説明

キャリング式無線LANルータ

【課題】インターネットの有線設備が整っていない場所でも簡易にインターネットの利用環境を構築すること。
【解決手段】キャリング式無線LANルータ1は、無線LANルータ10と電源制御ユニット20とそれら無線LANルータ10、電源制御ユニット20が収容されたキャリングケース30とを備えている。無線LANルータ10は、周囲の無線端末機器200と無線LANで通信を行う無線LAN機能と、無線基地局300に無線でアクセスしてその無線端末機器200においてインターネットへの接続を可能にするインターネット接続機能を有している。電源制御ユニット20は、外部電源に接続される電源ケーブルのプラグを接続するプラグ受け部を有しており、外部電源の電力を無線LANルータ10に供給する。無線LANルータ10のアンテナ12をキャリングケース30の外表面に設置できるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線LANルータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イベント会場や災害時など、無線ネットワークを構築するための恒常設備が整っていない場所で臨時的に無線ネットワークを構築する技術が提案されている。例えば、特許文献1では、短時間かつ簡単に通信障害の発生し難い無線ネットワークを構築するために、工場現場事務所に設置された親局(無線基地局)と端末局(無線端末)との間の無線通信を中継する仮設無線中継装置が提案されている。その仮設無線中継装置では、アンテナ、そのアンテナの方向を可変とするアンテナ駆動装置、無線アクセスポイント、各装置に電力を供給する電源(太陽光発電装置、蓄電池)等が支柱に取り付けられ、その支柱が三脚で支持されている。また、親局は、一般公衆回線へ接続されるルータを有しており、そのルータによって、親局と仮設無線中継装置との間、または親局と端末局間で無線通信路が形成される(段落0014参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−171205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、イベント会場や災害時など、インターネットの利用環境が整っていない場所でもインターネットの利用を望む場合がある。しかしながら、インターネットを利用するためには、ルータを用意して、インターネットを利用する端末とルータとを通信可能に接続するとともに、ルータをインターネット側の設備に接続してインターネットの利用環境を構築する必要があり、その構築作業が煩わしいという問題点があった。この点、特許文献1の技術では、現地において、無線アクセスポイント等の各装置を支柱や三脚に取り付けて仮設無線中継装置を組み立てる必要があり、その組み立て作業が煩わしい。また、ルータを有した親局を仮設無線中継装置とは別に設置する設置する必要があり、その設置作業が煩わしい。また、有線設備が整っていない場所では、親局の設置ができないという問題もある。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、インターネットの有線設備が整っていない場所でも簡易にインターネットの利用環境を構築できる発明を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のキャリング式無線LANルータは、無線通信機能を有する周囲の無線端末機器と無線LANで通信を行う無線LAN機能と、インターネットに接続された無線基地局に無線でアクセスして前記無線端末機器においてインターネットへの接続を可能にするインターネット接続機能とを有した無線LANルータと、
外部電源又は内蔵バッテリからの電力を前記無線LANルータに供給する電源制御手段と、
前記無線LANルータ及び前記電源制御手段が収容され、ユーザによって移動可能とされた車輪及びユーザによって把持されるハンドルを有するキャリングケースと、を備えることを特徴とする。
【0007】
これによれば、無線LANルータ及び電源制御手段が収容されたキャリングケースを無線基地局と無線端末機器との間に配置させることで、無線端末機器においてインターネットを利用できる環境を構築できる。それら無線LANルータ、電源制御手段は、車輪及びハンドルを有したキャリングケースに収容されているのでどのような場所でも容易に設置できる。また、無線LANルータは、インターネット側の無線基地局及び無線端末機器と無線で接続するので、有線設備が整っていない場所でも簡易にインターネットを利用できる環境を構築できる。また、無線で無線基地局にアクセスすることで、既設のインターネットプロバイダの無線基地局を利用できる。この場合には、新たに無線基地局を設置する必要がない。
【0008】
また、本発明における前記電源制御手段は、外部電源に接続する電源ケーブルのプラグが接続されるプラグ受け部を有し、そのプラグ受け部が前記キャリングケースの表面に露出したことを特徴とする。これによれば、プラグ受け部がキャリングケースの表面に露出しているので、無線LANルータや電源制御手段をキャリングケースに収容させたまま外部電源の電力を無線LANルータに供給できる。
