説明

クリップさじ

さじ(20)は、くぼみ部(21)と柄とを有する。くぼみ部は、くぼみ縁部(22)とくぼみ部幅(Wb)とを有する。柄は、くぼみ縁部に連結された近位柄縁部(31)を有する。柄は、近位柄縁部に対向する遠位柄縁部(32)を有する。柄は柄幅(Wh)を有する。柄は、クリップベース(41)を有するクリップ(40)を有し、クリップベース(41)は、クリップベースを遠位柄縁部に連結する。クリップは、遠位柄縁部から近位柄縁部に向かって突出する。クリップは、クリップベースの反対側の自由端(42)を有する。柄幅は、くぼみ部幅の約50%〜約100%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の一回分を盛り、かつ可撓性の袋に締結するためのクリップさじに関する。
【背景技術】
【0002】
さじは、種々の分野において使用されてきた。例えば、さじは、正確な量の一回分を盛るために、洗剤及び繊維強化剤などの繊維及びホームケア製品において使用されてきた。洗剤は、通常、紙箱、硬質プラスチック容器、及び可撓性の袋などのパッケージに詰められている。可撓性の袋は、保存する製品の鮮度を保つだけでなく、水分又は空気が封入された製品に入ることを防止するうえで有用である。更に、可撓性の袋は、通常、使用する材料が少なく、かつ同等の紙箱又は硬質プラスチック容器よりも安価である。
【0003】
粒状又は粒子状製品を正確に一回分盛る消費者のために、市販の製品と共にさじが含まれてもよい。そのようなさじは、一般に、紙箱及び硬質プラスチック容器などのパッケージの中に、製品と共に含まれるが、容器は、典型的には可撓性の袋ではなく、その理由は、そのような可撓性の容器は典型的には大きなバッグであり、さじがその中でたやすく見失われる又は埋もれる可能性があるからである。したがって、消費者は時に、使用の合間にさじを簡単に置き忘れる又は紛失してしまう。さじは、使用の合間に製品の中に埋もれ得るので、消費者がさじを再度使用するつもりのときに、パッケージの中のさじを見つけることは特に困難な場合がある。また、消費者が製品の中に埋もれたさじを取り出すときに、製品が手に付着する場合がある。消費者は、乱雑な感じがするのでこれを嫌う場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、可撓性の袋の外部に容易に締結される及び/又はさじの乱雑状態を低減するさじを提供することが、本発明の目的である。更に、クリップの使用は、可撓性の袋自体又は可撓性の袋の材料を変更する必要なしに、可撓性の袋の中の製品を新鮮に保つことができる閉鎖機構を提供することができる。更に、大量の固形物をすくうときに曲がらないようにするために、さじの柄がくぼみ部にしっかりと連結されたさじを提供することが、本発明の別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、くぼみ部と柄とを有するさじに関する。くぼみ部は、くぼみ縁部とくぼみ部幅とを有する。柄は、くぼみ縁部に連結された近位柄縁部を有する。柄は、近位柄縁部と対向する遠位柄縁部を有する。柄は、柄幅を有する。柄は、クリップベースを有するクリップを有し、このクリップベースは、クリップベースを遠位柄縁部に連結する。クリップは、遠位柄縁部から近位柄縁部に向かって突出する。クリップは、クリップベースの反対側の自由端を有する。柄幅は、くぼみ部幅の少なくとも約50%である。
【0006】
本発明はまた、内部に製品を含む可撓性の袋と、上述のようなさじとを有するキットに関する。
【0007】
本発明者らは、驚くべきことに、さじが、例えば可撓性の袋に締結されるのを、クリップが助けることができることを見出した。理論に制限されるものではないが、本発明のさじは、可撓性の袋の外部表面に締結されることができ、消費者は、使用後にさじをバッグの中に戻さなくてよい。したがって、消費者は、必要なときはいつでも、乱雑状態になる可能性がほとんどなく、さじを容易に取り出すことができる。更に、さじに対するクリップの配向は、袋から突出するさじの量を少なくすることが可能である。このことは、袋が人の出入りの多い場所に保存される場合にさじが袋から跳ね飛ばされる可能性を低減するために、及び/又はほとんど総スペース(overhead space)がないすし詰め状態の領域に保存される場合に、特に有用である。更に、さじの大きな柄幅は、さじがくぼみ部としっかり連結されることを助けることができ、また、大量の固形物をすくうときに曲がらないようにすることを助けることができる。
