説明

キャップ冠着装置

【課題】 有蓋無底筒状のキャップを、ボトルのボトルネック上端部に冠着するキャップ冠着装置に関し、特に、密嵌式キャップをボトルネック上端部に冠着することに適したキャップ冠着装置を提供すること。
【解決手段】 ボトル50が搬送コンベア2の上流側から駐止ポジション11へ向けて接近すると、キャップ60の開口端62に、そのボトル50のネック51の上端部が対向するように係合され、そのネック51の上端部によってキャップ60が駐止ポジション11よりも搬送コンベア2下流側へ向けて押される。すると、キャップ60の天面端61が押圧部材12に圧接されて、キャップ60が押圧部材12を支点として回転される。この回転によって、キャップ60は押圧部材12とボトル50のネック51の上端部との間隙へと潜り込み、その結果、キャップ60がネック51の上端部に押圧されて、キャップ60の開口端62内にネック51の上端部が嵌入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有蓋無底筒状のキャップを、ボトルのボトルネック上端部に冠着するためのキャップ冠着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ボトルにキャップを冠着させるキャップ冠着装置については、例えば、下記特許文献1記載のキャップ冠着装置(同文献中の密封部2に相当する。)が提案されている。このキャップ冠着装置は、ボトルネック上端部に螺着可能に形成されるキャップを、ボトルネックに冠着するための装置であり、一定量の内容物が充填されたボトルをコンベアにより搬送しながら、そのボトルのボトルネック上端部(ボトル口)にキャップを冠着するものである。
【0003】
ここで、このキャップ冠着装置によりボトルに冠着されるキャップは、アルミニウム板などを絞り加工によって成形したものであって、その天面端に設けられる手掛け部と、その手掛け部の周縁から垂設され、内周面にあるべき雌ねじが未螺刻状態のままの円筒状のねじ成形部とを備えている。一方、ボトルは、キャップのねじ成形部の内径よりも小さな外径のボトルネックを備えており、そのボトルネックの上端部外周に雄ねじが螺設されているものである。
【0004】
ところで、上記した従来のキャップ冠着装置は、主として、キャップ仮嵌め部と、キャップ冠着部とを備えており、キャップ仮嵌め部は、ボトルを縦立且つ水平な姿勢でコンベアにより搬送する間、ボトルの搬送方向下流側でキャップを傾斜した状態に保持しておき、その傾斜したキャップに向かってボトルを移送することにより、ボトルネック上端部にキャップを被せて仮嵌めするものである。
【0005】
また、キャップ冠着部は、キャップ仮嵌め部によりボトルネックに仮嵌めされたキャップを、加圧板によって押圧して、そのキャップのねじ成形部に対向する一対のねじ刻設ローラーを自転と公転と下降運動とを与えつつ圧接することによって、キャップのねじ成形部にボトルネックの雄ねじに沿って雌ねじを刻設するものである。そして、その結果、キャップがボトルネックにねじ込まれた状態となるのである。
【特許文献1】特開平7−165292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したキャップ冠着装置は、ねじ込み式のキャップをボトルネックに冠着するための装置であって、そのキャップ仮嵌め部は、ボトルネックの外径より内径が大きなキャップを、ボトルネック上端部に被せて仮嵌めするものである。このため、このようなねじ込み式キャップとは異なる方式のキャップ、例えば、密嵌式キャップ(ボトルネック上端部の外径に比べて内径が略等しいか又は小さな内周部にボトルネック上端部を無理矢理に嵌入して密封するキャップ)を、ボトルネック上端部に冠着することは構造上行うことが困難であるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、特に、密嵌式キャップをボトルネック上端部に冠着することに適したキャップ冠着装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために請求項1記載のキャップ冠着装置は、縦立姿勢のボトルのボトルネック上端部に有蓋無底筒状のキャップを冠着するものであり、縦立姿勢のボトルを搬送方向上流側から下流側へ搬送移動させる搬送路と、その搬送路により搬送されるボトルのボトルネック上端面からキャップ丈未満の間隔を隔てた上方に配設され、その搬送路幅方向と軸方向が一致する棒状の押圧部材と、その押圧部材よりも前記搬送路上流側に設けられ、その搬送路により搬送されるボトルのボトルネック上端面の移動経路上で、キャップの開口端を前記搬送路上流側に向けた状態で、そのキャップを駐止する駐止ポジションと、その駐止ポジションから更に上方へ連通されるシュート通路を有して、そのシュート通路を通じて前記駐止ポジションへキャップを順次供給するキャップ供給装置とを備えており、ボトルが前記搬送路上流側から前記駐止ポジションへ接近して前記押圧部材の下方を通過することによって、ボトルネック上端部がキャップの開口端に係合され、そのボトルネック上端部によってキャップの天面端が前記押圧部材の外周面に圧接されるものである。
【0009】
この請求項1記載のキャップ冠着装置によれば、縦立姿勢のボトルは、搬送路によって、キャップが駐止されている駐止ポジションへ向けて、駐止ポジションよりも搬送路上流側から搬送移動されてくる。一方、キャップは、キャップ供給装置のシュート通路を通じて上方から駐止ポジションへと供給され、その駐止ポジションで開口端が搬送路上流側に向けられた状態(姿勢)で駐止されている。
【0010】
そして、ボトルが搬送路上流側から駐止ポジションへ向けて接近すると、そのボトルのボトルネック上端面の移動経路上にあるキャップの開口端に、そのボトルのボトルネック上端部が対向するように係合される。そして、更に、ボトルが搬送路下流側へ移動されると、そのボトルネック上端部によってキャップが駐止ポジションよりも搬送路下流側へ向けて押される。
