説明

クロマト分離方法およびクロマト分離装置

【課題】グルコースとガラクトースとを含んだ水溶液から、グルコースおよびガラクトースをそれぞれ高純度かつ高い回収率で高効率に分離する技術を提供する。
【解決手段】本発明のクロマト分離方法は、吸着剤が充填された複数の単位充填層が直列かつ無端状に連結された循環系に対し、溶離液および2以上の成分を含んだ原液を供給し、擬似移動層方式により、前記原液から2以上の画分を分離する。本発明のクロマト分離方法では、前記原液としてグルコースとガラクトースとを含んだものを用い、前記吸着剤としてストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルコースとガラクトースとを含んだ水溶液から、グルコースが冨化された画分とガラクトースが冨化された画分とを分離する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クロマトグラフィーの手法により、2以上の成分を含む原液から2以上の所定の成分を分離する技術(以下、クロマト分離)が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。クロマト分離では、吸着剤を充填した充填層に2以上の成分を含む原液を供給するとともに原液を水等の溶離液で流下させる。そして、クロマト分離では、吸着性の弱い成分を相対的に速く流下させるとともに、吸着性の強い成分を相対的に遅く流下させることにより、原液から、それぞれに所定の成分が冨化された2以上の画分を分離する。
【0003】
このようなクロマト分離の方式として、「擬似移動層方式」が知られる。擬似移動層方式は、原液中の特定成分に対して選択的吸着能力を有する吸着剤が充填された複数の単位充填層を直列に連結するとともに、最下流部の単位充填層と最上流部の単位充填層とを連結し、無端状の循環系を形成する。
【0004】
擬似移動層方式は、無端状の循環系に対して原液と溶離液とを供給し、循環系(単位充填層)内を高速で移動するA画分と、循環系内を低速で移動するC画分とをそれぞれ異なる位置から抜き出す。そして、擬似移動層方式は、原液供給位置、溶離液供給位置、A画分抜き出し位置、およびC画分抜き出し位置を、一定の位置関係に保ちながら流体循環方向下流側に順次移動させることで、原液供給を連続的に行う処理操作を擬似的に実現する。
【0005】
従来、食品や医薬品に利用されるグルコースやマルトースなどの糖は、Ca型やNa型に調整された強酸性陽イオン交換樹脂を吸着剤として用いた擬似移動層方式のクロマト分離により、グルコースやマルトースなどの糖を含んだ水溶液から効率良く分離される。例えばグルコースは、Na型に調整された強酸性陽イオン交換樹脂を用いた擬似移動層方式のクロマト分離により、グルコースを含んだ水溶液から効率よく分離される(例えば、特許文献2を参照)。
【0006】
ぶどう糖(グルコース)とマルトースとは、Na型やK型に調整された強酸性陽イオン交換樹脂を用いた擬似移動層方式のクロマト分離により、ぶどう糖とマルトースとを含んだ水溶液から効率よく分離される(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−64944号公報
【特許文献2】特開平3−83991号公報
【特許文献3】特開平6−237800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、グルコースとガラクトースとを、Ca型やNa型に調整された強酸性陽イオン交換樹脂を吸着剤として用いたHPLC(High performance liquid chromatography) により、グルコースとガラクトースとを含んだ水溶液から分離すると、グルコースとガラクトースとは、分析チャート上において非常に近い位置に検出される。
【0009】
このようなグルコースとガラクトースは、Ca型やNa型に調整された強酸性陽イオン交換樹脂を用いた擬似移動層方式のクロマト分離により、グルコースとガラクトースとを含んだ水溶液から分離しようとすると、濃度が高くなるほど分離しづらくなり、高純度かつ高い回収率での分離処理を高効率で行うことは困難であった。
【0010】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、グルコースとガラクトースとを含んだ水溶液から、グルコースおよびガラクトースそれぞれを、高純度かつ高い回収率で高効率に分離する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、吸着剤が充填された複数の単位充填層が直列かつ無端状に連結された循環系に対し、溶離液および2以上の成分を含んだ原液を供給し、擬似移動層方式により、前記原液から、それぞれに所定の成分が冨化された2以上の画分を分離するクロマト分離方法であって、前記原液として、グルコースとガラクトースとを含んだものを用い、前記吸着剤として、ストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いて、前記原液から、グルコースが冨化された画分とガラクトースが冨化された画分とを分離するクロマト分離方法に関する。
