説明

キルンの補修方法

【課題】 キルンの損傷部分を、キルンの機能や性能に影響を与えることなく補修することができるキルンの補修方法を提供する。
【解決手段】 廃棄物を熱分解ガスと、熱分解カーボンを含む熱分解残さに熱分解する円筒状のキルンを備える熱分解装置のキルンの補修方法は、ロータリーキルン3の外周壁3aの損傷部分に、外周壁の外周面の曲率半径と実質的に等しい曲率半径R1の内周面を有する外筒20を、その外周周縁部をロータリーキルンの外周面に接合して固定する。そのあと、外筒で被覆されたロータリーキルンの外周壁を、外筒が接合された外周縁部を幅W1だけ残して、損傷部分を含む除去部3dを除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物を熱分解ガスと、熱分解カーボンを含む熱分解残さに熱分解する熱分解装置の円筒状のキルンの補修方法に係り、特に、ロータリーキルン方式等のガス化炉を備える熱分解装置で用いられるキルンの補修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス化溶融炉は、廃棄物を高温で処理するため、廃棄物の減容率を大幅に高め、かつ廃棄物処理時のダイオキシン発生量を抑制することができる。また、これらの処理をごみが持つエネルギーで賄っているため、ごみ処理に必要とされる外部エネルギーを大幅に低減した点も大きな特徴である。このガス化溶融炉の主要機器のひとつであるロータリーキルンは、そこに投入された廃棄物(以下、ごみという)から、熱分解ガスと熱分解カーボンを分離し、ごみを灰分と呼ばれる無機化合物を主体とする物質に変質させるものである。なお、鉄やアルミ等の不燃物は、熱分解温度が400〜500℃であるため、処理されないまま金属片として回収される。
【0003】
ロータリーキルンで生成した熱分解ガスは、熱分解ガスバーナで昇温された後にロータリーキルン側に還流され、ロータリーキルンの加熱に再利用される。一方、チャーと呼ばれる熱分解カーボンは、灰分とともに溶融炉に投入される。溶融炉はチャーの燃焼により高温に保持されるため灰分はスラグ化して最終生成物として回収される。そして回収されたスラグは建築資材等として有効利用される。
【0004】
ロータリーキルン内に投入されたごみは、ロータリーキルンの回転により攪拌されながら熱分解される。その過程で発生する熱分解ガスには、塩素化合物や硫黄化合物等の腐食性の高い物質が含まれているため、これらの物質とロータリーキルン材料とが高温で接触すれば、全面腐食等によりロータリーキルンが損傷する可能性がある。特に、ロータリーキルンの広範囲にわたり全面腐食等により板厚減少等が発生すればロータリーキルンの変形が懸念されるし、応力腐食割れ等によりひび割れが発生すればロータリーキルンの脆性破壊等が懸念される。
【0005】
そのためロータリーキルン材料には高耐食性材料を使用することが一般的になっており、さらにその表面に耐食性の高い被膜をコーティングする場合もある。また、ごみを熱分解できる範囲でロータリーキルンの運転温度を下げることによって腐食を緩和する等の運転条件の改善も進められている。しかし、このような努力を払ったにも拘わらず、ロータリーキルン内の環境次第では、腐食損傷が発生する場合がある。万一、ロータリーキルンに損傷が発生した場合には、ロータリーキルンの安全性と信頼性を確保するために損傷部を補修することが必要である。
【0006】
ロータリーキルン等の円筒状のキルンに損傷が発生した場合には、ロータリーキルンの安全性と信頼性を確保するために損傷部を補修することが必要である。ロータリーキルンの回転体転動面の損傷部を補修する方法として、特許文献1に記載の回転体転動面の損傷部の補修方法は、母材の損傷部を含む領域を削除して凹部を形成し、この凹部に密嵌充填する埋込部材を埋込み、それを固定することにより損傷部を補修するものである。
【特許文献1】特開平7−27482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の回転体転動面の損傷部の補修方法は、きわめて部分的なものであった。全面腐食等によりロータリーキルンの広い範囲で板厚が減少すれば、ロータリーキルンの変形やひび割れの発生により、安全かつ安定的な運転を阻害される可能性がある。そのためロータリーキルンの広範囲にわたって発生するような損傷を補修する方法の確立が課題である。ロータリーキルンの全面腐食のように、損傷部分が広範囲に渡る場合には、前記の特許文献1の補修方法の適用は困難である。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、熱分解装置の円筒状のキルン等の損傷部分を、キルンの機能や性能に影響を与えることなく補修することができるキルンの補修方法を提供することにある。