液体吐出ヘッドと、前記記録液体吐出ヘッドに形成された記録液滴を吐出する吐出口が開口する吐出面を前記被覆面とする上述のキャッピング装置と、前記記録液体吐出ヘッド及び前記支持部材の少なくともいずれかを前記当接方向に関して相対移動させる移動機構とを備えている。
【0008】
本発明によると、伝達機構がキャップ部材に対する押圧力の増減を抑制するため、キャップ部材を被覆面に所定範囲内の圧力で安定して当接させることができる。これにより、キャップ部材と被覆面との当接圧力が過剰になるのが抑制され、キャップ部材及び被覆面が異常な状態に変形するのを防止することができる。また、キャップ部材と被覆面との当接圧力が不足することが抑制され、キャップ部材及び被覆面の間で安定したキャップが可能となる。
【0009】
本発明においては、前記伝達機構は、前記キャップ部材及び前記支持部材のいずれか一方に対して前記被覆面と平行な軸線を中心に回動自在に軸支されていると共に、前記キャップ部材及び前記支持部材の他方に当接しつつ前記軸線を中心に回動することによって、前記キャップ部材と前記支持部材との距離を変位させる回動部材と、前記回動部材を、前記キャップ部材と前記支持部材との距離を広げる方向に付勢する弾性部材とを有しており、前記弾性部材の前記回動部材に対する付勢力が大きくなるのに連れて、前記回動部材における前記弾性部材から付勢力が付与される箇所を力点とし前記軸線と前記回動部材の交点を支点としたときの、前記支点と前記力点とを結ぶ直線の前記被覆面に対する傾斜が小さくなるように、前記回動部材が回動することが好ましい。これによると、弾性部材の回動部材に対する付勢力が大きくなるのに伴って、回動部材を伝わるキャップ部材方向の力が小さくなるように回動部材が回動することで押圧力を一定にすることができ、回動部材と弾性部材を組み合わせるという簡単な構成で伝達機構を形成することができる。
【0010】
このとき、前記伝達機構は、互いに対向するように配置されていると共に前記弾性部材によって連結された一対の前記回動部材を有しており、前記弾性部材は、一対の前記回動部材の前記力点同士が互いに近づく方向に各回動部材を付勢していることがより好ましい。これによると、さらに簡単な構成でキャップ部材に伝達される押圧力の変動を抑制することができる。また、一対の回動部材により押圧力の等しい作用点となるため、伝達機構がキャップ部材にさらに安定した押圧力を付与することができる。
【0011】
本発明においては、前記キャップ部材が前記被覆面に当接している際、前記支点と前記回動部材が前記キャップ部材又は前記支持部材に当接している部位である当接部上の点とを結ぶ直線と、前記当接部上の点を含み前記被覆面に平行な平面内で前記支点に最も近い点と前記当接部上の点とを結ぶ直線とのなす角が、45度以下であることが好ましい。これによると、キャップ部材と支持部材との距離が短くなるときに、回動部材を伝わるキャップ部材方向の力が小さくなる方向に回動部材を確実に回動させることができる。これにより、伝達機構を、幾何学的な力のバランスが取れた範囲で動作させることができる。
【0012】
また、本発明においては、前記回動部材がカム形状を有していることがより好ましい。これによると、カム形状を形成するという安価な構成であり、かつ、カムに形成された所定曲面とキャップ部材又は支持部材が当接することになり、回動部材が回転した場合に、当接を維持しつつスムーズに回動部材が回転することで押圧力の変動を低減することができる。
【0013】
さらに、本発明においては、前記被覆面及び前記キャップ部材が一方向に長尺な形状を有しており、複数の前記伝達機構が、前記一方向に配列されていることが好ましい。これによると、一方向に関して独立した作用点を増やし、伝達機構からの押圧力を効率よくキャップ部材全体に伝達することができる。
【0014】
このとき、前記キャップ部材が弾性変形可能であることがより好ましい。これによると、キャップ部材に係る被覆面の形状に対する追従性を向上させることができる。つまり、長尺な吐出面の平面度が悪い(そり等)場合であっても、キャップ部材が変形して吐出面に密着する。また、吐出面への押圧力がほぼ一定となるので安定したキャッピングが可能となる。
【0015】
さらに、このとき、前記キャップ部材に係る前記伝達機構が当接する面に補強部材が固定されていることがより一層好ましい。これによると、キャップ部材が過剰に変形するのを防止することができる。
【0016】
本発明においては、前記キャップ部材が、前記被覆面に当接する枠状突起と前記枠状突起を支持する底板部とを有しており、前記回動部材の前記当接部に当接する点が、前記底板部に係る前記枠状突起と対向する位置にあることが好ましい。これによると、伝達機構からの押圧力が効率よく枠状突起に作用するため、枠状突起を被覆面に確実に当接させることができる。
