説明

クッション、枕、及び、クッションカバー

【課題】 旅行等の移動の際には、コンパクトにして携帯性を向上させることがでるとともに、使用時の感触をよくすることが可能なクッションを提供すること。
【解決手段】 両端に側面部を有するとともに中央に柱状の本体部を有する、内部にクッション材が収容されたクッションであって、本体部と側面部との第1の境界には、第1のファスナーエレメント列が該第1の境界を一周するように設けられるとともに、本体部と側面部との第2の境界には、第2のファスナーエレメント列が該第2の境界を一周するように設けられており、第1のファスナーエレメント列と第2のファスナーエレメント列とを互いに接続することにより、側面部が外側となり、本体部が内側となるクッション。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッション、枕、及び、クッションカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に自宅等で使用されるクッションや枕は、持ち運びにはサイズが大きく嵩張るため、出張や旅行等に携帯するには適さないことが通常であった。また、ホテル等の備え付けの枕では寝心地が悪い、移動中の飛行機の機内等で仮眠する際にクッションや枕を使用したいといったニーズがあった。
【0003】
そこで、従来、このようなニーズに応えるべく、持ち運びを容易とする工夫が施された携帯用の枕が提案されている。このような携帯用枕としては、例えば、空気管を設け、携帯時には空気を抜いた状態で携帯性を高めるとともに、使用時には空気を入れて枕として使用可能とするもの(例えば、特許文献1、2参照)、複数の板状体が連結されており、携帯時には折り畳んで携帯性を高めるとともに、使用時には所望の高さとなるように板状体を展開して枕として使用可能とするもの(例えば、特許文献3、4参照)、複数の帯板状体が短手方向に連結されており、携帯時には円筒状に小さく丸めて携帯性を高めるとともに、使用時にはタオル等を円筒部分に挿入し、厚みを調整することにより枕として使用可能とするもの(例えば、特許文献5参照)が存在する。
【0004】
また、従来、樹脂製ベルトが布帛に備えられた枕携帯用のカバーが提案されている(例えば、特許文献6参照)。特許文献6に記載の枕携帯用のカバーでは、枕を布帛で巻き、さらに樹脂製ベルトにより圧縮した状態で固定することにより、圧縮状態を維持したままで持ち運び可能とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−275571号公報
【特許文献2】特開2007−330735号公報
【特許文献3】実用新案登録第3120499号公報
【特許文献4】実用新案登録第3137087号公報
【特許文献5】実用新案登録第3139164号公報
【特許文献6】実用新案登録第3131442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしなから、特許文献1、2のように、空気を入れて枕とする構成を採用した場合、空気の封入に手間がかかるといった問題や、ビニール等の素材が使用されるために通気性が悪く、頭部等が蒸れて使用感に劣るといった問題があった。
【0007】
また、特許文献3〜5のように、複数の板状体が連結された構成を採用した場合、折り畳む、又は、円筒状に丸めることにより携帯時にある程度コンパクトにすることはできるものの、全体の体積が圧縮されるわけではないため、充分にコンパクトであるとはいえないといった問題があった。
【0008】
また、特許文献6のような枕携帯用のカバーでは、枕の使用時には不要であるため、別途収納しておかなければならず、利便性に劣るといった問題があった。
【0009】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、旅行等の移動の際には、コンパクトにして携帯性を向上させることができるとともに、使用感をよくすることが可能なクッション、枕、及び、クッションカバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 両端に側面部を有するとともに中央に柱状の本体部を有する、内部にクッション材が収容されたクッションであって、
前記本体部と前記側面部との第1の境界には、第1のファスナーエレメント列が該第1の境界を一周するように設けられるとともに、前記本体部と前記側面部との第2の境界には、第2のファスナーエレメント列が該第2の境界を一周するように設けられており、
前記第1のファスナーエレメント列と前記第2のファスナーエレメント列とを互いに接続することにより、前記側面部が外側となり、前記本体部が内側となることを特徴とするクッション。
