説明

グレーチング

【課題】受枠に対するグレーチング本体の取り付けおよび取り外し作業の簡便さを確保しながら、確実に盗難を防止することができるグレーチングを提供する。
【解決手段】グレーチングは、受枠1と、受枠1に対して一対のピン3・4で揺動開閉可能に連結されるグレーチング本体2とを備える。可動ピン4を、ガイド筒15から突出して軸孔12に係合する進出位置と、ガイド筒15内に退入する退入位置との間で姿勢変位可能に構成する。可動ピン4の進出位置から退入位置への移動を規制するロック構造を設ける。ロック構造を、可動ピン4に設けたロックピン19と、ガイド筒15に設けたスライド溝17およびロック溝18とで構成する。進出位置にある可動ピン4を回転操作して、ロックピン19がロック溝18に係合するロック位置へ姿勢変位させることにより、可動ピン4の進出位置から退入位置への移動を規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受枠に対してグレーチング本体を一対のピンで揺動開閉可能に連結してなるグレーチングに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のグレーチングは、例えば特許文献1や特許文献2に公知である。そこでは、一対のピンが受枠に配置され、ピンを受け入れる一対の軸孔がグレーチング本体に開口されている。一方のピンは固定ピンであって、受枠内へ突出した状態で固定されている。他方のピンは可動ピンであって、受枠に固定したガイド筒でスライド可能に支持されて、ガイド筒の外へ進出する向きに圧縮バネで移動付勢されている。
【0003】
グレーチング本体を受枠に取り付けるには、まず可動ピンを治具などで押し込んでガイド筒内へ退入させて、固定ピンをグレーチング本体の一方の軸孔(第1軸孔)に係合させる。次いで、グレーチング本体の全体を受枠内に嵌め込んでから、治具を抜き取る。これにて可動ピンが、圧縮バネの付勢力で受枠内へ突出して他方の軸孔(第2軸孔)に係合し、取り付け作業は完了する。以上のような取り付け状態においては、グレーチング本体は一対のピンまわりに揺動開閉可能に連結されている。逆に、グレーチング本体を受枠から取り外すには、まず可動ピンを治具などで押し込んでガイド筒内へ退入させてから、グレーチング本体の第2軸孔側を少し持ち上げる。次いで、固定ピンが第1軸孔から抜け出すようにグレーチング本体を引き動かす。これにて、受枠の両ピンがグレーチング本体の両軸孔から外れて、グレーチング本体を受枠から取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実願平5−18251号(実開平6−71582号)のCD−ROM
【特許文献2】特許第2957962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1や特許文献2のように、グレーチング本体を軸支する一方のピンが受枠内へ出入り自在に構成されていると、グレーチング本体の取り付けおよび取り外し作業を、上記のように簡便に行なうことができる。しかしこのことは、グレーチング本体が盗難され易いという弊害を招く。
【0006】
本発明の目的は、受枠に対するグレーチング本体の取り付けおよび取り外し作業の簡便さを確保しながら、確実に盗難を防止することができるグレーチングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るグレーチングは、図2および図3に示すように、受枠1と、受枠1に対して一対のピン3・4で揺動開閉可能に連結されるグレーチング本体2とを備える。少なくとも一方のピン4を、ガイド筒15でスライド可能に支持された可動ピンとして構成し、この可動ピン4を、ガイド筒15から突出してグレーチング本体2の軸孔12に係合する進出位置と、ガイド筒15内に退入する退入位置との間で姿勢変位可能に構成し、進出位置に向かって弾性体16により移動付勢する。
【0008】
図1に示すように、可動ピン4とガイド筒15との間に、可動ピン4の進出位置から退入位置への移動を規制するロック構造を設ける。ロック構造は、ロックピン19と、ロックピン19に対して相対スライド可能なスライド溝17と、スライド溝17に連続して設けられて、ロックピン19を係合保持できるロック溝18とを含む。可動ピン4とガイド筒15の一方にロックピン19を、他方にスライド溝17とロック溝18を設ける。以て、進出位置にある可動ピン4をガイド筒15に対して回転操作して、ロックピン19がスライド溝17内にあるアンロック位置から、ロックピン19がロック溝18に係合するロック位置へ姿勢変位させることにより、可動ピン4の進出位置から退入位置への移動を規制できるようになっていることを特徴とする。
