説明

クラッチ機構

【課題】 簡易な構成によって双方向の回転入力に対して使用可能とする。
【解決手段】ホルダ(10)と、第1及び第2C字状スプリング係止部(21,22)を有するC字状スプリング(20)と、第1及び第2連結ホイール係止部(32a,32b)を有する連結ホイールと、クラッチスプリング(40)と、入力ホイール(50)と、連結ホイールに固定された切替部(60)と、出力ホイール(70)とを備え、連結ホイールは、第3及び第4連結ホイール係止部(37a,37b)を有し、入力ホイールは、第1及び第2入力ホイール係止部を有し、クラッチスプリングは、第1及び第2クラッチスプリング係止部(41,42)を有し、切替部は、入力ホイールの回転力により作動して入力ホイールの回転力を出力ホイールへ伝達し、回転力が入力されなくなったときクラッチスプリングのスプリング力により作動して出力ホイールを入力ホイールに対して回転自在にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車ドアのラッチを解除するためのモータ減速ユニット等に使用されて好適なクラッチ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車ドアのラッチを解除するための機構として、モータを駆動源とする減速ユニットが使用されている。この減速ユニットでは、自動車ドアのラッチを解除するとき、電動モータによってラッチの操作レバーを解除方向に移動させる。
【0003】
そして、この解除操作が終了すると、モータが停止すると共に、操作レバーはラッチ機構に配設されているトーションスプリング等の付勢力によって元の位置に戻される。このとき、操作レバーに連結されている減速ユニットの出力軸は、操作レバーが元の位置に戻れるように、入力軸との結合が切断されて、自由回転できる状態にならなければならない。このような作動を可能にするための機構として、減速ユニットの入力軸と出力軸との間にクラッチ機構が配設されている。
【0004】
従来のクラッチ機構は、一方向の回転のみに対応した所謂ワンウェイクラッチが使用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。この一方、自動車ドアは通常、左右両側に設けられている。このため、クラッチ機構もそれに対応して左右対称、すなわち、反対方向のモータ回転入力に対応した2種類のクラッチ機構が必要になる。
【特許文献1】特開2004−150528号公報(図2−図9)
【特許文献2】特開2004−150529号公報(図2−図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、例えば、自動車ドアのラッチを解除するためのモータ減速ユニット等に使用されている従来のクラッチ機構としては、一方向の回転のみに対応したワンウェイクラッチが使用されている。これと共に、自動車のドアは通常、左右両側に設けられているため、これに対応して、クラッチ機構も左右対称、すなわち、反対方向のモータ入力に対応した2種類のクラッチ機構が必要になる。
【0006】
このため、同じクラッチ機構でありながら、一部の部品、例えばクラッチスプリング、C字状スプリング等については、2種類の部品を用意しなければならなず、大幅なコスト高を招いているという問題がある。
【0007】
さらに、このように同一の部品について2種類のものが存在することになり、部品管理の煩雑さ、組み立て間違い等の問題も発生させている。
【0008】
一方、従来のワンウェイクラッチを使用して、双方向の回転入力に対応したモータ減速ユニットを形成することも可能と考えられるが、この場合モータ減速ユニットが大型化し、例えば自動車ドアのラッチのモータ減速ユニットのように、小型軽量化が要求されるものに対しては使用することができなくなるという問題がある。また、減速ユニット(組み込み装置)の全体構造が極めて複雑になり、コスト高等を招くことも憂慮される。
【0009】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、簡易な構成によって双方向の回転入力に対して使用することができ、これにより大幅なコスト削減と組み込み装置の小型化を図ることができ、同時に部品管理の煩雑さ、組み立て間違い等の問題も解決する