【0011】
(1)の発明によれば、本体部と側面部との第1の境界には、第1のファスナーエレメント列が該第1の境界を一周するように設けられるとともに、本体部と側面部との第2の境界には、第2のファスナーエレメント列が該第2の境界を一周するように設けられている。そして、第1のファスナーエレメント列と第2のファスナーエレメント列とを互いに接続すると、内部に収容されているクッション材がファスナーエレメント列の接続に伴って圧縮されることとなる。従って、ファスナーエレメント列を接続すれば簡単にコンパクトにすることができ、携帯性に優れる。
【0012】
また、ファスナーエレメント列を接続してコンパクトにする構造としたため、クッションを構成する素材を比較的自由に選択できる。その結果、使用感のよい素材の選択が可能となる。
【0013】
また、ファスナーエレメント列を接続すればコンパクトになるため、例えば、コンパクトに圧縮するための専用のケース等の付属品を不要とすることができ、使用時に付属品を別途収納しておく手間を省くことができる。また、ファスナーエレメント列を接続すると、側面部が外側となり、本体部が内側となるため、携帯時、内側となっている本体部が汚れてしまうことを防止することができる。また、ファスナーエレメント列を接続すればコンパクトになるため、販売時においても、陳列スペースを効率的に使用することが可能となる。
【0014】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 前記(1)のクッションであって、
前記第1のファスナーエレメント列の第1接続始点部と前記第2のファスナーエレメント列の第2接続始点部とは、側面視で外周の1/4ずれた位置関係となるように配置されており、
前記第1接続始点部と前記第2接続始点部とを接続した後、その接続点を始点として、前記第1のファスナーエレメント列と前記第2のファスナーエレメント列とを互いに接続することにより、球状とすることが可能である。
【0015】
(2)の発明によれば、第1接続始点部と第2接続始点部とは、側面視で外周の1/4ずれた位置関係となるように配置されており、第1接続始点部と第2接続始点部とを接続した後、その接続点を始点として、第1のファスナーエレメント列と第2のファスナーエレメント列とを互いに接続することにより、球状とすることが可能である。ファスナーエレメント列を互いに接続することにより球状となるため、かばん等の空スペースに、より収納し易くなり携帯性により優れる。また、ファスナーエレメント列を互いに接続することにより球状となるため、店頭販売時の陳列スペースをより省スペース化することが可能となる。
【0016】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 両端に側面部を有するとともに中央に柱状の本体部を有する、内部にクッション材が収容された枕であって、
前記本体部と前記側面部との第1の境界には、第1のファスナーエレメント列が該第1の境界を一周するように設けられるとともに、前記本体部と前記側面部との第2の境界には、第2のファスナーエレメント列が該第2の境界を一周するように設けられており、
前記第1のファスナーエレメント列と、前記第2のファスナーエレメント列とを互いに接続することにより、前記側面部が外側となり、前記本体部が内側となることを特徴とする枕。
【0017】
(3)の発明によれば、ファスナーエレメント列を互いに接続すると、内部に収容されているクッション材がファスナーエレメント列の接続に伴って圧縮されることとなる。従って、ファスナーエレメント列を接続すれば簡単にコンパクトにすることができ、携帯性に優れる。
【0018】
また、ファスナーエレメント列を接続してコンパクトにする構造としたため、枕を構成する素材を比較的自由に選択できる。その結果、使用感のよい素材の選択が可能となる。
【0019】
また、ファスナーエレメント列を接続すればコンパクトになるため、例えば、コンパクトに圧縮するための専用のケース等の付属品を不要とすることができ、使用時に付属品を別途収納しておく手間を省くことができる。また、ファスナーエレメント列を接続すると、側面部が外側となり、本体部が内側となるため、携帯時、頭部が直接接触する本体部が汚れてしまうことを防止することができ、清潔を維持し易い。また、ファスナーエレメント列を接続すればコンパクトになるため、販売時においても、陳列スペースを効率的に使用することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 両端に側面カバーを有し、中央に筒状のカバー本体を有するクッションカバーであって、
