説明

キーボード、キーボードカバー及びショートカット用シール

【課題】キーボードを操作する一連の作業中において、ショートカット操作を容易に行うことができるキーボード、キーボードカバー、キーボードに貼着するショートカット用シールを得る。
【解決手段】上面10と該上面に連続して形成される正面傾斜面11a(正面部)を有する複数のキー2が配置されたキーボード1において、前記上面又は正面傾斜面にショートカット操作のための機能文字20を表示し、この表示を観ることでショートカット操作の内容が瞬時に認識でき、ショートカット操作を容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータの入力部として使用されるキーボードに関し、特に、各種ソフトにおけるショートカット操作を容易に行うためのキーボードの構造及びキーボードカバー、若しくは、ショートカット操作を容易に行うために各キーボードに貼着するためのショートカット用シールに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの入力部として使用されるキーボードは、「Shift」「Ctrl」「Alt」等の文字を表示した機能キーと、1〜9やA〜Z文字の入力文字に対応する通常キーと、「F〜」の文字が表示されるファンクションキー等から構成されている。各キーは四辺形の上面と該上面から四方に連続して形成される傾斜面を有し、上面には前記各文字が記載されるとともに、上面を押圧することで入力操作が行われるようになっている。
【0003】
コンピュータには各種ソフトがインストールされ、キーボードにおける各キーを操作することによりソフトに応じた入力処理が行われるが、一定の処理操作については、「Shift」「Ctrl」「Alt」等の機能キーを押しながら通常キーを押す一連の操作(ショートカット)のみで煩雑な操作を行うことが可能になっている。
【0004】
例えば、表計算ツールであるエクセル(商標)の起動時において、カーソル位置をシートの先頭に移動させたい場合、マウスにより画面をスクロールさせて先頭位置でクリック操作を行うことでも可能であるが、「Ctrl」キーと「Home」キーを同時に押圧操作(ショートカット)することで、瞬時にカーソル位置を先頭画面の先頭位置に移動させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したようなショートカット操作は多種存在し、各操作を行うときにどのキーを押圧するのかを認識するのが困難であり、日常的にエクセルを使用していないと使いこなすのができないという問題点があった。
また、操作表やマニュアル本で各操作に対する押圧キーを表示することは行われているが、操作の際に画面やキーボードから目を離してマニュアル本(操作表)で確認する必要がありその動作が煩雑であるという問題点があった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、キーボードを操作する一連の作業中において、ショートカット操作を容易に行うことができるキーボード、キーボードカバー、キーボードに貼着するショートカット用シールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、上面10と該上面に連続して形成される正面傾斜面11a(正面部)を有する複数のキー2が配置されたキーボード1において、前記上面又は正面傾斜面にショートカット操作のための機能文字20を表示したことを特徴としている。
【0008】
請求項2は、請求項1のキーボードにおいて、キーボード中の機能キーである「Shift」「Ctrl」「Alt」の文字をそれぞれ異なる色で表示し、前記機能文字20を前記機能キーの文字色に対応させて表示したことを特徴としている。
【0009】
請求項3は、可撓性透明部材で構成され、複数のキーが配設されたキーボード1を覆うように配置し、配置された状態でキー操作を可能とするキーボードカバー40であって、「Shift」「Ctrl」「Alt」のキーに対応する位置にそれぞれ異なる色の印42を表示するとともに、ショートカット操作のための機能文字43を前記印の色に対応させた色文字で各キーに対応する位置に表示することを特徴としている。
【0010】
請求項4は、キーボード1に配設された各キー2の上面10又は正面傾斜面11a(正面部)に貼着するシールであって、「Shift」「Ctrl」「Alt」の文字をそれぞれ異なる色で表示し前記キーの上面に貼着する機能キー用シール51と、ショートカット操作のための機能文字を前記機能キー用シールの文字色に対応させて表示し前記キーの正面傾斜面(正面部)に貼着する複数のキー用シール52とから成るショートカット用シール50であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1のキーボードによれば、例えば「Ctrl」キーに対応するショートカット操作の機能文字20が各キーの正面傾斜面11a(上面10)に表示されているので、この表示を観ることでショートカット操作の内容が瞬時に認識でき、ショートカット操作を容易に行うことができる。
