説明

グリドル

【課題】安価に調理面を拡張できると共に、拡張した調理面で被調理物を良好に調理可能なグリドルを提供する。
【解決手段】この課題を解決するために、グリドルは、ケーシング1の上部に配置され被調理物を上面14に載置するグリル板11と、前記グリル板11を少なくとも下方から加熱する加熱部6と、を備え、平面視において、前記グリル板11の上面14の全長が前記加熱部6の全長より大きく、前記グリル板11の少なくとも一方の側端部13が前記加熱部6の外方に位置し、前記グリル板11の一方の側端部13の板厚を前記グリル板11の中央部12aの板厚より薄くする温調凹部19を前記グリル板11の下面16に設けたものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリドルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、焼きそばやお好み焼き等を調理する鉄板焼き器や、餃子を調理する餃子焼き器等のグリドルがある。このようなグリドルは、焼きそばや餃子やそれらの材料となる食材等の被調理物を載置するグリル板と、グリル板を下方から加熱する加熱部と、を有している(特許文献1等参照)。
【0003】
そして、グリル板は、外周壁の有無等の差異はあるものの、被調理物を載置可能で略平らな上面を有し略均一な板厚の平板で主体が構成されており、板の上面が被調理物を載置する調理面である。この調理面は平面視の全長が加熱部の全長と略同じ寸法となっており、加熱時には、加熱部によって調理面全体が略均一に温度上昇するものである。そのため、加熱中は調理面全体が略均一な温度分布になっており、調理面上の載置位置によらず、被調理物を略均一に調理可能なものである。
【0004】
また、グリドルは、メニューの変更や業種転換、あるいは利用者の意向等により、調理面に載置可能な被調理物の種類や量の増加が求められることがあり、その際にはグリル板の調理面を拡張することになる。そして、調理面拡張時には、グリル板の寸法拡大に併せて、加熱部も寸法拡大を行うことになる。しかし、加熱部がセラミックバーナーのような規格寸法バーナーの場合、加熱部の規格外寸法への変更は大変高価になることがある。そのため、図6に示すように、加熱部を変更せずにグリル板の寸法拡大に留めて、拡張時の費用の増加を抑えることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−160271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、グリル板の寸法拡大に留めた場合には、平面視におけるグリル板の全長が加熱部の全長より大きくなるため、加熱部の上方に配置した際に、グリル部の側端部が加熱部の側方外側(平面視における外方)にはみ出て位置するものである。そのため、加熱時に、側端部やその近傍である側端部周辺の調理面は中央側の部位の調理面に比べて温度上昇が遅れることや、温度上昇の遅れにより調理面や加熱部に温度差が生じることがある。
【0007】
このように、従来のものでは、加熱時に、側端部周辺と中央側の部位で調理面の温度に差が生じるため、同じ加熱時間で調理すると、側端部周辺に載置した被調理物が中央側の部位に載置した被調理物に比べて加熱が不十分になる等の拡張した調理面で良好に調理することができないという問題がある。
【0008】
そこで、この事情に鑑み、安価に調理面を拡張できると共に、拡張した調理面で被調理物を良好に調理可能なグリドルを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本発明のグリドルは、ケーシング1の上部に配置され被調理物を上面14に載置するグリル板11と、前記グリル板11を少なくとも下方から加熱する加熱部6と、を備え、平面視において、前記グリル板11の上面14の全長L1が前記加熱部6の全長L2より大きく、前記グリル板11の少なくとも一方の側端部13が前記加熱部6の外方に位置し、前記グリル板11の一方の側端部13の板厚T3を前記グリル板11の中央部12aの板厚T1より薄くする温調凹部19を前記グリル板11の下面16に設けたものであることを特徴とする。このような構成としたことで、前記加熱部6より外方に位置する前記一方の側端部13近傍の調理面20の昇温速度を向上することができる。そのため、被調理物の調理中等の加熱時に、前記一方の側端部13近傍の調理面20の温度を前記中央部12aの調理面20の温度に近づけられ、前記一方の側端部13近傍と前記中央部12aの調理面20の温度差を低減することができる。
【0010】
