説明

キャリアテープ固定用のエンドテープ

【課題】チップ部品の微小化に対応してキャリアテープ及びリールの幅が狭くなってもキャリアテープを容易に取り出すことができるエンドテープを提供する。
【解決手段】チップ部品3を保持するとともにリールに巻回されたキャリアテープ1の先端部に接続されてキャリアテープ1の先端部をリールに固定するエンドテープ2であって、一端側部分に粘着部5を、他端側部分に非粘着部6を有し、粘着部5の幅をリールの内寸幅よりも狭くするとともに、非粘着部6の幅を、粘着部5に隣接する箇所6aから徐々に広くして終端部6cの幅をリールの内寸幅以上とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ部品を保持したキャリアテープをリールに巻回して固定するキャリアテープ固定用のエンドテープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化、高性能化が急速に進み、それに伴い電子機器に用いられる電子部品の小型化も急速に進んでいる。特に、チップ抵抗器やチップコンデンサ等の汎用部品においては、長さが0.4mmで、幅が0.2mmの、所謂「0402」サイズの部品の需要が増大している。このようなチップ部品は、通常エンボステープや紙テープ等のキャリアテープに収納保持され、そのキャリアテープをリールに巻回するとともに、その先端部をエンドテープで貼り付けて固定した状態で出荷されている。
【0003】
従来は、「0402」サイズの部品のキャリアテープを巻回するのに用いるリールは、「0603」(長さが0.6mm、幅が0.3mm)サイズや「1005」(長さが1.0mm、幅が0.5mm)サイズの部品のキャリアテープを巻回するのに用いるリールと共用しており、そのリールの内寸幅は8mmと比較的広いものであった。そのため、キャリアテープをリールに巻回し、その先端部をエンドテープで貼り付けて固定した場合においても、エンドテープを引き出してキャリアテープを実装機にセットすることは比較的容易であった。
【0004】
また、リールに巻回したキャリアテープの先端部を固定するエンドテープとして、図3(a)、(b)に示すように、キャリアテープ11の先端部12に接着された粘着部13と、この粘着部13の端部14に貼られた非粘着部15とによって構成されたエンドテープ16が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−142567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、昨今は、省資源並びに省スペースの観点から、チップ部品の小型化に対応してキャリアテープの幅を狭くし、かつリールの幅も狭くする要望が高まっている。この要望に答えてキャリアテープ及びリール内寸幅を狭くした場合、キャリアテープをリールに巻回してその先端部をエンドテープにて固定すると、キャリアテープを実装機にセットする際にエンドテープを引き出すのが困難になり、手間がかかって作業性を低下させるという問題がある。
【0006】
また、特許文献1に記載された技術を参考にして、図3(a)、(b)に示したように、非粘着部15を長く設定したエンドテープ16を適用することも考えられるが、その場合でも、エンドテープ16は粘着部13から非粘着部15まで、その幅が一定であるため、図4に示すように、エンドテープ16の非粘着部15がリール17内に入り込んだ状態となる。そのため、エンドテープ16を引き出してキャリアテープ11を取り出すことが困難であり、上記問題を解消することは不可能である。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、チップ部品の微小化に対応してキャリアテープ及びリールの幅が狭くなってもキャリアテープを容易に取り出すことができるキャリアテープ固定用のエンドテープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のキャリアテープ固定用のエンドテープは、チップ部品を保持するとともにリールに巻回されたキャリアテープの先端部に接続されてキャリアテープの先端部をリールに固定するエンドテープであって、一端側部分に粘着部を、他端側部分に非粘着部を有し、粘着部の幅をリールの内寸幅よりも狭くするとともに、非粘着部の幅を、粘着部に隣接する箇所から徐々に広くして終端部の幅をリールの内寸幅以上としたものである。
【0009】
この構成によると、粘着部の幅をリールの内寸幅よりも狭くするとともに、非粘着部の幅を、粘着部に隣接する箇所から徐々に広くして終端部の幅をリールの内寸幅以上としているため、エンドテープの一端側部分の粘着部でキャリアテープの先端部が貼り付け固定され、この固定された部分からエンドテープの幅が徐々に広くなるとともに幅が徐々に広くなる部分は非粘着部であるためリール内に入り込んだままにならずに徐々にリールの外に出るようになり、さらにエンドテープの終端部の幅をリール内寸幅以上としているため、エンドテープの終端部はリールの外側に確実に出るようになる。かくして、キャリアテープの幅及びリールの内寸幅が狭くなった場合においても、エンドテープを容易に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のキャリアテープ固定用のエンドテープによれば、粘着部の幅をリールの内寸幅よりも狭くするとともに、非粘着部の幅を、粘着部に隣接する箇所から徐々に広くして終端部の幅をリールの内寸幅以上としているため、エンドテープの一端側部分の粘着部でキャリアテープの端部を貼り付け固定でき、かつエンドテープの他端側部分の非粘着部の幅が徐々に広くなるため、リール内に入り込んだままにならずに徐々にリールの外に出るようになり、さらに終端部の幅がリール内寸幅以上となっているため、エンドテープの終端部はリールの外側に確実に出るようになり、これにより、キャリアテープの幅及びリールの内寸幅が狭くなった場合においても、エンドテープを容易に取り出すことができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明のキャリアテープ固定用のエンドテープの一実施形態について、図1、図2を参照して説明する。
