説明

ケイ素化合物およびその使用

本発明は、下記式(I)〜(III)(式中、YおよびZの少なくとも1つがケイ素原子である)のいずれかの化合物、および治療におけるその使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケイ素化合物および治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)は、生殖生物学上重要な役割を担う。GnRHは、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)としても知られている。
【0003】
GnRHデカペプチド(pyro-Glu-His-Trp-Ser-Tyr-Gly-Leu-Art-Pro-Gly-NH2またはp-EHWSYGLRPG-NH2)は、視床下部基底内側部のニューロンでより大きな前駆体から酵素によるプロセッシングを経て生成される。このペプチドが、パルスとして下垂体門脈循環系へと放出され、そこで脳の基底に位置する下垂体前葉の高親和性レセプター(7回膜貫通型のGタンパク質結合型レセプター)と相互に作用する。このときGnRHは、両者とも性腺刺激ホルモンである黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を誘発する。LHは、精巣でのテストステロン産生および卵巣でのエストラジオール産生を刺激し、FSHは、女性では卵胞の成長、男性では精子の形成を刺激する。正しく機能する場合、GnRHのパルス放出および濃度レベルが、性腺によるステロイド産生の維持、ならびに成長および性発達と関係のある正常な生殖機能にとって決定的となる。
【0004】
GnRHに対する下垂体の応答は、生涯を通して大きく変動する。GnRHおよびゴナドトロピンは、最初に妊娠約10週目の胎児に出現する。GnRHに対する感受性は、思春期が到来するまで弱まっているが、生後最初の3カ月間はしばらくの増大が見られる。思春期前は、GnRHに対する応答はLHよりもFSHの方が大きい。思春期が始まると、GnRHに対する感受性が増大し、LHのパルス分泌が結果として起こる。その後、思春期および生殖能力のある期間は、GnRHのパルス放出が1日中起こり、LHへの応答性がFSHへの応答性よりも高い。GnRHがパルス放出されると、LHおよびFSHがパルス放出され、次には性腺からテストステロンおよびエストラジオールもパルス放出される。閉経後は、FSHおよびLHの濃度は増大し、閉経後のFSHレベルはLHレベルよりも高い。
【0005】
GnRHのアゴニストおよびアンタゴニストを長期間投与すると、LHおよびFSHの両方の循環レベルが低下する。GnRHアゴニストは、内在するGnRHを模倣して、下垂体上のレセプターを刺激し、LHおよびFSHの放出をもたらす化合物である。GnRHアゴニストを長期間投与すると、性腺ホルモン産生が一過性に増大(「フレア」応答)した後、GnRHレセプターが下方制御される。この下方制御および感受性低下が、LHおよびFSHの循環レベルの低下をもたらす。症状を悪化させるホルモンのフレアがあるにもかかわらず、GnRHアゴニストは、性ステロイド依存的な病態生理のための好ましい治療とされている。GnRHアゴニストは、テストステロン産生を低減し、それによって良性前立腺肥大症(BPH)では前立腺の容積を縮小し、前立腺癌では腫瘍の増殖を緩慢にするのに使用されている。このような化合物は、乳癌や卵巣癌の治療でも使用されている。
【0006】
近年、GnRHアンタゴニストは、臨床評価にも利用できるようになってきており、また下垂体に即時の影響を及ぼすが、アゴニストに伴うフレアは認められないことが示された。GnRHアンタゴニストの、卵巣癌、乳癌、および前立腺癌の治療のための使用が報告されている。
【0007】
アンタゴニストの他の用途には、子宮内膜症(痛みを伴う子宮内膜症を含む)の治療、子宮筋腫、卵巣疾患および乳房嚢胞性疾患(多嚢胞性卵巣疾患を含む)、前立腺肥大症、無月経(例えば、続発性無月経)、ならびに思春期早発症の治療が含まれる。これらの化合物は、月経前症候群(PMS)の症状の軽減においても有用である。アンタゴニストは、雄性の哺乳動物のゴナドトロピン分泌を調節して、(例えば、男性用避妊薬として)精子形成を阻止するためにも、また男性の性犯罪者の治療にも有用となり得る。GnRHのアンタゴニストおよびアゴニストは、脳下垂体-生殖腺系の可逆的な抑制が望まれる治療において効用をもつことがわかっている。
【0008】
下垂体前葉細胞およびいくつかの腫瘍細胞タイプ上にGnRHレセプターが存在することは、レセプターに作用してホルモン依存性およびホルモン非依存性の癌の両方を治療するための薬剤を開発する機会を提示している。
【0009】
従来から、アンドロゲンの奪取は、転移性前立腺癌の治療に最も有効な全身療法である。前立腺は、正常な成長、維持、および機能のためにアンドロゲンを必要とする。しかし、前立腺癌および良性前立腺肥大症は、男性にありがちなものであり、アンドロゲンに継続的に曝される環境で発症する。GnRHアンタゴニストを使用して、脳下垂体-生殖腺系を遮断すると、アンドロゲン産生が低減され、腫瘍の増殖が調節される。
【0010】
GnRHアンタゴニストは、腫瘍細胞上のレセプターを遮断することによって、腫瘍の増殖に直接に作用を及ぼすことができる。性ホルモンにもGnRHにも直接に応答する癌のタイプでは、2通りの機序によって腫瘍の増殖を緩慢にするのにGnRHアンタゴニストが有効となるはずである。GnRHレセプターは、多くの前立腺癌細胞および乳癌細胞上に存在するので、最近では、GnRHアンタゴニストがホルモン非依存的な腫瘍の治療にも有効ではないかと提案されている。最近の文献例は、GnRHレセプターが、幾種かの癌細胞系、特に前立腺癌、卵巣癌、および乳癌細胞上に存在することを示している(例えば、Montagnaniら、Arch. Ital, Urol Androl. 1997年、第69巻(4)、257〜263ページ;Jungwirthら、Prostate 1997年、第32巻(3)、164〜172ページ;Srkalovicら、Int. J. Oncol. 1998年、第12巻(3)、489〜498ページ;およびKottlerら、Int. J. Cancer 1997年、第71巻(4)、595〜599ページを参照のこと)。
【非特許文献1】Montagnaniら、Arch. Ital, Urol Androl. 1997年、第69巻(4)、257〜263ページ
【非特許文献2】Jungwirthら、Prostate 1997年、第32巻(3)、164〜172ページ
【非特許文献3】Srkalovicら、Int. J. Oncol. 1998年、第12巻(3)、489〜498ページ
【非特許文献4】Kottlerら、Int. J. Cancer 1997年、第71巻(4)、595〜599ページ
【特許文献1】WO93/03058
【非特許文献5】TackeおよびZilch、Endeavour, New Series、第10巻、191〜197ページ(1986年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
入手可能なGnRHアンタゴニストは、主としてGnRHのペプチド類似体であった(例えば、WO93/03058を参照のこと)。ペプチドホルモンのペプチドアンタゴニストは若干の有効性を示すが、現行のペプチドアンタゴニストの使用は、ペプチドが生理的酵素によって分解され、処置された生物体内に十分に分配されないことが多いため、問題を伴うことが多い。したがって、ペプチドホルモンのアンタゴニストの薬剤としての有効性は限られている。
【0012】
WO00/20358は、GnRHのペプチドでない類似体を開示している。
【0013】
薬剤のケイ素置換(C/Si交換)は、有益な生物学的性質を有する有機ケイ素化合物を探索するための比較的最近の手法である。この手法は、化合物中の特定の炭素原子をケイ素で置換し、その化合物の生物学的特性がどのように変化したかをモニターするものである。この手法の総説は、TackeおよびZilch、Endeavour, New Series、第10巻、191〜197ページ(1986年)に掲載されている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第一の態様は、下記式(I)〜(III)のいずれかの化合物、または薬剤として許容できるその塩である:
【化1】