前記カバー本体と前記側面カバーとの第1の境界には、第1のファスナーエレメント列が該第1の境界を一周するように設けられるとともに、前記本体部と前記側面部との第2の境界には、第2のファスナーエレメント列が該第2の境界を一周するように設けられていることを特徴とするクッションカバー。
【0021】
(4)の発明によれば、内部にクッション材を収容した上で、ファスナーエレメント列を互いに接続すると、クッション材をファスナーエレメント列の接続に伴って圧縮させることができる。従って、ファスナーエレメント列を接続すれば簡単にコンパクトにすることができ、携帯性に優れる。
【0022】
また、ファスナーエレメント列を接続してコンパクトにする構造としたため、クッションカバーを構成する素材を比較的自由に選択できる。その結果、使用感のよい素材の選択が可能となる。
【0023】
また、クッション材を収容してファスナーエレメント列を接続すればコンパクトになるとともに、当該クッションカバーは、クッション材を収容したまま使用することができるため、例えば、コンパクトに圧縮するための専用のケース等の付属品を不要とすることができ、使用時に付属品を別途収納しておく手間を省くことができる。また、ファスナーエレメント列を接続すると、側面部が外側となり、本体部が内側となるため、携帯時、内側となっている本体部が汚れてしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、旅行等の移動の際には、コンパクトにして携帯性を向上させることがでるとともに、使用時の感触をよくすることが可能なクッション、枕、及び、クッションカバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態に係る枕を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)に示した枕の部分透視斜視図であり、(c)は、本発明の他の実施形態に係る枕の部分透視斜視図である。
【図2】図1(a)に示した枕の接続始点部を接続した状態を示す図である。
【図3】図1(a)に示した枕のファスナーエレメント列を外周の1/4接続した状態を示す図である。
【図4】図1(a)に示した枕のファスナーエレメント列を外周の1/2接続した状態を示す図である。
【図5】図1(a)に示した枕のファスナーエレメント列を外周の3/4接続した状態を示す図である。
【図6】図1(a)に示した枕のファスナーエレメント列のほぼ全部を接続した状態を示す図である。
【図7】図1(a)に示した枕のファスナーエレメント列の全部を接続した状態を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る枕を模式的に示す斜視図である。
【図9】図8に示した枕のファスナーエレメント列の全部を接続した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一実施形態に係る枕について、以下に説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態に係る枕を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示した枕の部分透視斜視図である。本実施形態に係る枕10は、ファスナーエレメント列36aとファスナーエレメント列36bとを互いに接続することにより、内部に収容したクッション材20を圧縮し、全体としてコンパクトにする(図7参照)ことが可能な枕である。
【0027】
図1(a)及び図1(b)に示すように、枕10は、クッション材20が内部に収容され、外側がカバー30に覆われた構成を有している。クッション材20は、柱状であり、両側面が側面視で瓢箪形状を有している。また、クッション材20には、平面視で短手方向中央に、長手方向に沿って等間隔に複数の貫通孔22が設けられている。貫通孔22が設けられているため、圧縮したときに、よりコンパクトとすることができる。なお、本実施形態では、圧縮したときに、よりコンパクトとなる点で好ましいことから、クッション材20に貫通孔22が設けられている場合を例にして説明するが、本発明においては、クッション材に孔(貫通孔や有底孔)が設けられていなくてもよい(図1(c)参照)。図1(c)は、本発明の他の実施形態に係る枕を模式的に示す斜視図であり、クッション材に孔が設けられていない枕を示している。なお、図1(c)中、図1(a)と同じ構成要素については、同一の符号を付している。図1(c)に示すように、クッション材20には孔が設けられていないが、クッション材20自体が圧縮可能であるため、図1(c)に示す枕10であってもコンパクトにすることができる。また、本発明において、「柱状」とは、図1(a)に示すような、くびれのないもののみならず、中央部分等にくびれのあるものも含む。
