説明

キャラクタ育成ゲームプログラム

【課題】ユーザーが入力したコマンドに対してキャラクタの反応,対話や行動が常に変化するようにキャラクタを成長させるキャラクタ育成ゲームプログラムを提供する。
【解決手段】キャラクタ育成ゲームプログラム10は、ASPページ45と、ゲームに必要なデータを保存管理するゲームデータベース51と、端末に応じてデータ形式を変換する機能を有する変換データベース71とを備えている。ASPページ45は、ゲーム画面を作成するゲーム画面作成手段11と、ユーザからのコマンドを入力するコマンド入力手段12と、前記コマンドをゲームデータベース51に送信する送信手段13と、ゲームデータベース51に前記コマンドを保存する保存手段14と、人工知能を利用して前記コマンドに基づいて電子ペットをユーザに酷似させる電子ペット制御手段15とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータで実行されるゲームプログラムに関し、ユーザーが入力するコマンドによりゲーム中のキャラクタが成長するキャラクタ育成ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このようなキャラクタ育成ゲームプログラムの一例として特許文献1に開示されるものがある。この特許文献1に開示されるプログラムでは、電子ペットの飼い主であるユーザーは、チャット操作を利用し、コマンドを入力することにより電子ペットを育成することができる。ユーザーが入力したコマンドは、サーバーに送信されコマンド解析される。サーバーには、そのコマンドとコマンドに対応する電子ペットが行う動作、例えば、コマンド“跳”に対しての動作“その場で跳ねる”といった対応関係が記録されたテーブルが保存されており、当該コマンド解析結果を基に、電子ペットがダンスなどの芸を行う。
【特許文献1】特開平11−212934号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の技術では、電子ペットとしての行動に限界が生じ、固定した型にはまって独創性と新鮮さを失うようになる傾向(マンネリ化)を引き起こすという問題があった。電子ペットの動作は、サーバーに格納された前記テーブルにより定義されるが、予めテーブルに設定された動作パターンの数には限界がある。そのため、電子ペットに一通りの動作をさせた段階でユーザーが飽きてしまう虞がある。
【0004】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、ユーザーが入力したコマンドに対してキャラクタの反応,対話や行動が常に変化するようにキャラクタを成長させることにより、マンネリ化を防ぐことが可能となったキャラクタ育成ゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明における請求項1のキャラクタ育成ゲームプログラムは、コンピュータを、ユーザが仮想空間内で育成されるキャラクタと対話するためのコマンドを入力するコマンド入力手段、入力された前記コマンドを解析し、当該解析結果に応じて前記コマンドに対する回答をデータベースから検索して前記キャラクタに対話させると共に、前記コマンドの内容を学習し、当該学習から得られた前記ユーザの特徴を前記キャラクタの態度に反映していくキャラクタ制御手段、として機能させる。
【0006】
このようにすると、ユーザーが入力したコマンドに対してキャラクタの反応、対話や行動が常に変化し、徐々にユーザーの個性を反映させながらキャラクタを成長させることができる。
【0007】
本発明における請求項2のキャラクタ育成ゲームプログラムは、請求項1の構成に加え、コンピュータを、前記キャラクタを携帯端末上で表示可能なデータに変換するデータ変換手段として機能させる。
【0008】
このようにすると、ユーザは携帯端末上でキャラクタを表示することが可能となる。
【0009】
本発明における請求項3のキャラクタ育成ゲームプログラムは、請求項2の構成に加え、コンピュータを、前記キャラクタを表示するデータを前記データ変換手段を介して前記携帯端末に送信し、当該携帯端末と通信することによりこの携帯端末上にユーザが育成したキャラクタを再現させるキャラクタ配信手段として機能させる。
【0010】