[式中、
Dは、-(CH2)n-、-C(=X)- 、-O-、-S(O)m-、-C(=X)N(Re)- 、-C(Rb)2-、-C(Rb)=C(Rb)-、または-CH(Rb)CH(Rb)-であり;
Eは、任意に存在し、-(CH2)n-、-N(Rd)- 、-(CH2)nN(Rd)-、または-N(Rd)(CH2)n-であり;
Fは、-C(=X)- 、または-N(Rd)-であり;
Gは、-(CH2)n-、-N(Rd)- 、-(CH2)nN(Rd)- 、または-N(Rd)(CH2)n-であり;
Jは、任意に存在し、-O-、-N(Rc)C(=X)- 、-C(=X)N(Rc)- 、-S(O)m-、-N(Rc)S(O)m-、-S(O)m N(Rc)-, -N(Re)- 、または-N(Rg)(Rh)- であり;
Kは、任意に存在し、Rで置換されていてもよいアルケニレンであり;またはKは、いずれもRで置換されていてもよい、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルケニレン、もしくはヘテロアリーレンであり;
Lは、任意に存在し、水素、ハロゲン、いずれもRa、-C(=X)ORd、-OH、-ORc、-C(=X)N(Rb)(Rc)、-S(O)mN(Rb)(Rc)もしくは-CNで置換されていてもよい、-N(Rf)2、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、またはヘテロアリールであり;
各Rは、同じかまたは異なり、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシ-(CH2)nC(=O)ORb、-O-アリール、-C(=X)Rc、-NO2、-CN、-N(Rc)C(=X)Rc、-C(=X)N(Rc)、-S(O)2N(Rc)2、または-N(Re)2であり;
各Rは、同じかまたは異なり、水素、またはアルキルであり;
各Rは、同じかまたは異なり、アルキル、シクロアルキル、アルキル-アリール、アルキル-シクロアルキル、または、Rで置換されていてもよいアリールであり;
各Rは、同じかまたは異なり、水素、アルキル、またはRで置換されていてもよいアリールであり;
各Rは、同じかまたは異なり、水素、もしくはアルキルであり;またはRは、いずれもRで置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは、同じかまたは異なり、水素、もしくはアルキルであり;または、一緒にヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、もしくはヘテロアリールを形成したRf-N-Rfであり;
各Rは、いずれもオキソ基および/またはフルオロ基で置換されていてもよい、アルキル、シクロアルキル、またはアルキル-シクロアルキルであり;
各Rは、アルキル、シクロアルキル、または-N(Rf)2で置換されたアルキル-シクロアルキルであり;またはRおよびRは、一緒にヘテロシクロアルキル環を形成し;
T、U、V、およびWの1つまたは2つは窒素であり、その他はそれぞれC(Ra)であり;
各Xは、同じかまたは異なり、酸素または硫黄であり;
Yは、-Si(Rc)3、または-アルキル-Si(Rc)3であり;
環1および環2は、同じかまたは異なり、それぞれ、いずれもRで置換されていてもよいアリーレンまたはヘテロアリーレンであり;
各mは、同じかまたは異なり、0、1、または2であり;かつ
各nは、同じかまたは異なり、0、1、2、または3であり;
ただし、前記化合物がN-N単結合を含む場合を除く]。
【0015】
本発明の化合物は、GnRHアンタゴニストとして働くことができる。したがって、本発明は、癌治療において、あるいは子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣疾患、乳房嚢胞性疾患、前立腺肥大症、無月経、思春期早発症、月経前症候群、性ステロイド依存性病態生理、良性前立腺過形成、もしくはアルツハイマー病の治療もしくは予防において、または精子形成の阻止において有用である。
【0016】
したがって、本発明の第二の態様は、癌治療のための、あるいは子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣疾患、乳房嚢胞性疾患、前立腺肥大症、無月経、思春期早発症、月経前症候群、性ステロイド依存性病態生理、良性前立腺過形成、もしくはアルツハイマー病の治療もしくは予防のための、または精子形成の阻止のための、医薬の製造のための本発明の化合物の使用である。
【0017】
本発明の別の態様は、本発明の化合物と、薬剤として許容できる希釈剤もしくは担体とを含む薬剤組成物である。
【0018】
ある種の化合物および置換基の組合せが好ましく、特に下位クレームを参照されたい。
【0019】
本明細書において用語「アルキル」は、置換されていてもよい、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル部分を意味する。この用語には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、ペンチル、およびヘキシルが含まれる。置換基は、出現するごとに同じまたは異なっていてよく、ハロゲンなどから選択される。「C1〜5アルキル」は、同じ意味を有する。「アルキレン」は、同様の二価の基を意味する。
【0020】
本明細書において用語「アルコキシ」は、置換されていてもよい、1〜6個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基を意味する。この用語には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが含まれる。置換基は、出現するごとに同じまたは異なっていてよく、ハロゲンなどから選択される。「C1〜6アルコキシ」は、同じ意味を有する。
【0021】
本明細書において用語「ハロゲン」はF、Cl、Br、またはIを意味する。
【0022】
本明細書において用語「アリール」は、置換されていてもよい、6〜10個の環状原子を含む芳香族環系、および、置換されていてもよい、少なくともその一方が芳香族である2個以上の環を有する多環式環系を意味する。この用語には、例えば、フェニルやナフチルが含まれる。この基は、置換基によって置換されていてもよく、この置換基は、出現するごとに同じまたは異なっていて、Rなどから選択される。「アリーレン」は、同様の二価の基を意味する。
【0023】