【0008】
本明細書及び添付図面を参照することにより、本発明のこれら及び他の目的、利点、並びに特徴が、より完全に理解され、認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付の非限定的な図面によりより容易に理解される。
【図1】本発明のさじの斜視図。
【図2】図1のさじの底面図。
【図3】図1のさじの側面図。
【図4】図2の線4−4に沿って見たときのクリップの断面図。
【図5】本発明のさじによって、開口部が折り畳まれて締結された可撓性の袋の斜視図。
【図6】反対側から見た図5のさじを有する可撓性の袋の斜視図。
【図7】図6の線7−7に沿って見たときの、クリップを有する可撓性の袋の断面図。
【図8】クリップの底面から突出しているグリッパの実施形態。
【図9】クリップの底面から突出しているグリッパの実施形態。
【図10】柄の上部表面から突出しているグリッパの実施形態。
【図11】図1のさじの上面図。
【0010】
本明細書の図面は、必ずしも一定の比率の縮尺で描かれてはいない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、くぼみ部と柄とを有するさじに関する。くぼみ部は、くぼみ縁部とくぼみ部幅とを有する。柄は、くぼみ縁部と連結された近位柄縁部と、近位柄縁部と対向する遠位柄縁部と、柄幅とを有する。柄は、クリップベースを有するクリップを有し、このクリップベースは、クリップベースを遠位柄縁部に連結する。クリップは、遠位柄縁部から近位柄縁部に向かって突出する。クリップは、クリップベースの反対側の自由端を有する。柄幅は、くぼみ部幅の少なくとも約50%である。
【0012】
図1は、本発明のさじの斜視図を示す。さじ20は、くぼみ縁部22を有するくぼみ部21を有する。くぼみ部21はくぼみ底部24を有する。くぼみ部21は、くぼみ底部24に連結されたくぼみ前壁部25を有する。くぼみ部21は、くぼみ底部24及びくぼみ前壁部25に連結された第1のくぼみ側壁部26を有する。くぼみ部21は、第1のくぼみ側壁部26と反対側であり、かつくぼみ底部24及びくぼみ前壁部25に連結された第2のくぼみ側壁部27を有する。くぼみ部21は、くぼみ前壁部25と反対側であり、かつくぼみ底部24、第1のくぼみ側壁部26、及び第2のくぼみ側壁部27に連結されたくぼみ後壁部28を有する。くぼみ前壁部25、第1のくぼみ側壁部26、第2のくぼみ側壁部27、及びくぼみ後壁部28は、くぼみ底部24で始まり、くぼみ頂縁部29で終端する。さじ20は、上部側T、及び底部側Bに延びている。くぼみ頂縁部29は、上部側Tに向いている。
【0013】
柄30は近位柄縁部31を有する。柄30は、近位柄縁部31と対向する遠位柄縁部32を有する。柄30は、第1のサイドアーム33と第2のサイドアーム34とを有するが、第2のサイドアーム34は、典型的には必ずしも第1のサイドアーム33に実質的に平行でなく、これらアームは共に、図1のくぼみ部21に対して垂直に延びる。第1のサイドアーム33及び第2のサイドアーム34は、近位柄縁部31で始まって、遠位柄縁部32で接合しかつ終端する。柄30は空洞35を有する。空洞35は、近位柄縁部31、遠位柄縁部32、第1のサイドアーム33、及び第2のサイドアーム34によって囲まれている。
【0014】
柄30は、その中にクリップ40を有する。クリップ40は、遠位柄縁部32から近位柄縁部31に向かって突出している。クリップ40は、柄30に連結されたクリップベース41と、自由端42とを有する。クリップ40は、典型的には、クリップベース41から自由端42に向かって延びる起伏43を有する。クリップ40は、柄のサイドアーム33及び34と一緒になって、さじ20が可撓性の袋に締結される際の締結装置としての機能を果たすことができる。理論に制限されるものではないが、クリップは柄と一体化されているので、さじは、可撓性の袋に締結するために、別の材料又は装置を必要としないと考えられる。クリップは、遠位柄縁部から近位柄縁部及びくぼみ部に向かって突出するので、さじが可撓性の袋に締結されると、クリップ、柄のサイドアーム及びくぼみ頂縁部は、可撓性の袋の外部表面と接触し得る。このことは、接触安定性の増加をもたらす(図6参照)。本明細書で使用するとき、「遠位柄縁部から近位柄縁部に向かって突出する」というフレーズは、クリップ40が、遠位柄縁部32から概ねくぼみ部21に向かって延びることを示す(図11も参照)。