このようにすると、ユーザは携帯端末を利用してキャラクタを育成することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1によると、キャラクタの挙動に対するマンネリ化を防ぐことが可能となる。
【0012】
本発明の請求項2及び3によると、携帯端末の可動性を利用することにより口コミによる宣伝効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明におけるキャラクタ育成ゲームプログラムの好ましい実施例を説明する。
【0014】
本発明のキャラクタ育成ゲームプログラムでは、ユーザーが入力したコマンドに対してキャラクタの反応、対話や行動が常に変化する。またキャラクタはユーザーが入力した対話の内容を覚えていき、徐々にユーザーの個性がキャラクタに反映されていく。例えば、ユーザとの対話を重ねるにつれ、キャラクタの話し方,生活習慣,性格などがユーザーのそれに近似していったり、キャラクタに予め設定された性格等がユーザーのしつけ(調教)により変化していったりなどする。またミッションというゲーム中のイベントがあり、このミッションをクリアすることによって、キャラクタが成長していく。キャラクタが成長していくと、動作、対話がさらに変化していく。すなわち、本発明では人工知能機能を搭載することで、従来の技術のようなマンネリ化を防ぐことが可能となった。
【0015】
以下に説明する実施例では、動物を擬人化した電子ペットを育成対象キャラクタとしているが、動物以外にも例えば人間,植物,ロボットなど様々なバリエーションが考えられる。
【0016】
図1は、本発明の一実施例におけるキャラクタ育成ゲームシステムの全体構成図である。ゲームシステム1は、ユーザー側の端末装置としてのクライアント2及び携帯端末3と、サービス運営会社側のサーバー4とを、通信回線としてのインターネット5で相互接続して構成される。
【0017】
クライアント2は例えばパーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータからなり、携帯端末3は例えばアプリケーション機能付き携帯電話などであり、ユーザーはこれらを直接操作してゲームを楽しむ。従って、クライアント2及び携帯電話3は、ゲームの操作や画面表示を可能とするために、少なくとも、コマンドを入力するための例えばキーボードやマウスなどの操作入力手段と、ゲーム画面を表示するための例えばディスプレイ装置などの表示手段と、ゲームに必要なデータを保持するための例えばハードディスクや半導体メモリなどの記憶手段と、インターネット5を通じてサーバー4とデータ通信するための例えばモデムなどの通信手段と、各構成手段を有機的に結合してゲームに必要な情報処理を行なうための例えばCPU(中央演算処理装置)などの情報処理手段とを備えている。
【0018】
サーバー4は例えばワークステーションなどの高性能コンピュータからなり、クライアント2や携帯端末3からの要求(要請)に応じてゲームの処理結果を返答(返事)する。従って、サーバー4は、クライアント2や携帯端末3におけるゲームの操作入力に応じてゲームを進行させるために、少なくとも、インターネット5を通じてクライアント2及び携帯端末3とデータ通信するための例えばモデムなどの通信手段と、ゲームに必要なデータを保持,保存するための例えばハードディスクや半導体メモリなどの記憶手段と、各構成手段を有機的に結合してゲームに必要な情報処理を行なうための例えばCPUなどの情報処理手段とを備えている。
【0019】
本実施例におけるキャラクタ育成ゲームシステムは、グラフィカルユーザーインターフェースを用いて、ユーザーが電子ペットとネットワーク経由で対話式に会話をしながら電子ペットを育成することが可能なゲームシステムであり、対話を重ねる毎に電子ペットはその対話の特徴を覚えていき、ユーザーと性格や、話し方が似てくることを特徴としている。
【0020】
図2は、キャラクタ育成ゲームシステムを構成するために、主にサーバー4上で実行されるキャラクタ育成ゲームプログラムの機能構成を示すブロック図である。
【0021】
当該キャラクタ育成ゲームプログラム10は、ゲームの制御に関する情報処理を行なうASPページ45と、ゲームに必要なデータを保存管理するゲームデータベース51と、クライアント2等のコンピュータ上で取り扱うデータを携帯端末3で取り扱うことが可能なデータ形式へ変換する機能を有する変換データベース71とを備えている。