【0011】
すると、キャップは、そのキャップの天面端が押圧部材の外周面に圧接され、更に、押圧部材を支点として開口端が下向きとなるように回転される。このようにキャップが押圧部材を支点として回転されると、そのキャップが押圧部材とボトルのボトルネック上端部との間隙へと徐々に潜り込み、その結果、そのキャップが押圧部材によってボトルのボトルネック上端部に徐々に押圧されて、この押圧によって、キャップの開口端内にボトルのボトルネック上端部が徐々に嵌入される。
【0012】
その後、ボトルの搬送移動に伴って、キャップが回転されて押圧部材の略直下まで潜り込むと、押圧部材の押圧によるキャップのボトルネック上端部への冠着動作も収束して、ボトルがキャップごと押圧部材の下方を擦り抜けて、押圧部材よりも搬送路下流側へと更に搬送移動される。
【0013】
一方、上記のようにしてキャップが冠着されたボトルが押圧部材を通過して更に搬送路下流側へ搬送移動されると、それまで駐止ポジションにあったキャップがキャップ供給装置から離脱するため、キャップ供給装置のシュート通路内にストックされている次のキャップが駐止ポジションへ送られ、次のキャップ冠着動作の準備が行われる。
【0014】
請求項2記載のキャップ冠着装置は、請求項1記載のキャップ冠着装置において、前記押圧部材は、その押圧部材の軸方向に向かう回転軸と、その回転軸の外周にその回転軸を中心として転動可能に周設される押圧ローラとを備えている。
【0015】
この請求項2記載のキャップ冠着装置によれば、請求項1記載のキャップ冠着装置と同様な作用及び効果を奏することに加え、押圧部材の外周には回転軸を中心として転動される押圧ローラが周設されているので、ボトルのボトルネック上端部にキャップが冠着する場合にキャップの天面端を押圧ローラの外周面に圧接させれば、ボトルの搬送移動に伴わせて押圧ローラごとキャップを回転軸を中心に回転させることができる。このため、キャップがボトルの搬送に伴って押圧部材を支点として回転される場合に、キャップの天面端が押圧部材と擦れて損傷することを抑制できる。
【0016】
請求項3記載のキャップ冠着装置は、請求項1又は2に記載のキャップ冠着装置において、前記押圧部材は、前記搬送路幅方向から矢視した場合に、前記駐止ポジションに駐止されているキャップの天面端における外径方向略中央部分に近設されるものである。
【0017】
この請求項3記載のキャップ冠着装置によれば、請求項1又は2に記載のキャップ冠着装置と同様な作用及び効果を奏することに加え、搬送路幅方向から矢視される押圧部材は、その外周面が駐止ポジションに駐止されているキャップの天面端の外径方向略中央部分(図1(a)の符号P周辺)に当接されて、そのキャップをボトルネック上端部に押圧することができる。キャップの天面端の外径方向両縁(図1(a)の符号Q,R周辺)に押圧部材が圧接される場合に比べて、押圧部材とキャップ天面端との接触面積を大きくでき、キャップをボトルネック上端部へより確実に押圧することができる。
【0018】
請求項4記載のキャップ冠着装置は、請求項1から3のいずれかに記載のキャップ冠着装置において、前記駐止ポジション及び押圧部材における前記搬送路幅方向に平行に配設され、その駐止ポジションに駐止されているキャップの外径方向両側を規制する一対のガイド板を備えている。
【0019】
この請求項4記載のキャップ冠着装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載のキャップ冠着装置と同様な作用及び効果を奏することに加え、一対のガイド板の対向面間には駐止ポジションに駐止されているキャップがあり、この一対のガイド板によってキャップの外径方向両側が規制されている。このため、ボトルの搬送移動に伴って押圧部材によりボトルネック上端部に押圧されるキャップを搬送路幅方向へ位置ずれさせずに移動案内することができる。
【0020】
請求項5記載のキャップ冠着装置は、請求項1から4のいずれかに記載のキャップ冠着装置において、前記シュート通路は、キャップの天面端が前記搬送路下流側へ向けられた状態で、キャップを上方から前記駐止ポジションへ向けて通過させるものであり、そのシュート通路の内壁面であってキャップの天面端に対向する部分には、そのシュート通路の連通方向に沿って設けられ、前記搬送路幅方向に間隔を隔てて薄板状に突設される2枚以上の突出片を備えており、その2枚以上の突出片の先端面は、前記シュート通路を通過するキャップの天面端に近設されている。
【0021】
この請求項5記載のキャップ冠着装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載のキャップ冠着装置と同様な作用及び効果を奏することに加え、シュート通路を通過する際にキャップが暴れて、そのキャップの天面端がシュート通路の内壁面と接触しようとしても、2枚以上の突出片によってキャップの天面端とシュート通路の内壁面との接触が阻まれる。このため、キャップの天面端がシュート通路の内壁面に全面的に面接触してキャップがシュート通路内で滑りにくくなることを防止でき、結果、キャップがシュート通路で目詰まりを起こすことも防止できる。
【0022】
しかも、キャップの天面端が各突出片の先端面と接触しても、各突出片は薄板状に形成されるので、キャップの天面端全体がシュート通路の内壁面に接触する場合に比べれば、各突出片の先端面とキャップの天面端との接触面積は極めて小さいものに抑制される。よって、キャップの天面端が各突出片の先端面と接触しても、シュート通路内でのキャップの流通が阻害されることもない。
【0023】
