説明

クレーンジブ及び補助ジブのための伸縮システム

【課題】広い作業範囲と高い吊上げ能力を実現する長尺クレーンジブ伸縮システムを提供する。
【解決手段】伸縮主ジブ1と伸縮補助ジブ11とを有する伸縮クレーンジブのためのクレーンジブ伸縮システムであって、少なくとも1つの伸縮シリンダ2と、前記伸縮シリンダ2のベース部に配置される第1伸縮部固定ユニット3とを有し、第2伸縮部固定ユニット4が、前記第1伸縮部固定ユニット3より上の前記補助ジブ11を伸縮させるために前記伸縮シリンダ2に配置され、前記第2伸縮部固定ユニット4を使用して補助ジブを内に外に伸縮させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮主ジブと伸縮補助ジブとを有する伸縮クレーンジブのためのクレーンジブ伸縮システムに関する。前記伸縮システムは、少なくとも1つの伸縮シリンダと、前記伸縮シリンダのベース部に配置される第1伸縮部固定ユニットとを含む。
【背景技術】
【0002】
伸縮シリンダを備えた伸縮システムは、基本的に周知である。1つは、例えば欧州特許公報第943580号に記載されている。そこでは、伸縮シリンダは、主ジブの伸縮部又は伸縮部分を伸ばす及び縮めるのに役立っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
基本的に、補助ジブを当該クレーンの主ジブに接続することもまたすでに周知である。本発明を適用することが特に有用である移動式クレーン又は車両クレーンでは、多くの場合、より高い高さ又はより広い範囲を実現するために、ラッフィングジブが主ジブの最も前方部分に取り付けられている。主に格子部として形成されるラッフィングジブは、地面に組み立てられた後に主ジブによって位置調整されるので、不都合なことに設置時における高い空間要求が存在する。それ自体が伸縮システム又は伸縮シリンダを備えた伸縮補助ジブもまた存在するが、そのようなシステムは高い自重のために有効積載量が低い。大型クレーンでは、より長いジブを付与するために、建設場所にのみ設けられる追加伸縮部が主ジブの中へ挿入される場合がある。ここでは、不利なことに、追加伸縮部が主ジブの最後の伸縮部より小さい必要があるととともにガイド部又は滑動部を組立時に考慮に入れる必要がある。
【0004】
この背景に関して、本発明の目的は、従来技術による前記実施の欠点を克服するクレーンジブ伸縮システムとクレーンジブシステムとをそれぞれ提供することである。特に、できるだけ広い範囲又は高い達成可能な高さを有し、高い有効積載量を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載のクレーンジブ伸縮システム、及び、請求項8に記載のクレーンジブシステムによって解決される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を規定する。
【0006】
伸縮システムに関する本発明は、主ジブと補助ジブとを有するクレーンジブに適しており意図されているが、その範囲は、そのようなジブを有するシステムに限定されるものではない。むしろ、前記伸縮システムは、特徴的な独立発明であると考えられ、この発明は、基本的にクレーン主ジブとクレーン補助ジブとが伸縮システムに設けられることなく単独で構成することができる又は設けることができる。請求項に記載されるクレーンジブシステムのみが前記ジブを有する。
【0007】
本発明に係る伸縮システムでは、第2伸縮部固定ユニットが、第1伸縮部固定ユニットより上の伸縮シリンダに配置される。言い換えれば、本発明に係る伸縮シリンダは、主ジブのための固定ユニットだけでなく、補助ジブのための追加固定ユニットを支持する、すなわち、単一伸縮シリンダは、2つのジブを伸縮させるために使用することができる。従って、伸縮クレーンジブは、補助ジブを備えることができ、伸縮ジブは、主ジブの伸縮システム又は伸縮機構を用いて外に内にそれぞれ伸縮させることができる。伸縮補助ジブは、それ自体伸縮システムを有しない移動式クレーンに取り付けて使用することができ、それは本質的にすでに大きな相乗効果を伴っている。従って、例えば、補助ジブのための別個の伸縮機構を節約することによって高いコスト削減を引き起こす。