【0022】
ゲームデータベース51では、例えば、クライアント2の画面上で表示するための電子ペット画像,背景画像,アイテム画像,操作ボタン画像,メッセージウィンドウ画像等のゲーム画面を表示するために必要な画像(アニメーションを含む)や、BGMや効果音等のゲーム音楽や、電子ペットの対応(セリフ,動作等)や、ユーザーの特徴などに関するデータが保存管理される。
【0023】
変換データベース71は、育成された電子ペットを携帯端末3に送信して表示可能とするために、例えば電子ペットに関する画像やゲーム音楽などのデータを携帯端末3で表示可能なデータ形式に変換して管理,保存するプログラムを実装している。
【0024】
ASPページ45は、クライアント2又は携帯端末3の要求に応じて、インターネット5を通じて処理結果を送信する機能を主機能とするプログラムであり、クライアント2のブラウザからデータを受け取ってファイルに記録したり、データベースと連携した動的なWebページを作成したりすることができる。本実施例のASPページ45は、電子ペットをアニメーション表示すると共に、ユーザーがコマンド入力を行うことにより電子ペットを仮想的に育成することが可能なゲーム画面を表示するWebページを作成するゲーム画面作成手段11と、ユーザが電子ペットと対話する又は電子ペットにミッションを与えるためのコマンドを入力するコマンド入力手段12と、前記コマンドをゲームデータベース51に送信する送信手段13と、ゲームデータベース51に前記コマンドを保存する保存手段14と、当該保存された前記コマンド情報によって自動でゲーム画面上の電子ペット表示を制御する電子ペット制御手段15とを備えている。
【0025】
携帯端末3上でゲーム画面が表示される場合には、ゲーム画面作成手段11により作成されたゲーム画面がこの変換データベース71によりデータ変換された後、携帯端末3に配信される。すなわち、ASPページ45がキャラクタ配信手段として作用し、電子ペットを表示するデータを変換データベース71を介して携帯端末3に送信し、当該携帯端末3とインタラクティブ(相互)に通信することによりこの携帯端末3上にユーザが育成した電子ペットを再現させる。
【0026】
コマンド入力手段12は、実際にはクライアント2又は携帯端末3上に表示されるWebページ(ゲーム画面)に埋め込まれたプログラムに相当し、クライアント2又は携帯端末3で実行されることにより、インターネット5を介してサーバ4へコマンドの内容を示すデータを送信する。
【0027】
電子ペット制御手段15は、ユーザーが入力したコマンドのパラメタ値を変換し、人工知能を利用して入力されたコマンドを解析し、当該解析結果に応じてコマンドに対する回答をゲームデータベース51から検索して電子ペットに対話させると共に、コマンドの内容を学習し、当該学習から得られたユーザの特徴を電子ペットの態度に反映していく。とりわけ、本実施例では、前記コマンドは電子ペットに対する会話文であり、電子ペット制御手段15は、前記会話文の内容を学習し、当該学習から得られたユーザの特徴に基づいて、電子ペットがユーザに似るように、電子ペットの性格を変化させていく。
【0028】
本実施例におけるキャラクタ育成ゲームでは、人工知能を搭載していることから、ユーザーが電子ペットとコマンド入力を通して対話すると、当該電子ペットがユーザーの話し方やくせ等を学習し、ユーザー自身に酷似していく。それによりユーザーは本物のペットを育成しているかのように感じ、癒し、安らぎ、満足感等を感じサイトに再度訪問したくなる楽しみを得られる。
【0029】
また、ユーザーは、ゲーム上で、電子ペットを育成すると共に、アニモール(仮想農場)を構成していくことにより、コミュニティ内でユーザー自身の電子ペットを公開できる。アニモールは、他のユーザーがクライアント2と同等の機能を備えた別の端末装置を利用して閲覧可能な仮想空間であり、当該アニモール上には閲覧者とは別のユーザーが育成した電子ペットを表示させることができる。公開された一のユーザーの電子ペットを他のユーザーが閲覧できることで、各ユーザーは電子ペットを自慢し合うことにより、共通意識を有する多くの人々と知り合い、ネットワーク上で付き合っていくことにより、コミュニティが活性化される。さらに、携帯端末3上における電子ペットの提供サービスにより、ユーザーは携帯端末3上で電子ペットを表現することができ、携帯端末3の可動性を利用することにより口コミが広がりサイトが活性化される。