【0012】
また、本発明の一態様は、吸着剤としてストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂が充填された複数の単位充填塔が直列に連結され、最下流の単位充填塔から排出される液体を最上流の単位充填塔に還流可能とした無端状の循環系と、前記複数の単位充填塔の内のいずれかに、グルコースとガラクトースを含む原液を選択的に供給するための複数の原液供給弁と、前記複数の単位充填塔の内のいずれかに溶離液を選択的に供給するための複数の溶離液供給弁と、前記複数の単位充填塔の内のいずれかからグルコースが冨化された画分を前記循環系外に抜き出すための複数の第1抜き出し弁と、前記複数の単位充填塔の内のいずれかからガラクトースが冨化された画分を前記循環系外に抜き出すための複数の第2抜き出し弁と、前記複数の原液供給弁、前記複数の溶離液供給弁、前記複数の第1抜き出し弁および第2抜き出し弁それぞれを、対応する前記複数の単位充填塔それぞれに応じた所定の駆動サイクルで駆動するとともに、前記複数の単位充填塔それぞれにおける駆動サイクルが完了する毎に、それぞれの単位充填塔に対応する前記各弁で実行されていた駆動サイクルを前記それぞれの単位充填塔の1つ下流側に隣接する単位充填塔に対応する前記各弁で順次実行させる制御部と、を備える擬似移動層方式のクロマト分離装置に関する。
【0013】
本件出願人は、前記課題を解決するため鋭意研究した結果、擬似移動層方式のクロマト分離により、原液からグルコース画分とガラクトース画分とを分離する際に、吸着剤としてストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いる場合、他の型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いる場合に比べ、確実に、全糖濃度が高濃度の原液を用いることができるとともに吸着剤内部を流通する流体の流速を高流速にでき、これにより格段に、高純度かつ高い回収率で高効率に原液からグルコース画分とガラクトース画分とを分離できるという知見を得た。
【0014】
本発明の一態様の前記クロマト分離方法では、ストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂の架橋度が5%以上であることが好ましい。
【0015】
架橋度が5%未満のストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を吸着剤として用いる場合、強酸性陽イオン交換樹脂が柔らかく、また、強酸性陽イオン交換樹脂の容積変化率が大きいので、樹脂層が乱れて分離が悪くなる等、実用上種々の障害を引き起こす場合がある。障害が発生した場合、全糖濃度が低濃度の原液を用いる必要があるとともに、吸着剤内部を流通する流体の流速を低流速にする必要があり、極めて分離生産性が悪くなる。
しかしながら、前記方法によれば、吸着剤の架橋度が5%以上であるので、障害の発生を十分に抑えることができ、分離生産性を格段に向上できる。
【0016】
本発明の一態様の前記クロマト分離方法では、前記吸着剤が充填された前記単位充填層における流体の流速が2m/hr以上であることが好ましい。
この方法によれば、単位充填層における流体の流速が2m/hr以上であるので、確実に良好な分離生産性を得ることができる。
【0017】
本発明の一態様の前記クロマト分離方法では、前記原液において、グルコースとガラクトースとは、それぞれ固形分濃度で10質量%以上含まれることが好ましい。
一般に、原液中におけるグルコースとガラクトースとの濃度がそれぞれ高くなるほど、原液からグルコース画分とガラクトース画分とを分離しづらくなる。
この方法によれば、しかしながら、ストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いて原液を擬似移動層方式でクロマト分離するので、原液中にグルコースとガラクトースとがそれぞれ固形分濃度で10質量%以上含まれていても、高い分離性能を維持でき、グルコースとガラクトースとの濃度が高い原液を用いることで、高純度、高回収率、かつ高効率での分離を確実に達成できる。
【0018】
本発明の一態様の前記クロマト分離方法では、前記原液中のグルコースとガラクトースとは、乳糖を酵素または酸で加水分解して生成されたものであることが好ましい。
この方法によれば、原液中のグルコースとガラクトースとは、乳糖を酵素または酸で加水分解して生成したものであるので、該クロマト分離方法の汎用性を高めることができる。
【0019】