また、ロータリーキルンの損傷部分が大きい場合でも、容易に補修することができるキルンの補修方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく、本発明に係るキルンの補修方法は、廃棄物等の被処理物を熱分解する円筒状のキルンを備える熱分解装置の前記キルンの補修方法であって、キルンの外周壁の損傷部分に、該外周壁の外周面の曲率半径を基準とした曲率半径の内周面を有する外筒を、その外周周縁部を前記キルンの外周面に、溶接等で接合して固定することを特徴としている。外周壁の外周面の曲率半径と、外筒の内周面の曲率半径は実質的に等しく設定される。すなわち、熱分解装置のキルンの損傷部分に、損傷のない健全な外筒を固定して被覆することにより、キルンの機能や性能に影響を与えることなく、損傷部分を補修することができる。
【0010】
前記のごとく構成された本発明のキルンの補修方法は、キルンの外周壁に損傷が発生すると、その損傷部分を覆うように、キルンの外周壁の外周面の曲率半径と実質的に等しい曲率半径の内周面を有する外筒を、外周壁の外周面と密着するように設置し、外筒の外周周縁部をキルンの外周壁の外周面に接合して固定し、キルンの損傷部分を外側から外筒で被覆固定する。このようにキルンの損傷部を外筒で被覆して補修するため、キルンの外周壁の損傷部分の面積が大きい場合でも容易に補修することができる。特に、キルンの外周壁の損傷部分が小さいときには、外筒をその外周縁部で接合することのみで容易に補修することができる。
【0011】
本発明に係るキルンの補修方法の他の態様としては、前記外筒を前記キルンの外周壁の外周面に固定したあと、前記外筒で被覆された前記キルンの外周壁を、前記外筒が接合された外周縁部を残して除去することを特徴としている。すなわち、外筒で被覆された内側のキルン外周壁を、接合された外周縁部を残してキルンの内側から除去し、補修部分の2層部分を1層にする。このように、被覆したあと損傷部分を内側から除去することにより、損傷のない健全な部材に置き換えて補修することができる。
【0012】
このように構成されたキルンの補修方法は、キルンの外周壁に損傷が発生すると、損傷部分を覆うように外周壁の外側から外筒を当て、外筒の外周縁部をキルンの外周面に接合して固定し、損傷部分を覆って2層構成とする。このあと、2層部分の内側の外周壁を、その外周縁部を残して除去するため、キルンの補修部分は1層構成となって内部を移動する廃棄物への加熱を妨げることはない。特に、損傷部分が大きく補修のための外筒が大面積の場合には、補修による2層部分を1層とすることで熱の伝達効率を補修前と同様にすることができ、キルンの機能や性能に影響を与えることはない。
【0013】
また、本発明に係るキルンの補修方法のさらに他の態様としては、廃棄物等の被処理物を熱分解する円筒状のキルンを備える熱分解装置の前記キルンの補修方法であって、前記キルンの外周壁の損傷部分に、該外周壁の内周面の曲率半径を基準として設定した曲率半径の外周面を有する内筒を、その外周周縁部を前記キルンの内周面に接合して固定することを特徴としている。外周壁の内周面の曲率半径と、内筒の外周面の曲率半径は実質的に等しく設定される。
【0014】
このように構成されたキルンの補修方法によれば、キルンの外周壁に損傷が発生すると、この損傷部分に外周壁の内周面の曲率半径と実質的に等しい曲率半径の外周面を有する内筒を外周壁の内周面に当て、その外周周縁部をキルンの内周面に接合して内筒をキルンに固定する。これにより、キルンの損傷部分は内筒により内側から覆われて2層構成となり、損傷部分を損傷の無い健全な部材で内側から覆って容易に補修することができる。
【0015】
さらに、本発明に係るキルンの補修方法は、前記の補修方法において、前記内筒を前記キルンの外周壁の内周面に固定したあと、前記内筒で被覆された前記キルンの外周壁を、前記内筒が接合された外周縁部を残して除去することを特徴としている。すなわち、内筒で被覆された外側のキルン外周壁を、接合された外周縁部を残してキルンの外側から除去し、補修部分の2層部分を1層にする。このように、内筒で被覆したあと損傷部分を外側から除去することにより損傷のない新規な部材に置き換えて補修することができる。これにより、キルンの補修による2層部分は1層となり、キルンの機能や性能に影響を与えることなく補修することができる。
【0016】
