説明

キーボード等の凹凸部材の洗浄方法及び洗浄剤

【目的】キーボード等の凹凸部分の狭小な隙間部分に侵入した塵埃であっても極めて容易且つ手軽に清掃可能なキーボード等の凹凸部材の洗浄方法及び洗浄剤を提供する。
【構成】水とポリビニルアルコールと四ホウ酸ナトリウムとを混合して生成したゲル状混合物を、キーボード等の凹凸部材である被洗浄物の洗浄面積に応じて延伸平坦化し、該被洗浄物の表面に載置し、該ゲル状混合物が被洗浄物の洗浄を要する部分に付着した後に該ゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することを特徴とするキーボード等の凹凸部材の洗浄方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキーボード等の凹凸部材の洗浄方法及び洗浄剤に関し、詳しくはパソコン等のキーボードや電話・電卓等のテンキー等の凹凸部材の洗浄方法及び洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコン等のキーボード、電話・電卓等のテンキー、その他の家具等の狭小部分の凹凸部材の隙間や凹みには塵埃等が入り易く、これらの部分は清掃し難い部分であるため汚れの除去は極めて困難である。
【0003】
従来、キーボード等の凹凸部材を清掃するには、折り畳んだ布の先端部等で擦ったり、先端が先細状や偏平状に形成された部材に専用または汎用の清掃シート材等を装着して前記先細状や偏平状の部分を利用して隙間や凹みの清掃を行っていた(特許文献1〜3等参照)。
【0004】
また、キーボード自体をゴミ等の浸入を防止した構成とする技術も知られている(特許文献4参照)が、現在使用中の既存のキーボードや汎用品等には適用不可能である。
【0005】
【特許文献1】特開2003−164406
【特許文献2】特開平09−154791
【特許文献3】実開平05−051242
【特許文献4】特開平05−046292
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし従来の清掃方法では、キーボード等のように多数の凹凸小部材を有する物品の清掃では、各キー間の隙間が多いため清掃に手間がかかると共に細かい狭小部分に入り込んだ塵埃の除去や汚れ落しは煩雑且つ困難であった。
【0007】
特にパソコンのキーボードの清掃では、キーとキーとの隙間に布や清掃用具の先端を挿し入れた際に塵埃等をより奥部分に押し込んでしまうことが多く、キー奥のスイッチユニットへの塵埃の侵入を助長してしまうという欠点があった。
【0008】
そこで本発明の課題は、キーボード等の凹凸部分の狭小な隙間部分に侵入した塵埃であっても極めて容易且つ手軽に清掃可能なキーボード等の凹凸部材の洗浄方法及び洗浄剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明は下記構成を有する。
【0010】
1.水とポリビニルアルコールと四ホウ酸ナトリウムとを混合して生成したゲル状混合物を、キーボード等の凹凸部材である被洗浄物の洗浄面積に応じて延伸平坦化し、該被洗浄物の表面に載置し、該ゲル状混合物が被洗浄物の洗浄を要する部分に付着した後に該ゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することを特徴とするキーボード等の凹凸部材の洗浄方法。
【0011】
2.水とポリビニルアルコールと四ホウ酸ナトリウムとを混合して生成したゲル状混合物の小塊を、キーボード等の凹凸部材である被洗浄物の洗浄面積に応じて小塊同士が接触するように連続的に該被洗浄物の表面に載置し、該ゲル状混合物の小塊が被洗浄物の洗浄を要する部分に付着した後に該ゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することを特徴とするキーボード等の凹凸部材の洗浄方法。
【0012】