【0015】
図1において、クリップ40は、クリップベース41から自由端42に向かって延びる起伏43を有する。起伏43は、クリップベース41に隣接する凸部52を有する。クリップ40は、凸部52と自由端42との間に凹部56を有する。理論に制限されるものではないが、起伏は、可撓性材料への締結力、及び、くるくると巻かれた可撓性材料がクリップによって保持され得る狭い空間、の両方を提供すると考えられる。この起伏はまた、クリップが、保存中に、可撓性の袋から外れて偶然に抜け落ちる又は弾け飛ぶ可能性を低減する。この種の起伏は、保存中、及び/又は可撓性材料がクリップの下に寄せ集められたときに、クリップの力が同じ量の横方向への動き/横力に変換されないので、真っすぐなクリップよりも有意に良好に、さじを可撓性の袋上に保持することが見出された。
【0016】
クリップ40は、上面46と、上面46と反対側の底面47とを有する。上面46はさじ20の上部側Tにあり、底面47はさじ20の底部側Bにある。凸部52は、クリップベース41から上部側方向に斜めに上昇される。凹部56は、凸部52から底部側方向に斜めに下降される。自由端42は、凹部56から上部側方向に再度斜めに上昇される。凸部52の底部側Bには、滞留空間58が存在する。
【0017】
上面46上の起伏43の形状はまた、消費者がこのさじを使用して製品を分配するときに、消費者にその上に親指を楽に置くように促し、かつ、手のひらでクリップを保持するように促すという点で、極めて人間工学的である。これはまた作用点を提供し、この作用点は、クリップを指先だけで保持する場合と比べて、すくうことをより容易にし、かつ指及び手首の緊張を低減する。凹部56の底面47の形状は、さじが可撓性の袋を締結するときに、可撓性の袋に対する締結部としての機能を果たすことができる。
【0018】
図1において、くぼみ部21は、第1のくぼみ側壁部26、第2のくぼみ側壁部27、及び/又はくぼみ前壁部25に、任意の計測マーク70を有する。消費者が、異なる状況で(例えば、洗濯物が多い、非常に汚れた洗濯物等)使用する製品の量を確定できるようにするために、計測マーク70を使用することができる。
【0019】
くぼみ部21は、製造及び/又は保管中に、さじを積み重ねやすく及び積み重ねた山から取り出しやすくするために、その中に1つ以上の積み重ねタブ72を有してもよい。積み重ねタブ72は、くぼみ部21の内部に位置してもよい。くぼみ部は、最大約8個の積み重ねタブ、約1〜約6個のタブ、又は約2〜約4個の積み重ねタブを有してもよい。積み重ねタブは、くぼみ部と一体化された小片であってもよい。積み重ねタブは、分配活動を妨げないだけ十分に小さくなければならず、くぼみ底部から突出して位置してもよい。積み重ねタブは、約3mm〜約20mm、約4mm〜約15mm、又は約5mm〜約10mmの高さを有してもよい。理論に制限されるものではないが、積み重ねタブは、複数のさじが一緒に積み重ねられるときに、次のさじにくっつくことを防止することができる。製造されたさじは、製品製造ラインで積み重ねられる可能性があるので、このことは、さじの製造プロセスにおいて特に重要である。複数のさじは、可撓性の袋の充填プロセスで袋の中に入れられるときに、次々と積み重ねられてもよい。上部のさじの底部は、下部のさじの底部上に置かれ得る。積み重ねタブは、底部が互いに接触することができないように障壁を提供することができるので、くぼみ部の内部に位置する積み重ねタブは、2つのさじがくっつくことを防止することができる。
【0020】
