説明

クリーンユニット、クリーンユニットシステム、機能ユニット、機能ユニットシステム、材料処理方法、素子製造方法、細胞系育成方法および植物体育成方法

クリーンな環境に維持することができる作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部を設けたクリーンユニットを複数、実行しようとするプロセスに応じて、折れ線状配置、ループ状配置などで連結してクリーンユニットシステムを構成する。各クリーンユニットに小型のプロセス装置や小型の観察装置などを設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、クリーンユニット、クリーンユニットシステム、機能ユニット、機能ユニットシステム、材料処理方法、素子製造方法、細胞系育成方法および植物体育成方法に関し、例えば、半導体素子を始めとした各種の機能素子の製造や植物工場あるいは植物の形質改変などに適用して好適なものである。
【背景技術】
従来の、半導体LSI、液晶ディスプレイなどの電子素子・電子機器製造用クリーンルーム、バイオ・食品用クリーンルーム、人工光源利用植物工場は、全体として大きな箱状の空間を用いていた。その結果、大規模でコストが高い、高額な機器が必要、小回りが効かない、植物育成が最適化されていない、などの問題があった。
例えば、超LSIに代表される半導体素子などの高機能素子の製造には、材料投入から始まり、膜形成、UV(紫外線)あるいはEUV(極紫外線)を用いたフォトリソグラフィーや電子線リソグラフィーなどのリソグラフィー、エッチング、熱処理などの様々なプロセスを経て製品アウトプットに至る一貫プロセスが必要である。この製造プロセスは従来、高度に管理された巨大なクリーンルームの中に配置された成膜装置、リソグラフィー装置、エッチング装置、熱処理装置などの大型、高価かつ高度に精密な製造装置間で基板を受け渡すことで実現されてきた。したがって、従来の高機能素子の製造は、広大な敷地に巨大な建物を建設することが必要であるばかりでなく、各種の製造装置を生産する装置産業に立脚している。また、同様な問題は、上記製造装置をバイオ技術や食品加工に関連する装置に置き換えれば、そのままバイオクリーンリーム、食品加工のクリーンルームについても生じている。
このような理由により、一般に、ナノテクベンチャーやバイオベンチャーなど製造業ベンチャーは、ITベンチャーに比べ、固定資産など設備投資が重くのしかかり、損益分岐点が上昇してしまい、企業化の成功確率は高くなかった。これは一般に、基礎研究と産業化との間に横たわる「デス・バレー(death valley)」として深く憂慮されてきた。
すなわち、従来の高機能素子を製造する産業においては、IT、特にソフトウエア産業と比べて設備投資や固定資産維持の負担が大きく、ナノテクノロジーを主業務とする製造業ベンチャーがなかなか興り難い状況にあると言える。
ナノテクノロジーがその本来の可能性を開花させるには、LSIのムーアの法則などに代表される、素子の微細化の進展には巨大精密インフラおよび装置が必要である、とのパラダイムからの脱却を図る必要がある。
しかしながら、以下に述べるように、ソフトウエアベンチャー並に固定資産の維持の負担が低いハードウエアベンチャーを興すことを可能にする安価で小回りの効く小規模の製造装置あるいはミニファブシステムは従来知られておらず、取り分け、クリーンルームを必要としない製造装置に関する有効な提案はなされていない。
クリーンルームを用いることなくクリーンな作業空間を提供する技術については従来より提案されている。
例えば、クリーンな環境での作業を可能とする作業台として、作業空間の開口部から外気を取り入れ、この空気をフィルターでろ過して作業空間の上部から作業空間内に吹き出す作業台であって、作業空間の側面または背面に作業空間と外部とを連通する連通路を設け、この連通路に物体収納空間を形成し、物体空間の両側に外部と作業空間とを仕切る開閉手段を設けたものが提案されている(特開平2−15984号公報(文献1))。
また、無塵状態で作業するクリーンベンチにおいて、側面にチャッキング機構を有する開口部を設け、複数のクリーンベンチの連結を可能としたものが提案されている(特開平1−171646号公報(文献2))。
また、内部をクリーンな環境にして移動可能な箱であって、この箱には複数のフィルターと送風機とを備えたものにおいて、上部に粗フィルターと高捕集フィルターとを設け、下部にすのこ板と下部フィルターとを設け、一方の側面に被加工物を出し入れする開閉蓋を設け、他の側面にグローブを設けるとともに、前記粗フィルターと高捕集フィルターとの間に前記送風機を設けたポータブルクリーンボックスが提案されている(特開平2−107384号公報(文献3))。
また、感染病原菌を処理、取り扱いするためのクリーンボックスにおいて、複数本の殺菌用加熱管と作業箱内の空気を加熱管内に強制的に送り込む手段とを有する加熱殺菌装置付クリーンボックスが提案されている(実開昭51−156692号公報(文献4))。
また、箱状ケーシングの一面に吹出口を、他面のうち少なくとも二面に格別の吸込口を形成し、それらを吸込口から取り入れた気体を前記吹出口から吐き出させるファン、および、前記吹出口から吐き出させる気体を浄化するフィルターを前記ケーシングに内装し、前記吸込口のそれぞれを選択的に閉じるための蓋に対する固定具を設けた気体浄化ユニットが提案されている(実開昭61−145240号公報(文献5))。
また、複数の隔室を連結したクリーンスペーステクノロジーの製作ライン用の製作装置が提案されている(特開平3−7838号公報(文献6))。
また、クリーンモジュールを多数個連結してクリーン空間を形成した、クリーントンネルと称するものが提案されている(特許第2517112号明細書(文献7))。これは、クリーンモジュール間に分割板を挿入することにより最小限の外部開放にとどめ、クリーン環境の破壊を最小にとどめようとする工夫である。
また、複数のクリーンベンチユニットを連結手段によって気密的に連結し、各クリーンベンチユニット内の作業空間を連結してクリーンルーム環境を備えた気密通路を長さ方向に調整可能に形成したクリーンベンチモジュールシステムが提案されている(特開平5−157302号公報(文献8))。
また、特開平6−267806号公報(文献9)には、モジュールにより構成されるマルチチェンバー装置について記載されている。
なお、特許第3116675号明細書(文献10)には半導体レーザについて記載され、KAST平成13年度研究概要p.1−26、(財)神奈川科学技術アカデミー、平成14年7月10日発行(文献11)にはマイクロケミカルリアクターについて記載されている。また、M.R.Schroeder,”Fractals,chaos,power laws:minutes from an infinite paradise”,W.H.Freeman and Company,NY.,1990,p.11(文献12)にはヒルベルト曲線について記載されている。
上記の文献1〜8で提案された作業台、クリーンベンチ、クリーンボックス、グローブボックスなどのクリーンユニットの中には、クラス10のクリーン環境を得ることができるものがあるが、このクリーンユニット自体がある程度(クラス1000程度)の清浄環境に置かれることが必要であり、また、これらの単独のクリーンユニットでは、その内部で閉じた完結作業しかできなかった。
上記の文献1、2、6、7、8には、クリーンな環境を維持したまま複数のプロセスを行うために、複数のクリーンユニットを連結することが提案されているが、いずれもクリーンユニットを左右方向に連結する単一直線状の配置しか取ることができなかった。このため、トータルな一連のプロセスに必要な数のクリーンユニットを連結しようとすると、その方向に長い設置スペースが必要であり、このクリーンユニットシステムを収容する建物の長さもそれに応じて大きくならざるを得なかった。
上記の文献9に記載されたマルチチェンバー装置は、各モジュールについては一方向の接続しかできず、モジュール間接続の拡張性やフレキシビリティーに乏しい。
また、トータルな一連のプロセスにおいて最上流のプロセスから最下流のプロセスに至る間には、例えば、レジスト塗布、マスク合わせ、露光、現像、エッチングなどのプロセスが、間に他のプロセスを挟んで繰り返し現れることが多い。このような場合に、これらのプロセスを行うクリーンユニットを何個も上記の単一直線状配置で連結するのでは、クリーンユニットシステムを構成するクリーンユニットの数が膨大になり、かえってクリーンルームを用意した方が、同じ製造装置の使い回しができるため有利であるということになってしまい、巨大設備投資の呪縛から逃れられない。
さらに、単一直線状のクリーンユニット配置を維持したまま、しかも、同種のプロセスには同じクリーンユニットを何度も使い回すということを頑迷に実行しようとすると、上記の単一直線状のクリーンユニット配置において、何度も上流のクリーンユニットと下流のクリーンユニットとの間で行き来させねばならず、作業効率の低下がはなはだしい。これに加えて、クリーンユニット同士の連結部を通して基板などの被処理物を搬送する際に落下などの思わぬ事故も起こりかねず、歩留まりが低下するおそれがある。
したがって、この発明が解決しようとする課題は、以上のような状況に鑑み、従来のように大掛かりで小回りが効かず、巨大な設備投資や固定資産負担が必要な巨大なクリーンルームを用いることなく、クリーンな環境を容易に得ることができ、また、一直線状にしか連結できない従来のクリーンユニットの持つ空間利用効率の悪さを解決し、トータルのパフォーマンスを投資的にも作業効率的にも部屋の面積有効利用的にも最大化することができ、目的に応じたトータルな一連のプロセスフローに対応してプロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができるクリーンユニットシステムおよびこれに用いて好適なクリーンユニットを提供することにある。
この発明が解決しようとする課題は、より一般的には、上記のクリーンユニットシステムもその一部分集合として、より広範な内部環境パラメータ(例えば、温度、湿度、気体成分、照明の光スペクトルなど)を制御することができる機能ユニットシステムおよびこれに用いて好適な機能ユニットを提供することにある。
この発明が解決しようとする他の課題は、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、植物工場技術などの分野に亘ってトータルな一連のプロセスフローに対応して材料処理プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる材料処理方法を提供することにある。
この発明が解決しようとするさらに他の課題は、トータルな一連のプロセスフローに対応して素子製造プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる素子製造方法を提供することにある。
この発明が解決しようとするさらに他の課題は、トータルな一連のプロセスフローに対応して細胞系育成プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる細胞系育成方法を提供することにある。
この発明が解決しようとするさらに他の課題は、トータルな一連のプロセスフローに対応して植物体育成プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる植物体育成方法を提供することにある。
そして、この発明が解決しようとする最終課題は、従来全く別々の建物や部屋で行われていたナノテクノロジー、バイオテクノロジー、植物工場などの各分野の技術を一つの融合プラットフォーム上で統合的に一体処理することができる環境を提供することにある。
上記課題およびその他の課題は、添付図面を参照した本明細書の以下の記述により明らかとなるであろう。
【発明の開示】
上記課題を解決するために、第1の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室と、
作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有することを特徴とするクリーンユニットである。