3.水とポリビニルアルコールと四ホウ酸ナトリウムとを混合して生成したゲル状混合物をスプレー式容器に収納し、該スプレー式容器に収納されたゲル状混合物を、キーボード等の凹凸部材である被洗浄物の洗浄面積に応じて該ゲル状混合物同士が接触するように連続的に撒布し、該撒布されたゲル状混合物が被洗浄物の洗浄を要する部分に付着した後に該ゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することを特徴とするキーボード等の凹凸部材の洗浄方法。
【0013】
4.被洗浄物の表面に載置又は撒布した後、少なくとも10秒経過した後に剥離・除去することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のキーボード等の凹凸部材の洗浄方法。
【0014】
5.ゲル状混合物をキーボード等の凹凸部材である被洗浄物の表面に載置又は撒布し、該ゲル状混合物が被洗浄物の洗浄を要する部分に付着した後に載置又は撒布した該ゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することで該被洗浄物を洗浄する洗浄剤であって、該洗浄剤が、水とポリビニルアルコールと四ホウ酸ナトリウムとを混合して生成されたゲル状混合物であることを特徴とするキーボード等の凹凸部材の洗浄剤。
【0015】
6.前記ゲル状混合物が、スプレー式容器に収納された構成であることを特徴とする上記5に記載のキーボード等の凹凸部材の洗浄剤。
【0016】
7.前記スプレー式容器が、前記ゲル状混合物と共に高圧ガスを封入し、容器口部に設けられた下記構成の吐出口部から前記ゲル状混合物を吐出可能な構成であることを特徴とする上記6に記載のキーボード等の凹凸部材の洗浄剤。
(吐出口部の構成)
吐出口部となる吐出筒体が容器口部にパッキンを介して取り付けられており、該吐出筒体は正位置では前記パッキンにより容器内部との連通部が封止され、パッキンの弾性力に抗して該吐出筒体を傾けることで前記連通部と前記パッキンとの封止部分に間隙が生じて前記連通部の封止が解除されて容器内部と連通状態となって前記ゲル状混合物を吐出する構成を有する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1〜3又は5に示す発明によれば、キーボード等の凹凸部分の狭小な隙間部分に侵入した塵埃であっても極めて容易且つ手軽に清掃可能なキーボード等の凹凸部材の洗浄方法又は洗浄剤を提供することができる。
【0018】
キーボード等の凹凸部材である被洗浄物の表面に載置又は撒布したゲル状混合物が被洗浄物への密着により該被洗浄物に付着している塵埃や汚れにゲル状混合物側が密着し、この密着により塵埃や汚れは被洗浄物側からゲル状混合物側に吸着移動する。塵埃や汚れが吸着移動したゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することにより、前記塵埃や汚れはゲル状混合物と共に被洗浄物から取り除かれることになる。
【0019】
また、洗浄剤であるゲル状混合物は、キーボード等のキー間等の狭小な隙間部分にまで入り込んだ状態で被洗浄物に密着するので、隙間部分にまで侵入していた塵埃の除去が可能となる。ゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去する際、狭小な隙間部分にまで入り込んだゲル状混合物は分断・分離することがないので、被洗浄物側にゲル状混合物の一部が残留してしまうことがない。
【0020】
更に、洗浄剤であるゲル状混合物は、繰り返し使用が可能であり、捏ね直しや水分補給等により洗浄性の低下を抑制することができる。
【0021】
特に請求項1に示す発明によれば、ゲル状混合物を被洗浄物の洗浄面積に応じて延伸平坦化し、該被洗浄物の表面に載置する構成により、ゲル状混合物は自重により被洗浄物に単に付着するだけでなく、狭小な隙間部分に入り込んだり、微妙な凹凸に応じて密着した状態で付着するので、これらの細かな部分まで洗浄することができる。
【0022】