このグリドルとして、前記グリル板11の両方の側端部13が前記加熱部6の外方に位置し、前記両方の側端部13に夫々前記温調凹部19を設けたものであることが好ましい。このような構成としたことで、前記グリル板11の両方の側端部13の調理面20の昇温速度を向上でき、前記両方の側端部13と前記中央部12aの調理面20の温度差を低減することができる。
【0011】
また、本発明のグリドルは、ケーシング1の上部に配置され被調理物を上面14に載置するグリル板11と、前記グリル板11を少なくとも下方から加熱する加熱部6と、を備え、平面視において、前記グリル板11の上面14の全長L1が前記加熱部6の全長L2より大きく、前記グリル板11の一方の側端部13が少なくとも前記加熱部6の外方に位置し、前記グリル板11の一方の側端部13の板厚T5を前記グリル板11の他方の側端部13の板厚T4より薄くする温調凹部19を前記グリル板11の下面16に設けたものであることを特徴とする。このような構成としたことで、前記加熱部6より外方に位置する前記一方の側端部13近傍の調理面20の昇温速度を向上することができる。そのため、被調理物の調理中等の加熱時に、前記一方の側端部13近傍の調理面20の温度を前記中央部12aの調理面20の温度に近づけられ、前記一方の側端部13近傍と前記中央部12aの調理面20の温度差を低減することができる。
【0012】
これらグリドルとして、前記温調凹部19が前記グリル板11の下面16を前記温調凹部19を設けた側端部13の外方側に向けて上り傾斜させるものであることが好ましい。このような構成としたことで、前記温調凹部19を設けた側の側端部13内の調理面20における温度差を低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
このような構成としたことで、調理面の拡張により既設の加熱部の外方に側端部が位置しても、温調凹部が調理面の位置毎の温度差を低減するため、加熱部の外方に位置する拡張した調理面でも被調理物を良好に調理することができる。そして、調理面拡張後も既設の加熱部で良好に被調理物を調理可能であるため、加熱部の全長拡大等の変更費用を削減でき、調理面の拡張費用を安価に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態の一例のグリドルの(a)側断面図と、(b)蓋及び回動機構の一部を透過した平面図である。
【図2】同上の(a)変形例の要部を拡大した側断面図と、(b)他の変形例の要部を拡大した側断面図である。
【図3】同上の更に他の変形例の側断面図である。
【図4】同上の他例の側断面図である。
【図5】同上の変形例の側断面図である。
【図6】従来例の調理面を拡張したグリドルの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
【0016】
本実施例のグリドルは、図1に示すように、内部にグリドルの動作を制御する制御部(特に図示しない)を備えた箱型のケーシング1を有したものである。
【0017】
ケーシング1は上部に平面視略長方形状の開口部2を有しており、開口部2には取付保持部(特に図示しない)を介して略同形同寸で平面視略長方形状のグリル板11が設置されており、開口部2はグリル板11により封止されている。そして、ケーシング1の上部には、グリル板11の上方を開閉自在に覆う蓋3と、蓋3をケーシング1に保持し蓋3の開閉を行わせる回動機構4と、加熱部6内の熱風等を排出する排気ダクト5と、を備えている。回動機構4は一端がケーシング1の上部に回動自在で支持され他端が蓋3に回動自在で取り付けられたアームからなり、蓋3の開閉動作の軌跡を規定すると共に蓋3をケーシング1に保持するものである。
【0018】
また、グリル板11の下方のケーシング1の内部には、グリル板11を下から加熱する加熱部6が配置されており、加熱部6は複数の赤外線バーナー7を開口部2の短辺方向に並べたものである。各赤外線バーナー7は、平面視略長方形状の赤外線放出面9aを有したセラミックスプレート9と、セラミックスプレート9を下方から熱振動させて上方に赤外線を放出させる熱供給部8と、熱供給部8に一次空気や燃焼ガスを供給する供給管10と、で構成されている。
【0019】
そして、赤外線バーナー7は、赤外線放出面9aを開口部2に向けると共に、開口部2の長辺に赤外線放出面9aの長辺を沿わせて短辺方向に複数配置されている。更に、セラミックスプレート9の長辺の長さは開口部2の長辺より短く、開口部2とセラミックスプレート9の長辺方向の両端の間には夫々隙間が生じている。
【0020】