請求項6記載のキャップ冠着装置は、請求項1から5のいずれかに記載のキャップ冠着装置において、前記シュート通路の連通方向中間部であって、そのシュート通路におけるキャップの開口端との対向部分に、キャップの外径よりも幅狭な溝幅で前記シュート通路内から外部へと貫通形成されている照射孔と、その照射孔に対向して前記シュート通路の外部に配置され、その照射孔を通じて前記シュート通路内へ向けて殺菌光線を照射する殺菌灯装置とを備えている。
【0024】
この請求項6記載のキャップ冠着装置によれば、請求項1から5のいずれかに記載のキャップ冠着装置と同様な作用及び効果を奏することに加え、シュート通路の内部には、そのシュート通路に形成される照射孔を通じて、殺菌光線がシュート通路の外部に配置される殺菌灯装置から照射される。この殺菌光線がシュート通路内へ照射されると、その殺菌光線によってキャップの開口端側およびキャップ内周部が殺菌される。
【0025】
殺菌灯装置から照射される殺菌光線をシュート通路内へ導く照射孔は、シュート通路の連通方向中間部に設けられるので、シュート通路の前段に加熱殺菌処理装置が配設されている従来システムに比べて、より駐止ポジションに近い位置でキャップを殺菌することができ、シュート通路を通過する間に細菌に汚染される可能性を低減することができる。しかも、加熱殺菌処理ではなく殺菌光線を照射することでキャップを殺菌処理するので、例えば、加熱に伴う樹脂製キャップの熱変形や組成変化も抑制できる。
【0026】
請求項7記載のキャップ冠着装置は、請求項6記載のキャップ冠着装置において、前記照射孔は、前記シュート通路の連通方向にキャップの外径の略2倍以上の長さを有する長溝状に形成されており、前記殺菌灯装置における殺菌光線の照射部の長さはキャップの外径の略2倍以上である。
【0027】
この請求項7記載のキャップ冠着装置によれば、請求項6記載のキャップ冠着装置と同様な作用及び効果を奏することに加え、殺菌灯装置の照射部からの殺菌光線は、シュート通路の連通方向にキャップ外径の略2倍以上の長さを有する照射孔を通じて、シュート通路内へ照射される。よって、例えば、複数のキャップがシュート通路内で列状にストックされる場合には、照射孔に対向する位置にストックされている略2個以上のキャップを同時に殺菌することができる。
【0028】
請求項8記載のキャップ冠着装置は、請求項1から6のいずれかに記載のキャップ冠着装置において、前記シュート通路におけるキャップの開口端との対向部分には、キャップの外径よりも幅狭な溝幅であって、そのシュート通路内から外部へと貫通形成され、そのシュート通路の連通方向に沿って前記駐止ポジションまで連続形成されているガイドスリットが設けられており、前記キャップ供給装置は、そのガイドスリットよりも幅狭の舌片が開口端縁から所定長さ延出されているキャップを前記駐止ポジションへ順次供給するものであって、そのキャップが前記シュート通路を通過する場合に、そのキャップの舌片が前記ガイドスリットに遊挿されることによって案内移動されるものである。
【0029】
この請求項8記載のキャップ冠着装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載のキャップ冠着装置と同様な作用及び効果を奏することに加え、キャップがシュート通路を通じて駐止ポジションへ供給される場合、キャップの舌片がガイドスリットに遊挿されることによって、シュート通路内を通過するキャップが案内移動される。しかも、シュート通路内を通過するキャップは、その舌片がガイドスリットに遊挿されたまま駐止ポジションまで供給されるので、駐止ポジションに供給されるキャップの姿勢を常にほぼ一定に保つことができ、キャップの冠着不良の抑制にも寄与する。
【0030】
請求項9記載のキャップ冠着装置は、請求項8記載のキャップ冠着装置において、前記ガイドスリットは、請求項5記載の前記照射孔として兼用されるものである。
【0031】
この請求項9記載のキャップ冠着装置によれば、請求項8記載のキャップ冠着装置と同様な作用及び効果を奏することに加え、ガイドスリットが殺菌光線をシュート通路内へ透過させるための照射孔として兼用されるので、殺菌光線の照射孔を別途設けることが不要となる。
【0032】
請求項10記載のキャップ冠着装置は、請求項1から9のいずれかに記載のキャップ冠着装置において、前記シュート通路は、前記駐止ポジションよりの一部範囲であってキャップの天面端に対向する部分、及び、キャップの開口端に対向する部分に、そのシュート通路の連通方向に連続して前記搬送路幅方向に並設され、そのシュート通路内から外部へと貫通形成されている複数条の貫通スリットと、その複数条の貫通スリットのうち隣り合うもの同士を仕切るように前記シュート通路の連通方向に連続形成されている複数の格子部材とを備えている。
【0033】
この請求項10記載のキャップ冠着装置によれば、請求項1から9のいずれかに記載のキャップ冠着装置と同様な作用及び効果を奏することに加え、飲料水が充填されたボトルにキャップを冠着する場合にボトルネック上端部から飛び散る水飛沫がキャップ供給装置のシュート通路内に入り込んでも、複数条スリットを通じて、シュート通路外へ排水でき、且つ、シュート通路外へ蒸散させることもできる。このため、駐止ポジション近傍のシュート通路内に水溜りができて、キャップがシュート通路内で滑りにくくなることを防止でき、その結果、キャップがシュート通路で目詰まりを起こすことも防止できる。
【0034】
しかも、キャップの天面端及び開口端は各貫通スリットを仕切る複数の格子部材と接触されるので、キャップの天面端全体及び開口端全体がシュート通路内壁面に接触する場合に比べれば、各突出片の先端面とキャップの天面端との接触面積は極めて小さいものに抑制される。よって、キャップの天面端及び開口端が濡れた各格子部材と接触しても、シュート通路内でのキャップの流通が阻害されることがないのである。
【0035】
請求項11記載のキャップ冠着装置は、請求項10記載のキャップ冠着装置において、前記複数条の貫通スリットのうち少なくとも1条の貫通スリットは、請求項6又は7に記載の前記ガイドスリットとして兼用されるものである。