【0008】
しかしながら、製造コスト及び建設努力における前記の節約を除き、実現される有効積載量及び実現可能な高さ及び/又は範囲に関してそれぞれ重要な利点があるように思える。本発明を特に有利に用いることができる現代の移動式クレーンは(当然に固定式伸縮クレーンをまた本発明に従って装備することができるけれども)、ますます重くなる荷重をますます高くなる高さまで持ち上げるために用いられる。同様に、コスト及び物流を節約するために、それ自体の重量ができるだけ低い重量を有するより強力な移動式クレーンを用いることの要求が増加している。さらに、許容軸方向荷重内でできるだけ少ない軸にできるだけ高い有効積載量を有し、一方では操縦性に有益に影響を及ぼし、他方ではクレーンの全体のコストを低下させるように有益に影響を及ぼす移動式クレーンを提供することが求められている。
【0009】
本発明は、最大高さ及び最大有効積載量を決定する移動式クレーンの中心的要素である伸縮ジブを非常に改善し、特に伸縮ジブの自重を低く保つので、これらの要求の全てを満足させることができる。すなわち、主ジブの伸縮部分と補助ジブの伸縮部分との両方を操作する1つの伸縮シリンダのみを設ける必要がある場合、補助ジブのための不要な伸縮機構において節約される荷重は、例えば有効積載量として使用することができる。ここでは、節約された重量は直ちに同一程度まで有効積載量を増加させる。しかしながら、節約された重量を部分的に又は全体的により長い補助ジブに変えて達成可能な高さ及び範囲をそれぞれ増加させる選択肢がまた利用可能である。
【0010】
伸縮シリンダへ第2固定ユニットを配置することを行うために本発明に従ってなし得る種々のタイプが存在する。第2固定ユニットを用いた伸縮システムの「範囲」は、固定ユニットがその端部に又はこの領域内に取り付けられるべき場合、一方では伸縮シリンダより上の第2固定ユニットの位置決めに依存し、また他方では伸縮シリンダの長さに依存する。しかしながら、基本的に、第2固定ユニットは、第1固定ユニットより上に、従って、例えば伸縮シリンダの上側部分に、特にその上半分に配置される。ベース部と反対の端部の領域又は伸縮シリンダの上部あるいは上端に固定ユニットを取り付けることが可能であり、種々の実施形態において本発明に従って提供される。
【0011】
本発明に係るクレーンジブ伸縮システムは、単一伸縮シリンダのみを有するように構成することができるが、非常に有利な実施形態では、2つ若しくはそれ以上の伸縮シリンダを設けることが可能であり、そこでは、少なくとも1つの伸縮シリンダが、2つの固定ユニットを有する。伸縮シリンダは、主ジブ内で互いに隣接して、又は互いの上に、あるいは互いに平行に設けることができ、主ジブを外に内にそれぞれ伸縮させるためのただ1つの固定ユニットを備えた伸縮シリンダと、主ジブ及び補助ジブを外に内にそれぞれ伸縮させるために設けられる2つの固定ユニットを備えた1つ又は幾つかの追加の伸縮シリンダとを設けることができる。前記実施形態では、主ジブを2つ又はそれ以上のシリンダと同時に伸縮させることが可能となり、比較的大きい力を及ぼすことができる。主ジブのためにのみ設けられるただ1つの固定ユニットを備えた伸縮シリンダはそのとき、より大きいシリンダとなり得る。伸縮シリンダ、特に小さく構成された伸縮シリンダは次に、既に述べたように主ジブと補助ジブとを伸縮させるために使用することができる。
【0012】
本発明の更なる態様は、全体的に大型のユニットに関し、従って、種々の実施形態において本明細書に記載されるような伸縮主ジブと伸縮補助ジブとを備えるとともに伸縮システムを備えたクレーンジブシステムに関する。第2伸縮部固定ユニットを用いて、補助ジブは、内に外に伸縮される。
【0013】