【0009】
また、本発明において、前記無線LANルータは、アンテナを有し、そのアンテナを介して前記無線端末機器及び前記無線基地局と無線通信を行い、
前記キャリングケースの表面にて起立させる形で前記アンテナを支持するアンテナ支持部を備え、
前記キャリングケースには、前記アンテナ支持部に支持された前記アンテナと前記無線LANルータとを接続する接続ケーブルの引出口が形成されたことを特徴とする。
【0010】
これによれば、アンテナ支持部によって、キャリングケースの表面にて無線LANルータのアンテナを起立させることができるので、無線基地局や無線端末機器との間の無線通信を精度良く行うことができる。また、アンテナと無線LANルータとを接続する接続ケーブルの引出口がキャリングケースに形成されているので、無線LANルータをキャリングケースに収容させたままアンテナと無線LANルータとを接続できる。
【0011】
また、本発明において、前記キャリングケースの内部はクッションが敷き詰められており、前記クッションには部分的に切り取られた切取部が形成されており、
前記無線LANルータは前記切取部に収容されたことを特徴とする。
【0012】
これによれば、無線LANルータの周囲にクッションが設けられることになるので、無線LANルータを衝撃から保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ネットワークシステム100の概略構成を示した図である。
【図2】キャリングケース30を開けて内装品を取り外した状態を示した図である。
【図3】キャリングケース30の側面図である。
【図4】キャリングケース30を開けた状態を示した図である。
【図5】アンテナ12の構造を示した図である。
【図6】キャリング式無線LANルータ1の使用状態を示した図である。
【図7】ユーザがキャリング式無線LANルータ1を引いている様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のキャリング式無線LANルータの実施形態を説明する。図1は、本実施形態のキャリング式無線LANルータ1が適用されたネットワークシステム100の概略構成を示している。図1に示すように、ネットワークシステム100は、キャリング式無線LANルータ1、無線端末機器200及び無線基地局300を備えている。無線端末機器200は、IEEE802.11等の無線LAN規格に則って無線通信が可能とされたノートパソコン等の端末である。その無線端末機器200はディスプレイを有しており、そのディスプレイにインターネットからの情報等、各種情報を表示可能とされている。無線基地局300は、無線基地局300周囲の一定範囲をカバーする形で通信範囲が定められており、その通信範囲内に位置する無線端末機器200との間で、無線LANルータを介して無線通信を行う。無線基地局300は予め定められたエリアごとに複数設置されており、それら複数の無線基地局300にて広範囲の通信網を構成している。無線基地局300から構成された通信網にはインターネットサーバが接続されている。よって、各無線基地局300は、そのインターネットサーバを介してインターネットに接続されていると言える。
【0015】
キャリング式無線LANルータ1は、キャリングケース30、そのキャリングケース30に収容された無線LANルータ10(本体部11及びアンテナ12)及び電源制御ユニット20を備えている。なお、図1では、アンテナ12がキャリングケース30の外側に設置された状態を示している。
【0016】
キャリングケース30は、ユーザによって移動可能とされた、物を収容するケースである。詳細には、キャリングケース30は、外形が直方体状で、内部に物を収容するスペースが形成されたケース本体31に、引き手用グリップ32(本発明の「ハンドル」に相当する)及びキャスター33(本発明の「車輪」に相当する)が装着された構成となっている。ここで、図2は、キャリングケース30を寝かしつつキャリングケース30の上蓋36が開いた状態を示している。なお、図2では、キャリングケース30の中身(無線LANルータ10等)を取り出した状態を示している。また、図3は、キャリングケース30の側面図を示している。図2に示すように、キャリングケース30のケース本体31は、本体収容部35及び上蓋36を有している。本体収容部35は、内部に直方体状の収容スペース351が形成された直方体の箱形状となっている。本体収容部35の正面側端部は収容スペース351で開口されており、その開口から収容スペース351に物を収容できるようになっている。
【0017】