【0017】
また、本発明においては、前記キャップ部材が、前記被覆面に当接する枠状突起と前記枠状突起を支持する底板部とを有しており、前記枠状突起は、前記当接方向に関して弾性変形可能になっていることが好ましい。これによると、枠状突起を被覆面に確実に密着させることができる。
【0018】
さらに、本発明においては、前記支持部材が樹脂で形成されていることが好ましい。これによると、キャッピング装置の軽量化を図ることができる。
【0019】
加えて、本発明においては、前記被覆面が、記録液体吐出ヘッドに形成された記録液滴を吐出する吐出口が開口する吐出面であってもよい。これによると、吐出口内の記録液体が乾燥するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、伝達機構がキャップ部材に対する押圧力の増減を抑制するため、キャップ部材を被覆面に所定範囲内の圧力で安定して当接させることができる。これにより、キャップ部材と被覆面との当接圧力が過剰になるのが抑制され、キャップ部材及び被覆面が異常な状態に変形するのを防止することができる。また、キャップ部材と被覆面との当接圧力が不足することが抑制され、キャップ部材及び被覆面の間で安定したキャップが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係るインクジェットプリンタの内部構成を概略的に示す模式図である。
【図2】図1に示すキャッピング装置の概略平面図である。
【図3】図2に示すキャッピングユニットの側断面図である。
【図4】(a)図3に示す伝達機構の外観斜視図である。(b)図3に示す伝達機構の側面図である。
【図5】図3に示す伝達機構の動作図である。
【図6】図1に示すキャッピング装置に係るキャップ動作において、伝達機構がホルダに伝達する押圧力の変化を示すグラフである。
【図7】図2に示すキャッピングユニットの動作図である。
【図8】変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
インクジェットプリンタ1は、図1に示すように、直方体形状の筐体1aを有している。筐体1aの上部には、排紙部31が設けられている。筐体1a内は、上から順に3つの空間A、B、Cに区分されている。空間Aには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド2、搬送ユニット20、及び、キャッピング装置60(図2参照)が配置されている。空間B、Cはそれぞれ、筐体1aに対して着脱可能な給紙トレイ23を含む給紙ユニット1b及びインクタンクユニット1cが配置される空間である。なお、本実施形態において、副走査方向とは搬送ユニット20で用紙Pを搬送するときの搬送方向と平行な方向であり、主走査方向とは副走査方向に直交する方向であって水平面に沿った方向である。
【0024】
インクジェットプリンタ1の内部には、給紙ユニット1bから排紙部31に向けて、用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている(図1中太矢印)。給紙ユニット1bは、複数枚の用紙Pを収納することが可能な給紙トレイ23と、給紙トレイ23に取り付けられた給紙ローラ25とを有している。給紙ローラ25は、給紙トレイ23に積層して収納された複数の用紙Pのうち、最も上方にある用紙Pを送り出す。給紙ローラ25によって送り出された用紙Pは、ガイド27a、27bによりガイドされ且つ送りローラ対26によって挟持されつつ搬送ユニット20へと送られる。
【0025】
搬送ユニット20は、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト8と、テンションローラ10とを有している。テンションローラ10は、搬送ベルト8の下側ループにおいて、その内周面に接触しつつ下方に付勢されることで搬送ベルト8にテンションを付加している。ベルトローラ7は、駆動ローラであって、搬送モータMから2つのギアを介して駆動力が与えられることで、図1中時計回りに回転する。ベルトローラ6は、従動ローラであって、ベルトローラ7の回転により搬送ベルト8が走行するのに伴って、図1中時計回りに回転する。
【0026】
搬送ベルト8の外周面8aにはシリコーン処理が施されており、粘着性を有している。用紙搬送経路上において搬送ベルト8を挟んでベルトローラ6と対向する位置には、ニップローラ5が配置されている。ニップローラ5は、給紙ユニット1bから送り出された用紙Pを搬送ベルト8の外周面8aに押さえ付ける。外周面8aに押さえ付けられた用紙Pは、その粘着力によって外周面8a上に保持されつつ、図1右方へと搬送される。
