説明

クリーニング装置及び画像形成装置

【課題】 転写後の像保持部材の表面に残留するトナーをクリーニング部材によってトナー回収部に回収し、このトナーを回転する搬送部材によって搬送させるクリーニング装置において、像保持部材の表面に残留するトナーを長期にわたって安定して除去できるようにする。
【解決手段】 転写後の感光体10の表面にクリーニング部材21を圧接させて、感光体の表面に残留するトナーtをトナー回収部22に回収し、回収されたトナーを回転する搬送部材23によって搬送させるクリーニング装置20において、クリーニング装置を感光体に対して回動可能に設け、搬送部材に回転を伝達させる回転伝達部材25を搬送部材の回転軸23aに取り付けられた回転部材24と接触して回転させて、クリーニング装置を感光体に押し付ける方向に付勢させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機などの画像形成装置及びこのような画像形成装置においてトナー像が転写された後の像保持部材の表面に残留するトナーを除去するのに使用するクリーニング装置に関するものである。特に、トナー像が転写された後の像保持部材の表面にクリーニング部材を圧接させて、像保持部材の表面に残留するトナーをこのクリーニング部材によってトナー回収部に回収し、このトナー回収部に回収されたトナーを回転する搬送部材によって搬送させるようにしたクリーニング装置において、上記のクリーニング部材が像保持部材の表面に適切に圧接されて、トナー像が転写された後の像保持部材の表面に残留するトナーを長期にわたって安定して除去できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機などの画像形成装置においては、一般に、感光体に形成されたトナー像を中間転写ベルト等の中間転写体や記録媒体に転写させた後、また中間転写体に転写されたトナー像を記録媒体に転写させた後、上記の感光体や中間転写体からなる像保持部材の表面に残留するトナーをクリーニング装置によって除去させるようにしている。
【0003】
ここで、従来においては、例えば、図1に示すように、感光体や中間転写体などの像保持部材1の表面に残留するトナーtをクリーニング装置2によって除去させるにあたり、トナー像を転写させた後の像保持部材1の表面に、板状のクリーニングブレードからなるクリーニング部材2aの端部を圧接させ、像保持部材1の表面に残留するトナーtをこのクリーニング部材2aによって除去し、このように除去させたトナーtをクリーニング装置2の内部のトナー回収部2bに回収するようにしている。
【0004】
そして、このクリーニング装置2の内部に設けられた搬送部材2cを回転させて、この搬送部材2cによって上記のようにトナー回収部2bに回収したトナーtを搬送させて、廃トナー容器(図示せず)などに導くようにしている。
【0005】
ここで、上記のクリーニング装置2を長く使用すると、像保持部材1の表面に圧接させたクリーニング部材2aが次第に摩耗したり、変形したりして、像保持部材1の表面に残留するトナーtをクリーニング部材2aによって適切に除去することができなくなるという問題があった。
【0006】
また、像保持部材1の表面に残留するトナーtの量が多い場合、例えば、ベタ画像のような画像部分が多いトナー像や、画像濃度の高いトナー像を転写させた後の像保持部材1においては、その表面には多くのトナーtが残留し、このように多く残留するトナーtを、クリーニング部材2aによって像保持部材1の表面から十分に除去することができなくなり、またクリーニング部材2aによって像保持部材1の表面から除去されてトナー回収部2bに回収されたトナーtが、上記の搬送部材2cによって十分に搬送されずに、トナー回収部2bに詰まったりするという問題もあった。
【0007】
そして、従来においては、像保持部材1の表面に圧接させるクリーニング部材2aの圧接力を変動させるための装置等を別個に設け、画像形成時以外には像保持部材1の表面に圧接させるクリーニング部材2aの圧接力を弱くしたり、クリーニング部材2aを像保持部材1の表面から離間させたり、また像保持部材1の表面に残留するトナーtの量が多い場合には、像保持部材1の表面に圧接させるクリーニング部材2aの圧接力を強くしたりすることが提案されている。
【0008】
しかし、このように像保持部材1の表面に圧接させるクリーニング部材2aの圧接力を変動させるための装置等を別個に設ける場合には、コストが高くつくと共に装置が大型化する等の問題があった。
【0009】