【0030】
次に、実際のゲーム進行について図3を参照しながら説明する。図3は、キャラクタ育成ゲームプログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【0031】
まずゲームを開始する前に、ユーザーは予め、例えばサービス運営会社が提供するインターネット上のWebページなどを通じて会員登録をし、自分が育成するキャラクタとなる電子ペットに関して例えば電子ペットの種類や性格など電子ペットの個性を特徴づけるパラメータを選択して好みの初期設定を行なう。
【0032】
ユーザーは、クライアント2や携帯端末3からサーバー4にアクセス(ログイン)してゲームを開始する。具体的には、例えば、クライアント2等にインストールされたWebブラウザを利用してWebページを通じてユーザー側へゲーム画面を表示させたり、クライアント2等にインストールされた専用ゲームアプリケーションによりサーバー4から処理結果を受け取ってユーザー側へゲーム画面を表示させたりすればよい。その際、ゲームに必要なデータを全てサーバー4側で管理するよう構成してもよいし、ユーザー個別のデータをクライアント2又は携帯端末3側で管理するよう構成してもよい。
【0033】
ゲームが開始されると、例えば電子ペットの種類,背景,他のアイテムの位置,電子ペットのレベル等のゲームに必要なデータ値を読み込む(ステップ1)。当該データ値を基に、クライアント2や携帯端末3の画面上に例えば背景,アイテム,電子ペットなどのゲーム画面をグラフィック表示させる(ステップS2)。
【0034】
ユーザーが対話文を入力すると、設定された回数制限から対話可能であるか判断し、対話可能であれば対話にある答えをゲームデータベース51から検索し、電子ペットに答えさせる(ステップS3〜S5)。本実施例では、無料で対話を行なえる回数を制限している。例えば、無料で可能な対話回数を一日最大10回までとし、ユーザがさらに多くの対話を希望する場合には対話可能アイテムを購入させて回数制限を外す構成としている。
【0035】
ユーザーが対話文を入力せずに、ミッションの実行を行なった場合には、電子ペットのミニアニメーション動作を表示させる(ステップS6,S7)
ユーザーが対話文を入力せず、さらにミッションの実行もしない場合には、電子ペットの表情や行動等をランダムに変化させる(ステップS8)。具体的には、例えば、電子ペットが空腹,退屈している動作と共にユーザに話しかけるセリフなどを表示し、ユーザーに応対を促す。これに対してユーザーは「えさあげ」,「遊ぶ」,「入浴」などの基本ミッション遂行や、対話を通して電子ペットに対して実行する(ステップS9)。
【0036】
全てのミッションを実行してレベルアップの条件が充足されると、レベルアップアニメーションと共にレベルアップ特典を与える(ステップS10,S11)。
【0037】
これらのプロセスが繰り返されるに従って、徐々に電子ペットが成長していく。
【0038】
実際にユーザーが育成している電子ペットのゲーム画面となる対話グラフィカルユーザーインターフェースを図4に示す。ユーザーはこのゲーム画面から電子ペットと会話を行う。同図において、30は、電子ペット31の画像と背景画像とを合成してなる電子ペット表示窓であり、アニメーション表示される電子ペット31の基本活動範囲となる。この電子ペット表示窓30は、ユーザーに現在の電子ペット31の状態を表示すると共に、電子ペット31が見せる多様な表情と対話でユーザーに基本ミッションやレベルアップミッションの遂行を要求して、両方向対話を通じてコミュニケーションをする窓口となる。
【0039】
32は、電子ペット31の現在レベル状態を表示し、レベルアップする毎に更新される。33は、電子ペット31と対話を行なうための対話文を入力する対話ボックスであり、確定ボタン43の押動操作により対話ボックス33に入力された文字列データが取り込まれる。34は、対話ボックス31から入力された文章(質問等)に対する返事、電子ペット31からのメッセージ及び要求事項をユーザーへ出力表示する吹き出しである。吹き出し34は、通常表示されず、ユーザーが対話を行った場合等に必要に応じて表示される。
【0040】