【0027】
また、用紙搬送経路上において搬送ベルト8を挟んでベルトローラ7と対向する位置には、剥離プレート13が設けられている。剥離プレート13は、搬送ベルト8の外周面8aに保持されている用紙Pを外周面8aから剥離する。剥離プレート13によって剥離された用紙Pは、ガイド29a、29bによりガイドされ且つ二組の送りローラ対28によって挟持されつつ搬送され、筐体1a上部に形成された開口30から排紙部31へと排出される。
【0028】
4つのインクジェットヘッド2は、それぞれ主走査方向に沿って延在し、用紙搬送方向に沿って互いに隣接配置された状態で、枠状のフレーム4に固定されている。各インクジェットヘッド2の下面は、インク滴が吐出されるノズルが開口する吐出面2aとなっている。すなわち、インクジェットプリンタ1は、主走査方向に延びた吐出領域が形成されたライン式のカラーインクジェットプリンタである。
【0029】
図1に示すように、搬送ベルト8のループ内には、4つのインクジェットヘッド2と対向するように、プラテン9が配置されている。プラテン9の上面は、搬送ベルト8の上側ループの内周面と接触しており、搬送ベルト8の内周側からこれを支持している。これにより、搬送ベルト8の上側ループの外周面8aとインクジェットヘッド2の下面、即ち吐出面2aとが対向しつつ平行になり、且つ、吐出面2aと搬送ベルト8の外周面8aとの間に僅かな隙間が形成されている。当該隙間は、用紙搬送経路の一部を構成している。搬送ベルト8の外周面8a上に保持されつつ搬送されてきた用紙Pが4つのインクジェットヘッド2のすぐ下方を通過する際に、各インクジェットヘッド2から用紙Pの上面に向けて各色のインクが順に吐出され、用紙P上に所望のカラー画像が形成される。
【0030】
また、フレーム4は、図示しないフレーム移動機構により、上下に移動可能となっている。通常、フレーム4は、4つのインクジェットヘッド2が用紙に対してインクを吐出し印刷する「印刷位置」に配置されている。後述するキャッピング動作において、インクジェットヘッド2の吐出面2aをキャッピングするとき、4つのインクジェットヘッド2が「印刷位置」よりも上方に配置される。
【0031】
各インクジェットヘッド2は、空間Cに装着されたインクタンクユニット1c内のインクタンク49と接続されている。すなわち、4つのインクタンク49には、それぞれ対応するインクジェットヘッド2が吐出するインクが貯留されている。そして、各インクタンク49からチューブ(図示せず)等を介してインクジェットヘッド2にインクが供給される。
【0032】
次に、インクジェットヘッド2の吐出面2aをキャッピングするキャッピング装置60について詳細に説明する。キャッピング装置60は、通常印刷時には、4つのインクジェットヘッド2の図1中紙面奥側に係る4つのインクジェットヘッド2と対向しない退避位置に配置され、キャッピング時には、4つのインクジェットヘッド2と対向するキャッピング位置に配置される。図2に示すように、キャッピング装置60は、トレイ61と、トレイ61に固定された4つのキャッピングユニット62とを有している。トレイ61は図示しないトレイ移動機構によって主走査方向に移動可能となっている。4つのキャッピングユニット62は、キャッピング装置60がキャッピング位置にあるときに、4つのインクジェットヘッド2とそれぞれ対向するように副走査方向に配列されている。
【0033】
図2及び図3に示すように、キャッピングユニット62は、キャップ部材72と、ホルダ71と、4つの伝達機構50と、固定板(支持部材)77とを有している。キャップ部材72は、インクジェットヘッド2の吐出面2aをキャッピング(被覆)する部材であり、ゴムや樹脂などの弾性変形可能な材料で形成されている。また、キャップ部材72は、主走査方向に延在した略矩形状を有する底板部72aと、底板部72a上に形成された枠状突起72bとを含んでいる(共に図7参照)。枠状突起72bは、吐出面2aの吐出領域をその内側に包囲しうる平面形状を有している。底板部72aと枠状突起72bとが凹部73を形成している。凹部73の底部にキャップチップ74が配置されている。キャップチップ74には、副走査方向に延在しつつ副走査方向に延びた多数の溝が形成されている。凹部73に排出されたインクは、キャップチップ74の溝によって導かれ、キャップチップ74の図示しない排出口及びキャップ部材72の排出流路を介して外部に排出される。
【0034】
