説明

クロスコネクトパス試験システム及びそれに用いるパス試験方法

【課題】クロスコネクト装置が多数のチャネル数を有する場合でも、短い作業時間と少ない作業工数でパス状態を試験することを可能にする。
【解決手段】入力端子IN_1及び出力端子OUT_1をパルスジェネレータ30及びパルスディテクタ40に各々接続するとともに、他の入出力端子IN_2〜IN_4、OUT_1〜OUT_4を経由しながら、入力端子IN_1から出力端子OUT_1までを連続的に繋ぐパスをクロスコネクト装置10に設定する第1パス設定と、入力端子IN_1を出力端子OUT_1に折り返し接続するパスをクロスコネクト装置10に設定する第2パス設定とを、チャネル1〜4の各々について実行し、クロスコネクト装置10のパス状態を試験することを特徴とするクロスコネクトパス試験システム1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロスコネクト装置のパス状態を試験するクロスコネクトパス試験システム及びパス試験方法に関し、特に、ITU−T規格であるSDH(Snnchronous Digital Hierarchn)装置又はPDH(Plesiochronous Digital Hierarchn)装置で用いるクロスコネクト装置のパス状態を試験する試験システム及び試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クロスコネクト装置のパス状態を試験するクロスコネクトパス試験システムとして、種々のものが提案されている。
【0003】
図19は、N個の入力端子IN1〜IN_Nと、N個の出力端子OUT1〜OUT_Nとを有するN×Nクロスコネクト装置10のパス状態を試験するクロスコネクトパス試験システムの従来例を示す構成図である。このクロスコネクトパス試験システム100は、被試験装置であるクロスコネクト装置10と、試験用のパルス信号60を発生するパルスジェネレータ30と、パルスジェネレータ30をクロスコネクト装置10の入力端子IN1〜IN_Nに選択的に接続する第1スイッチ試験機80と、クロスコネクト装置10のパスエラーを検出するパルスディテクタ40と、クロスコネクト装置10の出力端子OUT1〜OUT_Nをパルスディテクタ40に選択的に接続する第2スイッチ試験機90と、クロスコネクトパス試験システム100全体の動作を制御する制御装置50とから構成される。
【0004】
第1スイッチ試験機80は、クロスコネクト装置10の入力端子IN1〜IN_Nに対応して、N個のスイッチ80_1〜80_Nを有し、各スイッチ80_1〜80_Nは、パルスジェネレータ30とクロスコネクト装置10の入力端子IN1〜IN_Nとの間を、導通/非導通状態に切り替える機能を有する。また、第2スイッチ試験機90も、クロスコネクト装置10の出力端子OUT1〜OUT_Nに対応して、N個のスイッチ90_1〜90_Nを有し、各スイッチ90_1〜90_Nは、クロスコネクト装置10の出力端子OUT1〜OUT_Nとパルスディテクタ40との間を、導通/非導通状態に切り替える機能を有する。
【0005】
制御装置50は、クロスコネクト装置10、第1スイッチ試験機80、第2スイッチ試験機90及びパルスディテクタ40に対し、クロスコネクト制御信号52、第1スイッチ制御信号53、第2スイッチ制御信号56及びエラーリセット信号54を出力し、各回路の動作を制御する。また、制御装置50は、パルスディテクタ40からのエラー結果55を取り込み、クロスコネクト装置10のパス状態が良好な場合にOK表示をし、不良の場合にNG表示をする。
【0006】
次に、上記クロスコネクトパス試験システム100を用いたパス試験方法について、図19及び図20を参照して説明する。
【0007】
パス試験にあたっては、まず、第1スイッチ試験機80を制御し、パルスジェネレータ30とクロスコネクト装置10の入力端子IN_1とを接続する(ステップS81(i)、S82)。尚、図20の「y」は、1〜Nのうちの何れかであり、入力端子IN(y)とは、入力端子IN1〜IN_Nのうちの何れかの入力端子であることを意味する。また、このとき、パルスジェネレータ30と接続した入力端子IN_1以外の入力端子については、パルスジェネレータ30との接続を遮断する。
【0008】
次いで、クロスコネクト装置10を制御し、パルスジェネレータ30と接続された入力端子IN_1を出力端子OUT_1に接続するようにパスを構成する(ステップS83(i)、S84)。尚、図中の「x」は、「y」と同様に、1〜Nのうちの何れかであり、出力端子OUT(x)とは、出力端子OUT1〜OUT_Nのうちの何れかの出力端子であることを意味する。
【0009】
次に、第2スイッチ試験機90を制御し、クロスコネクト装置10の出力端子OUT_1をパルスディテクタ40に接続する(ステップS85)。次いで、パルスディテクタ40をエラーリセット制御した後に(ステップS86)、パルスジェネレータ30からパルス信号60を出力し、パルスディテクタ40で入力端子IN_1及び出力端子OUT_1間の導通状態を確認する。一定の測定時間を待った後に、パルスディテクタ40のエラー結果55を制御装置50に取り込み(ステップS87)、パス状態が不良の場合には(ステップS88:No)、NG表示をしてパス試験を中断する(ステップS89)。
【0010】
これに対し、パス状態が良好な場合には(ステップS88:Yes)、次の出力端子OUT(x+1)を試験対象として選択し、ステップS84〜S88の処理を繰り返してパス状態を確認する(ステップS83(i)〜S83(o))。入力端子IN_1と全ての出力端子OUT1〜OUT_Nとの間のパス状態を確認すると、次の入力端子IN(y+1)を選択し、上記と同様にして、全ての出力端子OUT1〜OUT_Nとの間のパス状態を順番に確認する(ステップS81(i)〜S81(o))。そして、入力端子IN1〜IN_Nと出力端子OUT1〜OUT_Nとの間の全てのパスについて、パス状態の確認が終了し、パス状態が良好であれば、OK表示をしてパス試験を終了する(ステップS90)。
【0011】