【0036】
この請求項11記載のキャップ冠着装置によれば、請求項10記載のキャップ冠着装置と同様な作用及び効果を奏することに加え、1条の貫通スリットがキャップの舌片を遊嵌してキャップを案内するガイドスリットとして兼用されるので、貫通スリットとガイドスリットとを別々に別途設けることが不要となる。
【発明の効果】
【0037】
本発明のキャップ冠着装置によれば、例えば、ボトルネック上端部の外径に比べて内径が略等しいか又は小さな密嵌式キャップの内周部に、ボトルネック上端部を無理矢理に嵌入することで密封される形態のボトルであっても、キャップをボトルネック上端部に対して押圧することで確実に冠着させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本発明の一実施例である図1から図8に示すキャップ冠着装置1は、ボトル洗浄装置(図示せず)により洗浄され且つ充填装置(図示せず)により飲料水などの内容物が一定量充填されたボトル50のネック51にキャップ60を冠着して、そのボトル50を密封するための装置である。
【0039】
図1(a)は、キャップ60の縦断面図であり、図1(b)は、ボトル50及びそのネック51に冠着されたキャップ60の縦断面図であり、図1(c)は、キャップ60の背面図である。図1(a)に示すように、キャップ60は、可撓性のある合成樹脂材料で略円筒状に形成されており、その上端部を閉塞した天面端61と、その下端部を開口させた開口端62とを備えている。
【0040】
図1(b)に示すように、このキャップ60は、ネック51(上端部)の外径に比べて内径が略等しいか又は小さい内周部63を有しており、この内周部63にネック51の上端部を無理矢理に嵌入して密封するという密嵌式キャップの一種である。一方、ボトル50は、円筒状に形成されているネック51と、そのネック51の上端面に開口されている口部52とを有している容器体であって、その内容量が略3ガロン前後に相当するものである。
【0041】
また、このボトル50は、ポリカーボネートなどの耐衝撃性のある合成樹脂材料で形成されている比較的重量のある樽状のものであり、キャップ60が冠着されるネック51の長さも充分に長く確保されている。なお、本実施例で用いる「ガロン」は、米国液量ガロン(1ガロン≒3.785リットル)であり、また、本実施例の適用されるボトル50は、略3ガロン前後のものに限定されず、例えば、略1ガロン〜略5ガロン程度のものでも良い。
【0042】
また、図1(c)に示すように、キャップ60の開口端62の縁部からは所定幅の舌片64が所定長さ延出されており、この舌片64の幅はキャップ外径dよりも幅狭に形成されている。この舌片64の内側面64aは、図1(a)に示すようにキャップ60の内周面63aと略面一とされており、キャップ60をネック51に冠着する場合の案内片としての機能も有している。
【0043】
図2は、本発明の一実施例であるキャップ冠着装置1の右側面図(換言すると搬送コンベア2の幅方向一側から矢視した矢視図)であり、キャップシュータ6を部分的に縦断面視したものである。図2に示すように、キャップ冠着装置1は、上記したキャップ60を、上記したボトル50におけるネック51の上端部に冠着するものであり、ボトル50を搬送移動する搬送路としての搬送コンベア2を備えている。なお、キャップ冠着装置1はその大部分がステンレス鋼材で形成されている。
【0044】
この搬送コンベア2は、架台フレーム3の上端部に、複数の搬送ローラ4,4,…が搬送方向(図2左右方向)に並設されているローラコンベアであり、その各搬送ローラ4を転動させることで、各搬送ローラ4上に縦立且つ水平な姿勢で載置されているボトル50を、搬送方向上流側(図2右側)から下流側(図2左側)へ搬送するものである。
【0045】
一方、搬送コンベア2の上方にはボトル50に冠着されるキャップ60を、予め多数貯留するためのキャップホッパー5が配設されており、このキャップホッパー5の下方には、搬送コンベア2により搬送されるボトル50のネック51の上端部へ向けてキャップ60を供給するためのキャップシュータ6が配設されている。
【0046】
キャップシュータ6は、その基端部(上端部)がキャップホッパー5の底部に連設されており、その連設部から略鉛直下方向よりも僅かに(略10°未満)搬送コンベア2下流側に傾いて延設されている。また、キャップシュータ6は、キャップホッパー5の直下に架設される支持フレーム7に支持軸8を介して揺動可能に支持されており、その支持軸8回りに形成される円弧状の長溝9に係合される調節ネジ10を緊緩させることで、支持フレーム7に対して固定したり又は傾斜角の調整したりすることができる。
【0047】
更に、キャップシュータ6の先端部(下端部)には、ボトル50のネック51に冠着されるキャップ60を駐止するためのポジション(位置)である駐止ポジション11が設けられており、この駐止ポジション11は、図2又は図3の図中において実線で図示されているキャップ60が存在する位置のことである。また、この駐止ポジション11は、搬送コンベア2によって搬送されるボトル50のネック51上端面が通過する移動経路(図2中の1点鎖線)上に位置している。
【0048】
図3は、図2の部分的な拡大図である。図3に示すように、駐止ポジション11では、後述する押圧部材12及び後述するキャップ保持機構13(図4、図5又は図7参照)を介して、キャップ60の開口端62が搬送コンベア2の上流側(図3右側)に向けられた状態で、キャップ60が駐止される。なお、キャップ保持機構13は、キャップ60を駐止ポジション11にて脱着可能に保持するものである。
【0049】