上蓋36は、本体収容部35と同様に直方体の箱形状となっている。すなわち、上蓋36の内部には直方体状のスペース361が形成されている。ただし、そのスペース361の深さは、本体収容部35の収容スペース351よりも浅くなっている。上蓋36は、上蓋36のスペース361による開口が収容スペース351の開口に対面する形で、本体収容部35に開閉可能に接続されている。より具体的には、図3に示すように、上蓋36は、本体収容部35の側面355の端部(収容スペース351の開口側の端部)にてヒンジ37によってヒンジ結合されている。すなわち、上蓋36はヒンジ37回りに開閉(回動)できるようになっており、上蓋36が開けられると収容スペース351が露出し、上蓋36が閉められると収容スペース351が閉塞される。
【0018】
ヒンジ37が結合された上蓋36の側面と反対側の上蓋36の側面には係合部341が設けられており、本体収容部35の一方の側面354(ヒンジ37が設けられていない側の側面)には係合部341と係合する被係合部342が設けられている。それら係合部341、被係合部342が係合することで上蓋36が閉じられた状態が保持され、その係合を解除することで上蓋36の回動が可能となる。
【0019】
本体収容部35の上面352には引き手用グリップ32が装着されている。その引き手用グリップ32は、図2に示すように、上面352に対して垂直方向に伸びた棒状(円筒状、円柱状など)の2つの垂直部321と、それら2つの垂直部321の上端部に接続されて上面352に対して水平方向に伸びた(垂直部321に対して垂直方向に伸びた)棒状(円筒状、円柱状など)の水平部322とから構成されている。水平部322がユーザに把持される部分とされる。引き手用グリップ32は、垂直部321がその軸方向に移動可能に設けられている。詳細には、引き手用グリップ32は、垂直部321が軸方向に移動されることで、所定の最大引出位置まで本体収容部35から引き出され、又は、図1の破線32‘で示す格納位置まで移動して本体収容部35の背面356に格納される。
【0020】
本体収容部35の下面353にはキャスター33が装着されている。そのキャスター33の回転軸の向きは、本体収容部35の横幅方向(図3の紙面垂直方向)となっている。キャリング式無線LANルータ1を移動させるときには、引き手用グリップ32を引き出して、引き手用グリップ32の水平部322を任意の進行方向に引くことによって、図7に示すように、キャリングケース30が進行方向に傾き、且つ、その進行方向にキャスターが回転する。よって、キャリング式無線LANルータ1を持ち上げることなく容易に移動できるようになっている。
【0021】
次に、キャリングケース30の内部に内装されている内装品について説明する。図4は、図2の状態に対して、キャリングケース30の内部に、無線LANルータ10等の内装品が内装された状態を示している。図4に示すように、本体収容部35の収容スペース351にはウレタン樹脂等で形成された第1クッション部材41が敷き詰められている。その第1クッション部材41は、収容スペース351と同じ大きさの直方体状とされており、収容スペース351に隙間無く嵌る形で設けられている。また、第1クッション部材41には部分的に切り取られた複数の切取部411〜413が形成されている。それら切取部411〜413は、キャリングケース30に内装される各内装品の収容スペースとされており、具体的には、第1切取部411には無線LANルータ10の本体部11が収容されており、第2切取部412には無線LANルータ10のアンテナ12が収容されており、第3切取部413には電源制御ユニット20が収容されている。各切取部411〜413は、収容される内装品11、12、20が丁度嵌るように、各内装品11、12、20の外形と略同じ形状に形成されている。なお、図4では図示していないが、本体部11とアンテナ12とを電気的に接続する接続ケーブル、電源制御ユニット20と外部電源とを接続する電源ケーブル等、その他の内装品を収容する切取部も第1クッション部材41に形成されている。
【0022】
上蓋36のスペース361にはウレタン樹脂等で形成された第2クッション部材42が敷き詰められている。その第2クッション部材42は、スペース361と同じ大きさの直方体状とされており、スペース361に隙間無く嵌る形で設けられている。上蓋36が閉じられた際には、内装品11、12、20の周囲が第1クッション部材41、第2クッション部材42で囲まれるようになっている。したがって、内装品11、12、20を衝撃等から保護できる。
【0023】
次に、各内装品11、12、20について説明する。本体部11及びアンテナ12を有した無線LANルータ10は、無線通信機能を有する周囲の無線端末機器と無線LAN(IEEE802.11等の無線LAN規格に則った無線通信)で通信を行う無線アクセスポイントとしての機能(無線LAN機能)を有している。また、無線LANルータ10は、通信データのルーティングをしたり、IPアドレスをプライベートアドレスからグローバルアドレスに変換したりするなど、自身に接続された無線端末機器をインターネットに接続するインターネット接続機能(ルータの機能)を有している。さらに、無線LANルータ10は、上記インターネット接続機能の一部として、インターネットに接続された最寄りの無線基地局に無線でアクセスできるようになっている。なお、本体部11と無線端末機器及び無線基地局との間の無線通信は、アンテナ12を介して行われる。無線LANルータ10の通信可能範囲は、周囲の障害物の有無等の環境で変わってくるが、例えば0m〜数十mの範囲とされている。