本発明の一態様の前記クロマト分離方法では、前記溶離液は、脱塩水であることが好ましい。
この方法によれば、溶離液として脱塩水を用いることで、溶離液が樹脂のイオン型に悪影響を与えることを防止できるとともに、スケールの発生等のトラブルも抑えることができる。また、各画分に含まれる不純物含有量を低く抑えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】クロマト分離装置の機器系統図である。
【図2】分離処理の各工程におけるバルブ開閉状態およびポンプ動作状態を示す図である。
【図3】実施例におけるグルコース画分液およびガラクトース画分液の糖組成を示す図である。
【図4】実施例におけるグルコースおよびガラクトースの回収率を示す図である。
【図5】比較例におけるグルコース画分液およびガラクトース画分液の糖組成を示す図である。
【図6】比較例におけるグルコースおよびガラクトースの回収率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るクロマト分離装置およびクロマト分離方法の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
【0022】
図1は、本実施形態に係るクロマト分離装置1の機器系統図である。
クロマト分離装置1は、4つの単位充填塔4(No.1〜No.4充填塔:単位充填層)を備えている。各充填塔4内には、原液タンク2から供給される原液3中に含まれる2以上の成分中の特定成分に対し選択的吸着能力を有する吸着剤5が充填されている。原液3としては、グルコースとガラクトースとをそれぞれ10質量%以上含んだものが用いられる。グルコースとガラクトースとは、例えば乳糖を酵素または酸で加水分解して生成されたものが用いられる。
【0023】
吸着剤5としては、ジビニルベンゼンで5%以上に架橋されたストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂が用いられる。強酸性陽イオン交換樹脂は、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体を母体とする。スチレン−ジビニルベンゼン共重合体は、スチレンモノマーおよびジビニルベンゼンモノマーを混合し共重合させたものであり、伸縮性のあるポリスチレンの鎖がジビニルベンゼンで架橋し合った立体的網目構造を持つポリマーである。スチレン−ジビニルベンゼン共重合体は、ジビニルベンゼンの仕込み量によってジビニルベンゼンが架橋する割合が変わり、網目の緻密さが変わる。スチレンモノマーおよびジビニルベンゼンモノマーの重合に際し、ジビニルベンゼンの仕込み量を多くすると緻密な網目構造になり、少なくすると網目は大きくなる。なお、「ジビニルベンゼンで5%以上に架橋された」における「5%」は、全仕込みモノマーにおけるジビニルベンゼンモノマーの割合(架橋度)が5質量%であることを意味する。吸着剤5の架橋度は、好ましくは20%以下、より好ましくは16%である。
【0024】
各充填塔4の出口は、各充填塔4に隣接する充填塔4の入口に配管6によって連結されており、4つの充填塔4は、全体として直列に連結されている。最も上流側の単位充填塔4(例えば、図1におけるNo.1充填塔4)の入口と、最も下流側の単位充填塔4(例えば、図1におけるNo.4充填塔4)の出口とは配管6によって連結されており、これら4つの単位充填塔4は、直列かつ無端状に連結されている。これら4つの単位充填塔4を含んで、流体が矢印方向に循環可能な循環系7が形成されている。
【0025】
原液3を分離する際に各充填塔4の内部を流通する流体の流速は、2〜10m/hrの範囲に設定される。各充填塔4の内部を流通する流体の温度は、ヒータ22により60℃〜80℃の範囲で保持される。ヒータ22は、充填塔4の内部を流通する糖を含む流体を60℃〜80℃の範囲で保持することにより、該流体の粘性を低下させかつ菌の繁殖を防止するとともに、流体中の糖の褐変を防止する。
【0026】
循環系7内の各隣接充填塔4間には、各充填塔4間を遮断することが可能な遮断弁R1〜R4が設けられている。各充填塔4の出口と遮断弁R1〜R4との間からは、充填層内を高速で移動する画分(A画分:吸着剤に対し吸着能力の低いグルコースが冨化された画分)の抜き出しを目的としたA画分抜き出しライン8が分岐している。各A画分抜き出しライン8は、一つのA画分合流管9にまとめられている。各分岐したA画分抜き出しライン8には、各充填塔4からグルコースが冨化されたA画分を循環系7外に排出するためのA画分抜き出し弁A1〜A4(第1抜き出し弁)が設けられている。
【0027】
同様に、各充填塔4の出口と遮断弁R1〜R4との間からは、充填層内を低速で移動する画分(C画分:吸着剤に対し吸着能力の高いガラクトースが冨化された画分)の抜き出しを目的としたC画分抜き出しライン10が分岐している。各C画分抜き出しライン10は、一つのC画分合流管11にまとめられている。各分岐したC画分抜き出しライン10には、各充填塔4からガラクトースが冨化されたC画分を循環系7外に排出するためのC画分抜き出し弁C1〜C4(第2抜き出し弁)が設けられている。