前記外筒または内筒は、その軸方向に沿って分割され、前記キルンの外周壁の外周面または内周面に順次固定されることが好ましい。そして、分割された外筒または内筒は、最終的に相互に接合されることが好ましい。このように構成されたキルンの補修方法では、キルンの外周壁に外筒や内筒を当てるとき、軸方向に沿って分割された分割片を部分的に当てて接合により固定することができ、1つの分割片を接合固定したあと別の分割片を、固定された分割片に隣接させて接合固定し、複数の分割片を相互に接合固定することでキルンの外周壁の全周に亘って接合固定することができる。このため、キルンの外周壁の外周面に沿わせて、一周する外筒を軸方向に移動させて外嵌させたり、キルンの外周壁の内周面に沿わせて一周する内筒を軸方向に移動させて内嵌させたりすることが不要となり補修作業が容易となる。
【0017】
さらに、本発明に係るキルンの補修方法の他の態様は、廃棄物等の被処理物を熱分解する円筒状のキルンを備え、前記キルンの外周壁の損傷部分に、該外周壁の内周面の曲率半径と実質的に等しい曲率半径の外周面を有する内筒を内嵌させることを特徴としている。この構成によれば、キルンの損傷部分に対応して外周壁の内周面の曲率半径と実質的に等しい曲率半径の外周面を有する内筒を内嵌させ、溶接等による固定はおこなわないので、極めて容易に補修することができ、作業時間を短縮できる。
【0018】
前記の補修方法において、内筒と、前記キルンの外周壁の内周面との間に金属薄板を挟んで、前記内筒と、前記キルンの外周壁の内周面とを密着させることが好ましい。特に、挟む金属薄板としては、金や銀のように延性、展性に優れると共に耐食性に優れた金属薄板が好ましい。この構成によれば、キルンの外周壁と内筒との間の密着状態を良好とすることができ、キルンの外周壁の伝熱状態が良くなるため、キルン内部の廃棄物の加熱が均一となり熱分解を効率良く行なうことができる。
【0019】
他の態様として、本発明に係るキルンの補修方法は、廃棄物等の被処理物を熱分解する円筒状のキルンを備える熱分解装置の前記キルンの補修方法であって、前記キルンの外周壁の損傷部分を切除し、該切除部分に当板を接合して固定することを特徴としている。当板はキルンの外側から固定しても、内側から固定してもよい。当板としては、キルンと同じ材質で、同じ厚さのものが好ましい。
【0020】
このように構成されたキルンの補修方法によれば、キルンの損傷部分を所定の形状に切除し、切除することで例えばそれ以上の腐食等の損傷は防止され、切除した部分に当板を当てて、溶接等により接合して固定するため、補修作業が容易に行なえる。また、同じ材質で同じ厚さの当板を接合すると、熱伝導率が変化しないためキルンの機能や性能に影響を与えることはない。この補修方法は、損傷部分が小さい場合に最適であり、補修作業の時間を短縮できる補修方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明のキルンの補修方法によれば、円筒状のキルンを備える熱分解装置において、その外周壁の損傷部分を、円筒状のキルンの機能および性能に影響を与えることなく、欠陥のない健全な部材で被覆することができ、また欠陥のない健全な部材に置き換えることができるため、キルンを安全かつ安定的に運転することが可能になる。さらに、円筒状のキルンを補修することで熱分解装置の寿命を延長することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係るキルンの補修方法の第1の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。先ず、図1を参照してロータリーキルン方式のガス化炉を備えた熱分解装置について説明する。図1はロータリーキルン方式のガス化炉を備える熱分解装置の要部断面図である。
【0023】
図1において、本実施形態の熱分解装置1は、被処理物として廃棄物を熱分解する装置であり、円筒状のロータリーキルンを回転させるロータリーキルン方式の熱分解装置である。この熱分解装置1は、ごみを熱分解ガスと熱分解カーボン(以下、チャーという)を含む熱分解残さに分離する装置で、熱分解ガスとチャーにより高温にした溶融炉(図示せず)に、チャーと灰分を投入することにより、灰分を溶融スラグ化するものである。
【0024】
この方式のガス化溶融炉は、ごみを高温で処理できるためダイオキシンの発生を抑制でき、また最終生成物であるスラグは建築資材等に有効利用できるため、最終処分場への埋立量を大幅に低減できる。さらに、このガス化溶融炉は、これらの処理を、ごみが持つエネルギーで賄っているため、ごみ処理に必要とされる外部エネルギーを大幅に低減することができる特長がある。
【0025】
