説明

グリル装置

【課題】判定手段での加熱容器5有無の判定の誤検知が防止されるグリル装置1を提供する。
【解決手段】本グリル装置1は、グリル庫2内に加熱手段が設けられ、焼網に食材を載せてグリル庫2内に導入する焼網を用いた調理と、焼網に替えて、食材を入れた加熱容器5をグリル庫2内に導入する加熱容器5を用いた調理とを可能にする。グリル庫2から外部に通じる排気通路21に温度センサが設けられ、この温度センサの検知温度に基づいてグリル庫2内の加熱容器5の有無を判定する判定手段を備える。加熱容器5を用いた調理を行うときに加熱容器5を載せる固定網7の後部に遮蔽板8が設けられる。遮蔽板8は、加熱容器5を用いた調理を行うときには温度センサへの排気の接触を抑制するように温度センサを覆う遮蔽部となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼網を用いた調理と、加熱容器を用いた調理とを可能にしたグリル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のグリル装置として、特許文献1に記載のものが知られている。このグリル装置は、グリル庫から外部に通じる排気通路の異なる位置に2つの温度センサが設けられ、これらの温度センサの検知温度における温度上昇に基づいてグリル庫内の加熱容器の有無を判定する判定手段を備えている。
【特許文献1】特開2008−104545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、排気通路に設けられた温度センサは、グリル庫内に加熱容器が有っても無くても高温の排気にさらされるため、加熱容器の導入の有無により、上記温度センサでの温度上昇特性に大きな違いが生じ難い。
一方、温度センサにサーミスタが使用される場合、量産品のサーミスタ自体にも特性のバラツキがあり、設置された状態の温度センサによっても温度上昇特性に多少の違いがある。また、グリル庫内の温度が室温と略等しいコールドスタートのときと、グリル庫内の温度が室温よりも高いホットスタートのときとでは、上記温度センサの温度上昇特性に違いが見られる。さらに、焼網による調理のときの食材の大きさや、焼網において食材が温度センサの近くに配置されるときとそうでないときとでも温度センサの温度上昇特性に影響することがある。このような、温度センサ自体の検知温度特性のバラツキ、調理時の環境、食材のバラツキ等を考慮すれば、加熱容器の有無だけにより、上記温度センサでの温度上昇特性に大きな変化が生じるとも言えない。
そのため、上記判定手段での加熱容器有無の判定が誤検知されるという問題があった。その結果、加熱容器を用いた専用調理モードの状態で、焼網を用いた調理が普通に行われるといった誤った状態でグリル装置が使用されてしまう。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、判定手段での加熱容器有無の判定の誤検知が防止されるグリル装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るグリル装置は、
グリル庫内に加熱手段が設けられ、焼網に食材を載せてグリル庫内に導入する焼網を用いた調理と、焼網に替えて、食材を入れた加熱容器をグリル庫内に導入する加熱容器を用いた調理とを可能にするグリル装置であって、
グリル庫から外部に通じる排気通路に温度センサが設けられ、この温度センサの検知温度に基づいてグリル庫内の加熱容器の有無を判定する判定手段を備え、
上記加熱容器を用いた調理を行うときには上記温度センサを覆う遮蔽部が配置される構成としたものである。
【0006】
上記構成によれば、遮蔽部により温度センサへの排気の接触を抑制することができる。従って、加熱容器を用いた調理を行うときは温度センサでの検知温度の温度上昇が鈍くなるので、グリル庫内に加熱容器が有るときと無いときとでは、温度上昇の違いが明確に区別される。その結果、判定手段での加熱容器有無の判定の誤検知を防止することができる。
【0007】
上記加熱容器を用いた調理を行うときは加熱容器を位置固定する固定手段に載せてグリル庫内に導入され、
上記遮蔽部は、後方へ延びた上面部とを備える遮蔽板により構成され、