ことができる、クラッチ機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明が採用する手段は、被装着体に固定されるホルダと、C字状に形成されて周方向に間隔をあけて第1C字状スプリング係止部と第2C字状スプリング係止部とを有すると共にホルダに対して拡径時に周方向に回転不能にかつ縮径時に周方向に回転可能に配設されるC字状スプリングと、ホルダに対して回転自在に配設されると共に正回転時にC字状スプリングの第1C字状スプリング係止部に係止する第1連結ホイール係止部と逆回転時にC字状スプリングの第2C字状スプリング係止部に係止する第2連結ホイール係止部とを有する連結ホイールと、外部から回転力が入力されると共に連結ホイールと同軸に回転する入力ホイールと、コイル状に形成されて連結ホイールと入力ホイールとの間に同軸に介装されたクラッチスプリングと、連結ホイールに固着されて連結ホイールと一体に回転する切替部と、入力ホイールに対して同軸にかつ回転自在に配設されると共に外部へ回転力を出力する出力ホイールとを備えたクラッチ機構において、連結ホイールは、第3連結ホイール係止部と第4連結ホイール係止部とを有し、入力ホイールは、第1入力ホイール係止部と第2入力ホイール係止部とを有し、クラッチスプリングは、正回転時に連結ホイールの第3連結ホイール係止部に係止すると共に逆回転時に入力ホイールの第1入力ホイール係止部に係止する第1クラッチスプリング係止部と、正回転時に入力ホイールの第2入力ホイール係止部に係止すると共に逆回転時に連結ホイールの第4連結ホイール係止部に係止する第2クラッチスプリング係止部とを有し、切替部は、外部から入力ホイールへ回転力が入力されたとき回転力により作動して入力ホイールへ入力された回転力を出力ホイールへ伝達して回転力を外部へ出力させると共に入力ホイールへ回転力が入力されなくなったときクラッチスプリングのスプリング力により作動して出力ホイールを入力ホイールに対して回転自在にすることにある。ここで、上述の正及び逆回転とは、特定の回転方向を意味するものではなく、単に相互に反対方向の回転を意味するに過ぎない。
【0011】
本発明のクラッチ機構によれば、C字状スプリングは正及び逆回転時に連結ホイールに係止することができる係止部を有し、クラッチスプリングも正及び逆回転時に連結ホイール及び入力ホイールに係止することができる係止部を有する。これと共に、切替部は、外部から入力ホイールへ回転力が入力されたとき、この回転力により作動して、入力ホイールへ入力された回転力を出力ホイールへ伝達して回転力を外部へ出力させる。したがって、正逆いずれの回転時にも、入力ホイールへ入力された回転力は出力ホイールから出力される。
【0012】
この一方、切替部は、入力ホイールへ回転力が入力されなくなったとき、クラッチスプリングのスプリング力により作動して、出力ホイールを入力ホイールに対して回転自在にする。このように、本発明のクラッチ機構は、双方向の回転入力に対して使用することができる。また、従来のワンウェイクラッチを利用して双方向の回転入力に対応させる場合よりも、クラッチ機構が組み込まれる装置全体の部品数が少なくなり、構造も簡単になる。
【0013】
例えば、上記切替部は、径方向又は径方向と平行に移動可能な爪部を有し、出力ホイールは、切替部の爪部と係止するための出力ホイール係止部を有し、爪部は、入力ホイールの回転力により移動して出力ホイールの出力ホイール係止部に係止して回転力を出力ホイールへ伝達する。ここで、上述の径方向とは、クラッチ機構の軸線に対して直角の方向をいう(以下同じ)。
【0014】
上記切替部は、短円柱状に形成されて外周部から爪部が突出可能であり、出力ホイールは、内短円柱状の凹部を有し凹部が切替部の外周部に遊嵌して回転自在であると共に凹部
の内周部に凹状に形成された出力ホイール係止部を有し、爪部は、入力ホイールの回転力により切替部の外周部から突出して出力ホイールの出力ホイール係止部に係止することが望ましい。このようにすれば、クラッチ機構全体を極めて小型化することができる。
【0015】
上記切替部の爪部は、軸方向に延びて入力ホイールに係止する係止ピンを有し、係止ピンは、入力ホイールが回転したとき入力ホイールの回転力を爪部へ伝達して爪部を移動させることが望ましい。このようにすれば、入力ホイールの回転力を利用して爪部を移動させることができる。
【0016】
上記切替部の爪部は、切替部の回転方向に対して90°以下の角度で外周部から突出して出力ホイールの出力ホイール係止部に係止することが望ましい。このようにすれば、切替部と出力ホイールとの係止が確実なものとなる。
【0017】
上記切替部の爪部は、同時に作動する複数個が配設されることが望ましい。このようにすれば、切替部と出力ホイールとの係止がさらに確実なものとなる。
【0018】
上記連結ホイールは、軸方向に延びる連結ホイールリブを有し、連結ホイールリブは、周方向一端部が第3連結ホイール係止部を形成すると共に周方向他端部が第4連結ホイール係止部を形成し、入力ホイールは、軸方向に延びる入力ホイールリブを有し、入力ホイールリブは、周方向一端部が第1入力ホイール係止部を形成すると共に周方向他端部が第2入力ホイール係止部を形成し、連結ホイールの連結ホイールリブ及び入力ホイールの入力ホイールリブは、クラッチスプリングの第1クラッチスプリング係止部と第2クラッチスプリング係止部との間に、かつ周方向に相対移動可能に介装されていることが望ましい。このようにすれば、連結ホイールと入力ホイールとの配置構造が極めて小型化できる。
