説明

キー構造及びそのようなキー構造を有するキーボード

【課題】はさみ型支持部材がそのキーキャップの安定的な動作を維持し且つそのキーキャップが押下されたときの望ましい触感を実現させることができるキー構造及びキーボードを提供すること。
【解決手段】キー構造、及び複数のキー構造を含むキーボードが提供される。そのキー構造は、キーキャップ、ベースプレート、及び、そのキーキャップとそのベースプレートとの間のはさみ型支持部材を含む。そのはさみ型支持部材は、凸部を有する内部フレームとV型ノッチを有する外部フレームとを含む。その凸部は、そのV型ノッチに受け入れられる。その凸部とそのV型ノッチとの間の相対位置を制御することによって、そのキーキャップは、垂直方向に安定的に動かされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー構造に関し、より詳細には、キーボードで用いられるキー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
キーボードは、コンピュータで広く利用されている入力デバイスである。一般的に、キーボードは、複数のキー構造を有する。図1を参照すると、そのキーボードのキー構造1の概略斜視図が図示されている。キー構造1が押下されると、そのコンピュータに対する電子信号を生成するために、対応するスイッチがトリガーされる。
【0003】
図2は、従来技術に従ったキー構造を図解する概略分解図である。図2で示されるように、キー構造1は、主に、キーキャップ11、はさみ型支持部材、弾性要素14、薄膜スイッチ15、及びベースプレート16を有する。そのはさみ型支持部材は、内部フレーム12及び外部フレーム13を有する。内部フレーム12及び外部フレーム13は、キーキャップ11をベースプレート16に取り付けるために相互に協働する。薄膜スイッチ15は、ベースプレート16上に配置される。弾性要素14は、キーキャップ11と薄膜スイッチ15との間に配置される。キーキャップ11が押下されると、弾性要素14は、薄膜スイッチ15が電子信号を生成するよう薄膜スイッチ15をトリガーすべく、下方に変形させられる。
【0004】
そのはさみ型支持部材の設計において、キーキャップ11は、キーキャップ11に及ぼされた押下力がなくなった後に、その元の位置に戻される必要がある。一般的に、弾性要素14は、キーキャップ11を元の位置に押し戻すための復元力をもたらす。更に、内部フレーム12及び外部フレーム13は、キーキャップ11の垂直方向の移動動作を正確に制御するために、相互に協働しなければならない。言い換えれば、内部フレーム12及び外部フレーム13の構造は、キー構造1の品質及び耐用年数に影響する極めて重要な要因である。
【0005】
再び図2を参照すると、二つのピボットロッド(回転ロッド)121が内部フレーム12のアーム部に形成されている。回転ロッド121に対応して、二つのピボット穴(ほぞ穴)131が外部フレーム13のアーム部に形成されている。回転ロッド121は、内部フレーム12が外部フレーム13上で回転可能となるよう、ほぞ穴131に枢動可能に結合される。内部フレーム12を外部フレーム13に組み合わせるために、技術者は、それら二つのほぞ穴131の間の距離を拡げるべく、外部フレーム13のアーム部を押さえながら開く(prop open)必要がある。そのようにして、回転ロッド121は、対応するほぞ穴131に成功裏に挿入され、内部フレーム12と外部フレーム13とを一緒に組み合わせられるようにする。外部フレーム13を押さえながら開くプロセスは、時間のかかるものであり、その結果、そのキーボードの生産性(throughput)に悪影響を及ぼす。一方、外部フレーム13を押さえながら開くために用いられる外力が不適切であれば、外部フレーム13は、容易に傷つけられ、そして、その生産量は低減される。
【0006】