本明細書において用語「シクロアルキル」は、3〜6個の炭素原子を有する飽和脂環式部分を意味する。この用語には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。この基は、本明細書に記載された任意の置換基によって置換されていてもよい。「シクロアルキレン」は、同様の二価の基を意味する。
【0024】
本明細書において用語「シクロアルケニル」は、3〜6個の炭素原子を有し、加えて少なくとも1個の二重結合を有する脂環式部分を意味する。この用語には、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが含まれる。この基は、本明細書に記載された任意の置換基によって置換されていてもよい。「シクロアルケニレン」は、同様の二価の基を意味する。
【0025】
本明細書において用語「ヘテロシクロアルキル」は、3〜7個の炭素原子と、N、O、S、P、およびSiの群から選択された1個または複数のヘテロ原子とを有する飽和複素環部分を意味する。この用語には、例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニルなどが含まれる。この基は、本明細書に記載された任意の置換基によって置換されていてもよい。「ヘテロシクロアルケニレン」は、同様の二価の基を意味する。
【0026】
本明細書において用語「ヘテロアリール」は、そのうち少なくとも1個の原子がO、N、およびSから選択された5〜10個の原子からなる芳香族環系を意味する。この用語には、例えば、フラニル、チオフェニル、ピリジル、インドリル、キノリルなどが含まれる。この基は、Rなどで置換されていてもよい。「ヘテロアリーレン」は、同様の二価の基を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の好ましい化合物として、以下のものを挙げることができる:
5-(4-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-メチル-5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-メチル-5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)-N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン2-カルボキシアミド;
5-(2-メチル-5-トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)-N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)-N-(2,4, 6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)-N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)-N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4, 6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(6-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル )フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(6-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(6-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(3-メチル-6-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-yi)-5-(3-メチル-6-{トリメチル) シリル) ピリジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(3-メチル-6-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)-N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(4-(トリメチルシリル)ピリミジン-2-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(トリメチルシリル)ピリミジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(トリメチルシリル)ピリミジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4-イルオキシ)-N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4-イルオキシ)-N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4, 6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4 イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(6-(トリメチルシリル)ピラジン-2-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(6-(トリメチルシリル)ピラジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N (2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(6-(トリメチルシリル)ピラジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(3-メチル-6-(トリメチルシリル) ピラジン-2-イルオキシ)-N-(2, 4, 6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4, 6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(3-メチル-6-(トリメチルシリル)ピラジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;および
5-(3-メチル-6-(トリメチルシリル)ピラジン-2-イルオキシ)-N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド。
【0028】
【化2A】

