説明

キーボードモジュール

【課題】光源から遠いキーボタンの輝度を高めると共に、光源の使用量を減少できるキーボードモジュールを提供する。
【解決手段】キーボードモジュール100は、導光板10と、前記導光板の出光面に対向して設けられるキーボード30と、前記導光板の一端に設けられる光源と、を備える。前記導光板は、少なくとも1つの集光エリア122,124を備える。前記集光エリアには、粗面化部1282が形成される。前記キーボードの前記集光エリアに対応する箇所には、複数のストリップ状のリブが設けられる。前記光源が発する光線は、前記粗面化部により屈折されると共に前記リブにより反射されて、上記の集光エリアに集められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーボードモジュールに関し、特に携帯式電子装置に用いられるキーボードモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の携帯式電子装置において、通常、導光板の入光面に対向して複数の発光ダイオード(light−emitting diode,LED)を設けて、キーボードモジュールに光源を供給する。前記発光ダイオードが発する光線は導光板に入った後、前記導光板により均一な面光源に転換されてからその出光面から出射して、キーボードエリアに照射される。しかし、導光板の構造に制限されて、キーボードの前記発光ダイオードから遠いエリアの輝度が不十分であるため、通常、発光ダイオードの数を増加することによりキーボードエリアの輝度を高め、且つ光線の均一性を確保する。しかし、このやり方は、コストアップになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされたものであり、光源から遠いキーボタンの輝度を高めると共に、光源の使用量を減少できるキーボードモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明に係るキーボードモジュールは、導光板と、前記導光板の出光面に対向して設けられるキーボードと、前記導光板の一端に設けられる光源と、を備え、前記導光板は、少なくとも1つの集光エリアを備え、前記集光エリアには、粗面化部が形成され、前記キーボードの前記集光エリアに対応する箇所には、複数のストリップ状のリブが設けられ、前記光源が発する光線は、前記粗面化部によって屈折すると共に前記リブによって反射して上記の集光エリアに集まる。
【発明の効果】
【0005】
従来の技術と比較して、本発明は、導光板のLED光源から離れているエリア及び高輝度を必要とするエリア(集光する必要があるエリア)に粗面化部を形成すると共に、キーボードの背面における上記のエリアに対応する箇所にそれぞれストリップ状のリブを設けることにより、前記LED光源が発する光線をできるだけ上記のエリアに集めて、そのエリアの輝度を高める。本発明のキーボードモジュールは、1つだけのLED光源を使用するので、構造が簡単であり、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明に係るキーボードモジュールの立体図である。
【図2】図1に示したキーボードモジュールの分解図である。
【図3】図2に示したキーボードモジュールを別の視点から見た分解図である。
【図4】図1に示したキーボードモジュールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1〜図3に示したように、本発明の実施形態に係るキーボードモジュール100は、携帯電話及び個人用携帯情報端末(PDA)等の携帯式電子装置に用いられる。前記キーボードモジュール100は、導光板10、キーボード30及びLED光源(図示せず)を備える。前記導光板10は、前記キーボード30の背面に対向して配置される。前記LED光源は、前記導光板10の一端に設けられる。
【0008】
前記導光板10は、ポリカーボネート(Polycarbonate,PC)或いはポリメタクリル酸メチル(Polymethyl−Methacrylate,PMMA)からなり、且つ対向する第一短辺12及び第二短辺14を備える。前記導光板10には、1つの取付孔120、複数の数字キー孔122、複数のナビゲーションキー孔124及び複数の開口126が設けられている。前記取付孔120は、前記第一短辺12に近接して設けられて、前記LED光源を装着するために用いられる。複数の前記数字キー孔122は、前記キーボードモジュールの数字キーを装着するために用いられる。前記LED光源からの光線は、複数の前記数字キー孔122に導かれると、各数字キー孔122に設けられる数字キーを明るく照射する。複数の前記ナビゲーションキー孔124は、ナビゲーションキーを装着するために用いられる。
【0009】
前記導光板10における複数のナビゲーションキー孔124の間には、略十字状の突起128が設けられている。前記突起128は、四つの延伸アームを備え、前記取付孔120から遠い三つの前記延伸アームの表面とその端部の外周、及び前記第二短辺14に近い2つの数字キー孔122の外周の一部には、サンドブラスト或いは小さい粒状物を貼り付ける等の粗化処理方法により粗面化部1282が形成される。上記の粒状物は、光透過率が比較的低い材料からなるので、前記LED光源からの光線が前記粗面化部1282に導かれると、多くの前記粒状物により屈折されて、当該エリアに集められる。これにより、複数の前記ナビゲーションキー孔124及び前記第二短辺14に近い2つの前記数字キー孔122が所在するエリアの輝度は向上する。
【0010】
