説明

グレーチング

【課題】グレーチングの強度を低下させることなくこれを排水溝に沿って連続して敷設したときの見栄えを良くする。
【解決手段】グレーチング10は、溝Dに沿って延びて溝Dの幅方向に互いに平行に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバー11と、ベアリングバー11の上面より下側で溝Dの幅方向に設けられてベアリングバー11を連結する複数の連結バー12と、ベアリングバー11の溝Dに沿って延びる方向の両端部に設けられてベアリングバー11の端部を連結するエンドプレート13とを備え、ベアリングバーの溝Dに沿って延びる方向の両端部にはその上面より下側に切欠き部11dが形成され、この切欠き部11dにエンドプレート13を当接させて溶接により固着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水溝等の溝を覆うグレーチングに関する。
【背景技術】
【0002】
道路等には、雨水を排水するための排水溝が設けられており、この排水溝には、これを覆うグレーチングが設けられている。一般的に、グレーチングは、長方形をした枠内に排水溝の幅方向に延びる平鋼よりなる複数のベアリングバーを互いに平行に配置し、同枠内に排水溝に沿って延びる複数のクロスバーを互いに平行に配置して格子状に形成したものがある。近年、種々のグレーチングが開発されているが、図5に示すグレーチング20は、屋外と屋内との間の排水溝D1に設けたときに屋内へ雨水が流入しないようにすることを目的としたものである。このグレーチング20は、排水溝D1に沿って延びて排水溝D1の幅方向に互いに平行に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバー21と、ベアリングバー21の上面より下側で排水溝D1の幅方向に延びて複数のベアリングバー21を連結する複数の連結バー22と、ベアリングバー21の排水溝D1に沿って延びる方向の両端に設けられてベアリングバー21の端部を連結するエンドプレート23とを備えている。このグレーチング21を屋内と屋外との間の排水溝D1に敷設したときには、屋外で降った雨の大部分が排水溝D1の幅方向に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバー21の間から排水溝D1に落下して屋内に雨水が流入するのを防いでいる。また、このグレーチング20においては、連結バー22をベアリングバー21の上面より下側に設けているので、主としてベアリングバー21の上面が排水溝D1に沿って途切れることなく延び、このベアリングバー21によりすっきりとした美観を付与しているものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図5に示すグレーチング20を排水溝D1に隙間なく連続して敷設したときには、各グレーチング20のベアリングバー21は両端部のエンドプレート23により隣り合うグレーチング20のベアリングバー21と繋がらず、各グレーチング20のベアリングバー21が隣り合うベアリングバー21と一直線に連続するように見えなくて見栄えが良くなかった。
【0004】
このようなグレーチング20はエンドプレート23を設けないようにすれば、互いに隣り合うグレーチング20の各ベアリングバー21が繋がって連続するように見えるが、エンドプレート23を設けないようにすると強度が低下して破損するおそれがあり、エンドプレート23を設けないようにすることができなかった。また、連結バー22の数を多くしたり、連結バー22に強度の高い素材を用いることにより強度を高くしてエンドプレート23を設けないようにすることも可能ではあるが、コストが高くなる問題があった。
【0005】
さらに、このグレーチング20を屋内と屋外との間の排水溝D1に敷設したときには、屋外で降った雨の大部分が排水溝D1の幅方向に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバー21の間から排水溝D1に落下するが、屋外で降った雨の一部が排水溝D1に流入せずにエンドプレート23の上面を流れて屋内に流入することがあった。本発明は、このような問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、排水溝等の溝を覆うグレーチングであって、溝に沿って延びて溝の幅方向に互いに平行に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバーと、ベアリングバーの上面より下側でこれと交差する方向に設けられてベアリングバーを連結する複数の連結バーと、ベアリングバーの溝に沿って延びる方向の端部に設けられてベアリングバーの端部を連結するエンドプレートとを備え、ベアリングバーの端部にはその上面より下側に切欠き部が形成され、切欠き部にエンドプレートを固定したことを特徴とするグレーチングを提供するものである。
【0007】