主ジブと補助ジブとの間の接続領域には、通路が存在して使用することができる、あるいは通路を設けることができ、それを通じて第2固定ユニットを備えた伸縮シリンダの上側部分が補助ジブの中へ移動することができる。言い換えれば、第2固定ユニットは、補助ジブに接続可能とするために主ジブのヘッドによって移動される。従って、前記実施形態では、伸縮シリンダは、その長さによって主ジブのヘッド部分を通じて移動し、第2固定ユニットを用いて補助ジブに接続し、次にそれを伸ばす又は縮めることができるように構成される。
【0014】
固定ユニット、従って第1及び/又は第2固定ユニットは、主ジブ及び補助ジブの下端領域における作用(application)点又は作用部分と、特に下側カラー領域における作用点と係合することができるように構成される又は配置される。
【0015】
前述したように、本発明に係る構成は、個別に又は組み合わせて設定される特定のクレーンに対する要求を満たすための余地を設計者に提供することができる。従って、補助ジブの到達可能性と補助ジブの実現可能な伸縮距離とは、伸縮シリンダの十分な長さ又は第2固定ユニットの位置、特に伸縮シリンダの上端に近接した第2固定ユニットの位置によって、又はこれらの特性の組合せによって実現される又は決定される。ここで、設計者は、機能仕様に従って自由に本発明を利用することができ、ある場合には、達成可能な大きい伸縮距離が目的であってもよい。他方では、短い伸縮シリンダはまた、ジブのレベルで重量を省くことができ、従ってまた高い有効積載量を可能にすることができる。
【0016】
本発明の一実施形態では、伸縮シリンダの上端は、縮められた状態で主ジブの上端領域まで延び、それによって相対的に大きい伸縮範囲を達成することができる。
【0017】
本発明の範囲内において、ここでとにかく利用できる取付手段を最適に利用することができるように補助ジブを主ジブのヘッドのラッフィングジブ回転軸に取り付けることができる。補助ジブのためにそれ自体伸縮する機構部品を設けることによって取付を妨げることがないので、本発明は、これに役立っている。
【0018】
さらに、本発明を、添付図面を参照して実施形態に基づいてより詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載される特徴の全てを個別に及び合理的に組み合わせて含むことができる。特に、本発明は、単に2つの固定ユニットを備えた伸縮シリンダによって実現することができる、あるいは、本発明に係る伸縮システムを備えているが、補助ジブがまだそれに取り付ける必要がない主ジブによっても実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る伸縮システムを備えた本発明に係るクレーンジブシステムを示す図であり、補助ジブ及び主ジブのそれぞれの部分のための伸縮動作がそれぞれ、個別の図面において段階的に示されている。
【図2】本発明に係る伸縮システムを備えた本発明に係るクレーンジブシステムを示す図であり、補助ジブ及び主ジブのそれぞれの部分のための伸縮動作がそれぞれ、個別の図面において段階的に示されている。
【図3】本発明に係る伸縮システムを備えた本発明に係るクレーンジブシステムを示す図であり、補助ジブ及び主ジブのそれぞれの部分のための伸縮動作がそれぞれ、個別の図面において段階的に示されている。
【図4】本発明に係る伸縮システムを備えた本発明に係るクレーンジブシステムを示す図であり、補助ジブ及び主ジブのそれぞれの部分のための伸縮動作がそれぞれ、個別の図面において段階的に示されている。
【図5】本発明に係る伸縮システムを備えた本発明に係るクレーンジブシステムを示す図であり、補助ジブ及び主ジブのそれぞれの部分のための伸縮動作がそれぞれ、個別の図面において段階的に示されている。
【図6】本発明に係る伸縮システムを備えた本発明に係るクレーンジブシステムを示す図であり、補助ジブ及び主ジブのそれぞれの部分のための伸縮動作がそれぞれ、個別の図面において段階的に示されている。
【図7】本発明に係る伸縮システムを備えた本発明に係るクレーンジブシステムを示す図であり、補助ジブ及び主ジブのそれぞれの部分のための伸縮動作がそれぞれ、個別の図面において段階的に示されている。