また、従来においては、特許文献1に示されるように、上記のようなクリーニング装置を像保持部材に対して回動できるようにして位置決め保持させ、像保持部材の表面に残留するトナーを除去するクリーニング時に、クリーニング部材が振動したり、クリーニング部材が回転する像保持部材に引っ張られて反転したりするのを防止するようにしたものが提案されている。
【0010】
しかし、この特許文献1に示されるものにおいても、従来のように、クリーニング装置を長く使用すると、像保持部材の表面に圧接させたクリーニング部材が次第に摩耗したり、変形したりした場合や、像保持部材の表面に残留するトナーの量が多く変動した場合において、像保持部材の表面に残留するトナーをクリーニング部材によって適切に除去することができなくなる等の問題を解決することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−109821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、トナー像が転写された後の像保持部材の表面にクリーニング部材を圧接させて、像保持部材の表面に残留するトナーをこのクリーニング部材によってトナー回収部に回収し、このトナー回収部に回収されたトナーを回転する搬送部材によって搬送させるようにしたクリーニング装置における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0013】
すなわち、本発明においては、上記のようなクリーニング装置において、クリーニング部材が像保持部材の表面に適切に圧接されて、トナー像が転写された後の像保持部材の表面に残留するトナーの量が変動した場合等においても、像保持部材の表面に残留するトナーをクリーニング部材により長期にわたって安定して除去できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明におけるクリーニング装置においては、上記のような課題を解決するため、トナー像が転写された後の像保持部材の表面にクリーニング部材を圧接させて、像保持部材の表面に残留するトナーをこのクリーニング部材によってトナー回収部に回収し、このトナー回収部に回収されたトナーを回転する搬送部材によって搬送させるクリーニング装置において、このクリーニング装置が像保持部材に対して回動可能に設けられると共に、上記の搬送部材に回転を伝達させる回転伝達部材が、この搬送部材の回転軸に取り付けられた回転部材と接触して設けられ、この回転伝達部材と回転部材とが接触して回転して、像保持部材に対して回動可能に設けられたクリーニング装置が、像保持部材に押し付けられる方向に付勢されることを特徴とする。
【0015】
そして、このクリーニング装置においては、上記の搬送部材に回転を伝達させる回転伝達部材の回転数を変更させることにより、クリーニング装置を像保持部材に向けて押し付ける方向に付勢する力が変更され、この回転伝達部材の回転数を増加させると、クリーニング部材が像保持部材の表面に圧接される力が増加する共に、搬送部材の回転数が増加して、トナー回収部に回収されたトナーがこの搬送部材によって速やかに搬送されるようになる。
【0016】
このため、像保持部材の表面に残留するトナーの量が多くなった場合には、上記の回転伝達部材の回転数を増加させて、クリーニング部材を像保持部材の表面に圧接される力を増加させる共に、搬送部材の回転数を増加させて、トナー回収部に回収されたトナーをこの搬送部材によって速やかに搬送させることが好ましい。
【0017】
また、クリーニング装置の使用期間が長くなって、クリーニング装置におけるクリーニング部材が摩耗したり、変形したりして、像保持部材の表面に対するクリーニング部材の圧接力が弱くなった場合にも、上記の回転伝達部材の回転数を増加させて、クリーニング部材を像保持部材の表面に圧接される力を増加させることが好ましい。
【0018】
また、このクリーニング装置において、搬送部材に回転を伝達させる回転伝達部材と、搬送部材の回転軸に取り付けられた回転部材とを接触して回転させた場合に、像保持部材に対して回動可能に設けられたクリーニング装置が適切に回動されて、像保持部材に押し付けられる方向に付勢されるようにするため、像保持部材に対して回動可能に設けられるクリーニング装置の回動中心を、回転伝達部材の回転軸の位置に一致させることが好ましい。
【0019】
ここで、上記のクリーニング装置によって残留するトナーを除去させる像保持部材は、感光体であっても、この感光体からトナー像が転写される中間転写体であってもよい。
【0020】
そして、本発明における画像形成装置においては、トナー像が転写された後の感光体や、トナー像が転写された後の中間転写体に残留しているトナーを除去するのに、上記のようなクリーニング装置を用いるようにした。
【発明の効果】
【0021】