【0009】
図4および図6に示すように、スライド溝17およびロック溝18を、ガイド筒15の周壁を内外に貫く状態に形成し、ロックピン19を可動ピン4に固定する。スライド溝17およびロック溝18を外側から覆うカバー体21を、ガイド筒15の外面に装着する。
【0010】
図8に示すように、スライド溝17の一端寄りにロック溝18を、他端寄りにロックピン19と係合するストップ溝23を、スライド溝17に連続して設ける。ロックピン19とストップ溝23を係合させることにより、可動ピン4を退入位置に位置保持できるようにする。
【0011】
図9に示すように、弾性体16の付勢力によりロックピン19がスライド溝17に対して相対スライドする方向を付勢方向とするとき、ロック溝18の付勢方向側の溝内周に、ロックピン19と係合する掛止凹部24を形成する。ロックピン19と掛止凹部24との係合状態を弾性体16の付勢力で保持する。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、可動ピン4とガイド筒15の間に、両者4・15の一方に設けられるロックピン19と、他方に設けられるスライド溝17およびロック溝18とを含み、可動ピン4の進出位置から退入位置への移動を規制するロック構造を設けた。これによれば、進出位置にある可動ピン4をガイド筒15に対して回転操作して、ロックピン19がロック溝18に係合するロック位置へ姿勢変位させることにより、可動ピン4の退入位置への移動を規制できる。退入位置への移動が規制された状態では、一対のピン3・4とグレーチング本体2との連結を解くことができないので、グレーチング本体2を受枠1から取り外すことができない。したがって、ロック構造を有さず可動ピンを簡単に退入操作可能な従来のグレーチングに比べて、グレーチング本体2の盗難のおそれを大幅に低減できる。
【0013】
一方、受枠1に対するグレーチング本体2の取り付けおよび取り外し作業は、可動ピン4を回転操作してアンロック位置へ姿勢変位させた後は、上記した従来と同様の手順で行なうことができる。つまり、本発明のロック構造によれば、グレーチング本体2の取り付けおよび取り外し作業の簡便さを確保しながら、グレーチング本体2の盗難を確実に防止することができる。また本発明では、従来より用いられているガイド筒15と可動ピン4を利用してロック構造を構成したので、ロック構造を追加することに伴なう部品点数の増加を最小限に抑えることができる。
【0014】
スライド溝17およびロック溝18を外側から覆うカバー体21を装着すると、ガイド筒15を受枠1と共にコンクリートで路面に固定する際に、溝17・18を未硬化のコンクリートから保護することができる。また、カバー体21を設けると、ガイド筒15等をコンクリート内に固定した後に、雨水等が溝17・18を通ってガイド筒15に浸入して弾性体16などが錆びるのを防止することができる。
【0015】
スライド溝17の他端寄りにロックピン19と係合するストップ溝23を設けると、両者19・23を係合させることにより可動ピン4を退入位置に位置保持できる。したがって、受枠1に対するグレーチング本体2の取り付け作業および取り外し作業において、可動ピン4を弾性体16の付勢力に抗して押し込み続ける手間を省くことができ、グレーチング本体2の取り付け作業等における作業効率の向上を図ることができる。
【0016】
ロック溝18の付勢方向側の溝内周に、ロックピン19と係合する掛止凹部24を形成すると、ロックピン19を掛止凹部24に係合することにより、可動ピン4の回転操作を規制でき、ロック解除操作を複雑化させて、グレーチング本体2の盗難をより効果的に防止できる。すなわち、可動ピン4を回転させてアンロック位置へ姿勢変位させるには、可動ピン4を弾性体16の付勢力に抗して押し込んで、ロックピン19を掛止凹部24から抜け出させた状態で、可動ピン4を回転操作する必要があり、一連の操作を複雑化できる。また、可動ピン4に予期しない外力が作用して、不用意にロックが解除されることもない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】グレーチングの要部の縦断面図である。
【図2】グレーチングの平面図である。
【図3】グレーチングの縦断面図である。
【図4】可動ピンとその周辺構造の分解斜視図である。
【図5】図1のA−A線断面図である。
【図6】図1のB−B線断面図である。
【図7】グレーチング本体の取り付けおよび取り外し作業を説明する図である。
【図8】ロック構造の別の実施形態を示す図である。