押圧部材12及びキャップ保持機構13はキャップシュータ6の先端部に配設されており、押圧部材12は、搬送コンベア2上を搬送されるボトル50のネック51上端面からキャップ丈h未満の間隔Hを隔てた上方に配設されている(h>H)。また、この押圧部材12は、駐止ポジション11にあるキャップ60(図3中において実線で図示したもの)よりも搬送コンベア2の下流側(図3右側)に、その駐止ポジション11に隣接して設けられている。
【0050】
具体的には、押圧部材12は、その押圧部材12の軸方向に向かう回転軸14と、その回転軸14の外周にその回転軸14を中心として転動可能に周設される押圧ローラ15とを備えており、この押圧ローラ15の外周面が駐止ポジション11に駐止されているキャップ60の天面端61における外径方向略中央部分に近設されるものである。
【0051】
図4は、図3における矢印IV方向からの矢視図である。図4に示すように、押圧部材12は、搬送コンベア2の幅方向(キャップシュータ6の幅方向と同一方向。以下同じ。)と軸方向が一致する棒状に形成されている。この押圧部材12の押圧ローラ15は、キャップシュータ6の幅方向全体に渡設されており、この押圧ローラ15の中心部に軸通されている回転軸14は、キャップシュータ6の幅方向両側の側壁板16,16間に架設されている。
【0052】
キャップ保持機構13は、主に、一対のゲート板17,17と、一対のブラケット板18,18と、一対の連結軸19,19とを備えている。一対のゲート板17,17は、キャップ60を脱着可能に保持するためにキャップシュータ6に開閉可能に設けられる部材であって、キャップシュータ6の幅方向両側(図4の左右両側)にそれぞれ1枚ずつ取着されている。この一対のゲート板17,17は、キャップシュータ6の側壁板16,16外面から略直角に外方へ突出されるブラケット板18,18にそれぞれ連結軸19,19を介して連結されており、この各連結軸19を中心として各ブラケット板18と略平行な平面内で揺動可能に軸支されている。
【0053】
図5は、図3における矢印V方向からの矢視図である。図5に示すように、キャップ保持機構13における一対のゲート板17,17は、その基端部から先端部にかけて略く字形に屈曲した形状を有しており、その屈曲部分に上記した連結軸19,19が連結されている。また、一対のゲート板17,17は、その先端部が略逆ハ字状となるようにキャップシュータ6の先端側へ延出される一方、その基端側がキャップシュータ6の各側壁板16,16と略平行とされている。
【0054】
また、各ゲート板17の基端部には弾性体の一種であるコイルバネ20の一端が取着されており、この各コイルバネ20の他端は各ゲート板17を支持する各ブラケット板18に取着されている。これらのコイルバネ20,20は、その自らの弾性復元力によって各ゲート板17,17の先端部を近接方向へ付勢するものであり、この付勢によって一対のゲート板17,17の先端部間隔Wがキャップ外径dより小さくされている(W<d)。
【0055】
このため、コイルバネ20,20の弾性復元力を越える外力が作用しなければ、キャップ60は一対のゲート板17,17の先端部間に引っ掛かって駐止ポジション11に駐止されるのであるが、一旦、ボトル50の搬送移動に伴う外力などのようにコイルバネ20,20の弾性復元力に抗する外力がキャップ60に作用すれば、キャップ60が各ゲート板17,17の先端部間隔Wを拡開して駐止ポジション11から脱着されるように構成されている。
【0056】
また、駐止ポジション11及び押圧部材12におけるキャップシュータ6の幅方向両側には上記した側壁板16,16が相互に平行に配設されており、このキャップシュータ6の各側壁板16,16の先端部は、駐止ポジション11にあるキャップ60よりも更に先方へ突出されることで、一対のガイド板21,21として機能している。この一対のガイド板21,21は、駐止ポジション11に駐止されているキャップ60が脱着される場合に、そのキャップ60の外径方向両側を規制するものである。
【0057】
図2に戻ると、キャップシュータ6は、キャップホッパー5から斜め下方(図2左斜め下側)へ略直線状に延設されている第1シュート部22と、その第1シュート部22の下端に連設され、そこから略円弧状に湾曲されて更に斜め下方(図2左斜め下側)へ略直線状に延設されている第2シュート部23とを備えている。なお、この第2シュート部23は、後述する5条の貫通スリット28と3条の貫通スリット29とが形成される部位である。
【0058】
キャップシュータ6は、上記した第1及び第2シュート部22,23の内部に、駐止ポジション11から上方へ向けてキャップホッパー5まで連通されているシュート通路24を備えている。シュート通路24は、キャップホッパー5から駐止ポジション11へキャップ60を順次供給するための通路であって、キャップ60の天面端61が搬送コンベア2の下流側へ向けられた状態で、キャップ60を上方から駐止ポジション11へ向けて通過させるものである(図3参照)。
【0059】
図6は、図3のVI−VI線における端面図である。図6に示すように、第1シュート部22は、シュート通路24内おけるキャップ60の天面端61との対向部分から突設される一対の突出片25,25を備えている。換言すれば、一対の突出片25,25は、シュート通路24の内壁面のうち、搬送コンベア2の下流側(図6左側)にあるものから突設されている。また、この一対の突出片25,25の各先端面はシュート通路24内を通過するキャップ60の天面端61に近設されている。
【0060】
この一対の突出片25,25は、キャップ60の天面端61とシュート通路24の内壁面との直接接触を防止するためのものであり、いずれもシュート通路24の連通方向に沿って第1シュート部22の上端部から下端部までの全範囲に設けられている(図2参照)。また、一対の突出片25,25は、キャップシュータ6の幅方向(図6の上下方向)に、キャップ外径d(図1(a)参照)に比べて小さな間隔を隔てて略平行に設けられている。
【0061】