特に請求項2に示す発明によれば、ゲル状混合物の小塊を被洗浄物の洗浄面積に応じて小塊同士が接触するように連続的に該被洗浄物の表面に載置する構成により、ゲル状混合物はそのゲル化特性により接触した小塊同士が結合して一塊になると共に自重により被洗浄物に単に付着するだけでなく、狭小な隙間部分に入り込んだり、微妙な凹凸に応じて密着した状態で付着するので、これらの細かな部分まで洗浄することができる。
【0023】
特に請求項3に示す発明によれば、ゲル状混合物をスプレー式容器に収納し、該スプレー式容器に収納されたゲル状混合物を、キーボード等の凹凸部材である被洗浄物の洗浄面積に応じて該ゲル状混合物同士が接触するように連続的に撒布する構成により、ゲル状混合物はそのゲル化特性により撒布されたゲル状混合物同士が結合して一塊になると共に自重により被洗浄物に単に付着するだけでなく、狭小な隙間部分に入り込んだり、微妙な凹凸に応じて密着した状態で付着するので、これらの細かな部分まで洗浄することができる。
【0024】
請求項4に示す発明によれば、被洗浄物表面に載置又は撒布したゲル状混合物を、少なくとも10秒経過した後に該被洗浄物から剥離・除去することで該被洗浄物に付着していた塵埃や汚れを奇麗に取り除くことができる。
【0025】
請求項6に示す発明によれば、ゲル状混合物がスプレー式容器に収納された構成により、被洗浄物の洗浄ポイントへの前記ゲル状混合物の撒布が容易となる。
【0026】
請求項7に示す発明によれば、吐出口部の吐出筒体を手指等でパッキンの弾性力に抗して傾けるだけで、スプレー式容器に高圧ガスと共に収納されたゲル状混合物を吐出させることができる。吐出筒体から手指等を離すだけで該吐出筒体は正位置に復帰し、この正位置への復帰によって容器内部との連通部が封止されるので、ゲル状混合物の吐出を直ちに停止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、添付の図面に従って本発明を更に詳細に説明する。
図1は本発明に係るキーボード等の凹凸部材の洗浄方法の一実施例を示す概略説明図、図2は図1(B)の要部概略断面図、図3は本発明に係るキーボード等の凹凸部材の洗浄方法の他の実施例を示す概略説明図、図4は本発明に係るキーボード等の凹凸部材の洗浄方法の他の実施例を示す概略説明図、図5は本発明に係るキーボード等の凹凸部材の洗浄剤を収納するスプレー式容器の一実施例を示す概略断面説明図である。
【0028】
本発明は、水とポリビニルアルコールと四ホウ酸ナトリウムとを混合して生成したゲル状混合物である洗浄剤を、塵埃や汚れ等が付着したパソコン等のキーボードや電話・電卓等のテンキー等の凹凸部材である被洗浄物の表面に載置又は撒布し、該ゲル状混合物が被洗浄物の洗浄を要する部分に付着した後に載置又は撒布した該ゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することにより、キーボード等の凹凸部材である被洗浄物を洗浄するものである。
【0029】
ゲル状混合物である洗浄剤の作成方法の一例を以下に示す。
先ず、四ホウ酸ナトリウムを水に溶かして(割合は四ホウ酸ナトリウム:水=1:10程度)、四ホウ酸ナトリウム水溶液を生成する。
次にポリビニルアルコールを水に溶かして(割合は1:1程度)、ポリビニルアルコール水溶液を生成する。
できあがったポリビニルアルコール水溶液に、四ホウ酸ナトリウム水溶液を飽和量だけ入れて手早く攪拌する(割合はポリビニルアルコール水溶液:四ホウ酸ナトリウム水溶液=10:1程度)。
攪拌によりゲル状混合物ができあがる。
【0030】
できあがったゲル状混合物である洗浄剤1は、図1の(A)に示すように、塵埃や汚れ等の洗浄を要する被洗浄物であるキーボード等の凹凸部材2の表面に載置する。
【0031】
洗浄剤1の載置は、図1(A)に示す本実施例では、洗浄剤1である前記ゲル状混合物をキーボード等の凹凸部材2の洗浄面積に応じて延伸平坦化し、該延伸平坦化した洗浄剤1をキーボード等の凹凸部材2の表面に載置することで行う。
【0032】
洗浄剤1であるゲル状混合物の延伸平坦化は、瓶やボトル等の容器に充填又は収納された洗浄剤1をスプーンや手指等によってすくい、洗浄面積に応じた面積となるように手指等で延伸し平坦化することで行う。