【0012】
また、請求項2のキーボードによれば、キーボード中の機能キーである「Shift」「Ctrl」「Alt」の文字をそれぞれ異なる色で表示し、キーの正面傾斜面の機能文字を機能キーの文字色に対応させたので、ショートカット操作を行うに際してどの機能キーを操作すればよいかを瞬時に認識することができる。
【0013】
請求項3のキーボードカバーによれば、複数のキー2が配設されたキーボード1を覆うように配置し、「Shift」「Ctrl」「Alt」のキーに対応する位置にそれぞれ異なる色の印42を表示しているので、カバー上からキーを押圧してショートカット操作を行うに際して、機能文字43のキーに対してどの機能キーを操作すればよいかを瞬時に認識することができる。
【0014】
請求項4のシールによれば、「Shift」「Ctrl」「Alt」の文字をそれぞれ異なる色で表示した機能キー用シール51をキー2の上面に貼着し、ショートカット操作のための機能文字を前記機能キー用シールの文字色に対応させて表示した複数のキー用シール52をキーの上面10又は正面傾斜面11aに貼着することで、キーを押圧してショートカット操作を行うに際して、機能文字のキーに対してどの機能キーを操作すればよいかを瞬時に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態の一例としてのキーボードについて、図面を参照しながら説明する。
コンピュータの入力として使用されるキーボードは多数のキー2が配置され、各キー2は四辺形の上面10と該上面から四方に連続して形成される傾斜面11を有し、各キー2の上面10には、「Shift」「Ctrl」「Alt」の文字や1〜9、A〜Z等の文字が表示されている。また、キー2の上面の大きさはキーの種類により異なるものであり、例えば「Shift」や「Enter」等、キーボード1の左右端部に配置されるキーは、1〜9やA〜Z等の中央に配置されるキーより大きく形成されている。
各キー2は長方形状のキーボード本体1に対して押圧することでキー2の上面10の位置が下がり、放すことで元の状態に復帰するように構成され、押圧毎に所望の情報が入力されるようになっている。
【0016】
機能キーに付される文字である「Shift」「Ctrl」「Alt」は、それぞれ異なる色(例えば、青、赤、緑)で表示されている。
そして、各キー2の上面10、又は、傾斜面の中で正面に位置する正面傾斜面(正面部)11aには、「Shift」又は「Ctrl」又は「Alt」キーの文字色に対応させて表示したショートカット操作の機能文字20(例えば「全体を選択」「元に戻す」「切取」)が表示されている。
機能文字20はショートカット操作が有効なキーのみに表示されるもので、全てのキー2の正面傾斜面11aに表示されるものではない。
【0017】
ショートカットとは、前記した機能キーと通常キーとを同時に押圧することで、通常キーの上面に表示された文字等(A〜Z)の入力でなく、所望の機能操作を行うものである。例えば、表計算ツールであるエクセル(商標)起動時においては、図2に示すように「Shift」「Ctrl」「Alt」のいずれかの機能キーAに対して各種キーBを同時に押すことで、表の左欄に表示されたような各種操作Cを行うことができる。一例としては、「Ctrl」キーと「Home」キーを同時に押圧操作(ショートカット)することで、カーソル位置を先頭位置に移動させる(Sheetの先頭に移動)ことができる。
また、機能によっては、機能キーAと各種キーBに加えて操作キーDの三個のキーを同時に押圧操作するものもある。図2の例では、「枠罫線」「%スタイルにする」「後のBookへの切替」の機能については、三つのキーを同時に押圧操作することで行われる。この場合、「Ctrl」と「Shift」が同時に押圧されることになる。
【0018】
すなわち、青文字で表示された「Shift」に対して、図2において「Shift」の機能キーを使用するショートカット操作に対応するキー「Enter」「Tab」「Back Space」等に対応する機能文字「入力確定後―上に移動」「入力確定後―下に移動」「選択範囲の削除解除」を青文字で正面傾斜面(又は上面)に表示する。
赤文字で表示された「Ctrl」に対して、図2において「Ctrl」の機能キーを使用するショートカット操作に対応するキー「↑」「←」「c」等に対応する機能文字「列の先頭に移動」「行の先頭に移動」「コピー」を赤文字で正面傾斜面(又は上面)に表示する。