【0028】
また、各充填塔4の出口と遮断弁R1〜R4との間からは、循環工程において全量抜き出しを行うことを目的とした循環抜出しライン12が分岐している。各循環抜出しライン12は、循環抜出し合流管13にまとめられている。各分岐した循環抜出しライン12には、2方弁Z1〜Z4が設けられている。循環抜出し合流管13は、溶離液供給ライン20に溶離液供給ポンプPDの上流側で合流される。
【0029】
循環系7には、原液タンク2に収容された原液3と、溶離液タンク15に収容された溶
離液16とが供給可能となっている。原液3としては、前述したようにグルコースとガラクトースとを10質量%以上含んだものが用いられる。溶離液16としては、水や脱塩水が用いられる。原液3は、本実施態様では、供給流量の制御が可能な原液供給ポンプPFにより、原液供給ライン17を介して各単位充填塔4に供給される。原液供給ライン17は、各原液分岐供給ライン18に分岐されている。原液3は、各原液分岐供給ライン18を介して各単位充填塔4の入口側に供給可能となっている。
【0030】
各原液分岐供給ライン18には、開閉可能な原液供給弁F1〜F4が設けられており、原液3は、開弁された原液供給弁F1〜F4を介して対応する単位充填塔4に供給される。なお、原液供給ポンプPFの安定運転のために、原液3が供給されない工程でも原液供給ポンプPFを作動させておきたい場合には、原液供給弁F1〜F4の手前に弁F0および原液循環ライン19を設けて原液3を原液タンク2に戻すようにしてもよい。
【0031】
循環流体は、本実施態様では全量抜き出し弁Z1〜Z4のいずれかにおいて全量引き抜
かれ、循環抜出し合流管13を通して溶離液タンク15と溶離液供給ポンプPDとの間の溶離液供給ポンプPDの上流部に合流し、供給流量の制御が可能な溶離液供給ポンプPDにより、溶離液供給ライン20を介して再び循環系7に供給される。溶離液供給ライン20は、各溶離液分岐供給ライン21に分岐され、溶離液16は各溶離液分岐供給ライン21を介して各単位充填塔4の入口側に供給可能となっている。
【0032】
各溶離液分岐供給ライン21には、開閉可能な溶離液供給弁D1〜D4が設けられており、開弁された溶離液供給弁のラインを介して対応する単位充填塔4に溶離液16が供給される。なお、溶離液供給ポンプPDの安定運転のために、溶離液16が供給される工程および循環工程以外の工程でも溶離液供給ポンプPDを作動させておきたい場合は、溶離液供給弁D1〜D4の手前に溶離液循環ラインを設けて溶離液タンク15に戻すようにしてもよい。
【0033】
また、クロマト分離装置1は、プロセッサ31(制御部)、メモリ32、ASIC33、およびHDD34を備える。
プロセッサ31は、遮断弁R1〜R4、A画分抜き出し弁A1〜A4、C画分抜き出し弁C1〜C4、2方弁Z1〜Z4、原液供給弁F1〜F4、溶離液供給弁D1〜D4、原液供給ポンプPF、溶離液供給ポンプPD、およびヒータ22を制御するとともに、クロマト分離装置1全体を制御する。プロセッサ31は、メモリ32やHDD34に格納されるプログラムを実行することにより、各部の制御や種々の機能を実現する。
メモリ32およびHDD34は、例えばフラッシュメモリ等の記憶装置により代替可能である。ASIC33は、プロセッサ31が実行する各種処理の一部を実行してもよい。
【0034】
このように構成されたクロマト分離装置1において分離処理は次のように行われる。すなわち、クロマト分離装置1では、原液3を供給するとともに全量をA画分抜き出し位置より抜き出す工程、溶離液16を供給するとともに全量をC画分抜き出し位置より抜き出す工程、溶離液16を供給するとともに全量をA画分抜き出し位置より抜き出す工程、および一切の供給、抜き出し、遮断を行わずに循環系7内の液を循環させる工程の4つの工程の運転が可能となっており、これらの工程を組み合わせることで、原液3からグルコースが冨化されたA画分と、ガラクトースが冨化されたC画分とを分離できる。
【0035】
原液3を供給するとともに全量をA画分抜き出し位置より抜き出す工程(F−A工程)では、いずれかの原液供給弁F(F1〜F4のいずれか)を開き、原液3を対応する単位充填塔4の入口側から循環系7内に供給し、A画分の抜き出し位置に相当するA画分抜き出し弁A(A1〜A4のいずれか)を開き、そのすぐ下流側にある遮断弁R(R1〜R4のいずれか)を閉め、A画分抜き出しライン8を通してA画分(グルコースが冨化された画分)の全量を抜き出す。
【0036】