【0033】
尚、洗浄面積が広い場合や洗浄剤1の粘度が低目である場合等には、洗浄剤1を2回以上の分量に分けて延伸平坦化したものをキーボード等の凹凸部材2の表面に載置してもよい。2回以上に分けて載置する場合であっても、載置後、2回以上に分けて載置された洗浄剤1であるゲル状混合物は直ちに結合し始めて一塊の結合した状態{図1(B)に示す状態と同様の状態}となる。
【0034】
また、洗浄剤1であるゲル状混合物は、該ゲル状混合物が有するゲル特性によって、図2に示すようにキーボード等の凹凸部材2のキー20・20間等の狭小な隙間部分や該隙間部分の奥にまで入り込んだ状態となる。
【0035】
載置する洗浄剤1の分量は、被洗浄物であるキーボード等の凹凸部材2の洗浄を要する部分の全域を被覆するに充分な量が必要である。図1(B)は、洗浄を要する部分であるキーボード等の凹凸部材2のキー20部分の内のメインキー部分(テンキーやファンクションキーを除いた部分)全域を洗浄剤1が被覆した状態を示す。
【0036】
キーボード等の凹凸部材2に載置した洗浄剤1は、該洗浄剤1であるゲル状混合物がキーボード等の凹凸部材2の洗浄を要する部分に付着するまで図1(B)の状態のまま放置する。洗浄を要する部分に付着するまでの時間の目安としては、少なくとも10秒、好ましくは20秒〜1分であるが、かかる時間は、被洗浄物の汚れ具合・汚れの種類・塵埃量等の種々条件によって変わるものであるので、被洗浄物の状態によって適宜変更調整することが好ましい。
【0037】
上記した時間の経過後、即ち、被洗浄物2の洗浄を要する部分に洗浄剤1であるゲル状混合物が付着し、被洗浄物であるキーボード等の凹凸部材2の塵埃や汚れが洗浄剤1側に吸着移動するに充分な時間が経過した後、載置した該ゲル状混合物である洗浄剤1を図1(C)に示すように被洗浄物2から手指等によって剥離・除去する。
【0038】
キーボード等の凹凸部材2である被洗浄物の表面に載置したゲル状混合物が被洗浄物への密着により該被洗浄物に付着している塵埃や汚れにゲル状混合物側が密着し、この密着により塵埃や汚れは被洗浄物側からゲル状混合物側に吸着移動する。塵埃や汚れが吸着移動したゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することにより、前記塵埃や汚れはゲル状混合物と共に被洗浄物から奇麗に取り除かれることになる。
【0039】
洗浄剤1の剥離・除去の際、キーボード等の凹凸部材2のキー20・20間等の狭小な隙間部分及び該隙間部分の奥にまで入り込んだ部分も分離・分断することなく塊を維持した状態で除去することができる。従って、キー20・20間等の隙間部分や該隙間の奥にまで侵入していた塵埃や汚れを除去することができると共に、洗浄剤1自体をキー20・20間等の狭小な隙間部分の奥に残留させてしまうような不都合もない。
【0040】
以上の方法により、キーボード等の凹凸部材2の洗浄を行うことができるが、一回の洗浄では洗浄が不充分で塵埃や汚れが残存している場合には、洗浄剤1の載置を再度行う。このとき、載置する洗浄剤1としては、新たな洗浄剤1を用いてもよいが、使用済みの洗浄剤1を再使用してもよい。再使用の場合、手指等で捏ね直して前回の洗浄の際にキーボード等の凹凸部材2の表面に付着した面とは異なる面を表面に露出させることが好ましい。
【0041】
洗浄剤1を繰り返し使用する際、洗浄剤1の水分量が低下している場合には水分補給を行うことが好ましい。捏ね直しや水分補給等により洗浄性の低下を抑制することができる。
【0042】
以上、本発明に係るキーボード等の凹凸部材の洗浄方法の一実施例について説明したが、本発明は上記に限定されず、本発明の範囲内で他の種々の態様、例えば、下記するような態様を採ることができる。
【0043】