くぼみ部21のオーバーフロー量は、典型的には、約5mL〜約450mL、約20mL〜約320mL、又は約30mL〜約150mLである。くぼみ部21のオーバーフロー量は、さじの中に安定して保持されることができる水の最大容量によって測定されることができる。図1に示されるさじ20のくぼみ頂縁部29の外縁は、円形縁部を有する略矩形である。上部側Tから見たくぼみ頂縁部29の外縁は、所望により鋭角隅部又は丸い隅部を有する、略円形、略楕円形、略多角形(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等)などであってもよい。これらの形状は、その審美性、又はある種の機能性で選ぶことができる。例えば、さじは、粒状の洗剤製品と共に可撓性の袋の中に含まれてもよい。複数の可撓性の袋は、積み重ねられることができる。そのとき、一番下にある可撓性の袋に含まれるさじは、大重量を受ける場合がある。そのとき、可撓性の袋内部のさじは、可撓性の袋を内部から引き裂く可能性がある。そのような場合には、隅部が丸い形状は、鋭い縁部が少ないので、可撓性の袋への刺激が少ないものであり得る。別の場合には、ある種の袋形状と一致させるために、及び/又はより高い構造的剛性を目的として、隅部が鋭角のさじが好ましい場合がある。
【0021】
図2は、図1のさじの底面図を示す。クリップは、クリップ40の凹部56の位置に又は凹部56あたりにグリッパ60を有する。クリップ40は3つのグリッパ60を有し、それらの全ては波線である。グリッパは、底面からの高さを有し、この高さは、約0.1mm〜約5mm、約0.2mm〜約3mm、又は約0.3mm〜約2mmであってもよい。グリッパ60は、クリップ40の底面47から突出し、約0.5mmの高さを有する。クリップは、底面上に少なくとも1つのグリッパを有する。グリッパは、リブ、線、及び/又はドットであり得るが、グリッパがクリップから外へと突出する場合、これらに限定されない。クリップは、約1〜約20個、約2〜15個、又は約3〜約10個のグリッパを有してもよい。グリッパは、さじが可撓性の袋に締結されたときに、この可撓性の袋に対する摩擦を増加させる。このことは、クリップが偶発的に滑る、及び袋が偶発的に開くことを少なくする。
【0022】
図2では、くぼみ部21は、くぼみ部幅Wを有する。くぼみ部幅Wは、第1のくぼみ側壁部26と第2のくぼみ側壁部27との間の最大距離である。柄30は、柄幅Wを有する。柄幅Wは、第1のサイドアーム33の外側縁部から、第2のサイドアーム34の対向する外側縁部までの最大距離である。くぼみ部幅Wは、柄幅Wよりも大きくてもよい。柄幅Wは、くぼみ部幅Wの少なくとも約50%、約50%〜約150%、約60%〜約125%、又は約70%〜約110%である。図2の実施形態では、柄幅Wは、くぼみ部幅Wの約87%である。柄幅Wは大きく、くぼみ部幅Wとほぼ等しいので、本発明のさじは、バッグから固まった粉末洗剤を掘り出す又はほぐすためにさじを使用するときなど、保持により安定性があり得、高荷重を受けての曲げに対して耐性があり得、使用中により容易にひねることができる。更に、大きな柄幅は、消費者、特に手が関節炎である可能性がある高齢者が、より容易にさじをつかんで使用するように、取り扱いを改善するのに役立ち得る。このような人間工学的な幅広の柄はまた、さじを使用する際により大きなてこの作用をもたらすことができ、それにより、さじの使用が全体的により快適なものとなる。
【0023】
柄はまた、最小柄幅WMINを有してもよく、これは柄の最小の幅である。WMINは、近位柄縁部31と遠位柄縁部32との間に位置する。最小柄幅WMINは、柄幅Wの約75%超過、約75%〜約99%、又は約80%〜約95%であってもよい。理論に制限されるものではないが、より狭い最小柄幅を有する柄は、より人間工学的であり、また、幅が全長に沿って一定である柄よりも握り心地がよいと考えられる。しかしながら、最小柄幅WMINが小さくなり過ぎると、消費者は、柄の破壊、又は容認できない屈曲の原因となり得る構造問題を有するようになる。したがって、本明細書における最小柄幅WMINは、最適な結果を達成するために、人間工学的安定性と構造的安定性との均衡を保たせる。
【0024】
図3は、図1のさじの側面図を示す。自由端42は、凹部56から上部側Tへと斜めに上昇される。自由端42の先端部は、柄30の上部側によって形成される平面から高さhだけ分離されてもよく、この高さhは、約2mm〜約10mm、約2.5mm〜約8mm、又は約3mm〜約7mmである。この分離により、クリップが可撓性の袋と係合しかつ可撓性の袋をしっかりとクリップするまで、単に柄の上部側を可撓性の袋に沿って下に滑らせることによってさじを可撓性の袋上に片手でクリップすることが可能になるので、この分離は、さじの使いやすさを有意に改善する。以下の図5の説明を更に参照されたい。
【0025】