【0019】
上記連結ホイールは、周方向に延びる切欠部を外周部に有し、切欠部は、周方向一端部が第1連結ホイール係止部を形成すると共に周方向他端部が第2連結ホイール係止部を形成することが望ましい。このようにすれば、連結ホイールとC字状スプリングとホルダとの配置構造を極めて小型化することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のクラッチ機構は、被装着体に固定されるホルダと、C字状に形成されて周方向に間隔をあけて第1C字状スプリング係止部と第2C字状スプリング係止部とを有すると共にホルダに対して拡径時に周方向に回転不能にかつ縮径時に周方向に回転可能に配設されるC字状スプリングと、ホルダに対して回転自在に配設されると共に正回転時にC字状スプリングの第1C字状スプリング係止部に係止する第1連結ホイール係止部と逆回転時にC字状スプリングの第2C字状スプリング係止部に係止する第2連結ホイール係止部とを有する連結ホイールと、外部から回転力が入力されると共に連結ホイールと同軸に回転する入力ホイールと、コイル状に形成されて連結ホイールと入力ホイールとの間に同軸に介装されたクラッチスプリングと、連結ホイールに固着されて連結ホイールと一体に回転する切替部と、入力ホイールに対して同軸にかつ回転自在に配設されると共に外部へ回転力を出力する出力ホイールとを備え、連結ホイールは、第3連結ホイール係止部と第4連結ホイール係止部とを有し、入力ホイールは、第1入力ホイール係止部と第2入力ホイール係止部とを有し、クラッチスプリングは、正回転時に連結ホイールの第3連結ホイール係止部に係止すると共に逆回転時に入力ホイールの第1入力ホイール係止部に係止する第1クラッチスプリング係止部と、正回転時に入力ホイールの第2入力ホイール係止部に係止すると共に逆回転時に連結ホイールの第4連結ホイール係止部に係止する第2クラッチスプリング係止部とを有し、切替部は、外部から入力ホイールへ回転力が入力されたとき回転力により作動して入力ホイールへ入力された回転力を出力ホイールへ伝達して回転力を外部へ出力させると共に入力ホイールへ回転力が入力されなくなったときクラッチスプ
リングのスプリング力により作動して出力ホイールを入力ホイールに対して回転自在にする。
【0021】
したがって、簡易な構成によって双方向の回転入力に対して使用することができ、これにより大幅なコスト削減と組み込み装置の小型化を図ることができ、同時に部品管理の煩雑さ、組み立て間違い等の問題も解決することができる、という優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係るクラッチ機構を実施するための最良の形態を、図1ないし図11を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明のクラッチ機構を示す外観斜視図、図2は、図1のクラッチ機構を斜め上方から見た組立図、図3は、図1のクラッチ機構を斜め下方から見た組立図、図4は、図1のクラッチ機構の縦断面図、図5は、図2の切替ホイールを示す拡大斜視図、図6は、図3の入力ホイールを示す拡大斜視図、図7は、図4の矢線A−Aから見たクラッチ機構を示す部分断面図、図8は、図3の切替ホイールを示す拡大斜視図、図9は、図4の矢線B−Bから見たクラッチ機構を示す断面図、図10は、図9とは別の作動状態を示す断面図、図11は、図4とは別のクラッチスプリングの取付状態を示す部分縦断面図である。
【0024】
クラッチ機構1は、図1ないし3に示すように、ホルダ10、C字状スプリング20、連結ホイール30、クラッチスプリング40、入力歯車(入力ホイール)50、切替ホイール(切替部)60、出力ホイール70と、図4に示すクラッチ軸5とによって形成される。
【0025】
図2及び図4に示すように、ホルダ10は、クラッチ機構1の組み込み装置、例えば自動車ドアのラッチを解除するためのモータ減速ユニット(被装着体)100等に固定される。ホルダ10は、例えば短円柱状に形成され、その一端面側に径方向断面が円形の凹部11を有し、この凹部11の底部外周部に、溝12が全周にわたり削成されている。凹部11の中央部には開口部10aが設けられ、図4に示すように、この開口部10aはモータ減速ユニット100の軸受ボス101を外嵌する。
【0026】
図2及び図3に示すように、C字状スプリング20は、弾性材を用いて文字通りC字状円形に形成され、その両端部が基部からまず中心方向へ、さらに先端部が軸方向(図示上方)へ折曲形成されている。この折曲形成された両端部が、第1C字状スプリング係止部21と第2C字状スプリング係止部22とを形成する。
【0027】
図4に示すように、C字状スプリング20は、スプリング力に抗して第1C字状スプリング係止部21と第2C字状スプリング係止部22との間を狭めることにより、上述のホルダ10の凹部11の溝12内へはめ込むことができ、そのまま開放して拡径させると、スプリング力によってホルダ10の溝12内に周方向に回転不能に収容される。