ガス化溶融炉を構成する熱分解装置1は、中央部に回転可能に支持されたロータリーキルンを備えた装置として構成されている。熱分解装置1は焼却場に持ち込まれたごみを投入する投入口2aを有する投入フード2をロータリーキルン3の一端側(左側)に備えている。投入フード2の下方には、投入されたごみを搬送するスクリューフィーダー4が設置され、このスクリューフィーダーによりごみは、ロータリーキルン3内に供給される構成となっている。ロータリーキルン3は図示していない軸受機構で両端部を支持され、同様に図示していない回転駆動機構により低速で回転される。ロータリーキルン3は、例えばステンレススチール等の金属製の円筒から形成されており、大径の外周壁3a部分と、この外周壁の両端部に垂直壁部を介して同心的に連続する小径の入口部3bおよび出口部3cとを備えており、ほぼ水平状態に、あるいは出口側に僅かに下降して設置されている。
【0026】
ロータリーキルン3の外周には燃焼室としてジャケット5が取り囲んで設置され、ジャケット5内にはロータリーキルン3内で発生した熱分解ガスを燃焼する熱分解ガスバーナー(図示せず)からの高温の排ガスが加熱ガス6として供給され、キルン3内部に供給される廃棄物(ごみ)を加熱して熱分解するように構成されている。ジャケット5は熱分解装置1の基礎に固定され、装置固定部であるジャケット5の内周をロータリーキルン3が回転する構成となっている。
【0027】
この熱分解装置1において、焼却場に持ち込まれたごみは、スクリューフィーダー4により横置きされたロータリーキルン3の入口である投入フード2からロータリーキルン内に送り込まれる。ロータリーキルン3内のごみは、回転するロータリーキルン3内で攪拌されながら出口である排出フード7に向かって移動し、その間に空気を遮断した雰囲気で加熱されることにより、主として熱分解ガス8とチャー9が分離されて無機化合物を主体とした灰分10と呼ばれる物質に変質される。この過程で鉄やアルミ等の金属ごみは、これらの融点以下で処理されるため、そのままの形態で不燃物として回収される。
【0028】
ごみを加熱するための加熱ガス6は、熱分解ガス8を熱分解ガスバーナ(図示せず)で燃焼させて昇温したもので、ロータリーキルン3とジャケット5で構成された経路を、ごみの移動方向に対して順方向または逆方向に循環してロータリーキルン3を加熱する。つまり、ごみにはロータリーキルン3を介して熱が供給され、熱分解により熱分解ガス8とチャー9が生成される。
【0029】
ロータリーキルン3にて生成する熱分解ガスは、一酸化炭素や水素、炭化水素等の燃焼ガスを含むものであり、一酸化炭素等の有害ガスを含むと共に臭気を帯びているため、大気中に漏洩させることはできない。また熱分解ガス8を熱分解ガスバーナで燃焼させた加熱ガス6も、同様に有害ガスを含むものであるため、ジャケット5から大気中に漏洩させることはできない。そのため、熱分解ガス8や加熱ガス6の経路である熱分解装置1の装置固定部と、熱分解ガスを発生させる回転式のロータリーキルン3との間においては、これらのガスが大気中に漏洩することを防止するためのシール装置が必要になる。このようなシール装置により、熱分解ガス8や加熱ガス6がシステム外に漏洩することを防止している。
【0030】
これらのシール装置は、回転するキルン3と固定部であるジャケット5との接合部分のシール装置11と、回転するロータリーキルン3とごみ投入フード2との接合部分のシール装置12が必要である。また、排出フード7とキルン3との間にもシール装置13が必要である。これらのシール装置11〜13は基本的には同一構造でよい。熱分解装置1で使用するシール装置としては、例えば回転するロータリーキルン3から延出するつば部と、装置固定部であるジャケット5のつば部とをスプリング等で押圧して摺動させ、内部のガスの漏洩を防止する例が一般的である。
【0031】
ごみを熱分解するためのロータリーキルン3の内壁は、塩素化合物や硫黄化合物を含む腐食性の高い熱分解ガス8と高温で接触するため、全面腐食等による腐食損傷が顕在化している。また、熱分解装置1の停止時でも、ガス中の腐食性成分が露点以下になって液化すれば、いわゆる酸露点腐食が発生する。そのためロータリーキルン3の安全性と安定性を確保した運転を継続するためには、このような腐食の進行を食い止めたり、腐食損傷した部分を補修することが必要である。
【0032】
前記の如く構成されたロータリーキルン3の板厚が、腐食等により減少するようなことがあれば、安全かつ安定的な運転を阻害する要因となるため、このような事象が発生した場合には、速やかに補修することが必要である。以下、本発明のロータリーキルンの補修方法の第1の実施形態について、図2〜図7を用いて説明する。
【0033】
図2は、分割された外筒をロータリーキルンの外面に設置する工程の要部斜視図を示している。図2において、ロータリーキルン3の外周壁の内面または外面に発生した損傷部分S(損傷部位)を補修するように、ロータリーキルン3の外周壁を被覆する外筒20とするため、本実施形態では外筒を軸方向に2つに分割した部材(以下、分割円筒21,22という)をロータリーキルンの外面に設置するものである。図2以下では円筒状の外筒を2分割した分割円筒21,22の場合について説明する。