図4は、図2の線4−4に沿って見たときのクリップの断面図を示す。クリップ40は、柄30に連結されたクリップベース41と、自由端42とを有する。クリップベース41は遠位柄縁部32に連結されている。クリップ40は、クリップベース41から自由端42に向かって延びる起伏43を有する。上部側Tから見ると、起伏43は、凸部52と、凸部52に隣接する凹部56とを含む正弦波形状を有する。図4において、凸部52は、クリップベース41に隣接して位置する。
【0026】
可撓性の袋(図5の100を参照)がさじ20に挿入されると、可撓性の袋は、クリップ40と柄30との間に滑り込まされる。自由端42は、柄30の上方にあるので、消費者は簡単に、可撓性の袋(図5の100を参照)をクリップ40の下に片手で滑り込ませて、クリップ40、柄30、及び/又はグリッパ60によって可撓性の袋を適所に保持させることができる。
【0027】
図5は、可撓性の袋の斜視図を示し、この袋の開口部は、本発明のさじによって、折り畳まれて締結されている。消費者が、まず、内部に製品を収容している可撓性の袋100を開くと、可撓性の袋100の一部は切断又は引き離されて、外縁102に開口部を形成する。開口部は、一部の製品を可撓性の袋100の外に取り出すためにさじ20を使用するのに十分なだけ広い。その後、内部の製品がこぼれることを防止するため、及び/又は水分又は空気が開いた可撓性の袋100に入ることを防止するため、開いた可撓性の袋100を再び閉じる必要があり得る。
【0028】
さじ20は、特に、可撓性の袋100を再び閉じるために、外縁102がそれ自体の上に少なくとも1回、2回、3回、又は4回巻かれた又は折り畳まれた可撓性の袋100に締結されてもよい。図5では、外縁102は、それ自体の上に3回折り畳まれている。クリップ40を使用するために、可撓性の袋100を自由端42に近付け、その後、可撓性の袋100を、自由端(図6の42を参照)、凹部(図6の56を参照)を越えてクリップベース41に向けて滑らせ、次に、凸部(図6の52を参照)によってさじ20の底部側Bに形成されたクリップの滞留空間(図6の58を参照)に滑り込ませることによって、折り畳まれた外縁102を起伏43の中の底面47の下に導く。理論に制限されるものではないが、このクリップ設計は、保存中にさじが滑って可撓性の袋からから外れることを低減すると考えられる。さじ20が折り畳まれた外縁102に滑り込まされると、折り畳まれた外縁102が再度開くことを防止する。さじ20が折り畳まれた外縁102に滑り込まされるとき、折った部分の幅は、典型的には、約3mm〜約30mm、約4mm〜約25mm、又は約5mm〜約20mmであってもよい。折り畳まれた外縁102を凸部52の下に締結することによって、さじ20は可撓性の袋100に締結され、折り畳まれた外縁102の閉じた状態が、さじ20によって維持される。典型的には、本明細書のさじは、さじの上部側を可撓性の袋に接して維持することによって、このプロセス中にさじが外側に突出することを低減する。
【0029】
図6は、クリップ40を示すために反対方向から見た、図5の実施形態を示す。折り畳まれた外縁102は、さじ20のクリップ40によって締結されている。凸部52は、折り畳まれた外縁102を収容するための滞留空間58を提供する。起伏は、さじを可撓性の袋により良好に固定するのに役立ち得る。クリップベース41及び凹部56は、折り畳まれた外縁102を閉じた状態に保持する。クリップ40は、遠位柄縁部32から近位柄縁部31に向かって突出する。さじ20が可撓性の袋100に締結されると、くぼみ頂縁部29は可撓性の袋100と接触して、さじ20と可撓性の袋100との隆起した接触面をもたらす。その結果、本明細書のクリップは、さじと可撓性の袋の締結を安定させるのに更に役立つ。
【0030】
図7は、図6の線7−7に沿って見たときの、クリップを有する可撓性の袋の断面図を示す。可撓性の袋100の折り畳まれた外縁102にクリップ40が締結されると、1個以上のグリッパ60は、存在する場合、おそらく可撓性の袋100と接触する。グリッパ60は、さじ20と可撓性の袋100との間の摩擦を増加させることによって、クリップ40を可撓性の袋100によりしっかりと締結することができる。このことは、さじ20が可撓性の袋100から滑ることを低減及び/又は防止することを助けることができる。折り畳まれた外縁102は、さじ20のクリップ40と柄30との間に滑り込む。可撓性の袋100の折り畳まれた外縁102に沿ってさじ20が滑ると、さじ20は、クリップベース41の位置で折り畳まれた外縁102の縁部と接触し得る。折り畳まれた外縁102が滞留空間58内で停止すると、折り畳まれた外縁102は、凸部52と柄30との間にロックされ得る。その結果、可撓性の袋100の外縁102はしっかりと保持されて、可撓性の袋100が開かない、又は水分及び空気が入らないようにすることを確実にする。