【0028】
すなわち、C字状スプリング20は、開放状態でホルダ10の溝12よりもやや大径に形成されており、拡径時にはホルダ10の凹部11の溝12内で周方向に回転不能となり、縮径時にはこの凹部11の溝12内で周方向に回転可能になる。なお、第1C字状スプリング係止部及び第2C字状スプリング係止部は、周方向に間隔をあけて配設すれば、必ずしもC字状スプリング20の両端部に設ける必要はない。
【0029】
図5に示すように、連結ホイール30は、円板状の基台31と、この基台31からそれぞれ軸方向(図示上方)に突設された回転軸35、ガイドリブ36、連結ホイールリブ3
7により形成されている。基台31は、外周部に周方向に延びる切欠部32を有し、この切欠部32は、周方向の一端部が第1連結ホイール係止部32aを、他端部が第2連結ホイール係止部32bをそれぞれ形成する。
【0030】
また、基台31には、2つのガイド孔33が回転軸35の両側にそれぞれ穿設されている。ガイド孔33には、後述する入力歯車50のガイドリブ55が差し込まれる。ガイド孔33は、入力歯車50のガイドリブ55が周方向に一定距離だけ移動できるように、このガイドリブ55よりも周方向に長く形成されている。
【0031】
中空の回転軸35は、その外形が基部35aについては円柱状に、先端部35bについては基部35aよりも小径の6角柱状にそれぞれ形成される。連結ホイール30のガイドリブ36は、径方向断面が回転軸35と同軸に、かつ周方向に延びる円弧状に形成される。
【0032】
連結ホイールリブ37は、軸方向に延びると共に、その径方向断面が回転軸35と同軸の円弧状に形成され、周方向の一端部が第3連結ホイール係止部37aを形成し、他端部が第4連結ホイール係止部37bを形成する。
【0033】
このように形成された連結ホイール30は、図4に示すように、モータ減速ユニット100の軸受ボス101に嵌合された固定のクラッチ軸5に、その回転軸35が挿通されて回転自在に取り付けられる。
【0034】
また、図2に示したC字状スプリング20の第1C字状スプリング係止部21と第2C字状スプリング係止部22が、この連結ホイール30の外周部に設けた切欠部32の、第1連結ホイール係止部32aと第2連結ホイール係止部32bとの間に介装される。このような構成を採ることによって、ホルダ10とC字状スプリング20と連結ホイール30の配置構造が極めて小型化できる。
【0035】
図2及び図3に示すように、クラッチスプリング40はコイル状ばねからなり、その内径は開放状態で、後述する入力歯車50の回転軸51の外径よりも僅かに大径に形成される。クラッチスプリング40の一端部には第1クラッチスプリング係止部41が、他端部には第2クラッチスプリング係止部42がそれぞれ形成される。
【0036】
この第1クラッチスプリング係止部41と第2クラッチスプリング係止部42は、クラッチスプリング40の両端部がそれぞれ径方向外側に折曲形成されてなる。ただし、この第1クラッチスプリング係止部と第2クラッチスプリング係止部は、必ずしもクラッチスプリングの両端部に設ける必要はない。
【0037】
図6に示すように、入力歯車50はウォームホイールからなり、図示しない外部モータのモータ軸に取り付けられたウォームと噛合することができる。入力歯車50の中心部には中空の回転軸51が配設され、図4に示すように、この回転軸51は、連結ホイール30の回転軸35の基部35aに挿通されて、連結ホイール30の回転軸35に対して回転自在である。
【0038】
回転軸51は、円筒状に連結ホイール30の側(図示下方)へ突出する。図2に示すように、連結ホイール30の入力歯車50の側(図示上方)の端面50a上には、径方向に長円の2つの係止孔(入力ホイール係止部)56が、直径上に軸線を挟むように配設される。
【0039】
図6に示すように、入力歯車50の連結ホイール30の側の端面50bには、いずれも
軸方向に延びると共に、その径方向断面が回転軸51と同軸の円弧状に形成された入力歯車リブ(入力ホイールリブ)52と2つのガイドリブ55とが突設される。入力歯車リブ52は、周方向の一端部が第1入力ホイール係止部53を形成し、他端部が第2入力ホイール係止部54を形成する。
【0040】
図4に示すように、入力歯車50は、その回転軸51が回転自在に連結ホイール30の回転軸35の基部35aに挿通されて組み立てられると共に、2つのガイドリブ55が、連結ホイール30のガイド孔33内に周方向に摺動自在に挿入される。また、上述のクラッチスプリング40が、入力歯車50の回転軸51と連結ホイール30のガイドリブ36との間に取り付けられる。
【0041】
図7に示すように、上述の連結ホイール30の連結ホイールリブ37と入力歯車50の入力歯車リブ52は、クラッチスプリング40の第1クラッチスプリング係止部41と第2クラッチスプリング係止部42との間に介装される。