また、従来のクロスコネクトパス試験システムとして、図19及び図20に示したクロスコネクトパス試験システム100の他、信号をシリアルデータ化してタイムスロットの順番を入れ替えて試験するクロスコネクトパス試験システムも提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【特許文献1】特開2005−151478号公報
【特許文献2】特開平7−046313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、図19及び図20の従来のクロスコネクトパス試験システム100においては、入出力端子の接続を1つずつ順番に変更し、パスの各々について導通状態を確認する必要があるため、入出力端子のチャネル数が膨大になると、パス試験の作業工数及び作業時間が大幅に増大するという問題があった。
【0013】
また、特許文献1及び2のクロスコネクトパス試験システムにおいても、チャネル数が大きくなると、高密度に多重化し、タイムスロットを任意に制御する複雑な回路が必要となるため、速度的な制約を受けるとともに、制御の難易度が高くなり、膨大なチャネル数を有するクロスコネクト装置のパス試験には不向きであった。
【0014】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、クロスコネクト装置が多数のチャネル数を有する場合でも、短い作業時間と少ない作業工数でパス状態を試験することができるクロスコネクトパス試験システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明は、複数のチャネルを有するクロスコネクト装置と、試験信号を出力するパルス発生手段と、前記クロスコネクト装置のパス状態を検出する検出手段とを備え、前記クロスコネクト装置のパス状態を試験するクロスコネクトパス試験システムであって、所定のチャネル番号の入力端子を前記パルス発生手段に接続し、前記所定のチャネル番号の出力端子を前記検出手段に接続するとともに、他のチャネル番号の入出力端子を経由しながら、前記パルス発生手段に接続された入力端子から前記検出手段に接続された出力端子までを連続的に繋ぐパスを前記クロスコネクト装置に設定する第1パス設定と、前記所定のチャネル番号の入力端子を前記所定のチャネル番号の出力端子に折り返し接続するパスを前記クロスコネクト装置に設定する第2パス設定とを、前記複数のチャネルの各々について実行し、前記クロスコネクト装置のパス状態を試験することを特徴とすることを特徴とする。
【0016】
そして、本発明によれば、第1及び第2パス設定からなる2通りのパス設定を、チャネル数だけ繰り返すことにより、クロスコネクト装置のパス状態を試験することができ、クロスコネクト装置が多数のチャネル数を有する場合でも、短い作業時間と少ない作業工数でパス状態を試験することが可能となる。
【0017】
前記クロスコネクトパス試験システムにおいて、前記第1パス設定の前記他のチャネル番号の入出力端子を繋ぐパスが、入力端子及び出力端子の一方を隣り合うチャネル番号以外のチャネル番号の入力端子及び出力端子の他方に繋ぐパスを含むように構成することができる。この構成によれば、隣り合うチャネル番号の出力端子に入力端子を繋ぐようなパスのみならず、チャネル番号を1以上飛び越す出力端子に入力端子を繋ぐようなパスも漏れなく試験することができる。
【0018】
前記クロスコネクトパス試験システムにおいて、1ずつインクリメントする変数をmとし、入出力端子のチャネル番号をA(m)としたときに、前記第1パス設定の前記他のチャネル番号の入出力端子を繋ぐパスが、前記変数mの値が1つインクリメントする都度、前記クロスコネクト装置に1つのパスを構成するとともに、チャネル番号がA(m)の入力端子を、チャネル番号がA(m−1)+mの出力端子に接続する条件を満足するように構成することができる。前記条件を満足するようにクロスコネクト装置のパス設定を制御すれば、前記第1パス設定を効率的に形成することが可能となる。
【0019】
前記クロスコネクトパス試験システムにおいて、前記条件を、A(m−1)+mの値が前記複数のチャネルのチャネル数を超えたときに、A(m−1)+mの値から前記複数のチャネルのチャネル数を減算し、減算結果値のチャネル番号の出力端子に、前記チャネル番号がA(m)の入力端子を接続するように設定することができる。これによれば、前記第1パス設定をより効率的に形成することが可能となる。
【0020】
また、本発明は、複数のチャネルを有するクロスコネクト装置に、試験信号を出力するパルス発生手段と、前記クロスコネクト装置のパス状態を検出する検出手段とを接続して、前記クロスコネクト装置のパス状態を試験するクロスコネクトパス試験方法であって、所定のチャネル番号の入力端子を前記パルス発生手段に接続し、前記所定のチャネル番号の出力端子を前記検出手段に接続するとともに、他のチャネル番号の入出力端子を経由しながら、前記パルス発生手段に接続された入力端子から前記検出手段に接続された出力端子までを連続的に繋ぐパスを前記クロスコネクト装置に設定する第1パス設定と、前記所定のチャネル番号の入力端子を前記所定のチャネル番号の出力端子に折り返し接続するパスを前記クロスコネクト装置に設定する第2パス設定とを、前記複数のチャネルの各々について実行し、前記クロスコネクト装置のパス状態を試験することを特徴とする。本発明によれば、前記発明と同様に、クロスコネクト装置が多数のチャネル数を有する場合でも、短い作業時間と少ない作業工数でパス状態を試験することが可能となる。
【0021】
前記クロスコネクトパス試験方法において、前記第1パス設定の前記他のチャネル番号の入出力端子を繋ぐパスが、入力端子及び出力端子の一方を隣り合うチャネル番号以外のチャネル番号の入力端子及び出力端子の他方に繋ぐパスを含むように構成することができる。
【0022】
