説明

クランプ部品およびクランプ部品を有する保持装置

【課題】本発明の目的は、本形式のクランプ部品を有するクランプ部品および保持装置を提供することであり、それは使用可能なおよび異材質厚み幅を有する梁に相互に急速に取り付け可能である。
【解決手段】ネジ(17)への接着のための保持装置は、クランプ部品(A)を導入するための中空ベース部材(10)と、前記中空ベース部材は、穴部(18)を有する底部(11)を有し、クランプ部品の円錐状の本体の外面(23)を接触させるために円錐のように保持装置の底部上のベース部材の内面(22)を実装し、クランプ部品は、穴部の中に挿入されてクランプ部品の開口部(2)を貫通して噛み合うネジおよびそれ自体の軸周辺において保持装置を回転させることによって底部の方向に下降して移動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]本出願は、2005年9月28日に出願の米国仮特許出願第60/721,397号明細書および2005年9月28日に出願の独国特許出願第10 2005 046 362.2号明細書の出願日の利益を主張するものであり、その開示を参照することによって本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、クランプ部品およびクランプ部品を有する保持器または保持装置に関し、特に、航空機において、電気的配線ストランド、パイプ、などを保持するための多目的な保持具に関する。
【背景技術】
【0003】
航空機において、ケーブル保持器が電気配線経路、配管、その他、種々の領域において、保持して導くために使用される。
保持器は、低重量にするために好ましくはプラスチックできている。
保持器は、梁またはフレーム、その他の具体的な接続状況に合わせて各々調整される。
この目的のために、スクリュー・ナット接続が一般的に使用される。
【0004】
上記周知の保持器の不利な点は、上記構造部品を変更する場合に、保持器のコストと時間がかかる変更が必要になることにある。
射出成形型の変更は、特に複雑かつ高コストである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、本形式のクランプ部品を有するクランプ部品および保持装置を提供することであり、それは使用可能なおよび異材質厚み幅を有する梁に相互に急速に取り付け可能である。
【0006】
本発明の目的は、請求項1および8に示すように達成することができることにある。本発明の改善は、従属請求項において特定される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的実施態様によるクランプ部品は、円錐状の本体(開口部が本体の長手方向で動作する中心による)を有する。
少なくとも一つのスロットは、本体の側面部において設置される、クランプ部品の長手方向にインサート部材を導入するために主として垂直に設ける。
スロットは、インサート部材がスロットに導入される場合に、開口部の中に挿入されているネジのスレッドに相対物を形成するために、開口部にインサート部材を突設するように実装される。
【0008】
インサート部材が、本体に関して捩り作業に対して固定されるようにスロットも実装される。
【0009】
クランプ部品の改良によれば、インサート部材は、本体の外面の向こうのスロットから、外へ部分的に突設する。
【0010】
クランプ部品の例示的実施形態によれば、インサート部材は、円形環状体の形状を有する。
好ましくは、3つのスロットは本体において互いに少し離れて周辺で実装される、1つ平面にあって、各々1つインサート部材を導入するために、本体の円周、それは好ましくは薄板でできている。
【0011】
クランプ部品の改善によれば、円錐状の本体は、クランプ部品の長手方向で動作する側面部のギャップを有し、クランプ部品の周囲に本体の中心を貫通している開口部を連結する。
締め付け効果は、このように更に改良される。
【0012】
本発明の例示的実施形態によれば、保持装置は、ネジを取付けるために使用され、請求項1乃至7のいずれか1つに記載のクランプ部品を導入するために、穴部を有する底部を有する中空ベース部材を含む。
円錐状のように、保持装置の底部上のベース部材の内面は、クランプ部品の円錐状の本体の外面が対応して接触するように実装される。
保持装置をそれ自体の軸周辺で回転させることによって、クランプ部品は、保持装置の底部の方向に、「下降して」移動され、クランプ部品がネジに噛み合い(クランプ)、保持装置の穴部に挿入され、クランプ部品の開口部を貫通する。
【0013】