更に、第1シュート部22は、シュート通路24内におけるキャップ60の開口端62との対向部分に貫通形成されるガイドスリット26を備えている。換言すれば、このガイドスリット26は、シュート通路24の内壁面の中で搬送コンベア2の下流側(図6右側)にあるものから、そのシュート通路24の外部まで貫通するように形成されている。
【0062】
ガイドスリット26は、シュート通路24内を通過するキャップ60の舌片64が遊挿されることで、そのシュート通路24内を滑落移動するキャップ60を案内する溝であり、その溝幅がキャップ外径dよりも幅狭で且つキャップ60の舌片64よりも僅かに幅広に形成されている。
【0063】
図7は、キャップシュータ6の背面図である。また、図7は、図3における矢印VIIから矢視した矢視図でもあり、この図中においては、支持フレーム7、支持軸8、調節ネジ10及びキャップ60などの図示を省略し、なおかつ、後述する殺菌灯27を2点鎖線で図示している。図7に示すように、ガイドスリット26は、シュート通路24の連通方向(図7の上下方向)に沿って、第1シュート部22の上端部(キャップホッパー5との連設部)から下端部まで連続形成され、更に、第2シュート部23の上端部から第2シュート部23の下端部に設けられる駐止ポジション11の直前まで連続形成されている。
【0064】
図2に戻ると、第1シュート部22におけるシュート通路24の連通方向中間部の外部には、シュート通路24内へ向けて紫外線(UV光線)などの殺菌光線を照射するための殺菌灯27が取着されている。この殺菌灯27は、第1シュート部22における第2シュート部23との連設部分近傍から支持軸8による支持部分近傍までの範囲に、上記したガイドスリット26に沿って当該ガイドスリット26に対向配置されている(図7参照)。つまり、このガイドスリット26は、殺菌灯27から照射される殺菌光線をシュート通路24内へ透過させるための照射孔としても兼用される。
【0065】
また、この殺菌灯27は、シュート通路24内を通過するキャップ60の舌片64との接触を回避するため、シュート通路24の外壁面から一定間隔を隔てた状態で、その外壁面に対して略平行となるように取着されている。更に、殺菌灯27は、殺菌光線の照射部27aの長さがシュート通路24の連通方向に沿ってキャップ外径dの略2倍以上の長さを有しており、シュート通路24内に一列状(図3参照)にストックされている2個以上のキャップ60に同時に殺菌光線を照射できるものである。
【0066】
なお、本実施例では、殺菌灯27の照射部27aの長さはキャップ外径dの略4倍強とされているので、シュート通路24内にストックされている4個以上のキャップ60に対して同時に殺菌光線を照射することができる。
【0067】
図8は、図3のVIII−VIII線における端面図である。図8に示すように、キャップシュータ6の第2シュート部23は、そのシュート通路24の幅方向(図8上下方向)両側が上記した側壁板16,16によってそれぞれ閉塞されており、そのシュート通路24の幅方向に対する直交方向(図8左右方向)両側が複数条の貫通スリット28,…,29,…を通じて開放されている。
【0068】
複数条の貫通スリット28,…,29,…は、第2シュート部23のシュート通路24内から外部へと貫通形成されており、これらの各貫通スリット28,29はいずれも、シュート通路24の連通方向に沿って、第2シュート部23の上端部から第2シュート部23の下端部に設けられている駐止ポジション11の直前まで連続形成されている(図5及び図7参照)。
【0069】
具体的には、第2シュート部23における搬送コンベア2の下流側に対向する周壁部(図8左側)に5条の貫通スリット28が、第2シュート部23における搬送コンベア2の上流側に対向する周壁部(図8右側)に3条の貫通スリット29が、それぞれ第2シュート部23の幅方向(図8の上下方向)に並設されている。
【0070】
ここで、第2シュート部23によれば、シュート通路24内をキャップ60が通過する場合、シュート通路24の周壁部のうち、5条の貫通スリット28の形成側がキャップ60の天面端61と対向され、3条の貫通スリット29の形成側がキャップ60の開口端62と対向される。そして、キャップ60の開口端62と対向する3条の貫通スリット29のうち、キャップシュータ6の幅方向中央にある1条の貫通スリット29は、第2シュート部23用のガイドスリット26として機能するものである。
【0071】
また、各貫通スリット28のうち隣り合うもの同士はシュート通路24の連通方向に連続した薄板状に形成されている複数の格子部材30,…によって仕切られており、各格子部材30間に円筒状のスペーサ31が介装されることで、各貫通スリット28の溝幅が一定に保持されている。一方、各貫通スリット29のうち隣り合うもの同士についてもシュート通路24の連通方向に連続した薄板状に形成されている複数の格子部材32,…によって仕切られており、各格子部材30間に円筒状のスペーサ33が介装されることで、各貫通スリット29の溝幅が一定に保持されている。
【0072】
更に、5条の貫通スリット28を仕切る4枚の格子部材30の内側端面と、それらに対向する3条の貫通スリット29を仕切る2枚の格子部材32の内側端面との間にはキャップ丈hより僅かに大きな隙間が設けられており、このことによって、第2シュート部23内には、キャップ60を駐止ポジション11へ向けて通過させるシュート通路24が確保されている。
【0073】
図2に戻ると、キャップシュータ6の先端部よりも搬送コンベア2の下流側にはキャップハンマー35が配設されており、このキャップハンマー35は、搬送コンベア2上に載置されて搬送移動されるボトル50のネック51上端面と対向配置されている。このキャップハンマー35は、空気圧シリンダ36によって鉛直方向へ出没されるものであり、その突出時にキャップ60の天面端61を衝打して、キャップ60の天面端61側の内面をネック51の上端面に密着させるものである。