【化2B】

【化2C】

【化2D】

【化2E】

【0029】
本発明の化合物は、キラルであってもよい。本発明の化合物は、単一の鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、またはラセミ体の形態であってもよい。
【0030】
本発明の化合物は、ラセミ体として調製してもよく、あるいは当分野で認められるような特別な合成または分離によって、個々の鏡像異性体の形態に調製してもよい。本化合物は、例えば、光学活性な酸との塩を形成させることによりジアステレオ異性体対を生成させた後、分別結晶化し、遊離塩基を再生させるなどの標準的な技術によって、その鏡像異性体に分割することができる。あるいは、新規な化合物の鏡像異性体を、キラルカラムを使用するHPLCによって分離することもできる。
【0031】
前記式で示されるいくつかの化合物は、異なる互変異性体の形態で存在していてもよく、これらは本発明の範囲に包含される。
【0032】
本発明の化合物は、保護されたアミノ、保護されたヒドロキシ、または保護されたカルボキシの形態であってもよい。本明細書において用語「保護されたアミノ」、「保護されたヒドロキシ」、および「保護されたカルボキシ」は、当業者に周知の方法で保護されたアミノ基、ヒドロキシ基、およびカルボキシ基を意味する。例えば、アミノ基は、ベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、アセチル、もしくは同様の基によって保護されていてもよく、フタルイミドもしくは同様の基の形態であってもよい。カルボキシル基は、メチル、エチル、ベンジル、もしくはt-ブチルエステルなどの容易に切断できるエステルの形態で保護されていてもよい。
【0033】
前記式で示されるいくつかの化合物は、溶媒和物、例えば水和物の形態で存在していてもよく、これらも本発明の範囲に包含される。
【0034】
本発明の化合物は、薬剤として許容できる塩の形、例えば、無機酸または有機酸の付加塩の形態であってもよい。このような無機酸付加塩には、例えば、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、および硫酸の塩が含まれる。有機酸付加塩には、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチルプロピオン酸、1,2-エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、N-グリコリルアルサニル酸、4-ヘキシルレゾルシノール、馬尿酸、2-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ラクトビオン酸、n-ドデシル硫酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、メチル硫酸、ムチン酸、2-ナフタレンスルホン酸、パモ酸、パントテン酸、ホスファニル酸((4-アミノフェニル)ホスホン酸)、ピクリン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、テレフタル酸、p-トルエンスルホン酸、10-ウンデカン酸などの塩が含まれる。
【0035】
これらの塩は、薬剤として許容できることを条件として、治療に使用することができる。これらの塩は、従来の方法で、本化合物を適切な酸と反応させることによって調製することができる。
【0036】
本発明の化合物は、当分野で公知な任意の適切な方法によって、かつ/あるいは以下の方法によって調製することができる。
【0037】
【化3A】

