説明

クーポン管理システムおよびクーポン管理プログラム

【課題】不正な使用が回避できると共に、気軽に利用することができることで、販売促進を図ることが可能なクーポン管理システムおよびクーポン管理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】クーポン管理システム1は、クーポン券を識別するためのクーポン券識別情報を示すQRコードをユーザ側端末装置2に発行するクーポン管理サーバ4を備えている。ユーザは、ユーザ側端末装置2によりクーポン券を印刷する。クーポン券を使用するときには、施設のスタッフにより操作される携帯電話である施設側端末装置3によりクーポン券のQRコードを読み取り、認証を得るための認証情報としてクーポン券管理サーバ4へ送信する。クーポン券管理サーバ4では、施設側端末装置3から送信された認証情報が、クーポン券を発行した際のクーポン券識別情報か否か判定し、認証結果を結果情報としてスタッフの施設側端末装置3へ送信して表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが、発行されたバウチャーチケットや優待券、割引券、金券などのクーポン券を施設に持参して便益を受けることができるクーポン管理システムおよびクーポン管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
クーポン券は、商品を購入したり、サービスを受けたりする際に、現金の代わりになったり、費用が割引されたり、特典が得られたりするので、利用者にとっては有用である。また、提供側にとっても、消費者がその他の商品などを購入することが期待できたり、来店することで、店舗の位置や店内の様子がわかり、再度の来店が期待できたりする。
このようなクーポン券を発行して、利用者に利用して貰うことで、販売促進を図るものとして、例えば、特許文献1〜3に記載された従来のシステムや従来の方法が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の名刺状カードを用いた広告システムは、会員(親ユーザ)から広告付き名刺状カードを受け取った子ユーザが、その携帯電話で名刺状カードに付されたQRコード(登録商標)をキャプチャして、所定サイトにアクセスして仮会員登録し、サーバ装置にて承認することを条件に当該カードに付された特典情報に対応する電子クーポンを当該携帯電話に表示させて、店員に見せることで、当該子ユーザはその電子クーポンを示して所定の特典を入手することができるというものである。
【0004】
特許文献2に記載のユーザ端末を用いた運用サーバでの認証方法は、ユーザが所持する携帯電話から運営者サーバへ送信された空メールの送信元アドレスに基づいてクーポンデータベースを参照した結果、送信アドレスが登録されている場合に、その送信日時に有効なクーポン情報を示すURLを含むメールを携帯電話へ送信し、このURLがアクセスされると、運営サーバは対応するクーポンがクーポンデータベースに存在するか否かを判定して、存在すればクーポン画像を携帯電話へ送信するというものである。そして、店舗でクーポンを利用するときには、ユーザが運営サーバから受信したクーポン情報(クーポン画面情報)を携帯電話の画面に表示させて、店員に目視させる。
【0005】
特許文献3に記載のクーポン印刷方法は、クーポンサーバが携帯電話からのクーポン情報の要求に応じて、予め登録されたクーポン情報をエンコードしてQRコードを生成し、携帯電話に送信してQRコードを画面表示させ、クーポン発行装置が携帯電話上に画面表示されたQRコードを読み込んでデコードしてクーポン情報を取得し、クーポン発行装置が取得したクーポン情報を文字に展開し、展開されたクーポン情報を、クーポンサーバから受信したフォーマット情報が示すフォーマットに従ってクーポン券を印刷し、発行するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−140667号公報
【特許文献2】特開2007−72557号公報
【特許文献3】特開2007−172023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1においては、店舗にて携帯電話に表示された電子クーポンを店員に見せることで特典を得るようにしているため、ユーザ側の操作により携帯電話に表示された電子クーポンが、店員の前で認証操作を行って得られたものないので、店員にとっては、クーポン券が正当なものか、悪意があって偽造されたものか、疑念が生じる。
【0008】