【0028】
クッション材20の材質としては、適度な弾性を有するものや、使用感のよいもの等を選択することができ、例えば、低反発ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォーム、ポリウレタンチップフォーム、ラテックスフォーム、ポリエチレンフォーム等の発泡材料を用いることかできる。なかでも、低反発ポリウレタンフォーム、軟質ポリウレタンフォームが好ましい。また、クッション材20として、綿、ソバ殻、あずき、粒状の竹や木材チップ、ポリパイプ、球状パイプ、発泡ビーズ等の枕用充填材を用いてもよい。この場合、上記枕用充填材は、クッションカバーに直接に充填することとしてもよく、袋に上記枕用充填材が封入されたものをクッションカバーに収容することとしてもよい。
【0029】
カバー30は、筒状のカバー本体32、カバー本体32の両端に設けられた側面カバー34、及び、カバー本体32と側面カバー34との境界を一周するように設けられたファスナーエレメント列36(36a、36b)を有している。カバー30は、図示しない取り出し口からクッション材20を取り出すことが可能であり、カバー30のみを洗濯することが可能である。なお、カバー30は、本発明におけるクッションカバーに相当するものである。また、枕10の中央部分を占めるクッション材20及びカバー本体32は、本発明の枕における本体部に相当し、側面カバー34は、本発明の枕における側面部に相当する。
【0030】
カバー30の形状は、内部に収容するクッション材20の形状(外力を加えていない状態での形状)に沿う形状を有しており、本実施形態では、カバー本体32の形状は、平面視で短手方向中央に長手方向に沿って凹部が設けられた筒状となっており、側面カバー34の形状は、側面視で瓢箪形状となっている。
【0031】
カバー本体32、及び、側面カバー34の材質は、使用感等を考慮して適宜選択可能であるが、例えば、綿、羊毛等の天然繊維や、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン等の化学繊維を使用したストレッチ素材、起毛素材、タオル素材等を用いることができる。上記ストレッチ素材としては、ポリエステル等を用いた四段スムース、ニット等を挙げることができる。また、上記タオル素材としては、パイル地、シャーリング地、ワッフル地等を挙げることができる。なかでも、側面カバー34の材質としては、伸縮性を有する点で、ストレッチ素材が好ましい。
【0032】
ファスナーエレメント列36(36a、36b)には、それぞれ、接続始点部38(38a、38b)が設けられており、ファスナーエレメント列36aには、ファスナーエレメント列36aに沿って移動可能なスライダー40が設けられている。スライダー40は、ファスナーエレメント列36a及びファスナーエレメント列36bを噛み合わせる機能を有しており、接続始点部38aと接続始点部38bとをスライダー40の胴体に挿入した後、スライダー40を移動させることにより、ファスナーエレメント列36a及びファスナーエレメント列36bを噛み合わせることができる。
【0033】
接続始点部38a及び接続始点部38bは、側面視で外周の1/4ずれた位置関係となるように配置されている。接続始点部38a及び接続始点部38bが側面視で外周の1/4ずれた位置関係となるように配置されているため、ファスナーエレメント列36aとファスナーエレメント列36bとを互いに噛み合わせて接続すると、枕10が図7に示すように球状となる。そこで、次に、ファスナーエレメント列36が接続されていない状態(図1(a)の状態)から全部が接続されるまでを、図2〜図7を用いて説明する。
【0034】
図2は、図1(a)に示した枕の接続始点部を接続した状態を示す図である。図3〜図7は、それぞれ、ファスナーエレメント列を外周の1/4接続した状態、1/2接続した状態、3/4接続した状態、ほぼ全部を接続した状態、全部を接続した状態を示す図である。図1(a)の状態において、まず、スライダー40を図1(a)中、右下方向に引き寄せ、接続始点部38bをスライダー40の胴体内に収容し、接続始点部38aと接続始点部38bとを接続する(図2参照)。次に、スライダー40をファスナーエレメント列36aに沿って移動させる。これに従って、ファスナーエレメント列36aとファスナーエレメント列36bとが順次接続されてゆく(図2〜図7参照)。このとき、カバー本体32が内側、側面カバー34が外側となるように、接続されてゆき、ファスナーエレメント列36の全部が接続されると、側面カバー34のみが外側となる(図7参照)。また、このとき、ファスナーエレメント列36aとファスナーエレメント列36bが順次接続されていくに従って、内部のクッション材20が圧縮されてゆく。