例示的実施形態によれば、保持装置は、同様に、中空ベース部材に挿入されたクランプ部品から保持装置が抜け落ちることを防止するために、中空ベース部材において位置する移動ロックを有する。
【0014】
本発明の例示実施態様によれば、移動ロック機構は、中空ベース部材の内面に支持されて係合する、例えば、ベース部材の内面の円周を走り回っている溝において、保持装置があるネジは、移動ロック機構が形成される開口部を貫通して取り付けられる。
【0015】
例示的実施形態によれば、移動ロック機構は、シーガー・リングとして実装されるかまたは構成される。
【0016】
保持装置の改善によれば、保持装置の底部の反対側に、直径に沿って端部で保持具を有し、電気配線・ストランド、配管などを保持することができる。
【0017】
本発明による保持装置は、プラスチック材料からなり、例えば、射出成形される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の好適な例示的実施態様を添付の図面を参照しながら説明する。
以下に、同じ参照番号が、異なる図の同一部品又は対応する部品のために使用される。
【0019】
図1は、本発明の例示的実施態様による、クランプ部品Aの透視図を示す。
【0020】
図1に示すように、クランプ部品Aは、円錐状の本体1を有し、開口部2が中心に貫通する。
後述するように、開口部2はネジ(図示せず)を受け止めるために使用され、これにクランプ部品Aを使用する保持装置が取り付けられる。図4に関しては後述する。
【0021】
同様に、図1に示すクランプ部品はギャップ3を有し、開口部2をクランプ部品Aの外部周囲に連結する。
ギャップ3は、クランプ部品Aの長手方向で動作して、クランプ部品Aの締め付け効果を改良するために使用される。
締付けられた状態において、ギャップ3は、抑圧されない状態においてより狭い。
【0022】
3つの分離したスロット5a、5bおよび5cは、クランプ部品の側面部4に実装され、側面部4によるクランプ部品Aの長手方向に主として垂直にそれぞれ動作し、開口部2をクランプ部品Aの外部周囲に連結する。
【0023】
スロット5a、5bおよび5cは、クランプ部品Aの側面部4において形成される凹部6a、6bおよび6cによって、互いからそれぞれ切り離される。
【0024】
スロット5a−5cは、例えば薄板インサート部材のようなインサート部材を受け止めるために使用され、図2により詳細に説明する。
【0025】
図2は、3つの薄板インサート部材7a、7bおよび7cを示し、クランプ部品Aのスロット5a、5bおよび5cにそれぞれ挿入することができ、クランプ部品1のスロット5a−5cが、薄板挿入片7a−7cの捩り作業ができないように実装される。
【0026】
図2に示すように、例示的実施形態によれば、
薄板挿入片7a−7cは、円形環状体の形で各々実装される、1つの平面に位置して、互いから一様に離間する。
クランプ部品1のスロット5a−5cに挿入された薄板挿入片7a−7cは、開口部2に対向する領域8a、8bおよび8cが開口部2を貫通しているネジ(図示せず)のスレッドにおいて係合するように実装される。
【0027】
例示的実施形態によれば、薄板挿入片7a−7cは、金属製であるが、スレッドに係合するためのネジに対して相対物として適している他の任意の材料製でもよい。
【0028】
薄板挿入片7a−7cは、例えば、1片から形成されてもよく、本体1に関して捩り作業から固定されればよい。
【0029】
図3は、例示的実施形態による、図1のクランプ部品Aを含む保持器または保持装置9の平面図を示す。
【0030】
保持装置9は、クランプ部品Aが挿入されている中空ベース部材10を含む。
クランプ部品Aは、同様に、図3に示していなが、図4により拡大して詳細に示すように、保持装置9の底部11の領域に設置される。
【0031】
図3に示すように、保持装置9は、保持装置9の底部11とは反対側に、直径に沿って領域12上に保持具または保持器13を有する。
保持具13は、好ましくはプラスチックから射出成形され、中空ベース部材10を有する一部分に実装される。
これに代わって、保持具13は、別に製造されてもよく、種々の材料を備えてもよく、中空ベース部材10の上に配置される。
【0032】
保持器13の中間領域14は、同様に、中空として実装され、図1のクランプ部品が、保持装置9の中空ベース部材10の中に、図3において上方から挿入される。
【0033】
図3に示すように、保持器13は、側面領域15、16を有し、配線(例えば電気配線・ストランド、配管、等)を支持可能なように設計される。
