説明

キレート剤を洗浄剤とする重金属汚染土壌の洗浄方法

【課題】キレート剤の水溶液を用いて汚染土壌を洗浄し、重金属を錯体として抽出した後、重金属を除去する操作を行わずに直接塩酸を用いた酸析によりキレート剤を高回収率で回収し、回収したキレート剤を汚染土壌の洗浄操作に再利用することによって高洗浄能力を維持すると同時に高い循環効率を達成し、かつ、低コストで効率よく重金属汚染土壌を洗浄する方法を提供することにある。
【解決手段】上記課題を達成する為に、本発明者らは鋭意検討を行った結果、本発明の重金属汚染土壌に対する洗浄方法は下記の工程からなる。
A)重金属で汚染された土壌を、キレート剤水溶液で洗浄し、重金属を錯体として含む抽出液を得る工程、B)重金属を錯体として含む抽出液から5〜20重量%の塩酸を用いた酸析操作により錯体を形成したキレート剤を沈殿させた後、固液分離、水洗浄操作によりキレート剤を回収する工程、及びC)回収したキレート剤を用いて土壌洗浄用のキレート剤水溶液を調製する工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は重金属で汚染された土壌を、キレート剤を使用して浄化する方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場跡地などを中心に鉛やカドミウムなどの重金属による土壌汚染が各地で見出されており、また、土壌汚染対策法の制定、施工に伴い、重金属汚染土壌の浄化方法についての研究が積極的に進められるようになっている。
重金属は有機物のように分解することができないため、重金属汚染土壌を処理するには汚染土壌を掘削して処分場に搬入する、不溶性の重金属塩を生成させて不溶化する、汚染土壌にセメントなどの固形化剤を加えて固化する、土壌に通電して発熱させてガラス状に固化するなどの手法が取られる。しかしながら、これらの方法は何れも土壌中に重金属を残したままにするものであり、長期安定性の面で信頼性にかけるものであった。
【0003】
これに対し、キレート剤を用いて汚染土壌から重金属を除去する方法が提案されており(例えば非特許文献1参照。)、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、ニトリロ三酢酸塩(NTA)などの様々なキレート剤が検討されてきた。しかしながら、キレート剤を用いる方法は、効果は高いものの、洗浄にEDTAのようなキレート剤を5〜20重量%含有する液を使用する為、キレート剤の消費量が大きく、処理コストが高い問題があった。更に、洗浄により発生した錯体を含む廃液の処理の問題もある。
【0004】
一般的にキレート剤と形成した錯体の溶液から重金属を除去する方法としては、溶液のpHを調整し、イオン交換樹脂に通じることにより重金属をイオン効果樹脂に吸着させ、重金属を含まないキレート剤の水溶液を得る技術がある(例えば特許文献1参照。)。この方法は、処理に際して温度を調整する必要がある上、イオン交換により重金属が除去される代わりにナトリウム或いはカルシウムなどの金属イオンの濃度が上昇し、pHが著しく上昇するか、H型のイオン効果樹脂を使用することにより著しく低下する。キレート剤による重金属の抽出能力はpHにより大きく変化するため、キレート剤を再使用する場合にはイオン交換処理後に再度pH調整を行う必要がある。更に、イオン交換樹脂については定期的に交換、若しくは再生する必要があり再生時の排水の処理が必要となる。
【0005】
アルカリ性条件下でカルシウム或いは硫化物を加えて重金属を沈殿として除去し、その後塩酸や硫酸などの鉱酸を用いてEDTAを沈殿化して回収するする方法もあるが、重金属除去時にアルカリ性に調整し、重金属を沈殿化する際には再度pHを強酸性条件まで調整する必要がある上、キレート剤が高濃度に存在する状態のままでは完全に重金属を沈殿化することが困難であり、更に、回収したEDTAを使用して重金属を抽出する場合にもpHの調整が必要となる(例えば特許文献2参照。)。
【0006】
