説明

キャップ

【課題】上蓋の開封操作により開口予定部の除去が可能で、除去された開口予定部が上蓋から離脱することのないキャップにおいて、リシール時に容器を振盪しても、内容液が上蓋と注出用ノズル間の空間内に侵入することがなく、キャップ内が内容液で汚れることがないキャップを提供する。
【解決手段】上蓋天面内面には、インナーリングよりも内側に上蓋側環状壁15、及び開口予定部の上面には上方に延びる中栓側環状壁がそれぞれ形成されており、該上蓋側環状壁の内面又は外面、及び中栓側環状壁の外面又は内面には、上下方向に係合可能な係合用突起及び開栓方向に上蓋を旋回したときに周方向に係合可能な第1の係合部材及び第2の係合部材がそれぞれ形成されているキャップにおいて、前記中栓の開口予定部24の下面外周部には、外方且つ下方に延びる可撓性の環状突起32が形成されており、該環状突起の先端における外径が、破断可能な弱化線の径よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上蓋の開封操作により、開口予定部の除去が可能であると共に、除去された開口予定部が上蓋から離脱することのないキャップに関するものであり、より詳細には、ドレッシングのように振ってから使用する内容液に使用した場合にも、内容液が上蓋と中栓の間の空間内に漏洩することが有効に防止されているキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、容器口部に嵌合固定され、その頂板部に開口予定部を有する中栓と、この中栓を覆う上蓋から成るキャップは、液密性、注出性に優れていることから液状の内容物を収納する用途に用いられている。
このタイプのキャップにおいては、最初にキャップを開封する際に、まず上蓋を容器口部から取り外し、次いで破断可能な弱化部により区画された開口予定部に形成されたプルタブを引き上げて、破断可能な弱化部を破断して開口予定部を取り除くことにより、注出用開口が形成されて、内容液の取出しが可能となる。従って、内容液の取出しまでに2工程必要であり、しかも取り除かれた開口予定部を廃棄する必要もあるため、ワンステップで開口形成が可能で、しかも不要部分を廃棄する必要のないキャップが求められている。
【0003】
このような問題を解決するために本出願人は、上蓋と、開口予定部が形成されて成る容器口部に嵌合固定される中栓とから成るキャップにおいて、上蓋の頂板部内面及び中栓の開口予定部にそれぞれ環状壁が形成されており、それぞれの環状壁には、上蓋及び中栓が上下方向に係合可能な係合用突起及び開栓方向に上蓋を旋回したときに上蓋及び中栓が周方向に係合可能な複数個の係合部材が形成されたキャップを提案していた(特許文献1)。 このキャップにおいては、上蓋を開栓方向に旋回させると、上蓋の頂板部内面及び中栓の開口予定部のそれぞれの環状壁に形成された係合部材が係合すると共に、上蓋の上昇に伴って係合用突起が上下方向に係合するため、中栓の開口予定部の環状壁が引き上げられ、その結果、周方向の剪断力及び上下方向の引っ張り力が開口予定部を区画する破断可能な弱化線に作用して、弱化線を容易に破断することが可能となって、注出用開口を確実に形成することができる。また破断された開口予定部は、中栓から取り除かれた後は上蓋と一体になって離脱しないため、取り除かれた開口予定部を廃棄する必要もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−308218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したキャップにおいては、開口予定部を取り除き注出用開口を形成した後、リシールした場合、インナーリング及び注出用ノズルが圧着することにより容器の液密性が確保されているが、中栓から取り除かれた後、上蓋と一体となった開口予定部は、再び注出用開口を閉塞することはなく、上蓋及び注出用ノズルで形成される空間内に内容液が侵入し、上蓋を開いたときに当該部分に内容液が溜まり或いは付着して、見た目が悪いという問題があった。