溶離液16を供給するとともに全量をC画分抜き出し位置より抜き出す工程(D−C工程)では、いずれかの溶離液供給弁D(D1〜D4のいずれか)を開き、溶離液16を対応する単位充填塔4の入口側から循環系7内に供給し、C画分の抜き出し位置に相当するC画分抜き出し弁C(C1〜C4のいずれか)を開き、そのすぐ下流側にある遮断弁R(R1〜R4のいずれか)を閉め、C画分抜き出しライン10を通してC画分(ガラクトースが冨化された画分)の全量を抜き出す。
【0037】
溶離液16を供給するとともに全量をA画分抜き出し位置より抜き出す工程(D−A工程)では、いずれかの溶離液供給弁D(D1〜D4のいずれか)を開き、溶離液16を対応する単位充填塔4の入口側から循環系7内に供給し、A画分の抜き出し位置に相当するA画分抜き出し弁A(A1〜A4のいずれか)を開き、そのすぐ下流側にある遮断弁R(R1〜R4のいずれか)を閉め、A画分抜き出しライン8を通じてA画分の全量を抜き出す。
【0038】
一切の供給、抜き出しを行わずに循環系内の液を移動させる工程(循環工程:R工程)
では、いずれかの循環流体抜き出し弁Z(Z1〜Z4のいずれか)を開き、そのすぐ下流にある遮断弁R(R1〜R4のいずれか)を閉め、循環抜出しライン12より全量を循環系7外に抜き出し、溶離液供給ポンプPDと介し、溶離液の供給位置に相当する溶離液供給バルブD(D1〜D4のいずれか)より供給する。
【0039】
次に、分離処理におけるバルブ開閉サイクルについて説明する。
図2は、分離処理の各工程におけるバルブ開閉状態およびポンプ動作状態を示す図である。図2において、図中の数字は各弁の番号を示している。例えば、Fの項で1はF1の弁を示している。図2では、図中の番号に対応する弁が開弁されることを示している。空欄の場合は、閉弁の状態となることを示している。また、弁A、C、Zの項では、図中の数字は全量抜き出しを行う弁の番号を示している。空欄の場合には、その弁での抜き出しは行わないことを示している。弁Rの項では、図中の番号に対応する弁が閉弁されることを示している。空欄の場合には、開弁の状態となることを示している。さらに、原液供給ポンプPFと溶離液供給ポンプPDとの項では、丸印は運転状態を示しており、空欄の場合には、停止状態となることを示している。図2において、工程No.1−1〜1−6から工程No.4−1〜No.4−6までが、本クロマト分離装置1における分離処理の1サイクルを示している。また、図2において、各弁A、C、D、R、Z、Fにおける各工程No.1−1〜1−6、No.2−1〜2−6、No.3−1〜3−6、No.4−1〜4−6それぞれは、各弁A、C、D、R、Z、Fに対応する充填塔4に応じた駆動サイクルを示している。
【0040】
以下の各工程は、プロセッサ31が、メモリ32やHDD34に格納されるプログラムを実行し、例えばHDD34に格納されている図2に示すようなデータテーブルに従って、遮断弁R1〜R4、A画分抜き出し弁A1〜A4、C画分抜き出し弁C1〜C4、2方弁Z1〜Z4、原液供給弁F1〜F4、溶離液供給弁D1〜D4、原液供給ポンプPF、および溶離液供給ポンプPDを制御することにより行われる。具体的に、プロセッサ31は、弁A、C、D、R、Z、Fを開閉する制御を行う。また、プロセッサ31は、ポンプPF、PDの駆動を制御し、流量、流速を制御する。また、プロセッサ31は、各弁A、C、D、R、Z、Fそれぞれを、対応する充填塔4それぞれに応じた所定の駆動サイクルで駆動するとともに、複数の充填塔4それぞれにおける駆動サイクルが完了する毎に、それぞれの充填塔4に対応する各弁A、C、D、R、Z、Fで実行されていた駆動サイクルを、それぞれの充填塔4の1つ下流側に隣接する充填塔4に対応する各弁A、C、D、R、Z、Fで順次実行させる。
【0041】
(工程1−1について)
工程1−1では、循環流体抜き出し弁Z2を開き、そこから循環流体を循環系7から全量抜き出す。抜き出された循環流体を溶離液供給ポンプPDによって溶離液供給弁D3から再度、循環系7内に供給する。工程1−1は、一切の供給、抜き出し、遮断を行わずに循環系内の液を移動させる工程(R工程)である。工程1−1では、原液はF0弁を通して原液タンクに戻している。
【0042】
(工程1−2について)
工程1−2では、溶離液供給弁D3を開き溶離液16を循環系7内に供給するとともに、A画分抜き出し弁A1を開き、そこからA画分(グルコースが冨化された画分)の全量を抜き出す。工程1−2は、溶離液16を供給するとともに全量をA画分抜き出し位置より抜き出す工程(D−A工程)である。工程1−2では、原液3はF0弁を通して原液タンクに戻している。
【0043】
(工程1−3について)
工程1−3では、原液供給弁F1を開き原液3を循環系7内に供給するとともに、A画分抜き出し弁A1を開き、そこからA画分の全量を抜き出す。工程1−3は、原液3を供給するとともに全量をA画分抜き出し位置より抜き出す工程(F−A工程)である。
【0044】
(工程1−4について)
工程1−4では、循環流体抜き出し弁Z2を開き、そこから循環流体を循環系7から全
