説明

キャビネット

【課題】本発明は、通信・電子機器を収納するキャビネットからの騒音を減衰させることを目的としている。
【解決手段】本発明に係るキャビネットは、キャビネット1に設けた排気口2に換気用ファン3を取り付け排気させると共に、換気用ファン3を排気可能であるカバー4で被覆し、カバー4内側には吸音材を設け、キャビネット1から発生する騒音が排気と共に外部へ排出されるまでに吸音材により吸収させ減衰させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部の温度上昇を抑えるために排気装置を設けた、通信機器・電子機器を収納するキャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、通信技術の進歩により使用する機器が増え、キャビネット21に密集させるため、キャビネット21内の温度が上昇しがちである。そこで、排気するため排気口22を設け、換気ファン23を取り付けたりして、温度上昇を抑制している。
【0003】
従来、騒音対策としては、換気ファン23の回転数を落とし騒音の発生を抑えたり、換気ファン23をモーター音の少ないものを選定したりしていたが、キャビネット21の構造での対策はされていなかった。
【非特許文献1】カワムララックカタログNO.10 2006年6月1日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
機器からの騒音や、換気ファン23が発する騒音は、機器がキャビネット21に集約されていると特に大きく、排気口22から排気と共に排出されていた。また、その機器の騒音はキャビネット21に共振してさらに増幅することもあり、オフィスなどの静かな環境では、問題となることが多かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、通信・電子機器を収納するキャビネットからの騒音を減衰させることを目的とし、その構造は、キャビネットに設けた排気口に換気用ファンを取り付け排気させると共に、換気用ファンを排気可能であるカバーで被覆し、カバー内側には吸音材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係るキャビネットは、キャビネットに設けた排気口に換気用ファンを取り付け排気させると共に、換気用ファンを排気可能であるカバーで被覆し、カバー内側には吸音材を設けたため、通信機器に設けられたファンから発生される騒音と共に、キャビネットに設けられたファンから発生される騒音を減衰させることができ、静かな環境での設置にも支障がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係るキャビネットの実施例を図1〜図3の添付図面に基づいて説明する。
【0008】
近年の情報化により、オフィスに使用される通信機器、電子機器は増加している。通信機器類はケースに収納され、複数のケースをキャビネットに集約して設置されることが多いが、数量や密度により、キャビネット1内の温度上昇が問題のひとつとなっている。通信機器類を収めたケースには、それぞれファンが設けられていて、通信機器類から発せられた熱気はファンの動作でケース外に排気されることにより、キャビネット1全体で温度が上昇する。キャビネット1全体の温度上昇を解決するための手段として、キャビネット1に排気口2を設け、換気用ファン3を取り付け換気をする方法がとられている。
【0009】
ところが、ファンを動作させるとモーター音が響いたり、ファンの風を切る音が発生したりすることがあり、排気と一緒に騒音もキャビネット1の外に排出されていた。そこで今回、排気口2にカバー4を取り付けて騒音を減衰させることにした。
【0010】
キャビネット1には排気口2を設け、排気口2には換気用ファン3を取り付ける。換気用ファン3の排気部5を被覆し、換気用ファン3からの排気が間接的に排出できる通気口6を設けた第一のカバー4aを取り付ける。さらに、第一のカバー4aを被覆する第二のカバー4bを取り付け、第一のカバー4a同様に、第一のカバー4aからの排気が間接的に排出できる排出口7を設ける。第一のカバー4a、第二のカバー4b共に、内側壁面には吸音材8を設ける。吸音材8は、発泡材が挙げられる。
【0011】
図2において、第一のカバー4aには側面に通気口6が設けられる。第二のカバー4bには上面側に排出口7が設けられる。機器から発生される騒音はキャビネット内部から換気用ファン3により排出され、まず、第一のカバー4aの上面内側の吸音材8に吸収され、それから左右の内側に吸音材8に吸収され通気口6から排出される。第二のカバー4bの側面内側の吸音材8に吸収され、最終的に排出口7からキャビネット1の外部へ排出される。図3の構造では、換気用ファン3で排出された騒音は、4回吸音材8とぶつかるため、最終、キャビネット1の外部へ出るときまでにはほとんど吸収され、騒音が目立たなくなる。
【0012】
排気口2の設置位置は、図1のように天井面に限定されるものではなく、キャビネット1の背面や側面に設けることも可能であるが、天井面に設けたほうが、騒音を感じるヒトからの距離も離れているということ、カバーが重力に従って取り付けられるということから、騒音レベルが下がる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
キャビネット内で発生した騒音は換気用ファンによる排気と共に、キャビネット外部へ放出されやすく、騒音の流れる方向が限定され、一箇所の集まった騒音がキャビネット外部へ出るところで吸音するので、効率よく騒音を減衰できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】キャビネットの実施例を示す斜視図である。
【図2】図1における要部拡大図である。
【図3】キャビネットの排気口部分の断面図である。
【図4】従来のキャビネットを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0015】
1 キャビネット
2 排気口
3 換気用ファン
4a 第一のカバー
4b 第二のカバー
5 換気用ファン
6 通気口
7 排出口
8 吸音材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の温度上昇を抑えるために排気装置を設けた、通信機器・電子機器を収納するキャビネットであって、該キャビネットに設けた排気口に換気用ファンを取り付け排気させると共に、該換気用ファンを排気可能であるカバーで被覆し、該カバー内側には吸音材を設けたことを特徴とするキャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−263134(P2008−263134A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106117(P2007−106117)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】