また、重金属を含むEDTA水溶液に対してはpHを9以上に調整後、硫化ナトリウムなどの不溶化剤を用いて重金属を沈殿させ、得られる分離液を洗浄に再使用する方法も提案されている(例えば特許文献3参照。)。しかし、この方法では重金属沈殿形成前、また、重金属沈殿除去後にpHを所定のpHに維持しないと沈殿が形成されない上、沈殿物が非常に微粒子であり、完全に捕集することができない。更に、分離された液はpHが高くそのまま使用する場合には所望の重金属除去率が達成できず、洗浄能力が低下するため、結果的にpH調整が必要となるため、キレート剤水溶液の濃度を維持することが困難となるという問題がある。
キレート剤回収際し、先行して重金属を沈殿として除去する場合には、分離した沈殿物の含液率が高く成る傾向があり、沈殿物の含液中に含まれるEDTAは回収することができず高回収率を達成することが困難であるという問題もあった。
【0007】
【非特許文献1】Robert W. Peters, Journal of Hazardous Materials, 66, 151-210(1999)
【特許文献1】特開平1−11827号公報
【特許文献2】特開昭51−10176号公報
【特許文献3】特開平4−263874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、このような技術の現状を一歩進め、キレート剤の水溶液を用いて汚染土壌を洗浄し、重金属を錯体として抽出した後、重金属を除去する操作を行わずに直接塩酸を用いた酸析によりキレート剤を高回収率で回収し、回収したキレート剤を汚染土壌の洗浄操作に再利用することによって高洗浄能力を維持すると同時に高い循環効率を達成し、かつ、低コストで効率よく重金属汚染土壌を洗浄する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する為に、本発明者らは鋭意検討を行った結果、本発明の重金属汚染土壌に対する洗浄方法は下記の工程からなる。
A)重金属で汚染された土壌を、キレート剤水溶液で洗浄し、重金属を錯体として含む抽出液を得る工程
B)重金属を錯体として含む抽出液から5〜20重量%の塩酸を用いた酸析操作により錯体を形成したキレート剤を沈殿させた後、固液分離、水洗浄操作によりキレート剤を回収する工程
及び
C)回収したキレート剤を用いて土壌洗浄用のキレート剤水溶液を調製する工程
酸析操作にて塩酸の濃度を調整すると同時に、沈殿形成開始から分離開始までの時間を0.5時間以上とすることにより沈殿物を熟成させ、固液分離物の含液率を低減させることにより、回収キレート剤に残留する金属濃度を低く、また、キレート剤の回収率を高く維持することができる。キレート剤そのものを回収することにより所望の土壌洗浄剤としての濃度に調製することが可能であり、重金属汚染土壌の洗浄効率も高く維持することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、キレート剤の水溶液を用いて汚染土壌を洗浄し、重金属を錯体として抽出した後、重金属を除去する操作を行わずに直接塩酸を用いた酸析により含有金属量の少ないキレート剤を高回収率で回収し、回収したキレート剤を汚染土壌の洗浄操作に再利用することによって高洗浄能力を維持すると同時に高い循環効率を達成可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の浄化対象となる重金属汚染土壌としては市街地、山林、工業跡地、農業用地、沼地、更には排土などで重金属の元素単位、化合物又はイオンを含有する土壌が挙げられる。本発明のキレート剤水溶液で浄化可能な重金属元素としては鉛、カドミウム、水銀、砒素、セレンなど特に限定されるものではないが、鉛、水銀、カドミウムに対して極めて有効である。
【0012】
また、本発明で用いるキレート剤水溶液において、洗浄剤成分として用いるキレート剤はアミノカルボン酸系キレート剤から選ばれる洗浄剤であり、重金属と共に錯体を形成する、たとえばグルタミン酸二酢酸4ソーダ、アスパラギン酸二酢酸4ソーダ(ASDA)、メチルグリシン二酢酸3ソーダ(MGDA)、N,N−エチレンジアミンコハク酸(EDDS4H)、N,N−エチレンジアミンコハク酸3ソーダ(EDDS3Na)、エチレンジアミン4酢酸塩(EDTA)が挙げられる。
