説明

ケイ素系組成物で封止された複合材料部品をろう付けする方法

【課題】接触させるための表面がケイ素系組成物で含浸されていることにより封止されているところの耐熱複合材料の部品をろう付けにより取り付けるに際し、ろう付け組成物と部品材料中に存在するケイ素との間の反応もしくは拡散を防止する。
【解決手段】少なくとも、2つの部品(20,30)の結合すべき表面(S20,S30)上に耐火性セラミック材料層(22,32)を形成する。この材料は、ろう付け温度においてケイ素と非反応性である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱構造複合材料をろう付けにより取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
耐熱構造複合材料で作られ、複雑な形状を有する構造は、単一部品として直接製造することが困難である。一般に、単純な形状の要素から、特にろう付けにより互いに取り付けることにより構造を製造することが好ましい。
【0003】
一般に、ろう付けは、互いに取り付けるべき部品の間で金属系組成物を溶融させることを含む取り付け技術である。ろう付けの主な利点は、溶接と異なり、互いに取り付けるべき部品を当該部品を構成する材料を溶融させることなく互いに取り付けることができるということである。例として、耐熱構造複合材料の部品を互いに取り付けるために普通に用いられているろう付け組成物または合金の中には、ケイ素+金属シリサイドの合金、ケイ素+任意に合金化されたゲルマニウムの合金、および商品名Cusil−ABA(登録商標)、Ticusil(登録商標)、Incusil(登録商標)およびBrasic(登録商標)の下で知られている金属系組成物がある。
【0004】
耐熱構造複合材料は、その良好な機械特性およびそれらの特性を高温で維持するその能力が知られている。それらには、耐火性であるマトリックスにより緻密化された耐火性繊維強化材により構成された複合材料が含まれる。非限定的な例として、そのような材料には、炭素−炭素(C/C)複合材料(炭素マトリックスにより緻密化された炭素繊維強化材)、並びにC/SiC複合材料(炭素繊維強化材と炭化ケイ素マトリックス)、SiC/SiC複合材料(繊維とマトリックスの両者が炭化ケイ素で作られているもの)、C/C−SiC複合材料(炭素繊維強化材と、一般に繊維に最も近い炭素相および炭化ケイ素相を含むマトリックス)、ガス状SiO、液状Si等によりシリサイド化されたC/C複合材料のようなセラミックマトリックス複合材料(CMC)が含まれる。
【0005】
耐熱構造複合材料で作られた部品を得るための通常の方法には、液体法と気体法が含まれる。
【0006】
液体法は、製造すべき部品の形状を実質的に有する繊維プリフォームを作ること、すなわち、複合材料の強化材を構成すること、およびこのプリフォームをマトリックス材料の前駆体を含有する液体組成物で含浸させることを含む。前駆体は、一般に、樹脂(溶媒で希釈されている場合もある)のようなポリマーの形態にある。前駆体は、溶媒を除去し、ポリマーを硬化させた後、熱処理により耐火相へと変換される。所望の程度の緻密化を達成するために、複数の連続含浸サイクルを行うことができる。例として、炭素の液状前駆体は、フェノール樹脂のような比較的高いコーク含有量を有する樹脂であり得、セラミックの液状前駆体、特にSiCの前駆体は、ポリカルボシラン(PCS)タイプの、またはポリチタノカルボシラン(PTCS)タイプの、あるいはポリシラザン(PSZ)タイプの樹脂であり得る。
【0007】
気体法は、化学気相浸透を含む。製造すべき部品に対応する繊維プリフォームをオーブン中に置き、これに反応ガスを導入する。オーブン内の圧力および温度、並びに反応ガスの組成は、反応ガスをプリフォームの気孔内に拡散させて、ガスの成分が分解する結果として、またはガスの複数の成分間の反応の結果として、繊維と接触して堆積される固体材料によりマトリックスを生成させることができるように選択される。例えば、炭素のガス状前駆体は、クラッキングにより炭素を与える炭化水素、例えばメタンであり得、セラミック、特にSiCの前駆体は、その分解(可能的には、水素の存在下)によりSiCを与えるメチルトリクロロシラン(MTS)であり得る。
【0008】
さらに、液体法およびガス法の両者を用いる組み合わせ法もある。
【0009】
そうではあるが、いずれの緻密化方法を用いても、耐熱構造複合材料で作られた部品は、常に、繊維プリフォームの緻密化の不可避的不完全性により残留気孔を呈する。典型的に、緻密化中に特別の処理を行わないと、部品は、約10%の最小体積含有量を有する気孔を呈する。そのような気孔率は、互いに連通し、部品の表面に開口する、より大きなまたはより小さな寸法の気孔および/またはクラックを表す。