ホルダ71は、キャップ部材72を下方から保持する樹脂製の補強部材である。ホルダ71上面の主走査方向に関する両端近傍に、位置決め孔75a、75bが形成されている。位置決め孔75a、75bには、後述のキャップ動作において、インクジェットヘッド2に係る吐出面2aの主走査方向に関する両側に形成された一対の位置決めピン2bがそれぞれ挿入される(図7参照)。これにより、キャップ部材72が、吐出面2aに対して正確に位置決めされる。また、ホルダ71の主走査方向の両端部にわたり、所定間隔毎に下方に向かって5つの突出片が突出していると共に、各突出片の端部にフック71aが形成されている。
【0035】
固定板77は、トレイ61に固定されていると共にホルダ71と対向している樹脂製の板部材である。固定板77の底面が、後述するキャップ動作において、吐出面2aがキャップ部材72に付与する押圧力の反作用としてトレイ61からの押圧力が付与される押圧力付与部となっている。固定板77の主走査方向の両端部にわたり、所定間隔毎にホルダ71のフック71aに対向していると共に上方に向かって突出している5つのガイド部77aが形成されている。ガイド部77aには上下方向に延在する矩形状の穴が形成されており、この穴とフック71aとが係合している。フック71aは、ガイド部77aの穴内を上下方向に摺動自在となっている。これにより、ホルダ71が固定板77に対して上下方向に移動可能となっている。このとき、フック71aがガイド部77aの穴の上端に当接することによって、ホルダ71と固定板77がさらに近接することが規制される。
【0036】
4つの伝達機構50は、固定板77とホルダ71とに挟持されつつ、主走査方向に配列されている。図4(a)及び図4(b)に示すように、各伝達機構50は、フレーム51と、一対の回動部材52と、弾性部材である2つのコイルバネ54とを有している。フレーム51は、固定板77に固定されている底板51aと、底板51aの主走査方向に延在する各縁部から上方に突出する一対の側板51bとを有している。一対の側板51bの主走査方向に関する各端近傍には、副走査方向(キャッピング時において吐出面2aと平行)に延在するシャフト51cが固定されている。
【0037】
一対の回動部材52は、主走査方向に関してフレーム51を挟んで対向するように配置されている。回動部材52は、コの字形状断面を有しており、互いに対向する側壁の一方端部近傍をシャフト51cが貫通している。各回動部材52は、シャフト51cを中心に回動自在となっている。回動部材52の各側壁の他方端部に、当接部材53が固定されている。当接部材53の先端には、ホルダ71の底面に形成された当接面71bに摺動自在に当接するカム曲面53aが形成されている。回動部材52の回動範囲は、固定板77に対するホルダ71の上下方向に関する移動範囲によって規定される。各回動部材52は4つのカム曲面53aを有しており、ホルダ71の当接面71bには4つの伝達機構50に係る計16のカム曲面53aが当接している。図3に示すように、16個のカム曲面53aのうち、主走査方向に関する両側に2つずつ配置されている計4つのカム曲面53aを除く12個のカム曲面53aは、キャップ部材72の枠状突起72bと対向する位置に配置されている。なお、カム曲面53aは、枠状突起72bと対向する位置の近傍に配置されていてもよい。
【0038】
図4(a)に示すように、2つのコイルバネ54は、それぞれが互いに対向する一対の回動部材52を連結する引っ張りバネである。コイルバネ54の端部は、回動部材52の各側壁の中央付近に形成されたバネ支持部52bに接続されている。図4(b)に示すように、2つのコイルバネ54が収縮しようとするため、一対の回動部材52が互いに近づくように回動する方向に付勢している。このとき、一対の回動部材52は、ホルダ71と固定板77との距離に応じて、互いに異なる方向に回動する。また、一対の回動部材52は、2つのコイルバネ54の中心を結ぶ鉛直面を基準とした面対称の位置関係が維持される。
【0039】
図5(a)及び図5(b)に示すように、キャップ時及びキャップ時以外のいずれの場合においても、バネ支持部52bを力点とし、シャフト51cの中心を支点とし、カム曲面53aにおける当接面71bと当接する点を作用点としたときの、支点と作用点とを結ぶ直線と、作用点を含む吐出面2aに平行な平面内で支点に最も近い点と作用点とを結ぶ直線とのなす角が45度以下となっている。コイルバネ54の付勢力は、バネ長が長くなるに連れて大きくなる。支点と作用点とを結ぶ直線の吐出面2aに対する傾斜が小さくなるように回動部材52が回動することによって、コイルバネ54のバネ長が長くなり、コイルバネ54の付勢力が大きくなる。
【0040】
2つのコイルバネ54が一対の回動部材52を付勢することによって、各カム曲面53aが上方且つ伝達機構50の内側に向かって円弧を描くように移動したとき、各カム曲面53aは、ホルダ71の当接面71bに対して内側に向かって摺動しつつホルダ71を上方に押圧する。これに伴って、ホルダ71が上方向に移動し、キャップ部材72と固定板77との距離が広がる。このように、2つのコイルバネ54は、キャップ部材72と固定板77との距離を広げる方向に一対の回動部材52を付勢している。