【化3B】

【化3C】

【化3D】

【化3E】

【0038】
上で詳述した方法は、単に本発明を例示する目的のものであり、限定するものと解釈されるべきでないことは理解されよう。当業者に公知な同等のまたは類似した試薬および/または条件を利用する方法を使用して、本発明の化合物を得ることもできる。
【0039】
得られた最終生成物または中間体の混合物はいずれも、成分の物理化学的な差異に基づき、既知の方法で、例えば、クロマトグラフィー、蒸留、分別結晶化によって、またはその状況において適切または可能であれば塩を生成することによって、純粋な最終生成物または中間体に分離することができる。
【0040】
化合物の活性および選択性は、当分野で公知な任意の適切なアッセイによって測定することができる。
【0041】
本発明の化合物は、癌、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣疾患、乳房嚢胞性疾患、前立腺肥大症、無月経、思春期早発症、月経前症候群、性ステロイド依存性病態生理、良性前立腺過形成、アルツハイマー病、HIV感染、AIDS、および甲状腺の機能不全によって引き起こされる疾患が含まれるがこれに限らない、数多くの病気、状態、および疾患の治療において、あるいは精子形成の阻止のために使用することができる。
【0042】
本明細書において用語「癌」は、細胞の制御されない異常な増殖を特徴とする全ての疾患または状態を意味し、既知の全種類の癌、例えば、膀胱、乳房、大腸、脳、骨、頭部、血液、眼、首、皮膚、肺、卵巣、前立腺、および直腸の癌;消化器の癌、胃腸の癌、子宮体癌、血液癌、AIDSに関連した癌、筋骨格の癌、神経系および婦人科系の癌;リンパ腫、黒色腫、および白血病が含まれる。
【0043】
治療のための使用においては、活性化合物を、経口投与、直腸投与、経膣投与、非経口投与、吸入により投与(肺への送達)、局所投与、眼内投与、経鼻投与、または頬側口腔へ投与することができる。経口投与が好ましい。したがって、本発明の治療用組成物は、このような投与方法用の既知の薬剤組成物のうちいずれの形態であってもよい。本発明の組成物は、当分野で公知の方法で、本発明の化合物の制御放出、例えば、急速放出または持続放出などをもたらすように製剤することができる。このような組成物に使用するのに好適な、薬剤として許容できる担体は、当分野で周知である。本発明の組成物は、0.1〜99重量%の活性化合物を含有することができる。本発明の組成物は、一般に、単位剤形に調製される。単位用量は、1〜500mgの量の活性成分を含むことが好ましい。これらの組成物の製剤中に使用する賦形剤は、当業界で知られている賦形剤である。
【0044】
適切な投与量レベルは、当業者に公知の任意の適切な方法によって決定することができる。しかし、いずれかの特定の患者向けの特別な用量レベルは、採用された特定の化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排出率、薬剤の併用、および治療を行う疾患の重症度を含む様々な要因次第であることは理解されよう。
【0045】
経口投与組成物は、本発明の好ましい組成物であり、このような投与向けの既知の剤形は、例えば、錠剤、カプセル、顆粒、シロップ、および水性もしくは油性懸濁液である。活性成分を含有する本薬剤組成物は、経口での使用に適した形態、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性の粉末もしくは顆粒、乳剤、硬もしくは軟カプセル、またはシロップもしくはエリキシルのような形態にしてよい。経口使用を意図した組成物は、薬剤組成物を製造するための、当業者に公知の任意の方法に従って調製することができ、またこのような組成物は、薬剤として見た目と風味のよい製剤にするために、甘味剤、着香剤、着色剤、および保存剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含有していてよい。錠剤は、錠剤の製造に適する、薬剤として許容できる非毒性の賦形剤に混合された活性成分を含有する。これらの賦形剤は、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなど);造粒剤および崩壊剤(例えばコーンスターチまたはアルギン酸);結合剤(例えばデンプン、ゼラチン、アラビアゴム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン);および滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク)であってよい。錠剤は、コーティングされていなくてもよいし、または消化管での崩壊および吸収を遅らせ、それによってより長期間にわたる持続性の作用をもたらすために、既知の技術によってコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を採用することができる。
【0046】
経口使用のための製剤は、活性成分が不活性な固体希釈剤(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリン)と混合される硬ゼラチンカプセル、または活性成分が水または油性媒質(例えばラッカセイ油、流動パラフィン、オリーブ油)と混合される軟ゼラチンカプセルとしてもよい。
【0047】