また、特許文献2においても特許文献1と同様に、携帯電話に表示された電子クーポンを店員に見せて特典を得るようにしているので、やはり、店員にとっては電子クーポンが正当なものか、悪意があって偽造されたものか、疑念が生じる。また、電子クーポンが利用済みであることを運営者サーバへ通知する操作として、ユーザの携帯電話を店員に渡して店員が通知しているので、自身の携帯電話を他人に操作されることを不快に思うユーザが次回の利用を避けてしまうことが心配される。
【0009】
また、特許文献3においては、店舗側にクーポン発行装置を設置する必要があるため、特別な装置の設置が必要である。
【0010】
そこで本発明は、不正な使用が回避できると共に、気軽に利用することができることで、販売促進を図ることが可能なクーポン管理システムおよびクーポン管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のクーポン管理システムは、電気通信回線を介してユーザ側端末装置と接続され、前記ユーザ側端末装置からのクーポン券の発行要求に応じて、クーポン券を識別するためのクーポン券識別情報を示す情報図形を含むクーポン券情報を、前記ユーザ側端末装置に発行するクーポン発行サーバと、前記施設に配置されて該施設のスタッフにより操作され、前記ユーザ端末装置に接続された印刷装置により前記クーポン券情報に基づいて印刷されたクーポン券であって、前記ユーザが前記施設に持参したクーポン券の情報図形を読み取り、読み取ったクーポン券識別情報を認証を得るための認証情報として送信し、認証結果を表示する施設側端末装置と、前記施設側端末装置と電気通信回線を介して接続され、前記施設側端末装置から送信された認証情報が、前記クーポン発行サーバが発行したクーポン券識別情報か否かの認証処理を行い、認証結果を結果情報として前記施設側端末装置へ送信して表示させるクーポン認証サーバとを備えたことを特徴とする。
また、本発明のクーポン管理プログラムは、コンピュータを、ユーザが操作するユーザ側端末装置からのクーポン券の発行要求に応じて、クーポン券を識別するためのクーポン券識別情報を示す情報図形を含むクーポン情報を前記ユーザ側端末装置に発行するクーポン発行手段と、前記ユーザ端末装置に接続された印刷装置により前記クーポン情報に基づいて印刷されたクーポン券であって、前記ユーザが前記施設に持参したクーポン券の情報図形を、前記施設のスタッフが操作する施設側端末装置が読み取り、認証を得るための認証情報として送信したクーポン券識別情報を、前記クーポン券発行手段が発行したクーポン券識別情報が格納された記憶手段を参照して、一致するか否かの認証処理を行い、認証結果を結果情報として前記施設側端末装置へ送信して表示させるクーポン認証手段として機能させることを特徴とする。
【0012】
まず、ユーザは、ユーザ側端末装置を操作して、クーポン発行サーバへクーポン券の発行を要求する。クーポン発行サーバは、この発行要求に応じて、クーポン券を識別するためのクーポン券識別情報を示す情報図形を含むクーポン情報をユーザ側端末装置に送信する。ユーザは、ユーザ側端末装置に接続された印刷装置により印刷情報を印刷してクーポン券とし、便益を受けるために施設に持参する。施設では、スタッフが施設側端末装置を操作して、情報図形を読み取る。施設側端末装置は、情報図形を読み取って情報図形に含まれるクーポン券識別情報を認証を得るための認証情報としてクーポン認証サーバへ送信する。クーポン認証サーバでは、クーポン発行サーバが発行したクーポン情報が格納された記憶手段を参照して、施設側端末装置から送信された認証情報が、一致するか否かの認証処理を行い、認証結果を結果情報として施設側端末装置へ送信して表示させる。このように、クーポン券の認証は、施設のスタッフが施設側端末装置を操作して認証するので、確実に認証を行うことができ、クーポン券の正当性を確認することができる。また、ユーザは印刷したクーポン券を施設に持参するだけなので、施設にて所望する便益を気軽に受けることができる。
【0013】
前記クーポン認証サーバは、認証結果が一致せず、クーポン券が利用できないとの判定であったときに、認証が得られなかった旨を、ユーザが使用する使用言語により報知する結果情報を、前記施設側端末装置へ送信する機能を備えているのが望ましい。
クーポン認証サーバでは、ユーザが外国観光旅行者で、認証が得られなかった場合に、ユーザの使用言語により報知する結果情報を施設側端末装置へ送信するので、スタッフは外国語でユーザと会話しなくても、認証が得られなかったことをユーザに理解させることができる。従って、スムーズな認証を行うことができる。
【0014】
前記クーポン発行サーバは、ユーザが会員登録をした際の使用言語を言語情報として記憶し、前記クーポン認証サーバは、前記言語情報に基づいてユーザの使用言語を特定して結果情報として送信する機能を備えることも可能である。