35は、電子ペット31へ各種ミッションを与えるミッションボタンである。35〜38は基本ミッションボタンであり、電子ペット31は、Fボタン36を押すと食事をし、Pボタン37を押すと遊び、Cボタン38を押すとお風呂に入る。39はミッション遂行ボタンであり、Mボタン39を押すと各レベル別に設定されたミッションをクリアすることによって、電子ペット31のレベルが上がる。どのレベルのミッションまで完了しているかはミッション完了表示40に表示される。iボタン41は電子ペット31のプロフィールを表示させるためのボタンであり、Sボタン42はスナップショット(カメラ)機能で現在の電子ペット31の状態をイメージファイルで保存するためのボタンである。なお、ミッションボタン35は、ミッションの進行状況(進行中,完了)に応じてその表示が変化する。
【0041】
45は、対話ボックス33に入力された文字列データに対応する該当対話値やミッションボタン35の操作内容等を示すリクエストデータ46を取り込み、ゲーム画面の表示内容等の処理結果を示すレスポンスデータ47を転送するWebベースプログラムに相当するASPページである。ASPページ45は、質問要請時に前記該当対話値を転送し、ミッション実行時に該当の結果値を転送(返事)する。また、質問要請時、前記該当対話値をASPページ45がパラメタ値を加工することにより、対話をユニークにすることが可能である。
【0042】
ここで、ユーザーと電子ペット31との対話時における、データの流れを図5を参照しながら説明する。図5はクライアント2又は携帯端末3とサーバー4との間でやり取りされるデータの流れを示したものである。
【0043】
50は、図4に示したグラフィカルユーザーインターフェースを表示させるアニコレFlashファイル(Flashは登録商標)であり、51はサーバー4に構築されたゲームデータベースである。ユーザーがコマンドをグラフィカルユーザーインターフェースを介して入力すると、該コマンド入力値をASPページ45が認識し、受けたパラメタ値を加工してゲームデータベース51に適用,算出後またアニコレFlashファイル50に値を提供する。そして、ゲームデータベース51では、実データでASPページ45から受けたデータ値及びアニコレFlashファイル50から受けたデータ値を適用、算出する。
【0044】
次に、イベントの1つであるミッションについて概略を説明する。ミッションには電子ペットが要請するミッション(えさを与える,遊ぶ,シャワーを浴びる等)を遂行する「基本ミッション」と、各レベル別の遂行を完了し、次のレベルへ上がるためにクリアしなければならない「レベルアップミッション」の二つの種類で分けられる。図4に示すように、各ミッションは該当条件が充足されれば(えさあげ回数,各ミッション遂行完了)、ミッションボタン35のうち該当のボタンが非活性化または色相がグレー処理されて、該当ミッションが遂行され、他のミッションを遂行しなければならないという可視的効果が現れる。
【0045】
基本ミッションFood(食事を与える),Play(遊ぶ),Clean(シャワーや、入浴)を実行する各ボタン36〜38にマウスポインタを乗せた時には、該当の基本ミッションに対する基本的な説明文と実行ボタン、さらには次のレベルのために遂行しなければならないミッション遂行の数値が示されたメッセージウィンドウ60が表示される(図6<A>)。ミッションをクリアするとレベルアップが起こり、電子ペット31は次第に成長していく。レベルアップするには、ミッションを遂行しなければならない。
【0046】
Mボタン39を押すと、ミッション完了表示40で表示された未完了のレベルアップミッションに対する基本的な説明と実行可否(「はい」,「いいえ」)を確認する確認ウィンドウ61が表示される。(図6<B>)。「はい」を選択することにより、レベルアップミッションが開始される。
【0047】
なお、iボタン41の操作により、該当の電子ペット31に対する基本的なプロフィールや、現在のレベルに対する情報を示すステータスウィンドウ62を表示することも可能である(図6<C>)。
【0048】
また基本ミッションを遂行する場合に、電子ペット31の表情及び動きで該当のミッションを遂行しているという簡単なアニメーションを表示し(図7<A>)、レベルアップミッション遂行時にもアニメーションを表示する(図7<B>)。すべての基本/レベルアップミッション遂行が完了してレベルアップする際には、ユーザーに対して電子ペット31のレベルが変更されたことを可視的に表示する(図7<C>)。