作業室の連結部を後部、上部、下部および二つの側部のどこに設けるかは、クリーンユニットを二次元的(平面的)または三次元的(立体的)にどのように配置するかに応じて適宜決められる。例えば、クリーンユニットを水平面内に配置する場合、連結の自由度を大きくし、クリーンユニットシステムのフレキシビリティーを高めるためには、好適には、連結部は、作業室の後部および両側部にそれぞれ設けられる。この場合、一つのクリーンユニットに対し、後部および両側部に合計三つのクリーンユニットを連結することが可能である。また、クリーンユニットを鉛直面内に配置する場合、連結の自由度を大きくし、クリーンユニットシステムのフレキシビリティーを高めるためには、好適には、連結部は、作業室の上部または下部および両側部にそれぞれ設けられる。この場合、一つのクリーンユニットに対し、上部または下部および両側部に合計三つのクリーンユニットを連結することが可能である。連結部は、一般的には、作業室の壁に設けられた開口部とこの開口部を開閉可能に設けられた遮断板とを有する。この遮断板は、開閉可能である限り、基本的にはどのようなものであってもよいが、典型的には、引き戸や扉などである。この遮断板の開閉は、手動で行ってもよいし、光センサーなどのセンサーを作業室内部に取り付けるとともに、遮断板の開閉機構を設け、オペレーターの手や試料が遮断板に近づいた時に自動的に開閉するようにしてもよい。また、作業室にベルトコンベアーなどの搬送機構を設け、入り口と出口との間でこの搬送機構により試料を搬送する場合には、試料が搬送機構により出口付近まで搬送された時、これをセンサーにより検知して遮断板を開閉機構により開閉するようにしてもよい。遮断板または作業室の壁面にパッキンなどのシール部材を設けて遮断時の気密性を高めるようにしてもよい。
作業室は、その中でどのような作業(あるいはプロセス)を行うかによっても異なるが、クリーンな環境において化学プロセス、化学反応、結晶成長、バイオプロセスなどを実行するような場合、典型的には排気ダクト、および送風動力を有しないパッシブな防塵フィルターを有する。これらの排気ダクトおよび防塵フィルターは、典型的には作業室の上部に設置される。この場合、一般的には、クリーンユニットは密閉タイプであるが、これに限定されるものではない。これに対し、作業室内で非化学プロセス(例えば、表面プローブ顕微鏡による物理測定や検査やアセンブル(組立)作業)を実行するような場合、作業室は、典型的には、圧力制御用などの通風孔および送風動力を有するアクティブな防塵フィルター(例えば、HEPAフィルターやULPAフィルターなど)を有する。典型的には、防塵フィルターは作業室の上部に設けられ、通風孔は作業室の側壁下部に設けられる。この場合、一般的には、クリーンユニットは、通風孔により作業室の内部圧力を制御する開放系タイプであるが、これに限定されるものではない。作業室には、圧力制御用などの通風孔に加えて、配線などを通すためなどの目的で一つまたは二つ以上の孔が設けられることがある。作業室から流出する気体が、吸着装置または除害装置またはそれらの両方を経た後、アクティブな防塵フィルターの入り口に入るように構成し、さらに、好適には吸着装置および/または除害装置に外界に繋がる排気ダクトが設けることで、気体中に含まれる有害微粒子などを吸着し、あるいは有害ガスを無害化してから外部に排出するようにすることにより、有害微粒子や有毒ガスなどの発生を伴うバイオプロセス(細胞培養、細胞融合、遺伝子組み替え、植物体育成、形質改変など)や化学プロセスなどにも適用することができる。また、通風孔から流出する気体がアクティブな防塵フィルターの入り口に入るように構成することにより、同じ防塵フィルターを用いていながら、作業室の清浄度の大幅な向上を図ることができる。作業室の清浄度の向上の観点からは、最も好適には、作業室の通風孔などから流出する気体の全て(100%)がアクティブな防塵フィルターの入り口に入るように構成されるが、必ずしもそのようにする必要はなく、流出する気体の一部がアクティブな防塵フィルターの入り口に入るように構成するだけでも効果を得ることができる。典型的には、作業室に直結された気密性を有する管がアクティブな防塵フィルターの入り口に繋がっていることにより気体が循環するように構成され、かつ気密性を有するようにする。作業室は、必要に応じて作業用のグローブを有し、これは通常、作業室の前部に設けられる。
クリーンユニットは、例えば、ナノテクノロジープロセスユニットやバイオテクノロジープロセスユニットであり、各種のプロセスに用いることができる。
クリーンユニットは、例えばドラフト、クリーンベンチ、グローブボックスなどであるが、これに限定されるものではない。
クリーンユニットの作業室の形状は種々の形状であってよく、必要に応じて選ばれるが、具体例を挙げると、直方体状または立方体状、直方体または立方体を変形した形状、球状、半球状、楕円体状、円筒状などであってよい。また、作業室の内部の大きさは、基本的には使用目的などに応じて設計により適宜決定するものであるが、例えば、オペレーターがグローブなどを用いて作業室の内部で各種の作業(プロセスの実行、クリーニングなどのメンテナンスの実施など)を行うことができるようにするためには、作業室内に外部から手を入れて作業空間のほぼ全体に届く大きさであることが望ましく、一般的には幅、高さ、奥行きとも1m以内に選ばれる。一方、作業室の大きさがあまりに小さすぎると、作業に支障を来すおそれがあるため、一般的には30cm程度以上に選ばれる。作業室内に外部から手を入れて作業を行う必要がない場合、例えば作業を自動化する場合には、作業室の大きさをより小さくすることが可能である。
作業室は、板状のハードな部材により構成するほか、風船あるいはバルーン状のソフトな材料を用いて構成してもよい。
クリーンユニットの内部には、使用目的に応じて、コンパクトな装置を収めることができる。この装置は、具体的には、例えば、後述のような各種のプロセス装置、ラッピング装置、解析装置(例えば、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)などの走査プローブ顕微鏡(SPM)など)、反応装置、マイクロケミカルシステム、マイクロケミカルリアクター、露光装置、エッチング装置、成長装置、加工装置、殺菌装置、粒径フィルター、人工光源、バイオ装置、食品加工装置、検査装置、駆動装置などである。人工光源としては、細胞系の育成や植物体の育成を行う場合、好適には、スペクトル半値幅が30nm以下の発光ダイオードや半導体レーザ、特にパルス駆動半導体レーザが用いられる。
第2の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
複数のクリーンユニットのうちの少なくとも一つのクリーンユニットが、
クリーンな環境に維持することができる作業室と、
作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有することを特徴とするものである。
複数のクリーンユニットは、その全てが、クリーンな環境に維持することができる作業室と、作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有するクリーンユニットであってもよく、また、このクリーンユニットと従来の左右方向のみ連結可能なクリーンユニットとが混在したものであってもよい。
このクリーンユニットシステムは、例えば、非単一直線状配置、左右方向あるいは上下方向あるいは前後方向の折れ線状配置、枝状配置、ループ状配置またはそれらの二つ以上が混合した配置でクリーンユニットが連結された部分を含み、全体がそれらの非単一直線状配置、折れ線状配置、枝状配置、ループ状配置または混合配置であってもよい。ここで、折れ線状配置は少なくとも一つの曲がりを有するが、好適には二つ以上の曲がりを有する。一つの曲がりを有する場合の一例はL字型である。ここで言う曲がりには、例えば直角に曲がる場合のように非連続的に曲がる場合だけでなく、連続的にあるいは滑らかに曲がる場合も含まれる。したがって、例えば二つの曲がりを有する場合には、Uの字型に曲がる場合も含まれる。折れ線状配置に関して述べた以上のことは、以下においても同様である。
クリーンな環境に維持することができる作業室と、作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有する上記のクリーンユニットについては、第1の発明に関連して述べたことが成立する。
第3の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
非単一直線状配置または折れ線状配置でクリーンユニットが連結された部分を含むことを特徴とするものである。
第4の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
複数のクリーンユニットのうちの少なくとも一つのクリーンユニットは複数の連結部を有し、この複数の連結部は、試料が当該連結部を通過する際の方向が互いに非平行または互いに直交する少なくとも二つの連結部を含むことを特徴とするものである。
第5の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
複数のクリーンユニットのうちの少なくとも一組の隣接するクリーンユニットにおいて、一方のクリーンユニットの出口を試料が通過する方向と他方のクリーンユニットの入り口を当該試料が通過する方向とが互いに非平行または互いに直交することを特徴とするものである。
第6の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
所定の有限エリアに収まるように折れ線状配置でクリーンユニットが連結されていることを特徴とするものである。
第7の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
ループ状配置でクリーンユニットが連結された部分を含むことを特徴とするものである。
第8の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
複数のクリーンユニットはモザイク状配置で連結された複数種類のクリーンユニットを含むことを特徴とするものである。
ここで、複数のクリーンユニットには、例えば、ドラフト、クリーンベンチ、グローブボックスなどが含まれる。実行するプロセスに着目すると、複数のクリーンユニットには、化学プロセスユニット、非化学プロセスユニット、バイオプロセスユニットなどが含まれる。複数のクリーンユニットは、例えば、ループ状配置でクリーンユニットが連結された部分を含んでもよい。
第9の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
トータルな一連のプロセスフローの中で複数回現れる同種類のプロセスを、複数のクリーンユニットにループ状配置でクリーンユニットが連結された部分を設けることにより、同一のクリーンユニットにおいて実行可能であることを特徴とするものである。
第10の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムを用いて材料を処理する材料処理方法において、
複数のクリーンユニットは互いに種類が異なるコンパクトな装置をそれぞれ内部に有する複数のクリーンユニットが折れ線状配置またはループ状配置で連結された部分を含み、この部分においてトータルな一連の作業フローの全部または主要部を一貫して実行するようにしたことを特徴とするものである。
ここで、材料の処理には、エッチングなどの加工のほか、熱処理、成膜、ドーピング、改質、殺菌、抗菌処理などの各種の処理が含まれる。また、材料は各種のものであってよく、無機材料、有機材料、無機有機複合材料、バイオ材料などが含まれる。
第11の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムを用いて素子を製造する素子製造方法において、
複数のクリーンユニットは互いに種類が異なるコンパクトな装置をそれぞれ内部に有する複数のクリーンユニットが折れ線状配置またはループ状配置で連結された部分を含み、この部分においてトータルな一連のプロセスフローのプロセスの全部または主要部を一貫して実行するようにしたことを特徴とするものである。
ここで、素子には、半導体素子などの各種電子素子のほか、バイオ素子、バイオエレクトロニクス素子などが含まれる。
第12の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムを用いて細胞系を育成する細胞系育成方法において、
複数のクリーンユニットは互いに種類が異なるコンパクトな装置をそれぞれ内部に有する複数のクリーンユニットが折れ線状配置またはループ状配置で連結された部分を含み、この部分においてトータルな一連のプロセスフローのプロセスの全部または主要部を一貫して実行するようにしたことを特徴とするものである。
ここで、細胞系の育成には、およそ細胞の育成を伴うものであればどのようなものも含まれ、細胞培養はその一例である。
第13の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムを用いて植物体を育成する植物体育成方法において、
複数のクリーンユニットは互いに種類が異なるコンパクトな装置をそれぞれ内部に有する複数のクリーンユニットが折れ線状配置またはループ状配置で連結された部分を含み、この部分においてトータルな一連のプロセスフローのプロセスの全部または主要部を一貫して実行するようにしたことを特徴とするものである。