これらキレート剤水溶液中のキレート剤濃度は0.01〜1M、特に0.01〜0.5Mであるのが薬剤コストの低減、重金属汚染土壌の洗浄回数の低減、洗浄廃液処理の負荷低減の点で好ましいが、土壌中の重金属濃度に応じて調整することが好ましい。
【0013】
これらのキレート剤水溶液のpHについては4〜6であることが好ましい。アミノカルボン酸系キレート剤の多くは錯体形成のための多数の酸型官能基を持つが、これらの官能基がアルカリと結合した場合にはpHが上昇する。アルカリとの結合が多く、pHが高い状態となると土壌中の重金属とアルカリ成分との交換が遅く、結果として重金属の抽出率が低下する。また、アルカリとの結合が全くない場合にはほとんどのキレート剤において水への溶解度が極めて低くなり、キレート剤濃度を上昇させることができず、洗浄効率が低下する。重金属汚染土壌を原位置で洗浄する場合には地下構造物への影響を考慮する必要があり、低pHでは地下構造物への影響が懸念される。重金属汚染土壌を洗浄する場合洗浄液が高pHの場合、一般的に重金属は高pH域で不溶状態となることが知られており、また、土壌中に含まれるイオン性の鉄、アルミ成分が不溶状態となる際に一緒に砒素、カドミウム、セレン、水銀などの重金属成分が共沈され浄化効率が低下するため好ましくない。更に、pHを4〜6にて使用することにより緩衝効果によりpH変化が少なく、安定した浄化能力を維持することができる。緩衝効果を確実にする為に既知の緩衝溶液を用いても良い。尚、本発明で用いるキレート剤の水溶液のpH調整は苛性ソーダなどの汎用アルカリで調整することができる。
【0014】
このようなキレート剤の水溶液を用いて重金属汚染土壌を洗浄する形式は特に制限されず、原位置にて薬剤通水により洗浄する方法、土壌を掘削して洗浄した後、浄化土壌を埋め戻す方法などの何れでも良い。
【0015】
また、本発明において水溶液で洗浄するとは土壌と水溶液を直接混合する以外に、土壌に洗浄剤と水を別々に加えて混合して洗浄する方法、水を含む土壌に洗浄剤を混合して洗浄する方法も含まれる。
このように処理することにより土壌中の重金属は水溶液中に溶出する。水溶液による洗浄は上記洗浄の方法により洗浄回数が変化するが、掘削して洗浄する場合少なくとも数回行われる。このような洗浄操作を行うことにより重金属とキレート剤が錯体を形成し、その錯体を含む水溶液(抽出液)を得る。
【0016】
洗浄後土壌と分離された水溶液(抽出液)中にはキレート剤と共に抽出された重金属が存在しており、掘削洗浄法の場合には一般的に使用される遠心分離機、ろ過装置などの固液分離装置により土壌と抽出液を分離する。原位置にて薬剤通水により土壌浄化を行う場合には揚水口より抽出液がくみ出される。この重金属を含有する状態の抽出液に対し、酸を添加し、酸析操作によりキレート剤成分のみを沈殿化させる。この際に回収率を高くする為にはpHを2以下とすることが好ましい。回収率を高く維持するためにはpHを1以下することがより好ましい。
【0017】
酸析操作で使用する酸は硫酸、硝酸などの鉱酸が使用可能である。しかし、高い回収率を維持すること、回収キレート剤中に重金属を残留させないことなどの点にて塩酸を用いることが必要である。極めて低い濃度ではあるが低pHの状態でも水に対しキレート剤は溶解するため、高回収率達成のためには液量の上昇を抑制することが重要ではあるが、35重量パーセントの塩酸水(濃塩酸)を直接使用すると理由は不明であるが、回収率は逆に低下する。また、同時に回収されるキレート剤成分に残留する金属も増加する傾向となる。回収率及び回収キレート剤中への金属成分残留を抑制するために、使用する塩酸濃度は5〜20重量パーセントであることが必要である。酸析の方式は特に限定されるものではなく、バッチ方式、連続方式、半連続方式いずれも適用可能である。塩酸添加開始から固液分離開始までの時間としては長いほど析出したキレート剤の結晶が十分熟成され、固液分離が容易となる上、分離キレート剤の含液率を低減できるため、回収キレート剤への残留金属量を低減できる傾向があるが、塩酸添加開始から固液分離開始までの所要時間としては0.5時間以上であれば十分である。