ユーザが会員登録した際の使用言語を言語情報として記憶しておくことで、クーポン認証サーバは、言語情報に基づいてユーザの使用言語を特定して結果情報として送信するので、ユーザが複数の国で、それぞれ異なる使用言語であっても、スタッフは、ユーザが使用する言語で、施設側端末装置によりユーザに報知させることができる。従って、スタッフは、複数の国のユーザと会話しなくても、認証が得られなかったことをユーザに理解させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、クーポン券の認証を、施設のスタッフが施設側端末装置を操作して認証させているので、確実に認証を行うことができ、クーポン券の正当性を確認することができる。また、ユーザは印刷したクーポン券を施設に持参するだけなので、施設にて所望する便益を気軽に受けることができる。従って、本発明は、不正な使用が回避できると共に、気軽に利用することができることで、販売促進を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係るクーポン管理システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示すクーポン管理システムのユーザ側端末装置の構成図である。
【図3】図1に示すクーポン管理システムの店舗側端末装置の構成図である。
【図4】図1に示すクーポン管理システムの管理サーバの構成図である。
【図5】図4に示す管理サーバの記憶手段に格納された情報を示す図である。
【図6】会員登録ページの一例を示す図である。
【図7】施設案内ページの一例を示す図である。
【図8】購入ページの一例を示す図である。
【図9】クーポン券の一例を示す図である。
【図10】認証が得られたときの結果ページの一例を示す図である。
【図11】認証が得られなかったときの結果ページの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態に係るクーポン管理システムを、クーポン券の一例であるバウチャーチケットを例として、図面に基づいて説明する。
図1に示すクーポン管理システム1は、購入金額より多い金額分の便益を受けることができるクーポン券を加盟店である施設が発行し、このクーポン券を会員であるユーザが購入して、加盟店で使用することで、ユーザの有益性および利便性の向上を図ると共に、加盟店の販売促進を図るというものである。本実施の形態では、外国人の会員が旅行して旅行先の加盟店でクーポン券を使用する場合を例に説明する。
【0018】
クーポン管理システム1は、例えば、韓国に所在する会員が操作するユーザ側端末装置2と、日本に所在する加盟店のスタッフが操作する施設側端末装置3と、運営会社に設置されるクーポン管理サーバ4と、運営会社の担当が操作する管理用端末装置5とを備えている。これらは、電気通信回線の一例であるインターネットWを介して通信可能に接続される。なお、図1においては、施設側端末装置3と無線通信する基地局や中継局などは図示していない。
【0019】
次に、ユーザ側端末装置2の構成について、図2に基づいて説明する。ユーザ側端末装置2は、ユーザの自宅や、韓国の旅行代理店、観光案内所などに設置される。ユーザ側端末装置2は、インターネットWとの通信が可能なパーソナルコンピュータとすることができ、印刷装置6が接続されている。ユーザ端末装置2は、通信手段21と、ウェブアクセス手段22と、印刷制御手段23と、表示手段24と、入力手段25とを備えている。
【0020】
通信手段21は、インターネットWとADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)で通信するときには図示しないモデムと接続したり、光通信とするときには図示しない回線終端装置と接続したりするためのLAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)とすることができる。
【0021】
ウェブアクセス手段22は、閲覧ソフトによりインターネットW上に開設されたウェブサイトにアクセスして情報を送信したり、ウェブサイトから情報を受信したりする機能を備えている。
印刷制御手段23は、ウェブアクセス手段22が受信した情報を印刷装置6が印刷可能な印刷情報に変換して出力する機能を備えている。印刷制御手段23は、図示しないUSBポートを介して印刷装置6へ印刷情報を出力する。
表示手段24は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)パネルとすることができる。入力手段25は、ユーザ側端末装置2を操作するためのもので、キーボードおよびマウスとすることができる。