ここで、植物体の育成には、好適には、すでに述べた人工光源が用いられるが、それに限定されるものではない。
第3〜第13の発明において、好適には、複数のクリーンユニットのうちの少なくとも一つのクリーンユニットが、クリーンな環境に維持することができる作業室と、作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有する。複数のクリーンユニットの全てがこのようなクリーンユニットであってもよい。このクリーンユニットについては、第1の発明に関連して述べたことが成立する。
第14の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室と、
作業室に設けられた排気ダクトおよびパッシブな防塵フィルターとを有することを特徴とするクリーンユニットである。
ここで、このクリーンユニットは、作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部を有するものであっても、そうでなくてもよい。前者の場合については、その性質に反しない限り、第1の発明に関連して述べたことが成立する。以下に説明する第15の発明においても同様である。作業室は、典型的には化学プロセス装置を有するが、それに限定されるものではない。
第15の発明は、
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
複数のクリーンユニットのうちの少なくとも一つのクリーンユニットが、
クリーンな環境に維持することができる作業室と、
作業室に設けられた排気ダクトおよびパッシブな防塵フィルターとを有することを特徴とするものである。
第2〜第9および第15の発明において、クリーンユニットシステムは、各種用途に用いることができ、例えば、ナノテクノロジープロセスユニットやバイオテクノロジープロセスユニットを用いることにより、ナノテクノロジープロセスシステムやバイオテクノロジープロセスシステムなどの各種のプロセスシステムを得ることができ、さらには、ナノテクノロジープロセスユニットおよびバイオテクノロジープロセスユニットを組み合わせることにより、ナノ・バイオ融合プラットフォームを実現することができる。このことは、以下のクリーンユニットシステムにおいても同様である。このクリーンユニットシステムは、具体的には、材料処理システム(無機材料プロセスシステムや有機材料プロセスシステム)、素子製造システム、細胞系育成システム、植物体育成システムなどである。第1図に、クリーンユニットを用途別に組み合わせてシステム化する例を模式的に示す。
また、第2〜第13および第15の発明において、複数のクリーンユニットのうちの少なくとも一つのクリーンユニットは、典型的には、例えば次に述べるようなコンパクトなプロセス装置、解析装置、反応装置、マイクロケミカルシステム、マイクロケミカルリアクター、露光装置、エッチング装置、成長装置、加工装置、殺菌装置、粒径フィルター、人工光源、バイオ装置、食品加工装置、検査装置、駆動装置などを内部に有する。
上記のクリーンユニットに搭載するプロセス装置、解析装置、反応装置、マイクロケミカルシステム、マイクロケミカルリアクター、露光装置、エッチング装置、成長装置、加工装置、殺菌装置、粒径フィルター、人工光源、バイオ装置、食品加工装置、検査装置、駆動装置などとしては、小型のクリーンユニットであってもその中に収まるような十分にコンパクトなものが好適に用いられる。例えば、クリーンユニットシステムで試料の投入から製品アウトプットまでのトータルな一連のプロセスを実行する場合、あるいは、そのプロセスの主要部を構成する一連のプロセスを実行する場合、そのプロセスフローの中で現れる種々の物理・化学処理に各々対応するプロセス装置について、このクリーンユニットに収まり得るコンパクトな装置群を用いる。これらのプロセス装置は、クリーンユニットに対して出し入れ自在に設けてもよいし、クリーンユニットに一体化してもよい。
例えば、半導体素子などの高機能素子の製造は、材料投入から製品アウトプットに至る一貫したプロセスを用いるため、高度に管理された巨大なクリーンルームの中に配置されたリソグラフィー装置やエッチング装置などの高度精密装置間で基板を受け渡すことで従来実現されてきたことは既に述べたとおりであるが、この発明においては、最近の諸テクノロジーの発展をベースに以下のような装置の置換を行い、装置のコンパクト化を行う。例えば、透過型電子顕微鏡観察や従来型の走査型電子顕微鏡観察(TEM・SEM観察)などは卓上型走査トンネル顕微鏡観察・原子間力顕微鏡観察(STM/AFM観察)あるいはミニ走査型電子顕微鏡(SEM)にて置き換える。光リソグラフィー装置としては、その露光光源をガスレーザから半導体レーザ(例えば、文献10)で置き換える。薄膜成長法に関しては、分子線エピタキシ(MBE)、有機金属気相成長法(MOCVD)といった大規模装置の使用を取り止め、マイクロケミカルリアクター(文献11)などを用いる。メタライゼーションに関しても、金属メッキ装置あるいは卓上型ミニデポジション(成膜)装置などを用いる。さらに、マイクロCVD(化学気相堆積)装置、マイクロRIE(反応性イオンエッチング)装置、ミニスピンコータ、ミニベーキング装置などを用いる。
以上の置換を行うことにより、事実上、半導体などのプロセスにおける基板投入から光リソグラフィー、電極作製、表面観察など、基板投入からロットアウトまでのプロセスの全部あるいはその主要部分を構成する一連の流れを、巨大クリーンルームを用いることなく、通常の部屋に置かれた、局所的なクリーンな閉空間(典型的には卓上スペース程度の)を包むクリーンユニットの連結体の中で一貫して完結することができる。すなわち、上記の置換による装置のコンパクト化によりクリーンユニットをテーブル上に設置可能な程度に小型化することができるので、作業室の後部および少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部が設けられた上記のクリーンユニットを折れ線状配置(つづら折り状配置など)やループ状配置などで連結することでクリーンユニットシステム全体でも小さな面積しか用いないで済む。そして、クリーンスーツ、エアシャワー、クリーンマットなどが不要となるため、ほとんど全ての作業を局所的に極めてクリーンな雰囲気下で、人体にも環境にもやさしく行うことができる。
第16の発明は、
内部環境を制御することができる作業室と、
作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有することを特徴とする機能ユニットである。
ここで、機能ユニットは、最も典型的にはクリーンユニットであるが、必ずしもクリーンユニットである必要はない。すなわち、例えば植物体の育成を行う場合、適当な光の存在は必要であるが、清浄度はあまり重要ではないため、クリーンユニットである必要はない。
作業室の内部環境のパラメータには、例えば、清浄度(一般的には所定の粒径を有する粒子数)、温度、湿度、気体成分、光スペクトル分布、光強度、光強度の時間依存性、植物栄養成分などがあり、これらのうちの少なくとも一つが制御される。内部環境の制御手段は、温度制御装置、湿度制御装置、高清浄度化装置、CO濃度などの気体成分制御装置、吸着装置、除害装置、特定波長照明器(光源)、密閉/開放環境選択機構のうちの少なくとも一つである。内部環境は手動で制御してもよいが、コンピュータにより制御することにより自動制御が可能となり、制御を正確かつ簡便に行うことが可能となる。この場合、制御情報をインターネットによりコンピュータにダウンロードし、この制御情報に基づいて内部環境の制御を行うようにしてもよい。このようにすることにより、例えば、世界あるいは日本の特定地域の環境条件と同じ条件で農作物の育成を行うことが可能となる。
第16の発明においては、その性質に反しない限り、第1の発明に関連して述べたことが成立する。
第17の発明は、
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
複数の機能ユニットのうちの少なくとも一つの機能ユニットが、
内部環境を制御することができる作業室と、
作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有することを特徴とするものである。
第18の発明は、
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
非単一直線状配置または折れ線状配置で機能ユニットが連結された部分を含むことを特徴とするものである。
第19の発明は、
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
複数の機能ユニットのうちの少なくとも一つの機能ユニットは複数の連結部を有し、この複数の連結部は、試料が当該連結部を通過する際の方向が互いに非平行または互いに直交する少なくとも二つの連結部を含むことを特徴とするものである。
第20の発明は、
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
複数の機能ユニットのうちの少なくとも一組の隣接する機能ユニットにおいて、一方の機能ユニットの出口を試料が通過する方向と他方の機能ユニットの入り口を当該試料が通過する方向とが互いに非平行または互いに直交することを特徴とするものである。
第21の発明は、
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
所定の有限エリアに収まるように折れ線状配置で機能ユニットが連結されていることを特徴とするものである。
第22の発明は、
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
ループ状配置で機能ユニットが連結された部分を含むことを特徴とするものである。
第23の発明は、
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
複数の機能ユニットはモザイク状配置で連結された複数種類の機能ユニットを含むことを特徴とするものである。
第24の発明は、
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
トータルな一連のプロセスフローの中で複数回現れる同種類のプロセスを、複数の機能ユニットにループ状配置で機能ユニットが連結された部分を設けることにより、同一の機能ユニットにおいて実行可能であることを特徴とするものである。
第17〜第24の発明においては、その性質に反しない限り、第1〜第16の発明に関連して述べたことが成立する。
上記の機能ユニットシステムは、例えば、細胞系育成システムまたは植物体育成システムであり、この場合、作業室の内部環境を、インターネットにより制御情報がダウンロードされたコンピュータにより、制御情報に基づいて制御することができる。
上述のように構成されたこの発明によれば、クリーンユニットの作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部が設けられていることにより、左右方向のみならず、後方あるいは上下部にも他のクリーンユニットを連結することができ、クリーンユニットの連結の自由度が大幅に増加する。このため、クリーンユニットを折れ線状配置やループ状配置などで連結することができ、実行するプロセスに応じて最適な配置でしかも最小の面積でクリーンユニットシステムを構成することが可能となる。また、特に、例えば、クリーンユニットの作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部が設けられ、また、作業室に通風孔およびアクティブな防塵フィルターが設けられることにより、クリーンユニットの連結の自由度が大幅に増加するだけでなく、作業室の内部をクリーンな環境に維持することができる。
また、クリーンユニットシステムが非単一直線状配置、折れ線状配置、枝状配置、ループ状配置またはそれらの二つ以上が混合した配置でクリーンユニットが連結された部分を含むことにより、実行するプロセスに応じて最適な配置でしかも最小の面積でクリーンユニットシステムを構成することが可能となる。
また、複数のクリーンユニットのうちの少なくとも一つのクリーンユニットは複数の連結部を有し、この複数の連結部は、試料が当該連結部を通過する際の方向が互いに非平行または互いに直交する少なくとも二つの連結部を含むことにより、クリーンユニットの連結の自由度が大幅に増加し、実行するプロセスに応じて最適な配置でしかも最小の面積でクリーンユニットシステムを構成することが可能となる。
また、所定の有限エリアに収まるように折れ線状配置でクリーンユニットが連結されていることにより、実行するプロセスに応じたクリーンユニットシステムを最小の面積で構成することができる。