【0010】
非常に概略的に図1に示したように、耐熱構造複合材料Mの2つの部品1および2は、部品の結合すべき表面S1およびS2の間にろう付け層3を挿入ことによるろう付けにより互いに取り付けられている。しかしながら、部品が作られるところの材料の多孔性故に、部品1および2の間に介挿されるろう付け組成物3の一部が部品の表面に開口する孔を介して材料中の気孔P中に浸透し、それにより、上記2つの表面間にろう付け組成物を持たない局在化した部分4を残す。この組成物の不在は、2つの部品の欠陥のある結合をもたらし、従って劣った品質のアセンブリをもたらす。
【0011】
この問題に対する既知の解決策は、シリサイド化により、すなわち材料中に溶融ケイ素に基づく組成物を導入することにより、耐熱構造材料部品の気孔を充填することからなる。この種のシリサイド化は、それ自体知られており、特に特許文献1〜4に記載されている。
【0012】
しかしながら、耐熱構造複合材料は、このようにシリサイド化されると、ろう付け組成物を表面に保持するに十分に不透過性であるとみなすことができるが、材料内の1またはそれ以上のシリサイド相の存在は、別の問題をもたらす。
【0013】
ろう付けの目的で使用されるおよび上に記載した合金のほとんどは、ケイ素と反応し、本来脆い金属シリサイドを結合中に生成させる遷移金属(例えば、Cu、Fe、Ni、Mn等)に相当する有意の分量の金属成分を含有する。
【0014】
さらに、BraSic(登録商標)テクノロジーで行われている種類の、反応性でないか、または制御された反応性を示すろう付け組成物を用いる場合、部品間の結合を形成するための期待される物理・化学的変換がもはや制御されないように、ろう付け温度(約1400℃)においてろう付け組成物と材料中に存在するケイ素との間で相互拡散が生じる。材料のケイ素とろう付け組成物との直接接触は、ろう付け中に液体状態での拡散によりろう付け組成物成分の割合を変化させ、それによりその性質を変更させ得る。
【0015】
さらにまた、ろう付けにより互いに取り付けられるシリサイド化耐熱構造複合材料について、結合を再処理または修繕するときに別の問題が生じる。2つのシリサイド化耐熱構造複合材料部品が、初期に、または弱化もしくはろう付け接合に対する攻撃後に、貧弱に取り付けられた場合、残存するろう付け材料を除去して部品を清浄にした後、それら部品を再び適切にろう付けすることが可能でなければならない。ろう付け組成物の除去と部品の清浄化は、腐食性浴(酸またはアルカリ)中での処理を必要とするが、これがシリサイド化部品の残存ケイ素をも攻撃する。そのような状況下では、シリサイド化耐熱構造複合材料の2つの部品間にろう付けにより作られた結合の分解が、部品を再使用不能とし、これは費用および/またはリサイクルの点で不利である。
【特許文献1】FR2653763
【特許文献2】US4626516
【特許文献3】EP0636700
【特許文献4】FR03/01871
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、少なくとも、接触させるための表面がケイ素系組成物で含浸されていることにより封止されているところの耐熱複合材料の部品をろう付けにより取り付ける方法であって、前記問題点を解消し、特にろう付け組成物と部品材料中に存在するケイ素との間の反応もしくは拡散を防止する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、上記目的は、封止工程の後で、ろう付け工程の前に、少なくとも結合すべき部品表面上に、ろう付け温度でケイ素と非反応性の耐火性セラミック材料の層を形成することを含む方法により達成される。そのようなセラミック材料は、特に、窒化ケイ素(Si34)または炭化ケイ素(SiC)のようなケイ素の誘導体であるセラミックから選ぶことができる。
【0018】
すなわち、耐火性セラミックの層がろう付けすべき材料表面を保護しているので、ろう付け組成物は材料中に存在するケイ素または他の元素と接触することがない。
【0019】
ろう付け組成物と材料のケイ素との間の反応または拡散の危険性は、こうして回避され、それによりろう付けをより良好に制御し、2つの部品間の均一で良好な品質の結合を得ることが可能となる。
【0020】
さらに、セラミック、例えば炭化ケイ素は、腐食に十分に耐えるので、結合を再処理または修繕する場合には、部品の材料を損傷することなく、ろう付け組成物を腐食性薬品で攻撃することが可能である。
【0021】
上記セラミック層は、化学気相堆積または化学気相浸透により形成することができる。
【0022】