従って本発明の目的は、上蓋の開封操作により、開口予定部の除去が可能であると共に、除去された開口予定部が上蓋から離脱することのないキャップにおいて、リシ−ル時に内容液が上蓋及び注出用ノズルで形成される空間内に侵入することがなく、特にドレッシングのように使用前に容器を振盪して内容液を混合する必要がある内容物に適用した場合、リシール時に容器を振盪しても、上蓋及び注出用ノズルで形成される空間内が内容液で汚れることがないキャップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、天面と該天面外周部から垂下する周状側壁とから成り、該周状側壁の内面に螺子が形成されていると共に、天面内面にはインナーリングが形成されて成る上蓋と、頂板部と該頂板部外周縁から垂下するスカート部から成り且つ該頂板部中央部に注出用ノズルが形成され、該注出用ノズルよりも内側に破断可能な弱化線により区画された開口予定部が形成されて成る容器口部に嵌合固定される中栓とから成り、前記上蓋天面内面には、インナーリングよりも内側に上蓋側環状壁、及び前記開口予定部の上面には上方に延びる中栓側環状壁がそれぞれ形成されており、該上蓋側環状壁の内面又は外面、及び中栓側環状壁の外面又は内面には、上下方向に係合可能な係合用突起及び開栓方向に上蓋を旋回したときに周方向に係合可能な第1の係合部材及び第2の係合部材がそれぞれ形成されているキャップにおいて、前記中栓の開口予定部の下面外周部には、外方且つ下方に延びる可撓性の環状突起が形成されており、該環状突起の先端における外径が、前記破断可能な弱化線の径よりも大きいことを特徴とするキャップが提供される。
【0007】
本発明のキャップにおいては、
1.開封前の状態において、上蓋側環状壁の下端と中栓の間に間隙が形成されていること、
2.上蓋をリシールしたときに、可撓性環状突起の内面が、中栓に形成された開口の端部上面と接触すると共に、上蓋側環状壁下端で開口予定部を押圧することにより、可撓性環状突起を注出用開口の端部上面に圧着させること、
3.中栓の注出用ノズルよりも外周側には、上蓋の周状側壁内面に形成された螺子と係合する螺子部を有する環状側壁が形成されていること、
4.上蓋の周状側壁内面に形成された螺子が、容器口部の螺子と係合し、前記上蓋の周状側壁の下端には、破断可能な弱化部を介して容器口部と係合するタンパーエビデントバンドが一体に成形されていること、
が好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のキャップにおいては、内容液取出しのための開口を形成する際に、中栓から取り除かれる開口予定部の下面外周部に、外方且つ下方に延びる可撓性の環状突起であって、その先端における外径が、破断可能な弱化線の径、すなわち開口端縁の径よりも大きい可撓性の環状突起が形成されていることにより、開口予定部を取り除き一旦開封した後、リシールした状態で、開口予定部が開口を覆うと共に、この可撓性環状突起が中栓の開口端縁上面と圧着するため、開口を隙間を形成することなく完全に閉塞することができる。しかも上蓋側環状壁の下端が、可撓性環状突起と中栓の開口端縁上面が接触する部分を押圧するため、可撓性環状突起と中栓の開口端縁上面の圧着が維持されており、容器を上下或いは左右に振っても、内容液が上蓋及び注出用ノズルで形成される空間内に侵入することがなく、キャップ内が内容液で汚れてしまうことが有効に防止されている。
【0009】
また、最初に上蓋を開封する際に自動的に中栓に注出用開口を形成することができるため、上蓋を取外した後に、注出用開口の形成を行う必要がなく、ワンステップでの開栓操作が可能であると共に、中栓から取り除かれた開口予定部は、上蓋と一体になって上蓋から離脱しないため、取り除かれた開口予定部を改めて廃棄する必要もないという利点もある。
更に係合部材による周方向の係合と、係合用突起による上下方向の係合によって、弱化線に周方向の剪断力と上方向の引っ張り力を作用させることが可能となり、開口予定部を区画する弱化線の破断を容易且つ確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のキャップを構成する上蓋の一例を示す図であり、(A)側断面図、(B)は底面図である。
【図2】本発明のキャップを構成する中栓の一例を示す図であり、(A)は上面図、(B)は側断面図、(C)は底面図である。
【図3】図1に示す上蓋及び図2に示す中栓を組み合わせてなるキャップを、容器口部に適用した状態を示す側断面図である。
【図4】図3に示すキャップを開封する状態を示す側断面図である。
【図5】図3に示すキャップをリシールする状態を示す側断面図である。
【図6】図3に示すキャップがリシールされた状態を示す側断面図である。
【図7】本発明のキャップの他の態様を説明するための一部拡大断面図である。