また、複数のクリーンユニットがモザイク状配置で連結された複数種類のクリーンユニットを含むことにより、多種多様なプロセスが含まれているプロセスに最適なクリーンユニットシステムを構成することができる。
また、トータルな一連のプロセスフローの中で複数回現れる同種類のプロセスを、複数のクリーンユニットにループ状配置でクリーンユニットが連結された部分を設けることにより、同一のクリーンユニットにおいて実行可能であることにより、同種類のプロセスに必要なクリーンユニットの数を大幅に減少させることができる。
また、複数のクリーンユニットが互いに種類が異なるコンパクトな装置をそれぞれ内部に有する複数のクリーンユニットが折れ線状配置またはループ状配置で連結された部分を含み、この部分においてトータルな一連のプロセスフローのプロセスの全部または主要部を一貫して実行することにより、材料処理、素子製造、細胞系育成、植物体育成などのプロセスを効率的に実行することができる。
また、クリーンユニットの作業室に排気ダクトおよびパッシブな防塵フィルターが設けられていることにより、作業室の内部を送風動力を用いずにクリーンな環境に維持することができる。
さらに、内部環境を制御することができる機能ユニットを用いることにより、清浄度以外の内部環境パラメータ、例えば温度、湿度、光スペクトル分布、光強度などを所望の時に所望のものに容易に設定することができ、各種の用途に最適な環境条件を実現することができ、各種のプロセスに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明によるクリーンユニットの組み合わせによるシステム構成例を示す略線図、第2図A、第2図Bおよび第2図Cは、この発明の第1の実施形態によるクリーンユニットを示す上面図、正面図および側面図、第3図A、第3図Bおよび第3図Cは、この発明の第1の実施形態によるクリーンユニットに装着するトランスファーボックスを示す上面図、正面図および側面図、第4図Aおよび第4図Bは、この発明の第1の実施形態によるクリーンユニットとトランスファーボックスとの接続を説明するための側面図および正面図、第5図Aおよび第5図Bは、この発明の第1の実施形態によるクリーンユニットに装着する投入/取り出しボックスを示す側面図および正面図、第6図Aおよび第6図Bは、この発明の第1の実施形態によるクリーンユニットの使用しない連結用開口部の遮断方法を説明するための側面図および正面図、第7図A、第7図Bおよび第7図Cは、この発明の第2の実施形態によるクリーンユニットを示す上面図、正面図および側面図、第8図Aおよび第8図Bは、この発明の第3の実施形態によるクリーンユニットシステムおよび比較のための従来のクリーンユニットシステムを示す略線図、第9図は、この発明の第4の実施形態によるクリーンユニットシステムを示す略線図、第10図は、この発明の第5の実施形態によるクリーンユニットシステムを示す略線図、第11図は、この発明の第6の実施形態によるクリーンユニットシステムを示す略線図、第12図は、この発明の第7の実施形態によるクリーンユニットシステムを示す略線図、第13図は、ヒルベルト曲線を示す略線図、第14図A、第14図Bおよび第14図Cは、この発明の第8の実施形態によるクリーンユニットを示す上面図、正面図および側面図、第15図A、第15図Bおよび第15図Cは、この発明の第9の実施形態によるクリーンユニットを示す上面図、正面図および側面図、第16図は、この発明の第10の実施形態によるクリーンユニットを示す正面図、第17図は、第16図に示すクリーンユニットにより得られる清浄度の測定結果を示す略線図、第18図は、第16図に示すクリーンユニットにより得られる清浄度の時間変化を示す略線図、第19図は、この発明の第11の実施形態によるクリーンユニットシステムを示す斜視図、第20図は、この発明の第12の実施形態によるクリーンユニットシステムを示す斜視図、第21図は、この発明の第13の実施形態によるクリーンユニットを示す斜視図、第22図は、この発明の第14の実施形態による植物形質改変・育成ユニットを示す斜視図である。
【符号の説明】
11、51、601 作業室
12〜14 トランスファーボックス
52〜54、74 トランスファーボックス
107、129、172 トランスファーボックス
201〜204、317 トランスファーボックス
406、602〜604 トランスファーボックス
16 排気ダクト
17 パッシブ防塵フィルター
20 壁
20a 開口部
25 引き戸
27 投入/取り出しボックス
32、36 密閉遮断板
56 アクティブ防塵フィルター
65〜73 クリーンユニット
81〜88 クリーンユニット
101〜106 クリーンユニット
121〜128 クリーンユニット
151〜171 クリーンユニット
301〜316 クリーンユニット
401〜405 クリーンユニット
108、138、173 中継ボックス
【発明を実施するための最良の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
第2図A、第2図Bおよび第2図Cはこの発明の第1の実施形態によるクリーンユニットを示し、第2図Aは上面図、第2図Bは正面図、第2図Cは側面図である。このクリーンユニットでは、主に、ガスの発生や有機溶剤の使用などを伴う化学プロセスを行うが、これに限定されるものではない。
第2図A、第2図Bおよび第2図Cに示すように、このクリーンユニットは、六面体形状の箱状の作業室11を有する。この作業室11の両側面は互いに平行、上面および底面も互いに平行、両側面と上面、底面、前面および背面とは互いに直角であるが、前面は背面に対して非平行でその上部が背面に近づく向きに角度θ(例えば、70〜80°)だけ傾斜している。作業室11の背面および両側面にそれぞれ、クリーンユニット間のコネクターおよび搬送路を兼用するトランスファーボックス12、13、14が着脱自在に設けられている。第2図A、第2図Bおよび第2図Cには図示されていないが、これらのトランスファーボックス12、13、14が取り付けられている部分の作業室11の壁には開口部が設けられている。これらのトランスファーボックス12、13、14を用いて背面および両側面の三方向から他のクリーンユニットを連結することができるようになっているとともに、これらのトランスファーボックス12、13、14を通して試料などの搬送を行うことができるようになっている。作業室11の前面の壁には二つの円形の開口部が設けられており、これらの開口部に一対の手作業用グローブ15が装着されている。そして、これらの手作業用グローブ15にオペレーターが両手を入れて作業室11内で必要な作業を行うことができるようになっている。作業室11の上面には、排気ダクト16およびそれ自体は送風動力を持たないパッシブ防塵フィルター17が取り付けられており、これらにより作業室11の内部を例えばクラス10あるいはクラス100程度のクリーンな環境に維持することができるようになっている。このパッシブ防塵フィルター17としては、例えば、パッシブHEPAフィルターを用いることができる。
作業室11の前面は取り外し可能になっており、前面を取り外した状態でその中にプロセス装置や観察装置などの必要な装置を入れることができるようになっている。
作業室11の大きさは、その中に必要なプロセス装置などを収容することができ、かつ、オペレーターが手作業用グローブ15に両手を入れて作業室11内で必要な作業を行うことができる大きさに選ばれる。作業室11の寸法の具体例を挙げると、第2図A、第2図Bおよび第2図Cにおいて、奥行きa=50〜70cm、幅b=70〜90cm、高さh=50〜100cmである。また、作業室11を構成する材料としては、好適には、外部から内部を見ることができるようにするため、透明材料、例えばアクリル樹脂板が用いられる。機械的補強のため、このアクリル樹脂板を金属枠に取り付けるようにしてもよい。
トランスファーボックス12、13、14の寸法cは例えばc=15〜20cmである。
第3図A、第3図Bおよび第3図Cはトランスファーボックス12、13、14の構成例を示し、第3図Aは上面図、第3図Bは正面図、第3図Cは側面図である。
第3図A、第3図Bおよび第3図Cに示すように、トランスファーボックス12、13、14は、矩形断面を有する筒18の両端にこの筒18よりも一回り大きい額縁状のつば(フランジ部)19を有するものからなる。この場合、つば19の内周は筒18の内周と一致している。
次に、作業室11とトランスファーボックス12、13、14との接続の仕方について説明する。ここでは、一例として、作業室11の右側の側面にトランスファーボックス14を接続する場合について説明するが、他のトランスファーボックス12、13の接続の仕方も同様である。第4図Aおよび第4図Bに示すように、作業室11の内外を仕切る壁20にはトランスファーボックス14が取り付けられる部分に矩形の開口部20aが設けられている。また、壁20の外側の面においてこの開口部20aの直ぐ下の位置に水平方向に延びるストッパー21が設けられており、このストッパー21の両端部の上に鉛直方向に延びる一対のガイドレール22が互いに対向して平行に設けられている。これらのガイドレール22と壁20との間の隙間は、トランスファーボックス14のつば19の厚さより僅かに大きく選ばれている。そして、この隙間にトランスファーボックス14のつば19の両側部を上から差し込んでガイドレール22に沿ってスライドさせる。つば19の下端がストッパー21に接した時点でつば19とガイドレール22および壁20とがほぼ密着し、トランスファーボックス14の取り付けが終了する。
また、壁20の内側の面にも、開口部20aの直ぐ下の位置に水平方向に延びるストッパー23が設けられており、このストッパー23の両端部の上に鉛直方向に延びる一対のガイドレール24が互いに対向して平行に設けられている。そして、ガイドレール24と壁20との間の隙間に開口部20aより一回り大きい矩形の引き戸25の両側部を差し込んでガイドレール24に沿ってスライドさせる。引き戸25の下端がストッパー23に接した時点で引き戸25とガイドレール24および壁20とがほぼ密着し、壁20の内外が遮断される。ガイドレール24と壁20との間の隙間は、引き戸25の厚さより僅かに大きく選ばれている。この引き戸25には取っ手26が付いており、この取っ手26を手で持って引き戸25を上下動させることにより引き戸25の開閉を行うことができるようになっている。そして、このように引き戸25の開閉を行うことにより、作業室11の内部とトランスファーボックス14との間の連通/非連通を制御することができるようになっている。
クリーンユニットシステムを拡張する際には、内側の引き戸25を閉じた状態で、壁20の開口部20aの外側にトランスファーボックス14を装着し、さらにそれに連なる次のクリーンユニットの作業室11をこのトランスファーボックス14の他端に接続した後、この内側の引き戸25を開けることで、作業室11内にクリーンな環境を維持したまま、クリーンな領域(空間)を左右ならびに奥行き方向に拡張していくことができる。
次に、クリーンユニットへの試料の投入および取り出しの仕方について説明する。第5図Aおよび第5図Bに示すように、この試料の投入および取り出しのために、クリーンユニットの作業室11に、次のクリーンユニットを接続する代わりに投入/取り出しボックス27を取り付ける。この投入/取り出しボックス27は、トランスファーボックス12、13、14とほぼ同様な構成を有する。すなわち、この投入/取り出しボックス27は、矩形断面を有する筒28の両端にこの筒28より一回り大きい額縁状のつば(フランジ部)29を有するものからなるが、一方のつば29の下部にはストッパー30が取り付けられ、このストッパー30の両端部の上に鉛直方向に延びる一対のガイドレール31が互いに対向して平行に設けられている。つば29の内周は筒28の内周と一致している。そして、ガイドレール31とつば29との間の隙間に筒28より一回り大きい矩形の密閉遮断板32の両側部を差し込んでガイドレール31に沿ってスライドさせる。密閉遮断板32の下端がストッパー30に接した時点で密閉遮断板32とガイドレール31およびつば29とがほぼ密着し、投入/取り出しボックス27の内外が遮断される。ガイドレール31とつば29との間の隙間は、密閉遮断板32の厚さより僅かに大きく選ばれている。この密閉遮断板32には取っ手33が付いており、この取っ手33を手で持って密閉遮断板32を上下動させることによりこの密閉遮断板32の開閉を行うことができるようになっている。そして、このように密閉遮断板32の開閉を行うことにより、投入/取り出しボックス27の内部と外部との間の連通/非連通を制御することができるようになっている。投入/取り出しボックス27のクリーンユニットへの取り付け方法は、トランスファーボックス12、13、14の取り付け方法と同じであるので、説明を省略する。