【図8】本発明に係る伸縮システムを備えた本発明に係るクレーンジブシステムを示す図であり、補助ジブ及び主ジブのそれぞれの部分のための伸縮動作がそれぞれ、個別の図面において段階的に示されている。
【図9】2つの伸縮シリンダを備えたクレーンジブ伸縮システムの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1及び残りの図面に示されるクレーンジブシステムは、主ジブ1と補助ジブ11とを含む。主ジブ1は、(ここでは示されていない)ベース9上においてクレーン、特に移動式クレーン又はクレーン車のクレーンの上部構造に旋回可能に取り付けられる。主ジブ1は、外側の基本となる又はベースの部分を除いて、図1において個別に示されていない4つの延長可能な伸縮部分を含む。補助ジブ11もまた、4つの延長可能な伸縮部分を含み、図1ではまた、主ジブ1の内側伸縮部のヘッド及び補助ジブ11の外側伸縮部のフットに取付部品6及び16が示されている。ちなみに、取付部品6は、例えばラッフィングジブを主ジブ1に取り付けるために使用されるものと同一の取付部品である。
【0021】
さらに、図1では、左側部又はベース部に主ジブ1の伸縮部のための第1固定ユニット3を含み、また右側端部に補助ジブ11の伸縮部のための第2固定ユニット4を含む伸縮シリンダ2が見える。
【0022】
図2に示される状態では、補助ジブ11は、取付部品6、16を介して主ジブ1に取り付けられている。補助ジブ11の最も内側の伸縮部の下側固定ユニットの作用部分12が、ここでは最も良く見えるので、参照文字12を用いて明らかにされている。
【0023】
図3を初めとして、外側へ伸びることが記載されている。図示される実施形態では、システムによって主ジブ1から外側へ伸びる前に、補助ジブ11の伸縮部の拡張が達成される、あるいは、それは基本的にすでに知られており証明されている原理に従って生じる。図3では、第2固定ユニット4が作用部分12と係合し、運搬のために補助ジブ11の最も内側の部分13を固定する点まで、伸縮シリンダ2がピストン5上において右側に移されることが見られる。図3では、ヘッド部における主ジブ1及びフット部における補助ジブ11は、第2固定ユニット4を備えた伸縮シリンダ2の前部が通過することができるように連続的に内側が構成されている。図2及び図3において13によって示される補助ジブの最も内側の伸縮部は従って、固定ユニット4に固定して接続されるとすぐに、図4に見られるようにその拡張が達せられる。
【0024】
図4は、どのようにして、伸縮シリンダ2がさらにピストン5上において右側に移動し、そこで固定ユニット4で固定された補助ジブ11の最も内側の伸縮部13を外側に移すかを示している。固定部12を備えた伸縮部13が鉄骨構造における第2の最も内側の伸縮部14に取り付けられる位置に達する点までこれを行う。この伸縮部13の伸縮部14(前部領域における)への取付が起こる場合に、固定ユニット14は、その係合を解除することができる。
【0025】
図5は、このステップの後の状態を示し、該状態は、第2固定ユニット4が図4及び図5に示される補助ジブ11の最も内側の伸縮部14の作用部分15のレベルに位置付けられるまで、伸縮シリンダ2がまた左側に縮められている。そこで、伸縮シリンダ2はまた、伸縮部14がまた次の外側の伸縮部の鉄骨構造に固定することができるまで伸縮シリンダ2を右側に移動することによって、次に伸縮部14をまた外側に伸長させるために、前記に示される原理に従って固定することを引き起こす。この状態は、図6から明らかであり、この原理に従って伸縮部の全てを外側に伸長させることが達せられることが明らかであろう。
【0026】
従って、本発明によれば、補助ジブ11は、前記のように、主ジブ1の伸縮シリンダ2を用いてのみ延ばされ、基本的に、本発明に従って第2固定ユニット4がとにかく現在伸縮シリンダ2の上部に取り付けられることが許されるのみである。従って、本発明によれば、補助ジブ、特にそれ自身伸縮手段を有しないがそれにも関わらず伸縮部分を伸ばす及び縮めることができる補助ジブが、主ジブの前部に取り付けられる。