【0041】
後述するキャップ動作において、吐出面2aがキャップ部材72を押圧すると、その反作用として、固定板77の底面である押圧力付与部に押圧力が作用する。この押圧力によって、当接面71bと固定板77との距離が、距離dから距離d’に短くなると共に、一対の回動部材52が互いに離隔する方向に、且つ、支点と作用点とを結ぶ直線の吐出面2aに対する傾斜が小さくなるように回動部材52が回動する。また、支点と力点とを結ぶ直線の吐出面2aに対する傾斜が小さくなるように回動部材52が回動する。これにより、コイルバネ54の付勢力が大きくなって、回動部材52のカム曲面53aが当接面71bを押圧する圧力が、F0(回動部材52の回動方向に向かう圧力)から圧力F0’に大きくなる。また、カム曲面53aが当接面71bに対して摺動し、カム曲面53aにおける当接面71bと当接する点(作用点)が、水平方向に関してシャフト51c(支点)から離隔する方向に移動する。これにより、F0の角度θ1が、F0’の角度θ2に小さくなり、圧力F0の水平方向に関する分力が、圧力F2から圧力F2’に大きくなる。また、圧力F0’の垂直方向に関する分力、すなわち、伝達機構50がホルダ71を上方に押圧する押圧力は、圧力F1でほぼ一定となる。このように、カム曲面53aは、回動部材52が回転した場合に、当接面71bとの当接を維持しつつ一定の圧力F1で押圧するようにその曲面が調整されている。
【0042】
図6は、キャップ部材72が吐出面2aに当接した位置を横軸の0点として横軸に固定板77の上方向への移動距離(以下、移動距離と示す)を、縦軸に伝達部材50がホルダ71を上方に押圧する押圧力(以下、押圧力と示す)を示している。また、従来のキャップ構造における固定板77の移動距離と押圧力との関係も比較例として記載した。従来のキャップ構造では、前述した特許文献1のように、伝達部材50の代わりにコイルバネが配置されている。図6に示すように、本発明においては、移動距離が0点から所定範囲未満の場合は、移動距離と押圧力が比例関係となるよう設定されている。これは、キャップ部材72に圧力F1を付加するまでは、枠状突起72bを弾性変形させて、キャップ部材72と吐出面2aを適正圧力F1でキャップさせるようにするものである。その後、所定範囲内においては、移動距離を増加させたとしても押圧力がF1でほぼ一定となるよう伝達機構50およびカム曲面53aが構成されている。
【0043】
このように、伝達機構50は、吐出面2aがキャップ部材72を押圧することによって押圧力付与部に付与された押圧力をホルダ71に伝達すると共に、伝達する押圧力がほぼ圧力F1に維持されるように当該押圧力の増減を抑制する。なお、所定範囲以上に移動距離が増加すると、伝達機構50の可動範囲を超えるため移動距離と押圧力が再び比例関係となる。実際には枠状突起72bがさらに弾性変形する領域となり、吐出面2aに過大となる押圧力が作用するようになる。一方、従来のキャップ構造では、移動距離と押圧力とが移動距離に関係なく比例関係となり、適正な圧力F1を付与するためには移動距離を精密に制御する必要がある。つまり、キャップホルダ等のキャップ支持部材を移動してキャップ位置に配置する際、高いキャップホルダの位置精度が要求される。
【0044】
次に、キャッピング動作について説明する。キャッピング動作は、吐出面2aをキャップ部材72でキャッピングすることによって、吐出口内のインクが増粘するのを防止するための動作であり、インクジェットプリンタ1の休止時及び印刷待機時に行われる。上述したように、キャッピング装置60は、通常印刷時には、4つのインクジェットヘッド2の図1中紙面奥側に係る4つのインクジェットヘッド2と対向しない退避位置に配置されている。キャッピング動作が開始されると、最初に、図示しないフレーム移動機構によって、4つのインクジェットヘッド2が上方に移動する。その後、図示しないトレイ移動機構によって、キャッピング装置60が、4つのキャッピングユニット62と4つのインクジェットヘッド2とが互いに対向するキャッピング位置に配置される。さらに、フレーム移動機構によって、4つのインクジェットヘッド2が下方に移動する。
【0045】