次に、クリーンユニットの三箇所のコネクター部のうち、特に試料の出し入れもせず、他のクリーンユニットも連結しないコネクター部に関しては、第6図Aおよび第6図Bに示すように、壁20の外側にも、内側と同様に開閉機構が設けられている。すなわち、作業室11の壁20にストッパー34および一対のガイドレール35を取り付け、このガイドレール35と壁20との間の隙間に開口部20aより一回り大きい矩形の密閉遮断板36の両側部を差し込んでガイドレール35に沿ってスライドさせる。密閉遮断板36の下端がストッパー34に接した時点で密閉遮断板36とガイドレール35および壁20とがほぼ密着し、壁20の内外が遮断される。ガイドレール35と壁20との間の隙間は、密閉遮断板36の厚さより僅かに大きく選ばれている。この密閉遮断板36には取っ手37が付いており、この取っ手37を手で持って密閉遮断板36を上下動させることにより密閉遮断板36の開閉を行うことができるようになっている。そして、このように密閉遮断板36の開閉を行うことにより、クリーンユニットの内部と外部との間の連通/非連通を制御することができるようになっている。この場合、壁20の内側にも同様な開閉構造が設けられているため、コネクター部の壁20の両側に二重の密閉構造が備わっていることになる。このようにして、他のクリーンユニットとの接続がなく、かつトランスファーボックスも連結しない場合には、クリーンユニットの作業室11の内部の外気からの遮断を効率よく行うことができる。
第7図A、第7図Bおよび第7図Cはこの発明の第2の実施形態によるクリーンユニットを示し、第7図Aは上面図、第7図Bは正面図、第7図Cは側面図である。このクリーンユニットでは、主に、表面観察などの各種測定や検査やアセンブリなど、局所排気の必要ない、非化学的なプロセスを行うが、これに限定されるものではない。
第7図A、第7図Bおよび第7図Cに示すように、このクリーンユニットは、第2図A、第2図Bおよび第2図Cに示すクリーンユニットの作業室11と同様な構成の作業室51を有する。この作業室51の背面および両側面にはそれぞれ、クリーンユニット間のコネクターおよび搬送路を兼用するトランスファーボックス52、53、54が設けられ、これらのトランスファーボックス52、53、54を用いて背面および両側面の三方向から他のクリーンユニットを連結することができるようになっているとともに、これらのトランスファーボックス52、53、54を通して試料などの搬送を行うことができるようになっている。また、作業室51の前面には二つの円形の開口部が設けられており、これらの開口部に一対の手作業用グローブ55が装着されている。作業室51の上面には、それ自体送風動力を持つアクティブ防塵フィルター56が取り付けられており、作業室51の内部を例えばクラス10またはクラス100程度のクリーンな環境に維持することができるようになっている。この場合、排気ダクトは設けられておらず、その代わりに、作業室51の両側面の下部の隅に排気用通風孔57が設けられている。この排気用通風孔57は、アクティブ防塵フィルター56から送られた空気を作業室51の外部に排気し、アクティブ防塵フィルターの動作により加わる正圧を調節するためのものである。このアクティブ防塵フィルター56としては、例えば、アクティブHEPAフィルターを用いることができる。なお、例えば、このクリーンユニットをバイオクリーンルーム代替で用いるときには、このアクティブ防塵フィルター56に直列にイオン殺菌除去装置を加えてもよい。
上記以外の構成は第2図A、第2図Bおよび第2図Cに示すクリーンユニットの構成と同一である。
トランスファーボックス52、53、54の連結部位には、第2図A、第2図Bおよび第2図Cに示すクリーンユニットと同様に、他のクリーンユニットを連結しない場合には、外気との密閉遮断板または遮断扉を付けることも可能である。
次に、この発明の第3の実施形態によるクリーンユニットシステムについて説明する。
第8図Aはこのクリーンユニットシステムを示す。また、第8図Bはこのクリーンユニットシステムとの比較のための従来のクリーンユニットシステムを示す。
第8図Aに示すように、部屋の中に定盤61、62、63、64がそれらの間にオペレーターが入って作業を行うのに十分なスペースをあけて設置されている。そして、定盤61上にはクリーンユニット65が、定盤62上にはクリーンユニット66、67が、定盤63上にはクリーンユニット68、69、70が、定盤64上にはクリーンユニット71、72、73がそれぞれ設置されている。これらのクリーンユニット65〜73はトランスファーボックス74により連結されており、繰り返し折れ曲がったつづら折り状配置となっている。
この場合、クリーンユニット65〜73としては三方向の連結が可能な第1または第2の実施形態によるクリーンユニットが用いられており、このため上述のようにクリーンユニット65〜73をつづら折り状に配置することが可能となっている。
ただし、クリーンユニット65、69、72、73としては、左右二方向のみの連結が可能な従来のクリーンユニットを用いてもよい。
前処理、レジスト塗布、ベーキング、露光、現像、ポストベーク、エッチング(食刻)、薄膜成長、表面観察、アセンブリなどの各要素プロセスは最近の技術の進歩によりコンパクトな装置で行うことが可能になってきたので、基本的に第1の実施形態によるクリーンユニット(以下「タイプA」という)と第2の実施形態によるクリーンユニット(以下「タイプB」という)とのどちらかの中に収めることが可能である。そこで、クリーンユニット65〜73には、実行するプロセスに応じた小型のプロセス装置(成長装置、エッチング装置などの化学プロセス装置またはリソグラフィー装置、ベーク炉などの非化学プロセス装置)や小型の観察装置(AFM、STM、光学顕微鏡、SEMなど)などが設置される。例えば、クリーンユニット70内には小型の成長装置が設置される。この場合、成長装置の電源75およびオシロスコープ76がこのクリーンユニット70の近くに設置されている。
このクリーンユニットシステムを用いてプロセスや観察、測定などを実行する場合には、例えば次のようにする。すなわち、オペレーターはまず、クリーンユニット65の前方に立って試料の出し入れ部から基板(図示せず)を投入する。そして、このクリーンユニット65内で所定のプロセスなどを実行した後、作業用グローブ(図示せず)を用いて基板をトランスファーボックス74を通して次のクリーンユニット66に搬送する。次に、オペレーターはクリーンユニット66の前方に移動し、このクリーンユニット66内で所定のプロセスを実行する。このようにして、基板をクリーンユニット65〜73間で受け渡しながら順次プロセスを実行する。そして、プロセス終了後にクリーンユニット73から基板を取り出す。
以上のように、この第3の実施形態によれば、クリーンユニット65〜73をつづら折り状に配置することが可能であるので、クリーンユニットシステムの占有面積を方形に近づけることができ、このクリーンユニットシステムを設置する部屋の設計への負担を軽くするとともに、部屋のスペースの有効利用を図ることができる。
すなわち、第8図Bに示すように、左右方向にのみ連結可能なクリーンユニット81〜88を左右方向に単一直線状配置で連結した従来のクリーンユニットシステムでは、長さが極めて長くなるため、設置スペースも長くなり、部屋のスペースの使用効率が悪い。したがって、この第3の実施形態によるクリーンユニットシステムの優位性は明らかである。なお、第8図Bにおいて、符号89〜92は定盤、93は連結部を示す。
次に、この発明の第4の実施形態によるクリーンユニットシステムについて説明する。
第9図はこのクリーンユニットシステムを示す。第9図に示すように、このクリーンユニットシステムにおいては、タイプAまたはタイプBの三方向接続可能なクリーンユニット101〜106がトランスファーボックス107を介してループ状配置で連結されている。連結に使用されていないトランスファーボックス107は密閉遮断板により遮断されている。
この第4の実施形態によれば次のような利点を得ることができる。すなわち、一般に、トータルな一連のプロセスにおいては、同一のプロセスを繰り返すことがよくあるが、左右方向にのみ連結可能なクリーンユニットを左右方向に連結した単一直線状配置の従来のクリーンユニットシステムでは、同一のプロセスを繰り返し行う場合、その都度上流側のクリーンユニットに試料を戻さざるを得ないため、作業効率が極めて悪い。これに対し、この第4の実施形態によれば、クリーンユニット101〜106が3方向接続可能であるので、プロセスフローに沿ってクリーンユニット101〜106の最適なループ状の連結が可能となり、試料の無駄な搬送を伴うことなく必要な回数、何回でも一連のプロセスを繰り返すことができる。このため、一連のプロセスを効率的に行うことができる。
次に、この発明の第5の実施形態によるクリーンユニットシステムについて説明する。
第10図はこのクリーンユニットシステムを示す。第10図に示すように、このクリーンユニットシステムにおいては、タイプAまたはタイプBのクリーンユニット101〜106がトランスファーボックス107を介してループ状配置で連結されていることは第4の実施形態と同様であるが、この場合にはさらに、クリーンユニット102とクリーンユニット105とがトランスファーボックス107および中継ボックス108を介して直接連結されている。この場合、第2図A、第2図Bおよび第2図Cまたは第7図A、第7図Bおよび第7図Cにおいて、作業室の奥行きの寸法a、トランスファーボックスの寸法c、背面トランスファーボックスの、向かって右側面からの距離xがx=(a−c)/2を満たすように設計することにより、単一の構造仕様のクリーンユニット101〜106のみを用いて第10図に示すような連結を行うことができる。
以上のように、この第5の実施形態によれば、クリーンユニット101〜106がループ状配置で連結され、しかもクリーンユニット102とクリーンユニット105とがトランスファーボックス107および中継ボックス108により直接連結されていることにより、第4の実施形態と同様な利点に加え、条件判断に伴う分岐や小ループなど、より小回りの効いたプロセスを実行することが可能になる。具体的には、クリーンユニット101〜106間で順番に基板を受け渡してプロセスを実行するほかに、例えば、クリーンユニット101から出発してクリーンユニット102でプロセスを実行した後、クリーンユニット105に進んでプロセスを行うこともできる。
次に、この発明の第6の実施形態によるクリーンユニットシステムについて説明する。
第11図はこのクリーンユニットシステムを示す。第11図に示すように、このクリーンユニットシステムにおいては、タイプAまたはタイプBの三方向接続可能なクリーンユニット121〜128がトランスファーボックス129を介して連結されている。この場合、クリーンユニット122〜127は第5の実施形態と同様なループ状配置で連結されている。
例えば、クリーンユニット122、123、125、126としてはタイプAのものを用い、クリーンユニット121、124、127としてはタイプBのものを用いる。
各クリーンユニット121〜128で行われる作業は、例えば次のとおりである。まず、クリーンユニット121は保管ユニットで、試料保管庫(例えば、基板を収納したウエハーカセット130)が設置され、連結に使用されていない右側面のトランスファーボックス129は試料投入口、同じく連結に使用されていない背面のトランスファーボックス129は非常時試料取出口である。クリーンユニット122は化学ユニットで、化学前処理システム131が設置され、化学前処理が行われる。クリーンユニット123はレジストプロセスユニットで、スピンコータ132および現像装置133が設置され、レジストのコーティングや現像が行われる。クリーンユニット124はリソグラフィーユニットで、露光装置134が設置され、連結に使用されていない右側面のトランスファーボックス128は非常時試料取出口である。クリーンユニット125は成長/メタライゼーションユニットで、電気化学装置135およびマイクロリアクターシステム136が設置され、連結に使用されていない右側面のトランスファーボックス128は非常時試料取出口である。クリーンユニット126はエッチングユニットで、エッチング装置137が設置されている。このクリーンユニット126の背面のトランスファーボックス129は、中継ボックス138を介して、クリーンユニット123の背面のトランスファーボックス129と連結されている。クリーンユニット127はアセンブリユニットで、顕微鏡139およびプローバー140が設置されている。クリーンユニット128は走査プローブ顕微鏡(SPM)観察ユニットで、卓上STM141および卓上AFM142が設置され、連結に使用されていない右側面のトランスファーボックス129は試料取出口、同じく連結に使用されていない背面のトランスファーボックス129は非常時試料取出口である。クリーンユニット123のスピンコータ132、クリーンユニット124の露光装置134、クリーンユニット125の電気化学装置135およびマイクロリアクターシステム136、クリーンユニット126のエッチング装置137、クリーンユニット127のプローバー140などは電源143に接続されていて電源が供給されるようになっている。また、クリーンユニット125の電気化学装置135は信号ケーブル144により電気化学装置制御器145と接続されており、この電気化学装置制御器145により制御されるようになっている。さらに、クリーンユニット127の顕微鏡139、クリーンユニット128の卓上STM141および卓上AFM142による観察画像は、液晶モニター146に映し出すことができるようになっている。