【0049】
またユーザーは、ゲーム上でアニモールという仮想農場(仮想空間)を所有できる。このアニモールの画面を示したものが図8である。図8はアニモール内を編集するためのデザインモード時における画面を示したものである。このアニモール内では、電子ペット31のためにアイテム(例えば家具等)を購入することが可能である。また、アニモール内を他ユーザーが閲覧することも可能であり、ユーザー自身の電子ペットを他ユーザーに自慢することが可能である。
【0050】
同図において、65はアニモール画面であり、この仮想空間上には電子ペット31が位置しており、また任意のアイテムも適当な位置に配置される。電子ペット31及びアイテムの位置は、例えばドラッグ&ドロップするなどして変更することが可能である。
【0051】
66は、アニモール画面65上に配置されたアイテムを削除及び更新するための削除ボタンであり、67は、アニモール画面65に係る現在のデザインを保存するための保存ボタンであり、68は、保存又は未保存後にデザインモードを抜けてプレーモードへ移行するためのプレーモードボタンである。
【0052】
69は、ユーザーが購入又は基本提供されるアイテムを一覧表示するアイテムリストであり、ドラッグ&ドロップでアニモール画面65内に該当のアイテムを追加表示,移動,削除が可能である。
【0053】
最後に、電子ペット31を携帯端末3上に転送する概略を説明する。ユーザーは、前述のように、クライアント2上で表示されるゲーム画面となるアニコレ育成インターフェース70から電子ペット31を育成する。アニコレ育成インターフェース70でユーザに向けて出力される電子ペット画像やゲーム音楽に関するデータは、変換データベース71へ転送され、そこで携帯端末3において表現可能なデータ形式に変換される。そして、変換データベース71で変換されたデータは、携帯端末3へ送信され、携帯端末3上で表示される。
【0054】
以上のように本実施例のキャラクタ育成ゲームプログラム10は、コンピュータを、ユーザが仮想空間内で育成されるキャラクタとしての電子ペット31と対話するためのコマンドを入力するコマンド入力手段12、入力された前記コマンドを解析し、当該解析結果に応じて前記コマンドに対する回答をゲームデータベース51から検索して電子ペット31に対話させると共に、前記コマンドの内容を学習し、当該学習から得られた前記ユーザの特徴を電子ペット31の態度に反映していくキャラクタ制御手段としての電子ペット制御手段15、として機能させる。
【0055】
このようにすると、ユーザーが入力したコマンドに対して電子ペット31の反応、対話や行動が常に変化し、徐々にユーザーの個性を反映させながら電子ペット31を成長させることができる。従って、電子ペット31の挙動に対するマンネリ化を防ぐことが可能となる。
【0056】
また本実施例のキャラクタ育成ゲームプログラム10では、前記コマンドは電子ペット31に対する会話文であり、電子ペット制御手段15は、前記会話文の内容を学習し、当該学習から得られた前記ユーザの特徴に基づいて、電子ペット31が前記ユーザに似るように、電子ペット31の性格を変化させていくものであることを特徴とする。
【0057】
このようにすると、電子ペット31は、ユーザとの会話を重ねる毎にその会話の内容を覚えていくため、成長するにつれユーザーと性格や話し方が似てくる。従って、ユーザーは実際の生物を育成しているかのように感じ、癒し、安らぎ、満足感等を感じることができる他、成長した電子ペット31を通してユーザが自分の性格を客観的に見ることもできる。
【0058】
さらに本実施例のキャラクタ育成ゲームプログラム10は、コンピュータを、電子ペット31を携帯端末3上で表示可能なデータに変換するデータ変換手段としての変換データベース71として機能させる。
【0059】
このようにすると、ユーザは携帯端末3上で電子ペット31を表示することが可能となる。
【0060】
また本実施例のキャラクタ育成ゲームプログラム10は、コンピュータを、電子ペット31を表示するデータを変換データベース71を介して携帯端末3に送信し、当該携帯端末3と通信することによりこの携帯端末3上にユーザが育成した電子ペット31を再現させるキャラクタ配信手段に相当するASPページ45として機能させる。