【0018】
固液分離には一般的に使用される遠心分離機、ろ過装置などが使用でき、特に限定されないが、水洗浄機能を持つものが好ましい。この水洗浄操作により固体となって沈殿したEDTAと重金属の錯体からEDTAのみが固体として回収することができ、重金属は高濃度の水溶液として得ることができる。水洗浄機能がない場合には分離されたキレート剤の沈殿を水洗浄後、再度脱水する。水洗浄に使用する水量に限定はないが、水使用量増加に伴い、回収率が低下し、残留金属濃度は低下する傾向となる。一般的には回収されるキレート剤重量に対し1〜5倍重量の水にて洗浄することで回収キレート剤に残留する金属濃度を100ppm以下まで低減可能である。また、重金属汚染土壌洗浄時には洗浄作業進行と共に水使用量を増加させ残留金属濃度を低下させるなどの使用方法も適用可能である。上記方法でキレート剤を回収する場合、キレート剤濃度、塩酸濃度、pH、洗浄水量により回収率は若干変化するが、回収率95%以上を安定して達成することが可能である。
【0019】
回収されたキレート剤は乾燥することなく、再度重金属汚染土壌を洗浄するための洗浄剤を調製する工程に使用できる。キレート剤を分離・回収することにより、所望の濃度、pHに調製することが可能であり、pH調製には汎用アルカリである苛性ソーダなどが使用可能である。上記の方式でキレート剤を回収した場合、回収キレート剤のみでの土壌洗浄用の水溶液を調製、使用した場合でも洗浄能力は新品と同程度であり、重金属除去能力の低下はほとんど見られない。土壌洗浄に伴い、土壌への収着、分解により一般的には5〜20%の範囲でキレート剤そのものを損失する為、場合によっては損失分を補う必要があるが、上記調製工程にて回収品に新品をブレンドすることにより問題なく調製可能である。
【0020】
分離した重金属を含有する廃液はキレート剤を先行して除去していることにより、一般的な重金属排水処理方法で処理することが可能となり、特に水酸化カルシウム等のCa成分を使用することによりアルカリ沈殿法にて重金属を沈殿とし、固液分離により分離された水は直接下水として排出することが可能となる。
【0021】
以上のように本発明によれば重金属汚染土壌の浄化に要するキレート剤量を大幅に低減することが可能である他、排水処理も容易となり、処理コストおよび環境影響の低減した状態で重金属汚染土壌の洗浄が可能となる。
【実施例】
【0022】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。重金属定量分析はICP分析装置にて実施した。また抽出率は下記式にて算出した。
抽出率(%)=[抽出液中の金属濃度]×[抽出液量]/[含有量] ×100
含有量 = [汚染土壌含有量試験結果] × [使用した土壌量]
【0023】
[実施例1]
環境省告示46号の含有量試験に基づき試験した結果、鉛含有量1200mg/kg及び砒素含有量600mg/kgの汚染土壌に対しpHを4に調整した2重量%のEDTA水溶液二重量部を混合し、EDTA−重金属錯体を形成させた。その後、ろ過分離により得た抽出液の金属濃度を常法に従い確認した結果、鉛の抽出率は90%、砒素の抽出率は20%であった。この抽出液に10重量パーセントの塩酸水をpHが1となるまで添加し、0.5時間攪拌後、沈殿物をろ過、沈殿物の約2重量部に相当する水にて洗浄し、再度脱水を行った結果、EDTAの回収率は95%、回収EDTA中に含まれる金属は90mg/kg(90ppm)であった。また、この回収EDTAを苛性ソーダでpHを4に調整しながら再度2重量%の水溶液とし、上記と同じ汚染土壌に対し2重量部となるように混同しろ過分離した結果、鉛の抽出率が89%、砒素の抽出率は21%であった。
【0024】
[実施例2]