前記クロスコネクトパス試験方法において、1ずつインクリメントする変数をmとし、入出力端子のチャネル番号をA(m)としたときに、前記第1パス設定の前記他のチャネル番号の入出力端子を繋ぐパスが、前記変数mの値が1つインクリメントする都度、前記クロスコネクト装置に1つのパスを構成するとともに、チャネル番号がA(m)の入力端子を、チャネル番号がA(m−1)+mの出力端子に接続する条件を満足するように構成することができる。
【0023】
前記クロスコネクトパス試験方法において、前記条件を、A(m−1)+mの値が前記複数のチャネルのチャネル数を超えたときに、A(m−1)+mの値から前記複数のチャネルのチャネル数を減算し、減算結果値のチャネル番号の出力端子に、前記チャネル番号がA(m)の入力端子を接続するように設定することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によれば、クロスコネクト装置が多数のチャネル数を有する場合でも、短い作業時間と少ない作業工数でパス状態を試験することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明にかかるクロスコネクトパス試験システムの一実施の形態を示す全体構成図である。尚、同図において、図19の従来のクロスコネクトパス試験システム100と同一の構成要素については、同一の符号を付す。
【0027】
クロスコネクトパス試験システム1は、N個の入力端子IN1〜IN_Nと、N個の出力端子OUT1〜OUT_Nとを有するN×Nクロスコネクト装置10のパス状態を試験するためのものであり、試験用のパルス信号60を発生するパルスジェネレータ30と、クロスコネクト装置10のパスエラーを検出するパルスディテクタ40と、パルスジェネレータ30及びパルスディテクタ40に、クロスコネクト装置10の入出力端子IN1〜IN_N、OUT1〜OUT_Nを選択的に接続するスイッチ試験機2と、クロスコネクトパス試験システム1全体の動作を制御する制御装置3とから構成される。
【0028】
スイッチ試験機2は、クロスコネクト装置10の入出力端子IN1〜IN_N、OUT1〜OUT_Nに対応して、N個のスイッチ2_1〜2_Nを有し、各スイッチ2_1〜2_Nは、図2に示すように、クロスコネクト装置10の入力端子IN_1〜IN_Nへの入力信号を切り替えるための第1スイッチ部21と、クロスコネクト装置10の出力端子OUT_1〜OUT_Nからの出力信号を切り替える第2スイッチ部22とを備える。
【0029】
第1スイッチ部21には、パルスジェネレータ30の出力と接続された入力端子21aと、第2スイッチ部22の出力端子22bに接続された入力端子21bと、入力端子21a、21bの何れかをクロスコネクト装置10の入力端子IN_1〜IN_Nに接続する出力端子21cとが設けられる。一方、第2スイッチ部22には、パルスディテクタ40の入力に接続された出力端子22aと、第1スイッチ部21の入力端子21bに接続され、折り返し経路を形成する出力端子22bと、クロスコネクト装置10の出力端子OUT_1〜OUT_Nを出力端子22a、22bの何れかに接続する入力端子22cとが設けられる。
【0030】
以下の説明においては、図2(a)に示すように、パルスジェネレータ30をクロスコネクト装置10の入力端子IN_1〜IN_Nに接続し、クロスコネクト装置10の出力端子OUT_1〜OUT_Nをパルスディテクタ40に接続する接続態様を「1接続」と称し、図2(b)に示すように、クロスコネクト装置10の出力端子OUT1〜OUT_Nを入力端子IN1〜IN_Nに折り返し接続する接続態様を「2接続」と称する。
【0031】
図1に戻り、制御装置3は、各回路の動作を制御するものであり、クロスコネクト装置10、スイッチ試験機2及びパルスディテクタ40に対して、クロスコネクト制御信号52、スイッチ制御信号33及びエラーリセット信号54を出力するとともに、パルスディテクタ40からのエラー結果55に基づいて、OK表示及びNG表示をする。また、制御装置3は、接続設定テーブル31を作成し、接続設定テーブル31に従ってパス試験時のクロスコネクト装置10のパス構成を設定する。
【0032】
接続設定テーブル31は、クロスコネクト装置10の入出力端子IN_1〜IN_N、OUT_1〜OUT_Nの接続設定を規定するものであり、図3(a)に示すデータ構成を有する。同図において、「m」及び「n」は、各々、接続の順序を示す番号(以下、「接続番号」という)、及び試験対象のチャネル番号を示す番号(以下、「試験番号」という)であり、各セルの値(A(0,1)、A(1,1)・・・)は、入出力端子IN_1〜IN_N、OUT_1〜OUT_Nのチャネル番号である。例えば、図3(b)に示すように、試験番号n=1の行に、「1」、「2」、「3」及び「4」を設定している場合には、入力端子IN_1を出力端子OUT_2に接続するパスと、入力端子IN_2を出力端子OUT_3に接続するパスと、入力端子IN_3を出力端子OUT_4に接続するパスとを順次構成すべきことを示す。
【0033】
また、図3(a)において、「ヘアピン」の列(B(1)、B(2)・・・)は、折り返し接続のチャネル番号を示し、例えば、図3(b)に示すように、「1」を設定している場合には、入力端子IN_1を出力端子OUT_1に折り返し接続すべきことを示す。
【0034】
次に、図1のクロスコネクトパス試験システム1を用いたパス試験方法について、図1〜図11を参照して説明する。尚、下記に示すパス試験方法は、クロスコネクト装置10のチャネル数Nが2の累乗である場合に好適なパス試験方法であり、以下の説明においては、チャネル数Nが4である場合を例にとって説明する。
【0035】
パス試験に際しては、図4に示すように、まず、接続設定テーブル31(図3参照)を作成し(ステップS1)、その後、接続設定テーブル31に従ってクロスコネクト装置10のパスを構成して導通状態を確認する(ステップS2)。尚、接続設定テーブル31の作成は、1回目のパス試験時にのみ行われ、2回目以降のパス試験では、1回目のパス試験時に作成した接続設定テーブル31を用いて試験を行う。
【0036】