上記遮蔽板は、加熱容器を載せる固定手段がグリル庫内に導入されると上面部が上記温度センサの上方に配置されるように上記固定手段の後部に設けられていることが望ましい。
グリル庫内に加熱容器を導入したとき、排気通路に設けられた温度センサに対しては温度センサの上方から多くの排気が流れ込みやすい。従って、上記遮蔽板により、温度センサの上方からの排気の流れ込みが防止されるので、加熱容器を用いた調理を行うときに温度センサへの排気の接触を大幅に抑制することができる。
【0008】
また、上記遮蔽部は、加熱容器の蓋又は容器本体に設けられた庇板により構成され、
上記庇板は、加熱容器がグリル庫内に導入されると上記温度センサの上方に配置される高さに設定されているものでもよい。
上述のとおり、グリル庫内に加熱容器を導入したときは温度センサの上方から多くの排気が流れ込みやすいが、上記庇板により、温度センサの上方からの排気の流れ込みが防止されるので、加熱容器を用いた調理を行うときに温度センサへの排気の接触を抑制することができる。
【0009】
上記加熱容器を用いた調理を行うときは加熱手段が加熱開始され、
上記判定手段は、加熱開始から一定時間経過するまでの間に、上記温度センサにおける加熱開始時の検知温度からの温度上昇幅が基準温度範囲を超えると加熱容器「無」と判断する構成とされることが望ましい。
加熱手段が加熱開始されると、加熱開始の初期段階でもグリル庫内に加熱容器が有るときと無いときの温度上昇の違いが明確に区別される。従って、上記判定手段によれば、加熱開始の初期段階で加熱容器有無の判定を誤検知することなく正確に行うことができる。よって、早期に加熱容器有無の正確な判定が行われる結果、加熱容器を用いた専用調理モードの状態で焼網を用いた調理等が長く継続されることを防止することができる。
【0010】
上記基準温度範囲は、加熱開始時の上記温度センサの検知温度が高くなるにつれて狭く設定されることが望ましい。
加熱開始初期は、焼網による調理でも加熱容器による調理でも、加熱開始時のグリル庫内の温度が高くなるにつれてその温度上昇が鈍くなる。従って、上記のように基準温度範囲を設定することにより、判定手段での加熱容器有無の判定の誤検知を確実に防止することができる。
【0011】
また、加熱開始時の上記温度センサの検知温度が一定温度以上のホットスタートのときは、上記検知温度が一定温度未満のコールドスタートのときよりも上記基準温度範囲が狭く設定されることが望ましい。
ホットスタートのときは、上述の温度上昇がさらに鈍くなる。従って、上記のように基準温度範囲を設定することにより、判定手段での加熱容器有無の判定の誤検知を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、遮蔽部により加熱容器を用いた調理を行うときはグリル庫内に加熱容器が無いときと温度上昇の違いが明確に区別されるようになる。従って、判定手段による加熱容器有無の判定の精度が向上され、その結果、加熱容器を用いた専用調理モードの状態で焼網を用いた調理が行われること等を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
実施形態のグリル装置は、ガスコンロに備えられたものを示すが、電気式の調理器等に設けたものでもよい。
図1に示すように、このグリル装置1は、ガスコンロ10に設けられたグリル庫2に、加熱手段として、天井近傍に配設された上火バーナ3と、左右側面に配設された下火バーナ4とを備えている。なお、加熱手段は、これらガスバーナ3,4に限らず、電気ヒータを用いたものでもよい。グリル庫2内には、食材を入れる加熱容器5が導入可能となっており、また、加熱容器5に替えて、食材を載せる焼網(図示せず)を導入することもできる。加熱容器5は、例えば、厚手の鋳鉄や陶器のような熱容量の大きな材質のものが用いられる。グリル庫2の前面には、グリル扉23が設けられており、グリル扉23の背面にトレー受け24が取り付けられ、このトレー受け24にトレー6が載せられる。
【0014】
図2に示すように、トレー6には加熱容器5を載せるための固定網(固定手段)7が取り付けられる。なお、加熱容器5を使用しない場合は、固定網7に替えて焼網(図示せず)がトレー6に取り付けられるように構成されている。そして、グリル扉23を前方に引き出した状態で、トレー6に取り付けた固定網7に加熱容器5を載せてグリル扉23を押し込んで閉じることにより、加熱容器5がグリル庫2内に導入される。