【0027】
本発明に係るクレーンジブシステム又は伸縮システムを用いて補助ジブが望ましい範囲まで外側に伸ばされた後に、主ジブはまた、広い範囲及び高い高さを実現するためにそれぞれに伸びることができる。これに対して、図7では、第1固定ユニット3を備えた伸縮シリンダ2が、主ジブ1の最も内側の伸縮部7の作用部分8と係合し、該伸縮部が図8に示すように伸縮シリンダ2で外側に移動することができるように、この伸縮部を固定するまで、伸縮シリンダ2がどのように左側へ移動されるかを示している。これはまた、作用部分8が、主ジブ1の第2の最も内側の伸縮部の鉄骨構造における前部において固定される又は取り付けられる位置になるまでもたらされる。次に、伸縮部7の固定は、固定ユニット3によって解除することができ、伸縮シリンダ2は、縮み、「主ジブ1の次の伸縮部を取ってくる」。更なる外側への伸びは、対応する方法で達せられ、内側への縮みは、反対の方法で達成され、従って、ここでは詳細には議論されるまでもない。
【0028】
例えば図7及び図8における拡張部を備えた伸縮ジブ全体の図から、補助ジブのためのそれ自体の伸縮システムがそこに存在している必要がないので、クレーンジブ全体を、特にその上部において相対的に軽くすることができることが明らかになる。それによって、範囲及び有効積載量は、現場で簡単に取り扱うことが可能である自己伸縮システムを備えて増加される。
【0029】
図9では、複数の伸縮シリンダ、ここでは特に2つの伸縮シリンダを有する本発明に係る伸縮システムの実施形態が示されている。説明のために、主ジブ21の配置の図のみが要求され、そこでは、伸縮シリンダ22及び25が上下に配置されている。そこでは、伸縮シリンダ22は、既に前述したように、ベース及び上端に2つの固定ユニット23及び24を備えた伸縮シリンダである。伸縮シリンダ25は、ベースにただ1つの固定ユニット26を有する。本発明のこの実施形態は、主ジブを外側に伸ばすときに大きい力を適応することが必要である場合に特に有利である。すなわち、この場合、主ジブは、シリンダ22及び25と同時に外側に伸びることができ、ベース上の固定ユニット23及び26がそれぞれ用いられる。大きい力を適用することを可能にするために、次に、固定シリンダ25は特に、大型シリンダのように、又は大きい力を用いたただ1つの固定ユニット26を備えて構成することができる。
【0030】
既に前述したように、伸縮シリンダ22は、補助ジブを伸縮するために使用することができる。前述したように、ただ1つの固定ユニットを備えた比較的大型のシリンダが主ジブを外側に伸ばすために設けられるが、空間がないため補助ジブの中へ移動することができない場合、特別な利点が生じる。そのとき、小型の伸縮シリンダ22を使用することができ、容易に補助ジブの中へ移動することができ、また、小さい寸法のため補助ジブを伸縮させるのに十分である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮主ジブ(1)と伸縮補助ジブ(11)とを有する伸縮クレーンジブのためのクレーンジブ伸縮システムであって、少なくとも1つの伸縮シリンダ(2)と該伸縮シリンダ(2)のベース部に配置される第1伸縮部固定ユニット(3)とを含む、クレーンジブ伸縮システムにおいて、
第2伸縮部固定ユニット(4)が、前記補助ジブ(11)を伸縮させるために前記第1伸縮部固定ユニット(3)より上の前記伸縮シリンダ(2)に配置される、
ことを特徴とするクレーンジブ伸縮システム。
【請求項2】
前記第2伸縮部固定ユニット(4)は、前記伸縮シリンダ(2)の上部に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のクレーンジブ伸縮システム。
【請求項3】
前記第2伸縮部固定ユニット(4)は、前記ベース部(9)と反対の端部の領域において前記伸縮シリンダ(2)に配置される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクレーンジブ伸縮システム。