接続設定テーブル31の作成にあたっては、図5に示すように、試験番号nを「1」に設定するとともに(ステップS1−1(i))、接続番号mを「0」に設定する(ステップS1−2)。次いで、変数a(0,n)の値と、接続設定テーブル31の設定値A(0、n)の値とに、試験番号nの値を代入する(ステップS1−3、S1−4)。ここでは、nの値が1であるため、変数a(0,1)=設定値A(0,1)=1となり、図6の31aに示すように、接続設定テーブル31のA(0,1)に「1」が設定される。尚、変数a(m、n)は、後述する設定値A(m,n)の算出に用いる変数である。
【0037】
次いで、接続番号mの値を1とし(ステップS1−5(i))、変数a(m−1,n)+mの値を変数a(m、n)の値に代入する(ステップS1−6)。接続番号m=1、試験番号n=1であるため、「変数a(0,1)の値+1」が変数a(1,1)の値に代入され、変数a(0,1)=1に1を加算した値「2」が、変数a(1,1)の値とされる。
【0038】
次に、変数a(m,n)の値がチャネル数N以下であるか否かを判定する(ステップS1−7)。上記のとおり、変数a(1,1)の値は2であり、チャネル数N=4より小さいため、ステップS1−8に移行し、変数a(m,n)の値を設定値A(m,n)の値に代入する。その結果、変数a(1,1)=設定値A(1,1)=2となり、図6の31bに示すように、接続設定テーブル31のA(1,1)に「2」が設定される。
【0039】
その後、接続番号mをインクリメントしながら、m=N−1(N=4)となるまで、ステップS1−6〜S1−8の処理を繰り返し、上記と同様にして、接続設定テーブル31のA(2,1)、A(3,1)を設定する(ステップS1−5(i)〜S1−5(o))。尚、接続番号m=3のときは、ステップS1−6の変数a(m−1,n)+mの値が7となり、チャネル数Nより大きくなるため(ステップS1−7:No)、ステップS1−9において、変数a(3,1)=7から信号数N=4を減算し、変数a(3,1)の値を3に置き換える。そのため、接続設定テーブル31のA(3,1)には、図6の31cに示すように「3」が設定される。
【0040】
接続設定テーブル31のA(0,1)〜A(3,1)の設定が終了すると、試験番号nの値を、設定値A(N,n)及び設定値B(N)の値に各々代入する(ステップS1−10、S1−11)。試験番号n=1であるため、図6の31d、31eに示すように、接続設定テーブル31のA(4,1)及びB(1)の各々に「1」が設定される。
【0041】
次いで、試験番号nの値をインクリメントしながら、n=Nとなるまで、ステップS1−2〜S1−11の処理を繰り返し(ステップS1−1(i)〜S1−1(o))、上記と同様にして、接続設定テーブル31のn=2の行の設定値(A(0,2)〜B(2))、n=3の行の設定値(A(0,3)〜B(3))、及び、n=4の行の設定値(A(0、4)〜B(4))を順次設定する(図6参照)。
【0042】
以上のようにして、設定値が設定された接続設定テーブル31では、図6の太枠で囲ったように、始点と終点が同じチャネル番号となり、それ以外はチャネル番号が重複しないタンデム設定となる。こうして、接続設定テーブル31の作成が終了すると、次に、作成した接続設定テーブル31に基づいてパスを構成して導通確認を行う。
【0043】
導通確認処理に際しては、図7に示すように、まず、試験番号n=1及び接続番号m=1として(ステップS2−1(i)、S2−2(i))、クロスコネクト装置10のパス構成を、接続設定テーブル31の設定値A(m−1,n)から設定値A(m,n)に接続するように制御する(ステップS2−3)。図6の接続設定テーブル31では、設定値A(0,1)の値が「1」、設定値A(1,1)の値が「2」であるため、図8(a)に示すように、入力端子IN_1を出力端子OUT_2に繋ぐパス10aが構成される。
【0044】
その後、接続番号mの値をインクリメントしながら、接続番号m=N(N=4)となるまで、ステップS2−3の処理を繰り返し、他の入出力端子に関するパスを構成する(ステップS2−2(i)〜S2−2(o))。図6の接続設定テーブル31では、設定値A(2,1)、A(3,1)及びA(4,1)の値が「4」、「3」、「1」であるため、図8(a)に示すように、入力端子IN_2を出力端子OUT_4に繋ぐパス10b、入力端子IN_4を出力端子OUT_3に繋ぐパス10c、入力端子IN_3を出力端子OUT_1に繋ぐパス10dが構成される。
【0045】
次いで、スイッチ試験機2の切り替え構成を制御し、スイッチ2_nを「1接続」とし、それ以外のスイッチを「2接続」とする(ステップS2−4)。試験番号n=1であるため、図8(a)に示すように、スイッチ2_1が、「1接続」とされ、パルスジェネレータ30の出力をクロスコネクト装置10の入力端子IN_1に接続し、出力端子OUT_1をパルスディテクタ40に接続するスイッチ設定とされる。その一方で、スイッチ2_2〜2_Nは、「2接続」とされ、クロスコネクト装置10の出力端子OUT_2〜OUT_Nからの入力を折り返して、同一のチャネル番号の入力端子IN_2〜IN_Nに出力するスイッチ設定とされる。
【0046】
以上のようなパス設定及びスイッチ設定により、図8(a)に示すように、クロスコネクト装置10の入力端子IN_1及び出力端子OUT_1をパルスジェネレータ30及びパルスディテクタ40に各々接続するとともに、他の入出力端子IN_2〜IN_4、OUT_2〜OUT_4を経由しながら、入力端子IN_1から出力端子OUT_1までを繋ぐルートが形成される。また、入出力端子IN_2〜IN_4、OUT_2〜OUT_4を繋ぐルートにおいては、チャネル番号順で入出力端子を接続するパス10a、10cの他、チャネル番号を跨いで入出力端子を繋ぐパス10b、10dも形成される。
【0047】
次いで、パルスディテクタ40をエラーリセット制御した後に(ステップS2−5)、パルスジェネレータ30からパルス信号60を出力し、形成したルートの導通状態をパルスディテクタ40で確認する。一定の測定時間を待った後に、パルスディテクタ40のエラー結果55を制御装置3に取り込み(ステップS2−6)、導通していない場合には(ステップS2−7:No)、NG表示をしてパス試験を中断する(ステップS2−8)。