【0015】
固定網7は、図3に示すように、加熱容器5の底部形状に合わせて各線材を所定形状に形成して加熱容器5を一定位置に配置させるための凹部71が形成されている。従って、加熱容器5を用いた調理を行うときは加熱容器5をグリル庫2内の一定位置に常に配置させることができ、加熱容器5の使用のたびに庫内温度分布が変化することはない。なお、固定網7に替えて焼網をトレー6に取り付けることにより、食材を焼網に載せて調理を行うことができる。
【0016】
グリル庫2の後方には排気通路21が設けられており、上火バーナ3及び下火バーナ4の燃焼ガス等の排気が排気通路21を経由して上方の排気口22から外部に排出される。排気通路21内の入口付近の底壁とグリル庫2の後壁上部とには、それぞれ温度センサTH1,TH2が設けられている。そして、このグリル装置1は、上記各温度センサTH1,TH2の検知温度に基づいて制御手段(図示せず)により所定の調理の自動加熱制御が行われ、また、排気通路21に設けた温度センサTH1の検知温度に基づいて判定手段(図示せず)によりグリル庫2内の加熱容器5の有無を判定する機能を備えている。なお、温度センサTH2は、グリル庫2内の過熱防止のため、グリル庫2内温度の上限温度を検知する目的に使用されることもある。
【0017】
図2、図3を参照して、固定網7の後端部には、排気通路21に設けた温度センサTH1を覆うための遮蔽部としての遮蔽板8が設けられている。この遮蔽板8は、上方へ延びる立設部81と、この立設部81の上端から後方へ延びる上面部82と、この上面部82の左右両端からそれぞれ下方へ延びる垂下部83R,83Lとを備える。これにより、加熱容器5を載せた固定網7がグリル庫2内に導入されると、立設部81が温度センサTH1の前方に配置され、上面部82が温度センサTH1の上方に配置され、左右の垂下部83R,83Lが温度センサTH1の左右側方の上部に配置される。
【0018】
グリル庫2内に加熱容器5を導入すると、排気通路21に設けられた温度センサTH1に対しては温度センサTH1の上方と前方から多くの排気が流れ込みやすい。従って、上記遮蔽板8により、温度センサTH1の前方、上方、左右側方の上部からの排気の流れ込みが抑制されるので、加熱容器5を用いた調理を行うときに温度センサTH1への排気の接触が大幅に低減される。これにより、加熱容器5を用いた調理を行うときは温度センサTH1での検知温度の温度上昇が鈍くなり、グリル庫2内に加熱容器5が有るときと無いときとでは、温度センサTH1での温度上昇の違いが明確に区別されるようになる。
なお、遮蔽板8としては、上面部82だけを設けるものでもよく、また、上面部82と立設部81、又は上面部82と左右の垂下部83R,83Lを設けるものでもよい。これは、温度センサTH1への排気の接触を低減するに当り、上面部82が最も有効で、次に立設部81が有効であると考えられるからである。
【0019】
また、ガスコンロ10の前面パネルには、グリル装置1の上火バーナ3及び下火バーナ4の点火ボタン(火力調整可能)や、加熱容器5を用いた調理を行う場合の専用調理モードを指定する調理スイッチ等が設けられている(図示せず)。そして、使用者が点火ボタンを操作して上火バーナ3及び下火バーナ4が点火され、調理スイッチより加熱容器5を用いた調理を制御手段により自動調理制御する専用調理モードが選択されると、上火バーナ3及び下火バーナ4をともに強火力(最大能力)にして加熱開始される。このとき、焼網を用いた調理を行っているにもかかわらず、加熱容器5を用いた調理のための専用調理モードが操作される場合がある。そこで、この専用調理モードが選択されると、上記判定手段によって加熱容器5有無の判定動作が行われる。加熱容器5の有無の判定は、概略的には、加熱開始初期の温度センサTH1での温度上昇幅Taが基準温度範囲Yに到達するような温度上昇の早い特性を示すときは、加熱容器5「無」と判断するものである。
【0020】