【0061】
このようにすると、ユーザは携帯端末3を利用して電子ペット31を育成することが可能となる。従って、携帯端末3の可動性を利用することにより口コミによる宣伝効果が期待できる。
【0062】
さらに本実施例のキャラクタ育成ゲームプログラム10では、ゲーム画面作成手段11は、他のユーザーがクライアント2又は携帯端末3を利用して閲覧可能な仮想空間としてのアニモール上に電子ペット31を表示させる機能を有するものであることを特徴とする。
【0063】
このようにすると、公開された一のユーザーの電子ペット31を他ユーザーが閲覧できることで、各ユーザーは互いの電子ペットを自慢し合うことにより、ネットワーク上で公開されたアニモールを通じて共通意識を有する多くの人々と知り合うことができる。従って、各ユーザーは電子ペットを自慢し合うことにより、共通意識を有する多くの人々と知り合い、ネットワーク上で付き合っていくことにより、コミュニティが活性化される。
【0064】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。育成されるキャラクタの性格は、ユーザが入力するコマンドのみによって特徴付けられるに限らず、例えば、キャラクタに与えるミッションの種類に現れる傾向などからキャラクタの性格を決定してもよく、読書のミッションを多くさせた場合にはおとなしい性格になり、運動のミッションを多くさせた場合には活発な性格になるなど、様々な変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施例におけるキャラクタ育成ゲームシステムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】同上、キャラクタ育成ゲームプログラムの機能構成を示すブロック図である。
【図3】同上、キャラクタ育成ゲームプログラムのゲーム処理の流れを示すフロー図である。
【図4】同上、キャラクタ育成ゲームのゲーム画面を示す説明図である。
【図5】同上、キャラクタ育成ゲームシステム内のデータの流れを示す説明図である。
【図6】同上、キャラクタ育成ゲームの別のゲーム画面を示す説明図である。
【図7】同上、キャラクタ育成ゲームのミッションボタン操作時のゲーム画面を示す説明図である。
【図8】同上、キャラクタ育成ゲームのアニモール画面を示す説明図である。
【図9】同上、キャラクタ育成ゲームシステム内のサーバーと携帯端末との間でやり取りされるデータの流れを示す説明図である。
【符号の説明】
【0066】
3 携帯端末
10 キャラクタ育成ゲームプログラム
12 コマンド入力手段
15 電子ペット制御手段(キャラクタ制御手段)
31 電子ペット(キャラクタ)
45 ASPページ(キャラクタ配信手段)
51 ゲームデータベース
71 変換データベース(データ変換手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、ユーザが仮想空間内で育成されるキャラクタと対話するためのコマンドを入力するコマンド入力手段、入力された前記コマンドを解析し、当該解析結果に応じて前記コマンドに対する回答をデータベースから検索して前記キャラクタに対話させると共に、前記コマンドの内容を学習し、当該学習から得られた前記ユーザの特徴を前記キャラクタの態度に反映していくキャラクタ制御手段、として機能させるためのキャラクタ育成ゲームプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、前記キャラクタを携帯端末上で表示可能なデータに変換するデータ変換手段として機能させるための請求項1記載のキャラクタ育成ゲームプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、前記キャラクタを表示するデータを前記データ変換手段を介して前記携帯端末に送信し、当該携帯端末と通信することによりこの携帯端末上にユーザが育成したキャラクタを再現させるキャラクタ配信手段として機能させるための請求項2記載のキャラクタ育成ゲームプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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