すなわち、本例のグリドルは、既設の加熱部6の長辺の長さである平面視における全長L2と略同寸であった既設の開口部2を長辺方向に拡大すると共に、グリル板11を既設のものから拡大後の開口部2を封止可能な寸法のものに変更している。そのため、本例のグリドルは、加熱部6を既設のままで調理面20を拡張した拡張費用を抑えたものであり、グリル板11は、平面視において、長辺方向の両方の側端部13及びその近傍の調理面20が夫々加熱部6より外方に位置するものになっている。
【0021】
以下、説明の便宜上、開口部2の長辺方向を前後とし、排気ダクト5側を後方Bとすると共に反対側を前方Fとし、短辺方向を左右Sとし、平面視における全長である長辺の長さ等の前後の寸法を前後長とし、グリル板11の上下の寸法を板厚とする。そして、グリル板11の前方Fの側端部13を前端13aとし、後方Bの側端部13を後端13bとし、前端13aと後端13bを特に区別しない際には前後端とする。更に、調理面20のうち、平面視において加熱部6より前後の外方に位置する範囲を前後端の調理面20とする。
【0022】
グリル板11は開口部2と略同寸の平面視略長方形の平板状の板本体12を主体とし、板本体12は開口部2を封止しており、板本体12の上面14が被調理物を載置して調理するための調理面20となっている。そして、調理面20の外周には外周壁15が立設されており、調理面20から外部への調理油や被調理物等の飛散等を防止している。
【0023】
また、板本体12の下面16は上面14と略平行で赤外線放出面9aに対向するよう向けられた平面であり、下面16は前後端より前後長L1の中点側に夫々段部17を有しており、板本体12は段部17の前後で板厚が異なるものとなっている。
【0024】
詳しくは、前方Fを向く略平らな側面18からなる前段部17aを前後長L1の中点より前方Fに有し、後方Bを向く略平らな側面18からなる後段部17bを前後長L1の中点より後方Bに有している。そのため、前段部17aの前方Fの下面16及び後段部17bの後方Bの下面16が両段部17に挟まれた中央側の部位の下面16より上方に位置しており、板本体12は各段部17の前後外方の板厚T2が中央側の部位の板厚T1より薄いものになっている。そして、各段部17の前後外方の先端部である前後端の板厚T3も中央側の部位の板厚T1より薄いものになっている。
【0025】
すなわち、段部17を境に下面16の前後端近傍に形成された略矩形状の凹みが前後端の調理面20の昇温速度を向上させる温調凹部19である。そして、温調凹部19は前後端が既設の加熱部6の外方に位置することによる前後端の調理面20の加熱時等の温度上昇の遅れを相殺あるいは抑制するものである。以下、中央側の部位を中央部12aとし、外側の部位を外側部12bとする。
【0026】
このように、温調凹部19を設けて前後端を含む前後の外側部12bの板厚T2を中央部12aより薄くしたことで、外側部12bの板厚T2と中央部12aの板厚T1が略等しい既設のものより、外側部12bの調理面20が加熱時に温度上昇し易いものになっている。そして、外側部12bの調理面20の昇温速度が向上したことで、調理時に前後端の調理面20の温度が中央部12aの調理面20の温度に近いものになり、拡張した部位等の調理面20の位置毎の温度差が低減されている。そのため、外側部12bの前後端近傍に載置した被調理物と中央部12aに載置した被調理物を略同様の加熱時間で略同じ品質に加熱調理でき、前後端近傍と中央部12aの上面14を略同様の調理面20として良好に調理に利用することができるものとなっている。
【0027】
すなわち、拡張時に、板本体12の前後長L1の拡大に加えて、板本体12の下面16に温調凹部19を設けることで、拡張に伴う被調理物の載置位置による加熱調理の進行具合等の差の発生を軽減することができる。そして、調理時の被調理物の載置位置による進行具合の差を軽減したことで、拡張後も拡張前と略同様に被調理物を調理できると共に、拡張前より多くの被調理物を一度に調理することができるものになっている。更に、調理面20の拡張後も既設の加熱部6を良好に調理に利用できるため、加熱部6の変更等の費用が削減され、調理面20の拡張費用を安価に抑えたものになっている。
【0028】
また、変形例として、図2(a)に示すように、段部17を構成する側面18を各段部17の近い側の前後端に向けて上り傾斜させ、外側部12bの下面16と中央部12aの下面16を連続的に変化する傾斜面で接続し、下面16間の段差を滑らかにしたものもある。このものでは、中央部12aと外側部12bの境界を構成する段部17が傾斜したものであるため、下面16間の段差による境界の前後の調理面20における昇温時等の温度差を低減でき、載置位置による被調理物の調理具合等に差を生じることを抑制している。