【図9】ロック構造のさらに別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1ないし図7は、本発明に係るグレーチングの実施形態を示す。図2においてグレーチングは、側溝の開口部などにコンクリートで固定される受枠1と、受枠1内に嵌め込まれるグレーチング本体2とを備える。グレーチング本体2は、受枠1に対して一対のピン3・4で揺動開閉可能に連結される(図3参照)。
【0019】
受枠1は四角枠状に形成されており、対向する一対の側板5・6にそれぞれピン3・4が配置されている。一方のピン3は固定ピンであって、受枠1内へ突出した状態で側板5に対して固定されている。他方のピン4は可動ピンであって、受枠1内へ出入り自在にガイド筒15で支持されている。可動ピン4やガイド筒15の詳細については後述する。
【0020】
グレーチング本体2は、受枠1の側板5・6と近接対向する一対のサイドバー7・8と、両端がサイドバー7・8に固着された多数のメインバー9と、メインバー9の上端に該バー9と直交するように固着された数本のクロスバー10とで格子状に形成されている。一方のサイドバー7に固定ピン3を受け入れる第1軸孔11が開口され、他方のサイドバー8に可動ピン4を受け入れる第2軸孔12が開口されている。
【0021】
図1に示すように側板6には、可動ピン4用の通孔14が開口されている。通孔14の外側には、有底状のガイド筒15が、その開口を通孔14に臨ませた状態で、側板6に固定されている。可動ピン4は、ガイド筒15の内周面により、該ピン4の軸心方向へスライド自在に支持されて、一端がガイド筒15から突出して第2軸孔12に係合する進出位置と、該ピン4の大半がガイド筒15の内奥へ退入する退入位置との間をスライド変位できる。ガイド筒15の内底面と可動ピン4の間には、可動ピン4を進出位置へ向かって移動付勢する圧縮バネ(弾性体)16が配置されている。
【0022】
本実施形態では、可動ピン4とガイド筒15の間に、可動ピン4の進出位置から退入位置への移動を規制するロック構造が設けられる。図4に示すようにロック構造は、ガイド筒15に設けられるスライド溝17およびロック溝18と、可動ピン4に設けられるロックピン19とで構成される。スライド溝17およびロック溝18は、ガイド筒15の周壁を内外に貫く状態でL字状に形成されている。詳しくは、スライド溝17は、可動ピン4の軸心方向へ延びており、ロック溝18は、スライド溝17の受枠1側の端部に連続して、側板6と平行に形成されている。ロックピン19は、可動ピン4の外周面に突出状に設けられており、スライド溝17およびロック溝18に沿って移動することができる。
【0023】
可動ピン4、ガイド筒15、圧縮バネ16およびロックピン19の四者は、まずガイド筒15に圧縮バネ16と可動ピン4を記載順に挿入し、次いでロックピン19を、可動ピン4に凹み形成された係合孔20にスライド溝17を介して打ち込むことにより、互いに組み付けることができる。さらに、ガイド筒15の外面には、スライド溝17およびロック溝18を外側から覆うカバー体21が装着される。
【0024】
図5および図6に示すように、進出位置にある可動ピン4を工具あるいは指先で掴んで回転操作すると、実線で示すロック位置と想像線で示すアンロック位置とに姿勢変位させることができる。ロックピン19がロック溝18に係合するロック位置では、可動ピン4を押し込んでガイド筒15内へ退入させることができず、したがって、受枠1の両ピン3・4とグレーチング本体2の両軸孔11・12との係合を解くことができない。つまり、グレーチング本体2を受枠1から取り外すことができない。一方、可動ピン4を逆方向に回転させて、ロックピン19がスライド溝17内にあるアンロック位置に切り換えると、可動ピン4を圧縮バネ16の付勢力に抗して、ガイド筒15の内奥の退入位置へ押し込むことができるので、ピン3・4と軸孔11・12との係合を解いてグレーチング本体2を取り外すことができる。
【0025】
本実施形態のグレーチングを、設置場所となる側溝の開口部などに固定するには、グレーチング本体2を除く各部材をコンクリートで設置場所に固定してから、グレーチング本体2を受枠1内に取り付ける。具体的にはまず、可動ピン4、ガイド筒15、圧縮バネ16およびロックピン19の四者を上記のように組み付け、さらにガイド筒15の外面にカバー体21に装着してユニット部品を得る。次いで、このユニット部品と固定ピン3が固定された状態の受枠1を側溝の開口部に設置し、その外側にコンクリートを流し込む。この際、スライド溝17およびロック溝18は、カバー体21によってコンクリートから隔離・保護される。
【0026】