この第6の実施形態によれば、次のような多くの利点を得ることができる。すなわち、化学前処理、レジスト塗布、露光、現像、成長/メタライゼーション、エッチング、プロービング、表面観察など、通常巨大なクリーンルームの中に設えられた装置群を駆使して行われるほぼあらゆる工程を、クリーンな局所空間を包むクリーンユニットを連結したクリーンユニットシステムにおいてループ状配置などを取ることによって、クリーンルームを用いることなく通常の実験室規模の部屋の中において簡便かつコンパクトに実現することができる。
また、一般的には、上記のタイプA、Bのクリーンユニットの中に収めるプロセス装置の性格により、第11図に示すように、A、B(あるいはその変形型)からなる、いわゆる「モザイク」状のクリーンユニット配列パターンができ、これによりプロセス全体、あるいはその主要部の一連の工程(例えば、途中で有塵雰囲気に暴露すると歩留まりを下げてしまう恐れのある工程を済ませ、有塵雰囲気でも差し支えない、区切りの良い段階まで工程を進めてしまうことなど)を実行することができる。
また、あるトータルな、あるいは主要な一連のプロセスフローが与えられたとき、それに対応した一次元のクリーンユニットの繋がり具合(モザイクパターン)が決まるが、上記のタイプA、Bのクリーンユニットを用いることにより、同一処理(群)の繰り返しは同一クリーンユニット(群)で行うなどの束縛条件を満たすように(つまりこのモザイクのどことどこを繋げば最も効率がよくなるかを判定して)、クリーンユニットのループ状配置などの実現が可能となる。また、その際、必要な工程数、作業の段数の増加に対応して、拡張性に富み、かつ極めてフレキシブルなやり方でプロセス一貫システムを組上げることができる。
次に、この発明の第7の実施形態によるクリーンユニットシステムについて説明する。
第12図はこのクリーンユニットシステムを示す。第12図に示すように、このクリーンユニットシステムにおいては、タイプAまたはタイプBの三方向接続可能なクリーンユニット151〜171がトランスファーボックス172を介して連結されている。この場合、クリーンユニット160〜165は第4の実施形態と同様なループ状配置で連結され、クリーンユニット166〜171は第5の実施形態と同様なループ状配置で連結されている。クリーンユニット155の背面のトランスファーボックス172とクリーンユニット160の右側面のトランスファーボックス172とは中継ボックス173を介して連結されている。また、クリーンユニット158の背面のトランスファーボックス172とクリーンユニット165の右側面のトランスファーボックス172とは中継ボックス173を介して連結されている。さらに、クリーンユニット167の背面のトランスファーボックス172とクリーンユニット170の背面のトランスファーボックス172とは中継ボックス173を介して連結されている。クリーンユニット160〜165にはこのクリーンユニットシステムを用いて実行するプロセスに必要なプロセス装置や観察装置などが設置されている。
この第7の実施形態によれば次のような利点を得ることができる。すなわち、初段から最終段までの一連のプロセスフローは、(途中の計測により不具合が見つかった場合には、再度そのプロセスを繰り返すという条件判断およびその後の処理まで含めて)プログラミングのフローチャートと同一視できるが、この第7の実施形態によれば、プログラミングでいうところのサブルーチン部174や、条件判断による分岐175などの処理に対応して、三方接続を含め並べ替えることで、極めて順応性良く対応することができる。つまり、トランスファーボックス172の開閉や基板の搬送を含めてコンピューターコントロールを行うことで(ループや条件判断によるプロセス上の別工程に飛び移ることを含み)全プロセス工程、あるいは主要な一連のプロセス工程を、プログラミングの下、コンピュータの管理下において自動的に実行することができる。
また、クリーンユニットシステムにループがあるため、クリーンユニット間で基板を行き来させることにより、最小の移動距離で基板に対して同様の処理を何度でも行うことができる。従来のクリーンユニットの直線状配置では同様の処理を行う際、遠いクリーンユニットまで長距離、基板を搬送する必要が出てくるため、これは非常に有利な点である。これを一般化すると次のとおりである。すなわち、ペアノ曲線あるいは第13図に示すヒルベルト曲線(文献12)などに似た形で面が埋められるので、空間(面積)占有率の向上の面でも有利である。特に、ヒルベルト曲線と同様に、一連の線上に乗っておりながら、同時に、この線上では遠隔地に存しながらも、残るもう1次元を利用した三方接続により一種のプロセス空間内でいわば「ワープ」させて、別系のプロセスを基板(試料)に適用することができることが利点である。これは、たんぱく質合成の際に、DNAの一次元配列の各所に散らばって存在する設計図をうまく読み取り合わせていく過程と相同の機能であり、一つのプロセスラインを多目的に利用することができる利便性を実現するものである。
次に、この発明の第8の実施形態によるクリーンユニットについて説明する。
第14図A、第14図Bおよび第14図Cはこの第8の実施形態によるクリーンユニットを示し、第14図Aは上面図、第14図Bは正面図、第14図Cは側面図である。
第14図A、第14図Bおよび第14図Cに示すように、このクリーンユニットは、六面体形状の箱状の作業室11の背面および両側面にそれぞれトランスファーボックス12、13、14が着脱自在に設けられていることに加えて、この作業室11の上面および下面にそれぞれトランスファーボックス201、202が着脱自在に設けられている。これらのトランスファーボックス201、202の構造は、トランスファーボックス12、13、14と同様である。
上記以外のことは第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
この第8の実施形態によるクリーンユニットを以下においてはタイプCという。
次に、この発明の第9の実施形態によるクリーンユニットについて説明する。
第15図A、第15図Bおよび第15図Cはこの第9の実施形態によるクリーンユニットを示し、第15図Aは上面図、第15図Bは正面図、第15図Cは側面図である。
第15図A、第15図Bおよび第15図Cに示すように、このクリーンユニットは、六面体形状の箱状の作業室51の背面および両側面にそれぞれトランスファーボックス52、53、54が着脱自在に設けられていることに加えて、この作業室51の上面および下面にそれぞれトランスファーボックス203、204が着脱自在に設けられている。これらのトランスファーボックス203、204の構造は、トランスファーボックス12、13、14と同様である。
上記以外のことは第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
この第9の実施形態によるクリーンユニットを以下においてはタイプDという。
次に、この発明の第10の実施形態によるクリーンユニットについて説明する。
第16図はこの第10の実施形態によるクリーンユニットを示す正面図である。
第16図に示すように、このクリーンユニットにおいては、作業室51の左側の側面の下部の隅の排気用通風孔(図示せず)は図示省略した蓋などにより塞がれており、右側の側面の下部の隅の排気用通風孔とアクティブ防塵フィルター56の入り口との間に、気密性を有する管251が接続されている。そして、排気用通風孔から排気される気体の全てがこの管251を通ってアクティブ防塵フィルター56の入り口に入るようになっている。このようにすることにより、気体は、アクティブ防塵フィルター56→作業室51→排気用通風孔→管251→アクティブ防塵フィルター56のように循環するため、作業室51内の清浄度の大幅な向上を図ることができる。
作業室51の詳細の図示および説明は省略するが、第2または第9の実施形態と同様である。
この第10の実施形態によるクリーンユニットを以下においてはタイプEという。
第17図は、このタイプEのクリーンユニットを通常のオフィス環境下に置いてアクティブ防塵フィルター56を運転した時の作業室51内の清浄度を測定した結果を示し、横軸は微粒子の粒径(μm)、縦軸は横軸の粒径以上の微粒子数(個/m)を示す。また、第18図は、アクティブ防塵フィルター56の運転を開始してから微粒子数の個数が時間とともに減少する様子を示す。ただし、この測定に用いたクリーンユニットの作業室51は直方体形状でその大きさは幅80cm、奥行き55cm、高さ80cmである。アクティブ防塵フィルター56としては、アズワン株式会社製HEPAユニットGK−0757−01(型番25S)0.3μmを用いた。また、測定は、アクティブ防塵フィルター56の運転を開始してから20分または30分経過後に安定した状態となってから行った。第17図より、この循環型クリーンユニットの清浄度の平均値および最高値はクラス10並またはそれ以上の値が得られている。しかも、第18図より、このクラス10並の清浄度に到達するのに要する時間は、アクティブ防塵フィルター56の運転開始後20分または30分程度と極めて短い。以上のことは、排気用通風孔から排気される気体の全てを管251を通してアクティブ防塵フィルター56の入り口に入れて循環させることが、高い清浄度を得るために極めて有効な方法であることを示す。
次に、この発明の第11の実施形態によるクリーンユニットシステムについて説明する。
第19図はこの第11の実施形態によるクリーンユニットシステムを示す斜視図である。第19図に示すように、このクリーンユニットシステムにおいては、タイプA〜Eのクリーンユニット301〜316がトランスファーボックス317を介して立体的な配置で連結されている。この場合、クリーンユニット301の上にクリーンユニット302が連結され、このクリーンユニット302に水平面内でクリーンユニット303〜305が一列に順次連結されている。クリーンユニット303〜305に平行に、かつこれらと同じ高さにクリーンユニット306〜308が一列に順次連結されて配置されている。これらのクリーンユニット306〜308はそれぞれクリーンユニット303〜305と背中合わせで連結されている。クリーンユニット306の下にクリーンユニット309が連結され、このクリーンユニット309にクリーンユニット310〜312が水平面内でクリーンユニット306〜308の配列方向と直交する方向に一列に順次連結されている。また、クリーンユニット308の下にクリーンユニット313が連結され、このクリーンユニット313にクリーンユニット314、315が水平面内でクリーンユニット306〜308の配列方向と直交する方向に一列に順次連結されている。クリーンユニット315とクリーンユニット311との間にクリーンユニット316が連結されている。
上述のように構成されたクリーンユニットシステムは、種々の用途に使用することができる。例えば、ナノ・バイオ・植物工場融合プラットフォームとして使用することができる。具体的には、次のような使用方法がある。まず、クリーンユニット301、302、304、305をナノテクノロジープロセス用に用いる。試料の投入は、クリーンユニット301またはクリーンユニット305から行うことができる。また、クリーンユニット306〜308をバイオテクノロジープロセス用に用いる。試料の投入は、クリーンユニット308から行うことができる。クリーンユニット313、314はナノテクノロジープロセス用に用いる。クリーンユニット315、316はバイオテクノロジープロセス用に用いる。クリーンユニット310〜312は直物育成プロセス用に用いる。
このナノ・バイオ・植物工場融合プラットフォームの具体的な使用例として、植物の大量生産の方法を説明する。