【0042】
このように、連結ホイールリブ37と、入力歯車リブ52と、第1クラッチスプリング係止部41及び第2クラッチスプリング係止部42を、1箇所にまとめて配置することにより、連結ホイール30と入力ホイール50の配置構造を極めて小型化することができる。また、連結ホイール30の連結ホイールリブ37と入力歯車50の入力歯車リブ52は、その間に隙間を設けて配設されているから、周方向に相対移動可能である。
【0043】
図8に示すように、切替ホイール60は短円柱状に形成され、その中心部に径方向断面が6角形の軸孔61が設けられている。図8及び図9に示すように、2つ(複数個)の爪孔62が、径方向と平行に、すなわち軸孔61を挟んで相互に平行に穿設されており、いずれも切替ホイール60の外周部にまで貫通している。爪孔62は直線状に、かつ爪孔62の軸線と直角方向の断面が矩形に形成される。
【0044】
切替ホイール60の入力ホイール50の側(図示下方)には、上述の爪孔62に沿って延び、かつこの爪孔62にまで貫通するガイド孔63がそれぞれ穿設されている。この切替ホイール60の爪孔62の内部には、四角柱状の爪部65が、摺動自在にそれぞれ挿入される。この爪部65は、切替ホイール60の爪孔62と略同一長に形成され、その両端部66は、切替ホイール60の外周面と略面一になるような形状に形成される。
【0045】
爪部65の入力ホイール50の側(図示下方)には、係止ピン67がそれぞれ圧入される。図4に示すように、この切替ホイール60は、上述の連結ホイール30の回転軸35の先端部35bにはめ込まれ、連結ホイール30と一体に回転する。このとき、切替ホイール60の爪部65に圧入されている係止ピン67の頭部が、上述の入力歯車50の係止孔56の中に挿入される。
【0046】
図3に示すように、出力ホイール70は、短円柱状の基部71と、その基部71から外部側へ延びる中空の出力軸72とからなる。出力軸72の先端部には歯車73が形成され、図示しない外部歯車と噛合して回転力を出力することができる。
【0047】
出力ホイール70の基部71の切替ホイール60の側(図示下方)には、内短円柱状の凹部74が形成され、この凹部74の内周部には、4つの出力ホイール係止部75が周方向に間隔をあけて凹設される。図4に示すように、出力ホイール70は、出力軸72がクラッチ軸5に回転自在に挿通されると共に、凹部74が切替ホイール60の外周部に遊嵌し、切替ホイール60に対しても同軸に回転自在である。
【0048】
図9に示すように、上述の切替ホイール60の爪部65が切替ホイール60の外周部か
ら突出すると、爪部65の端部66が出力ホイール70の凹部74内の出力ホイール係止部75にそれぞれ係止することができる。
【0049】
次に、上述のクラッチ機構1の作動について説明する。
【0050】
入力歯車50に外部から回転が入力されていないときは、図9に示すように、2つの切替ホイール60の爪部65は、その端部66が切替ホイール60の外周面と略面一となるように、切替ホイール60の爪孔62の内部に収容されている。このため、出力歯車70は切替ホイール60に対して回転自在である。
【0051】
したがって、このクラッチ機構1が、例えば自動車ドアのラッチを解除するためのモータ減速ユニットに使用されたとき、電動モータによる操作レバーの解除が終了すると、ラッチ機構に配設されているトーションスプリング等の付勢力によって、操作レバーを元の位置に戻すことができる。
【0052】
図2に示すように、外部から入力歯車50に、例えばCW(正回転)方向の回転が入力されたとき、図7に示すように、入力歯車50の入力歯車リブ52の第2入力ホイール係止部54がクラッチスプリング40の第2クラッチスプリング係止部42に係止すると共に、クラッチスプリング40の第1クラッチスプリング係止部41が連結ホイール30の連結ホイールリブ37の第3連結ホイール係止部37aに係止する。これにより、連結ホイール30に対しても、CW方向の回転力がクラッチスプリング40を介して伝達される。
【0053】
これと共に、図2に示すように、連結ホイール30の切欠部32の第1連結ホイール係止部32aがC字状スプリング20の第1C字状スプリング係止部21に係止して、C字状スプリング20に対してCW方向への回転力、すなわち、C字状スプリング20を縮径させる力が加わる。
【0054】
しかしながら、このCW方向の回転力が加わった初期の段階では、C字状スプリング20は、ホルダ10の凹部11の溝12との間で働いている摩擦力によって未だ回転不能である。このため、連結ホイール30はCW方向へ回転することができず、連結ホイール30と一体の切替ホイール60も、CW方向へ回転することはない。
【0055】