【0031】
クリップ40の自由端42に関しては、クリップ40の可撓性によって、ユーザーは、可撓性の袋100の一部を、クリップ40と柄30との間の滞留空間58の中に容易に滑り込ませることができるようになる。図7では、クリップ40は、底面47から突出する3個のグリッパ60を有する。
【0032】
本明細書の実施形態では、クリップベース41は、この時点での破損を防止又は低減するために補強されてもよい。クリップ40は、クリップベース41の位置で最も撓むので、使用中及び保存中に応力及びひずみの大半が集中するのはこの場所である。したがって、例えば、異なる材料(例えば、所望により、より弾性、より剛性等)でこの部分を厚くする、この部分を薄くする、及び/又はこの場所に集中する応力に対処するために、追加の構造要素を加えるなどして、クリップベースを補強してもよい。本明細書の実施形態では、クリップベース41は、クリップ40の隣接部分よりも、約1%〜約100%厚い、又は約5%〜約50%厚い、又は約7%〜約25%厚い。本明細書の実施形態では、クリップベース41は、柄30の隣接部分よりも、約1%〜約100%厚い、又は約5%〜約50%厚い、又は約7%〜約25%厚い。
【0033】
図8は、クリップ40の底面47から突出しているグリッパの実施形態を示す。図8のグリッパ160は、一列に配置された3個の隆起したドットである。グリッパ160は、可撓性の袋(図7の100を参照)との摩擦を最大にするために、凹部56の頂点に位置している。これらグリッパ160は、さじと可撓性の袋との接触を強化することができ、かつ、滑りを防止することができる。
【0034】
図9は、クリップ40の底面47から突出しているグリッパの別の実施形態を示す。図9のグリッパ260は4本の線である。
【0035】
図10は、柄30の上部表面46から突出しているグリッパの実施形態を示す。図10のグリッパ360は、隆起したドットであり、クリップ40の凹部56の頂点の向かいの柄30上に位置している。さじが可撓性の袋に滑り込まされると、このグリッパの位置もまた、さじと可撓性の袋との間の摩擦を高めることができる。
【0036】
図11は、図1のさじの上面図を示す。クリップ40は、クリップの向きが、くぼみ部21の上方のスペースを横断するように形成され得る。より具体的には、クリップ40は、自由端42の中心とクリップベース41の中心とを連結する、仮想クリップ中心線Lを有する。仮想中心線Lは、くぼみ部21の上方のスペースを横断し得る。この構成は、多大なくぼみ頂縁部29が可撓性の袋と接触し得るので、可撓性の袋にさじ20をより良好に締結することを助けることができる。クリップ40は、くぼみ部21の方へ直接向かって延び、くぼみ部21に対してほぼ垂直である。さじ20は、水平線L、及び水平線Lに対して垂直な垂直線Lに延びる。具体的には、クリップの中心線Lは垂直線Lに対して垂直である。理論に制限されるものではないが、くぼみ頂縁部及び柄は、さじが可撓性の袋上にクリップされたときにそこから滑ることを低減するために、可撓性の袋に最大限の摩擦を及ぼすことができるので、このような垂直なさじは最大限のグリップを可能にし得ると考えられる。別の実施形態では、クリップ40はくぼみ部21に向かって延びるが、垂直から約+/−15°未満、約+/−10°未満、又は約+/−7°未満の小さい角度でオフセットされる。クリップがオフセットされると、仮想中心線Lもまた、くぼみ縁部に対して垂直にオフセットされ得る。理論に制限されるものではないが、このような小さな角度は、片手で簡単にクリップすることを可能にすることができ、また、左利き使用又は右利き使用のいずれか用にカスタマイズされることができると考えられる。
【0037】
上述のように、グリッパは、所望により、クリップ又は柄上のいずれかに位置して、グリッパが可撓性バッグと接触して、可撓性バッグが滑らないようにすることができる。