【0022】
次に、施設側端末装置3について、図3に基づいて説明する。施設側端末装置3は、広告費としてクーポン券を発行することに同意した加盟店であり、商品を販売する店舗や、飲食物を提供するレストラン、コンビニエンスストア、ショッピングモール、テーマパークなどの加盟店に配置される。施設側端末装置3は、施設のスタッフが所持する情報図形の一例であるQRコードが読み取り可能であり、インターネットWと通信してウェブアクセスや電子メールの送受信が可能な携帯電話や、QRコードを読み取るカメラが接続されたパーソナルコンピュータとすることができる。本実施の形態では、施設側端末装置3を、普及が進み、多くの人が利用しているので携帯電話としている。この携帯電話に、アプリケーションである読取認証プログラムをインストールして実行することで施設側端末装置3として機能させている。なお、図3においては、携帯電話がユーザ側端末装置2として機能する主要な部分の構成を示しており、電話機能などは省略している。
【0023】
施設側端末装置3は、無線手段31と、音声出力手段32、表示手段33と、入力手段34と、撮像手段35と、解析手段36と、認証制御手段37、電子メール制御手段38とを備えている。
【0024】
無線手段31は、基地局や中継局と無線通信して、通話やウェブアクセスを可能とするものである。音声出力手段32は、通話音声を再生したり、クーポン管理サーバ4からの音声情報を再生したりして音声出力するアンプとスピーカである。表示手段33は、認証制御手段36からの表示情報を表示するLCDや有機ELパネルである。入力手段34は、数字キーや記号キー、機能キー、カーソルや候補の選択に使用される上下左右を押下するカーソルキーなどである。撮像手段35は、情報図形の一例である二次元バーコードをクーポン券から撮像して、得られた撮像情報を解析手段34へ出力するカメラである。解析手段35は、撮像手段34からの撮像情報をエンコードして認証情報として認証制御手段37へ出力する機能を備えている。本実施の形態では、二次元バーコードとしてQRコードを採用している。認証制御手段37は、撮像手段34および解析手段35を制御してクーポン券から認証情報を読み取りクーポン管理サーバ4へ送信したり、クーポン管理サーバ4から結果情報を受信して表示手段33へ表示したりする機能を備えている。認証制御手段37では、アプリケーションをインストールしたときに、クーポン管理サーバ4のアクセスアドレスが設定される。電子メール制御手段38は、図示しないメールサーバに配信された電子メールを受信して表示手段33に表示したり、作成された電子メールをメールサーバへ送信したりする機能を備えている。
【0025】
次に、クーポン管理サーバ4について、図4に基づいて説明する。クーポン管理サーバ4は、コンピュータに、クーポン券発行プログラムとクーポン券認証プログラムとを備えたクーポン管理プログラムを動作させることで、クーポン発行サーバおよびクーポン認証サーバとして機能するものである。クーポン管理サーバ4は、通信手段41と、クーポン発行サーバとして機能するクーポン発行手段42と、クーポン認証サーバとして機能するクーポン認証手段43と、記憶手段44とを備えている。なお、クーポン管理サーバ4には、ユーザ側端末装置2と同様に、メンテナンスの際に使用される表示手段と入力手段とが設けられているが、図4においては図示していない。
【0026】
通信手段41は、インターネットWへ接続するためのもので、LANやUSBとすることができる。クーポン発行手段42は、ユーザ側端末装置2からの要求に応じてクーポン券を発行する機能を備えている。クーポン認証手段43は、使用されるクーポン券の正当性を確認して管理する機能を備えている。記憶手段44は、不揮発性メモリであり、ハードディスク装置とすることができる。記憶手段44には、ユーザの個人情報である会員情報と、加盟店に関する加盟店情報と、クーポン券の使用に関する履歴情報と、管理のための管理情報とが格納されている。
【0027】
ここで、クーポン発行手段42について詳細に説明する。クーポン発行手段42は、会員登録手段421と、施設案内手段422と、発行制御手段423と、決済手段424とを備えている。
会員登録手段421は、ユーザ側端末装置2からの要求に応じて会員登録のためのウェブページを送信して、ユーザ側端末装置2から送信された会員情報を記憶手段44に登録する機能を備えている。施設案内手段422は、クーポン券の発行が可能な施設の一覧をウェブページとして送信して、ユーザに選択させる機能を備えている。発行制御手段423は、会員登録したユーザからの購入要求に応じて、クーポン券を発行するためのウェブページを送信したり、ユーザ側端末装置2から送信された選択されたクーポン券発行要求に応じてクーポン券を発行して履歴情報として記憶手段44に格納したりする機能を備えている。決済手段424は、購入したクーポン券の金額に応じてクレジット会社との決済を行う機能を備えている。