量抜き出す。抜き出された循環流体を溶離液供給ポンプPDによって溶離液供給弁D3から再度、循環系7内に供給する。この工程1−4は、一切の供給、抜き出し、遮断を行わずに循環系内の液を移動させる工程(R工程)である。工程1−4では、原液3はF0弁を通して原液タンクに戻している。
【0045】
(工程1−5について)
工程1−5では、溶離液供給弁D3を開き溶離液を循環系7内に供給するとともに、C
画分抜き出し弁C3を開き、そこからC画分(ガラクトースが冨化された画分)の全量を抜き出す。工程1−5は、溶離液を供給するとともに全量をC画分抜き出し位置より抜き出す工程(D−C工程)である。工程1−5では、原液はF0弁を通して原液タンクに戻している。
【0046】
(工程1−6について)
工程1−6では、循環流体抜き出し弁Z2を開き、そこから循環流体を循環系7から全
量抜き出す。抜き出された循環流体を循環ポンプとしての溶離液供給ポンプPDによって
溶離液供給弁D3から再度、循環系7内に供給する。工程1−6は、一切の供給、抜き出し、遮断を行わずに循環系内の液を移動させる工程(R工程)である。工程1−6では、原液はF0弁を通して原液タンクに戻している。
【0047】
以上の一連の工程1−1〜1−6では、原液3、溶離液16の供給位置、A画分、C画分の抜き出し位置、および循環工程における循環流体抜き出し弁の位置は、ある特定の位置関係に保って実行され、これら一連の工程1−1〜1−6が終了すると、その特定の位置関係を維持しつつ、各制御対象弁の位置を下流側に一つ移行し、次の一連の工程2−1〜2−6を実行する。この移行を順次行うことにより、クロマト分離装置1は、擬似移動層方式で原液3をクロマト分離することができる。
【0048】
一連の工程1−1〜1−6に続く工程2−1〜2−6、工程3−1〜3−6、工程4−
1〜4−6では、上記の如く各弁の位置を一つずつ移行した状態にて、上記工程1−1〜
1−6と同様の運転を実行する。工程1−1〜4−6までが実行されると、分離処理の1
サイクルが終了する。
【0049】
なお、上記分離操作においては、原液供給ポンプPFおよび溶離液供給ポンプPDは、
定流量吐出設定としてもよいし、流量制御を行ってもよい。
【0050】
以上の本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
クロマト分離装置1は、原液3として、グルコースとガラクトースとを含んだものを用い、吸着剤5として、ストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いて原液3をクロマト分離するので、他の型のイオン交換樹脂を用いて原液3をクロマト分離する場合に比べ、確実に、全糖濃度が高濃度の原液3を用いることができるとともに吸着剤5内部を流通する流体の流速を高流速にできる。そのため、クロマト分離装置1は、他の型のイオン交換樹脂を用いて原液3をクロマト分離する場合に比べ、格段に、高純度かつ高い回収率で高効率に原液3からグルコース画分とガラクトース画分とを分離できる。
【0051】
ここで、ジビニルベンゼンで5%未満、例えばジビニルベンゼンで3.5%、に架橋されたストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を吸着剤5として用いて原液3をクロマト分離することを考える。この場合、分離性能は十分なものが得られるかもしれないが、強酸性陽イオン交換樹脂が柔らかくなるとともに容積変化率が大きくなるため、樹脂層が乱れて分離が悪くなる等、実用上種々の障害を引き起こす場合がある。障害が発生した場合、クロマト分離装置1を工業的に使用するためには、原液3の濃度を例えば全糖濃度40質量%以下の低濃度にする必要があるとともに、分離の際に充填塔4の内部を流通する流体の流速を例えば0.6m/hr以下の低流速にする必要があり、極めて分離生産性が悪くなる。
【0052】
これに対し、本実施形態では、ジビニルベンゼンで5%以上に架橋されたストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を吸着剤5として用いて、原液3からグルコース画分とガラクトース画分とをクロマト分離するので、原液3として例えば全糖濃度60質量%程度の高濃度のものを用いることができるとともに、分離する際に各充填塔4の内部を流通する流体の流速を高流速にでき、確実に高純度かつ高い回収率で高効率に原液3からグルコース画分とガラクトース画分とを分離できる。
本実施形態では、各充填塔4の内部を流通する流体の流速が2m/hr以上であるので、より確実に良好な分離生産性を得ることができる。
【0053】