【0035】
このように、枕10、及び、カバー30によれば、ファスナーエレメント列36aとファスナーエレメント列36bとを互いに接続すると、内部に収容されているクッション材20がファスナーエレメント列36の接続に伴って圧縮されることとなるため、簡単にコンパクトにすることができ、携帯性に優れる。
【0036】
また、ファスナーエレメント列36を接続してコンパクトにする構造としたため、枕10を構成する素材を比較的自由に選択できる。その結果、使用感のよい素材の選択が可能となる。
【0037】
また、ファスナーエレメント列36を接続すればコンパクトになるため、例えば、コンパクトに圧縮するための専用のケース等の付属品を不要とすることができ、使用時に付属品を別途収納しておく手間を省くことができる。また、ファスナーエレメント列36を接続すると、側面部(側面カバー34)が外側となり、本体部(カバー本体32)が内側となるため、携帯時、頭部が直接接触する本体部が汚れてしまうことを防止することができる。また、ファスナーエレメント列36を接続すればコンパクトになるため、販売時においても、陳列スペースを効率的に使用することが可能となる。
【0038】
また、ファスナーエレメント列36を互いに接続することにより球状となるため、かばん等の空スペースに、より収納し易くなり、携帯性により優れる。
【0039】
上述した実施形態では、ファスナーエレメント列36が、カバー本体32と側面カバー34との境界を一周するように境界の全部に設けられている場合について説明したが、本発明においてファスナーエレメント列は、この例に限定されず、例えば、境界の一部(例えば、60〜80%)を覆うように設けられていることとしてもよい。ファスナーエレメント列が境界の一部のみ覆う場合であっても、接続することにより枕をコンパクトにすることが可能であるからである。すなわち、本発明において、「境界を一周するように設けられた」とは、境界の全部を一周するように設けられている場合のみならず、境界の一部であっても、本願の目的を達成する程度に境界を覆うように設けられている場合をも含む。
【0040】
また、上述した実施形態では、ファスナーエレメント列36が境界を一周するように、連続して設けられている場合について説明したが、本発明においてファスナーエレメント列は、例えば、外周の1/4ごとといったように途切れていてもよい。この場合、例えば、スライダーを複数設けることとしてもよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、クッション材20に貫通孔22が設けられている場合について説明したが、本発明においてクッション材に設けられる孔は、貫通孔に限定されず、有底孔であってもよい。また、上述した実施形態では、クッション材20に、平面視で短手方向中央に、長手方向に沿って複数の貫通孔22が設けられている場合について説明したが、本発明においてクッション材に設けられる孔(貫通孔又は有底孔)の位置は、例えば、長手方向に沿って複数列(例えば、3列)に設けられることとしてもよい。
【0042】
また、上述した実施形態では、接続始点部38a及び接続始点部38bが、側面視で外周の1/4ずれた位置関係となるように配置されている場合について説明したが、本発明において接続始点部の位置関係は、この例に限定されず、例えば、側面視で同一の箇所となるように配置されていてもよい。以下、接続始点部の位置関係が側面視で同一の箇所である場合について説明する。
【0043】
図8は、本発明の他の実施形態に係る枕を模式的に示す斜視図である。図8に示すように、枕50は、クッション材(図示せず)が内部に収容され、外側がカバー70に覆われた構成を有しており、両側面が側面視で楕円形状を有している。
【0044】
カバー70は、筒状のカバー本体72、カバー本体72の両端に設けられた側面カバー74、及び、カバー本体72と側面カバー74との境界を一周するように設けられたファスナーエレメント列76(76a、76b)を有している。
【0045】
ファスナーエレメント列76(76a、76b)には、それぞれ、接続始点部78(78a、78b)が設けられており、ファスナーエレメント列76aには、ファスナーエレメント列76aに沿って移動可能なスライダー80が設けられている。
【0046】