【図8】図3のX部分を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のキャップを添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、全体を1で示す上蓋は、天面10と天面10の外周部から垂下する周状側壁11、及び周状側壁11よりも外側に位置し、周状側壁11及び中栓2を外側から覆う外側壁12、及び周状側壁11よりも内側に位置し、後述する中栓の注出用ノズル内面と圧着するインナーリング13とから成っている。周状側壁11の内面には、後述する中栓2と螺子係合する螺子部14が形成されている。さらに周状側壁11の下端面には90度の角度範囲に渡って延在する4個の被制限部18が形成されている。被制限部18の各々の下面は上蓋1の閉回転方向に向かって漸次下方に傾斜せしめられており、被制限部18の各々の、実質上鉛直に延びる被制限端面19が規定されている。
本発明のキャップにおいては、インナーリング13よりも内側に、上蓋側環状壁15が形成されていることが重要な特徴であり、この上蓋側環状壁15はその上部内面に、後述する中栓2と上下方向に係合する環状の係合用突起16が形成されていると共に、その下部内面に、後述する中栓2と周方向に係合する第1の係合部材17が複数個形成されている。
【0012】
また図2に示すように、全体を2で示す中栓は、頂板部20と頂板部20の外周縁から垂下するスカート部21から成り、頂板部20の外面中央部には注出用ノズル22が形成され、この注出用ノズル22よりも内側に破断可能な弱化線23により区画された開口予定部24が形成されている。また頂板部20の外面の注出用ノズル22よりも外側には、上蓋1との係合部となる螺子部25が形成された環状側壁26が形成されている。更にスカート部21の下部内面には後述する容器口部の係合突起と係合し、中栓2を容器口部4に嵌合固定する、環状の係合突起27が形成されている。また頂板部20の内面側には容器口部内面に圧着し液密性を確保するシ−ル筒部28が形成されている。
開口予定部24の上面側には中栓側環状壁29が形成されており、この中栓側環状壁29の外周側上部には、上蓋1の上蓋側環状壁15の環状の上蓋側係合用突起16と上下方向に係合可能な環状の中栓側係合用突起30が形成されていると共に、中栓側環状壁29の外周側下部には、上蓋側環状壁15の第1の係合部材17と周方向に係合可能な第2の係合部材31が複数個形成されている。
更に開口予定部24の下面側には、破断可能な弱化線23の近傍から外方且つ下方に延びる可撓性の環状突起32が形成されている。頂板部20の上面外周面部(環状側壁26よりも半径方向外側の領域)には、周方向に90度の角度範囲に渡って延びる4個の弧状制限部35が形成されている。制限部35の各々の上面は上蓋1の閉回転方向に向かって下方に傾斜せしめられており、制限部35の各々の、上蓋1の閉回転方向上流端には実質上鉛直に延びる制限端面36が規定されている。中栓2の頂板部20の上面外周縁部に形成されている制限部35の制限端面36が上蓋1の周状側壁11の下端面に形成されている被制限部18の被制限端面19に対向して位置し、これによって中栓2に対して上蓋1が閉方向に若干の遊びを越えて回転することが阻止される。
【0013】
図3は、上述した上蓋1及び中栓2の組合せから成る本発明のキャップを容器口部4に適用した状態を示す図であり、この容器口部4は外周面に、中栓2のスカート部21の内面下部に形成された係合突起27と係合する係合突起40が形成されている。
図3に示すように、弱化線23が破断されていない未開封の状態において、中栓2は、シ−ル筒部28が容器口部4の内周面と圧着すると共に、中栓のスカート部21の内面下部に形成された係合突起27が、容器口部4の外周面に形成された係合突起40と係合することによって、容器口部に強固に嵌合されており、注出用開口が形成されるまでは液密性が保たれている。
上蓋1は、周状側壁11の螺子部14が中栓の環状側壁26に形成された螺子部25と係合すると共に、インナーリング13が中栓2の注出用ノズル22の内面と圧着している。
【0014】
図4から明らかなように、上蓋1が開栓方向に旋回されると、上蓋1の旋回に伴い、上蓋側環状壁15に形成された第1の係合部材17と、中栓側環状壁29に形成された第2の係合部材31が周方向に係合し、開口予定部24を区画する弱化線23が破断される。弱化線が完全に破断され、上蓋1が上昇すると、中栓側環状壁29の係合用突起30と上蓋1の上蓋側環状壁15の係合用突起16が上下方向に係合するため、中栓2から離脱された開口予定部24は、上蓋1と一体となって中栓2から取り除かれ、上蓋の開封操作のみで注出用開口33の形成までを確実に行うことが可能となる。
【0015】