【請求項4】
前記第2伸縮部固定ユニット(4)は、前記伸縮シリンダ(2)の上部又は上端に配置される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のクレーンジブ伸縮システム。
【請求項5】
単一伸縮シリンダ(2)を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のクレーンジブ伸縮システム。
【請求項6】
2つ若しくはそれ以上の伸縮シリンダ(22、25)を有し、少なくとも1つの前記伸縮シリンダ(22)は、2つの固定ユニット(23、24)を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のクレーンジブ伸縮システム。
【請求項7】
ただ1つの固定ユニット(26)を備えた少なくとも1つの、特に大型の伸縮シリンダ(25)が、前記主ジブ(21)を伸縮させるために設けられ、前記2つの固定ユニット(23、24)を備えた1つ若しくは複数の伸縮シリンダ(22)が、主ジブと補助ジブとを伸縮させるために、特に小型の1つ若しくは複数のシリンダとして設けられている、
ことを特徴とする請求項6に記載のクレーンジブ伸縮システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の伸縮システムによって特徴付けられる伸縮主ジブ(1)と伸縮補助ジブ(11)とを備えたクレーンジブシステムであって、
第2伸縮部固定ユニット(4)を用いて前記補助ジブを内に外に伸縮させることができる、
ことを特徴とするクレーンジブシステム。
【請求項9】
主ジブ及び補助ジブ(1、11)の間の接続領域に通路が設けられ、該通路を通じて、前記第2固定ユニット(4)を備えた前記伸縮シリンダ(2)の上部が、前記補助ジブ(11)の中へ移動可能である、
ことを特徴とする請求項8に記載のクレーンジブシステム。
【請求項10】
前記固定ユニット(3、4)は、前記主ジブと補助ジブ(1、11)の伸縮部の下端領域、特に下側カラー領域において作用点又は作用部(8、12、15)と係合するように構成される又は配置される、
ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のクレーンジブシステム。
【請求項11】
前記補助ジブ(11)の到達可能性と前記補助ジブ(11)のための達成可能伸縮距離とは、
−前記伸縮シリンダ(2)の十分な長さと、
−前記第2固定ユニット(4)の位置、特に前記伸縮シリンダ(2)の上側端部に近接した位置と、によって、
あるいはこれらの特性の組合せによって、実現される又は決定される、
ことを特徴とする請求項8から請求項10の何れか1項に記載のクレーンジブシステム。
【請求項12】
前記伸縮シリンダ(2)の上側端部は、縮められた状態において前記主ジブ(1)の上側端部領域まで延びている、
ことを特徴とする請求項8から請求項11の何れか1項に記載のクレーンジブシステム。
【請求項13】
前記補助ジブ(11)は、前記主ジブヘッドのジブ旋回点(6)を上下させることができる、あるいは上下させるために取り付けられている、
ことを特徴とする請求項8から請求項12の何れか1項に記載のクレーンジブシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−131640(P2012−131640A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−259042(P2011−259042)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(507186322)マニトワック・クレーン・グループ・フランス・ソシエテ・パール・アクシオン・サンプリフィエ (12)
【氏名又は名称原語表記】Manitowoc Crane Group France SAS
【Fターム(参考)】