【0029】
そして、他の変形例として、図2(b)に示すように、各段部17の傾斜面を夫々の近い側の前後端に至るまで形成して、各外側部12bの下面16を夫々近い側の前後端の外方に向けて上り傾斜させたものもある。このものでは、温調凹部19が外側部12bの下面16を外方に上り傾斜させる側面視略三角形状のものになっており、外側部12bの板厚T2は中央部12aから離れるほど連続的に薄くなるものであり、前後端の板厚T3が最も薄くなっている。そのため、外側部12bと中央部12aの境界の段差による温度差に加えて、外側部12bにおける調理面20の温度差も低減しており、拡張した前後端の調理面20をより良好に調理スペースとして利用することができるものである。
【0030】
なお、温調凹部19の前後長は加熱部6の前後の端部から近い側の前後端までの前後の寸法の約2倍以上に設定することが好ましいが、例示の数値のみに限定されるものではない。すなわち、温調凹部19の前後長は被調理物の種類や数等の拡張条件や、加熱部6の出力やグリル板11の板厚等に応じて適宜設定されるものであり、少なくとも加熱部6の前後の端部から近傍の前後端までの前後の寸法と略同じかそれ以上であればよい。
【0031】
また、他例として、図3に示すように、板本体12の下面16を板本体12の前後長L1の略中央から夫々前後端に向けて上り傾斜した二つの傾斜面で構成したものがある。詳しくは、板本体12の下面16が、前後長L1の中央より前方Fに位置し前方Fに向かって上り傾斜した前下面16aと、前後長L1の中央より後方Bに位置し後方Bに向かって上り傾斜した後下面16bと、からなっている。
【0032】
すなわち、グリル板11は、下面16を外方に向かって上り傾斜させる側面視略三角形状の温調凹部19を前下面16aと後下面16bに夫々設けたものであり、下面16は前後長L1の中央で最も下方に突出し前後端で最も上方に凹むものとなっている。
【0033】
このように、板厚を前後長L1の中央で最も厚くし且つ中央から離れるほど薄くなるものとしたことで、前後端の板厚T3が最も薄くなり、前後端の昇温速度が向上すると共に、下面16が段差のない滑らかに連続したものになっている。そのため、調理面20の昇温時の温度分布を略均一で滑らかなものになり、前後端と中央部12aの調理面20の温度差をより低減でき、板本体12の調理面20全体で良好に調理することができるものである。
【0034】
また、他例として、図4や図5に示すように、板本体12の後方Bの板厚を中央部12a及び前方Fの板厚より薄くしたものがある。以下、他例の説明において、前後端の板厚T3を中央部12aより薄くした前述の各例と重複する構成は、同一の符号を付与し一部説明を省略する。
【0035】
例えば、図4に示すものでは、グリル板11の板本体12の前後長L1が加熱部6の前後長L2より長く、板本体12は前後端が夫々加熱部6より前後の外方に位置している。そして、板本体12は前後長L1の略中央と後端13bの間で下方に加熱部6が配置された位置に段部17を備えており、後端13b側に下面16を上方に凹ませた外側部12bを有し、段部17を境に後方B側の板厚が前方F側の板厚より薄いものである。
【0036】
すなわち、グリル板11は側面視略矩形状の温調凹部19を下面16に設けたものであり、後端13bの板厚T5が中央部12a及び前端13aより薄く、且つ中央部12aの板厚T1と前端13aの板厚T4が略同じ厚さのものとなっている。
【0037】
このものでは、後端13bを前端13aより昇温速度を向上させると共に、後方Bに設けた外側部12bの調理面20と中央部12aの調理面20の温度差を低減したものである。そのため、後端13bの調理面20を中央部12aの調理面20と略同様の調理スペースとして利用することができるものになっている。以下、後端13bの調理面20を含む外側端12bの調理面20を後方Bの調理面20とする。
【0038】
そして、前端13aの板厚T4が中央部12aの板厚T1と略同じであるため、前端13aの調理面20は中央部12aや後方Bの調理面20より温度が低く且つ後方Bの調理面20に比べて温度低下し難いものとなっている。そのため、前端13aの調理面20に被調理物を載置することで、調理途中や調理前の被調理物の予熱や、中央部12aや後方Bの調理面20で調理した加熱後の被調理物の焦げ付きや温度低下の抑制等の被調理物の調理を補助することができる。
【0039】