再び図2を参照すると、従来のキー構造1における内部フレーム12及び外部フレーム13が一緒に組み合わされた後、回転ロッド121は、ほぞ穴131に枢動可能に結合される。キーキャップ11の安定性を維持し、且つ、キーキャップ11が押下され或いは元の位置に戻される際にキーキャップ11が揺れ動くのを防止するために、回転ロッド121は、対応するほぞ穴13にぴったりと嵌められる必要がある。回転ロッド121が、対応するほぞ穴13にぴったりと嵌められるので、内部フレーム12が外部フレーム13に対して回転させられるときには強い摩擦力が発生する。この状況下において、キーキャップ11を押下する際の触感は悪化する。キーキャップ11が何度も押下された後、内部フレーム12の回転ロッド121と外部フレーム13のほぞ穴131との間の領域は、その摩擦力によってすぐに摩耗させられる。すなわち、回転ロッド121は、もはや、対応するほぞ穴131にぴったりと嵌っていないものとなる。最終的に、キーキャップ11は、不安定で且つ容易に揺り動かされるものとなる。
【0007】
従って、そのキーキャップの安定的な動作を維持でき、且つ、そのキーキャップが押下されたときの望ましい触感を実現させることができるはさみ型支持部材を提供する必要がある。更に、そのはさみ型支持部材における内部フレーム及び外部フレームは、その外部フレームを押さえながら開く必要もなく、容易に組み立てられなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、はさみ型支持部材がそのキーキャップの安定的な動作を維持し且つそのキーキャップが押下されたときの望ましい触感を実現させることができる、キー構造を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、はさみ型支持部材が容易に組み立てられる、キー構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に従って、キー構造が提供される。そのキー構造は、キーキャップ、ベースプレート、及びはさみ型支持部材を含む。そのはさみ型支持部材は、そのキーキャップをそのベースプレートに接続するために用いられる。そのはさみ型支持部材は、内部フレーム及び外部フレームを含む。その内部フレームは、その内部フレームのアーム部上に形成される第一凸部及び内部凹部を有する。その第一凸部は、第一傾斜面及び第二傾斜面を含む。その外部フレームは、その外部フレームのアーム部上に形成される内部V型ノッチ及び第二凸部を有する。そのV型ノッチは、第三傾斜面及び第四傾斜面を含む。そのキーキャップがそのベースプレートに対して第一の高さに位置付けられると、その第一傾斜面は、その第三傾斜面に対して支持される。そのキーキャップがそのベースプレートに対して第二の高さに位置付けられると、その第二傾斜面は、その第四傾斜面に対して支持される。
【0011】
一実施例において、第二凸部は、第三傾斜面から延びる第五傾斜面を有する三角柱であり、その凹部は、第六傾斜面を有し、そして、その三角柱は、その凹部に受け入れられ、そこで、その第五傾斜面は、そのキーキャップがその第一の高さに位置付けられたときに、その第六傾斜面に対して支持される。
【0012】
一実施例において、その三角柱は、第一底面を有し、その凹部は、第二底面を有し、そこで、その第一底面は、そのキーキャップがその第二の高さに位置付けられたときに、その第二底面に対して支持される。
【0013】
一実施例において、そのキー構造は、薄膜スイッチ及び弾性要素を更に含む。その薄膜スイッチは、そのベースプレート上に配置される。その弾性要素は、そのキーキャップとその薄膜スイッチとの間に配置される。その薄膜スイッチは、そのキーキャップがその第一の高さからその第二の高さに位置付けられるよう押下されたときに、その弾性要素によってトリガーされる。
【0014】
一実施例において、第一接続部及びガイドスロットは、そのキーキャップの底に形成され、フック及び第二接続部は、そのベースプレート上に形成され、第一結合シャフト及び第一滑り(glide)シャフトは、その内部フレームのアーム部の両端に形成され、そして、第二結合シャフト及び第二滑りシャフトは、その外部フレームのアーム部の両端に形成される。そのフックとその第一滑りシャフトとの間のかみ合い、及び、その第二結合シャフトとその第二接続部との間のかみ合いを介して、そのはさみ型支持部材は、そのベースプレートに取り付けられる。そのガイドスロットとその第二滑りシャフトとの間のかみ合い、及び、その第一接続部とその第一結合シャフトとの間のかみ合いを介して、そのキーキャップは、そのはさみ型支持部材に組み合わせられる。