【0038】
さじと可撓性の袋との間の摩擦は、例えば、さじの表面仕上げを変更する、並びに/又は、クリップ及び/若しくは柄の表面材料を変更するなどして、それらの間の摩擦係数を増加させることによって増加し得る。摩擦を増加させるために、可撓性の袋の少なくとも一部は、例えば、ゴム、パラフィン、セロファン等を加えることによって、変更されていない可撓性の袋よりも高い摩擦係数を有する材料でコーティングされてもよく、また、プラスチック製造分野で既知の種々のプロセスによって添加されてもよい。本明細書の実施形態では、グリッパは、さじ自体に共射出成形されたゴムから作製される。
【0039】
表面材料及び/又はコーティング材は、ポリビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、及びポリエステルからなる群から選択されてもよい。
【0040】
上述のように、本明細書のさじは、可撓性の袋に締結されてもよく、特に、可撓性の袋の外縁の、巻かれた又は折り畳まれた形状を維持することができる。可撓性の袋を開いた後、さじは、可撓性の袋の外部表面に締結され得る。したがって、消費者は、内部にあるさじのために可撓性の袋の中に手を入れずに、袋からさじを取り外して、さじを容易に使用することができる。
【0041】
クリップは、クリップベースから自由端までの長さを有することができ、この長さは、約2cm〜約10cm、約3cm〜約9cm、又は約4cm〜約8cmである。
【0042】
本明細書のさじは射出成形されてもよく、この成形は、耐久性がありかつ頑丈な最終製品をもたらすという利点を有する。
【0043】
本発明は更に、上述のようなさじと、可撓性の袋とを含むキットに関する。消費者は、本明細書のさじを、可撓性の袋と一緒に使用することができる。可撓性の袋を開いた後、外縁は、例えば、折り畳む又は巻くことによって閉じられる必要がある。内部の製品が外部の水分又は空気と接触することができないように、折り畳まれた又は巻かれた外縁はまた、締結具が必要である。この目的のため、本明細書のさじを使用して、外縁を締結することができる。本明細書のキットが流通(例えば、小売店)に供されるとき、さじは、可撓性の袋の内部に含まれてもよい。そうでなければ、さじは、可撓性の袋の外部表面に取り付けられてもよい。
【0044】
これに加えて、又は別の方法として、可撓性の袋は、開口部にジッパー閉止装置を有してもよい。ジッパー閉止装置は、可撓性の袋に損傷を与えることなく、繰り返し開閉されることができる。可撓性の袋がジッパー閉止装置によって再び閉じられる場合、可撓性の袋は完全に閉じられて、外部環境をシャットアウトすることができる。ジッパー閉止装置を使用すると、袋を折り畳む又は巻くことなく、袋に収容された製品を、水分又は空気から保護することが可能になり得る。
【0045】
本明細書のさじは、好適な種類の材料、典型的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、及びこれらの組み合わせ、又はポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらの組み合わせなどの、プラスチック材料で形成され得る。
【0046】
可撓性の袋は、約0.01mm〜約5mm、約0.02mm〜約4mm、又は約0.03mm〜約3mmの厚さを有することができる。可撓性の袋に使用される材料としては、熱可塑性材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等)、紙材(例えば、紙、厚紙等)、ゴム材料等を挙げることができるが、これらに限定されない。可撓性の袋は、固形製品、液体製品及び/又はゲル製品からなる群から選択される製品を収容することができる。本明細書の製品は、タブレット、ゲルタブ、溶けるパウチ、及び/又はこれらの組み合わせなどの単位化された投入量の製品であってもよい。本明細書の実施形態では、製品は、固形製品、特に粒状製品である。製品としては、例えば、繊維用洗剤、繊維強化剤、硬質表面用洗剤、漂白剤、コーヒー豆、コーヒー粉、粉ミルク、ペットフード等を挙げることができる。
【0047】
本明細書のさじは、透明、半透明、又は不透明であってもよい。本明細書のさじは、少なくとも1色を含んでもよく、2〜5色を含んでもよい。そのような色は、さじの異なる部分、異なる材料を示してもよく、原産地又はブランドを示してもよく、純粋に審美的理由であってもよく、以下同様である。