このような構成としたことで、例えば、焼きそばの調理等の野菜を加熱した後に肉の加熱やそばとの混合等の複数の行程を有する被調理物の調理の際に、中央部12aや後方Bの調理面20で野菜を調理した後、野菜を前端13aの調理面20に移動させることで、肉の加熱中に野菜が冷めることを防止できる。また、中央部12a等の調理面20でステーキやハンバーグ等の調理中に、それらにかけるソースを前端13aの調理面20に載置して予め温めておくことで、調理したステーキやハンバーグに温かいソースをかけること等もできる。
【0040】
すなわち、本例のグリドルは、調理面20の拡張として、良好に調理可能なスペースを狭めずに維持したまま、保温や予熱に利用可能な調理を補助するスペースを安価に追加したものである。そのため、位置毎の出力調整が困難な赤外線バーナー7からなる加熱部6を用いたグリドルであっても、被調理物の加熱と他の被調理物の予熱や保温等の複数の被調理物の調理を一つの調理面20で並行して行え、拡張した調理面20で被調理物を良好に調理可能なものとなっている。
【0041】
また、変形例として、図5に示すように、板本体12の下面16を前端13aから後端13bに向けて上り傾斜させ、後方Bに向かうほど板本体12の板厚を薄くしたものもある。すなわち、温調凹部19を側面視略三角形状で下面16の略全体に設け、前端13aから後端13bに向けて連続的に板厚を変化させると共に、前端13aの板厚T4が最も厚く、後端13bの板厚T5が最も薄くしたものである。
【0042】
このものでは、後端13bの調理面20の昇温速度が向上され、後端13b等の後方B側や中央部12aの調理面20で被調理物を良好に加熱調理することができて、前端13aの調理面20で被調理物の調理を良好に補助することができる。そのため、良好に調理可能なスペースを狭めずに調理面20を安価に拡張できると共に、拡張した調理面20で被調理物を良好に調理可能なものとなっている。
【0043】
なお、本発明のグリドルは、前後の一方の側端部13のみが加熱部6より外方に位置したものや、左右Sの側端部13が加熱部6の外方に位置し該側端部13に温調凹部19を設けたもの等であってもよい。そして、グリル板11は、ケーシング1上部より下方に位置した鍋状のものや、外周壁15の無いもの等であってもよい。更に、蓋3のないものはもちろん、蓋3がグリドルから着脱自在のものや、調理時に蓋3に付着した露由来の垂れ湯を受ける垂れ湯受けを蓋3の回動支点側に設けたもの等であってもよい。
【0044】
また、赤外線バーナー7を左右Sに複数配列したものに限らず、前後に複数配列したものや、赤外線放出面9aを略正方形状とし前後及び左右Sに複数配列したものや、単体の赤外線バーナー7でグリル板11を加熱するもの等であってもよい。もちろん、加熱部6は赤外線バーナー7が好ましいが、通常の燃焼バーナーや電気ヒーター等であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 ケーシング
6 加熱部
11 グリル板
12a 中央部
13 側端部
14 上面
16 下面
19 温調凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングの上部に配置され被調理物を上面に載置するグリル板と、前記グリル板を少なくとも下方から加熱する加熱部と、を備え、平面視において、前記グリル板の上面の全長が前記加熱部の全長より大きく、前記グリル板の少なくとも一方の側端部が前記加熱部の外方に位置し、前記グリル板の一方の側端部の板厚を前記グリル板の中央部の板厚より薄くする温調凹部を前記グリル板の下面に設けたものであることを特徴とするグリドル。
【請求項2】
前記グリル板の両側の側端部が夫々前記加熱部の外方に位置し、前記両側の側端部に夫々前記温調凹部を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載のグリドル。
【請求項3】
ケーシングの上部に配置され被調理物を上面に載置するグリル板と、前記グリル板を少なくとも下方から加熱する加熱部と、を備え、平面視において、前記グリル板の上面の全長が前記加熱部の全長より大きく、前記グリル板の一方の側端部が少なくとも前記加熱部の外方に位置し、前記グリル板の一方の側端部の板厚を前記グリル板の他方の側端部の板厚より薄くする温調凹部を前記グリル板の下面に設けたものであることを特徴とするグリドル。
【請求項4】
前記温調凹部が前記グリル板の下面を前記側端部側に向けて上り傾斜させるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のグリドル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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