【0028】
次に、クーポン認証手段43について詳細に説明する。クーポン認証手段43は、認証制御手段431と、履歴管理手段432と、メール通知手段433とを備えている。認証制御手段431は、施設側端末装置3からの認証情報に基づいて記憶手段44を参照して、クーポン券の使用の可否を判定する機能を備えている。履歴管理手段432は、クーポン券の使用に基づいて履歴情報を更新する機能を備えている。メール通知手段433は、クーポン券が使用されたことを契機に、施設側端末装置3や管理用端末装置5、ユーザ側端末装置2へ、クーポン券の使用に関する情報が記載された電子メールを送信する機能を備えている。
【0029】
次に、記憶手段44に格納された各種の情報について、図5に基づいて詳細に説明する。
会員情報は、会員番号情報、ハンドルネーム情報、氏名情報、郵便番号情報、住所情報、メールアドレス情報、クレジットカード情報、言語情報などから構成されたデータベースである。会員番号情報は、会員を識別するための数字や記号を組み合わせた番号で、会員登録の際に割り振られる。ハンドルネーム情報は、ユーザが名付けたニックネームである。氏名情報は、ユーザの氏名である。郵便番号情報は会員が居住する地域の郵便番号である。住所情報は、会員が居住する住所である。メールアドレス情報は、ユーザが使用する電子メールのアドレスである。クレジットカード情報は、クレジット会社が発行したクレジットカードのクレジット会社名とクレジットカード番号と有効期限である。言語情報は、会員の使用言語を特定するものである。
【0030】
クーポン情報は、施設情報、便益情報などから構成される。施設情報は、施設の名称や、住所、営業時間、外観を示す写真、案内情報などである。便益情報は、加盟店が提供可能な便益の内容を示すものである。
履歴情報は、クーポン券識別情報、使用履歴情報、使用日時情報などが、購入した会員を示す会員番号情報に関連付けられたデータベースである。クーポン券識別情報は、会員が購入したクーポン券を特定するための識別情報であり、会員がクーポン券を購入したときに格納される。使用履歴情報は、クーポン券が使用されているか否かを示す情報である。
管理情報は、クーポン券を使用した際に通知される管理用端末装置5のメール送信先を示すメールアドレス情報である。また、クーポン券を提供した施設のスタッフについても、図示しないがメールアドレスが格納されている。
【0031】
図1に示す管理用端末装置5は、運営会社の管理用の端末装置として運営会社に設置されるものである。クーポン管理サーバ4のメンテナンスを行ったり、会員であるユーザの購入履歴から消費行動を分析したり、クーポン管理サーバ4からの電子メールを受信したりする機能を備えている。
【0032】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係るクーポン管理システム1の動作および使用状態について、更に図6から図11を参照して説明する。なお、図6から図9と図11とにおいては、ユーザの使用言語が韓国語であるため韓国語により表示されているが、理解が容易なよう韓国語に対応する日本語を括弧内に図示している。
【0033】
まず、ユーザは、ユーザ側端末装置2を操作して、クーポン管理サーバ4が提供するウェブページである会員登録ページを、会員登録のURL(Uniform Resource Locator)に基づいてアクセスする。このときのURLは、韓国語でウェブページが表示されるサイトのアドレスである。
ユーザ側端末装置2では、ウェブアクセス手段22が通信手段21を介して送信の要求をクーポン管理サーバ4へ送信する。クーポン管理サーバ4では、クーポン発行手段42の会員登録手段421が、例えば、図6に示すような会員登録ページP1をユーザ側端末装置2へ送信する。ユーザ側端末装置2では、クーポン管理サーバ4から送信された会員登録ページP1を、ウェブアクセス手段22が、通信手段22を介して受信し、表示手段24へ表示する。
【0034】
ユーザは、表示手段24に表示された会員登録ページP1を参照して、ハンドルネーム、氏名、郵便番号、住所、生年月日、メールアドレス、クレジットカード番号を入力し、登録ボタンP11を押下することで、入力した各種の情報が登録情報としてクーポン管理サーバ4へ送信される。クーポン管理サーバ4では、会員登録手段421が登録情報をチェックして問題がなければ、最終登録画面のURLが本文に記載されたメールを入力されたメールアドレスに送信する。