【0048】
本明細書で説明した実施例及び実施形態は例示の目的だけであって、様々な修正又は変更が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって想起されるであろうと理解される。
【0049】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0050】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0051】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
さじであって、
(1)くぼみ縁部とくぼみ部幅とを含むくぼみ部と、
(2)柄であって、
(i)前記くぼみ縁部に連結された近位柄縁部、
(ii)前記近位柄縁部と対向する遠位柄縁部、及び
(iii)柄幅、を含む、柄と、を含み、
前記柄が、前記遠位柄縁部に連結されたクリップベースを含むクリップを含み、前記クリップは、前記遠位柄縁部から前記近位柄縁部に向かって突出しており、前記クリップが、前記クリップベースの反対側の自由端を含み、
前記柄幅が、前記くぼみ部幅の少なくとも約50%である、さじ。
【請求項2】
前記柄幅が、前記くぼみ部幅の約50%〜約150%である、請求項1に記載のさじ。
【請求項3】
前記クリップが、前記クリップベースから前記自由端に向かって延びる起伏を更に含む、請求項1に記載のさじ。
【請求項4】
前記起伏が、凸部部分と、前記凸部形状に隣接する凹部部分とを含む正弦波形状を含む、請求項2に記載のさじ。
【請求項5】
前記柄が、第1のサイドアームと、前記第1のサイドアームに対して実質的に平行な第2のサイドアームとを含み、前記第1のサイドアーム及び前記第2のサイドアームが、それぞれ、前記近位柄縁部から前記遠位柄縁部へと延びる、請求項1に記載のさじ。
【請求項6】
前記さじが、上部側と底部側とを更に含み、前記クリップが、前記凹部から前記自由端へと前記上部側方向に斜めに上昇される、請求項1に記載のさじ。
【請求項7】
少なくとも1つのグリッパを更に含む、請求項1に記載のさじ。
【請求項8】
前記グリッパが、リブ、ドット、線、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載のさじ。
【請求項9】
前記グリッパが、前記クリップ上に位置する、請求項6に記載のさじ。
【請求項10】
前記グリッパが、前記柄上に位置する、請求項6に記載のさじ。
【請求項11】
前記くぼみ部が、矩形、円形、楕円形、多角形、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される形状を含む頂縁部外縁を含む、請求項1に記載のさじ。
【請求項12】
前記さじがプラスチックを含む、請求項1に記載のさじ。
【請求項13】
前記プラスチックが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載のさじ。
【請求項14】
前記クリップが、前記ベースから前記自由端までの長さを含み、前記長さが、約2cm〜約10cmである、請求項1に記載のさじ。
【請求項15】
前記くぼみ部が、約5mL〜約450mLのオーバーフロー量を有する、請求項1に記載のさじ。
【請求項16】
(1)内部に製品を含む可撓性の袋と、
(2)請求項1に記載のさじと、を含む、キット。
【請求項17】
前記可撓性の袋が、粒状製品、液体製品、及びタブレット製品からなる群から選択される製品を含む、請求項15に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−530558(P2012−530558A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516384(P2012−516384)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/039563
【国際公開番号】WO2011/002638
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】