水性懸濁液は、活性材料を、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合された状態で含有する。このような賦形剤は、懸濁化剤(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアラビアゴム)であり;分散剤または湿潤剤は、天然ホスファチド(例えばレシチン);またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルとの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であってよい。水性懸濁液は、1種以上の保存剤(例えばp-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp-ヒドロキシ安息香酸n-プロピル)、1種以上の着色剤、1種以上の着香剤、および1種以上の甘味剤(例えばスクロースまたはサッカリンなど)を含有していてもよい。
【0048】
油性懸濁液は、活性成分を、植物油(例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油)、または鉱油(例えば流動パラフィンなど)に分散させることによって製剤することができる。油性懸濁液は、増粘剤(例えば蜜蝋、固形パラフィン、またはセチルアルコール)を含有していてもよい。口当たりのよい経口製剤にするため、上述のものなどの甘味剤、および着香剤を加えてもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を加えて保存することもできる。
【0049】
水を加えて水性懸濁液を調製するために好適な分散性の粉末および顆粒では、活性成分が、分散剤もしくは湿潤剤、懸濁化剤、および1種以上の保存剤と混合されている。好適な甘味剤、着香剤、および着色剤が存在していてもよい。
【0050】
本発明の薬剤組成物は、水中油型乳剤の形態にしてもよい。油相は、植物油(例えばオリーブ油やラッカセイ油)、または鉱油(例えば流動パラフィン)、またはこれらの混合物であってよい。好適な乳化剤は、天然ゴム(例えばアラビアゴムまたはトラガカントゴム)、天然ホスファチド(例えばダイズ、レシチン)、および脂肪酸とヘキシトール無水物とに由来するエステルもしくは部分エステル(例えばモノオレイン酸ソルビタン)、および前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であってよい。乳剤は、甘味剤および着香剤を含有していてもよい。
【0051】
シロップおよびエリキシルには、甘味剤(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、スクロース)を配合してよい。このような製剤は、鎮痛剤、保存剤、着香剤、および着色剤を含有していてもよい。本薬剤組成物は、無菌の注入可能な水性懸濁液もしくは油性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、上で述べた好適な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤を使用して、既知の技術に従って製剤することができる。この無菌注入用製剤は、非経口用途に許容される毒性のない希釈剤もしくは溶媒中の無菌注入用溶液もしくは懸濁液、例えば、1,3-ブタンジオール溶液であってよい。採用することができる許容できる賦形剤および溶媒には、水、リンガー液、および等張性の塩化ナトリウム溶液がある。また、無菌の固定油も、溶媒または懸濁媒質として通常使用される。この目的では、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含めて、任意の無味の固定油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸も、注入剤の調製に使用される。
【0052】
本発明の化合物は、薬剤を直腸投与するための坐剤の形態で投与してもよい。これらの組成物は、常温では固体であるが、直腸温度で液体となり、したがって直腸で融解して薬剤を放出することになる、適切な非刺激性の賦形剤と、薬剤とを混合することによって調製することができる。そのような材料は、カカオバターおよびポリエチレングリコールである。
【0053】
局所投与用組成物も本発明での使用に好適である。薬剤として活性な本化合物を、薬剤として許容できるクリーム、軟膏、またはゲル中に分散させることができる。好適なクリームは、界面活性剤を使用して水性媒質に分散させた局所用賦形剤(例えば軽質流動パラフィンなど)中に本活性化合物を組み込むことによって調製することができる。軟膏は、本活性化合物を、局所用賦形剤(例えば鉱油や蝋など)と混合することによって調製することができる。ゲルは、本活性化合物を、ゲル化剤を含む局所用賦形剤と混合することによって調製することができる。局所投与用組成物は、本化合物の経皮的な投与のために本化合物と皮膚との接触が保たれるように、薬剤として活性な本発明の化合物が分散したマトリックスを含んでいてもよい。
【実施例】
【0054】
以下の実施例によって本発明を例示する。
実施例および中間体において、合成はいずれも乾燥窒素下で実施した。テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、トルエン、およびm-キシレンは、標準的な手順に従って無水にし、精製し、窒素下で保管した(「The Purification of Laboratory Chemicals」、D. D. Perrin、W. L. F. Armarego、D. R. Perrin、およびC. Chai、Butterworth-Heinemann、2003)。石油エーテルは、b.p.40〜60℃の留分を意味する。DMSOは、ジメチルスルホキシドを意味する。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル(SiO2)プレートで行った。1H NMRスペクトルは、特に記載しない限りCDCl3中、400 MHzで実施した。質量スペクトルデータは、Waters ZQの機器で得た。