図5及び図6は、このようにして一旦開封されたキャップがリシールされる状態を説明するための図である。図5に示すように、上蓋1が閉栓方向に旋回されると、上蓋側環状壁15が開口予定部24の上面に当接して、開口予定部24は注出用開口33に嵌合する方向に移動する。この際、可撓性環状突起32は上蓋側環状壁15の下端15aに押圧されて、中栓の開口端部の上面34に圧着し、開口予定部24の下方への移動に伴って先端が斜め上方に位置するように変形する。
図6に示すように、上蓋の旋回が完全に終了した状態では、開口予定部24は、中栓の注出用開口33を完全に覆っていると共に、開口予定部24と開口端部の上面34の間で可撓性環状突起32がパッキンとして機能するため、隙間が形成されず、注出用開口33を確実に閉塞することが可能となる。このため、リシールされた状態で容器を上下或いは左右方向に振盪しても、注出用開口から内容液が漏洩することを有効に防止できる。
尚、このように可撓性環状突起32が上蓋側環状壁15及び開口端部の上面34の間で両者に圧着して隙間の形成を防止すると共に、上蓋を確実に閉栓位置まで旋回させるためには、後述するように、図3に示す開封前の閉栓位置において、上蓋側環状壁15の下端15aと、中栓2の開口予定部24の上面24aの間には、間隙を形成しておくことが望ましい。ここで開封前の閉栓位置とは中栓2の頂板部20の上面外周縁部に形成されている制限部35の制限端面36が上蓋1の周状側壁11の下端面に形成されている被制限部18の被制限端面19に対向する位置に相当する。
【0016】
本発明のキャップは、図1乃至6に示した態様に限定されず、種々の変更が可能である。
図7は、本発明のキャップの他の態様を説明するための一部側断面図であり、この態様のキャップは、上蓋の周状側壁に螺子部が形成されず、上蓋1の外側壁12の内面に螺子部14が形成され、この螺子部14が容器口部4に形成された螺子部41と係合する以外は、前述した本発明のキャップと同じである。
この態様のキャップにおいては、外側壁12の下端に破断可能な弱化部51を介して内面に第3の係合部材52を有するタンパーエビデントバンド5を一体的に形成することが好ましく、これにより、開封に際して開栓方向に上蓋を旋回することにより、第3の係合部材52が容器口部に形成された第4の係合部材42と係合することにより、弱化部51が破断され、タンパーエビデントバンド5が容器口部に残ることによって、一旦開封されたものであることを明示することが可能になる。
【0017】
図3のX部分を拡大して示す図8において、本発明においては、前述した通り、開口予定部24の下面に形成される可撓性環状突起32の先端32aにおける外径D1が、破断可能な弱化線23の径D2、すなわち注出用開口の径よりも大きいことが重要であり、これにより、リシール時に可撓性環状突起32が開口端部上面34に圧着し、開口予定部24で注出用開口33を隙間が生じることなく閉塞することが可能になる。
破断可能な弱化線の径D2に対する可撓性環状突起の先端における外径D1は、可撓性環状突起の厚み等によって一概に規定できないが、0.3≦D1−D2≦3の範囲にあることが、開口予定部の引き上げ易さ、すなわち開封性と、リシール時の開口予定部による液密性の確保の両方の面から望ましい。
また本発明においては、前述した通り、開封前の閉栓位置において、上蓋側環状壁15の下端15aと中栓2の頂板部20の間、図3及び図8に示した具体例では、上蓋側環状壁15の下端15aと開口予定部24の上面の中栓側環状壁29の外側24aの間に間隙Lが形成されていることが好適である。この間隙Lの距離は、開口予定部の厚み、可撓性環状突起の厚み及び長さ等によって一概に規定できないが0.2≦L≦1の範囲にあることにより、上蓋側環状壁により可撓性環状突起を確実に押圧し、注出用開口を開口予定部で隙間なく閉塞し得る点で望ましい。
ここで開封前の閉栓位置とは中栓2の頂板部20の上面外周縁部に形成されている制限部35の制限面36が外蓋1の周状側壁11の下端面に形成されている被制限部18の被制限面19に対向する位置に相当する。
【0018】
更に図1〜6に示した上記具体例においては、上蓋側環状壁に形成された第1の係合部材が、上部が環状壁に連続し、周方向の先端が開栓方向に向くフラップ片から成ることにより、キャッピングの際の抵抗を軽減することが可能であるが、同様の効果を有するものとして、上蓋側環状壁の下部に段差部と段差部から下方に延びる薄肉部が形成され、この段差部及び薄肉部の外周面に連続し、周方向の先端が開栓方向に向かって外方に延びるフラップ片を設けてもよい。また勿論、従来公知の係合機構を採用することもできる。