実施例1と同じ汚染土壌をカラム型装置内に充填し、下部よりpHを4に調整した2重量%のEDTA水溶液を通水し、カラム上部より排出する方式にて汚染土壌を洗浄した。カラムに充填した土壌に対し約10重量部のEDTA水溶液を通水した後、カラム内部の汚染土壌について重金属含有量評価試験を行った結果鉛含有量が100mg/kgとなった。排出されたEDTA水溶液に10重量パーセントの塩酸水をpHが1となるまで添加し、0.5時間攪拌後、沈殿物をろ過、沈殿物の約2倍の重量に相当する水にて洗浄し、再度脱水を行った結果、EDTAの回収率は96重量%、回収EDTA中に含まれる金属は75mg/kgであった。また、この回収EDTAを苛性ソーダでpHを4に調整しながら再度2重量%の水溶液とし、上記と同様、汚染土壌を充填したカラムの下部より通水しながら汚染土壌の洗浄を実施した。カラムに充填した土壌に対し約10重量部のEDTA水溶液を通水した後、カラム内部の汚染土壌について含有量試験を行った結果鉛含有量が110mg/kgとなった。
【0025】
[比較例1]
実施例1と同じ要領で実施し、EDTAの沈殿化操作を濃塩酸(35重量%)で実施した結果EDTAの回収率は85%、回収EDTA中の金属濃度は150mg/kgであった。
【0026】
[比較例2]
実施例1と同じ要領で実施し、EDTAの沈殿化操作を10重量%の塩酸水を添加後、10分で終了し固液分離を行った結果、EDTAの回収率は83%、回収EDTA中の金属濃度は180mg/kgであった。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明により、キレート剤の水溶液を用いて汚染土壌を洗浄し、重金属を錯体として抽出した後、重金属を除去する操作を行わずに直接塩酸を用いた酸析により含有金属量の少ないキレート剤を高回収率で回収し、回収したキレート剤を汚染土壌の洗浄操作に再利用することによって高洗浄能力を維持すると同時に高い循環効率を達成可能となった。また、キレート剤を高回収率で回収することにより残る、排水処理も容易となり、処理コストおよび環境影響の低減した状態で重金属汚染土壌の洗浄が可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程から成る、キレート剤を洗浄剤とする重金属汚染土壌の洗浄方法。
A)重金属で汚染された土壌を、キレート剤水溶液で洗浄し、重金属を錯体として含む抽出液を得る工程
B)重金属を錯体として含む抽出液から5〜20重量%の塩酸を用いた酸析操作により錯体を形成したキレート剤を沈殿させた後、固液分離、水洗浄操作によりキレート剤を回収する工程
及び
C)回収したキレート剤を用いて土壌洗浄用のキレート剤水溶液を調製する工程
【請求項2】
キレート剤がアミノカルボン酸系キレート剤であることを特徴とする請求項1記載の洗浄方法。
【請求項3】
キレート剤がエチレンジアミン四酢酸塩である請求項2記載の洗浄方法。
【請求項4】
洗浄に使用するキレート剤水溶液のpHが4〜6であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の洗浄方法。
【請求項5】
酸析操作におけるpHを2以下とすることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の洗浄方法。
【請求項6】
酸析操作にて塩酸の添加から固液分離開始までの所要時間を0.5時間以上とすることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の洗浄方法。
【請求項7】
回収されたキレート剤中に含まれるトータル金属濃度が100ppm以下であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の洗浄方法。

【公開番号】特開2007−98299(P2007−98299A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−292292(P2005−292292)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】