図7(a)に示すように、4つのインクジェットヘッド2が下方に移動すると、インクジェットヘッド2の位置決めピン2bがホルダ71の位置決め孔75a、75bにそれぞれ挿入される。これにより、キャップ部材72が吐出面2aをキャッピングすることができる位置に正確に位置決めされる。図7(b)に示すように、さらに、4つのインクジェットヘッド2が下方に移動すると、キャップ部材72の枠状突起72bの先端が吐出面2aに当接する。このとき、当接圧力によって、枠状突起72bの先端が当接方向に弾性変形して吐出面2aに密着し、キャップ部材72が吐出面2aをキャッピング(被覆)する。図7(b)及び図7(c)に示すように、枠状突起72bの先端が弾性変形した状態でさらに4つのインクジェットヘッド2が下方に移動すると、キャップ部材72が吐出面2aに押圧されることによって、その反作用として固定板77の底面である押圧力付与部に押圧力が作用する。これにより、ホルダ71が下方に移動し、ホルダ71の当接面71bと固定板77との距離が短くなる。このとき、伝達機構50の一対の回動部材52が、互いに離れる方向に回動すると共にコイルバネ54のバネ長が長くなる。
【0046】
コイルバネ54のバネ長が長くなるに連れてコイルバネ54の付勢力が大きくなると共に、バネ支持部52bを力点としシャフト51cを支点としカム曲面53aにおける当接面71bと当接する点を作用点としたときの、支点と作用点とを結ぶ直線の吐出面2aに対する傾斜が小さくなるように、一対の回動部材52が互いに離隔する方向に回動する。これにより、回動部材52がホルダ71を上方に押圧する押圧力が圧力F1でほぼ一定となるように、カム曲面53aが当接面71bに対して摺動する。
【0047】
以上説明した本実施形態によると、キャップ時において、伝達機構50がキャップ部材72に対する押圧力の増減を抑制するため、キャップ部材72を吐出面2aに所定範囲内の圧力F1で安定して当接させることができる。これにより、キャップ部材72及び吐出面2aに過剰な圧力が加えられるのが抑制され、キャップ部材72及び吐出面2aが異常な状態に変形するのを防止することができる。また、キャップ部材72と吐出面2aとの当接圧力が不足することが抑制され、キャップ部材72と吐出面2aとの間で安定したキャップが可能となる。
【0048】
また、上述した実施形態によると、伝達機構50が、互いに対向するように配置されていると共にコイルバネ54で連結された一対の回動部材52を有しており、コイルバネ54は、回動部材52の作用点同士が互いに近づく方向に各回動部材52を付勢する構成となっているため、回動部材52とコイルバネ54とを組み合わせるという簡単な構成で、コイルバネ54の回動部材52に対する付勢力が大きくなるのに連れて、回動部材を伝わるキャップ部材方向の力が小さくなるように回動部材52が回動するので、ホルダ71に伝達される押圧力を一定とし、当該押圧力の変動を抑制することができる。また、一対の回動部材52により押圧力の等しい作用点となり、伝達機構50がホルダ71に、より安定した押圧力を付与することができる。
【0049】
さらに、上述した実施形態によると、バネ支持部52bを力点としシャフト51cを支点としカム曲面53aにおける当接面71bと当接する点を作用点としたときの、支点と作用点とを結ぶ直線と、作用点を含む吐出面2aに平行な平面内で支点に最も近い点と作用点とを結ぶ直線とのなす角が45度以下となっているため、ホルダ71と固定板77との距離が短くなるときに、回動部材52を伝わるキャップ部材方向の力が小さくなる方向に確実に回動させることができる。これにより、伝達機構50を、幾何学的な力のバランスが取れた範囲で動作させることができる。
【0050】
加えて、上述の実施形態によると、当接部材53の先端にカム曲面53aが形成されているため、カム面を形成するという安価な構成で、かつ、カムに形成された曲面とキャップ部材72又は支持部材77が当接することになり、回動部材52が回転した場合に、当接を維持しつつスムーズに回動部材52が回転することで押圧力の変動を低減することができる。
【0051】
また、上述の実施形態によると、キャッピングユニット62において、4つの伝達機構50が、吐出面2aの延在方向である主走査方向に配列されているため、主走査方向に関して独立した作用点を増やし、伝達機構からの押圧力を効率よくホルダ71全体に伝達することができる。
【0052】
さらに、上述の実施形態によると、キャップ部材72が弾性変形可能となっているため、キャップ部材72に係る吐出面2aの形状に対する追従性を向上させることができる。つまり、長尺な吐出面2aの平面度が悪い(そり等)場合であっても、キャップ部材72の底板部72aが変形することで枠状突起72bの先端が吐出面2aに密着する。また、吐出面2aへの押圧力がほぼ一定となるので安定したキャッピングが可能となる。この効果は、キャップ部材72に押圧力を伝達する作用点が複数存在し、且つ、押圧力を伝達する位置が変化しても押圧力が所定範囲内で一定となる本発明の構成において可能となる。すなわち、長尺な吐出面2aの平面度が悪い場合であっても、平面度が前述した図6の所定範囲以内であれば、キャップ部材72の全ての範囲において、吐出面2aへの押圧力を圧力F1で一定とすることができ、安定したキャッピングが可能となる。