具体的には、図4を参照して、まず、点火時の温度センサTH1の検知温度T0が一定温度(例えば30℃)未満であったときは(S1)、グリル庫2内の温度が室温と略等しいコールドスタートであるとし、コールドスタート時の基準温度範囲Y=Ycが設定される(S2)。一方、上記検知温度T0が一定温度以上であったときは(S1)、グリル庫2内の温度が室温よりも高いホットスタートであるとし、ホットスタート時の基準温度範囲Y=Yhが設定される(S3)。このようにコールドスタートとホットスタートとで基準温度範囲Yを違えているのは、加熱開始初期の庫内の温度上昇特性に違いがあることに基づいている。
【0021】
また、図5のグラフに示すように、これら基準温度範囲Yc・Yhは、それぞれにおいて、所定の上限値(H,H’)から、点火時の検知温度T0に係数(k,k’)をかけた値を減算して求められる。従って、基準温度範囲Yは、点火時の温度センサTH1の検知温度T0が高いとき程狭い範囲に設定されることとなる。これは、焼網による調理でも加熱容器5による調理でも、加熱開始時のグリル庫2内の温度が高いとき程、加熱開始初期の庫内温度上昇が鈍くなるからである。従って、点火時の温度センサTH1の検知温度が高いとき程、基準温度範囲Yを狭く設定することにより、判定手段での加熱容器5有無の判定の誤検知を確実に防止することができる。
【0022】
また、ホットスタート時の基準温度範囲Yhは、コールドスタートの基準温度範囲Ycよりも狭い範囲に設定される。ホットスタートのときは、上述した加熱開始初期の庫内温度上昇がさらに鈍くなる。従って、ホットスタート時の場合は基準温度範囲Yを狭く設定することにより、ホットスタートの時でも、判定手段での加熱容器5有無の判定の誤検知を確実に防止することができる。
【0023】
次に、点火から一定時間tが経過するまでの間に(S5)、温度センサTH1における点火時の検知温度からの温度上昇幅Taが基準温度範囲Yに到達するとこの到達時点taで加熱容器5「無」と判断される(S4→S6、図6のグラフ中の線Aでの点A)。加熱容器5「無」と判断されると、制御手段は、直ちにエラー報知(表示、ブザー、音声等)すると同時に上火バーナ3及び下火バーナ4を消火して運転停止させる(S7)。これにより、加熱容器5を用いた専用調理モードの状態で、焼網を用いた調理が継続されるといった誤った状態でのグリル装置1の使用が防止される。
【0024】
一方、点火から一定時間tが経過するまでずっと温度上昇幅Taが基準温度範囲Y内であった場合は加熱容器5「無」と判断されることなく(S4,S5、図6のグラフ中の線B)、専用調理モードに従って制御手段により自動調理制御が継続される(S8)。
【0025】
以上のように、本実施形態によれば、固定網7に設ける遮蔽板8により、加熱容器5を用いた調理を行うときは温度センサTH1での検知温度の温度上昇が鈍くなり、グリル庫2内に加熱容器5が有るときと無いときとでは、温度上昇の違いが明確に区別される。また、上火バーナ3、下火バーナ4が最大能力で加熱開始されると、加熱開始の初期段階でもグリル庫2内に加熱容器5が有るときと無いときの温度上昇の違いが明確に区別される。従って、上記判定手段により、加熱開始の初期段階で加熱容器有無の判定を誤検知することなく正確に行うことができる。このように、判定手段による加熱容器有無の判定の精度が向上されるから、加熱容器5を用いた専用調理モードの状態で、焼網を用いた調理が行われること等を確実に防止することができる。また、早期に加熱容器有無の正確な判定が行われる結果、加熱容器5を用いた専用調理モードの状態で焼網を用いた調理等が長く継続されることもない。また、従来技術(特許文献1)では2個の温度センサより加熱容器有無の判別を行うが、本実施形態によれば、判定手段における加熱容器有無の判別が1個の温度センサTH1で済み、しかも、1個の温度センサTH1の検知温度でも高精度に加熱容器有無の判別ができる。
【0026】
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されない。
例えば、温度センサTH1への遮蔽部は、加熱容器5の蓋51又は容器本体52に設けられた庇板9により構成され、この庇板9は、加熱容器5がグリル庫2内に導入されると温度センサTH1の上方に配置される高さに設定されるようにしたものでもよい(図7は容器本体52a上の蓋51aの前後位置に庇板9A,91Aを設けた例を示す。図8は蓋51bを被せた容器本体52bの上端の前後位置に庇板9B,9Bを設けた例を示す。)。