【0048】
これに対し、導通している場合には(ステップS2−7:Yes)、パス試験を継続し、今度は、接続設定テーブル31のヘアピン設定値B(n)に基づいてクロスコネクト装置10のパス設定を行う(ステップS2−9)。図6の接続設定テーブル31では、設定値B(1)の値が「1」であるため、図8(b)に示すように、クロスコネクト装置10の入力端子IN_1を出力端子OUT_1に折り返すパス10eが構成される。
【0049】
次いで、上記のステップS2−5〜S2−7と同様にして、図8(b)のルートの導通状態を確認する(ステップS2−10〜S2−12)。その結果、導通していない場合には(ステップS2−12:No)、NG表示をしてパス試験を中断し(ステップS2−8)、導通している場合には(ステップS2−12:Yes)、パス試験を継続する。
【0050】
その後、試験番号nの値をインクリメントしながら、試験番号n=N(N=4)となるまで、上記のステップS2−2(i)〜S2−12までの処理を繰り返し、順次、図9(a)、(b)、図10(a)、(b)及び図11(a)、(b)のルートを形成して、導通確認を行う(ステップS2−1(i)〜S2−1(o))。そして、何れのルートにおいても、導通している場合には、OK表示をして処理を終了する(ステップS2−13)。このような導通確認により、4×4=16通りの全てのクロスコネクトパスの導通を漏れなく確認することができる。
【0051】
以上のパス試験によれば、A(m,n)の接続及びB(n)の接続からなる2つのパス設定をチャネル数Nの数だけ繰り返すのみで、N×N通りの全てのパスの導通確認を行うことができる。すなわち、2×N回の接続変更回数でクロスコネクト装置10のパス試験を行うことでき、パス試験に要する作業工数や作業時間を大幅に短縮することが可能となる。従って、クロスコネクト装置10が多数のチャネル数を有する場合でも、短い作業時間と少ない作業工数でパス状態を試験することが可能となる。
【0052】
尚、上述の説明では、チャネル数N=4の場合を例に挙げたが、Nが2の累乗であれば、N=4以外の場合にも、上記と同様にして、パスの設定及び導通確認を行うことができる。例えば、N=16とした場合には、接続設定テーブル31は、図12に示す設定状態となり、この図12の接続設定テーブル31でも、始点及び終点を同じチャネル番号の入出力端子で接続し、それ以外では、チャネル番号が重複しないタンデム設定の条件を満たす。よって、N=4の場合と同様に、少ない接続変更回数で、全てのクロスコネクトパスの導通を漏れなく確認することができる。
【0053】
図13〜図15は、本発明にかかるクロスコネクトパス試験システム1で用いるパス試験方法の他の例を示すフローチャートである。同図に示すパス試験方法は、クロスコネクト装置10のチャネル数Nが2の累乗の場合に限らず、チャネル数Nが2の累乗以外の場合にも好適なパス試験方法である。このパス試験方法においても、クロスコネクトパス試験システムのハード的な構成に関しては、接続設定テーブルの設定値が異なる点を除き、図1のクロスコネクトパス試験システム1と同一である。
【0054】
図13に示したフローチャートは、接続設定テーブル31を作成するための算出アルゴリズムをフローチャート化したものであり、クロスコネクト装置10の入力数Nから2の累乗のKを算出するステップS31と、試験番号n=1〜Kの間で、ステップS33〜S47の処理をK回に亘ってループするステップS32(i)〜S32(o)と、試験番号nとチャネル数Nを比較し、N以下であれば、試験番号nをそのまま設定値A(0,n)に代入し、Nより大きい場合には、0を設定値A(0,n)に代入するステップS34〜S36と、接続番号m=1〜K−1の間で、ステップS38〜S43の処理をK−1回に亘ってループするステップS37(i)〜S37(o)と、変数a(m−1,n)にmを加算して変数a(m,n)に代入するステップS38と、変数a(m,n)とKを比較して、Kより大きい場合には、変数a(m,n)−Kの結果を変数a(m,n)に代入し、K以下の場合には、ステップS41に移行するステップS39〜S40と、変数a(m,n)とNを比較して、N以下の場合には、変数a(m,n)を設定値A(m,n)に代入し、Nより大きい場合には、設定値A(m−1,n)を設定値A(m,n)に代入するステップS41〜S43と、試験番号nとチャネル数Nを比較して、N以下の場合には、試験番号nを設定値A(K,n)に代入し、Nより大きい場合には、設定値A(K−1,n)を設定値A(K,n)に代入するステップS44〜S46と、ヘアピン設定のため、試験番号nを設定値B(n)に代入するステップS47とを有する。
【0055】
また、図14及び図15に示したフローチャートは、設定した接続設定テーブル31に従ってクロスコネクト装置10のパスを構成して導通状態を確認するためのものであり、試験番号n=1〜Kの間で、ステップS52〜S65の処理をK回に亘ってループするステップS51(i)〜S51(o)と、0を変数Mに代入するステップS52と、接続番号m=1〜Kの間で、ステップS54〜S60の処理をK回に亘ってループするステップS53(i)〜S53(o)と、設定値A(m,n)と設定値A(m−1,n)を比較して、等しい場合には、ステップS55に移行し、異なる場合には、ステップS57に移行するステップS54と、接続番号mと変数Kを比較して、等しい場合には、変数Mを設定値A(K,n)に代入し、異なる場合には、ステップS53(o)に移行するステップS55〜S56と、ステップS54で設定値A(m,n)と設定値A(m−1,n)が異なる場合に、さらに変数Mと0を比較して、変数Mが0より大きいときには、ステップS60に移行し、それ以外のときには、設定値A(m−1,n)を変数Mに代入するステップS57〜S58と、変数a(m−1,n)と0を比較して、0より大きい場合には、ステップS60に移行し、それ以外のときには、ステップS53(o)に移行するステップS59と、クロスコネクト装置10において接続元A(m−1,n)から接続先A(m,n)に接続するクロスコネクト設定を制御するステップS60と、スイッチ試験機2のスイッチ2_Mのみ「1接続」を選択し、それ以外のスイッチで「2接続」を選択制御するステップS61と、パルスディテクタ40をエラーリセット制御するステップS62と、パルスディテクタ40からエラー結果55を収集するステップS63と、導通している場合には、ステップS51(o)に移行し、導通不良の場合には、NG表示をするステップS64〜S65と、ステップS51(i)〜S51(o)のループを抜けた後に、試験番号n=1〜Nの間で、ステップS67〜S72の処理をN回に亘ってループするステップS66(i)〜S66(o)と、クロスコネクト装置10において接続元B(n)から接続先B(n)に折り返し接続するクロスコネクト設定を制御するステップS67と、スイッチ試験機2のスイッチ2_nのみ「1接続」を選択し、それ以外のスイッチで「2接続」を選択制御するステップS68と、パルスディテクタ40をエラーリセット制御するステップS69と、パルスディテクタ40からエラー結果55を収集するステップS70と、導通している場合には、ステップS66(o)に移行し、導通不良の場合には、NG表示をするステップS71〜S72と、全てのパスで導通状態を確認したらOK表示をするステップS73とを有する。
【0056】
次に、チャネル数N=3の場合を例にとって、上記のパス試験方法を説明する。図16は、チャネル数N=3の場合の接続設定テーブル31の状態を示す図である。
【0057】
図13において、ステップS31で、「2s-1<N(=3)≦2s=K」の条件式から、2の累乗のKの値「4」を算出する。試験番号n=1のステップS32を実行するときは、まず、ステップS33により、試験番号n(=1)を変数a(0,1)に代入し、次に、ステップS34において、試験番号n(=1)と、チャネル数N(=3)とを比較する。このとき、n≦Nなので、試験番号n(=1)を設定値A(0,1)に代入する(図16の31f参照)。
【0058】
次に、接続番号m=1のステップS37のループを実行し、ステップS38において、変数a(0,1)+m(=1)=2を変数a(1,1)に代入する。次いで、ステップS39において、変数a(1,1)が2の累乗のK(=4)を超えていないかを判定し、超えていないので、ステップS41に移行する。次に、ステップS41において、変数a(1,1)がチャネル数N(=3)を超えていないかを判定し、超えていないので、そのまま、変数a(1,1)の値である2を設定値A(1,1)に代入する(図16の31g参照)。
【0059】
次いで、接続番号m=2のステップS37のループを実行し、ステップS38において、変数a(1,1)+2=4を変数a(2,1)に代入する。次に、ステップS39において、変数a(2,1)がK(=4)を超えていないかを判定し、超えていないので、ステップS41に移行する。ステップS41において、変数a(2,1)がチャネル数N(=3)を超えていないかを判定し、超えているので、ステップS43において、設定値A(1,1)を設定値A(2,1)へ代入する(図16の31h参照)。
【0060】
次に、接続番号m=3のステップS37のループを実行し、ステップS38において、変数a(2,1)+3=7を変数a(3,1)に代入する。次いで、ステップS39において、変数a(3,1)が2の累乗のK(=4)を超えていないかを判定し、超えているので、ステップS40において、7−4=3を変数a(3,1)に代入する。次に、ステップS41において、変数a(3,1)がチャネル数N(=3)を超えていないかを判定し、超えていないので、ステップS42において、そのまま、変数a(3,1)の値「3」を設定値A(3,1)に代入する(図16の31i参照)。
【0061】
次いで、ステップS37のループを抜け、ステップS44において、試験番号n(=1)がチャネル数N(=3)を超えていないかを判定し、超えていないので、ステップS45において、試験番号n(=1)を設定値A(4,1)に代入する(図16の3j参照)。次に、ステップS47において、試験番号n(=1)を設定値B(1)に代入する(図16の31k参照)。
【0062】
その後は、ステップS32(i)〜S32(o)のループを、試験番号n=2,3,4まで繰り返し、K(=4)回に亘って実行する。これにより、試験番号n=2〜4の行についても、図16に示すように、設定値を設定していく。図16に示す接続設定テーブル31では、始点及び終点以外のチャネル番号が重複しないこと、及び、後述の変数M値を求めることにより、タンデムの始点と終点を同じチャネル番号にすることを満足している。
【0063】
続いて、図16の接続設定テーブル31を用いてクロスコネクト設定し、導通を確認する手順を説明する。図14において、ステップS51は、試験番号n=1から1刻みで、ステップS51(i)〜S51(o)内の処理を4回に亘って繰り返す。
【0064】
図14に示すように、まず、試験番号n=1のステップS51のループを実行し、ステップS52において、0を変数Mに代入する。次に、接続番号m=1から1刻みで、ステップS53(i)〜S53(o)内の処理を4回に亘って繰り返す。
【0065】
接続番号m=1のときには、ステップS54において、設定値A(1,1)と設定値A(0,1)を比較し、等しくないので、ステップS57に移行する。次に、ステップS57において、変数Mと0を比較し、M(=0)>0が成り立たないので、設定値A(0,1)の値(=1)を変数Mに代入する。その後、ステップS59において、設定値A(0,1)と0を比較し、1>0なので、ステップS60において、クロスコネクト装置10に対し、接続元A(0,1)から接続先A(1,1)に接続するクロスコネクト設定を制御する。
【0066】
次に、接続番号m=2のステップS53のループを実行し、ステップS54において、A(2,1)とA(1,1)を比較し、等しいので、ステップS55に移行する。次いで、ステップS55において、接続番号m(=2)とK(=4)を比較し、等しくないため、クロスコネクト装置10のパス設定を制御することなく、次の接続番号m=3のステップS53のループに進む。