上記のように構成したグレーチングにおいては、ベアリングバーの端部にはその上面より下側に切欠き部が形成され、切欠き部にエンドプレートを固定するようにしたので、このグレーチングを排水溝に沿って連続して敷設したときに、互いに隣り合うグレーチングの各ベアリングバーがエンドプレートにより途切れることなく繋がって連続するように見えるので、排水溝に連続して敷設したグレーチングはその強度を低下させることなくすっきりとして見えるようになって見栄えが良くなる。また、グレーチングにおいては、ベアリングバーの端部にはその上面より下側に切欠き部が形成され、切欠き部にエンドプレートを固定するようにしたので、グレーチングの上面には溝の幅方向に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバーだけとなるので、溝の幅方向の一方側から溝に水が流入するときにグレーチングの上面を流れて溝の幅方向の他方側に水が流入することがない。
【0008】
また、本発明は他の実施形態においては、排水溝等の溝を覆うグレーチングであって、溝に沿って延びて溝の幅方向に互いに平行に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバーと、ベアリングバーの上面より下側で溝の幅方向に延びてベアリングバーを連結する複数の連結バーと、ベアリングバーの溝に沿って延びる方向の端部に設けられてベアリングバーの端部を連結するエンドプレートとを備え、ベアリングバーの端部には貫通孔が形成され、貫通孔にエンドプレートを嵌挿して固定したことを特徴とするグレーチングを提供するものである。このようなグレーチングにおいても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態のグレーチングの斜視図である。
【図2】図1のグレーチングの溝に沿った方向の端部を示す一部拡大斜視図である。
【図3】(a)第1実施形態のグレーチングを連続して敷設した斜視図であり、(b)従来のグレーチングを連続して敷設した斜視図である。
【図4】第2実施形態のグレーチングの溝に沿った方向の端部を示す一部拡大斜視図である。
【図5】従来のグレーチングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明によるグレーチングの実施形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2に示すように、第1実施形態のグレーチング10は、排水溝等の溝Dを覆うものであり、溝Dに沿って延びて溝Dの幅方向に互いに平行に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバー11と、ベアリングバー11の上面より下側で溝Dの幅方向に延びてベアリングバー11を連結する複数の連結バー12と、ベアリングバー11の溝Dに沿って延びる方向の端部に設けられてベアリングバー11の端部を連結するエンドプレート13とを備え、ベアリングバー11の溝Dに沿って延びる方向の両端部にはその上面より下側に切欠き部11dが形成され、この切欠き部11dにエンドプレート13を固定した。以下に、このグレーチング10について詳述する。
【0011】
図1及び図2に示すように、ベアリングバー11は、溝Dに沿う方向と直交するする方向の断面が上部の水平板部11aとこの水平板部11aの中心部から下方に延びる垂直板部11bとからなるT字形をして溝Dに沿って延びる鋼板よりなる。これらベアリングバー11は、水平板部11aが互いに溝Dの幅方向で隣り合うベアリングバー11の水平板部11aと所定間隔をおいて互いに平行に配置されている。
【0012】
各ベアリングバー11の垂直板部11bには貫通孔11cが溝Dに沿って延びる方向に所定間隔をおいて6箇所に形成されており、各ベアリングバー11の各貫通孔11cには各ベアリングバー11を溝Dの幅方向で連結する連結バー12が挿通されて溶接により固着されている。連結バー12は、複数のベアリングバー11を一体に連結するものである。連結バー12は、各ベアリングバー11の垂直板部11bに形成された貫通孔11cに挿通されているので、ベアリングバー11の上面となる水平板部11aより下側となっている。
【0013】
各ベアリングバー11の垂直板部11bの溝Dに沿って延びる方向の両端部には切欠き部11dが設けられており、各ベアリングバー11の切欠き部11dには各ベアリングバー11の両端を保持する強度の高い鋼材よりなるエンドプレート13が当接されて溶接により固着されている。エンドプレート13は、各ベアリングバー11の垂直板部11bに形成された切欠き部11dに固着されているので、ベアリングバー11の上面となる水平板部11aより下側となっている。
【0014】
上記のように構成したグレーチング10においては、ベアリングバー11の両端部には上面となる水平板部11aの下側の垂直板部11bに切欠き部11dが形成され、切欠き部11dにエンドプレート13を当接させて溶接により固着している。これにより、グレーチング10の溝Dに沿った両端部の上面にはエンドプレート13が現れることがないので、グレーチング10の上面には溝Dに沿って延びるベアリングバー11のみが現れることになる。よって、図3(a)に示すように、複数のグレーチング10を溝Dに隙間なく連続して敷設したときに、互いに隣り合うグレーチング10の各ベアリングバー11がエンドプレート13により途切れることなく繋がって連続したように見えるので、本発明に係るグレーチング10を溝に隙間なく連続して敷設したものは、図3(b)に示す従来のグレーチング20を溝に隙間なく連続して敷設したものに比してその強度を低下させることなくすっきりとして見えて見栄えが良くなる。
【0015】
また、グレーチング10においては、ベアリングバー11の端部にはその上面より下側に切欠き部11dが形成され、切欠き部11dにエンドプレート13を当接して固着するようにしたので、グレーチング10の上面には溝Dの幅方向に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバー11だけとなり、溝Dの幅方向の一方側から溝Dに水が流入するときに各ベアリングバー11の間の隙間から溝Dに落下するので、グレーチング10の上面を流れて溝Dの幅方向の他方側に水が流入することがない。よって、このグレーチング10を屋内と屋外との間の排水溝に敷設したときには、屋外で降った雨は排水溝の幅方向に所定間隔をおいて配置された各ベアリングバー11の間の隙間から排水溝に流入することになり、エンドプレート13をベアリングバー11の両端部で上面となるように固定したものと比較して屋内に雨水が流入することがない。
【0016】
さらに、グレーチング10は、エンドプレート13を無くすことなくグレーチング10の上面にベアリングバー11のみが現れるようにしたのでその強度が低下することがない。よって、連結バー12を必要以上に多くしたり強度の高い素材を用いることがないので、コストが高くなることはない。
【0017】
(第2実施形態)
図4に示すように、第2実施形態のグレーチング10Aは、排水溝等の溝Dを覆うものであり、溝Dに沿って延びて溝Dの幅方向に互いに平行に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバー11と、ベアリングバー11の上面より下側で溝Dの幅方向に延びてベアリングバー11を連結する複数の連結バー12と、ベアリングバー11の溝Dに沿って延びる方向の端部に設けられてベアリングバー11の端部を連結するエンドプレート13とを備え、ベアリングバー11の溝Dに沿って延びる方向の両端部にはその上面より下側に貫通孔11Adが形成され、この貫通孔11Adにエンドプレート13Aを嵌挿して固定したものである。
【0018】
この第2実施形態のグレーチング10Aは、ベアリングバー11の溝Dに沿って延びる方向の両端部にはその上面より下側に貫通孔11Adが形成され、この貫通孔11Adにエンドプレート13Aを嵌挿して溶接により固着したものである点が前述した第1実施形態のグレーチング10と異なるのみである。このようなグレーチング10Aは、前述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができるので、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0019】
10,10A…グレーチング、11…ベアリングバー、11d…切欠き部、11Ad…貫通孔、12…連結バー、13,13A…エンドプレート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水溝等の溝を覆うグレーチングであって、
前記溝に沿って延びて前記溝の幅方向に互いに平行に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバーと、
前記ベアリングバーの上面より下側で前記溝の幅方向に延びて前記ベアリングバーを連結する複数の連結バーと、
前記ベアリングバーの前記溝に沿って延びる方向の端部に設けられて前記ベアリングバーの前記端部を連結するエンドプレートとを備え、
前記ベアリングバーの前記端部にはその上面より下側に切欠き部が形成され、
前記切欠き部に前記エンドプレートを固定したことを特徴とするグレーチング。
【請求項2】
排水溝等の溝を覆うグレーチングであって、
前記溝に沿って延びて前記溝の幅方向に互いに平行に所定間隔をおいて配置された複数のベアリングバーと、
前記ベアリングバーの上面より下側で前記溝の幅方向に延びて前記ベアリングバーを連結する複数の連結バーと、
前記ベアリングバーの前記溝に沿って延びる方向の端部に設けられて前記ベアリングバーの前記端部を連結するエンドプレートとを備え、
前記ベアリングバーの前記端部には貫通孔が形成され、
前記貫通孔に前記エンドプレートを嵌挿して固定したことを特徴とするグレーチング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−180558(P2010−180558A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23006(P2009−23006)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000213231)株式会社中部コーポレーション (35)
【Fターム(参考)】