本発明のクリーニング装置においては、トナー像が転写された後の像保持部材の表面にクリーニング部材を圧接させ、像保持部材の表面から除去させてトナー回収部に回収したトナーを回転する搬送部材によって搬送させるにあたり、搬送部材に回転を伝達させる回転伝達部材を搬送部材の回転軸に取り付けられた回転部材と接触して回転させ、像保持部材に対して回動可能に設けたクリーニング装置を像保持部材に押し付けられる方向に付勢させるようにしたため、上記の回転伝達部材の回転数を変更させることにより、クリーニング装置を像保持部材に向けて押し付ける方向に付勢する力を変更させて、クリーニング部材を像保持部材の表面に圧接させる力を調整すると共に、トナー回収部に回収されたトナーを搬送部材によって搬送させる速度を変更することができる。
【0022】
このため、本発明のクリーニング装置においては、像保持部材の表面に残留するトナーの量に応じて、クリーニング部材を像保持部材の表面に圧接させる力を適切に調整できると共に、トナー回収部に回収されたトナーを搬送部材によって適切に搬送できるようになり、またクリーニング部材が摩耗したり、変形したりして、像保持部材の表面に対するクリーニング部材の圧接力が弱くなった場合にも、クリーニング部材を像保持部材の表面に圧接される力を増加させることが簡単に行えるようになる。
【0023】
この結果、本発明のクリーニング装置においては、クリーニング部材を像保持部材の表面に適切に圧接させて、トナー像が転写された後の像保持部材の表面に残留するトナーの量が変動した場合等においても、像保持部材の表面に残留するトナーを、クリーニング部材により長期にわたって安定して除去できるようになる。
【0024】
また、このクリーニング装置を用いた本発明の画像形成装置においては、像保持部材の表面に残留するトナーが長期にわたって適切に除去され、クリーニング不良等のない良好な画像形成が長期にわたって安定して行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】像保持部材の表面に残留するトナーをクリーニング装置によって除去する従来例を示した概略説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るクリーニング装置を用いた画像形成装置によって画像形成を行う状態を示した概略説明図である。
【図3】上記の実施形態に係る画像形成装置において、感光体の表面に残留するトナーを第1のクリーニング装置によって除去する状態を示した概略説明図である。
【図4】上記の第1のクリーニング装置において、搬送部材の回転軸に取り付けられた回転部材と、搬送部材に回転を伝達させる回転伝達部材とを接触させて回転させ、第1のクリーニング装置を感光体に押し付ける方向に付勢させる状態を示した概略説明図である。
【図5】上記の実施形態に係る画像形成装置において、中間転写体の表面に残留するトナーを第2のクリーニング装置によって除去する状態を示した概略説明図である。
【図6】上記の第2のクリーニング装置において、搬送部材の回転軸に取り付けられた回転部材と、搬送部材に回転を伝達させる回転伝達部材とを接触させて回転させて、第2のクリーニング装置を中間転写体に押し付ける方向に付勢させる状態を示した概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置及びクリーニング装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る画像形成装置及びクリーニング装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0027】
この実施形態に係る画像形成装置においては、図2に示すように、トナー像が形成される4つの感光体(像保持部材)10に対応させて、現像剤を収容させた4つの現像装置13を設け、各現像装置13においては、それぞれの現像剤におけるトナーの色彩を異ならせて、黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色のトナーを用いている。
【0028】
ここで、この画像形成装置においては、上記の各感光体10を回転させて、各感光体10の表面をそれぞれ帯電装置11によって帯電させ、このように帯電された各感光体10に対して、それぞれ潜像形成装置12により画像形成情報に従った露光を行い、各感光体10の表面にそれぞれ静電潜像を形成するようにしている。
【0029】
そして、このように静電潜像が形成された各感光体10に対して、それぞれ対応する現像装置13から所定の色彩のトナーを各感光体10の静電潜像に供給して現像を行い、各感光体10の表面にそれぞれの色彩のトナー像を形成するようにしている。