【0034】
外筒20は分割円筒21,22を軸方向端面に沿って接合することで円筒形を構成するものであり、両端面は軸方向と直角に切断されている。そして、外筒20の内周面の曲率半径はロータリーキルン3の外周壁3aの外周面の曲率半径に基づいて設定され、外筒の内周面とロータリーキルンの外周面の曲率半径R1は実質的に等しく設定されている。外筒20を構成する分割円筒21,22の材質は、ロータリーキルン3の材質と同一である必要はないが、ロータリーキルンに設置する外筒20の長さは、損傷部分Sのすべてを覆うものでなくてはならない。また、外筒20の肉厚はロータリーキルン3の肉厚と同等が好ましい。
【0035】
図3は図2の工程に続く工程を示す要部斜視図である。図3の工程では、図2の工程でロータリーキルン3の外周壁3aに設置した分割円筒21の両端(外周周縁部)を、すみ肉溶接等で溶着接合して外周接合部23,23を形成することにより、ロータリーキルン3の外周壁3aに固定したものである。図3に示されるように、損傷部分Sの一部が分割円筒21で覆われる。溶接で固定する場合は、溶接熱や溶接残留応力による分割円筒21の変形が懸念されるが、この場合は、ロータリーキルン3の強固な円筒形状の構造が外筒20の変形を拘束するため、このような変形はおこらない。
【0036】
図4は図3の工程に続く工程を示す要部斜視図である。図4の工程では、一方の分割円筒21をロータリーキルン3の外周壁3aに固定したあと、ロータリーキルン3を180°回転させて上下反転し、外筒20を2分割した分割円筒で、図3でロータリーキルンに固定した分割円筒21の対である分割円筒22を、ロータリーキルン3の外周壁3a上に設置する。設置が完了すると、分割円筒22の軸方向の端面22a,22aは、固定された分割円筒21の軸方向の端面21a,21aと接触する。
【0037】
図5は図4の工程に続く工程を示す要部斜視図である。図5の工程では、図4の工程でロータリーキルン3の外周壁3a上に設置した分割円筒22の両端(外周周縁部)を、すみ肉溶接等で溶着接合して外周接合部24を形成することにより、ロータリーキルン3の外周壁3aに固定したものである。さらに分割円筒21,22の軸に沿う端面21a,22a同士を、すみ肉溶接等で溶着接合して軸方向接合部25を形成することにより、ロータリーキルン3の外筒20としたものである。なお、外筒20を分割しない場合は、軸方向接合部は不要で、外周接合部のみで固定すればよい。これによりロータリーキルン3の損傷部分に損傷のない健全な外筒20を固定し、損傷部分Sをすべて被覆したことになる。本発明のキルンの補修方法は、ここまでの工程で一応の補修は完了し、ロータリーキルン3の安全かつ安定的な運転は可能となるが、さらに、図6以降の工程を行うことでロータリーキルンの機能や性能への影響を少なくすることができる。
【0038】
図6は図5の工程で、外筒20をロータリーキルン3の外周壁3aに接合して固定した状態でのロータリーキルン3の要部断面図を示す。ロータリーキルンは、その外面を加熱ガスにより加熱され、その熱をロータリーキルン内のごみに伝えて熱分解するものであるが、図6ではロータリーキルン3と外筒20とが二重の構造になっているため、両者の接触が不十分な場合には、ごみへの伝熱効率が阻害されて熱分解の障害となる場合がある。そこで、次に示す図7の工程で、外筒20とロータリーキルン3の外周壁3aとの2層構造を1層構造とする。
【0039】
図7は図6の工程に続く工程を示す要部断面図である。図7の工程では、外筒20を固定したロータリーキルン3の外周壁3aの一部、すなわち外筒20で被覆されたロータリーキルン3の外周壁部分を、外筒が接合された外周縁部を残して、損傷部分を含む除去部3dを除去する。外周縁部を残す幅W1は、ロータリーキルン3の外周壁3aの厚さとほぼ等しく設定すると好ましい。除去は、例えばロータリーキルンの内周側から切込みを入れ、さらに多数の縦横の切込みにより分割して除去すると好ましい。これにより、加熱ガスにより加熱された外筒から、直接ごみに熱が伝わるようになり、ごみへの伝熱効率が阻害されることはない。つまり、前記した第1の実施形態で、図7の工程を行うことにより、ロータリーキルン3の損傷部を、ロータリーキルンの機能や性能に影響を与えることなく、すなわち、加熱ガス6からロータリーキルン3内のごみに加わる熱量等を補修前と同等にすることができ、損傷のない新規な部材(健全な部材)よりなる外筒20に置き換えることにより補修することができる。