流し込んだコンクリートが確りと固まってから、グレーチング本体2を受枠1に取り付ける。この取り付けは、可動ピン4を回転操作してアンロック位置に姿勢変位させてから、従来と同様の手順で行なうことができる。すなわち、図7に示すように可動ピン4を治具などで押し込んでガイド筒15内へ退入させて、固定ピン3を第1軸孔11に係合させる。次いで、グレーチング本体2の全体を受枠1内に嵌め込んで(矢印D)、治具を抜き取る。これにて可動ピン4が、圧縮バネ16の付勢力で受枠1内へ突出して、第2軸孔12に係合する。最後に可動ピン4を回転操作してロック位置に姿勢変位させる。
【0027】
グレーチング本体2を受枠1から取り外す際も、可動ピン4を回転操作してアンロック位置に姿勢変位させてから、従来と同様の手順を踏めばよい。すなわち、可動ピン4を治具などで押し込んでガイド筒15内へ退入させてから、グレーチング本体2の第2軸孔12側を少し持ち上げ(矢印U)、次いで、固定ピン3が第1軸孔11から抜け出すようにグレーチング本体2を引き動かすと、両ピン3・4と両軸孔11・12との係合を解除して、グレーチング本体2を取り外すことができる。
【0028】
以上のように、本実施形態では、ガイド筒15に形成したスライド溝17およびロック溝18と、可動ピン4に固定したロックピン19とでロック構造を構成した。このようなロック構造を設けると、ロック構造を有さず可動ピンを簡単に退入操作可能な従来のグレーチングに比べて、グレーチング本体2の盗難のおそれを大幅に低減できる。一方、受枠1に対するグレーチング本体2の取り付けおよび取り外し作業は、可動ピン4を工具あるいは指先で掴んで回転操作してアンロック位置へ姿勢変位させた後は、従来と同様の手順で行なうことができる。つまり、本実施形態によれば、グレーチング本体2の取り付けおよび取り外し作業の簡便さを確保しながら、グレーチング本体2の盗難を確実に防止することができる。
【0029】
本実施形態のロック構造は、可動ピン4を回転操作してロックピン19をロック溝18に出入りさせるだけの簡易なものである。しかし、それを構成するスライド溝17などはコンクリートの内部にあり、しかもカバー体21に覆われているため、ロック構造の内容を外側から窺い知ることはできず、その内容を知らない者はロックを容易に解除できない。また本実施形態では、従来より用いられているガイド筒15と可動ピン4を利用してロック構造を構成したので、ロック構造を追加することに伴なう部品点数の増加を最小限に抑えることができる。なお、本実施形態では、スライド溝17、ロック溝18およびカバー体21を、ガイド筒15の中心軸線の上方に配置したが、その必要は無く、これらスライド溝17、ロック溝18およびカバー体21は、ガイド筒15の中心軸線の下方や側方に配置することもできる。
【0030】
図8は、ロック構造の別実施形態を示しており、ロック溝18から離れたスライド溝17の他端部に連続してストップ溝23を設ける点が、上記実施形態と相違する。ストップ溝23は、ロック溝18と同様に、側板6と平行に形成されている。可動ピン4を圧縮バネ16の付勢力に抗して押し込んで退入位置へ移動させてから、可動ピン4を回転操作すると、ロックピン19をストップ溝23に係合させることができる。この係合状態では、可動ピン4に作用する圧縮バネ16の付勢力が、ロックピン19を介してストップ溝23に受け止められて、可動ピン4が退入位置に位置保持される。このストップ溝23を利用すると、図7に示したグレーチング本体2の取り付け作業および取り外し作業において、可動ピン4を圧縮バネ16の付勢力に抗して押し込み続ける手間を省くことができ、グレーチング本体2の取り付け作業等における作業効率の向上を図ることができる。
【0031】
図9は、ロック構造のさらに別の実施形態を示しており、可動ピン4およびロックピン19が圧縮バネ16に移動付勢される方向を付勢方向とするとき、ロック溝18の付勢方向側の溝内周に、ロックピン19と係合する掛止凹部24を形成する点が、図8に示した別実施形態と相違する。ロックピン19と掛止凹部24の係合状態は圧縮バネ16の付勢力で保持され、この状態では可動ピン4をガイド筒15に対して回転させることができない。可動ピン4を回転させてアンロック位置に姿勢変位させるには、可動ピン4を弾性体16の付勢力に抗して押し込んで、ロックピン19を掛止凹部24から抜け出させた状態で、可動ピン4を回転操作する必要がある。つまり、掛止凹部24を設けると、ロック解除操作を複雑化させて、グレーチング本体2の盗難をより効果的に防止できる。一方、可動ピン4をアンロック位置からロック位置へ姿勢変位させるロック操作は、上記実施形態と同様である。可動ピン4を回転操作してロックピン19をロック溝18へ移動させた後は、可動ピン4に作用する圧縮バネ16の付勢力により、ロックピン19は掛止凹部24に進入係合する。
【0032】