【0074】
次に、上記のように構成されたキャップ冠着装置1の動作について説明する。まず、キャップホッパー5から駐止ポジション11へキャップ60を供給する場合、まず、キャップホッパー5にあるキャップ60がキャップシュータ6の上端部からシュート通路24内へ送られる。すると、キャップ60の舌片64がガイドスリット26に遊挿されて案内されながら、キャップ60が第1シュート部22及び第2シュート部23のシュート通路24内を通過して、駐止ポジション11へと滑落させられる。
【0075】
このとき、シュート通路24内を通過するキャップ60は舌片64がガイドスリット26に遊挿されたままシュート通路24内を通過するので、駐止ポジション11に供給されるキャップ60の姿勢は常にほぼ一定に保たれる。そして、キャップ60が第1シュート部22のシュート通路24内を通過する際に、殺菌灯27からの殺菌光線がガイドスリット26を通じてシュート通路24内を通過するキャップ60の開口端62側及び内周部63に照射され、キャップの開口端62及び内周部63に殺菌処理が施される。
【0076】
なお、シュート通路24内に駐止ポジション11からキャップホッパー5まで一列状に複数のキャップ60が列置されている状況下では、殺菌灯27の照射部27aに対向する位置にストックされている複数のキャップ60を同時に殺菌することもできる。
【0077】
シュート通路24を通過したキャップ60が駐止ポジション11に到達すると、キャップ60の開口端62が搬送コンベア2上流側に向けられた状態で、そのキャップ60が押圧部材12及びキャップ保持機構13によって駐止ポジション11で駐止される。その一方で、キャップ60が駐止されている駐止ポジション11へ向けて、ボトル50が搬送コンベア2によって搬送コンベア2の上流側から縦立姿勢で搬送されてくる。
【0078】
そして、ボトル50が搬送コンベア2の上流側から駐止ポジション11へ向けて接近すると、そのボトル50のネック51上端面が通過する移動経路上にあるキャップ60の開口端62に、そのボトル50のネック51の上端部が対向するように係合される。その後更に、ボトル50が搬送コンベア2により搬送方向下流側へ移動されると、そのネック51の上端部によってキャップ60が駐止ポジション11よりも搬送コンベア2下流側へ向けて押される。
【0079】
すると、キャップ60の天面端61が押圧部材12の外周面に圧接されながら、キャップ60が押圧部材12を支点として開口端62が下向きとなるように回転される。なお、このとき、キャップ60は押圧ローラ15との圧接によって、その押圧ローラ15ごと回転軸14を中心に回転される。このため、キャップ60の天面端61が押圧部材12と擦れて損傷することが抑制される。
【0080】
キャップ60が押圧部材12を支点として回転されると、そのキャップ60が押圧部材12とボトル50のネック51の上端部との間隙(間隔H)へと徐々に潜り込み、その結果、そのキャップ60が押圧部材12によってボトル50のネック51の上端部に徐々に押圧されて、キャップ60の開口端62内にボトル50のネック51の上端部が徐々に嵌入される。
【0081】
その後、更にキャップ60が回転されて押圧部材12の略直下まで潜り込むと、押圧部材12によるキャップ60の押圧が収束するとともに、キャップ60をネック51の上端部に冠着する動作も収束する。すると、ボトル50はキャップ60ごと押圧部材12の下方を擦り抜けて、押圧部材12よりも搬送コンベア2下流側へと更に搬送移動される。そして、キャップハンマー35の下方に到達すると、キャップハンマー35によってキャップ60の天面端61が衝打されて、その後、搬送コンベア2の下流側へ搬出される。
【0082】
一方、上記のようにしてキャップ60が冠着されたボトル50が押圧部材12を通過して更に搬送コンベア2下流側へ搬送されると、それまで駐止ポジション11にあったキャップ60がキャップシュータ6から離脱するため、キャップシュータ6のシュート通路24内にストックされている次のキャップ60が駐止ポジション11へ送られ、次のキャップ冠着動作の準備が行われる。
【0083】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、キャップサイズ、ボトルサイズ、又は、ボトル冠着装置の動作方法などについては、種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】(a)は、本実施例で使用するキャップの縦断面図であり、(b)は、ボトル及びそのボトルネックに冠着されたキャップの縦断面図であり、(c)は、キャップの背面図である。
【図2】本発明の一実施例であるキャップ冠着装置1の右側面図であり、キャップシュータを部分的に縦断面視したものである。
【図3】図2の部分的な拡大図である。
【図4】図3における矢印IV方向からの矢視図である。
【図5】図3における矢印V方向からの矢視図である。
【図6】図3のVI−VI線における端面図である。
【図7】キャップシュータの背面図である。
【図8】図8は、図3のVIII−VIII線における端面図である。
【符号の説明】
【0085】
1 キャップ冠着装置
2 搬送コンベア(搬送路)
5 キャップホッパー(キャップ供給装置の一部)
6 キャップシュータ(キャップ供給装置の一部)
11 駐止ポジション
12 押圧部材
14 回転軸
15 押圧ローラ
21,21 ガイド板
24 シュート通路
25,25 突出片
26 ガイドスリット(ガイドスリット、照射孔、貫通スリットの一部)
27 殺菌灯(殺菌灯装置)
27a 照射部(殺菌灯装置の照射部)
28,29 貫通スリット(貫通スリットの一部)
30,32 格子部材
50 ボトル
51 ネック(ボトルネック)
60 キャップ
61 天面端
62 開口端
64 舌片
d キャップ外径(キャップの外径)
h キャップ丈