まず、クリーンユニット308に親植物(例えば、イネ)の投入を行い、このクリーンユニット308内でその親植物からカルスの誘導を行う。次に、このカルスをクリーンユニット307に移して培養槽(リアクタ)でカルスの大量培養を行う。次に、こうして大量培養したカルスをクリーンユニット306に移して再分化タンクで培養する。次に、こうして得られた再分化植物をクリーンユニット309に移して再分化植物の選別を行う。次に、こうして選別された再分化植物をクリーンユニット310に移して馴化を行う。次に、こうして馴化を行った植物体をクリーンユニット311に移し、青色発光、緑色発光または赤色発光の半導体レーザをパルス駆動させることにより得られるパルスレーザ光あるいはスペクトルの半値幅が30nm以下の青色発光、緑色発光または赤色発光の発光ダイオードの光を人工光としてその植物体に照射し、育成を行う。こうして育成された植物体をクリーンユニット312に移し、このクリーンユニット312から外部に取り出す。この方法によれば、必要な時期に必要な量の作物を効率的に育成することができるという利点を得ることができる。また、例えばクリーンユニット311において植物体の育成を行う際に、インターネットにより所望の地方(例えば、地中海地方)の日照条件、温度、湿度などの環境条件をコンピュータにダウンロードし、この環境条件に基づいてコンピュータにより人工光としてのパルスレーザ光の照射条件、温度、湿度などの育成条件を制御することにより、その地方で育成を行った場合に近い品質の作物の育成が可能となる。この場合、肥料として液体肥料などを用いることもできる。
植物体の育成にレーザ光、特にパルス駆動レーザ光や発光ダイオードによるスペクトル半値幅が30nm以下の光を用いることの利点について説明する。従来、人工光源としては蛍光灯やナトリウムランプを用いるのが一般的であるが、これらの光源では、電気を光子に変換する外部量子効率が低く、エネルギーの利用効率が低いのに対して、単色性が極めて優れた半導体レーザや発光ダイオードでは外部量子効率が高く、エネルギーの利用効率が大幅に向上する。例えば、赤色発光の光源では、AlGaAs系発光ダイオードが外部量子効率20%と従来のランプ光源よりはるかに高い外部量子効率を持っているが、AlGaInP系半導体レーザではさらに外部量子効率約40%に向上する。また、青色発光の発光ダイオードでは外部量子効率は数%〜10%程度であるが、ハイパワーパルス駆動半導体レーザのハイパワーパルス駆動を用いることにより平均出力が同じまま外部量子効率が約20%に向上する。そして、特にレーザ光を用いることにより、エネルギースペシフィックに植物内の光反応の素過程を追うことができるようになり、形質改変の効率を飛躍的に高めることが可能となる。
次に、この発明の第12の実施形態によるクリーンユニットシステムについて説明する。
第20図はこのクリーンユニットシステムを示す。第20図に示すように、このクリーンユニットシステムにおいては、タイプA〜Eのクリーンユニット401〜405がトランスファーボックス406を介してU字状配置で連結されている。この場合、クリーンユニット402〜404はU字の湾曲部に配置されているため、それらの間のトランスファーボックス406はその中心軸がこの湾曲部に沿う方向に向くように取り付けられている。また、クリーンユニット401〜405およびトランスファーボックス406の中を通るようにベルトコンベアー407が設けられており、このベルトコンベアー407上に原材料などを載せて各クリーンユニット401〜405に順次送ることができるようになっている。ここで、このベルトコンベアー407は、各クリーンユニット401〜405の入り口および出口の所で途切れるように配置し、それらの引き戸(図示せず)を開閉することができるようにするのが望ましい。この場合、引き戸の開閉は、ベルトコンベアー407により搬送される原材料を光センサーにより検出し、この検出結果に基づいて図示省略した駆動装置を駆動することにより行うことができる。クリーンユニット401〜405の入り口および出口の引き戸は、同時に開かないようにするのが望ましい。
次に、上述のように構成されたクリーンユニットシステムの使用方法について説明する。ここでは、このクリーンユニットシステムを海産物や農産物などの食品加工プラットフォームとして使用する場合を考える。まず、クリーンユニット401に原材料の投入を行った後、このクリーンユニット401内でカッターなどにより原材料の切断を行う。次に、こうして切断された原材料をクリーンユニット402にベルトコンベアー407により搬送し、このクリーンユニット402内で二次加工を行う。次に、この二次加工品をクリーンユニット403に搬送し、このクリーンユニット403内で殺菌装置により殺菌を行う。次に、殺菌を行った二次加工品をクリーンユニット404に搬送し、このクリーンユニット404内で無菌クリーン加工を行う。次に、こうして無菌クリーン加工を行った加工品をクリーンユニット405に搬送し、このクリーンユニット405内で無菌クリーンパッケージする。この後、このクリーンユニット405から無菌クリーンパッケージされた加工食品を取り出す。
この第12の実施形態によれば、原材料の投入から加工食品の無菌クリーンパッケージングまでの処理を一貫して高清浄度の環境の下で行うことができ、さらに途中で殺菌処理を行うことにより、無菌で安全性が高い加工食品を提供することができる。
次に、この発明の第13の実施形態によるクリーンユニットについて説明する。このクリーンユニットは、ナノテクノロジープロセスユニットの一例であり、化学プロセスユニットである。
第21図はこのクリーンユニットを示す。第21図に示すように、このクリーンユニットにおいては、作業室11内にコンパクトな化学プロセス装置501が設置されている。
上記以外のことは第1の実施形態によるクリーンユニットと同様であるので、説明を省略する。
次に、この発明の第14の実施形態による植物形質改変・育成ユニットについて説明する。
第22図はこの植物形質改変・育成ユニットを示す。第22図に示すように、この植物形質改変・育成ユニットにおいては、作業室601の背面および両側面にトランスファーボックス602〜604が取り付けられている。作業室601は作業室11または作業室51と同様であり、トランスファーボックス602〜604はトランスファーボックス12〜14と同様である。作業室601の上面に特定波長照明光源605が取り付けられている。この作業室601の内部には透明に構成された花粉粒径選択受粉装置606が設置されており、その中に形質改変植物607が入れられている。
上記以外のことは第1の実施形態によるクリーンユニットと同様であるので、説明を省略する。
この植物形質改変・育成ユニットにおいては、花粉粒径選択受粉装置606により弁別された花粉をその中の形質改変植物607に受粉させる。この場合、特定の花粉の受粉効率を向上させることができる。そして、この形質改変植物607に特定波長照明光源605から発せられる光608を照射して育成を行う。
この第14の実施形態によれば、植物形質改変・育成ユニットは密閉型であるので、花粉がユニット外に飛散することがなく、在来種との交雑などのおそれもない。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、配置、形状、数値、材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる構成、配置、形状、数値、材料などを用いてもよい。
具体的には、例えば、上述の実施形態においては、サイズが同じタイプA〜Eの5種類の基本のクリーンユニットを所定の配置で連結してクリーンユニットシステムを構成しているが、タイプA〜E間でクリーンユニットのサイズが互いに異なっていてもよいし、タイプは同じであるがサイズが異なるクリーンユニットを用いてもよいし、タイプA〜Eを変形したクリーンユニットを用いてもよいし、さらには3種類以上のタイプのクリーンユニットを用いてもよい。
また、第3〜第7の実施形態によるクリーンユニットシステムにおいて、上下(鉛直)方向の自由度を利用して一部三次元的な接続を取り入れることも可能である。また、トランスファーボックスの密閉用の遮断板は、パッキンを備えた扉式のものを用いてもよい。また、一部のクリーンユニットおよびトランスファーボックスを加圧あるいは減圧対応、あるいは、真空対応にすることも可能である。この場合、トランスファーボックスは密閉性を高め、それ自体に加圧装置や局所排気装置をつけることが望ましい。また、トランスファーボックスは必ずしも直線状である必要はなく、例えばくの字型に曲がっていてもよい。また、トランスファーボックスに三方向接続性を備えさせることで、クリーンユニットをT字型に配置することも可能である。さらに、一旦クリーンユニットを連結した後に全てのトランスファーボックスの引き戸を開放して、例えば回転寿司店で寿司などの提供に用いられている搬送コンベアと同様の自動搬送コンベアをクリーンユニットシステムを貫いて設けることも可能である。
以上説明したように、この発明によれば、クリーンユニットの連結の自由度が大きく、様々な配置でクリーンユニットを連結することができることにより、従来のように大掛かりで小回りが効かず、巨大な設備投資や固定資産負担が必要な巨大なクリーンルームや植物工場を用いることなく、クリーンな環境や高度育成環境を容易に得ることができ、また、一直線状にしか連結できない従来のクリーンユニットの持つ空間利用効率の悪さを解決し、トータルのパフォーマンスを投資的にも作業効率的にも部屋の面積有効利用的にも最大化することができ、目的に応じたトータルな一連のプロセスフローに対応してプロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行することができる高機能クリーンユニットシステムを実現することができる。また、プロセスの上流から下流まで最小限の種類あるいは最小個数のクリーンユニットでクリーンユニットシステムを構成することができるため、プロセスの最大効率化を図ることができる。また、作業性を落とすことなく高度プロセス環境を手軽に実現することができる。
さらに、ナノテクデバイスを作製し、あるいはバイオテクノロジー処理を実行するにあたって、一つの巨大なボックス、すなわちクリーンルームを用いるのではなく、少なくとも入り口から出口までの一部を、超クリーンな複数のクリーンユニットをループ状配置あるいは上下左右方向のつづら折り状配置で連結したもので置き換えることにより、空間あるいは面積の利用効率の向上を図ることができる。
また、複数種類のクリーンユニットを用いることで、化学プロセス、非化学プロセス、バイオプロセスなどの作業を一つの高機能クリーンユニットシステムの中で行うことができる。
また、微細構造などの次世代を担うキーストラクチャーや植物形質改変をコストパフォーマンスのよいレスデマンディングな方法で作製することができる。
また、植物体の育成に関しては、人工光源などの利用により、所望の地方あるいは地域の環境条件で栽培を行うことができるほか、速成栽培や成分強化野菜・薬草の栽培を行うこともできる。
また、装置を配置する部屋そのものの性能にかかわらず、低コストで一貫プロセスラインを構築することができる。このため、投資負担が軽減され、ベンチャーの製造分野への参入が容易となる。また、固定資産が小さく済むため、高度ナノテク製品を中小ベンチャーでも供与することができ、かつてのITソフト隆盛がこれからナノテクハード主体で勃興し、新産業が興り得る。
また、従来の技術の延長線上にあるデバイスに対し、その製造方法を置き換えるのではなく、従来にない新規なナノテクデバイスを(従来の延長上にあるハイテクデバイスの製造方法ではない)コストパフォーマンスのよいレスデマンディングな方法で作製することができる。
また、クリーン度や無害性の高さを各プロセス要素ごとに設定したクリーンユニットを連結したクリーンユニットシステムにより、高度環境化において、前処理、レジスト塗布、ベーキング、露光、現像、ポストベーク、エッチング、薄膜成長、メタライゼーション、表面観察、アセンブリなどの要素プロセスを一貫性をもって完遂することができる。
また、プロセスを要素化し、この要素プロセスの処理機能を各クリーンユニットあるいは各機能ユニットに持たせ、目的に応じてクリーンユニットあるいは機能ユニットを連結して全体システムを構成することにより、高効率なナノテクノロジープラットフォームやバイオテクノロジープラットフォームが得られるのみならず、さらに、ナノテクノロジープロセスユニットとバイオテクノロジープロセスユニットとを混成(連結)することにより、ナノ・バイオ融合プラットフォームを実現することができる。加えて、植物工場ユニットを連結することも可能である。
また、プロセスフローをあたかもプログラミングと同様に、サブルーチンや、分岐などのコンセプトを入れて最小のクリーンユニット数で最大の効率にて、クリーンルームなしで実行、遂行することができる。また、投入からロットアウトまでの全プロセス、あるいはその主要部をなす一連の工程をコンピュータのプログラムになぞらえて完全自動化で遂行することができる。
さらには、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーの実現環境をユビキタスに提供することが可能となる。
【図1】