図7に示すように、入力歯車50は、クラッチスプリング40にCW方向の回転力が加わると、それによりわずかにCW方向へ回転する。これに伴って、切替ホイール60の爪部65の2つの係止ピン67が、図4に示すように、入力歯車50の係止孔56に係止していることにより、図10に示すように、切替ホイール60のガイド孔63に沿ってCW方向へ移動して、2つの爪部65を爪孔62内で相互に反対方向へ移動させる。
【0056】
これにより、各爪部65の端部66は切替ホイール60の外周面から突出して、出力ホイール70の基部71に設けた出力ホイール係止部75にそれぞれ係止する。これにより、CW方向の回転力に対して、入力歯車50と、入力歯車50に対して係止ピン67によって係止している切替ホイール60と、切替ホイール60に対して爪部65によって係止している出力ホイール70と、切替ホイール60と一体の連結ホイール30とが、相互に回転不能に一体になる。
【0057】
これにより、入力歯車50に対するCW方向の回転力が、連結ホイール30を介してC字状スプリング20にそのまま伝わるようになり、C字状スプリング20をさらに縮径させる。
【0058】
このような状態になると、すでに一体となっている入力歯車50と連結ホイール30と切替ホイール60と出力ホイール70は、C字状スプリング20とホルダ10の溝12との間で働いていた摩擦力に抗して、C字状スプリング20と共にCW方向へ回転しはじめる。これにより、入力歯車50に入力されたCW方向の回転が出力ホイール70へ伝達され、外部へ出力される。
【0059】
次に、外部から入力歯車50に入力されていたCW方向の回転が停止すると、まず、C字状スプリング20とホルダ10の溝12との間の摩擦力によって、入力歯車50と一体となっている連結ホイール30と切替ホイール60と出力ホイール70のCW方向の回転も停止する。
【0060】
これに伴って、入力歯車50は、クラッチスプリング40の巻き戻し力によってCCW方向へわずかに回転する。これは、例えば、入力歯車50と噛合している図示しないウォーム側に、入力歯車50が逆回転できるだけの進み角をわずかに設けておくこと等により可能である。
【0061】
入力歯車50がCCW方向へ回転すると、入力歯車50の係止孔56に係止している2つの係止ピン67も、図9に示すように、CCW方向へ、かつ切替ホイール60のガイド孔63に沿ってそれぞれ移動して、2つの爪部65を、爪孔62内で中心方向へ移動させて、爪部65の端部66が切替ホイール60の外周面と略面一となる元の位置にまで引き戻す。
【0062】
これにより、出力歯車70は切替ホイール60に対して回転自在となる。また、C字状スプリング20とクラッチスプリング40のスプリング力は、クラッチ機構1において、このような作動が得られるようにそれぞれ設定されている。
【0063】
この一方、入力歯車50に、外部からCCW(逆回転)方向の回転力が入力されたとき、図7に示すように、入力歯車50の入力歯車リブ52の第1入力ホイール係止部53がクラッチスプリング40の第1クラッチスプリング係止部41に係止すると共に、クラッチスプリング40の第2クラッチスプリング係止部42が連結ホイール30の連結ホイールリブ37の第4連結ホイール係止部37bに係止する。
【0064】
図2に示すように、連結ホイール30の切欠部32の第2連結ホイール係止部32bがC字状スプリング20の第2C字状スプリング係止部22に係止して、C字状スプリング20に対してCW方向への回転力、すなわち、C字状スプリング20を縮径させる力を加える。
【0065】
図4に示すように、入力歯車50の係止孔56に係止している切替ホイール60の爪部65の2つの係止ピン67が、切替ホイール60のガイド孔63に沿ってCCW方向へ移動して、2つの爪部65を爪孔62内で、上述の正回転時とは反対方向へそれぞれ移動させる。その他は上述の正回転時と同様であるから、説明を省略する。
【0066】
上述のクラッチ機構1によれば、C字状スプリング20は正及び逆回転時に連結ホイール30に係止することができる係止部21,22を有し、クラッチスプリング40も正及び逆回転時に連結ホイール30及び入力ホイール50に係止することができる係止部41,42を有する。
【0067】
これと共に、切替ホイール60は、外部から入力ホイール50へ回転力が入力されたとき、この回転力により作動して、入力ホイール50へ入力された回転力を出力ホイール70へ伝達して回転力を外部へ出力させる。したがって、正逆のいずれの回転に対しても、
入力ホイール50へ入力された回転力は出力ホイール70から出力される。
【0068】
また、切替ホイール60は、入力ホイール50へ回転力が入力されなくなったとき、クラッチスプリング40のスプリング力により作動して、出力ホイール70を入力ホイール50に対して回転自在にする。
【0069】
このように、本クラッチ機構1は双方向の回転入力に対して使用することができ、また、従来のワンウェイクラッチを利用して双方向の回転入力に対応させるようにした場合よりも、クラッチ機構が組み込まれる装置全体の部品数を少なくすることができ、構造も簡易なものとなる。したがって、大幅なコスト削減と組み込み装置の小型化を図ることができ、同時に部品管理の煩雑さ、組み立て間違い等の問題も解決することができる。