【0030】
次いで、上記のように各感光体10に形成された各色彩のトナー像を、複数の回転ローラ14aに架け渡されて回転駆動される無端ベルト状になった中間転写体(像保持部材)14の表面に、上記の各感光体10と対向して設けられた各一次転写ローラ15により順々に一次転写させて、この中間転写体14の表面にフルカラーのトナー像を形成するようにしている。
【0031】
また、上記の中間転写体14に転写されずに各感光体10の表面に残留しているトナーを、それぞれ第1のクリーニング装置20によって、各感光体10の表面から除去するようにしている。
【0032】
そして、上記のように中間転写体14の上に形成されたフルカラーのトナー像を、この中間転写体14により二次転写ローラ16と対向する位置に導くと共に、この画像形成装置の下部に収容された記録シートSを上記の中間転写体14と二次転写ローラ16との間に導き、中間転写体14の上に形成されたフルカラーのトナー像を、二次転写ローラ16により記録シートSに転写させるようにしている。
【0033】
その後、フルカラーのトナー像が転写された記録シートSを定着装置17に導いて、転写されたフルカラーのトナー像を記録シートSに定着させた後、このようにフルカラーのトナー像が定着された記録シートSを排紙させるようにしている。
【0034】
また、上記の記録シートSに転写されずに中間転写体14に残ったトナーを、第2のクリーニング装置30によって中間転写体14から除去させるようにしている。
【0035】
ここで、上記の各感光体10の表面に残留しているトナーを、上記の第1のクリーニング装置20によって除去するにあたり、この実施形態においては、図3に示すように、板状のクリーニングブレードからなるクリーニング部材21の端部を、感光体10の軸方向に沿ってトナーtが残留している感光体10の表面に圧接させ、このクリーニング部材21により、感光体10の表面からトナーtを離脱させて、第1のクリーニング装置20の内部におけるトナー回収部22に回収するようにしている。
【0036】
また、第1のクリーニング装置20内においては、回転軸23aの外周に搬送羽根23bが設けられた搬送部材23を、上記のクリーニング部材21に沿って設け、この搬送部材23を回転させて、トナー回収部22に回収されたトナーtをこの搬送部材23により搬送させ、廃トナー容器(図示せず)などに導くようにしている。
【0037】
ここで、この実施形態における第1のクリーニング装置20においては、図4に示すように、この第1のクリーニング装置20内から突出された搬送部材23の回転軸23aに回転部材24を取り付けると共に、この搬送部材23に回転を伝達させる回転伝達部材25を上記の回転部材24と接触するように設け、この回転伝達部材25を回転部材24と接触させて回転させて、搬送部材23を回転させるようにしている。なお、上記のように接触して回転させる回転部材24や回転伝達部材25としては、回転ギアや摩擦ローラ等を用いることができる。
【0038】
また、この実施形態における第1のクリーニング装置20においては、上記の回転伝達部材25の回転軸25aを回動中心Oとして、この第1のクリーニング装置20を感光体10に対して回動可能に設けている。
【0039】
そして、この第1のクリーニング装置20において、上記の回転伝達部材25と回転部材24とが接触して回転すると、回転伝達部材25と回転部材24とが接触する部分においてその接線方向に力Fが作用し、この力Fにより第1のクリーニング装置20が回転伝達部材25の回転軸25aを回動中心Oとして感光体10側に回動するようになる。そして、クリーニング部材21が感光体10を押圧する方向と、回転伝達部材25と回転部材24とが接触する部分の接線方向とのなす角度をθとした場合には、このクリーニング部材21に対して感光体10に押圧する方向の力Fa=Fcosθが作用するようになる。
【0040】
このため、上記の回転伝達部材25の回転数を少なくすると、回転伝達部材25と回転部材24とが接触する部分において、その接線方向に作用する力Fが小さくなり、クリーニング部材21を感光体10に押圧する方向に作用する力Faが小さくなると共に、回転伝達部材25によって回転される搬送部材23の回転数が減少する。
【0041】
一方、上記の回転伝達部材25の回転数を多くすると、回転伝達部材25と回転部材24とが接触する部分において、その接線方向に作用する力Fが大きくなり、クリーニング部材21を感光体10に押圧する方向に作用する力Faが大きくなると共に、回転伝達部材25によって回転される搬送部材23の回転数が増加し、トナー回収部22に回収されたトナーtがこの搬送部材23によって速やかに搬送されるようになる。