一般に、原液3中におけるグルコースとガラクトースとの濃度がそれぞれ高くなるほど、原液3からグルコース画分とガラクトース画分とを分離しづらくなるが、本実施形態では、ストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いて原液3を擬似移動層方式でクロマト分離するので、原液3中にグルコースとガラクトースとがそれぞれ固形分濃度で10質量%以上含まれていても、高い分離性能を維持できる。そして、本実施形態では、グルコースとガラクトースとの濃度が高い原液3を用いることで、高純度、高回収率、かつ高効率での分離を確実に達成できる。
【0054】
原液3中のグルコースとガラクトースとは、乳糖を酵素または酸で加水分解して生成したものであるので、本実施形態のクロマト分離装置1およびクロマト分離方法の汎用性を高めることができる。
溶離液16として脱塩水を用いることで、溶離液16が樹脂のイオン型に悪影響を与えることを防止できるとともに、スケールの発生等のトラブルも抑えることができる。また、グルコース画分およびガラクトース画分に含まれる不純物含有量を低く抑えることもできる。
【実施例】
【0055】
次に実施例により本発明を更に詳しく説明する。なお、前記実施形態および本実施例では、グルコースとガラクトースとの2成分を原液3からクロマト分離する方法を詳述しているが、特開平4−227804号公報に記載の方法により、グルコース、ガラクトース、および他の成分の3成分を原液3からクロマト分離しても良い。
【0056】
図1に示したクロマト分離装置1を用いて、原液3からグルコース画分とガラクトース画分とをクロマト分離する。その際における諸条件を以下に記載する。原液3は、グルコース66.7%およびガラクトース33.3%よりなる全糖濃度60質量%のものを用いる。溶離液16は水を用いる。単位充填塔4は、内径22mm、高さ1.5mの円筒型とする。単位充填塔4内には、吸着剤5を2.281L充填する。吸着剤5は、スチレンージビニルベンゼン共重合体を母体とするとともに官能基がスルホン酸基で、ジビニルベンゼンで6%に架橋されたストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂“アンバーライト”CR1310(ダウケミカル社製)を用いる。「ジビニルベンゼンで6%に架橋された」における「6%」は、全仕込みモノマーにおけるジビニルベンゼンモノマーの割合(架橋度)が6質量%であることを意味する。
【0057】
各単位充填塔4内は、ヒータ22により約60℃に保持する。運転工程は前記表1に従う。原液3と水(溶離液16)の供給量(1サイクル当たりの供給量)、グルコース画分およびガラクトース画分の抜き出し量(1サイクル当たりの抜き出し量)、および1サイクル当たりの循環量と時間は、以下の条件に従う。
【0058】
原液供給量 98.0ml
水供給量 614.3ml
グルコース画分抜き出し量 369.2ml
ガラクトース画分抜き出し量 343.1ml
循環量 1226.1ml
工程時間
n(n=1〜4)−1 工程 85.6秒
n(n=1〜4)−2 工程 200.4秒
n(n=1〜4)−3 工程 72.4秒
n(n=1〜4)−4 工程 528.0秒
n(n=1〜4)−5 工程 253.5秒
n(n=1〜4)−6 工程 292.4秒
1サイクルあたり時間 5729.2秒(1432.3秒×4)
【0059】
以上の条件の下、図1に示したクロマト分離装置1を運転し、原液3から、グルコース画分とガラクトース画分とをクロマト分離した。図3は、定常状態において抜き出されたグルコース画分液およびガラクトース画分液の糖組成を示す図である。図4は、グルコースおよびガラクトースの回収率を示す図である。
図3及び図4から明らかなように、吸着剤5としてストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いる本発明のクロマト分離方法を行うことにより、原液3から、グルコース画分とガラクトース画分とを高純度、高回収率、かつ高効率で分離できた。
【0060】
(比較例1)
次に本発明の効果を明確にするため、比較例を提示する。比較例と前記実施例との大きな差は、比較例ではカルシウム型の吸着剤5を用いる点である。
【0061】
クロマト分離装置1を用いて原液3から、グルコース画分とガラクトース画分とをクロマト分離する。その際における諸条件を以下に記載する。原液3および溶離液16は、前記実施例と同様のものを用いる。単位充填塔4の寸法および単位充填塔4内部に充填する吸着剤5の量は、前記実施例と同様である。
吸着剤5は、前記実施例と同様、ジビニルベンゼンで6%に架橋された強酸性陽イオン交換樹脂“アンバーライト”CR1310(ダウケミカル社製)を用いるが、本比較例では、吸着剤5がカルシウム型である点が前記実施例とは異なる。
【0062】
各単位充填塔4内の温度、および運転工程は前記実施例と同様である。原液3と水(溶離液16)の供給量、グルコース画分およびガラクトース画分の抜き出し量、および1サイクル当たりの循環量と時間は、以下の条件に従う。
【0063】
原液供給量 117.5ml
水供給量 817.0ml