【0015】
本発明の別の態様に従って、キーボードが提供される。そのキーボードは、複数のキーキャップ、ベースプレート、複数のはさみ型支持部材、複数の薄膜スイッチ、及び複数の弾性要素を含む。それらはさみ型支持部材は、それらキーキャップをそのベースプレートに接続するために用いられる。それらはさみ型支持部材のそれぞれは、内部フレーム及び外部フレームを含む。その内部フレームは、その内部フレームのアーム部に形成された第一凸部及び内部凹部を有する。その第一凸部は、第一傾斜面及び第二傾斜面を含む。その外部フレームは、その外部フレームのアーム部に形成された内部V型ノッチ及び第二凸部を有する。そのV型ノッチは、第三傾斜面及び第四傾斜面を含む。そのキーキャップがそのベースプレートに対して第一の高さに位置付けられた場合に、その第一傾斜面は、その第三傾斜面に対して支持される。そのキーキャップがそのベースプレートに対して第二の高さに位置付けられた場合に、その第二傾斜面は、その第四傾斜面に対して支持される。それら薄膜スイッチは、そのベースプレート上に配置される。それら弾性要素は、各キーキャップと各薄膜スイッチとの間に配置される。それら薄膜スイッチは、対応するキーキャップがその第一の高さからその第二の高さに位置付けられるよう押下されたときに、それら弾性要素によってトリガーされる。
【0016】
一実施例において、その第二凸部は、その第三傾斜面から延びる第五傾斜面を有する三角柱であり、その凹部は、第六傾斜面を有し、そして、その三角柱は、その凹部に受け入れられ、そこで、その第五傾斜面は、そのキーキャップがその第一の高さに位置付けられたときに、その第六傾斜面に対して支持される。
【0017】
一実施例において、その三角柱は、第一底面を有し、その凹部は、第二底面を有し、そこで、その第一底面は、そのキーキャップがその第二の高さに位置付けられたときに、その第二底面に対して支持される。
【0018】
一実施例において、そのキー構造は、薄膜スイッチ及び弾性要素を更に含む。その薄膜スイッチは、そのベースプレート上に配置される。その弾性要素は、そのキーキャップとその薄膜スイッチとの間に配置される。その薄膜スイッチは、そのキーキャップがその第一の高さからその第二の高さに位置付けられるよう押下されたときに、その弾性要素によってトリガーされる。
【0019】
一実施例において、第一接続部及びガイドスロットがそのキーキャップの底に形成され、フック及び第二接続部がそのベースプレート上に形成され、第一結合シャフト及び第一滑り(glide)シャフトがその内部フレームのアーム部の両端に形成され、そして、第二結合シャフト及び第二滑りシャフトがその外部フレームのアーム部の両端に形成される。そのフックとその第一滑りシャフトとの間のかみ合い、及び、その第二結合シャフトとその第二接続部との間のかみ合いを介して、そのはさみ型支持部材は、そのベースプレートに取り付けられる。そのガイドスロットとその第二滑りシャフトとの間のかみ合い、及び、その第一接続部とその第一結合シャフトとの間のかみ合いを介して、そのキーキャップは、そのはさみ型支持部材に組み合わせられる。
【0020】
本発明の上記目的及び有利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を再検討した後には、当業者にとって直ちに明らかなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来技術に従ったキーボードにおけるキー構造を図解する概略斜視図である。
【図2】従来技術に従ったキー構造を図解する概略分解図である。
【図3】本発明の好適な実施例に従ったキー構造を図解する概略分解図である。
【図4A】本発明の好適な実施例に従ったキー構造のキーキャップを図解する概略斜視図である。
【図4B】本発明の好適な実施例に従ったキー構造の内部フレームを図解する概略斜視図である。
【図4C】本発明の好適な実施例に従ったキー構造の外部フレームを図解する概略斜視図である。
【図5A】本発明の好適な実施例に従ったキー構造のはさみ型支持部材の内部フレーム及び外部フレームの組み立てプロセスを概略的に図解する。
【図5B】本発明の好適な実施例に従ったキー構造のはさみ型支持部材の内部フレーム及び外部フレームの組み立てプロセスを概略的に図解する。
【図5C】本発明の好適な実施例に従ったキー構造のはさみ型支持部材の内部フレーム及び外部フレームの組み立てプロセスを概略的に図解する。
【図6A】押下されていない状態の本発明のキー構造を図解する概略断面図である。
【図6B】押下された状態の本発明のキー構造を図解する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図3は、本発明の好適な実施例に従ったキー構造を図解する概略分解図である。図3で示されるように、キー構造2は、キーキャップ21、はさみ型支持部材、弾性要素24、薄膜スイッチ25、及びベースプレート26を有する。そのはさみ型支持部材は、内部フレーム22及び外部フレーム23を有し、それらは、キーキャップ21をベースプレート26に取り付けるために、相互に協働する。薄膜スイッチ25は、ベースプレート26上に配置される。弾性要素24は、キーキャップ21と薄膜スイッチ25との間に配置される。キーキャップ21が押下されると、弾性要素24は、薄膜スイッチ25が電子信号を生成するよう薄膜スイッチ25をトリガーすべく、下方に変形させられる。弾性要素24によって、キーキャップ21は、キーキャップ21が押下されていない状態の元の位置に戻され得る。更に、ベースプレート26は、フック261及び第二接続部262を有する。第二接続部262は、フック262A及びストッパ262Bを有する。
【0023】
図4A、4B、及び4Cは、それぞれ、本発明の好適な実施例に従ったキー構造2におけるキーキャップ21、内部フレーム22、及び外部フレーム23を図解する概略斜視図である。以下において、キー構造2の構造は、図4A、4B、及び4Cを参照して、より詳細に説明される。
【0024】
図4Aで示されるように、第一接続部211及びガイドスロット212は、キーキャップ21の底に形成される。図4Bで示されるように、第一凸部222及び内部凹部223は、内部フレーム22のアーム部221に形成される。第一凸部222は、第一傾斜面222A及び第二傾斜面222Bを有する。凹部223は、第二底面223A及び第六傾斜面223Bを有する。第六傾斜面223Bは、第一傾斜面222Aから延びる。更に、第一結合シャフト224及び第一滑りシャフト225は、内部フレーム22のアーム部221の両端に形成される。図4Cで示されるように、内部V型ノッチ232及び第二凸部233は、外部フレーム23のアーム部231に形成される。V型ノッチ232は、第三傾斜面232B及び第四傾斜面232Aを有する。この実施例では、第二凸部233は、三角柱である。第二凸部233は、第一底面233A及び第五傾斜面233Bを有する。第五傾斜面233Bは、第三傾斜面232Bから延びる。更に、第二結合シャフト234及び第二滑りシャフト235は、外部フレーム23のアーム部231の両端に形成される。
【0025】
以下では、図5A、5B、及び5Cを参照して、そのキー構造のはさみ型支持部材の内部フレーム及び外部フレームを組み立てるプロセスが説明される。そのはさみ型支持部材の内部フレーム22及び外部フレーム23を組み立てるために、内部フレーム22は、第一に、外部フレーム23に挿入され、その後、内部フレーム22は、ひっくり返される。図5A及び図5Bで示されるように、内部フレーム22の第一凸部222の第一傾斜面222Aは、第一傾斜面222Aが外部フレーム23のV型ノッチ232の第四傾斜面232Aに接触して支持されるように、外部フレーム23のV型ノッチ232に斜めに挿入される(図5B参照。)。その間、内部フレーム22の凹部223は、外部フレーム23の方を向く。次に、図5B及び図5Cで示されるように、内部フレーム22は、矢印Rで示される方向にひっくり返される。外部フレーム23の第二凸部233が内部フレーム22の凹部223とかみ合った後、キー構造2のはさみ型支持部材が組み立てられる。
【0026】
この実施例では、そのはさみ型支持部材は、内部フレーム22における第一凸部222及び内部凹部223を、外部フレーム23のV型ノッチ232及び第二凸部233に組み合わせることによって極めて容易に組み立てられる。ユーザは、そのはさみ型支持部材の組み立てプロセスの際に外部フレーム23を押さえながら開く必要がないので、外部フレーム23を損傷する可能性は、最小限に抑えられる。特に、内部フレーム22を外部フレーム23内に斜めに挿入した上で内部フレーム22をひっくり返すことによって本発明のはさみ型支持部材を組み立てることは、極めて単純である。すなわち、本発明のはさみ型支持部材の組み立てプロセスは、自動化されてもよく、その結果、そのキー構造又はそのキーボードの生産性が高められる。
【0027】
そのはさみ型支持部材が組み立てられた後、そのはさみ型支持部材は、フック261と第一滑りシャフト225との間のかみ合い、及び、第二結合シャフト234と第二接続部262との間のかみ合いを介して、ベースプレート26に取り付けられる。次に、ガイドスロット212及び第二滑りシャフト235との間のかみ合い、及び、第一接続部211と第一結合シャフト224との間のかみ合いを介して、キーキャップ21は、そのはさみ型支持部材に組み合わせられる。
【0028】
図6Aは、押下されていない状態にある本発明のキー構造を図示する概略断面図である。
【0029】
図6Bは、押下された状態にある本発明のキー構造を図示する概略断面図である。キーキャップ21のバランスを取り、且つ、キーキャップ21が押下されたときの望ましい触感を実現させるためのそのはさみ型支持部材の使用は、図6A及び図6Bを参照して図解される。
【0030】
キーキャップ21が押下されていない場合、キーキャップ21は、ベースプレート26の底に対して第一の高さH1のところに位置付けられる。図6Aで示されるように、内部フレーム22の第一凸部222の第一傾斜面222Aは、外部フレーム23のV型ノッチ232の第三傾斜面232Bに接触して支持される。この時点で、外部フレーム23の第二凸部233の第五傾斜面233Bもまた、内部フレーム22の凹部223の第六傾斜面223Bに接触して支持される。一方で、キーキャップ21が押下された場合には、ベースプレート26の底に対するキーキャップ21の高さは、第一の高さH1から第二の高さH2に下げられる。図6Bで示されるように、内部フレーム22の第一凸部222の第二傾斜面222Bは、外部フレーム23のV型ノッチ232の第四傾斜面232Aに接触して支持される。この時点で、外部フレーム23の第二凸部(すなわち、三角柱である。)233の第一底面233Aは、内部フレーム22の凹部223の第二底面223Aにかみ合わせられる。
【0031】
上記記載から、内部フレーム22及び外部フレーム23は、キーキャップ21が垂直に動かされる際に面対面が接触する態様によって相互に接触させられるので、本発明のはさみ型支持部材は、より安定的なものとなり、また、揺動現象は最小限に抑えられる。その面対面が接触する態様は、内部フレーム22と外部フレーム23との間の接触面積を増大させ、その結果、そのはさみ型支持部材の安定性が高められる。更に、内部フレーム22が外部フレーム23に枢動可能に結合されていないので、内部フレーム22の第一凸部222は、キーキャップ21が第一の高さH1から第二の高さH2に或いは第二の高さH2から第一の高さH1に移動する際に、外部フレーム23のV型ノッチ232にほとんど接触しない。結果として、そのはさみ型支持部材の摩耗が低減され、また、そのキーキャップの耐用年数が延長される。更に、本発明のそのはさみ型支持部材のおかげで、そのキーキャップが押下されたときの望ましい触感がもたらされる。
【0032】
内部フレーム22と外部フレーム23との間の摩耗を更に低減させ、そして、そのはさみ型支持部材の組み立てを更に容易にするために、キー構造2のはさみ型支持部材は、更に改良され得る。例えば、内部フレーム22における第一凸部222及び凹部223と外部フレーム23におけるV型ノッチ232及び第二凸部233との面対面の接合部のところに、面取り(fillets)が随意的に形成される。言い換えれば、面取りは、内部フレーム22の第一凸部222における第一傾斜面222Aと第二傾斜面222Bとの間、外部フレーム23のV型ノッチ232における第三傾斜面232Bと第四傾斜面232Aとの間、及び/又は、外部フレーム23の第二凸部233における第一底面233Aと第五傾斜面233Bとの間の接合部のところに形成され得る。
【0033】
本発明のキー構造2は、キーボードに適用され得る。すなわち、そのキーボードは、複数の、本発明に係るキー構造2を有する。そのキーボードの例には、デスクトップキーボード又はノートブックキーボードが含まれるがそれらに限定されることはない。
【0034】
本発明は、現時点において最も実用的で且つ有利的な実施例と考えられるものに関して記述されたが、当然のことながら、本発明は、その開示された実施例に限定される必要はない。反対に、最も広い解釈と一致する添付の請求項の精神及び範囲内に含まれる様々な変形及び類似の配置を、そのような変形及び類似構造の全てが含まれるように、カバーすることを意図する。
【符号の説明】
【0035】
1、2 キー構造
11、21 キーキャップ
12、22 内部フレーム
13、23 外部フレーム
14、24 弾性要素
15、25 薄膜スイッチ
16、26 ベースプレート
121 回転ロッド
131 ほぞ穴
211 第一接続部
212 ガイドスロット
221、231 アーム部
222 第一凸部
222A 第一傾斜面
222B 第二傾斜面
223 内部凹部
223A 第二底面
223B 第六傾斜面
224 第一結合シャフト
225 第一滑りシャフト
232 内部V型ノッチ
232A 第四傾斜面
232B 第三傾斜面
233 第二凸部
233A 第一底面
233B 第五傾斜面
234 第二結合シャフト
235 第二滑りシャフト
261 フック
262 第二接続部
262A フック
262B ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キー構造であって:
キーキャップ;
ベースプレート;及び
前記キーキャップを前記ベースプレートに接続するためのはさみ型支持部材であって、内部フレームであり、該内部フレームのアーム部に形成される第一凸部及び内部凹部を有し、該第一凸部が第一傾斜面及び第二傾斜面を有するところの内部フレームと、外部フレームであり、該外部フレームのアーム部に形成される内部V型ノッチ及び第二凸部を有し、該V型ノッチが第三傾斜面及び第四傾斜面を有するところの外部フレームと、を有するところのはさみ型支持部材;を有し、
前記キーキャップが前記ベースプレートに対して第一の高さに位置付けられたときに、前記第一傾斜面が前記第三傾斜面に接触して支持され、また、前記キーキャップが前記ベースプレートに対して第二の高さに位置付けられたときに、前記第二傾斜面が前記第四傾斜面に接触して支持される、
キー構造。
【請求項2】
前記第二凸部は、前記第三傾斜面から延びる第五傾斜面を有する三角柱であり、
前記凹部は、前記第一傾斜面から延びる第六傾斜面を有し、且つ、
前記三角柱は、前記凹部に受け入れられ、
前記第五傾斜面は、前記キーキャップが前記第一の高さに位置付けられたときに、前記第六傾斜面に接触して支持される、
請求項1に従ったキー構造。
【請求項3】
前記三角柱は、第一底面を有し、且つ、前記凹部は、第二底面を有し、
前記第一底面は、前記キーキャップが前記第二の高さに位置付けられたときに、前記第二底面に接触して支持される、
請求項2に従ったキー構造。
【請求項4】
前記ベースプレートに配置される薄膜スイッチ;及び
前記キーキャップと前記薄膜スイッチとの間に配置される弾性要素;を更に有し、
前記薄膜スイッチは、前記キーキャップが前記第一の高さから前記第二の高さに位置付けられるよう押下されたときに、前記弾性要素によってトリガーされる、
請求項1に従ったキー構造。
【請求項5】
第一接続部及びガイドスロットは、前記キーキャップの底に形成され、
フック及び第二接続部は、前記ベースプレートに形成され、
第一結合シャフト及び第一滑りシャフトは、前記内部フレームの前記アーム部の両端に形成され、且つ、
第二結合シャフト及び第二滑りシャフトは、前記外部フレームの前記アーム部の両端に形成され、
前記はさみ型支持部材は、前記フックと前記第一滑りシャフトとの間のかみ合い、及び、前記第二結合シャフトと前記第二接続部との間のかみ合いを介して前記ベースプレートに取り付けられ、また、
前記キーキャップは、前記ガイドスロットと前記第二滑りシャフトとの間のかみ合い、及び、前記第一接続部と前記第一結合シャフトとの間のかみ合いを介して前記はさみ型支持部材に組み合わせられる、
請求項1に従ったキー構造。
【請求項6】
複数のキーキャップ;
ベースプレート;
前記キーキャップを前記ベースプレートに接続するための複数のはさみ型支持部材であり、該複数のはさみ型支持部材のそれぞれが、内部フレームであり、該内部フレームのアーム部に形成される第一凸部及び内部凹部を有し、該第一凸部が第一傾斜面及び第二傾斜面を有するところの内部フレームと、外部フレームであり、該外部フレームのアーム部に形成される内部V型ノッチ及び第二凸部を有し、該V型ノッチが第三傾斜面及び第四傾斜面を有するところの外部フレームと、を有し、前記キーキャップが前記ベースプレートに対して第一の高さに位置付けられたときに、前記第一傾斜面が前記第三傾斜面に接触して支持され、また、前記キーキャップが前記ベースプレートに対して第二の高さに位置付けられたときに、前記第二傾斜面が前記第四傾斜面に接触して支持されるところのはさみ型支持部材;
前記ベースプレートに配置される複数の薄膜スイッチ;及び
各キーキャップと各薄膜スイッチとの間に配置される複数の弾性要素;を有するキーボードであって:
前記薄膜スイッチは、対応するキーキャップが前記第一の高さから前記第二の高さに位置付けられるよう押下されたときに、前記弾性要素によってトリガーされる、
キーボード。
【請求項7】
前記第二凸部は、前記第三傾斜面から延びる第五傾斜面を有する三角柱であり、
前記凹部は、前記第一傾斜面から延びる第六傾斜面を有し、且つ、
前記三角柱は、前記凹部に受け入れられ、
前記第五傾斜面は、前記キーキャップが前記第一の高さに位置付けられたときに、前記第六傾斜面に接触して支持される、
請求項6に従ったキーボード。
【請求項8】
前記三角柱は、第一底面を有し、且つ、前記凹部は、第二底面を有し、
前記第一底面は、前記キーキャップが前記第二の高さに位置付けられたときに、前記第二底面に接触して支持される、
請求項6に従ったキーボード。
【請求項9】
第一接続部及びガイドスロットは、前記キーキャップの底に形成され、
フック及び第二接続部は、前記ベースプレートに形成され、
第一結合シャフト及び第一滑りシャフトは、前記内部フレームの前記アーム部の両端に形成され、且つ、
第二結合シャフト及び第二滑りシャフトは、前記外部フレームの前記アーム部の両端に形成され、
前記はさみ型支持部材は、前記フックと前記第一滑りシャフトとの間のかみ合い、及び、前記第二結合シャフトと前記第二接続部との間のかみ合いを介して前記ベースプレートに取り付けられ、また、
前記キーキャップは、前記ガイドスロットと前記第二滑りシャフトとの間のかみ合い、及び、前記第一接続部と前記第一結合シャフトとの間のかみ合いを介して前記はさみ型支持部材に組み合わせられる、
請求項6に従ったキーボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2010−153351(P2010−153351A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121681(P2009−121681)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(501280046)致伸科技股▲ふん▼有限公司 (104)
【Fターム(参考)】