接続始点部78a及び接続始点部78bは、互いに側面視で同一の箇所となるように配置されている。接続始点部78a及び接続始点部78bが側面視で同一の箇所となるように配置されているため、ファスナーエレメント列76aとファスナーエレメント列76bとをスライダー80により順次接続してゆくと、内部のクッション材が圧縮されてゆき、枕50は、最終的に図9に示すように棒状となる。
【0047】
上述した実施形態では、側面カバー(側面部)の形状が、瓢箪形状の場合(図1(a)参照)、及び、楕円形状の場合(図8参照)の場合について説明した。しかしながら、本発明において側面カバー(側面部)の形状は、この例に限定されず、例えば、矩形状、円形状であってもよい。
【0048】
また、上述した実施形態では、側面カバー(側面部)が平面である場合について説明したが、本発明において側面カバー(側面部)は、凸状に膨らんでいてもよく、凹状に窪んでいてもよい。
【0049】
また、上述した実施形態では、クッション材がくびれのない柱状である場合について説明したが、本発明において、クッション材の形状は、中央部分等にくびれを有する柱状であってもよい。また、上述した実施形態では、クッション材の側面が平面である場合について説明したが、本発明においてクッション材の側面は、凸状に膨らんでいてもよく、凹状に窪んでいてもよい。
【0050】
上述した実施形態では、枕10、50について説明したが、本発明においてはこの例に限定されず、例えば、椅子の背もたれ部分に配置したり、座布団のように使用したりすることができるクッションとして使用可能であり、外形については、その用途に応じて適宜設定可能である。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した例に限定されるものではなく、本発明の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0052】
10、50 枕
20 クッション材
22 貫通孔
30、70 カバー
32、72 カバー本体
34、74 側面カバー
36(36a、36b)、76(76a、76b) ファスナーエレメント列
38(38a、38b)、78(78a、78b) 接続始点部
40、80 スライダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に側面部を有するとともに中央に柱状の本体部を有する、内部にクッション材が収容されたクッションであって、
前記本体部と前記側面部との第1の境界には、第1のファスナーエレメント列が該第1の境界を一周するように設けられるとともに、前記本体部と前記側面部との第2の境界には、第2のファスナーエレメント列が該第2の境界を一周するように設けられており、
前記第1のファスナーエレメント列と前記第2のファスナーエレメント列とを互いに接続することにより、前記側面部が外側となり、前記本体部が内側となることを特徴とするクッション。
【請求項2】
前記第1のファスナーエレメント列の第1接続始点部と前記第2のファスナーエレメント列の第2接続始点部とは、側面視で外周の1/4ずれた位置関係となるように配置されており、
前記第1接続始点部と前記第2接続始点部とを接続した後、その接続点を始点として、前記第1のファスナーエレメント列と前記第2のファスナーエレメント列とを互いに接続することにより、球状とすることが可能な請求項1に記載のクッション。
【請求項3】
両端に側面部を有するとともに中央に柱状の本体部を有する、内部にクッション材が収容された枕であって、
前記本体部と前記側面部との第1の境界には、第1のファスナーエレメント列が該第1の境界を一周するように設けられるとともに、前記本体部と前記側面部との第2の境界には、第2のファスナーエレメント列が該第2の境界を一周するように設けられており、
前記第1のファスナーエレメント列と、前記第2のファスナーエレメント列とを互いに接続することにより、前記側面部が外側となり、前記本体部が内側となることを特徴とする枕。
【請求項4】
両端に側面カバーを有し、中央に筒状のカバー本体を有するクッションカバーであって、
前記カバー本体と前記側面カバーとの第1の境界には、第1のファスナーエレメント列が該第1の境界を一周するように設けられるとともに、前記本体部と前記側面部との第2の境界には、第2のファスナーエレメント列が該第2の境界を一周するように設けられていることを特徴とするクッションカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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