【0040】
また、外筒20で覆われた外周壁の除去部3dを除去した後、ロータリーキルン3の内面側から外筒20とロータリーキルン3の周縁部との最終的な接合処理を行い、すみ肉溶接等で内周接合部26を形成することにより、ロータリーキルン3と外筒20の構造信頼性を向上させることができる。すなわち、外筒20の外側周縁部は外周接合部23,24により溶着して接合され、ロータリーキルン3の外周壁の除去された周縁部は内周接合部26により溶着して接合されており、接合強度が大きくなって信頼性が向上する。
【0041】
なお、本実施形態では、外筒を2分割してそれぞれをロータリーキルンに固定したが、可能であれば外筒を分割せずに円筒状のままでロータリーキルンに設置しても良い。逆に、3分割以上した分割円筒を順次ロータリーキルンに固定した後、分割円筒同士を接合処理して外筒にしても良い。
【0042】
次に、本発明のロータリーキルンの補修方法の第2の実施形態について、図8,9を参照して説明する。前記した第1の実施形態は、ロータリーキルンの外周壁の損傷部分に外筒を接合して固定するものであったが、この実施形態は、ロータリーキルンの外周壁の損傷部分の内周に内筒を接合して固定することを特徴とするものである。図8は、ロータリーキルン3の内面または外面に発生した損傷部位を補修するため、ロータリーキルン内に円筒状の内筒30を設置し、固定した状態の要部斜視図および要部断面図、図9は図8の後工程で内筒を固定した後、内筒で被覆されたキルンの外周壁を、その外周縁部を残して除去した状態の要部斜視図および要部断面図である。
【0043】
図8,9において、ロータリーキルン3は前記の実施形態と同等の構成であり、ステンレススチール等の金属製の円筒から形成されており、大径の外周壁3a部分を有している。ロータリーキルン3の外周壁3aに損傷が発生すると、損傷部分の内周に内筒30を設置して補修する。内筒30の外周面の曲率半径R2は、ロータリーキルン3の外周壁3aの内周面の曲率半径と実質的に等しく設定されている。この構成により、内筒30を外周壁3aの内周に当てると、両者はほぼ同じ曲率半径R2であるため内筒30と外周壁3aとは、殆ど隙間の無い状態で接触する。
【0044】
この実施形態でも、内筒の材質は、ロータリーキルンの材質と同一である必要はないが、キルンの機能や性能への影響を少なくするためには同じであることが好ましい。なお、ロータリーキルンに接合して固定する内筒の長さは、外周壁の損傷部のすべてを覆うものでなくてはならない。また、内筒30の肉厚はロータリーキルン3の肉厚と同等が好ましい。
【0045】
ロータリーキルン3の外壁3aの損傷部分に対応してロータリーキルン内に内筒30を挿入し、挿入された内筒30の両端の周縁部を、すみ肉溶接等で溶接し、内周接合部31,31を形成することにより、ロータリーキルンに固定する。溶接で固定する場合は、溶接熱や溶接残留応力による内筒の変形が懸念されるが、この場合も前記の実施形態と同様に、ロータリーキルン3の強固な円筒形状の構造が内筒30の変形を拘束するため、そのような変形はおこらない。
【0046】
このようにして、ロータリーキルン3の外周壁3aの内周面に内筒30を固定したあと、内筒で内面から被覆されたキルンの外周壁を、内筒30が接合された外周縁部を残して除去する。図9は、内筒を設置したロータリーキルン3の損傷部分を含む一部を除去部3eとして除去し、加熱ガスにより直接内筒30が加熱されるようにした状態を示している。外周縁部を残す幅W2は、ロータリーキルン3の外周壁3aの厚さとほぼ等しく設定すると好ましい。
【0047】
前記の第1の実施形態で述べたように、ロータリーキルン3と内筒30の二重構造であれば、両者の接触が十分でないとごみへの伝熱効率が阻害され、熱分解の障害となる場合がある。しかし、内筒30を設置した部分については、接合した外周縁部を残してロータリーキルンの外周壁を除去して1層構造としているため、ごみへの伝熱効率が阻害されることはない。つまり、第2の実施形態でも、前記した第1の実施形態と同様に、ロータリーキルンの損傷部を、ロータリーキルンの機能や性能に影響を与えることなく、損傷の無い健全な部材よりなる内筒に置き換えることにより補修できる。
【0048】
この実施形態でも、外周壁3aの除去した周縁部を、すみ肉溶接等で溶着接合し、外周接合部32を形成することが好ましい。このように、ロータリーキルン3の外周壁3aと内筒30とは、内周接合部31により溶着して接合され、ロータリーキルン3の外周壁の除去部3eが除去された周縁部は外周接合部32により溶着して接合されており、接合強度が大きくなってロータリーキルンの構造信頼性が向上する。外周接合部を形成しなくてもよいが、ロータリーキルンの強度上形成することが好ましい。