【0055】
[中間体1]:5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-オール
冷却(-78℃)した、3-ブロモ-5-ヒドロキシピリジン(1.00 g、5.74 mmol)のTHF(30 mL)溶液に、n-ブチルリチウムの溶液(1.6 M溶液、9 mL、2.5当量)を滴下により添加した。この反応液を、-78℃で1時間撹拌した後、トリエチルシリルクロリド(3.28 mL、4.5当量)を添加し、5.5時間撹拌を継続した。この反応液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(1 M溶液、20 mL、3.5当量)を添加した後、冷却バスを取り除き、さらに15分撹拌を続けた後、反応液を水の添加によりクエンチした。水相を分離し、酢酸エチルで抽出し、さらに、合わせた有機相を塩水で洗浄し、無水にし(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。これをクロマトグラフ(シリカゲル、石油エーテル中の20〜60%酢酸エチル)にかけて所望の生成物を得た(336 mg、35%)。
【0056】
[中間体2]:メチル 5-(5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)フラン-2-カルボキシレート
5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-オール(中間体1、330 mg、1.97 mmol)のTHF(10 mL)溶液に、カリウムtert-ブトキシド(222 mg、1.0当量)を添加し、得られた混合物を加熱して1.75時間還流させた。冷却直後に、溶媒を真空下で除去した後、残渣を無水DMSO(10 mL)に溶解し、メチル-5-ブロモ-2-フロエート(405 mg、1.0当量)を添加した。この混合物を85℃で16時間加熱した後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。水を添加して十分に混合した後、水相を酢酸エチル(3X40 mL)で抽出し、合わせた有機相を水、塩水で洗浄し、その後無水にした(硫酸マグネシウム)。揮発性物質を真空で蒸発させた後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製(シリカゲル、石油エーテル中の10〜20%酢酸エチル)して所望の物質を得た(165 mg、30%)。
1H NMR (CDCI3) 8.52 (1H, S), 8.45 (1H, s), 7.52 (1H, s), 7.18 (1H, d), 5.61 (1H, d), 3.89 (3H, s)および0.31 (9 H, s).
【0057】
[実施例]:N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ) フラン-2-カルボキシアミド
4,6-ジメトキシ-N-(3-モルホリノプロピル) ピリミジン2,5-ジアミン(WO-A-02/098363の手順にしたがって調製したもの;0.427 M溶液2.6 mL;1.1 mmol、2当量)の溶液を、無水トルエン(3.4 mL)で希釈し、得られた溶液を-30℃に冷却した。トリメチルアルミニウム(2 M、1.65 mL、3.31 mmol、6当量)の溶液を滴下により添加し、得られた混合物を0.5時間に亘って加温して-20℃にした後、冷却(0℃)したメチル 5-(5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)フラン-2-カルボキシレート(中間体2;161 mg、0.51 mmol)のジクロロメタン(6 mL)溶液に滴下した。その後、全体を室温まで加温した後、40℃で16時間加熱した。冷却(0℃)直後に、反応液を飽和酢酸アンモニウム溶液でクエンチし(約30 ml所要)、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出液を塩水で洗浄し、無水にし(硫酸マグネシウム)、真空下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1%の酢酸を含有する、ジクロロメタン中の1〜6%メタノール)により精製して所望の物質を得た(125 mg、40%)。
M.p. 80-82℃;1H NMR (CDCI3) 8.54 (1H, s), 8.45 (1H, s), 7.45 (1H, s), 7.18 (1H, d), 6.95 (1H, s, br), 5.81 (1H, br, t), 5.67 (1H, d), 3.89 (6H, s), 3.72-3.76 (4H, m), 3.42-3.51 (2H, m), 2.45-2.55 (6H, m), 1.73-1.82 (2H, m)および0.33 (9H, s);13C NMR (CDCI3) 166.4, 159.6, 157.0, 156.7, 151.9, 150.2, 140.5, 140.0, 137.1, 129.7, 117.1 , 91.1, 90.9, 67.1, 57.4, 53.9, 53.7, 40.8, 25.8および-1.1.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)〜(III):
【化1】