緑文字で表示された「Alt」に対して、図2において「Alt」の機能キーを使用するショートカット操作に対応するキー「Enter」等に対しての機能文字「セル内の改行」を緑文字で上面に表示する。
【0019】
上記のように構成することで、「Enter」キー30に対しては、図3に示すように、その上面10に赤の機能文字31、緑の機能文字32がそれぞれ表示されることになるが、機能キーの色に対応する色分け表示がされているので、「Shift」「Ctrl」「Alt」のいずれの機能キーを同時に押圧すればよいかを瞬時に認識することができる。
【0020】
また、「Ctrl」と「Shift」キー及び操作キーDの三つを同時に押圧操作するショートカットについては、その機能である「枠罫線」「%スタイルにする」「後のBookへの切替」の機能文字について、図4に示すように、文字キー35に対してその正面傾斜部11aに青地36に赤文字37で表示することで、赤文字の「Ctrl」キー及び青文字の「Shift」キーの両方の押圧が必要であることを認識させることができる。
【0021】
上記例では、青地に機能文字を赤文字で表示したが、赤地字に機能文字を青文字で表示してもよく、また、青地や赤地の下地を使用することなく、「枠罫線」「%スタイルにする」「後のBookへの切替」の機能文字自体を赤文字と青文字の混合で表示してもよい。混合表示の仕方は、前半・後半で色を変える(例えば、「%スタイ」を青(赤)文字、「ルにする」を赤(青)文字にする)、各文字(一つの文字)の上半分・下半分で色を変える、赤文字と青文字を交互に混在させる((例えば、「%」「タ」「ル」「す」を青(赤)文字、「ス」「イ」「に」「る」を赤(青)文字にする)、赤文字と青文字の2重で表示する等、赤色と青色の両方を使用して文字を表現するように構成すればよい。
【0022】
上記の例によれば、機能キー「Shift」「Ctrl」「Alt」の文字をそれぞれ「青」「赤」「緑」で表示し、キーの上面又は正面傾斜面に表示させる機能文字を機能キーの文字色に対応(例えば、「行の先頭に移動」を赤文字で表示)させたので、ショートカット操作を行うに際してどの機能キーを操作すればよいかを瞬時に認識することができる。
また、「Shift」と「Ctrl」の両方の押圧操作が必要な場合についても、機能文字が赤色と青色の両方を使用して表現されているので、ショートカット操作を行うに際してどの機能キーを操作すればよいかを瞬時に認識することができる。
【0023】
続いて、本発明の実施の形態の他の例としてのキーボードカバーについて、図5を参照しながら説明する。
キーボードカバー40は、複数のキーが配設されたキーボード本体1(図1)を覆うような形状に構成されている。そして、キーボードカバー40は肉厚が薄い可撓性透明部材で構成されることで、キーボード本体1を覆うように配置された状態で、キー上面の文字を認識できるとともに、キーボードカバー40上からキー2の操作が可能となっている。キーボードカバー40の上面には、キーボードの各キー2に対応するようにキー枠41が表示されている。
【0024】
そして、機能キーである「Shift」「Ctrl」「Alt」に対応する位置のキー枠41にそれぞれ異なる色で印42が表示されている。また、ショートカット操作が可能な各キーに対応するキー枠41内又は枠下には、ショートカット操作のための機能文字が前記機能キーに表示した印の色に対応させた色文字で表示されている。すなわち、機能キー「Shift」「Ctrl」「Alt」への印42a,42b,42cをそれぞれ「青」「赤」「緑」で表示し、各機能キーに対応する機能文字43を機能キーの印42と同じ色(例えば、「Z」が表示されるキーの上方に表示される「行の先頭に移動」の文字は赤)で表示している。
【0025】
上記構造のキーボードカバー40によれば、複数のキー2が配設されたキーボード本体1を覆うように配置し、「Shift」「Ctrl」「Alt」のキーに対応する位置に青、赤、緑色の印42を表示しているので、カバー上からキー2を押圧してショートカット操作を行うに際して、機能文字43が表示された下に位置するキー2に対してどの機能キーを操作すればよいかを容易に判断することができる。
【0026】
次に、本発明の実施の形態の他の例としてのショートカット用シールについて、図6を参照しながら説明する。
ショートカット用シール50は、キーボードに配設された各キー2の上面10又は正面傾斜面11aに貼着するシールであって、図2に示した機能文字の操作内容Cのショートカットを行うに際して、どの機能キーA及びキーBを同時に操作してよいかの組合せ表をシールとしたものである。
【0027】