この種の領域は、支持される配線の本数に従って実装してもよい。
【0034】
図4は、挿入されたクランプ部品Aを有する図3の保持装置9の一部分の断面図を示す。
【0035】
図4に示す具体例は、ネジ17に取り付けられる図3の保持装置9を示す。
図4のネジ17は、クランプ装置9の中空ベース部材10の底部11に実装される穴部18を通って、下から挿入され、クランプ部品Aの本体1の開口部2を貫通する。
ネジ17の頭部19の(真正面から)反対側のネジ17の端部20は、保持装置9のベース部材10の空洞21に通じている。
【0036】
ネジ17は、長軸梁またはフレーム(図示せず)中を導かれ、例えば、保持装置9はネジ17を締めることで上記梁またはフレームに取り付けられる。
【0037】
図4に示すように、中空ベース部材10の内面22は円錐状に実装され、クランプ部品の本体1の円錐状に実装された外面23に接触させる。
【0038】
図4に示すように、移動ロック機構24は、保持装置9のベース部材10の空洞21に導入される、例えば、シーガー・リングである。
シーガー・リング24は、ネジ17上の反対圧力または保持装置9の相対物の場合には、保持装置9を設置している間の移動ロック機構として使用される。
【0039】
図4に示すように、シーガー・リング24は、ベース部材10の内面の円周において形成される凹部25に係合して支持される。
【0040】
保持装置9をそれ自体の軸周辺で回転させることによって、クランプ部品がネジ17を内側に締付ける(噛み合う)ことに起因して、クランプ部品Aは、底部11の方向に下降して移動される。
【0041】
図5は、側面から見た図3の保持装置9の一部分の断面図を示す。
【0042】
図6は、上記部分から見た図3の保持装置9の一部分の断面図を示す。
【0043】
図6に示すように、ベース部材10の凹部25に係合する移動ロック機構24は、開放領域26が見えるように実装される、移動ロック機構24の2つの自由端部27、28が取り除くかまたは移動ロック機構24を嵌入することが可能なように、それぞれ凹部25および中空ベース部材10が互いの方向へ押圧されてもよい。
【0044】
本発明が航空機の分野の出願に関しての特徴を記載したにも係わらず、本発明によるクランプ部品および本発明の前記の保持装置は、保持器を使用する必要がある他の分野においても、同様に使用してもよく、種々の物質的な厚さを有している梁に使用可能であり、かつ、速やかに取り付け可能であることは明らかである。
【0045】
「備える」という語は、その他の部材又はステップを排除せず、「1つの」は、複数を排除しないことに注意を要する。
さらにまた、上記の例示的実施形態の1つを参照して説明した特徴またはステップは、上記の他の例示的実施形態の他の特徴またはステップと組み合わせて使用できることを指摘する。
特許請求の範囲における参照符号は、限定として解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の好適な例示的な実施態様による、クランプ部品を示す透視図である。
【図2】図1のクランプ部品の薄板のインサート部材を示す断面図である。
【図3】図1のクランプ部品を含む、好適な例示的実施形態による保持装置を示す側面図である。
【図4】図3の保持装置の一部分を示す断面図である。
【図5】図3の保持装置を側面から見た一部分を示す断面図である。
【図6】図3の保持装置の一部分を示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
A クランプ部品
1 本体
2 開口部
3 ギャップ
4 側面部
5a−5c スロット
6a−6c 凹部
7a−7c 薄板インサート部材
8a−8c 領域
9 保持装置
10 ベース部材
11 底部
12 正反対の領域
13 保持器
14 中間の領域
15、16 側面領域
17 ネジ
18 穴部
19 頭部
20 端部
21 空洞
22 内面
23 外面
24 移動ロック機構
25 凹部
26 開放区域
27、28 移動ロック機構の自由端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐状の本体(1)を有するクランプ部品であって、
前記クランプ部品の中心の開口部(2)は、前記本体(1)の長手方向で動作し、
前記クランプ部品(A)の縦軸に対して主として垂直な少なくとも1つのスロット(5a、5b、5c)を設け、
前記開口部(2)に十分に離隔して突設するインサート部材(7a、7b、7c)を導入するために、前記本体(1)の側面部(4)に実装され、