【0035】
ユーザは、ユーザ側端末装置2を操作して最終登録画面のURLをアクセスして最終登録を行う。この最終登録が行われることで、会員登録手段421は、個別に割り当てた会員番号を生成し、この会員番号に関連付けた登録情報を、会員情報として記憶手段44に格納する。また、会員登録手段421は、表示した言語(この場合、韓国語。)を言語情報として、会員情報の一部として格納する。ユーザは、この一連の操作により、クーポン券が使用できる会員となることができる。
【0036】
次に、会員は、ユーザ側端末装置2を操作して、クーポン管理サーバ4が提供するウェブページである施設案内ページを、施設案内のURLに基づいてアクセスする。クーポン管理サーバ4では、施設案内手段422がユーザ側端末装置2からの要求に応じて、例えば、図7に示すような施設案内ページP2を通信手段41を介してユーザ側端末装置2へ送信する。
施設案内ページP2では、施設を、地図P21から選択したり、店名などを入力して施設を検索する検索窓P22および検索ボタンP23により選択したりすることができる。また、施設案内ページP2には、カテゴリ窓P24が設けられているので、施設の種類をプルダウンメニューにて予め絞り込むことができる。更に、施設案内ページP2には、会員へ告知したい内容が、便益をイメージさせる写真や、便益を受けるときの金額、メッセージなどにより予め表示されているので、写真やメッセージをクリックすることで直接購入ページへジャンプすることができる。
【0037】
会員は、ユーザ側端末装置2を操作して、選択した施設の写真や文字をクリックすることで、購入要求がユーザ側端末装置2からクーポン管理サーバ4へ送信される。クーポン管理サーバ4では、例えば、図8に示すような選択した施設のクーポン券を購入する購入ページP3が発行制御手段423から送信される。図8では、川下りのクーポン券を選択した例を示している。
会員は、表示手段24に表示された購入ページP3を参照して、利用する施設、便益の内容、金額、有効期限を確認して、問題がなければ、ハンドルネーム、氏名、郵便番号、住所、生年月日、メールアドレス、クレジットカード番号を入力して登録ボタンP31を押下する。この登録ボタンP31の押下によりユーザ側端末装置2からクーポン管理サーバ4へクーポン券の発行要求が送信される。
【0038】
クーポン管理サーバ4では、クーポン発行手段42が発行要求を受信すると、ユニークコードであるクーポン券識別情報を生成する。このクーポン券識別情報はクーポン券を発行する度に生成される。
そして、クーポン発行手段42は、この発行要求に応じてクーポン券を発行するためのクーポン券情報をユーザ側端末装置2へ送信する。
クーポン発行手段42が送信するクーポン券情報には、購入した会員の会員情報から、ハンドルネーム情報、購入した日付けから購入日情報、施設情報から有効期限情報、施設情報、便益情報、利用地域情報、行き方を示す案内情報、定型文である注意書き情報、および生成されたクーポン券識別情報が含まれていると共に、情報図形として生成したQRコードが含まれている。QRコードには、ハンドルネーム情報、購入日情報、有効期限情報、施設情報、便益情報、利用地域情報、クーポン券識別情報が含まれている。
【0039】
クーポン発行手段42は、履歴情報として、購入した会員の会員番号情報と、購入したクーポン券のクーポン券識別情報とを履歴情報として記憶手段44に格納する。
【0040】
ユーザ側端末装置2は、受信したクーポン券情報に基づいて、表示手段24されたクーポン券を印刷装置6により印刷することで、施設案内、便益の内容、有効期限などがQRコードと共に印刷された、例えば、図9に示すようなクーポン券を得ることができる。図9では、川下りのクーポン券の例を示している。
【0041】
会員は韓国に所在し、施設は日本国に位置しているので、クーポン券には、注意書き情報として、会員向けの韓国語による説明文と、施設のスタッフ向けに日本語による説明文の2種類の定型の説明文が印刷されている。
クーポン券を使用するときには、会員が旅行先の川下りの受付でクーポン券をスタッフに手渡す。
【0042】
スタッフは、携帯電話の読取認証プログラムを実行することで、携帯電話を施設側端末装置3として動作させる。スタッフは、施設側端末装置3の撮像手段36をクーポン券に向けて撮像する。認証制御手段36は、解析手段36が解析したQRコードから得られたクーポン券識別情報をクーポン管理サーバ4へ送信する。施設側端末装置3は、予めクーポン管理サーバ4のアドレスが設定された読取認証プログラムをインストールして認証を行うので、他の携帯電話に備わるQRコード読取機能によりクーポン券のQRコードを読み取っても、クーポン管理サーバ4をアクセスすることはできない。従って、施設側端末装置3は、セキュリティが確保された端末である。