【0049】
なお、第2の実施形態では、内筒を分割せず、そのままロータリーキルン3内に挿入した固定したが、第1の実施形態と同様に、外周壁の損傷部分に内筒を接合して固定するときに、内筒を軸方向に沿って分割した分割円筒をキルン内に挿入し、挿入後に、溶接等の方法によりロータリーキルン内に接合して固定し、外周壁の内周の全周に順次固定するように構成してもよい。例えば、周回状の内筒を軸方向に切断して例えば2〜3の分割円筒を形成し、損傷部分を覆うように1つの分割片を接合して固定し、次いで隣接する分割円筒を接合して固定し、全周に亘って分割円筒を固定したあと、軸方向に沿って相互に接合して内筒を固定するようにしてもよい。この場合は、キルンの内周に周回状の内筒を挿入しにくい場合に特に適している。
【0050】
つぎに、本発明の第3の実施形態について、図10を参照して説明する。図10は第3の実施形態のロータリーキルンの補修方法を示す断面図と、A部拡大図である。この実施形態では、ロータリーキルンの外周壁の損傷部分に、外周壁の内周面の曲率半径R3と実質的に等しい曲率半径の外周面を有する内筒を内嵌させることにより、ロータリーキルンの損傷の進行を防止することを特徴とするものである。すなわち、ロータリーキルン3の外周壁3aの内周面に、内筒35を内周面に密着させるように嵌合させるのみで、溶接等は行なわない。前記した第2の実施形態では、内筒を接合して固定した後、内筒を固定したロータリーキルンの一部を除去することにより、加熱ガスが直接内筒を加熱するものであったが、ロータリーキルンと内筒の二重の構造を介しても、ごみを熱分解できるだけの伝熱が可能であれば、損傷部分に対応してロータリーキルン内に、内筒を固定させるだけでよい。
【0051】
また、前記の第3の実施形態において、内筒35とロータリーキルン3の外周壁3aとの間に、金等の延性、展性に優れ熱伝導率の大きい金属薄板36を挟んで、内筒とロータリーキルン3の外周壁の内周面とを密着して内嵌させると好ましい。金属薄板36を挟んでロータリーキルン3の外周壁3aと内筒35とを嵌合させることにより、内筒とロータリーキルンとの熱伝達を良好にすることができ、2層構造でもごみへの伝熱状態を均一にできる。このように、ロータリーキルン3と内筒35との間の伝熱を十分確保できることにより、補修前後のロータリーキルンの熱分解能力が異なることを防止できる。
【0052】
つぎに、本発明の第4の実施形態を、図11を参照して説明する。図11はロータリーキルンの補修方法の第4の実施形態の要部斜視図である。この実施形態は、ロータリーキルン3の外周壁3aの損傷が限られた小さい領域で発生した場合に適用するものである。図11において、ロータリーキルン3の損傷した部分を切除し、切除部分40からごみや熱分解ガスがロータリーキルン3外に漏洩したり、逆に加熱ガスがロータリーキルン内に漏洩しないように、切除したことによりできた穴40を当板41等で塞ぐものである。図11では当板41を溶接等の手段によりロータリーキルン3の外周壁に、外面から接合して固定した場合を示すが、当板41はロータリーキルン3の内面から接合して固定しても良い。
【0053】
このように構成された本発明の第4の実施形態では、ロータリーキルン3の外周壁3aに損傷が発生すると、先ずその損傷部分を切除し、損傷が進行することを防止する。切除する面積は損傷部分より大きく設定することが好ましい。そして、切除して貫通した穴40を塞ぐように、ロータリーキルン3の外周側あるいは内周側から切除部分の面積より大きい面積を有する当板41を当てて補修するため、損傷部分が小さい場合には、少ない作業時間で容易に補修することができる。このように、第4の実施形態では、ロータリーキルン3の外周壁3aの損傷部分が小面積のときに最適な補修方法である。
【0054】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、キルンの外周壁に接合して固定される外筒の内周面の曲率半径と、キルンの外周壁の外周面の曲率半径とは実質的に等しく設定される例を示したが、溶接等で固定されるときに熱分解ガスの漏洩等が起こらない範囲であれば、多少の変動があってもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の活用例として、このキルンの補修方法を用いてロータリー式のキルン以外の円筒状のキルンの補修ができ、廃棄物以外の被処理物を熱分解する装置のキルンの補修にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】ガス化溶融炉のロータリーキルンを備える熱分解装置の要部構成を示す断面図。