【0053】
加えて、上述の実施形態によると、キャップ部材72が補強部材であるホルダ71に支持されているため、キャップ部材72が過剰に変形するのを防止することができる。
【0054】
また、上述の実施形態によると、キャップ時において、カム曲面53aが、キャップ部材72の枠状突起72bと対向しているため、伝達機構50からの押圧力が効率よく枠状突起72bに作用し、枠状突起72bを吐出面2aに確実に当接させることができる。
【0055】
さらに、上述の実施形態によると、枠状突起72bの先端が当接方向に弾性変形可能となっているため、枠状突起72bを吐出面2aに確実に密着させることができる。
【0056】
加えて、上述の実施形態によると、固定板77が樹脂材料で形成されているため、キャッピングユニット62の軽量化を図ることができる。
【0057】
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態では、伝達機構50が、固定板77に固定される構成であるが、図8(a)に示すように、伝達機構50が、ホルダ71に固定される構成であってもよい。この場合、伝達機構50のカム曲面53aが固定板77に摺動自在に当接することになる。なお、伝達機構50は、固定板77に固定されていなくてもよく、固定板77の上に載っている状態であっても良い。
【0058】
また、上述の実施形態においては、伝達機構50が、一対の回動部材52を有すると共に、一対の回動部材52がコイルバネ54で連結される構成であるが、このような構成に限定されるものではない。例えば、各回動部材52が互いに異なるバネで付勢される構成であってもよい。また、図8(b)に示すように、伝達機構が1つの回動部材52を有し、この回動部材52がコイルバネ54で付勢される構成であってもよい。また、伝達機構が、ホルダ71と固定板77との間の距離によって、ホルダ71への押圧力が変化しないように、バネ係数が異なる複数のバネを組み合わせたバネユニットを含んでいてもよい。
【0059】
さらに、上述の実施形態においては、キャッピング時に、バネ支持部52bを力点としシャフト51cを支点としカム曲面53aにおける当接面71bと当接する点を作用点としたときの、支点と作用点とを結ぶ直線と、作用点を含む吐出面2aに平行な平面の支点に最も近い点と作用点とを結ぶ直線とのなす角が45度以下となっている構成であるが、このなす角が45度を超えていてもよい。
【0060】
加えて、上述の実施形態においては、当接部材53の先端にカム曲面53aが形成されている構成であるが、当接部材の先端は任意の形状であってもよい。例えば、当接部材53の先端が単なる曲面で形成されていてもよいし、ローラやボール部材が回転自在に保持されていてもよい。これによると、摺動抵抗を小さくすることができる。
【0061】
さらに、上述の実施形態においては、キャッピングユニット62において、4つの伝達機構50が、吐出面2aの延在方向である主走査方向に配列されている構成であるが、キャッピングユニットが1〜3又は5以上の伝達機構50を有していてもよいし、複数の伝達機構50が任意のパターンで配置されていてもよい。
【0062】
加えて、上述の実施形態においては、キャップ部材72が弾性材料で形成される構成であるが、キャップ部材の一部のみが弾性材料で形成されていてもよいし、キャップ部材全体が、弾性材料以外の材料で形成されていてもよい。
【0063】
さらに、上述の実施形態においては、インクジェットプリンタ1に本発明を適用した例について説明したが、他の液体を吐出する液体吐出ヘッドを有する装置にも本発明は適用可能である。
【0064】
また、上述の実施形態においては、吐出面2aをキャッピングするキャッピング装置に本発明を適用した例について説明したが、吐出面2a以外の被覆面をキャッピングするキャッピング装置にも本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 インクジェットプリンタ
2 インクジェットヘッド
2a 吐出面
2b 位置決めピン
50 伝達機構
51c シャフト
51 フレーム
51a 底板部
51b 側板部
52 回動部材
52b バネ支持部
53 当接部材
53a カム曲面
54 コイルバネ
60 キャッピング装置
61 トレイ
62 キャッピングユニット
71 ホルダ
71a フック
71b 当接面
72 キャップ部材
72a 底板
72b 枠状突起
74 キャップチップ
77 固定板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆面に当接することによって当該被覆面を被覆するキャップ部材と、