【0070】
また、切替ホイール60と出力ホイール70の形状とそれらの組み込み形態を上述のようにすることにより、クラッチ機構全体を極めて小型化することができる。さらに、切替ホイール60の爪部65を作動させるための構成を上述のようにすることにより、入力ホイール50の回転力を利用して爪部65を移動させることができる。
【0071】
一方、図10に示すように、切替ホイール60の爪部65は、その先端部66が切替ホイール60の回転方向に対して90°以下の角度で外周部から突出して出力ホイール70の出力ホイール係止部75に係止するようにしたから、切替ホイール60と出力ホイール70との係止が確実なものとなる。また、切替ホイール60の爪部65を2つ配設したから、切替ホイール60と出力ホイール70との係止がさらに確実なものとなる。
【0072】
なお、本発明は上述の一実施の形態に制約されるものではなく、種々の変形が可能であり、本発明の範囲から除外されるものではないことは勿論である。例えば、本発明のクラッチ機構は、必ずしも自動車ドアのラッチを解除するためのモータ減速ユニットに限定して使用されるものではなく、あらゆる装置に使用することができる。
【0073】
また、図4に示すように、クラッチスプリングを入力歯車の回転軸の外側に取り付けるのではなく、図11に示すように、クラッチスプリング81を連結ホイール82の回転軸83の外側に取り付けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明のクラッチ機構を示す外観斜視図である。
【図2】図1のクラッチ機構を斜め上方から見た組立図である。
【図3】図1のクラッチ機構を斜め下方から見た組立図である。
【図4】図1のクラッチ機構の縦断面図である。
【図5】図2の切替ホイールを示す拡大斜視図である。
【図6】図3の入力ホイールを示す拡大斜視図である。
【図7】図4の矢線A−Aから見たクラッチ機構を示す部分断面図である。
【図8】図3の切替ホイールを示す拡大斜視図である。
【図9】図4の矢線B−Bから見たクラッチ機構を示す断面図である。
【図10】図9とは別の作動状態を示す断面図である。
【図11】図4とは別のクラッチスプリングの取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 クラッチ機構
5 クラッチ軸
10 ホルダ
10a 開口部
11 凹部
12 溝
20 C字状スプリング
21 第1C字状スプリング係止部
22 第2C字状スプリング係止部
30 連結ホイール
31 基台
32 切欠部
32a 第1連結ホイール係止部
32b 第2連結ホイール係止部
33 ガイド孔
35 回転軸
35a 基部
35b 先端部
36 ガイドリブ
37 連結ホイールリブ
37a 第3連結ホイール係止部
37b 第4連結ホイール係止部
40 クラッチスプリング
41 第1クラッチスプリング係止部
42 第2クラッチスプリング係止部
50 入力歯車(入力ホイール)
50a 端面
50b 端面
51 回転軸
52 入力歯車リブ(入力ホイールリブ)
53 第1入力ホイール係止部
54 第2入力ホイール係止部
55 ガイドリブ
56 係止孔(入力ホイール係止部)
60 切替ホイール(切替部)
61 軸孔
62 爪孔
63 ガイド孔
65 爪部
66 端部
67 係止ピン
70 出力ホイール
71 基部
72 出力軸
73 歯車
74 凹部
75 出力ホイール係止部
81 クラッチスプリング
82 入力歯車(入力ホイール)
83 回転軸
100 モータ減速ユニット
101 軸受ボス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被装着体に固定されるホルダ(10)と、C字状に形成されて周方向に間隔をあけて第1C字状スプリング係止部(21)と第2C字状スプリング係止部(22)とを有すると共に前記ホルダに対して拡径時に周方向に回転不能にかつ縮径時に周方向に回転可能に配設されるC字状スプリング(20)と、前記ホルダに対して回転自在に配設されると共に正回転時に前記C字状スプリングの前記第1C字状スプリング係止部に係止する第1連結ホイール係止部(32a)と逆回転時に前記C字状スプリングの前記第2C字状スプリング係止部に係止する第2連結ホイール係止部(32b)とを有する連結ホイール(30)と、外部から回転力が入力されると共に前記連結ホイールと同軸に回転する入力ホイール(50)と、コイル状に形成されて前記連結ホイールと前記入力ホイールとの間に同軸に介装されたクラッチスプリング(40)と、前記連結ホイールに固着されて前記連結ホイールと一体に回転する切替部(60)と、前記入力ホイールに対して同軸にかつ回転自在に配設されると共に外部へ前記回転力を出力する出力ホイール(70)とを