【図2】本発明に係るロータリーキルンの補修方法の第1の実施形態の工程を示し、分割された外筒をロータリーキルンの外周壁の外周面に設置する要部斜視図。
【図3】図2の工程に続く工程を示し、溶接等の接合処理により、分割された外筒をロータリーキルンの外面に固定する要部斜視図。
【図4】図3の工程に続く工程を示し、他の分割された外筒をロータリーキルンの外周壁の外周面に設置する要部斜視図。
【図5】図4の工程に続く工程を示し、溶接等の接合処理により、他の分割された外筒をロータリーキルンの外周壁の外周面に固定し、さらに分割された外筒同士を溶接等の接合処理により外筒とした要部斜視図。
【図6】図5の工程で、外筒を固定した状態のロータリーキルンの要部断面図。
【図7】図6の工程に続く工程を示し、外筒を固定したロータリーキルンの一部を除去した状態を示す要部断面図。
【図8】本発明の第2の実施形態のロータリーキルンの補修方法を示し、(a)は溶接等の接合処理により、内筒をロータリーキルン内に固定した状態の要部斜視図、(b)は(a)の要部断面図。
【図9】図8の工程に続く工程を示し、(a)は内筒を固定したあと、内筒で被覆されたロータリーキルンの外周壁の一部を除去した状態の要部斜視図、(b)は(a)の要部断面図。
【図10】本発明の第3の実施形態のロータリーキルンの補修方法を示し、(a)は要部断面図、(b)は(a)のA部の拡大図。
【図11】本発明の第4の実施形態のロータリーキルンの補修方法で、損傷部を切除してできた穴を、当板で塞ぐ動作説明の要部斜視図。
【符号の説明】
【0057】
1:熱分解装置、2:投入フード、3:ロータリーキルン、3a:外周壁、3d,3e:ロータリーキルンの除去部、4:スクリューフィーダー、5:ジャケット、6:加熱ガス、7:排出フード、8:熱分解ガス、9:チャー、10:灰分、11:加熱ガスシール装置、12:熱分解ガスシール装置、20:外筒、21,22:分割円筒、23,24:外周接合部(溶着部)、25:軸方向接合部(溶着部)、26:内周接合部(溶着部)、30:内筒、31:内周接合部(溶着部)、35:内筒、36:金属薄板、40:穴(切除部分)、41:当板、S:損傷部分、R1,R2,R3:曲率半径、W1,W2:外周縁部を残す幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物等の被処理物を熱分解する円筒状のキルンを備える熱分解装置の前記キルンの補修方法であって、
前記キルンの外周壁の損傷部分に、該外周壁の外周面の曲率半径を基準として設定した曲率半径の内周面を有する外筒を、その外周周縁部を前記キルンの外周面に接合して固定することを特徴とするキルンの補修方法。
【請求項2】
前記外筒を前記キルンの外周壁の外周面に固定したあと、前記外筒で被覆された前記キルンの外周壁を、前記外筒が接合された外周縁部を残して除去することを特徴とする請求項1に記載のキルンの補修方法。
【請求項3】
廃棄物等の被処理物を熱分解する円筒状のキルンを備える熱分解装置の前記キルンの補修方法であって、
前記キルンの外周壁の損傷部分に、該外周壁の内周面の曲率半径を基準として設定した曲率半径の外周面を有する内筒を、その外周周縁部を前記キルンの内周面に接合して固定することを特徴とするキルンの補修方法。
【請求項4】
前記内筒を前記キルンの外周壁の内周面に固定したあと、前記内筒で被覆された前記キルンの外周壁を、前記内筒が接合された外周縁部を残して除去することを特徴とする請求項3に記載のキルンの補修方法。
【請求項5】
前記外筒または内筒は、その軸方向に沿って分割され、前記キルンの外周壁の外周面または内周面に順次固定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のキルンの補修方法。
【請求項6】
廃棄物等の被処理物を熱分解する円筒状のキルンを備える熱分解装置の前記キルンの補修方法であって、
前記キルンの外周壁の損傷部分に、該外周壁の内周面の曲率半径と実質的に等しい曲率半径の外周面を有する内筒を内嵌させることを特徴とするキルンの補修方法。
【請求項7】
前記内筒と、前記キルンの外周壁の内周面との間に金属薄板を挟んで、前記内筒と前記キルンの外周壁の内周面とを密着させることを特徴とする請求項6に記載のキルンの補修方法。
【請求項8】
廃棄物等の被処理物を熱分解する円筒状のキルンを備える熱分解装置の前記キルンの補修方法であって、
前記キルンの外周壁の損傷部分を切除し、該切除部分に当板を接合して固定することを特徴とするキルンの補修方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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