また上蓋及び中栓にそれぞれ形成された環状壁において、上蓋側環状壁の外側面及び中栓側環状壁の内側面にそれぞれ第1の係合部材及び第2の係合部材が形成されていたが、勿論、上蓋側環状壁の内側面及び中栓側環状壁の外側面にそれぞれ第1の係合部材及び第2の係合部材が形成されていてもよい。
更に中栓に形成された破断可能な弱化線の形状も、具体例のように円形のものに限定されず、従来公知の形状を採用することができる。
【0019】
本発明のキャップは、上蓋及び中栓をそれぞれ、従来プラスチックキャップに用いられていたポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂を用いて、射出成形等の従来公知の成形法により成形し、これを組み合わせることにより作製することができる。
本発明のキャップを容器口部に適合する場合には、中栓の弱化線23の破損の有無を検査した後、中栓及び上蓋を予め組み合わせ、これらを一体に容器口部にキャッピングすることが、好ましい。また、中栓を先に容器に取り付けた後に上蓋を取り付けることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のキャップは、注出用開口を形成した後、リシール時に容器を上下或いは左右に振盪しても、上蓋及び注出用ノズルで形成される空間内が内容液で汚れることが有効に防止されているため、使用前に容器を振盪して内容液を混合することが必須のドレッシング等の容器に適用されるキャップとして有効に利用できる。
【符号の説明】
【0021】
1 上蓋、2 中栓、4 容器口部、10 天面、11 周状側壁、12 外側壁、
13 インナーリング、14 螺子部、15 上蓋側環状壁、16 上蓋側係合用突起、17 第1の係合部材、20 頂板部、21 スカート部、22 注出用ノズル、23 破断可能な弱化線、24 開口予定部、25 螺子部、26 環状側壁、27 係合突起、28 シ−ル筒部、29 中栓側環状壁、30 中栓側係合用突起、31 第2の係合部材、32 可撓性環状突起、33 注出用開口、34 開口端部上面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面と該天面外周部から垂下する周状側壁とから成り、該周状側壁の内面に螺子が形成されていると共に、天面内面にはインナーリングが形成されて成る上蓋と、頂板部と該頂板部外周縁から垂下するスカート部から成り且つ該頂板部中央部に注出用ノズルが形成され、該注出用ノズルよりも内側に破断可能な弱化線により区画された開口予定部が形成されて成る容器口部に嵌合固定される中栓とから成り、前記上蓋天面内面には、前記インナーリングよりも内側に上蓋側環状壁、及び前記開口予定部の上面には上方に延びる中栓側環状壁がそれぞれ形成されており、該上蓋側環状壁の内面又は外面、及び中栓側環状壁の外面又は内面には、上下方向に係合可能な係合用突起及び開栓方向に上蓋を旋回したときに周方向に係合可能な第1の係合部材及び第2の係合部材がそれぞれ形成されているキャップにおいて、
前記中栓の開口予定部の下面外周部には、外方且つ下方に延びる可撓性の環状突起が形成されており、該環状突起の先端における外径が、前記破断可能な弱化線の径よりも大きいことを特徴とするキャップ。
【請求項2】
前記上蓋側環状壁の下端と中栓の間に間隙が形成されている請求項1記載のキャップ。
【請求項3】
前記可撓性環状突起の内面が、上蓋をリシールしたときに、前記中栓に形成された開口の端部上面と接触すると共に、前記上蓋側環状壁下端で開口予定部を押圧することにより、可撓性環状突起を開口端部上面に圧着させる請求項1又は2記載のキャップ。
【請求項4】
前記中栓の注出用ノズルよりも外周側には、上蓋の周状側壁内面に形成された螺子と係合する螺子部を有する環状側壁が形成されている請求項1乃至3の何れかに記載のキャップ。
【請求項5】
前記上蓋の周状側壁内面に形成された螺子が、容器口部の螺子と係合し、前記上蓋の周状側壁の下端には、破断可能な弱化部を介して容器口部と係合するタンパーエビデントバンドが一体に成形されている請求項1乃至3の何れかに記載のキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−43691(P2013−43691A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184748(P2011−184748)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000228442)日本クラウンコルク株式会社 (382)
【Fターム(参考)】