【0042】
そして、例えば、ベタ画像のような画像部分が多いトナー像や、画像濃度の高いトナー像を転写させた後のように、感光体10の表面に残留するトナーtの量が多い場合には、上記の回転伝達部材25の回転数を多くして、クリーニング部材21を感光体10に押圧する方向に作用する力Faを大きくすると共に、回転伝達部材25によって回転される搬送部材23の回転数を増加させるようにする。
【0043】
このようにすると、クリーニング部材21が感光体10の表面に強く圧接されて、感光体10の表面に多く残留するトナーtが、クリーニング部材21により十分に除去されてトナー回収部22に回収されると共に、トナー回収部22に回収されたトナーtが搬送部材23によって速やかに搬送されるようになる。
【0044】
この結果、感光体10の表面に残留するトナーtの量が多い場合においても、残留するトナーtが感光体10の表面から適切に除去されてクリーニング不良が発生するのが防止されると共に、トナー回収部22に回収されたトナーtがトナー回収部22に蓄積されて詰まるということもなくなる。
【0045】
また、この第1のクリーニング装置20を長く使用した結果、クリーニング部材21が摩耗したり、変形したりした場合においても、上記のように回転伝達部材25の回転数を多くして、クリーニング部材21を感光体10に押圧する方向に作用する力Faを大きくすることにより、感光体10の表面に残留するトナーtが、クリーニング部材21により十分に除去されてトナー回収部22に回収されるようになる。
【0046】
一方、例えば、画像部分が少ないトナー像や、画像濃度の低いトナー像を転写させた後のように、感光体10の表面に残留するトナーtの量が少ない場合には、上記の回転伝達部材25の回転数を少なくして、クリーニング部材21を感光体10に押圧する方向に作用する力Faを小さくする。なお、この場合には、回転伝達部材25によって回転される搬送部材23の回転数を少なくなる。
【0047】
このようにすると、感光体10の表面に対するクリーニング部材21の圧接力が弱くなるが、感光体10の表面に残留しているトナーtが少ないため、このクリーニング部材21により感光体10の表面に残留しているトナーtが十分に除去されてトナー回収部22に回収されるようになると共に、クリーニング部材21が摩耗したり、変形したりするのが防止されるようになる。また、トナー回収部22に回収されるトナーtの量も少ないため、上記のように搬送部材23の回転数が少なくなっても、回収されたトナーtが搬送部材23によって適切に搬送されるようになる。
【0048】
また、上記の中間転写体14に残留しているトナーを、上記の第2のクリーニング装置30によって除去するにあたり、この実施形態においては、上記の第1のクリーニング装置20の場合と同様に、図5に示すように、板状のクリーニングブレードからなるクリーニング部材31の端部を、中間転写体14の軸方向に沿ってトナーtが残留している中間転写体14の表面に圧接させ、このクリーニング部材31により、中間転写体14の表面からトナーtを離脱させて、第2のクリーニング装置30の内部におけるトナー回収部32に回収するようにしている。
【0049】
そして、第2のクリーニング装置30内においては、回転軸33aの外周に搬送羽根33bが設けられた搬送部材33を、上記のクリーニング部材31に沿って設け、この搬送部材33を回転させて、上記のトナー回収部32に回収されたトナーtを搬送させ、廃トナー容器(図示せず)などに導くようにしている。
【0050】
また、この第2のクリーニング装置30においても、図6に示すように、第2のクリーニング装置30内から突出された搬送部材33の回転軸33aに回転部材34を取り付け、この搬送部材33に回転を伝達させる回転伝達部材35を上記の回転部材34と接触するように設けると共に、この回転伝達部材35の回転軸35aを回動中心Oとして、この第2のクリーニング装置30が中間転写体14に対して回動できるように設けている。
【0051】
そして、この第2のクリーニング装置30において、上記の回転伝達部材35と回転部材34とが接触して回転すると、回転伝達部材35と回転部材34とが接触する部分においてその接線方向に力Fが作用し、この力Fにより第2のクリーニング装置30が、回転伝達部材35の回転軸35aを回動中心Oとして中間転写体14側に回動するようになる。また、上記のクリーニング部材31が中間転写体14を押圧する方向と、回転伝達部材35と回転部材34とが接触する部分の接線方向とのなす角度をθとした場合には、このクリーニング部材31に対して中間転写体14に押圧する方向の力Fa=Fcosθが作用するようになる。
【0052】