部品の表面上に形成されたセラミック層の表面は、ろう付け前に、ラップ仕上げすることができる。セラミック層の平均厚さは、好ましくは、1マイクロメーター(μm)〜100μmの範囲にあり、例えば約50μmである。
【0023】
使用するろう付け組成物は、好ましくは、部品の結合すべき表面を覆うセラミックに対し、非反応性であるか、制御された反応性を示す金属に基づく。
【0024】
具体的な態様においては、ろう付け組成物が互いに取り付けるべき表面部分のみを濡らすように、ろう付け工程前に、部品の互いにろう付けすべき部分に抗湿潤剤を適用する。
【0025】
他の態様において、液状ろう付け組成物を、例えば炭素繊維により構成される灯心(wick)を用いて、毛管作用により、結合すべき部品間の位置に運び、結合すべき2つの部品間に毛管作用によりろう付け組成物を輸送するようにする。
【0026】
本発明の他の特徴および利点は、図面を参照して、非限定的な例として与えられた具体的な態様についての以下の記述から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明のろう付け取り付け方法は、いずれものタイプのシリサイド化耐熱構造複合材料に、すなわちC/C材料またはCMC材料、特にC/SiC、SiC/SiC、C/C−SiC等のような、耐火性であるマトリックスにより緻密化された耐火性繊維強化材を含むいずれの材料にも適用される。
【0028】
図2を参照すると、シリサイド化により封止された耐熱構造複合材料で作られた2つの部品を互いにろう付けするための本発明の方法は、以下の工程を含む。
第1の工程(工程10)は、部品の耐熱構造複合材料を、少なくとも互いに合わせるべき表面において、封止し、溶融ケイ素に基づく組成物でそれらを含浸することにより気孔を充填することからなる。溶融ケイ素に基づく組成物は、ケイ素、またはケイ素合金(例えば、SiGe)および少なくとも1種の他の物質、特に鉄、コバルト、チタン、ジルコニウム、モリブデン、バナジウム、炭素およびホウ素から選ばれる元素により構成することができる。耐熱構造複合材料をケイ素系組成物で含浸することは、それ自体既知の技術であり、特に、FR2653763、US4626516、EP0636700およびFR03/01871に記載されている。
【0029】
第2の工程(工程11)は、2つの部品の互いに合わせるべき表面を準備することからなる。この目的のために、部品の接触表面を、2つの部品間の結合面を適合させるように機械加工する。
【0030】
表面を機械加工したならば、ろう付けすべき表面の少なくとも一方に耐火性セラミック層を堆積させる(工程12)。耐火性セラミックは、ろう付け温度でケイ素と反応しない材料であるように選択される。互いにろう付けすべき部品の表面を保護するために、一般に、Si34またはSiCのようなケイ素の誘導体に相当するいずれものセラミックを用いることができる。ここで記載する例では、SiCが堆積される。この堆積は、化学気相体積(CVD)または化学気相浸透(CVI)により行うことができる。いずれの場合でも、堆積は、メチルトリクロロシラン(MTS)のような、炭化ケイ素のガス状前駆体を導入したオーブン中で行われ、MTSは、可能的にはガス状水素(H2)の存在下で、分解により炭化ケイ素を生成する。化学気相堆積または化学気相浸透により炭化ケイ素堆積物を得るために必要な反応ガスの性質並びに圧力および温度条件は、それ自体よく知られている。
【0031】
図3には、極めて概略的に、例えばケイ素に基づく溶融組成物21で含浸されることにより気孔が充填された耐熱構造複合材料Mの部品20の一部が示されている。もう一つの部品の対応する面にろう付けすべき部品20の表面S20は、炭化ケイ素の層22で覆われている。
【0032】
炭化ケイ素の層は、ろう付けすべき各部品の表面上に保護層を形成し、この層は、後のろう付け操作中に、ろう付け組成物が両部品の表面に存在するケイ素と接触することを防止する。
【0033】
セラミックを堆積させるために用いるプロセス(すなわち、化学気相堆積または化学気相浸透)は、得られる堆積物の厚さを制御することを容易にするものではあるが、そのようにして形成されたままの炭化ケイ素層22の表面上に微小レリーフ222(表面小瘤)が出現することがあり得る。
【0034】
そのような状況下では、セラミックの緻密な層を貫通するほど攻撃することなく磨耗により大きな粗部を除去するために、セラミック層を堆積させた後にその表面をラップ仕上げすることができる(工程13)。図4に示すように、実質的に平面であり、好ましくは10μm〜100μmの範囲内の、例えば約50μmの平均厚さeを示す炭化ケイ素の層が得られる。このような厚さは、用いる場合のラップ仕上げも考慮して、堆積させるセラミック(この場合は、SiC)の品質を制御することにより得られる。
【0035】