P キャップの天面端における外径方向略中央部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦立姿勢のボトルのボトルネック上端部に有蓋無底筒状のキャップを冠着するキャップ冠着装置において、
縦立姿勢のボトルを搬送方向上流側から下流側へ搬送移動させる搬送路と、
その搬送路により搬送されるボトルのボトルネック上端面からキャップ丈未満の間隔を隔てた上方に配設され、その搬送路幅方向と軸方向が一致する棒状の押圧部材と、
その押圧部材よりも前記搬送路上流側に設けられ、その搬送路により搬送されるボトルのボトルネック上端面の移動経路上で、キャップの開口端を前記搬送路上流側に向けた状態で、そのキャップを駐止する駐止ポジションと、
その駐止ポジションから更に上方へ連通されるシュート通路を有して、そのシュート通路を通じて前記駐止ポジションへキャップを順次供給するキャップ供給装置とを備えており、
ボトルが前記搬送路上流側から前記駐止ポジションへ接近して前記押圧部材の下方を通過することによって、ボトルネック上端部がキャップの開口端に係合され、そのボトルネック上端部によってキャップの天面端が前記押圧部材の外周面に圧接されるものであることを特徴とするキャップ冠着装置。
【請求項2】
前記押圧部材は、その押圧部材の軸方向に向かう回転軸と、その回転軸の外周にその回転軸を中心として転動可能に周設される押圧ローラとを備えていることを特徴とする請求項1記載のキャップ冠着装置。
【請求項3】
前記押圧部材は、前記搬送路幅方向から矢視した場合に、前記駐止ポジションに駐止されているキャップの天面端における外径方向略中央部分に近設されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャップ冠着装置。
【請求項4】
前記駐止ポジション及び押圧部材における前記搬送路幅方向に平行に配設され、その駐止ポジションに駐止されているキャップの外径方向両側を規制する一対のガイド板を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のキャップ冠着装置。
【請求項5】
前記シュート通路は、キャップの天面端が前記搬送路下流側へ向けられた状態で、キャップを上方から前記駐止ポジションへ向けて通過させるものであり、
そのシュート通路の内壁面であってキャップの天面端に対向する部分には、そのシュート通路の連通方向に沿って設けられ、前記搬送路幅方向に間隔を隔てて薄板状に突設される2枚以上の突出片を備えており、
その2枚以上の突出片の先端面は、前記シュート通路を通過するキャップの天面端に近設されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のキャップ冠着装置。
【請求項6】
前記シュート通路の連通方向中間部であって、そのシュート通路におけるキャップの開口端との対向部分に、キャップの外径よりも幅狭な溝幅で前記シュート通路内から外部へと貫通形成されている照射孔と、その照射孔に対向して前記シュート通路の外部に配置され、その照射孔を通じて前記シュート通路内へ向けて殺菌光線を照射する殺菌灯装置とを備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のキャップ冠着装置。
【請求項7】
前記照射孔は、前記シュート通路の連通方向にキャップの外径の略2倍以上の長さを有する長溝状に形成されており、
前記殺菌灯装置における殺菌光線の照射部の長さはキャップの外径の略2倍以上であることを特徴とする請求項6記載のキャップ冠着装置。
【請求項8】
前記シュート通路におけるキャップの開口端との対向部分には、キャップの外径よりも幅狭な溝幅であって、そのシュート通路内から外部へと貫通形成され、そのシュート通路の連通方向に沿って前記駐止ポジションまで連続形成されているガイドスリットが設けられており、
前記キャップ供給装置は、そのガイドスリットよりも幅狭の舌片が開口端縁から所定長さ延出されているキャップを前記駐止ポジションへ順次供給するものであって、そのキャップが前記シュート通路を通過する場合に、そのキャップの舌片が前記ガイドスリットに遊挿されることによって案内移動されるものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のキャップ冠着装置。
【請求項9】
前記ガイドスリットは、請求項5記載の前記照射孔として兼用されるものであることを特徴とする請求項8記載のキャップ冠着装置。
【請求項10】
前記シュート通路は、前記駐止ポジションよりの一部範囲であってキャップの天面端に対向する部分、及び、キャップの開口端に対向する部分に、そのシュート通路の連通方向に連続して前記搬送路幅方向に並設され、そのシュート通路内から外部へと貫通形成されている複数条の貫通スリットと、その複数条の貫通スリットのうち隣り合うもの同士を仕切るように前記シュート通路の連通方向に連続形成されている複数の格子部材とを備えていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のキャップ冠着装置。
【請求項11】
前記複数条の貫通スリットのうち少なくとも1条の貫通スリットは、請求項6又は7に記載の前記ガイドスリットとして兼用されるものであることを特徴とする請求項10記載のキャップ冠着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−230605(P2007−230605A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−54330(P2006−54330)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(505447696)日本ピュアウォーター株式会社 (9)
【Fターム(参考)】