なお、図8および図9に示した別実施形態においても、スライド溝17、ロック溝18、ストップ溝23およびカバー体21を、ガイド筒15の中心軸線の上方に配置したが、その必要は無く、これらスライド溝17、ロック溝18、ストップ溝23およびカバー体21は、ガイド筒15の中心軸線の下方や側方に配置することもできる。
【0033】
その他、上記実施形態では、グレーチング本体2を軸支するピン3・4のうち一方を固定ピン、他方を可動ピンとしたが、両方を可動ピンとすることもできる。スライド溝17は、ガイド筒15の周壁に貫通状に形成する以外に、ガイド筒15の内周面に形成された非貫通状の溝として形成することができ、この場合はカバー体21を省略することができる。ガイド筒15は、2以上のパーツを組み立てて構成することができる。ガイド筒15の内周面にロックピン19を突設し、可動ピン4の外周面にスライド溝17およびロック溝18を凹み形成することができる。この場合のロック溝18は、スライド溝17の弾性体16側の端部に設けられる。ロックピン19は可動ピン4あるいはガイド筒15と一体に設けることができる。弾性体16は、圧縮バネ以外にブロック状のゴムなどで構成することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 受枠
2 グレーチング本体
3 固定ピン
4 可動ピン
11 第1軸孔
12 第2軸孔
15 受筒
16 弾性体(圧縮バネ)
17 スライド溝
18 ロック溝
19 ロックピン
21 カバー体
23 ストップ溝
24 掛止凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受枠(1)と、受枠(1)に対して一対のピン(3・4)で揺動開閉可能に連結されるグレーチング本体(2)とを備えており、
少なくとも一方のピン(4)が、ガイド筒(15)でスライド可能に支持された可動ピンとして構成されており、該可動ピン(4)が、ガイド筒(15)から突出してグレーチング本体(2)の軸孔(12)に係合する進出位置と、ガイド筒(15)内に退入する退入位置との間で姿勢変位可能に構成され、進出位置に向かって弾性体(16)により移動付勢されているグレーチングであって、
可動ピン(4)とガイド筒(15)との間に、可動ピン(4)の進出位置から退入位置への移動を規制するロック構造が設けられており、
ロック構造は、ロックピン(19)と、ロックピン(19)に対して相対スライド可能なスライド溝(17)と、スライド溝(17)に連続して設けられて、ロックピン(19)を係合保持できるロック溝(18)とを含み、
可動ピン(4)とガイド筒(15)の一方にロックピン(19)が、他方にスライド溝(17)とロック溝(18)が設けられており、
進出位置にある可動ピン(4)をガイド筒(15)に対して回転操作して、ロックピン(19)がスライド溝(17)内にあるアンロック位置から、ロックピン(19)がロック溝(18)に係合するロック位置へ姿勢変位させることにより、可動ピン(4)の進出位置から退入位置への移動を規制できるようになっていることを特徴とするグレーチング。
【請求項2】
スライド溝(17)およびロック溝(18)が、ガイド筒(15)の周壁を内外に貫く状態に形成され、ロックピン(19)が可動ピン(4)に固定されており、
スライド溝(17)およびロック溝(18)を外側から覆うカバー体(21)が、ガイド筒(15)の外面に装着されている請求項1記載のグレーチング。
【請求項3】
スライド溝(17)の一端寄りにロック溝(18)が、他端寄りにロックピン(19)と係合するストップ溝(23)が、スライド溝(17)に連続して設けられており、
ロックピン(19)とストップ溝(23)を係合させることにより、可動ピン(4)を退入位置に位置保持できる請求項1または2記載のグレーチング。
【請求項4】
弾性体(16)の付勢力によりロックピン(19)がスライド溝(17)に対して相対スライドする方向を付勢方向とするとき、
ロック溝(18)の付勢方向側の溝内周に、ロックピン(19)と係合する掛止凹部(24)が形成されており、
ロックピン(19)と掛止凹部(24)との係合状態が、弾性体(16)の付勢力で保持されるようになっている請求項1から3のいずれかに記載のグレーチング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−252332(P2011−252332A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127681(P2010−127681)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(598084851)片岡産業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】