【0024】
図5は、アンテナ12の構造を示している。図5に示すように、アンテナ12は、真っ直ぐに伸びた棒状のアンテナ本体部121、そのアンテナ本体部121の下端122に接続された支持部123、同じく下端122に接続されたコネクタ125及びコネクタ125に接続された接続ケーブル126を有している。なお、それらアンテナ本体部121、支持部123、コネクタ125、接続ケーブル126は分解可能とされており、キャリングケース30には分解された状態で収容されている。
【0025】
アンテナ本体部121は銅などの導体で構成されており、そのアンテナ本体部121から通信データの送受信が行われる。アンテナ12の支持部123は、キャリングケース30の上面352に固定可能とされ、図6に示すように、上面352に固定された状態においてアンテナ本体部121を上面352から起立した形で支持する。なお、図6は、キャリング式無線LANルータ1の使用状態を示している。図3に示すように、キャリングケース30(本体収容部35)の上面352には、支持部123を固定する固定部38が設けられている。そして、支持部123の下面124を固定部38で固定できるようになっている。支持部123の下面124と固定部38の固定として、例えばボルトによる固定、爪勘合による固定、粘着テープによる固定が採用されている。
【0026】
接続ケーブル126は、その一端がコネクタ125に接続され、他端が本体部11に接続された、アンテナ本体部121と本体部11とを接続するケーブルである。図3に示すように、キャリングケース30の一方の側面355(図3ではヒンジ37が設けられた側面)には接続ケーブル126の引出口512が形成されている。その引出口512は、側面355を貫通する貫通孔とされている。したがって、引出口512にて、キャリングケース30の内外が連通されている。したがって、キャリング式無線LANルータ1を使用するときには、図6に示すように、引出口512から接続ケーブル126を引き出すことで、本体部11をキャリングケース30に内装したまま、本体部11とアンテナ本体部121とを接続できる。
【0027】
側面355には、図3の側面視で四角形状の第1ベース部材51が設けられており、引出口512は、その第1ベース部材51の内側に形成されている。また、第1ベース部材51を被う第1カバー部材52が、第1ベース部材51の上側縁部511にてヒンジ結合されている。その第1カバー部材52は、第1ベース部材51と同じ大きさの四角形状の平板とされており、ヒンジ結合された上側縁部511回りに開閉(回動)できるようになっている。したがって、キャリング式無線LANルータ1を使用しないときには、第1カバー部材52を閉じることで、第1ベース部材51(引出口512)を閉塞できる。他方、キャリング式無線LANルータ1を使用するときには、第1カバー部材52を開けることで、引出口512をキャリングケース30の外側に露出させることができる。
【0028】
電源制御ユニット20(本発明の「電源制御手段」に相当する)は、外部電源からの交流(例えばAC100V)を受けて、その交流を本体部11の駆動電圧(DC電圧)に変換し、その変換した駆動電圧を本体部11に供給する部分である。電源制御ユニット20は、図6に示すように、外部電源接続用の電源ケーブル72のプラグ73が接続されるプラグ受け部21を有している。そのプラグ受け部21は、図3に示すように、キャリングケース30の側面355に露出する形で設けられている。また、側面355には、図3の側面視で四角形状の第2ベース部材61が設けられており、プラグ受け部21はその第2ベース部材61の内側にて露出する形で設けられている。また、第2ベース部材61を被う第2カバー部材62が、第2ベース部材61の上側縁部611にてヒンジ結合されている。その第2カバー部材62は、第2ベース部材61と同じ大きさの四角形状の平板とされており、ヒンジ結合された上側縁部611回りに開閉(回動)できるようになっている。したがって、キャリング式無線LANルータ1を使用しないときには、第2カバー部材62を閉じることで、第2ベース部材61(プラグ受け部21)を閉塞できる。他方、キャリング式無線LANルータ1を使用するときには、第2カバー部材62を開けることで、プラグ受け部21をキャリングケース30の外側に露出させることができる。
【0029】