【0043】
クーポン管理サーバ4では、クーポン認証手段43の認証制御手段431が、ユーザ側端末装置2から送信された会員番号情報に基づいて記憶手段44を参照して以下の手順で認証処理を行う。
(1)クーポン券識別情報が、発売したクーポン券の中に存在しているか否かを判定する。
(2)該当するクーポン券の履歴情報の使用履歴情報を参照して、使用済みか否かを判定する。
(3)未使用であれば、有効期限内か否かを判定する。
【0044】
以上のような認証処理を行った結果、クーポン券が正当なものであれば、認証制御手段431は、例えば、図10に示すような認証済みを示すメッセージと、言語情報に基づいた挨拶文とが表示される結果ページを、結果情報として施設側端末装置3へ送信する。また、履歴管理手段432は、使用履歴情報を使用済みとし、使用日時情報に使用した年月日を格納する。またメール通知手段433は、使用があったことを通知する電子メールを、会員(ユーザ側端末装置2)、施設のスタッフ(施設側端末装置3)、運営会社(管理用端末装置5)へ送信する。
スタッフは、施設側端末装置3の表示手段33に表示されたメッセージを見て、正常に処理が完了したことを認知することができる。そして、スタッフはクーポン券を回収する。
【0045】
例えば、クーポン券の有効期限が過ぎている場合には、認証制御手段431は、日本語と、言語情報に応じた言語とにより認証が得られなかった旨の説明文が表示される結果ページを結果情報として、施設側端末装置3へ送信する。この場合、会員の使用言語は韓国語なので、認証制御手段431は、図11に示すような結果ページを施設側端末装置3へ送信する。図11に示す例では、クーポン券の有効期限が過ぎている場合を示しているが、例えば、クーポン券が複写されたもので、オリジナルのクーポン券は既に使用されている場合には、「この商品券を複写・スキャンなどしていませんか?」などと表示される。
【0046】
スタッフは、施設側端末装置3の表示手段33に表示された説明文を会員に見せることで、認証が得られなかったことを報知することができる。また、認証制御手段431は、説明文と共に、韓国語の音声メッセージを送信することも可能である。施設側端末装置3では、音声出力手段32により韓国語の音声メッセージを再生することで、スタッフは、表示手段33を見せなくても、会員に認証が得られなかったことを報知し、理解させることができる。使用できなったクーポン券はスタッフが回収する。
【0047】
このように、クーポン認証手段43では、会員が外国観光旅行者で、認証が得られなかった場合に、会員の使用言語により報知する結果情報を施設側端末装置3へ送信するので、スタッフは外国語で会員と会話しなくても、認証が得られなかったことを会員に理解させることができる。従って、スムーズな認証を行うことができる。
また、使用言語を特定するための言語情報を会員登録の際に記憶手段44に格納しているため、複数の会員のそれぞれの使用言語が異なっていても、施設側端末装置3から会員に適した言語で認証結果を報知することができる。
【0048】
以上のように、クーポン券の認証は、店舗のスタッフが施設側端末装置3を操作して認証するので、確実に認証を行うことができ、クーポン券の正当性を確認することができる。また、会員は印刷したクーポン券を店舗に持参するだけなので、店舗にて買い物を気軽にすることができ、便益を受けることができる。従って、クーポン管理システム1は、不正な使用が回避できると共に、気軽に利用することができることで、販売促進を図ることができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、クーポン券の一例としてバウチャーチケットを例に説明したが、割引券としても、招待券としてもよい。また、クーポン券を施設への入場券としてもよい。その場合には、施設の入口で、その施設の入場券と交換する際に、認証受けるようにすればよい。また、本実施の形態では、バウチャーチケットを例に説明したため、使用が一回に限られているが、他のクーポン券とするときには複数回使用できるようにしてもよい。その場合には、使用履歴情報を使用回数情報として、使用回数をカウントして規定使用回数を超えたら認証を不可とすることで対応が可能である。
【0050】
また、本実施の形態では、クーポン発行サーバおよびクーポン認証サーバをクーポン管理サーバ4として一つのサーバで構成しているが、クーポン発行サーバとクーポン認証サーバとが別々に構成されていてもよい。その場合には、データベースを備えた記憶手段44を備えたいずれか一方のサーバから他方のサーバはデータベースを読み込むようにする。