前記開口部(2)を貫通するネジ(17)のスレッドに対する相対物として使用される、ことを特徴とするクランプ部品。
【請求項2】
前記スロット(5a、5b、5c)は、前記インサート部材(7a、7b、7c)の捩れを防止する、ことを特徴とする請求項1に記載のクランプ部品。
【請求項3】
前記インサート部材(7a、7b、7c)は、前記本体(1)の外面(23)の向こうに部分的に外側に前記スロット(5a、5b、5c)が突設する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のクランプ部品。
【請求項4】
前記インサート部材(7a、7b、7c)は、円形環状体形状を有する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のクランプ部品。
【請求項5】
各々1つのインサート部材(7a、7b、7c)を導入するために、一方平面にある前記本体(1)の円周周辺で互いに少し離れて3つのスロット(5a,5b、5c)を有する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のクランプ部品。
【請求項6】
前記インサート部材(7a、7b、7c)は、金属製の薄板でできている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のクランプ部品。
【請求項7】
前記円錐状の本体(1)は、前記クランプ部品(A)の周囲に連結される前記開口部(2)を介して前記クランプ部品(A)の前記長手方向の前記側面部(4)に流れているギャップ(3)を有する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載のクランプ部品。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1つに記載の前記クランプ部品(A)を導入するための中空ベース部材(10)を含む、ネジ(17)を取り付けるための保持装置であって、
前記中空ベース部材(10)は、穴部(18)を有する底部(11)を有し、
前記中空ベース部材(10)の内面(22)は、前記クランプ部品(A)の前記円錐状の本体(1)の外面(23)を接触させる保持装置(9)の底部上に円錐状に実装され、
前記クランプ部品(A)は、前記穴部(18)の中に挿入されて前記クランプ部品(A)の前記開口部(2)を貫通して噛み合うネジ(17)およびそれ自体の軸周辺において保持装置(9)を回転させることによって前記底部(11)の方向に下降して移動される、ことを特徴とする保持装置。
【請求項9】
前記中空ベース部材(10)に嵌入される移動ロック機構(10)を有し、
前記中空ベース部材(10)から前記クランプ部品(A)が抜け落ちることを防止する、ことを特徴とする請求項8に記載の保持装置。
【請求項10】
前記移動ロック機構(24)は、前記中空ベース部材(10)の前記内面(22)に支持可能であり、
保持装置(9)が前記ネジ(17)に取り付けられる場合に、前記ネジ(17)は、前記移動ロック機構(24)を貫通する、ことを特徴とする請求項9に記載の保持装置。
【請求項11】
前記移動ロック機構(24)は、シーガー・リングである、ことを特徴とする請求項10に記載の保持装置。
【請求項12】
線を保持する保持器(13)は、保持装置(9)の底部(11)の反対側に直径に沿った領域(12)の上に形成される、ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1つに記載の保持装置。
【請求項13】
プラスチック材料から射出成形される、ことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1つに記載の保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−510345(P2009−510345A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532664(P2008−532664)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009401
【国際公開番号】WO2007/039213
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(504467484)エアバス・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (268)
【Fターム(参考)】