このため、上記の第1のクリーニング装置20の場合と同様に、回転伝達部材35の回転数を少なくすると、回転伝達部材35と回転部材34とが接触する部分においてその接線方向に作用する力Fが小さくなり、クリーニング部材31を中間転写体14に押圧する方向に作用する力Faが小さくなると共に、回転伝達部材35によって回転される搬送部材33の回転数が減少する。
【0053】
一方、上記の回転伝達部材35の回転数を多くすると、回転伝達部材35と回転部材34とが接触する部分においてその接線方向に作用する力Fが大きくなり、クリーニング部材31を中間転写体14に押圧する方向に作用する力Faが大きくなると共に、回転伝達部材35によって回転される搬送部材33の回転数が増加し、トナー回収部32に回収されたトナーtがこの搬送部材33によって速やかに搬送されるようになる。
【0054】
この結果、この第2のクリーニング装置30においても、上記の第1のクリーニング装置20の場合と同様に、中間転写体14に残留するトナーtの量に対応して、回転伝達部材35の回転数を適切に制御することになり、中間転写体14に残留するトナーtが、クリーニング部材31により適切に除去されてトナー回収部32に回収されると共に、このようにトナー回収部32に回収されたトナーtが搬送部材33により適切に搬送されるようになり、上記の第1のクリーニング装置20の場合と同様の作用効果が得られるようになる。
【符号の説明】
【0055】
10 感光体(像保持部材)
11 帯電装置
12 潜像形成装置
13 現像装置
14 中間転写体(像保持部材)
14a 回転ローラ
15 一次転写ローラ
16 二次転写ローラ
17 定着装置
20 第1のクリーニング装置
21 クリーニング部材
22 トナー回収部
23 搬送部材
23a 回転軸
23b 搬送羽根
24 回転部材
25 回転伝達部材
25a 回転軸
30 第2のクリーニング装置
31 クリーニング部材
32 トナー回収部
33 搬送部材
33a 回転軸
33b 搬送羽根
34 回転部材
35 回転伝達部材
35a 回転軸
O 回転中心
S 記録シート
t トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が転写された後の像保持部材の表面にクリーニング部材を圧接させて、像保持部材の表面に残留するトナーをこのクリーニング部材によってトナー回収部に回収し、このトナー回収部に回収されたトナーを回転する搬送部材によって搬送させるクリーニング装置において、このクリーニング装置が像保持部材に対して回動可能に設けられると共に、上記の搬送部材に回転を伝達させる回転伝達部材が、この搬送部材の回転軸に取り付けられた回転部材と接触して設けられ、この回転伝達部材と回転部材とが接触して回転して、像保持部材に対して回動可能に保持されたクリーニング装置が、像保持部材に押し付けられる方向に付勢されることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項2】
請求項1に記載したクリーニング装置において、クリーニング装置を像保持部材に対して回動可能に保持させる回動中心が、上記の回転伝達部材の回転軸の位置と一致していることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載したクリーニング装置において、像保持部材の表面に残留するトナーの量が多くなるに従って、上記の回転伝達部材の回転数を増加させることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のクリーニング装置において、クリーニング装置の使用期間が長くなるに従って、上記の回転伝達部材の回転数を増加させることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のクリーニング装置において、上記の像保持部材が、感光体であることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のクリーニング装置において、上記の像保持部材が、感光体からトナー像が転写される中間転写体であることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のクリーニング装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−185409(P2012−185409A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49747(P2011−49747)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】