前記キャップ部材を前記被覆面に当接させるための押圧力を前記キャップ部材に伝達する伝達機構と、
前記伝達機構を支持する支持部材とを備えており、
前記支持部材に前記押圧力が付与される押圧力付与部が設けられ、
前記伝達機構は、前記キャップ部材が前記被覆面に当接していると共に当接方向に関する前記キャップ部材と前記支持部材との距離が所定範囲内にあるとき、前記キャップ部材に伝達される前記押圧力が所定範囲内に収まるように前記押圧力の増減を抑制することを特徴とするキャッピング装置。
【請求項2】
前記伝達機構は、
前記キャップ部材及び前記支持部材のいずれか一方に対して前記被覆面と平行な軸線を中心に回動自在に軸支されていると共に、前記キャップ部材及び前記支持部材の他方に当接しつつ前記軸線を中心に回動することによって、前記キャップ部材と前記支持部材との距離を変位させる回動部材と、
前記回動部材を、前記キャップ部材と前記支持部材との距離を広げる方向に付勢する弾性部材とを有しており、
前記弾性部材の前記回動部材に対する付勢力が大きくなるのに連れて、前記回動部材における前記弾性部材から付勢力が付与される箇所を力点とし前記軸線と前記回動部材の交点を支点としたときの、前記支点と前記力点とを結ぶ直線の前記被覆面に対する傾斜が小さくなるように、前記回動部材が回動することを特徴とする請求項1に記載のキャッピング装置。
【請求項3】
前記伝達機構は、互いに対向するように配置されていると共に前記弾性部材によって連結された一対の前記回動部材を有しており、
前記弾性部材は、一対の前記回動部材の前記力点同士が互いに近づく方向に各回動部材を付勢していることを特徴とする請求項2に記載のキャッピング装置。
【請求項4】
前記キャップ部材が前記被覆面に当接している際、前記支点と前記回動部材が前記キャップ部材又は前記支持部材に当接している部位である当接部上の点とを結ぶ直線と、前記当接部上の点を含み前記被覆面に平行な平面内で前記支点に最も近い点と前記当接部上の点とを結ぶ直線とのなす角が、45度以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載のキャッピング装置。
【請求項5】
前記回動部材がカム形状を有していることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のキャッピング装置。
【請求項6】
前記被覆面及び前記キャップ部材が一方向に長尺な形状を有しており、
複数の前記伝達機構が、前記一方向に配列されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャッピング装置。
【請求項7】
前記キャップ部材が弾性変形可能であることを特徴とする請求項6に記載のキャッピング装置。
【請求項8】
前記キャップ部材に係る前記伝達機構が当接する面に補強部材が固定されていることを特徴とする請求項7に記載のキャッピング装置。
【請求項9】
前記キャップ部材が、前記被覆面に当接する枠状突起と前記枠状突起を支持する底板部とを有しており、
前記回動部材の前記当接部に当接する点が、前記底板部に係る前記枠状突起と対向する位置にあることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載のキャッピング装置。
【請求項10】
前記キャップ部材が、前記被覆面に当接する枠状突起と前記枠状突起を支持する底板部とを有しており、
前記枠状突起は、前記当接方向に関して弾性変形可能になっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のキャッピング装置。
【請求項11】
前記支持部材が樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のキャッピング装置。
【請求項12】
前記被覆面が、記録液体吐出ヘッドに形成された記録液滴を吐出する吐出口が開口する吐出面であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のキャッピング装置。
【請求項13】
記録液体吐出ヘッドと、
前記記録液体吐出ヘッドに形成された記録液滴を吐出する吐出口が開口する吐出面を前記被覆面とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のキャッピング装置と、
前記記録液体吐出ヘッド及び前記支持部材の少なくともいずれかを前記当接方向に関して相対移動させる移動機構とを備えていることを特徴とする記録液体吐出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate