ギヤユニットおよびロボット
【課題】出力方向が互いに反対向きで、かつ同軸のインナー軸およびアウター軸に、それぞれ独立して動力を直接伝達可能で、しかもコンパクトなギヤユニットを提供する。
【解決手段】同心二軸の出力軸により構成され、出力方向を互いに反対向きとした同軸のインナー軸およびアウター軸と、それぞれ出力軸と直交する方向に延在し、インナー軸に連動連結する第1の入力軸およびアウター軸に連動連結する第2の入力軸とを備える。また、インナー軸の中途に取り付けられたインナーギヤと、アウター軸の基端に取り付けられたアウターギヤとを、互いに対向状態に配置する。そして、第1の入力軸と第2の入力軸とを、出力軸の軸方向に互いに所定距離だけ離隔して配置し、インナーギヤに第1の入力軸の第1入力ギヤを噛合させる一方、アウターギヤには第2の入力軸の第2入力ギヤを噛合させる。
【解決手段】同心二軸の出力軸により構成され、出力方向を互いに反対向きとした同軸のインナー軸およびアウター軸と、それぞれ出力軸と直交する方向に延在し、インナー軸に連動連結する第1の入力軸およびアウター軸に連動連結する第2の入力軸とを備える。また、インナー軸の中途に取り付けられたインナーギヤと、アウター軸の基端に取り付けられたアウターギヤとを、互いに対向状態に配置する。そして、第1の入力軸と第2の入力軸とを、出力軸の軸方向に互いに所定距離だけ離隔して配置し、インナーギヤに第1の入力軸の第1入力ギヤを噛合させる一方、アウターギヤには第2の入力軸の第2入力ギヤを噛合させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、ギヤユニットおよびロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットのアームやハンドなどの可動体を連結する関節の構成として、可動体を先端に連結した回動軸に、基端をモータなどの駆動源に連結した駆動軸を、ギヤユニットを介して直交状態に連動連結したものがある(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
例えば特許文献1に開示されたギヤユニットは、モータの反対側をなす駆動軸の先端に固設された第1傘歯車と、可動体の反対側をなす回動軸の基端に固設され、第1傘歯車と噛合する第2傘歯車とを備えた構成となっている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたロボットは、1つの関節では1つの可動体しか駆動しないため、可動体としてのアームやハンドによる作業効率の向上は期待できなかった。
【0005】
そこで、ロボットなどに用いられる1つの関節によって複数の可動体を駆動させることができるギヤユニットが望まれるが、かかるギヤユニットとしては、複数の同心軸からなる回動軸を個別に駆動する駆動機構が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−165992号公報
【特許文献2】特開2007−216364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示されたギヤユニットは、複数の同心軸からなる回動軸にそれぞれ設けたプーリにタイミングベルトを巻回し、タイミングベルトを介して各回動軸を駆動する構成であるため、コンパクトにユニット化することが難しい。
【0008】
また、各回動軸に連接して旋回動作する可動体(アームやハンド)同士間に、用途に応じた十分な間隔を設けることも難しい。
【0009】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、可動体(アームやハンド)による作業効率の向上を図りながら、コンパクトにユニット化することができ、しかも、可動体同士間に、用途に応じた十分な間隔を設けることのできるギヤユニットおよびかかるギヤユニットを備えたロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の一態様に係るギヤユニットは、同心二軸の出力軸により構成され、出力方向を互いに反対向きとした同軸のインナー軸およびアウター軸と、それぞれ前記出力軸と直交する方向に延在し、前記インナー軸に連動連結する第1の入力軸および前記アウター軸に連動連結する第2の入力軸とを備えている。そして、前記インナー軸の中途に取り付けられたインナーギヤと、前記アウター軸の基端に取り付けられたアウターギヤとを、互いに対向状態に配置する。さらに、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸とを、前記出力軸の軸方向に互いに所定距離だけ離隔して配置し、前記インナーギヤに前記第1の入力軸の第1入力ギヤを噛合させる一方、前記アウターギヤには前記第2の入力軸の第2入力ギヤを噛合させる。
【発明の効果】
【0011】
実施形態の一態様によれば、可動体(アームやハンド)による作業効率の向上を図りながら、コンパクトにユニット化することができ、しかも、可動体同士間に、用途に応じた十分な間隔を設けることができる。したがって、例えば、ロボットの関節の駆動機構に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、第1の実施形態に係るギヤユニットの縦断面視による説明図である。
【図2】図2は、同ギヤユニットの平面視による説明図である。
【図3】図3は、同ギヤユニットの背面視による説明図である。
【図4】図4は、第1の変形例に係るギヤユニットの平面視による説明図である。
【図5A】図5Aは、第2の実施形態に係るギヤユニットの平面視による説明図である。
【図5B】図5Bは、第3の実施形態に係るギヤユニットの平面視による説明図である。
【図5C】図5Cは、第4の実施形態に係るギヤユニットの平面視による説明図である。
【図6A】図6Aは、第1の実施形態に係るロボットの一例を示す説明図である。
【図6B】図6Bは、第1の実施形態に係るギヤユニットをロボットに適用した場合の一例を示す模式的説明図である。
【図6C】図6Cは、第1の実施形態に係るギヤユニットをロボットに適用した場合の一例を示す模式的説明図である。
【図7】図7は、参考例に係るギヤユニットの縦断面視による説明図である。
【図8A】図8Aは、第1の実施形態に係るギヤユニットおよび参考例に係るギヤユニットをロボットに適用した場合の一例を示す模式的説明図である。
【図8B】図8Bは、第1の実施形態に係るギヤユニットおよび参考例に係るギヤユニットをロボットに適用した場合の一例を示す模式的説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するギヤユニットおよびロボットの実施形態を詳細に説明する。ただし、以下の実施形態における例示で本発明が限定されるものではない。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るギヤユニットの縦断面視による説明図、図2は同平面視による説明図、図3は同背面視による説明図である。先ず、本実施形態に係るギヤユニット1について説明する。
【0015】
図1〜図3に示すように、ギヤユニット1は、同心の中心軸を有するインナー軸2およびアウター軸3からなる同心二軸の出力軸と、第1の入力軸4および第2の入力軸5とからなる2つの入力軸とを備えている。なお、図1では、第2の入力軸5については図示を省略してある。
【0016】
出力軸を構成するインナー軸2およびアウター軸3は、出力方向F1,F2が互いに反対向きであり、インナー軸2の出力方向F1が一側方向(図1において下側方向)とすれば、アウター軸3の出力方向F2は他側方向(図1において上側方向)となっている。
【0017】
第1の入力軸4および第2の入力軸5は、それぞれ出力軸と直交する方向に延在しており、第1の入力軸4は第1モータ11(図2)に連動連結し、第2の入力軸5は第2モータ12(図2)に連動連結している。
【0018】
なお、各モータ11(12)と各入力軸4(5)とは、それぞれ同軸方向に連結されている。
【0019】
かかる構成により、第1モータ11からの動力の流れf1は、第1の入力軸4からインナー軸2へ(図1参照)、第2モータ12からの動力の流れf2は、第2の入力軸5からアウター軸3へ(図1参照)、ギヤを用いてそれぞれ直接的に伝達可能となっている。そして、第1モータ11からの動力の流れf1はインナー軸2から一方の出力方向F1へ、第2モータ12からの動力の流れf2は、アウター軸3から180度向きが異なる他方の出力方向F2へと伝達される。
【0020】
かかる構成のギヤユニット1は、第1モータ11および第2モータ12とともに、後述するロボットのアームなどのような被駆動部材の駆動ユニットとして機能させることができる。
【0021】
図1に示すように、出力軸であるインナー軸2の中途、すなわち、インナー軸2の一端近傍(図1において下端近傍)にはインナーギヤ6が設けられている。また、インナー軸2よりも短尺のアウター軸3の基端(図1において下端)にはアウターギヤ7が設けられている。他方、図2に示すように、入力軸である第1の入力軸4の先端には第1入力ギヤ8が設けられ、第2の入力軸5の先端には第2入力ギヤ9が設けられている。
【0022】
出力軸と入力軸とは、互いに直交する方向に延在した姿勢でユニットケース10にベアリング15やシール材16(図1においては省略)を介して取り付けられている。
【0023】
すなわち、ユニットケース10の一側面から他側面(図1における上面から下面)にかけて貫通孔を形成し、この貫通孔に出力軸(インナー軸2およびアウター軸3)を挿嵌するとともに、この貫通孔と直交する他の側面(図1における左側面)に開口を形成し、この開口に入力軸を挿通している。なお、貫通孔の一端開口部(図1における上側の開口部)からはアウター軸3の先端側を突出させ、貫通孔の他端開口部(図1における下側の開口部)からはインナー軸2の一端側を突出させている。
【0024】
そして、図1に示すように、インナー軸2およびアウター軸3に、ハンド330,340(図6A参照)を連接して、ギヤユニット1を、例えば、後述するロボットのハンドの駆動ユニットとしてアーム内に配設することができる。
【0025】
ところで、インナーギヤ6とアウターギヤ7とは、ユニットケース10内において、対向状態に配置されている。すなわち、相対的に長尺のインナー軸2の一端近傍に設けられたインナーギヤ6と、相対的に短尺のアウター軸3の基端に設けられたアウターギヤ7とが、歯列同士を対向させて、互いに所定間隔Dをあけて対向状態に配置されている。
【0026】
この所定間隔Dをあけて形成された空間がギヤ噛合空間Qを形成しており、本実施形態では、このギヤ噛合空間Qを可及的に小さくすることにより、ギヤユニット1のコンパクト化を実現している。
【0027】
すなわち、可及的に小さくしたギヤ噛合空間Qにおいて、第1の入力軸4と第2の入力軸5とを、インナー軸2およびアウター軸3からなる出力軸の同心軸方向に互いに所定距離Lだけ離隔して配置している。
【0028】
そして、入力軸を水平にした姿勢において、本実施形態におけるギヤユニット1は、図1に示すように、相対的に下側に位置する第1の入力軸4がインナー軸2に、相対的に上側に位置する第2の入力軸5がアウター軸3に連動連結するように構成している。
【0029】
このように、対向配置されたインナーギヤ6とアウターギヤ7との間に形成されたギヤ噛合空間Qにおいて、第1の入力軸4の第1入力ギヤ8とインナーギヤ6とが噛合し、第2の入力軸5の第2入力ギヤ9とアウターギヤ7とが噛合するように、第1の入力軸4と第2の入力軸5とを出力軸方向に互いにオフセットして配置している。
【0030】
したがって、本実施形態に係るギヤユニット1は、コンパクトな構成でありながら、互いに独立したインナーギヤ6および第1入力ギヤ8との対からなる組と、アウターギヤ7および第2入力ギヤ9との対からなる組とを有することになる。
【0031】
すなわち、インナーギヤ6および第1入力ギヤ8との対からなる組と、アウターギヤ7および第2入力ギヤ9との対からなる組とは、互いに干渉することがなく、それぞれ独立した動力伝達系(図1に示すf1→F1、f2→F2を参照)を構成することができる。
【0032】
ところで、本実施形態に係るギヤユニット1では、インナーギヤ6および第1入力ギヤ8の対と、アウターギヤ7および第2入力ギヤ9の対とを、それぞれハイポイドギヤで構成している。
【0033】
そのため、第1入力ギヤ8を備える第1の入力軸4と、第1入力ギヤ8と噛合するインナーギヤ6を備えるインナー軸2の軸線同士は交わらない。また、第2入力ギヤ9を備える第2の入力軸5と、第2入力ギヤ9と噛合するアウターギヤ7を備えるアウター軸3の軸線同士も交わらない。
【0034】
したがって、第1の入力軸4と第2の入力軸5との各軸線を、インナー軸2やアウター軸3の軸線に合わせることなく、任意に配置することができ、第1、第2モータ11,12を含めて駆動ユニットのレイアウトの自由度を高めることができる。
【0035】
例えば、図2に示すように、第1の入力軸4と第2の入力軸5とを互いに平行に配置することができる。
【0036】
このように、ハイポイドギヤを用いて第1の入力軸4および第2の入力軸5を互いに平行に配置可能としたことにより、第1モータ11および第2モータ12についても同じ向きに並設することが可能となっている。したがって、可及的に狭くした所定間隔D(図1参照)をあけて形成されたギヤ噛合空間Qとあいまって、ギヤユニット1を、よりコンパクトに構成することができる。
【0037】
以上説明してきたように、本実施形態に係るギヤユニット1は、基本構成として、同心であり、かつ出力方向を互いに反対向きとしたインナー軸2およびアウター軸3を備えている。また、インナー軸2に連動連結する第1の入力軸4およびアウター軸3に連動連結する第2の入力軸5を備えている。このように、インナー軸2およびアウター軸3とで同心二軸の出力軸を構成する一方、第1の入力軸4および第2の入力軸5が、それぞれ出力軸と直交する方向に延在している。
【0038】
そして、インナー軸2に取り付けられたインナーギヤ6と、アウター軸3に取り付けられたアウターギヤ7とを、互いに対向状態に配置している。
【0039】
さらに、第1の入力軸4と第2の入力軸5とを、出力軸の軸方向に互いに所定距離Lだけ離隔して配置し、インナーギヤ6に第1の入力軸4の第1入力ギヤ8を噛合させる一方、アウターギヤ7には第2の入力軸5の第2入力ギヤ9を噛合させている。
【0040】
かかる構成により、ギヤユニット1をコンパクト化することができるとともに、同軸の出力軸(インナー軸2およびアウター軸3)を介して2つの可動体を駆動させることができる。したがって、可動体を例えばロボットなどのハンドとすれば、ロボットによる作業効率を向上させることができる。
【0041】
また、第1モータ11の動力となる第1の入力軸4の回転力は第1入力ギヤ8およびインナーギヤ6を介してインナー軸2に、第2モータ12の動力となる第2の入力軸5の回転力は第2入力ギヤ9およびアウターギヤ7を介してアウター軸3に、それぞれ独立して直接伝達される。
【0042】
ところで、図1に示すように、インナー軸2およびアウター軸3は、いずれも中空の軸本体21,31を有し、インナー軸2の軸本体21内を通して配線および/または配管可能としている。
【0043】
したがって、例えば後述するように、ギヤユニット1をロボットに適用し、出力軸にアームやハンドなどを連結した場合、アームやハンドなどに設けられるセンサ類やアクチュエータ類などへの配線やエア配管などをインナー軸2の軸本体21中に挿通することができる。
【0044】
(ギヤユニット1の変形例)
次に、ギヤユニット1の変形例について、図4を参照して説明する。図4に示した変形例に係るギヤユニット1は、出力軸の回転角度が、正転および逆転方向にそれぞれ180度+αで機械的に規制されるようにストッパ機構100を備えた構成としている。
【0045】
変形例に係るギヤユニット1が備えるストッパ機構100は、図4に示すように、インナーギヤ6の歯列面側にストッパピン61を突設している。一方、ユニットケース10の内側壁には、出力軸であるインナー軸2およびアウター軸3の同心軸を通るセンターラインCL上に位置するようにベルトピン62を突設している。そして、ベルトピン62とインナー軸2との間に、適宜の張力が維持されるようにストッパベルト63を巻回している。なお、ストッパベルト63は、適度な弾力を有する弾性ベルトであることが望ましい。
【0046】
かかる構成としたことにより、第1モータ11から回転動力が伝達された第1の入力軸4(第1入力ギヤ8)を介してインナーギヤ6が回転すると、図4の矢印fで示すようにストッパピン61もインナーギヤ6の回転に伴って回転する。
【0047】
所定の角度まで回転が進むと、ストッパピン61は、ストッパベルト63に当接して、図示するように、ストッパベルト63を所定量だけ押し込みながら回転が規制される。したがって、ストッパピン61を突設したインナーギヤ6の回転に連動するインナー軸2もこれ以上は回転しないように規制されることになる。
【0048】
例示では、インナー軸2の回転角度を規制したものとしているが、同様な構成をアウター軸3に適用したり、あるいはインナー軸2およびアウター軸3の両者に同時に適用したりすることも可能である。
【0049】
次に、ギヤユニットの第2〜第4の実施形態について、図5A〜図5Cを参照しながら説明する。図5Aに示した第2の実施形態に係るギヤユニット1は、第1、第2モータ11,12と第1、第2入力軸4,5との間に中間ギヤ機構200を介設したものとしている。
【0050】
これは、第1モータ11や第2モータ12の配設位置が何らかの都合で限定されたり、第1モータ11や第2モータ12サイズが大き過ぎたりした場合に対応可能としている。すなわち、モータ軸110,120に第1、第2の入力軸4,5を直接連結すると、第1入力ギヤ8および第2入力ギヤ9がインナーギヤ6およびアウターギヤ7に噛合できない場合に対応可能としたものである。
【0051】
図5Aに示した例は、例えば、モータ用コネクタ210のレイアウトに制限があって、第1モータ11や第2モータ12との間に間隔を設けなければならない場合である。つまり、モータ軸110,120同士の間の距離D1が大き過ぎて、モータ軸110,120に第1の入力軸4や第2の入力軸5を連結すると、第1入力ギヤ8や第2入力ギヤ9がインナーギヤ6やアウターギヤ7と噛合することが難しい場合である。
【0052】
そこで、図示するように、第1モータ11のモータ軸110の先端に第1スパーギヤ(平歯車)220を、第1の入力軸4の基端に第2スパーギヤ(平歯車)230を取り付けて両者を噛合させている。このように、第1スパーギヤ220および第2スパーギヤ230を備えた中間ギヤ機構200を用いれば、使用可能なモータの種類などが限定されるようなことがなくなり、ギヤユニット1としての汎用性が高まる。
【0053】
次に、図5Bおよび図5Cを参照して、第3、第4の実施形態について説明する。第3、第4の実施形態に係るギヤユニット1は、インナーギヤ6および第1入力ギヤ8と、アウターギヤ7および第2入力ギヤ9とを、それぞれベベルギヤ(傘歯車)としている。
【0054】
すなわち、ベベルギヤを用いれば、ハイポイドギヤと異なり、第1の入力軸4とインナー軸2の軸線同士、および第2の入力軸5とアウター軸3の軸線同士をそれぞれ交わらせつつ、交わる角度は自由に設定することができる。
【0055】
つまり、互いに噛合する第1入力ギヤ8とインナーギヤ6とにおいて、第1入力ギヤ8を有する第1の入力軸4と、インナーギヤ6を有するインナー軸2の各軸線同士を、所定の角度で交わらせることができる。また、互いに噛合する第2入力ギヤ9とアウターギヤ7とにおいて、第2入力ギヤ9を有する第2の入力軸5と、アウターギヤ7を有するアウター軸3の各軸線同士を、所定の角度で交わらせることができる。
【0056】
したがって、図5Bに示すように、第1の入力軸4と第2の入力軸5との角度θを適宜設定することができる。また、図5Cに示すように、角度θを180度として、第1の入力軸4と第2の入力軸5とを直線上に配設し、第1入力ギヤ8と第2入力ギヤ9とを、インナーギヤ6とアウターギヤ7と同様に対向状態に配置することもできる。
【0057】
また、ハイポイドギヤを用いたものと同様に、本変形例においてもギヤユニット1の出力軸方向の長さ(高さ)については短く(低く)できるため、ギヤユニット1のコンパクト化を図ることができる。
【0058】
上述してきたギヤユニット1は、図6A,6Bに示すように、アーム310,320やハンド330,340を備えたロボット300に適用することができる。図6Aは第1の実施形態に係るロボットの一例を示す説明図、図6Bは同ロボットへのギヤユニット1の適用例を示す模式的説明図である。なお、図6Bで示すロボット300については、第1のアーム310の基端を支持する支柱360については図示を省略してある。
【0059】
図示するように、ロボット300は、水平多関節型であり、基台350から支柱360を突設するとともに、この支柱360の上端に第1のアーム310の基端を回動自在に連結している。
【0060】
そして、第1のアーム310の先端に第2のアーム320の基端を回動自在に連結するとともに、この第2のアーム320の先端の下部側に第1のハンド330を、上部側に第2のハンド340を、それぞれ独立して回動可能に取り付けている。第1のハンド330および第2のハンド340は、所定のワークを載置あるいは把持可能な構成としている。
【0061】
本実施形態では、第2のアーム320の先端部分に、上述してきたギヤユニット1を設け、2つのハンド330,340をそれぞれ独立して駆動させることができるようにしている。
【0062】
すなわち、ギヤユニット1の第1の入力軸4および第2の入力軸5に、第1モータ11および第2モータ12を連動連結する一方、インナー軸2に第1のハンド330を、アウター軸3に第2のハンド340を連結している。
【0063】
かかる構成により、第1モータ11が回転すると、そのトルクは第1の入力軸4の第1入力ギヤ8およびインナーギヤ6を介してインナー軸2に伝達され、インナー軸2に連結された第1のハンド330が水平方向に回転駆動する。
【0064】
同様に、第2モータ12が回転すると、そのトルクは第2の入力軸5の第2入力ギヤ9およびアウターギヤ7を介してアウター軸3に伝達され、アウター軸3に連結された第2のハンド340が水平方向に回転駆動する。
【0065】
このように、ロボット300の第1のハンド330および第2のハンド340は、同心の回転軸を中心にして、互いに独立して動作することになる。
【0066】
そして、上述してきたギヤユニット1を備えたロボット300においては、第1のハンド330および第2のハンド340との間には、少なくとも第2のアーム320の厚み分だけの間隔が形成されている。したがって、例えば、上下に所定距離だけ離間している2種類の把持対象物を2つのハンドを用いて把持しようとした場合、第1、第2のハンド330,340を第2のアーム320の上方などに上下に重ねて配置した構成と比べ、高さが抑制されたコンパクトな構成とすることが可能となる。
【0067】
また、図6Aに示すように、ロボット300は、CPUや、ロボットの動作制御プログラムなどが格納されたメモリーなどを有するコンピュータを備えた制御部370と電気的に接続している。第1、第2モータ11,12の駆動は、作業内容に応じて、かかる制御部370によって制御されており、それぞれ独立して回動する第1のハンド330および第2のハンド340は、動作制御プログラムにしたがって所定の動作を行う。
【0068】
ところで、ギヤユニット1は、ユニットケース10の外形や大きさなどを第2のアーム320に対応させることで、例えば、先端部を開口させた第2のアーム320に外方から取付けて、第2のアーム320とギヤユニット1とを一体化することができる。
【0069】
もちろん、第2のアーム320の先端部分の内部にギヤユニット1をユニットケース10ごと収納した構成とすることもできる。
【0070】
次に、ギヤユニット1のロボット300への他の適用例について、図6Cを参照して説明する。
【0071】
図6Cに示すロボット300は、第1のアーム310の先端部分に、ギヤユニット1を設け、アウター軸3に第2のアーム320を連結して、第1のアーム310の上側から水平方向に延在させている。そして、この第2のアーム320の先端には第3のアーム380を回動軸600を介して連結している。なお、この第3のアーム380に代えてハンドを連結しても構わない。
【0072】
一方、ギヤユニット1のインナー軸2には、所定のハンド390を連結し、第1のアーム310の下側から水平方向に延在させている。すなわち、この例におけるロボット300では、第1のアーム310の上下側から、一方にはアームを、他方にはハンドを延在させた構成としている。
【0073】
ところで、上述してきた各実施形態では、インナーギヤ6およびアウターギヤ7は、略同径のものを用いたが、必ずしも同径とする必要はなく、インナーギヤ6とアウターギヤ7とでサイズなどが異なっていてもよい。つまり、これらに第1入力ギヤ8と第2入力ギヤ9とが対応して、第1モータ11の動力がインナー軸2に、第2モータ12の動力がアウター軸3に、それぞれ独立して直接伝達されればよい。
【0074】
(ギヤユニットの参考例)
次に、図7を参照しながら、参考例としてのギヤユニット500について説明する。ここでは、上述してきたギヤユニット1に対して差異のある部分を中心に説明する。そのため、以下では、ギヤユニット1と同一の部材、あるいは同様な機能を有する部材については同一の符号を付してその説明を簡略化するかもしくは省略する。
【0075】
参考例に係るギヤユニット500は、第1の実施形態に係るギヤユニット1が出力軸の両端側(図1において上下側)から出力の取り出しができたのに対し、参考例では、出力軸の一方側(図7において上側)からのみ出力の取り出しができるようにしている。
【0076】
すなわち、図7に示すように、インナー軸2およびアウター軸3からの出力の取り出しは、いずれも一方側(図7における上側)からのみ行える構成としている。
【0077】
かかる構造のギヤユニット500を、先の実施形態に係るギヤユニット1とともに、ロボットに適用した例について、図8Aおよび図8Bを参照して説明する。なお、以下の説明では、第1の実施形態に係るロボット300と同一の部材、あるいは同様な機能を有する部材については同一の符号を付してその説明を簡略化するかもしくは省略する。
【0078】
図8Aに示すロボット400は、第1のアーム310の先端部分にギヤユニット1を設け、アウター軸3に第2のアーム320を連結して第1のアーム310の上側から延在させている。そして、第2のアーム320の先端部分に、参考例に係るギヤユニット500を設け、第1、第2のハンド330,340を連結して、第2のアーム320の上側から延在させている。
【0079】
一方、ギヤユニット1のインナー軸2には所定のハンド390を連結し、第1のアーム310の下側から延在させている。
【0080】
図8Bに示すロボット400は、第1のアーム310の先端部分に、ギヤユニット1を設け、アウター軸3に第2のアーム320を連結する一方、インナー軸2に第3のアーム321を連結している。つまり、第1のアーム310の上側から第2のアーム320を延在させ、第1のアーム310の下側から第3のアーム321を延在させ、第1アーム310の上下側からアームをそれぞれ延在させた構成としている。
【0081】
そして、第1のアーム310の上側から伸延している第2のアーム320の先端に、参考例に係るギヤユニット500を設けて、第1、第2のハンド330,340を連結している。なお、第1のアーム310の下側から伸延している第3のアーム321の先端には回動軸600を介して所定のハンド390を連結している。
【0082】
以上、説明してきたように、ギヤユニット1は、ロボット300,400などのアームやハンドの関節などに好適に用いることができる。しかも、構成がコンパクトなので、アームの先端部分に内蔵することも、外付けすることも可能である。また、出力軸からの動力の取り出しは、軸の両端から取り出せるため、アームやハンドの構造がコンパクトでありながらも、例えば、第1、第2のハンド330,340同士間に、用途に応じた十分な間隔を設けることができる。
【0083】
なお、上述したギヤユニット1の適用例としては、ロボットに限定されるものではないし、ロボットであっても、必ずしも上述してきたようなロボット300,400に限られるものでもない。
【0084】
上述した実施形態のさらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1,500 ギヤユニット
2 インナー軸
3 アウター軸
4 第1の入力軸
5 第2の入力軸
11 第1モータ
12 第2モータ
6 インナーギヤ
7 アウターギヤ
8 第1入力ギヤ
9 第2入力ギヤ
10 ユニットケース
L 所定距離
300,400 ロボット
310 第1のアーム
320 第2のアーム
330 第1のハンド
340 第2のハンド
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、ギヤユニットおよびロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットのアームやハンドなどの可動体を連結する関節の構成として、可動体を先端に連結した回動軸に、基端をモータなどの駆動源に連結した駆動軸を、ギヤユニットを介して直交状態に連動連結したものがある(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
例えば特許文献1に開示されたギヤユニットは、モータの反対側をなす駆動軸の先端に固設された第1傘歯車と、可動体の反対側をなす回動軸の基端に固設され、第1傘歯車と噛合する第2傘歯車とを備えた構成となっている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたロボットは、1つの関節では1つの可動体しか駆動しないため、可動体としてのアームやハンドによる作業効率の向上は期待できなかった。
【0005】
そこで、ロボットなどに用いられる1つの関節によって複数の可動体を駆動させることができるギヤユニットが望まれるが、かかるギヤユニットとしては、複数の同心軸からなる回動軸を個別に駆動する駆動機構が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−165992号公報
【特許文献2】特開2007−216364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示されたギヤユニットは、複数の同心軸からなる回動軸にそれぞれ設けたプーリにタイミングベルトを巻回し、タイミングベルトを介して各回動軸を駆動する構成であるため、コンパクトにユニット化することが難しい。
【0008】
また、各回動軸に連接して旋回動作する可動体(アームやハンド)同士間に、用途に応じた十分な間隔を設けることも難しい。
【0009】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、可動体(アームやハンド)による作業効率の向上を図りながら、コンパクトにユニット化することができ、しかも、可動体同士間に、用途に応じた十分な間隔を設けることのできるギヤユニットおよびかかるギヤユニットを備えたロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の一態様に係るギヤユニットは、同心二軸の出力軸により構成され、出力方向を互いに反対向きとした同軸のインナー軸およびアウター軸と、それぞれ前記出力軸と直交する方向に延在し、前記インナー軸に連動連結する第1の入力軸および前記アウター軸に連動連結する第2の入力軸とを備えている。そして、前記インナー軸の中途に取り付けられたインナーギヤと、前記アウター軸の基端に取り付けられたアウターギヤとを、互いに対向状態に配置する。さらに、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸とを、前記出力軸の軸方向に互いに所定距離だけ離隔して配置し、前記インナーギヤに前記第1の入力軸の第1入力ギヤを噛合させる一方、前記アウターギヤには前記第2の入力軸の第2入力ギヤを噛合させる。
【発明の効果】
【0011】
実施形態の一態様によれば、可動体(アームやハンド)による作業効率の向上を図りながら、コンパクトにユニット化することができ、しかも、可動体同士間に、用途に応じた十分な間隔を設けることができる。したがって、例えば、ロボットの関節の駆動機構に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、第1の実施形態に係るギヤユニットの縦断面視による説明図である。
【図2】図2は、同ギヤユニットの平面視による説明図である。
【図3】図3は、同ギヤユニットの背面視による説明図である。
【図4】図4は、第1の変形例に係るギヤユニットの平面視による説明図である。
【図5A】図5Aは、第2の実施形態に係るギヤユニットの平面視による説明図である。
【図5B】図5Bは、第3の実施形態に係るギヤユニットの平面視による説明図である。
【図5C】図5Cは、第4の実施形態に係るギヤユニットの平面視による説明図である。
【図6A】図6Aは、第1の実施形態に係るロボットの一例を示す説明図である。
【図6B】図6Bは、第1の実施形態に係るギヤユニットをロボットに適用した場合の一例を示す模式的説明図である。
【図6C】図6Cは、第1の実施形態に係るギヤユニットをロボットに適用した場合の一例を示す模式的説明図である。
【図7】図7は、参考例に係るギヤユニットの縦断面視による説明図である。
【図8A】図8Aは、第1の実施形態に係るギヤユニットおよび参考例に係るギヤユニットをロボットに適用した場合の一例を示す模式的説明図である。
【図8B】図8Bは、第1の実施形態に係るギヤユニットおよび参考例に係るギヤユニットをロボットに適用した場合の一例を示す模式的説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するギヤユニットおよびロボットの実施形態を詳細に説明する。ただし、以下の実施形態における例示で本発明が限定されるものではない。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るギヤユニットの縦断面視による説明図、図2は同平面視による説明図、図3は同背面視による説明図である。先ず、本実施形態に係るギヤユニット1について説明する。
【0015】
図1〜図3に示すように、ギヤユニット1は、同心の中心軸を有するインナー軸2およびアウター軸3からなる同心二軸の出力軸と、第1の入力軸4および第2の入力軸5とからなる2つの入力軸とを備えている。なお、図1では、第2の入力軸5については図示を省略してある。
【0016】
出力軸を構成するインナー軸2およびアウター軸3は、出力方向F1,F2が互いに反対向きであり、インナー軸2の出力方向F1が一側方向(図1において下側方向)とすれば、アウター軸3の出力方向F2は他側方向(図1において上側方向)となっている。
【0017】
第1の入力軸4および第2の入力軸5は、それぞれ出力軸と直交する方向に延在しており、第1の入力軸4は第1モータ11(図2)に連動連結し、第2の入力軸5は第2モータ12(図2)に連動連結している。
【0018】
なお、各モータ11(12)と各入力軸4(5)とは、それぞれ同軸方向に連結されている。
【0019】
かかる構成により、第1モータ11からの動力の流れf1は、第1の入力軸4からインナー軸2へ(図1参照)、第2モータ12からの動力の流れf2は、第2の入力軸5からアウター軸3へ(図1参照)、ギヤを用いてそれぞれ直接的に伝達可能となっている。そして、第1モータ11からの動力の流れf1はインナー軸2から一方の出力方向F1へ、第2モータ12からの動力の流れf2は、アウター軸3から180度向きが異なる他方の出力方向F2へと伝達される。
【0020】
かかる構成のギヤユニット1は、第1モータ11および第2モータ12とともに、後述するロボットのアームなどのような被駆動部材の駆動ユニットとして機能させることができる。
【0021】
図1に示すように、出力軸であるインナー軸2の中途、すなわち、インナー軸2の一端近傍(図1において下端近傍)にはインナーギヤ6が設けられている。また、インナー軸2よりも短尺のアウター軸3の基端(図1において下端)にはアウターギヤ7が設けられている。他方、図2に示すように、入力軸である第1の入力軸4の先端には第1入力ギヤ8が設けられ、第2の入力軸5の先端には第2入力ギヤ9が設けられている。
【0022】
出力軸と入力軸とは、互いに直交する方向に延在した姿勢でユニットケース10にベアリング15やシール材16(図1においては省略)を介して取り付けられている。
【0023】
すなわち、ユニットケース10の一側面から他側面(図1における上面から下面)にかけて貫通孔を形成し、この貫通孔に出力軸(インナー軸2およびアウター軸3)を挿嵌するとともに、この貫通孔と直交する他の側面(図1における左側面)に開口を形成し、この開口に入力軸を挿通している。なお、貫通孔の一端開口部(図1における上側の開口部)からはアウター軸3の先端側を突出させ、貫通孔の他端開口部(図1における下側の開口部)からはインナー軸2の一端側を突出させている。
【0024】
そして、図1に示すように、インナー軸2およびアウター軸3に、ハンド330,340(図6A参照)を連接して、ギヤユニット1を、例えば、後述するロボットのハンドの駆動ユニットとしてアーム内に配設することができる。
【0025】
ところで、インナーギヤ6とアウターギヤ7とは、ユニットケース10内において、対向状態に配置されている。すなわち、相対的に長尺のインナー軸2の一端近傍に設けられたインナーギヤ6と、相対的に短尺のアウター軸3の基端に設けられたアウターギヤ7とが、歯列同士を対向させて、互いに所定間隔Dをあけて対向状態に配置されている。
【0026】
この所定間隔Dをあけて形成された空間がギヤ噛合空間Qを形成しており、本実施形態では、このギヤ噛合空間Qを可及的に小さくすることにより、ギヤユニット1のコンパクト化を実現している。
【0027】
すなわち、可及的に小さくしたギヤ噛合空間Qにおいて、第1の入力軸4と第2の入力軸5とを、インナー軸2およびアウター軸3からなる出力軸の同心軸方向に互いに所定距離Lだけ離隔して配置している。
【0028】
そして、入力軸を水平にした姿勢において、本実施形態におけるギヤユニット1は、図1に示すように、相対的に下側に位置する第1の入力軸4がインナー軸2に、相対的に上側に位置する第2の入力軸5がアウター軸3に連動連結するように構成している。
【0029】
このように、対向配置されたインナーギヤ6とアウターギヤ7との間に形成されたギヤ噛合空間Qにおいて、第1の入力軸4の第1入力ギヤ8とインナーギヤ6とが噛合し、第2の入力軸5の第2入力ギヤ9とアウターギヤ7とが噛合するように、第1の入力軸4と第2の入力軸5とを出力軸方向に互いにオフセットして配置している。
【0030】
したがって、本実施形態に係るギヤユニット1は、コンパクトな構成でありながら、互いに独立したインナーギヤ6および第1入力ギヤ8との対からなる組と、アウターギヤ7および第2入力ギヤ9との対からなる組とを有することになる。
【0031】
すなわち、インナーギヤ6および第1入力ギヤ8との対からなる組と、アウターギヤ7および第2入力ギヤ9との対からなる組とは、互いに干渉することがなく、それぞれ独立した動力伝達系(図1に示すf1→F1、f2→F2を参照)を構成することができる。
【0032】
ところで、本実施形態に係るギヤユニット1では、インナーギヤ6および第1入力ギヤ8の対と、アウターギヤ7および第2入力ギヤ9の対とを、それぞれハイポイドギヤで構成している。
【0033】
そのため、第1入力ギヤ8を備える第1の入力軸4と、第1入力ギヤ8と噛合するインナーギヤ6を備えるインナー軸2の軸線同士は交わらない。また、第2入力ギヤ9を備える第2の入力軸5と、第2入力ギヤ9と噛合するアウターギヤ7を備えるアウター軸3の軸線同士も交わらない。
【0034】
したがって、第1の入力軸4と第2の入力軸5との各軸線を、インナー軸2やアウター軸3の軸線に合わせることなく、任意に配置することができ、第1、第2モータ11,12を含めて駆動ユニットのレイアウトの自由度を高めることができる。
【0035】
例えば、図2に示すように、第1の入力軸4と第2の入力軸5とを互いに平行に配置することができる。
【0036】
このように、ハイポイドギヤを用いて第1の入力軸4および第2の入力軸5を互いに平行に配置可能としたことにより、第1モータ11および第2モータ12についても同じ向きに並設することが可能となっている。したがって、可及的に狭くした所定間隔D(図1参照)をあけて形成されたギヤ噛合空間Qとあいまって、ギヤユニット1を、よりコンパクトに構成することができる。
【0037】
以上説明してきたように、本実施形態に係るギヤユニット1は、基本構成として、同心であり、かつ出力方向を互いに反対向きとしたインナー軸2およびアウター軸3を備えている。また、インナー軸2に連動連結する第1の入力軸4およびアウター軸3に連動連結する第2の入力軸5を備えている。このように、インナー軸2およびアウター軸3とで同心二軸の出力軸を構成する一方、第1の入力軸4および第2の入力軸5が、それぞれ出力軸と直交する方向に延在している。
【0038】
そして、インナー軸2に取り付けられたインナーギヤ6と、アウター軸3に取り付けられたアウターギヤ7とを、互いに対向状態に配置している。
【0039】
さらに、第1の入力軸4と第2の入力軸5とを、出力軸の軸方向に互いに所定距離Lだけ離隔して配置し、インナーギヤ6に第1の入力軸4の第1入力ギヤ8を噛合させる一方、アウターギヤ7には第2の入力軸5の第2入力ギヤ9を噛合させている。
【0040】
かかる構成により、ギヤユニット1をコンパクト化することができるとともに、同軸の出力軸(インナー軸2およびアウター軸3)を介して2つの可動体を駆動させることができる。したがって、可動体を例えばロボットなどのハンドとすれば、ロボットによる作業効率を向上させることができる。
【0041】
また、第1モータ11の動力となる第1の入力軸4の回転力は第1入力ギヤ8およびインナーギヤ6を介してインナー軸2に、第2モータ12の動力となる第2の入力軸5の回転力は第2入力ギヤ9およびアウターギヤ7を介してアウター軸3に、それぞれ独立して直接伝達される。
【0042】
ところで、図1に示すように、インナー軸2およびアウター軸3は、いずれも中空の軸本体21,31を有し、インナー軸2の軸本体21内を通して配線および/または配管可能としている。
【0043】
したがって、例えば後述するように、ギヤユニット1をロボットに適用し、出力軸にアームやハンドなどを連結した場合、アームやハンドなどに設けられるセンサ類やアクチュエータ類などへの配線やエア配管などをインナー軸2の軸本体21中に挿通することができる。
【0044】
(ギヤユニット1の変形例)
次に、ギヤユニット1の変形例について、図4を参照して説明する。図4に示した変形例に係るギヤユニット1は、出力軸の回転角度が、正転および逆転方向にそれぞれ180度+αで機械的に規制されるようにストッパ機構100を備えた構成としている。
【0045】
変形例に係るギヤユニット1が備えるストッパ機構100は、図4に示すように、インナーギヤ6の歯列面側にストッパピン61を突設している。一方、ユニットケース10の内側壁には、出力軸であるインナー軸2およびアウター軸3の同心軸を通るセンターラインCL上に位置するようにベルトピン62を突設している。そして、ベルトピン62とインナー軸2との間に、適宜の張力が維持されるようにストッパベルト63を巻回している。なお、ストッパベルト63は、適度な弾力を有する弾性ベルトであることが望ましい。
【0046】
かかる構成としたことにより、第1モータ11から回転動力が伝達された第1の入力軸4(第1入力ギヤ8)を介してインナーギヤ6が回転すると、図4の矢印fで示すようにストッパピン61もインナーギヤ6の回転に伴って回転する。
【0047】
所定の角度まで回転が進むと、ストッパピン61は、ストッパベルト63に当接して、図示するように、ストッパベルト63を所定量だけ押し込みながら回転が規制される。したがって、ストッパピン61を突設したインナーギヤ6の回転に連動するインナー軸2もこれ以上は回転しないように規制されることになる。
【0048】
例示では、インナー軸2の回転角度を規制したものとしているが、同様な構成をアウター軸3に適用したり、あるいはインナー軸2およびアウター軸3の両者に同時に適用したりすることも可能である。
【0049】
次に、ギヤユニットの第2〜第4の実施形態について、図5A〜図5Cを参照しながら説明する。図5Aに示した第2の実施形態に係るギヤユニット1は、第1、第2モータ11,12と第1、第2入力軸4,5との間に中間ギヤ機構200を介設したものとしている。
【0050】
これは、第1モータ11や第2モータ12の配設位置が何らかの都合で限定されたり、第1モータ11や第2モータ12サイズが大き過ぎたりした場合に対応可能としている。すなわち、モータ軸110,120に第1、第2の入力軸4,5を直接連結すると、第1入力ギヤ8および第2入力ギヤ9がインナーギヤ6およびアウターギヤ7に噛合できない場合に対応可能としたものである。
【0051】
図5Aに示した例は、例えば、モータ用コネクタ210のレイアウトに制限があって、第1モータ11や第2モータ12との間に間隔を設けなければならない場合である。つまり、モータ軸110,120同士の間の距離D1が大き過ぎて、モータ軸110,120に第1の入力軸4や第2の入力軸5を連結すると、第1入力ギヤ8や第2入力ギヤ9がインナーギヤ6やアウターギヤ7と噛合することが難しい場合である。
【0052】
そこで、図示するように、第1モータ11のモータ軸110の先端に第1スパーギヤ(平歯車)220を、第1の入力軸4の基端に第2スパーギヤ(平歯車)230を取り付けて両者を噛合させている。このように、第1スパーギヤ220および第2スパーギヤ230を備えた中間ギヤ機構200を用いれば、使用可能なモータの種類などが限定されるようなことがなくなり、ギヤユニット1としての汎用性が高まる。
【0053】
次に、図5Bおよび図5Cを参照して、第3、第4の実施形態について説明する。第3、第4の実施形態に係るギヤユニット1は、インナーギヤ6および第1入力ギヤ8と、アウターギヤ7および第2入力ギヤ9とを、それぞれベベルギヤ(傘歯車)としている。
【0054】
すなわち、ベベルギヤを用いれば、ハイポイドギヤと異なり、第1の入力軸4とインナー軸2の軸線同士、および第2の入力軸5とアウター軸3の軸線同士をそれぞれ交わらせつつ、交わる角度は自由に設定することができる。
【0055】
つまり、互いに噛合する第1入力ギヤ8とインナーギヤ6とにおいて、第1入力ギヤ8を有する第1の入力軸4と、インナーギヤ6を有するインナー軸2の各軸線同士を、所定の角度で交わらせることができる。また、互いに噛合する第2入力ギヤ9とアウターギヤ7とにおいて、第2入力ギヤ9を有する第2の入力軸5と、アウターギヤ7を有するアウター軸3の各軸線同士を、所定の角度で交わらせることができる。
【0056】
したがって、図5Bに示すように、第1の入力軸4と第2の入力軸5との角度θを適宜設定することができる。また、図5Cに示すように、角度θを180度として、第1の入力軸4と第2の入力軸5とを直線上に配設し、第1入力ギヤ8と第2入力ギヤ9とを、インナーギヤ6とアウターギヤ7と同様に対向状態に配置することもできる。
【0057】
また、ハイポイドギヤを用いたものと同様に、本変形例においてもギヤユニット1の出力軸方向の長さ(高さ)については短く(低く)できるため、ギヤユニット1のコンパクト化を図ることができる。
【0058】
上述してきたギヤユニット1は、図6A,6Bに示すように、アーム310,320やハンド330,340を備えたロボット300に適用することができる。図6Aは第1の実施形態に係るロボットの一例を示す説明図、図6Bは同ロボットへのギヤユニット1の適用例を示す模式的説明図である。なお、図6Bで示すロボット300については、第1のアーム310の基端を支持する支柱360については図示を省略してある。
【0059】
図示するように、ロボット300は、水平多関節型であり、基台350から支柱360を突設するとともに、この支柱360の上端に第1のアーム310の基端を回動自在に連結している。
【0060】
そして、第1のアーム310の先端に第2のアーム320の基端を回動自在に連結するとともに、この第2のアーム320の先端の下部側に第1のハンド330を、上部側に第2のハンド340を、それぞれ独立して回動可能に取り付けている。第1のハンド330および第2のハンド340は、所定のワークを載置あるいは把持可能な構成としている。
【0061】
本実施形態では、第2のアーム320の先端部分に、上述してきたギヤユニット1を設け、2つのハンド330,340をそれぞれ独立して駆動させることができるようにしている。
【0062】
すなわち、ギヤユニット1の第1の入力軸4および第2の入力軸5に、第1モータ11および第2モータ12を連動連結する一方、インナー軸2に第1のハンド330を、アウター軸3に第2のハンド340を連結している。
【0063】
かかる構成により、第1モータ11が回転すると、そのトルクは第1の入力軸4の第1入力ギヤ8およびインナーギヤ6を介してインナー軸2に伝達され、インナー軸2に連結された第1のハンド330が水平方向に回転駆動する。
【0064】
同様に、第2モータ12が回転すると、そのトルクは第2の入力軸5の第2入力ギヤ9およびアウターギヤ7を介してアウター軸3に伝達され、アウター軸3に連結された第2のハンド340が水平方向に回転駆動する。
【0065】
このように、ロボット300の第1のハンド330および第2のハンド340は、同心の回転軸を中心にして、互いに独立して動作することになる。
【0066】
そして、上述してきたギヤユニット1を備えたロボット300においては、第1のハンド330および第2のハンド340との間には、少なくとも第2のアーム320の厚み分だけの間隔が形成されている。したがって、例えば、上下に所定距離だけ離間している2種類の把持対象物を2つのハンドを用いて把持しようとした場合、第1、第2のハンド330,340を第2のアーム320の上方などに上下に重ねて配置した構成と比べ、高さが抑制されたコンパクトな構成とすることが可能となる。
【0067】
また、図6Aに示すように、ロボット300は、CPUや、ロボットの動作制御プログラムなどが格納されたメモリーなどを有するコンピュータを備えた制御部370と電気的に接続している。第1、第2モータ11,12の駆動は、作業内容に応じて、かかる制御部370によって制御されており、それぞれ独立して回動する第1のハンド330および第2のハンド340は、動作制御プログラムにしたがって所定の動作を行う。
【0068】
ところで、ギヤユニット1は、ユニットケース10の外形や大きさなどを第2のアーム320に対応させることで、例えば、先端部を開口させた第2のアーム320に外方から取付けて、第2のアーム320とギヤユニット1とを一体化することができる。
【0069】
もちろん、第2のアーム320の先端部分の内部にギヤユニット1をユニットケース10ごと収納した構成とすることもできる。
【0070】
次に、ギヤユニット1のロボット300への他の適用例について、図6Cを参照して説明する。
【0071】
図6Cに示すロボット300は、第1のアーム310の先端部分に、ギヤユニット1を設け、アウター軸3に第2のアーム320を連結して、第1のアーム310の上側から水平方向に延在させている。そして、この第2のアーム320の先端には第3のアーム380を回動軸600を介して連結している。なお、この第3のアーム380に代えてハンドを連結しても構わない。
【0072】
一方、ギヤユニット1のインナー軸2には、所定のハンド390を連結し、第1のアーム310の下側から水平方向に延在させている。すなわち、この例におけるロボット300では、第1のアーム310の上下側から、一方にはアームを、他方にはハンドを延在させた構成としている。
【0073】
ところで、上述してきた各実施形態では、インナーギヤ6およびアウターギヤ7は、略同径のものを用いたが、必ずしも同径とする必要はなく、インナーギヤ6とアウターギヤ7とでサイズなどが異なっていてもよい。つまり、これらに第1入力ギヤ8と第2入力ギヤ9とが対応して、第1モータ11の動力がインナー軸2に、第2モータ12の動力がアウター軸3に、それぞれ独立して直接伝達されればよい。
【0074】
(ギヤユニットの参考例)
次に、図7を参照しながら、参考例としてのギヤユニット500について説明する。ここでは、上述してきたギヤユニット1に対して差異のある部分を中心に説明する。そのため、以下では、ギヤユニット1と同一の部材、あるいは同様な機能を有する部材については同一の符号を付してその説明を簡略化するかもしくは省略する。
【0075】
参考例に係るギヤユニット500は、第1の実施形態に係るギヤユニット1が出力軸の両端側(図1において上下側)から出力の取り出しができたのに対し、参考例では、出力軸の一方側(図7において上側)からのみ出力の取り出しができるようにしている。
【0076】
すなわち、図7に示すように、インナー軸2およびアウター軸3からの出力の取り出しは、いずれも一方側(図7における上側)からのみ行える構成としている。
【0077】
かかる構造のギヤユニット500を、先の実施形態に係るギヤユニット1とともに、ロボットに適用した例について、図8Aおよび図8Bを参照して説明する。なお、以下の説明では、第1の実施形態に係るロボット300と同一の部材、あるいは同様な機能を有する部材については同一の符号を付してその説明を簡略化するかもしくは省略する。
【0078】
図8Aに示すロボット400は、第1のアーム310の先端部分にギヤユニット1を設け、アウター軸3に第2のアーム320を連結して第1のアーム310の上側から延在させている。そして、第2のアーム320の先端部分に、参考例に係るギヤユニット500を設け、第1、第2のハンド330,340を連結して、第2のアーム320の上側から延在させている。
【0079】
一方、ギヤユニット1のインナー軸2には所定のハンド390を連結し、第1のアーム310の下側から延在させている。
【0080】