【0067】
次いで、接続番号m=3のステップS53のループを実行し、ステップS54において、設定値A(3,1)と設定値A(2,1)を比較し、等しくないので、ステップS57に移行する。次に、ステップS57において、変数Mと0を比較し、M(=1)>0であるため、ステップS60において、クロスコネクト装置10に対し、接続元A(2,1)から接続先A(3,1)に接続するクロスコネクト設定を制御する。
【0068】
次いで、接続番号m=4のステップS53のループを実行し、ステップS54において、設定値A(4,1)と設定値A(3,1)を比較し、等しくないので、ステップS57に移行する。次に、ステップS57において、変数Mと0を比較し、変数M(=1)>0であるため、ステップS60において、クロスコネクト装置10に対し、接続元A(3,1)から接続先A(4,1)に接続するクロスコネクト設定を制御する。
【0069】
以上のような処理により、クロスコネクト装置10に対し、1→2、2→3、3→1のクロスコネクト設定を制御する。
【0070】
次に、ステップS53のループを抜け、ステップS61において、スイッチ試験機2のスイッチ2_Mのみ「接続1」を選択し、それ以外のスイッチで「2接続」を選択制御し、ステップS62において、パルスディテクタ40をエラーリセット制御し、ステップS63において、パルスディテクタ40からエラー結果55を収集し、導通している場合には、次のループに移行し、導通不良の場合には、NG表示をして処理を中断する。その後は、ステップS51(i)〜S51(o)のループをn=2,3,4まで繰り返し、K(=4)回に亘って実行する。
【0071】
次いで、図15に示すように、試験番号=1から1刻みで、ステップS66(i)〜S66(o)内の処理を3回に亘って繰り返す。
【0072】
まず、試験番号n=1のステップS66のループを実行し、ステップS67において、クロスコネクト装置10に対し、接続元B(1)から接続先B(1)に折り返し接続するようにクロスコネクト設定を制御する。次いで、ステップS68において、スイッチ試験機2のスイッチ2−1のみ「1接続」を選択する。その後、ステップS69において、パルスディテクタ40をエラーリセット制御し、一定の測定時間を待って、ステップS70において、パルスディテクタ40のエラー結果55を制御装置3に取り込む。次に、ステップS71において、導通している場合には、ステップS66の次のループに移行し、導通不良の場合には、NG表示をして処理を中断する。
【0073】
その後は、試験番号N=2、3、4まで、ステップS66(i)〜S66(o)のループを3回に亘って実行し、全てのパスの導通を確認したら、ステップS73において、OK表示をして処理を終了する。
【0074】
以上のように、接続設定テーブル31に従ってクロスコネクト装置10のパス構成を設定するに際し、2の累乗であるNのタンデムルートを設定した接続設定テーブル31から、入出力端子が無い不要な組み合わせをスキップしつつ、始点及び終点を同じチャネル番号の入出力端子で接続することにより、全てのルートについて漏れなく、導通状態を確認することが可能となる。
【0075】
尚、上述の説明では、チャネル数N=3の場合を例に挙げたが、N=3以外の場合にも、上記と同様にして、パスの設定及び導通確認を行うことができる。例えば、N=6とした場合には、接続設定テーブル31は、図17に示す設定状態となり、この図17の接続設定テーブル31でも、図16の接続設定テーブル31と同様の条件を満たす。
【0076】
最後に、SDH伝送装置で使用するN=768のクロスコネクト装置を試験対象とし、図13〜図16に示すパス試験方法と、図19及び図20に示す従来のパス試験方法との導通確認時間の比較結果を図18に示す。
【0077】
図18に示すように、従来のパス試験方法では、パス試験を行うのにN2回の接続変更が必要であるのに対し、図13〜図16に示すパス試験方法では、2×N回の接続変更回数でパス試験を行うことができる。このため、1回の測定に1秒間の時間を要するとした場合、従来のパス試験方法では、測定時間が589,824秒(6.8日)必要になるのに対し、図13〜図16に示すパス試験方法では、約30分で済む。この結果から分かるように、図13〜図16に示すパス試験方法を用いれば、作業時間が3/1000(0.3%)になり、作業工数及び時間の大幅な短縮が可能となる。また、クロストークや同時動作による誤動作試験については、従来のパス試験方法では、別途の確認処理が必要となるが、図13〜図16に示すパス試験方法では、導通確認と同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明にかかるクロスコネクトパス試験システムの一実施の形態を示す全体構成図である。
【図2】図1のスイッチ試験機を示す構成図である。
【図3】図1の接続設定テーブルのデータ構成を示す図である。
【図4】パス試験の手順を示すフローチャートである。
【図5】接続設定テーブルの作成手順を示すフローチャートである。
【図6】N=4とした場合の接続設定テーブルのデータ構成を示す図である。
【図7】導通確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】クロスコネクト装置のパス構成を示す図である。
【図9】クロスコネクト装置のパス構成を示す図である。
【図10】クロスコネクト装置のパス構成を示す図である。
【図11】クロスコネクト装置のパス構成を示す図である。
【図12】N=16とした場合の接続設定テーブルのデータ構成を示す図である。
【図13】本発明にかかるクロスコネクトパス試験システムで用いるパス試験方法の他の例を示すフローチャートである。
【図14】本発明にかかるクロスコネクトパス試験システムで用いるパス試験方法の他の例を示すフローチャートである。
【図15】本発明にかかるクロスコネクトパス試験システムで用いるパス試験方法の他の例を示すフローチャートである。
【図16】N=3とした場合の接続設定テーブルのデータ構成を示す図である。