以上の構成を有したキャリング式無線LANルータ1を使用してインターネットの利用環境を構築するには、インターネットの利用環境を構築したい場所(イベント会場、災害時において有線設備が使用不能になっている場所など)にキャリング式無線LANルータ1を運び込む。その際、適宜、引き手用グリップ32及びキャスター33を利用して、キャリング式無線LANルータ1を引きながら移動させることができる(図7参照)。キャリング式無線LANルータ1を所望の場所に運び込んだ後、その場所にて、キャリング式無線LANルータ1を図6の使用状態となるように準備する。すなわち、キャリングケース30に中からアンテナ12を取り出して、キャリングケース30の上面352に設置する。この際、接続ケーブル126を引出口512から引き出しつつ、アンテナ本体部121と本体部11を接続ケーブル126で接続する。また、電源ケーブル72の一方のプラグ73をプラグ受け部21に接続し、他方のプラグ74を外部電源71に接続する。
【0030】
これによって、キャリング式無線LANルータ1の通信可能範囲に、図1の無線端末機器200や無線基地局300が位置していれば、無線端末機器200においてインターネットの利用が可能となる。すなわち、キャリング式無線LANルータ1に無線端末機器200が無線で接続された場合には、キャリング式無線LANルータ1は、最寄りの無線基地局300に無線でアクセスして、無線端末機器200とインターネットの接続先との間のルーティング等を行う。そして、無線端末機器200をインターネットに接続する。
【0031】
本発明に係るキャリング式無線LANルータは上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で変形することができる。例えば、上記実施形態では、外部電源からの電力で無線LANルータを駆動させていたが、無線LANルータを駆動する内蔵バッテリ(直流電源)をキャリングケースに収容しても良い。これによって、外部電源を確保できない場所でも無線LANルータを駆動できる。また、外部電源と内蔵バッテリの両方を用いることで、無線LANルータに安定した電力を供給できる。なお、無線LANルータの駆動電圧と内蔵バッテリの電圧とが異なっている場合には、電源制御ユニットを、内蔵バッテリの電圧を無線LANルータの駆動電圧に変換するように構成する。
【符号の説明】
【0032】
1 キャリング式無線LANルータ
10 無線LANルータ
11 本体部
12 アンテナ
123 支持部
126 接続ケーブル
20 電源制御ユニット
21 プラグ受け部
30 キャリングケース
41、42 クッション部材
411〜413 切取部
512 引出口
71 外部電源
72 電源ケーブル
73、74 電源ケーブルのプラグ
100 ネットワークシステム
200 無線端末機器
300 無線基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信機能を有する周囲の無線端末機器と無線LANで通信を行う無線LAN機能と、インターネットに接続された無線基地局に無線でアクセスして前記無線端末機器においてインターネットへの接続を可能にするインターネット接続機能とを有した無線LANルータと、
外部電源又は内蔵バッテリからの電力を前記無線LANルータに供給する電源制御手段と、
前記無線LANルータ及び前記電源制御手段が収容され、ユーザによって移動可能とされた車輪及びユーザによって把持されるハンドルを有するキャリングケースと、を備えることを特徴とするキャリング式無線LANルータ。
【請求項2】
前記電源制御手段は、外部電源に接続する電源ケーブルのプラグが接続されるプラグ受け部を有し、そのプラグ受け部が前記キャリングケースの表面に露出したことを特徴とする請求項1に記載のキャリング式無線LANルータ。
【請求項3】
前記無線LANルータは、アンテナを有し、そのアンテナを介して前記無線端末機器及び前記無線基地局と無線通信を行い、
前記キャリングケースの表面にて起立させる形で前記アンテナを支持するアンテナ支持部を備え、
前記キャリングケースには、前記アンテナ支持部に支持された前記アンテナと前記無線LANルータとを接続する接続ケーブルの引出口が形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のキャリング式無線LANルータ。
【請求項4】
前記キャリングケースの内部はクッションが敷き詰められており、前記クッションには部分的に切り取られた切取部が形成されており、
前記無線LANルータは前記切取部に収容されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャリング式無線LANルータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−34102(P2013−34102A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169239(P2011−169239)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【特許番号】特許第4854818号(P4854818)
【特許公報発行日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(504395154)タケショウ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】