すなわち、ショートカット用シール50は、複数の機能キー用シール51と複数のキー用シール52とで構成され、機能キー用シール51は、機能キーである「Shift」「Ctrl」「Alt」の文字を白シール地に対してそれぞれ赤、青、緑色で表示し、機能キー2の上面に貼着するように構成されている。キー用シール52は、ショートカット操作のための機能文字を前記機能キー用シールの文字色に対応させて表示され、キーの上面又は正面傾斜面に貼着するように構成されている。
【0028】
「Ctrl」と「Shift」が同時に押圧されるショートキーに対応するキー用シール55(「枠罫線」「%スタイルにする」「後のBookへの切替」)については、青色のシール地に赤文字で、若しくは、赤色のシール地に青文字で表示されている。また、上述したキーへ直接表示する場合のように、機能文字自体を赤文字と青文字の混合で表示してもよい。
【0029】
図6の例では、ショートカットを行うに際しての機能キーとキーとの組合せを表示しているため、同じ機能キーの機能キー用シール51が多数存在しているが、シールとしては「Shift」「Ctrl」「Alt」の3種が各1枚あれば足りるものである。
【0030】
上記のショートカット用シールによれば、「Shift」「Ctrl」「Alt」の文字を赤、青、緑色で表示した機能キー用シール51をキー2の上面に貼着し、ショートカット操作のための機能文字を前記機能キー用シールの文字色に対応させて表示した複数のキー用シール52をキー2の上面10又は正面傾斜面11aに貼着することで、キーを押圧してショートカット操作を行うに際して、機能文字のキーに対してどの機能キーを操作すればよいかを容易に認識することができる。
【0031】
上記各例では表計算ツールであるエクセル(商標)を例に説明したが、機能キーと通常キーとの関係や機能文字の内容をソフトに応じて個別に変更すれば、各ソフトにおけるシュートカット操作に対応させることができる。
するように
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のキーボードの一例を示すキーボードの斜視説明図である。
【図2】ショートカットの操作例を示すグラフ図である。
【図3】「Enter」キーの拡大斜視説明図である。
【図4】文字キーの拡大斜視説明図である。
【図5】本発明のキーボードカバーの一例を示す斜視説明図である。
【図6】ショートカット用シールを示す平面説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 キーボード本体(キーボード)
2 キー
10 上面
11 傾斜面
11a 正面傾斜面
20 機能文字
30 「Enter」キー
35 文字キー
40 キーボードカバー
41 キー枠
42 印
43 機能文字
50 ショートカット用シール
51 機能キー用シール
52 キー用シール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と該上面に連続して形成される正面部を有する複数のキーが配置されたキーボードにおいて、
前記上面又は正面部にショートカット操作のための機能文字を表示したことを特徴とするキーボード。
【請求項2】
キーボード中の機能キーである「Shift」「Ctrl」「Alt」の文字をそれぞれ異なる色で表示し、前記機能文字を前記機能キーの文字色に対応させて表示した請求項1に記載のキーボード。
【請求項3】
可撓性透明部材で構成され、複数のキーが配設されたキーボードを覆うように配置し、配置された状態でキー操作を可能とするキーボードカバーであって、
「Shift」「Ctrl」「Alt」のキーに対応する位置にそれぞれ異なる色の印を表示するとともに、ショートカット操作のための機能文字を前記印の色に対応させた色文字で各キーに対応する位置に表示することを特徴とするキーボードカバー。
【請求項4】
キーボードに配設された各キーの上面又は正面部に貼着するシールであって、
「Shift」「Ctrl」「Alt」の文字をそれぞれ異なる色で表示し前記キーの上面に貼着する機能キー用シールと、ショートカット操作のための機能文字を前記機能キー用シールの文字色に対応させて表示し前記キーの上面又は正面部に貼着する複数のキー用シールとから成るショートカット用シール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−350479(P2006−350479A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172999(P2005−172999)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(000114293)株式会社ミヨシ (3)
【Fターム(参考)】