前記開口126は、三角形、四角形或いは他の多角形であることができる。各開口126の側壁は、一部の光線を付近の数字キー孔122及びナビゲーションキー孔124へ屈折させて、対応するキーを明るく照射するだけではなく、異なる一部の光線を反射して、前記導光板10を介して他の開口126まで導く。前記取付孔120に近い開口126の側壁の入射角は、前記LED光源が発する光線の全反射臨界角より大きく設計されるため、この開口126の側壁に入射した光線を全反射して次の開口126に導く。前記LED光源が発する光線は、幾度かの全反射を経た後、出射角度(進行角度)が狭くなる。この場合、前記取付孔120から遠い開口126の側壁の入射角が小さく設計されているため、入射光線は前記第二短辺14に近い開口126まで均一に導かれる。
【0011】
図2〜図4に示したように、前記キーボード30は、ケース体32、複数の数字キー34、1つのナビゲーションキー36及び複数の接点38を備える。前記ケース体32は、対向して配置される外面322及び内面324を備える。前記数字キー34及び前記ナビゲーションキー36は、前記外面322から突出して形成される。複数の前記接点38は、前記内面324に直交するように延伸してなり、且つそれぞれ前記導光板10の数字キー孔122及びナビゲーションキー孔124を貫通して、携帯式電子装置内の回路基板(図示せず)に接触する。前記ケース体32の内面324における前記ナビゲーションキー36が所在するエリア、及び前記ナビゲーションキー36から離れている2つの数字キー34が所在するエリアには、それぞれ複数のストリップ状のリブ326が突設されている。複数の前記リブ326は、シリカゲル等の透明材料からなり、前記ケース体32と一体射出成形される。各リブ326は、前記LED光源を中心とする略円弧状の突起である。前記リブ326を略円弧状に設計することを介して、前記LED光源が発する光線をできるだけ集中し、且つ反射を介して前記光線を前記ナビゲーションキー36及び前記ナビゲーションキー36から離れている2つの数字キー34が所在するエリアに集めて、上記の各エリアの輝度を強める。
【0012】
前記LED光源が発する光線は、一番近い1つの開口126内に入ると、前記開口126の側壁により次の開口126まで全反射される。このようにして、前記LED光源からの光線は、前記第二短辺14に近い開口126まで順次に導かれ、前記導光板10の出射光線が均一化される。これと同時に、前記LED光源が発する光線は、前記ナビゲーションキー36が所在するエリア及び前記LED光源から離れた数字キー34が所在するエリアにおいて、前記粗面化部1282により屈折されると共に、前記リブ326により反射されて、できるだけ上記のエリアに集められて、前記ナビゲーションキー36と、前記LED光源から離れている数字キー34との明輝度を強める。
【0013】
また、上記の実施形態に係る粗面化部1282は、突出する粒状物によって形成されることに限定されるものではなく、前記突起128の上面に窪みを設けることにより形成されてもよい。
【0014】
また、本発明は、前記ナビゲーションキー孔124と前記LED光源から離れた数字キー孔122とが所在するエリアの輝度を高めるだけではなく、他の何れかの高輝度表示を必要とする集光エリアの輝度を高めることもできる。
【0015】
本発明は、前記導光板10のLED光源から離れているエリア及び高輝度を必要とするエリア(本発明の実施形態では、集光エリアと称する)に粗面化部を形成すると共に、前記キーボード30の背面における上記のエリアに対応する箇所にそれぞれリブ326を設けることにより、前記LED光源が発する光線をできるだけ上記の集光エリアに集めて、その輝度を高める。本発明のキーボードモジュール100は、1つのLED光源しか必要としないので、構造が簡単であり、コストを低減することができる。
【0016】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正もまた、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0017】
10 導光板
12 第一短辺
14 第二短辺
30 キーボード
32 ケース体
34 数字キー
36 ナビゲーションキー
38 接点
100 キーボードモジュール
120 取付孔
122 数字キー孔
124 ナビゲーションキー孔
126 開口
128 突起
322 外面
324 内面
326 リブ
1282 粗面化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板と、前記導光板の出光面に対向して設けられるキーボードと、前記導光板の一端に設けられる光源と、を備えるキーボードモジュールであって、
前記導光板には、少なくとも1つの粗面化部が形成され、
前記キーボードにおける前記粗面化部に対応する箇所には、複数のストリップ状のリブが設けられ、
前記光源が発する光線は、前記粗面化部により屈折されると共に前記リブにより反射されて、前記キーボードのキー部に集められることを特徴とするキーボードモジュール。
【請求項2】
前記導光板には、複数の開口が設けられ、前記光源に近い開口の側壁の入射角は、前記光源が発する光線の全反射臨界角より大きく、前記光源から遠い開口の側壁の入射角は、前記光源に近い開口の側壁の入射角より小さいことを特徴とする請求項1に記載のキーボードモジュール。
【請求項3】
各前記リブは、透明材料からなり且つ前記光源を中心とする同心円上に形成された略円弧状の突起であり、前記粗面化部は、サンドブラスト或いは粒状物を貼り付ける方法により前記導光板に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のキーボードモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−59255(P2012−59255A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178334(P2011−178334)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(505177003)深▲セン▼富泰宏精密工業有限公司 (138)
【出願人】(508155310)富士康(香港)有限公司 (185)
【Fターム(参考)】