図8Bに示すロボット400は、第1のアーム310の先端部分に、ギヤユニット1を設け、アウター軸3に第2のアーム320を連結する一方、インナー軸2に第3のアーム321を連結している。つまり、第1のアーム310の上側から第2のアーム320を延在させ、第1のアーム310の下側から第3のアーム321を延在させ、第1アーム310の上下側からアームをそれぞれ延在させた構成としている。
【0081】
そして、第1のアーム310の上側から伸延している第2のアーム320の先端に、参考例に係るギヤユニット500を設けて、第1、第2のハンド330,340を連結している。なお、第1のアーム310の下側から伸延している第3のアーム321の先端には回動軸600を介して所定のハンド390を連結している。
【0082】
以上、説明してきたように、ギヤユニット1は、ロボット300,400などのアームやハンドの関節などに好適に用いることができる。しかも、構成がコンパクトなので、アームの先端部分に内蔵することも、外付けすることも可能である。また、出力軸からの動力の取り出しは、軸の両端から取り出せるため、アームやハンドの構造がコンパクトでありながらも、例えば、第1、第2のハンド330,340同士間に、用途に応じた十分な間隔を設けることができる。
【0083】
なお、上述したギヤユニット1の適用例としては、ロボットに限定されるものではないし、ロボットであっても、必ずしも上述してきたようなロボット300,400に限られるものでもない。
【0084】
上述した実施形態のさらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1,500 ギヤユニット
2 インナー軸
3 アウター軸
4 第1の入力軸
5 第2の入力軸
11 第1モータ
12 第2モータ
6 インナーギヤ
7 アウターギヤ
8 第1入力ギヤ
9 第2入力ギヤ
10 ユニットケース
L 所定距離
300,400 ロボット
310 第1のアーム
320 第2のアーム
330 第1のハンド
340 第2のハンド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同心二軸の出力軸により構成され、出力方向を互いに反対向きとした同軸のインナー軸およびアウター軸と、
それぞれ前記出力軸と直交する方向に延在し、前記インナー軸に連動連結する第1の入力軸および前記アウター軸に連動連結する第2の入力軸と、
を備え、
前記インナー軸の中途に取り付けられたインナーギヤと、前記アウター軸の基端に取り付けられたアウターギヤとを、互いに対向状態に配置するとともに、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸とを、前記出力軸の軸方向に互いに所定距離だけ離隔して配置し、前記インナーギヤに前記第1の入力軸の第1入力ギヤを噛合させる一方、前記アウターギヤには前記第2の入力軸の第2入力ギヤを噛合させたこと
を特徴とするギヤユニット。
【請求項2】
前記インナーギヤおよび前記第1入力ギヤとの対と、前記アウターギヤおよび前記第2入力ギヤの対とは、それぞれハイポイドギヤで構成されており、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸とが平行に配置されていること
を特徴とする請求項1に記載のギヤユニット。
【請求項3】
前記インナーギヤおよび前記第1入力ギヤと、前記アウターギヤおよび前記第2入力ギヤとは、それぞれベベルギヤであること
を特徴とする請求項1に記載のギヤユニット。
【請求項4】
前記インナー軸および前記アウター軸は、いずれも中空の軸本体を有し、前記インナー軸の軸本体内を通して配線および/または配管可能としたこと
を特徴とする請求項1、2または3に記載のギヤユニット。
【請求項5】
基台と、
前記基台から延在したアームと、
前記アームの先端に設けられた請求項1〜4のいずれか1つに記載のギヤユニットと、
を備え、
前記インナー軸および前記アウター軸に、所定のアームおよび/または所定のハンドを選択的に連接した
ことを特徴とするロボット。
【請求項6】
基台と、
前記基台から延在した第1のアームと、
前記第1のアームの先端に設けられた請求項1〜4のいずれか1つに記載のギヤユニットと、
を備え、
前記ギヤユニットのインナー軸およびアウター軸に、第2のアームがそれぞれ連接されていること
を特徴とするロボット。
【請求項7】
基台と、
前記基台から延在した第1のアームと、
前記第1のアームの先端に設けられた請求項1〜4のいずれか1つに記載のギヤユニットと、
を備え、
前記ギヤユニットのインナー軸およびアウター軸のうちいずれか一方に第2のアームが連接され、いずれか他方にハンドが連接されていること
を特徴とするロボット。
【請求項1】
同心二軸の出力軸により構成され、出力方向を互いに反対向きとした同軸のインナー軸およびアウター軸と、
それぞれ前記出力軸と直交する方向に延在し、前記インナー軸に連動連結する第1の入力軸および前記アウター軸に連動連結する第2の入力軸と、
を備え、
前記インナー軸の中途に取り付けられたインナーギヤと、前記アウター軸の基端に取り付けられたアウターギヤとを、互いに対向状態に配置するとともに、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸とを、前記出力軸の軸方向に互いに所定距離だけ離隔して配置し、前記インナーギヤに前記第1の入力軸の第1入力ギヤを噛合させる一方、前記アウターギヤには前記第2の入力軸の第2入力ギヤを噛合させたこと
を特徴とするギヤユニット。
【請求項2】
前記インナーギヤおよび前記第1入力ギヤとの対と、前記アウターギヤおよび前記第2入力ギヤの対とは、それぞれハイポイドギヤで構成されており、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸とが平行に配置されていること
を特徴とする請求項1に記載のギヤユニット。
【請求項3】
前記インナーギヤおよび前記第1入力ギヤと、前記アウターギヤおよび前記第2入力ギヤとは、それぞれベベルギヤであること
を特徴とする請求項1に記載のギヤユニット。
【請求項4】
前記インナー軸および前記アウター軸は、いずれも中空の軸本体を有し、前記インナー軸の軸本体内を通して配線および/または配管可能としたこと
を特徴とする請求項1、2または3に記載のギヤユニット。
【請求項5】
基台と、
前記基台から延在したアームと、
前記アームの先端に設けられた請求項1〜4のいずれか1つに記載のギヤユニットと、
を備え、
前記インナー軸および前記アウター軸に、所定のアームおよび/または所定のハンドを選択的に連接した
ことを特徴とするロボット。
【請求項6】
基台と、
前記基台から延在した第1のアームと、
前記第1のアームの先端に設けられた請求項1〜4のいずれか1つに記載のギヤユニットと、
を備え、
前記ギヤユニットのインナー軸およびアウター軸に、第2のアームがそれぞれ連接されていること
を特徴とするロボット。
【請求項7】
基台と、
前記基台から延在した第1のアームと、
前記第1のアームの先端に設けられた請求項1〜4のいずれか1つに記載のギヤユニットと、
を備え、
前記ギヤユニットのインナー軸およびアウター軸のうちいずれか一方に第2のアームが連接され、いずれか他方にハンドが連接されていること
を特徴とするロボット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【公開番号】特開2013−71200(P2013−71200A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211205(P2011−211205)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
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