図3(A)に示すように、洗浄剤1であるゲル状混合物を2以上の小塊に分離した状態で、キーボード等の凹凸部材2の表面に載置してもよい。小塊の載置は、洗浄面積に応じて小塊同士が接触するように連続的に載置することで行う。載置後、2以上の小塊に分けて載置された洗浄剤1であるゲル状混合物は直ちに結合し始めて図3(B)に示すように一塊の結合した状態{図2(B)に示す状態と同様の状態}となる。載置後の態様は、前記した実施例と同様であり、洗浄剤1であるゲル状混合物が洗浄を要する部分に付着した後、図3(C)に示すように剥離・除去することでキーボード等の凹凸部材2に付着していた塵埃や汚れを取り除くことができる。
【0044】
また、洗浄剤1であるゲル状混合物をスプレー式容器10に収納し、図4(A)に示すように、該スプレー式容器10による吐出によって洗浄剤1の撒布を行うことが好ましい。スプレー式容器10による撒布は、洗浄面積に応じて撒布されたゲル状混合物同士が接触するように連続的に撒布することで行う。撒布後、連続的に撒布された洗浄剤1であるゲル状混合物は直ちに結合し始めて図4(B)に示すように一塊の結合した状態{図2(B)に示す状態と同様の状態}となる。撒布後の態様は、前記した実施例と同様であり、洗浄剤1であるゲル状混合物が洗浄を要する部分に付着した後、図4(C)に示すように剥離・除去することでキーボード等の凹凸部材2に付着していた塵埃や汚れを取り除くことができる。
【0045】
図4(A)に示すスプレー式容器10による洗浄剤1の撒布では、ゲル状混合物を洗浄ポイントへ容易に撒布することができる。
【0046】
図4(A)に示す実施例に用いることができるスプレー式容器10としては、図5に示す構成であることが好ましい。
【0047】
即ち、スプレー式容器10は、前記ゲル状混合物1と共に高圧ガス3を封入し、容器口部11に設けられた吐出口部となる吐出筒体12から前記ゲル状混合物1を吐出する構成を有する。
【0048】
吐出口部となる吐出筒体12は、容器口部11(及び容器口部蓋部材16)にパッキン13を介して取り付けられており、該吐出筒体12は図5(A)に示す正位置では前記パッキン13により容器10内部との連通部14が封止され、パッキン13の弾性力に抗して該吐出筒体12を図5(B)に示すように傾けることで前記連通部14と前記パッキン13との封止部分15に間隙が生じて前記連通部14の封止が解除されて容器10内部と連通状態となって前記ゲル状混合物1を吐出する。図5(B)に示す矢符Xは、ゲル状混合物1の吐出経路を表す。
【0049】
ゲル状混合物1の吐出の際、吐出筒体12を手指等によって直接傾けてもよいが、該吐出筒体12にトリガー等の冶具類を付加して該冶具類を介して傾けるようにしてもよい。
【0050】
ゲル状混合物1の吐出を停止するには、吐出筒体12が傾くように負荷していた力(例えば、手指等によって傾けていた力)を解除する(例えば、手指等を離す)だけで該吐出筒体12は正位置に復帰し、この正位置への復帰によって容器1内部との連通部14が封止されるので、ゲル状混合物1の吐出を直ちに停止することができる。
【0051】
本実施例において、ゲル状混合物1と共にスプレー式容器10に封入されて、該ゲル状混合物1の吐出の際の吐出力となる高圧ガス3としては、ガス噴射タイプのスプレー容器等に用いられる公知公用のガス(例えば、LPG、DME、CO、N等の液化ガス)を特別の制限なく用いることができる。ガス噴射タイプのスプレー式容器10の場合、ゲル状混合物1の吐出の際の高圧ガス3のみの漏出を防いで該ゲル状混合物1を確実に吐出するために該スプレー式容器10は下向きの状態で使用する。
【0052】
本発明に用いられるスプレー式容器としては、図4及び図5に示す実施例に限定されず、公知公用のトリガー式スプレー容器、ポンプボトル等のスプレー容器であってもよく、また、ゲル状混合物と共に封入した高圧ガスによる吐出方式を用いたスプレー容器に限らず、ノンガスタイプのスプレー容器を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るキーボード等の凹凸部材の洗浄方法の一実施例を示す概略説明図
【図2】図1(B)の要部概略断面図
【図3】本発明に係るキーボード等の凹凸部材の洗浄方法の他の実施例を示す概略説明図
【図4】本発明に係るキーボード等の凹凸部材の洗浄方法の他の実施例を示す概略説明図