[式中、
Dは、-(CH2)n-、-C(=X)- 、-O-、-S(O)m-、-C(=X)N(Re)- 、-C(Rb)2-、-C(Rb)=C(Rb)-、または-CH(Rb)CH(Rb)-であり;
Eは、任意に存在し、-(CH2)n-、-N(Rd)- 、-(CH2)nN(Rd)-、または-N(Rd)(CH2)n-であり;
Fは、-C(=X)- 、または-N(Rd)-であり;
Gは、-(CH2)n-、-N(Rd)- 、-(CH2)nN(Rd)- 、または-N(Rd)(CH2)n-であり;
Jは、任意に存在し、-O-、-N(Rc)C(=X)- 、-C(=X)N(Rc)- 、-S(O)m-、-N(Rc)S(O)m-、-S(O)m N(Rc)-, -N(Re)- 、または-N(Rg)(Rh)- であり;
Kは、任意に存在し、Rで置換されていてもよいアルケニレンであり;またはKは、いずれもRで置換されていてもよい、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロシクロアルキレン、ヘテロシクロアルケニレン、もしくはヘテロアリーレンであり;
Lは、任意に存在し、水素、ハロゲン、いずれもR、-C(=X)ORd、-OH、-ORc、-C(=X)N(Rb)(Rc)、-S(O)mN(Rb)(Rc)もしくは-CNで置換されていてもよい、-N(Rf)2、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、またはヘテロアリールであり;
各Rは、同じかまたは異なり、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシ-(CH2)nC(=O)ORb、-O-アリール、-C(=X)Rc、-NO2、-CN、-N(Rc)C(=X)Rc、-C(=X)N(Rc)、-S(O)2N(Rc)2、または-N(Re)2であり;
各Rは、同じかまたは異なり、水素、またはアルキルであり;
各Rは、同じかまたは異なり、アルキル、シクロアルキル、アルキル-アリール、アルキル-シクロアルキル、または、Rで置換されていてもよいアリールであり;
各Rは、同じかまたは異なり、水素、アルキル、またはRで置換されていてもよいアリールであり;
各Rは、同じかまたは異なり、水素、もしくはアルキルであり;またはRは、いずれもRで置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは、同じかまたは異なり、水素、もしくはアルキル;または、一緒にヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、もしくはヘテロアリールを形成したRf-N-Rfであり;
各Rは、いずれもオキソ基および/またはフルオロ基で置換されていてもよい、アルキル、シクロアルキル、またはアルキル-シクロアルキルであり;
各Rは、アルキル、シクロアルキル、または-N(Rf)2で置換されたアルキル-シクロアルキルであり;またはRおよびRは、一緒にヘテロシクロアルキル環を形成し;
T、U、V、およびWの1つまたは2つは窒素であり、その他はそれぞれC(Ra)であり;
各Xは、同じかまたは異なり、酸素または硫黄であり;
Yは、-Si(Rc)3、または-アルキル-Si(Rc)3であり;
環1および環2は、同じかまたは異なり、それぞれ、いずれもRで置換されていてもよいアリーレンまたはヘテロアリーレンであり;
各mは、同じかまたは異なり、0、1、または2であり;かつ
各nは、同じかまたは異なり、0、1、2、または3であり;
ただし、前記化合物がN-N単結合を含む場合を除く]
のいずれかの化合物、または薬剤として許容できるその塩。
【請求項2】
Dが、-O-、-S-、または-CH2-である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Eが存在しない、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
Fが、-C(O)-である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
Gが、-N(Rd)-である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が水素である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
JおよびKが存在せず、Lが、水素または-N(Rf)2である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Jが-NH-であり、Kがアルキレンであり、かつ、Lがヘテロシクロアルキルである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
環1がフラニレンである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
環2が、それぞれ任意に置換された、フェニレン、ピリミジレン、またはピリジニレンである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
環2が、1、2、または3個置換されていて、前記置換基が、同じかまたは異なり、アルコキシまたはハロゲンから選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
T、U、V、およびWの1つまたは2つが窒素であり、その他がそれぞれCHである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
5-(4-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-メチル-5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-メチル-5-(トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)-N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン2-カルボキシアミド;
5-(2-メチル-5-トリメチルシリル)ピリジン-3-イルオキシ)-N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)-N-(2,4, 6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)-N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)-N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4, 6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリジン-4-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(6-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル )フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(6-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(6-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(3-メチル-6-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-yi)-5-(3-メチル-6-{トリメチル) シリル) ピリジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(3-メチル-6-(トリメチルシリル)ピリジン-2-イルオキシ)-N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(4-(トリメチルシリル)ピリミジン-2-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(トリメチルシリル)ピリミジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(4-(トリメチルシリル)ピリミジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4-イルオキシ)-N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4-イルオキシ)-N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4, 6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4 イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(5-メチル-2-(トリメチルシリル)ピリミジン-4-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(6-(トリメチルシリル)ピラジン-2-イルオキシ)-N-(2,4,6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(6-(トリメチルシリル)ピラジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
N (2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(6-(トリメチルシリル)ピラジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;
5-(3-メチル-6-(トリメチルシリル) ピラジン-2-イルオキシ)-N-(2, 4, 6-トリメトキシピリミジン5-イル)フラン-2-カルボキシアミド;
N-(2-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)-4, 6-ジメトキシピリミジン-5-イル)-5-(3-メチル-6-(トリメチルシリル)ピラジン-2-イルオキシ)フラン-2-カルボキシアミド;および
5-(3-メチル-6-(トリメチルシリル)ピラジン-2-イルオキシ)-N-(2-(3-モルホリノプロピルアミノ)-4,6-ジメトキシピリミジン-5-イル)フラン-2-カルボキシアミド
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
単一の、光学異性体、ジアステレオ異性体、または互変異性体の形態である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
治療に使用するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物と、薬剤として許容できる希釈剤または担体とを含む薬剤組成物。
【請求項17】
癌治療のための医薬の製造のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣疾患、乳房嚢胞性疾患、前立腺肥大症、無月経、思春期早発症、月経前症候群、性ステロイド依存性病態生理、もしくは良性前立腺過形成の治療もしくは予防のため、または精子形成を阻止するための医薬の製造のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項19】
痛みを伴う子宮内膜症、多嚢胞性卵巣、または続発性無月経の治療または予防のための、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
アルツハイマー病の治療または予防のための医薬の製造のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
HIV感染症またはAIDSの治療または予防のための医薬の製造のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
胸腺の機能不全によって引き起こされる疾患の治療または予防のための医薬の製造のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項23】
多発性硬化症、関節リウマチ、または1型糖尿病の治療または予防のための、請求項22に記載の使用。

【公表番号】特表2008−524192(P2008−524192A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546190(P2007−546190)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004881
【国際公開番号】WO2006/064263
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(507200802)タケダ・ケンブリッジ・リミテッド (6)
【Fターム(参考)】