【0012】
図1において、1はキャリアテープで、その先端部に接着剤若しくは粘着テープ(図示せず)にてエンドテープ2の一端部が接続されている。キャリアテープ1には、その長手方向に所定ピッチ間隔で多数の部品3が収納保持されるとともに、その一側部に上記所定ピッチ間隔で送り穴4が配設されている。エンドテープ2は一端側部分が粘着部5とされ、他端側部分が非粘着部6とされている。粘着部5は、その幅W1がキャリアテープ1の幅よりも狭く形成されかつ送り穴4が配置された側とは反対側の側縁に沿わせて接続されている。非粘着部6の幅は、粘着部5に隣接する箇所6aは粘着部5の幅W1に等しく、この箇所6aから非粘着部6の長さ方向の略中間箇所6bに至る間で徐々に広くなり、略中間箇所6bから終端部6cに至る間は一定の幅W2とされている。
【0013】
キャリアテープ1は、図2に示すリール7に巻回されており、その先端部に接続されたエンドテープ2の粘着部5がその巻回されたキャリアテープ1の外周に貼り付くことでキャリアテープ1がリール7に固定されている。ここで、エンドテープ2の粘着部5の幅W1がリール7の内寸幅よりも狭く設定されていることで、その全面が巻回されたキャリアテープ1の外周に貼り付いてキャリアテープ1がリール7に確実に固定される。一方、エンドテープ2の非粘着部6は、その幅が粘着部5に隣接する箇所6aから徐々に広くなっているので、この非粘着部6はリール7内に入り込んだままにならずに徐々にリール7の外に出るようになり、さらに非粘着部6の終端部6cの幅がリール7の内寸幅以上であるため、エンドテープ2の非粘着部6の終端部6cはリール7の外側に確実に出るとともに
、リール7のフランジ部7aとの摩擦で固定される。かくして、キャリアテープ1を巻回するリール7の内寸幅が狭くなった場合でも、エンドテープ2を引き出してキャリアテープ1を容易に取り出すことができる。
【0014】
以上の本実施形態の構成により、チップ部品3の微小化に対応してキャリアテープ1を巻回するリール7の内寸幅が狭くなった場合でも、エンドテープ2を引き出してキャリアテープ1を容易に取り出して実装機にセットすることができる。
【0015】
次に、具体的な設計寸法の一例を説明する。キャリアテープ1の幅が4mmで、リール7の内寸幅が5mmの場合において、図1に示すように、エンドテープ2の全長(L1+L2+L3)を100mm、エンドテープ2の粘着部5の長さL1を74mm、エンドテープ2の非粘着部6の長さL2を26mmとし、粘着部5の幅W1を3mm、非粘着部6の終端部6cの幅W2を5mmとし、さらに非粘着部6においてその幅が変化して徐々に広くなる部分の長さL2を11mmとしている。
【0016】
このように寸法設計することで、キャリアテープ1を巻回するリール7の内寸幅が狭くなった場合においても、非粘着部6の終端部6cがリール7の外側に確実に出るようになるため、エンドテープ2を引き出してキャリアテープ1を容易に取り出すことができる効果が発揮される。
【0017】
なお、上記具体例では、エンドテープ2の非粘着部6の終端部6cの幅W2をリール7の内寸幅と等しくした(両者共5mm)例を示したが、エンドテープ2の非粘着部6の終端部6cの幅W2がリール7の内寸幅以上であれば、エンドテープ2をキャリアテープ1の幅方向の一側端に寄せるように接続しているので、エンドテープ2の非粘着部6の終端部6cはリール7の外側に確実に出るようになり、これによりエンドテープ2を引き出してキャリアテープ1を容易に取り出すことができる。
【0018】
また、以上の実施形態においては、エンドテープ2をその端部で折り曲げたり、別の非粘着テープを接着したりする必要がないため、実装機のオートリールチェンジャー等による自動貼り付けにも容易に対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明のキャリアテープ固定用のエンドテープは、キャリアテープに対する接続部分とは反対側の他端側部分に設けた非粘着部の終端部の幅をリールの内寸幅以上としているため、エンドテープの終端部がリールの外側に確実に出るようになり、これにより、キャリアテープを巻回するリールの内寸幅が狭くなった場合においても、エンドテープを引き出してキャリアテープを容易に取り出すことができ、そのため特に微小サイズのチップ部品を収納保持したキャリアテープ固定用のエンドテープに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態のキャリアテープ固定用のエンドテープの平面図。
【図2】同実施形態のエンドテープにてリールに巻回したキャリアテープを固定した状態を示す斜視図。
【図3】従来例のキャリアテープ固定用のエンドテープを示し、(a)は正面図、(b)は平面図。
【図4】同従来例のエンドテープにてリールに巻回したキャリアテープを固定した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0021】
1 キャリアテープ
2 エンドテープ
3 チップ部品
5 粘着部
6 非粘着部
6a 粘着部5に隣接する箇所
6c 非粘着部6の終端部
7 リール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ部品を保持するとともにリールに巻回されたキャリアテープの先端部に接続されてキャリアテープの先端部をリールに固定するエンドテープであって、
一端側部分に粘着部を、他端側部分に非粘着部を有し、
粘着部の幅をリールの内寸幅よりも狭くするとともに、非粘着部の幅を、粘着部に隣接する箇所から徐々に広くして終端部の幅をリールの内寸幅以上とした
ことを特徴とするキャリアテープ固定用のエンドテープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−111481(P2010−111481A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285857(P2008−285857)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【出願人】(595170579)株式会社大一 (3)
【Fターム(参考)】