これにより、グリル庫2内に加熱容器5を導入したときは温度センサTH1の上方から多くの排気が流れ込みやすいが、上記庇板9により、温度センサTH1の上方からの排気の流れ込みが防止されるので、加熱容器5を用いた調理を行うときに温度センサTH1への排気の接触を抑制することができる。また、この場合、遮蔽部となる庇板9が加熱容器5そのものに設けられるから、加熱容器5がグリル庫2内に導入されないにもかかわらず、判定手段で加熱容器5が有ると判断されることもない。なお、図7、図8に示すように、庇板9A,9Bは、加熱容器5A,5Bの前後に配設されるから、加熱容器5A,5Bを前後のどちら向きにセットしても庇板9A,9Bによって温度センサTH1を確実に覆うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態によるグリル装置の内部を示す模式図である。
【図2】トレーに固定網及び加熱容器を載せた状態を示す斜視図である。
【図3】遮蔽部として遮蔽板を設けた固定網を示す斜視図である。
【図4】加熱容器有無を判定するフローチャートである。
【図5】基準温度範囲の設定を説明するためのグラフである。
【図6】加熱容器「無」の場合と加熱容器「有」の場合の温度上昇の違いを示すグラフである。
【図7】遮蔽部として庇板を加熱容器の蓋に設けた例を示す模式図である。
【図8】遮蔽部として庇板を加熱容器の容器本体に設けた例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0028】
10 ガスコンロ
1 グリル装置
2 グリル庫
3 上火バーナ(加熱手段)
4 下火バーナ(加熱手段)
5 加熱容器
21 排気通路
TH1 温度センサ
7 固定網(固定手段)
8 遮蔽板(遮蔽部)
9A 庇板(遮蔽部)
9B 庇板(遮蔽部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリル庫内に加熱手段が設けられ、焼網に食材を載せてグリル庫内に導入する焼網を用いた調理と、焼網に替えて、食材を入れた加熱容器をグリル庫内に導入する加熱容器を用いた調理とを可能にするグリル装置であって、
グリル庫から外部に通じる排気通路に温度センサが設けられ、この温度センサの検知温度に基づいてグリル庫内の加熱容器の有無を判定する判定手段を備え、
上記加熱容器を用いた調理を行うときには上記温度センサを覆う遮蔽部が配置される構成としたグリル装置。
【請求項2】
請求項1に記載のグリル装置において、
上記加熱容器を用いた調理を行うときは加熱容器を位置固定する固定手段に載せてグリル庫内に導入され、
上記遮蔽部は、後方へ延びた上面部を備える遮蔽板により構成され、
上記遮蔽板は、加熱容器を載せる固定手段がグリル庫内に導入されると上面部が上記温度センサの上方に配置されるように上記固定手段の後部に設けられているグリル装置。
【請求項3】
請求項1に記載のグリル装置において、
上記遮蔽部は、加熱容器の蓋又は容器本体に設けられた庇板により構成され、
上記庇板は、加熱容器がグリル庫内に導入されると上記温度センサの上方に配置される高さに設定されているグリル装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のグリル装置において、
上記加熱容器を用いた調理を行うときは加熱手段が加熱開始され、
上記判定手段は、加熱開始から一定時間経過するまでの間に、上記温度センサにおける加熱開始時の検知温度からの温度上昇幅が基準温度範囲を超えると加熱容器「無」と判断する構成とされるグリル装置。
【請求項5】
請求項4に記載のグリル装置において、
上記基準温度範囲は、加熱開始時の上記温度センサの検知温度が高くなるにつれて狭く設定されるグリル装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のグリル装置において、
加熱開始時の上記温度センサの検知温度が一定温度以上のホットスタートのときは、上記検知温度が一定温度未満のコールドスタートのときよりも上記基準温度範囲が狭く設定されるグリル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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