グルコース画分液抜き出し量 446.6ml
ガラクトース画分液抜き出し量 487.9ml
循環量 1158.5ml
工程時間
n(n=1〜4)−1 工程 85.6秒
n(n=1〜4)−2 工程 243.2秒
n(n=1〜4)−3 工程 86.8秒
n(n=1〜4)−4 工程 428.0秒
n(n=1〜4)−5 工程 360.5秒
n(n=1〜4)−6 工程 342.4秒
1サイクルあたり時間 6186.0秒(1546.5秒×4)
【0064】
図5は、定常状態において抜き出されたグルコース画分液およびガラクトース画分液の糖組成を示す図である。図6は、グルコースおよびガラクトースの回収率を示す図である。
図3、図4と図5、図6との比較から明らかなように、原液3からグルコース画分とガラクトース画分とをクロマト分離する場合、吸着剤5としてストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いることにより、高純度、高回収率、かつ高効率での分離を達成できるのであって、カルシウム型の強酸性陽イオン交換樹脂では、高純度、高回収率、かつ高効率での分離を達成できないことが分かる。
【符号の説明】
【0065】
1…クロマト分離装置、3…原液、4…単位充填塔(単位充填層)、5…吸着剤、7…循環系、16…溶離液、31…制御部(プロセッサ)、A1〜A4…第1抜き出し弁(A画分抜き出し弁)、C1〜C4…第2抜き出し弁(C画分抜き出し弁)、D1〜D4…溶離液供給弁、F1〜F4…原液供給弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着剤が充填された複数の単位充填層が直列かつ無端状に連結された循環系に対し、溶離液および2以上の成分を含んだ原液を供給し、擬似移動層方式により、前記原液から、それぞれに所定の成分が冨化された2以上の画分を分離するクロマト分離方法であって、
前記原液として、グルコースとガラクトースとを含んだものを用い、
前記吸着剤として、ストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂を用いて、
前記原液から、グルコースが冨化された画分とガラクトースが冨化された画分とを分離するクロマト分離方法。
【請求項2】
前記ストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂の架橋度が5%以上である請求項1に記載のクロマト分離方法。
【請求項3】
前記吸着剤が充填された前記単位充填層における流体の流速が2m/hr以上である請求項1または請求項2に記載のクロマト分離方法。
【請求項4】
前記原液において、グルコースとガラクトースとは、それぞれ固形分濃度で10質量%以上含まれる請求項1から請求項3のいずれかに記載のクロマト分離方法。
【請求項5】
前記原液中のグルコースとガラクトースとは、乳糖を酵素または酸で加水分解して生成されたものである請求項1から請求項4のいずれかに記載のクロマト分離方法。
【請求項6】
前記溶離液は、脱塩水である請求項1から請求項5のいずれかに記載のクロマト分離方法。
【請求項7】
吸着剤としてストロンチウム型の強酸性陽イオン交換樹脂が充填された複数の単位充填塔が直列に連結され、最下流の単位充填塔から排出される液体を最上流の単位充填塔に還流可能とした無端状の循環系と、
前記複数の単位充填塔の内のいずれかに、グルコースとガラクトースを含む原液を選択的に供給するための複数の原液供給弁と、
前記複数の単位充填塔の内のいずれかに溶離液を選択的に供給するための複数の溶離液供給弁と、
前記複数の単位充填塔の内のいずれかからグルコースが冨化された画分を前記循環系外に抜き出すための複数の第1抜き出し弁と、
前記複数の単位充填塔の内のいずれかからガラクトースが冨化された画分を前記循環系外に抜き出すための複数の第2抜き出し弁と、
前記複数の原液供給弁、前記複数の溶離液供給弁、前記複数の第1抜き出し弁および第2抜き出し弁それぞれを、対応する前記複数の単位充填塔それぞれに応じた所定の駆動サイクルで駆動するとともに、前記複数の単位充填塔それぞれにおける駆動サイクルが完了する毎に、それぞれの単位充填塔に対応する前記各弁で実行されていた駆動サイクルを前記それぞれの単位充填塔の1つ下流側に隣接する単位充填塔に対応する前記各弁で順次実行させる制御部と、
を備える擬似移動層方式のクロマト分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−98052(P2012−98052A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243507(P2010−243507)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000004400)オルガノ株式会社 (606)
【Fターム(参考)】