【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】



【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーンな環境に維持することができる作業室と、
上記作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有することを特徴とするクリーンユニット。
【請求項2】
上記連結部は上記作業室の後部および両側部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項記載のクリーンユニット。
【請求項3】
上記連結部は上記作業室の壁に設けられた開口部とこの開口部を開閉可能に設けられた遮断板とを有することを特徴とする請求の範囲第1項または第2項記載のクリーンユニット。
【請求項4】
上記遮断板は引き戸または扉であることを特徴とする請求の範囲第3項記載のクリーンユニット。
【請求項5】
上記作業室は排気ダクトおよびパッシブな防塵フィルターを有することを特徴とする請求の範囲第1項記載のクリーンユニット。
【請求項6】
上記クリーンユニットは化学プロセスユニットであることを特徴とする請求の範囲第5項記載のクリーンユニット。
【請求項7】
上記作業室は通風孔およびアクティブな防塵フィルターを有することを特徴とする請求の範囲第1項記載のクリーンユニット。
【請求項8】
上記通風孔から流出する気体が上記アクティブな防塵フィルターの入り口に入るように構成されていることを特徴とする請求の範囲第7項記載のクリーンユニット。
【請求項9】
上記作業室から流出する気体の全てが上記アクティブな防塵フィルターの入り口に入るように構成されていることを特徴とする請求の範囲第7項記載のクリーンユニット。
【請求項10】
上記作業室に直結された気密性を有する管が上記アクティブな防塵フィルターの入り口に繋がっていることにより気体が循環するように構成され、かつ気密性を有することを特徴とする請求の範囲第7項記載のクリーンユニット。
【請求項11】
上記クリーンユニットは非化学プロセスユニットであることを特徴とする請求の範囲第7項記載のクリーンユニット。
【請求項12】
上記クリーンユニットはナノテクノロジープロセスユニットまたはバイオテクノロジープロセスユニットであることを特徴とする請求の範囲第7項記載のクリーンユニット。
【請求項13】
上記作業室の前部に作業用のグローブを有することを特徴とする請求の範囲第1項記載のクリーンユニット。
【請求項14】
上記クリーンユニットはドラフト、クリーンベンチまたはグローブボックスであることを特徴とする請求の範囲第1項記載のクリーンユニット。
【請求項15】
上記クリーンユニットは、コンパクトなプロセス装置、解析装置、反応装置、マイクロケミカルシステム、マイクロケミカルリアクター、露光装置、エッチング装置、成長装置、加工装置、殺菌装置、粒径フィルター、人工光源、バイオ装置、食品加工装置、検査装置または駆動装置を内部に有することを特徴とする請求の範囲第1項記載のクリーンユニット。
【請求項16】
上記人工光源が、スペクトル半値幅が30nm以下の発光ダイオードまたは半導体レーザであることを特徴とする請求の範囲第15項記載のクリーンユニット。
【請求項17】
上記半導体レーザがパルス駆動半導体レーザであることを特徴とする請求の範囲第16項記載のクリーンユニット。
【請求項18】
上記人工光源が細胞系育成または植物体育成のためのものであることを特徴とする請求の範囲第15項記載のクリーンユニット。
【請求項19】
上記作業室から流出する気体が、吸着装置および/または除害装置を経た後、上記アクティブな防塵フィルターの入り口に入るように構成されていることを特徴とする請求の範囲第7項記載のクリーンユニット。
【請求項20】
上記吸着装置および/または除害装置に外界に繋がる排気ダクトが設けられていることを特徴とする請求の範囲第7項記載のクリーンユニット。
【請求項21】
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
上記複数のクリーンユニットのうちの少なくとも一つのクリーンユニットが、
クリーンな環境に維持することができる作業室と、
上記作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有することを特徴とするクリーンユニットシステム。
【請求項22】
非単一直線状配置、折れ線状配置、枝状配置、ループ状配置またはそれらの二つ以上が混合した配置で上記クリーンユニットが連結された部分を含むことを特徴とする請求の範囲第21項記載のクリーンユニットシステム。
【請求項23】
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
上記複数のクリーンユニットのうちの少なくとも一つのクリーンユニットは複数の連結部を有し、この複数の連結部は、試料が当該連結部を通過する際の方向が互いに非平行または互いに直交する少なくとも二つの連結部を含むことを特徴とするクリーンユニットシステム。
【請求項24】
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
ループ状配置で上記クリーンユニットが連結された部分を含むことを特徴とするクリーンユニットシステム。
【請求項25】
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムにおいて、
トータルな一連のプロセスフローの中で複数回現れる同種類のプロセスを、上記複数のクリーンユニットにループ状配置で上記クリーンユニットが連結された部分を設けることにより、同一のクリーンユニットにおいて実行可能であることを特徴とするクリーンユニットシステム。
【請求項26】
上記複数のクリーンユニットがナノテクノロジープロセスユニットおよび/またはバイオテクノロジープロセスユニットを含むことを特徴とする請求の範囲第21項〜第25項のいずれか一項記載のクリーンユニットシステム。
【請求項27】
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムを用いて材料を処理する材料処理方法において、
上記複数のクリーンユニットは互いに種類が異なるコンパクトな装置をそれぞれ内部に有する複数のクリーンユニットが折れ線状配置またはループ状配置で連結された部分を含み、この部分においてトータルな一連の作業フローの全部または主要部を一貫して実行するようにしたことを特徴とする材料処理方法。
【請求項28】
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムを用いて素子を製造する素子製造方法において、
上記複数のクリーンユニットは互いに種類が異なるコンパクトな装置をそれぞれ内部に有する複数のクリーンユニットが折れ線状配置またはループ状配置で連結された部分を含み、この部分においてトータルな一連のプロセスフローのプロセスの全部または主要部を一貫して実行するようにしたことを特徴とする素子製造方法。
【請求項29】
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムを用いて細胞系を育成する細胞系育成方法において、
上記複数のクリーンユニットは互いに種類が異なるコンパクトな装置をそれぞれ内部に有する複数のクリーンユニットが折れ線状配置またはループ状配置で連結された部分を含み、この部分においてトータルな一連のプロセスフローのプロセスの全部または主要部を一貫して実行するようにしたことを特徴とする細胞系育成方法。
【請求項30】
クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリーンユニットが連結されてなるクリーンユニットシステムを用いて植物体を育成する植物体育成方法において、
上記複数のクリーンユニットは互いに種類が異なるコンパクトな装置をそれぞれ内部に有する複数のクリーンユニットが折れ線状配置またはループ状配置で連結された部分を含み、この部分においてトータルな一連のプロセスフローのプロセスの全部または主要部を一貫して実行するようにしたことを特徴とする植物体育成方法。
【請求項31】
上記クリーンユニットシステムはプロセスシステム、材料処理システム、素子製造システム、細胞系育成システムまたは植物体育成システムであることを特徴とする請求の範囲第21項、第23項〜第25項および第30項のうちのいずれか一項記載のクリーンユニットシステム。
【請求項32】
上記プロセスシステムはナノテクノロジープロセスシステムまたはバイオテクノロジープロセスシステムであることを特徴とする請求の範囲第31項記載のクリーンユニットシステム。
【請求項33】
上記材料処理システムは無機材料プロセスシステムまたは有機材料プロセスシステムであることを特徴とする請求の範囲第31項記載のクリーンユニットシステム。
【請求項34】
内部環境を制御することができる作業室と、
上記作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有することを特徴とする機能ユニット。
【請求項35】
上記内部環境のパラメータが清浄度であることを特徴とする請求の範囲第34項記載の機能ユニット。
【請求項36】
上記内部環境のパラメータが所定の粒径を有する粒子数であることを特徴とする請求の範囲第34項記載の機能ユニット。
【請求項37】
上記内部環境のパラメータが温度、湿度、気体成分、光スペクトル分布、光強度、光強度の時間依存性および植物栄養成分のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求の範囲第34項記載の機能ユニット。
【請求項38】
上記作業室の内部環境の制御手段が、温度制御装置、湿度制御装置、高清浄度化装置、気体成分制御装置、吸着装置、除害装置、特定波長照明器および密閉/開放環境選択機構のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求の範囲第34項記載の機能ユニット。
【請求項39】
上記作業室の内部環境をコンピュータにより制御することを特徴とする請求の範囲第34項記載の機能ユニット。
【請求項40】
上記コンピュータにインターネットにより制御情報がダウンロードされていることを特徴とする請求の範囲第39項記載の機能ユニット。
【請求項41】
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
上記複数の機能ユニットのうちの少なくとも一つの機能ユニットが、
内部環境を制御することができる作業室と、
上記作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有することを特徴とする機能ユニットシステム。
【請求項42】
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
上記複数の機能ユニットのうちの少なくとも一つの機能ユニットは複数の連結部を有し、この複数の連結部は、試料が当該連結部を通過する際の方向が互いに非平行または互いに直交する少なくとも二つの連結部を含むことを特徴とする機能ユニットシステム。
【請求項43】
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
ループ状配置で上記機能ユニットが連結された部分を含むことを特徴とする機能ユニットシステム。
【請求項44】
内部環境を制御することができる作業室を有する複数の機能ユニットが連結されてなる機能ユニットシステムにおいて、
トータルな一連のプロセスフローの中で複数回現れる同種類のプロセスを、上記複数の機能ユニットにループ状配置で上記機能ユニットが連結された部分を設けることにより、同一の機能ユニットにおいて実行可能であることを特徴とする機能ユニットシステム。
【請求項45】
上記機能ユニットシステムは細胞系育成システムまたは植物体育成システムであり、上記作業室の内部環境をインターネットにより制御情報がダウンロードされたコンピュータにより上記制御情報に基づいて制御することを特徴とする請求の範囲第41項〜第44項のいずれか一項記載の機能ユニットシステム。

【国際公開番号】WO2004/114378
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【発行日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507275(P2005−507275)
【国際出願番号】PCT/JP2004/008842
【国際出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(800000024)北海道ティー・エル・オー株式会社 (20)
【Fターム(参考)】