【図5】本発明に係るキーボード等の凹凸部材の洗浄剤を収納するスプレー式容器の一実施例を示す概略断面説明図
【符号の説明】
【0054】
1 洗浄剤
10 スプレー式容器
11 容器口部
12 吐出筒体
13 パッキン
14 連通部
15 封止部分
16 容器口部蓋部材
2 キーボード等の凹凸部材
20 キー
3 高圧ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水とポリビニルアルコールと四ホウ酸ナトリウムとを混合して生成したゲル状混合物を、キーボード等の凹凸部材である被洗浄物の洗浄面積に応じて延伸平坦化し、該被洗浄物の表面に載置し、該ゲル状混合物が被洗浄物の洗浄を要する部分に付着した後に該ゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することを特徴とするキーボード等の凹凸部材の洗浄方法。
【請求項2】
水とポリビニルアルコールと四ホウ酸ナトリウムとを混合して生成したゲル状混合物の小塊を、キーボード等の凹凸部材である被洗浄物の洗浄面積に応じて小塊同士が接触するように連続的に該被洗浄物の表面に載置し、該ゲル状混合物の小塊が被洗浄物の洗浄を要する部分に付着した後に該ゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することを特徴とするキーボード等の凹凸部材の洗浄方法。
【請求項3】
水とポリビニルアルコールと四ホウ酸ナトリウムとを混合して生成したゲル状混合物をスプレー式容器に収納し、該スプレー式容器に収納されたゲル状混合物を、キーボード等の凹凸部材である被洗浄物の洗浄面積に応じて該ゲル状混合物同士が接触するように連続的に撒布し、該撒布されたゲル状混合物が被洗浄物の洗浄を要する部分に付着した後に該ゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することを特徴とするキーボード等の凹凸部材の洗浄方法。
【請求項4】
被洗浄物の表面に載置又は撒布した後、少なくとも10秒経過した後に剥離・除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキーボード等の凹凸部材の洗浄方法。
【請求項5】
ゲル状混合物をキーボード等の凹凸部材である被洗浄物の表面に載置又は撒布し、該ゲル状混合物が被洗浄物の洗浄を要する部分に付着した後に載置又は撒布した該ゲル状混合物を被洗浄物から剥離・除去することで該被洗浄物を洗浄する洗浄剤であって、該洗浄剤が、水とポリビニルアルコールと四ホウ酸ナトリウムとを混合して生成されたゲル状混合物であることを特徴とするキーボード等の凹凸部材の洗浄剤。
【請求項6】
前記ゲル状混合物が、スプレー式容器に収納された構成であることを特徴とする請求項5に記載のキーボード等の凹凸部材の洗浄剤。
【請求項7】
前記スプレー式容器が、前記ゲル状混合物と共に高圧ガスを封入し、容器口部に設けられた下記構成の吐出口部から前記ゲル状混合物を吐出可能な構成であることを特徴とする請求項6に記載のキーボード等の凹凸部材の洗浄剤。
(吐出口部の構成)
吐出口部となる吐出筒体が容器口部にパッキンを介して取り付けられており、該吐出筒体は正位置では前記パッキンにより容器内部との連通部が封止され、パッキンの弾性力に抗して該吐出筒体を傾けることで前記連通部と前記パッキンとの封止部分に間隙が生じて前記連通部の封止が解除されて容器内部と連通状態となって前記ゲル状混合物を吐出する構成を有する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−40888(P2009−40888A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207436(P2007−207436)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(507270300)株式会社びーんず研究所 (9)
【Fターム(参考)】