【図17】N=6とした場合の接続設定テーブルのデータ構成を示す図である。
【図18】本発明にかかるクロスコネクトパス試験システムと、従来のクロスコネクトパス試験システムとの導通確認時間の比較結果を示す図である。
【図19】従来のクロスコネクトパス試験システムを示す全体構成図である。
【図20】図19のクロスコネクトパス試験システムで用いるパス試験方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
1 クロスコネクトパス試験システム
2 スイッチ試験機
2_1〜2_N スイッチ
3 制御装置
10 クロスコネクト装置
21 第1スイッチ部
21a、21b 入力端子
21c 出力端子
22 第2スイッチ部
22a、22b 出力端子
22c 入力端子
30 パルスジェネレータ
31 接続設定テーブル
31a〜31k 設定値
33 スイッチ制御信号
40 パルスディテクタ
50 制御装置
52 クロスコネクト制御信号
53 第1スイッチ制御信号
54 エラーリセット信号
55 エラー結果
56 第2スイッチ制御信号
60 パルス信号
80 第1スイッチ試験機
80_1〜80_N スイッチ
90 第2スイッチ試験機
90_1〜90_N スイッチ
100 クロスコネクトパス試験システム
IN_1〜IN_N 入力端子
OUT_1〜OUT_N 出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャネルを有するクロスコネクト装置と、試験信号を出力するパルス発生手段と、前記クロスコネクト装置のパス状態を検出する検出手段とを備え、前記クロスコネクト装置のパス状態を試験するクロスコネクトパス試験システムであって、
所定のチャネル番号の入力端子を前記パルス発生手段に接続し、前記所定のチャネル番号の出力端子を前記検出手段に接続するとともに、他のチャネル番号の入出力端子を経由しながら、前記パルス発生手段に接続された入力端子から前記検出手段に接続された出力端子までを連続的に繋ぐパスを前記クロスコネクト装置に設定する第1パス設定と、前記所定のチャネル番号の入力端子を前記所定のチャネル番号の出力端子に折り返し接続するパスを前記クロスコネクト装置に設定する第2パス設定とを、前記複数のチャネルの各々について実行し、前記クロスコネクト装置のパス状態を試験することを特徴とするクロスコネクトパス試験システム。
【請求項2】
前記第1パス設定の前記他のチャネル番号の入出力端子を繋ぐパスは、入力端子及び出力端子の一方を隣り合うチャネル番号以外のチャネル番号の入力端子及び出力端子の他方に繋ぐパスを含むことを特徴とする請求項1に記載のクロスコネクトパス試験システム。
【請求項3】
1ずつインクリメントする変数をmとし、入出力端子のチャネル番号をA(m)としたときに、
前記第1パス設定の前記他のチャネル番号の入出力端子を繋ぐパスは、前記変数mの値が1つインクリメントする都度、前記クロスコネクト装置に1つのパスを構成するとともに、チャネル番号がA(m)の入力端子を、チャネル番号がA(m−1)+mの出力端子に接続する条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のクロスコネクトパス試験システム。
【請求項4】
前記条件は、A(m−1)+mの値が前記複数のチャネルのチャネル数を超えたときに、A(m−1)+mの値から前記複数のチャネルのチャネル数を減算し、減算結果値のチャネル番号の出力端子に、前記チャネル番号がA(m)の入力端子を接続することを特徴とする請求項3に記載のクロスコネクトパス試験システム。
【請求項5】
複数のチャネルを有するクロスコネクト装置に、試験信号を出力するパルス発生手段と、前記クロスコネクト装置のパス状態を検出する検出手段とを接続して、前記クロスコネクト装置のパス状態を試験するクロスコネクトパス試験方法であって、
所定のチャネル番号の入力端子を前記パルス発生手段に接続し、前記所定のチャネル番号の出力端子を前記検出手段に接続するとともに、他のチャネル番号の入出力端子を経由しながら、前記パルス発生手段に接続された入力端子から前記検出手段に接続された出力端子までを連続的に繋ぐパスを前記クロスコネクト装置に設定する第1パス設定と、前記所定のチャネル番号の入力端子を前記所定のチャネル番号の出力端子に折り返し接続するパスを前記クロスコネクト装置に設定する第2パス設定とを、前記複数のチャネルの各々について実行し、前記クロスコネクト装置のパス状態を試験することを特徴とするクロスコネクトパス試験方法。
【請求項6】
前記第1パス設定の前記他のチャネル番号の入出力端子を繋ぐパスは、入力端子及び出力端子の一方を隣り合うチャネル番号以外のチャネル番号の入力端子及び出力端子の他方に繋ぐパスを含むことを特徴とする請求項5に記載のクロスコネクトパス試験方法。
【請求項7】
1ずつインクリメントする変数をmとし、入出力端子のチャネル番号をA(m)としたときに、
前記第1パス設定の前記他のチャネル番号の入出力端子を繋ぐパスは、前記変数mの値が1つインクリメントする都度、前記クロスコネクト装置に1つのパスを構成するとともに、チャネル番号がA(m)の入力端子を、チャネル番号がA(m−1)+mの出力端子に接続する条件を満足することを特徴とする請求項6又は7に記載のクロスコネクトパス試験方法。
【請求項8】
前記条件は、A(m−1)+mの値が前記複数のチャネルのチャネル数を超えたときに、A(m−1)+mの値から前記複数のチャネルのチャネル数を減算し、減算結果値のチャネル番号の出力端子に、前記チャネル番号がA(m)の入力端子を接続することを特徴とする請求項7に記載のクロスコネクトパス試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−271264(P2008−271264A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−112510(P2007−112510)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】