備えたクラッチ機構(1)において、前記連結ホイールは、第3連結ホイール係止部(37a)と第4連結ホイール係止部(37b)とを有し、前記入力ホイールは、第1入力ホイール係止部(53)と第2入力ホイール係止部(54)とを有し、前記クラッチスプリングは、前記正回転時に前記連結ホイールの前記第3連結ホイール係止部に係止すると共に前記逆回転時に前記入力ホイールの前記第1入力ホイール係止部に係止する第1クラッチスプリング係止部(41)と、前記正回転時に前記入力ホイールの前記第2入力ホイール係止部に係止すると共に前記逆回転時に前記連結ホイールの前記第4連結ホイール係止部に係止する第2クラッチスプリング係止部(42)とを有し、前記切替部は、外部から前記入力ホイールへ前記回転力が入力されたとき前記回転力により作動して前記入力ホイールへ入力された前記回転力を前記出力ホイールへ伝達して前記回転力を外部へ出力させると共に前記入力ホイールへ前記回転力が入力されなくなったとき前記クラッチスプリングのスプリング力により作動して前記出力ホイールを前記入力ホイールに対して回転自在にすることを特徴とするクラッチ機構。
【請求項2】
前記切替部(60)は、径方向又は径方向と平行に移動可能な爪部(65)を有し、前記出力ホイール(70)は、前記切替部の前記爪部と係止するための出力ホイール係止部(75)を有し、前記爪部は、前記入力ホイール(50)の前記回転力により移動して前記出力ホイールの前記出力ホイール係止部に係止して前記回転力を前記出力ホイールへ伝達することを特徴とする請求項1に記載のクラッチ機構。
【請求項3】
前記切替部(60)は、短円柱状に形成されて外周部から前記爪部(65)が突出可能であり、前記出力ホイール(70)は、内短円柱状の凹部(74)を有し前記凹部が前記切替部の前記外周部に遊嵌して回転自在であると共に前記凹部の内周部に凹状に形成された前記出力ホイール係止部(75)を有し、前記爪部は、前記入力ホイール(50)の前記回転力により前記切替部の前記外周部から突出して前記出力ホイールの前記出力ホイール係止部に係止することを特徴とする請求項2に記載のクラッチ機構。
【請求項4】
前記切替部(60)の前記爪部(65)は、軸方向に延びて前記入力ホイール(50)に係止する係止ピン(67)を有し、前記係止ピンは、前記入力ホイールが回転したとき前記入力ホイールの前記回転力を前記爪部へ伝達して前記爪部を移動させることを特徴とする請求項2又は3に記載のクラッチ機構。
【請求項5】
前記切替部(60)の前記爪部(65)は、前記切替部の回転方向に対して90°以下の角度で前記外周部から突出して前記出力ホイール(70)の前記出力ホイール係止部(75)に係止することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のクラッチ機構。
【請求項6】
前記切替部(60)の前記爪部(65)は、同時に作動する複数個が配設されることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載のクラッチ機構。
【請求項7】
前記連結ホイール(30)は、軸方向に延びる連結ホイールリブ(37)を有し、前記連結ホイールリブは、周方向一端部が第3連結ホイール係止部(37a)を形成すると共に周方向他端部が前記第4連結ホイール係止部(37b)を形成し、前記入力ホイール(50)は、軸方向に延びる入力ホイールリブ(52)を有し、前記入力ホイールリブは、周方向一端部が第1入力ホイール係止部(53)を形成すると共に周方向他端部が前記第2入力ホイール係止部(54)を形成し、前記連結ホイールの前記連結ホイールリブ及び前記入力ホイールの前記入力ホイールリブは、前記クラッチスプリング(40)の前記第1クラッチスプリング係止部(41)と前記第2クラッチスプリング係止部(42)との間にかつ周方向に相対移動可能に介装されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のクラッチ機構。
【請求項8】
前記連結ホイール(30)は、周方向に延びる切欠部(32)を外周部に有し、前記切欠部は、周方向一端部が前記第1連結ホイール係止部(32a)を形成すると共に周方向他端部が前記第2連結ホイール係止部(32b)を形成することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のクラッチ機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−103261(P2009−103261A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277225(P2007−277225)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000208640)第一化成株式会社 (10)
【Fターム(参考)】