【0051】
更に、会員の使用言語について、会員登録の際に登録した言語情報に基づいて、認証制御手段431は認証の際の結果情報の使用言語を決定している。しかし、QRコードに言語情報を含めることで、クーポン管理サーバ4が言語情報を認証情報として受信し、受信した言語情報に基づいて認証制御手段431が認証の際の結果情報の使用言語を決定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、小売の店舗だけでなく、テーマパークや劇場、映画館などの娯楽施設、博物館、美術館などの文化施設、レストラン、居酒屋、ホテル、エステなどのサービス業でも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 クーポン管理システム
2 ユーザ側端末装置
21 通信手段
22 ウェブアクセス手段
23 印刷制御手段
24 表示手段
25 入力手段
3 施設側端末装置
31 無線手段
32 音声出力手段
33 表示手段
34 入力手段
35 撮像手段
36 解析手段
37 認証制御手段
38 電子メール制御手段
4 クーポン管理サーバ
41 通信手段
42 クーポン発行手段
421 会員登録手段
422 施設案内手段
423 発行制御手段
424 決済手段
43 クーポン認証手段
431 認証制御手段
432 履歴管理手段
433 メール通知手段
44 記憶手段
5 管理用端末装置
6 印刷装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信回線を介してユーザ側端末装置と接続され、前記ユーザ側端末装置からのクーポン券の発行要求に応じて、クーポン券を識別するためのクーポン券識別情報を示す情報図形を含むクーポン券情報を、前記ユーザ側端末装置に発行するクーポン発行サーバと、
前記施設に配置されて該施設のスタッフにより操作され、前記ユーザ端末装置に接続された印刷装置により前記クーポン券情報に基づいて印刷されたクーポン券であって、前記ユーザが前記施設に持参したクーポン券の情報図形を読み取り、読み取ったクーポン券識別情報を認証を得るための認証情報として送信し、認証結果を表示する施設側端末装置と、
前記施設側端末装置と電気通信回線を介して接続され、前記施設側端末装置から送信された認証情報が、前記クーポン発行サーバが発行し記憶手段に格納されたクーポン券識別情報か否かの認証処理を行い、認証結果を結果情報として前記施設側端末装置へ送信して表示させるクーポン認証サーバとを備えたことを特徴とするクーポン管理システム。
【請求項2】
前記クーポン認証サーバは、認証結果が一致せず、クーポン券が利用できないとの判定であったときに、認証が得られなかった旨を、ユーザが使用する使用言語により報知する結果情報を、前記施設側端末装置へ送信する機能を備えている請求項1記載のクーポン管理システム。
【請求項3】
前記クーポン発行サーバは、ユーザが会員登録をした際の使用言語を言語情報として記憶し、
前記クーポン認証サーバは、前記言語情報に基づいてユーザの使用言語を特定して結果情報として送信する機能を備えた請求項2記載のクーポン管理システム。
【請求項4】
コンピュータを、
ユーザが操作するユーザ側端末装置からのクーポン券の発行要求に応じて、クーポン券を識別するためのクーポン券識別情報を示す情報図形を含むクーポン情報を前記ユーザ側端末装置に発行するクーポン発行手段と、
前記ユーザ端末装置に接続された印刷装置により前記クーポン情報に基づいて印刷されたクーポン券であって、前記ユーザが前記施設に持参したクーポン券の情報図形を、前記施設のスタッフが操作する施設側端末装置が読み取り、認証を得るための認証情報として送信したクーポン券識別情報を、前記クーポン券発行手段が発行したクーポン券識別情報が格納された記憶手段を参照して、一致するか否かの認証処理を行い、認証結果を結果情報として前記施設側端末装置へ送信して表示させるクーポン認証手段として機能させることを特徴とするクーポン管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−145997(P2011−145997A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8399(P2010−8399)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(510016634)株式会社ホスピタブル (3)
【Fターム(参考)】