しかる後、これら2つの部品をろう付けにより互いに取り付ける。通常の手法において、ろう付け操作は、2つの主工程、すなわち部品の互いに結合すべき表面間にろう付け組成物を介挿させること(工程14)、およびろう付け組成物の溶融温度を超えて温度を上昇させることに相当する熱処理(工程15)を含む。
【0036】
第1のろう付け技術において、ろう付け組成物は、結合すべき表面上に直接堆積させることができる。他の技術において、ろう付け組成物は、毛管作用により部品間に運ぶことができる。この目的のために、図5に示すように、「ドライ」の(すなわち、含浸されていない)灯心50(例えば、ドレイン形成性炭素繊維からなる)を、それぞれの表面S20およびS30が炭化ケイ素層22および23で被覆された、耐熱構造複合材料Mの2つの部品20と30の間に介挿する。灯心の一端は、ろう付け組成物61を収容するルツボ60に浸漬される。しかる後、ろう付け組成物61が液状となるまで温度を上げると、ろう付け組成物は、毛管作用により灯心に沿って吸い込まれ、灯心60と接触している2つの部品間のろう付け領域全体に分配される。
【0037】
図6に極めて概略的に示すように、これにより、2つの部品20および30の間にろう付け組成物の接合(joint)40が提供され、2つの部品を互いに結合するように作用する。本発明によると、部品20および30のそれぞれの表面S20およびS30はろう付け前に炭化ケイ素の層22および32により被覆されているので、ろう付け組成物と部品20および30の表面に存在するケイ素21、31との直接接触は生じない。
【0038】
不連続な接触表面を有するか、複雑な形状を有する2つの部品を互いに取り付ける場合、ろう付け組成物が部品のろう付けすべき領域のみを湿潤させるようにろう付け組成物の流れを制御するために、部品のろう付けしない領域に抗湿潤剤を堆積させることができる。例として、使用する抗湿潤剤は、エアゾルスプレーの形態で調製された窒化ホウ素(BN)、またはウェスゴ・メタルズ(Wesgo Metals)により販売されている抗湿潤剤ストピト(Stopyt)(登録商標)もしくはウォール・コルモノイ(Wall Colmonoy)社により販売されているニクロブラズ(Nicrobraz)(登録商標)製品のようないわゆる「ストップ−オフ(Stop-Off)」製品であり得る。
【0039】
そのような抗湿潤剤は、例えば、流体の循環により冷却されるスラスタノズルの末広部の壁に用いられているもののような熱交換器を組み立てるときに用いることができる。このタイプの熱交換器は、文献FR03/01039に記載されているような、耐熱構造複合材料の2つのパネル(そのうち少なくとも一方は、流体循環チャンネルを構成するための溝を有する)を互いにろう付けすることによって得ることができる。ろう付け操作の前に、2つのパネルのろう付けしない領域、例えば溝に、抗湿潤剤を設ける。ついで、ろう付け組成物を近接様態(approximate manner)で互いに取り付けるべき面の全領域に堆積させる。その後、組成物は、抗湿潤剤で被覆されていない領域上に移行する。ろう付け後、抗湿潤剤の供給者により与えられた指示に依存して、酸または他の薬剤を循環させることにより、抗湿潤剤自体を除去することができる。
【0040】
ろう付け組成物は、特に、炭化ケイ素とのその相容性の関数として選択され、すなわち、炭化ケイ素と非反応性の、または炭化ケイ素に対して制御された反応性を示す組成物を選択することが好ましい。例えば、欧州特許出願EP0806402または米国特許No.5975407に記載されたもの、ケイ素+金属シリサイドの合金、ケイ素+任意に合金化されたゲルマニウムの合金、および次の商品名:Cusil−ABA(登録商標)、Ticusil(登録商標)、Incusil(登録商標)またはBrasic(登録商標)の下で知られている金属系組成物のようなケイ素に基づく組成物を用いることができる。
【0041】
その結果、本発明の方法は、シリサイド化された耐熱構造複合材料部品を、ろう付け組成物と材料中のケイ素との間の相互作用および/または拡散の危険なしに、互いにろう付けすることを可能とする。このことは、部品間に良好な結合を形成させることを保証する。
【0042】
加えて、耐火性セラミックコーティングは、明らかなケイ素を残さずに、部品の材料を、酸化に対して表面保護する。さらに、そのような部品の表面上に堆積されたセラミックがケイ素よりも高い温度に耐えるものであれば、ケイ素自体が部品の表面に直接露出されているときに可能であるよりも高い融点を有するろう付け組成物を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】2つの多孔質耐熱構造複合材料部品を互いにろう付けするときに得られる結果を極めて概略的に示す図。
【図2】本発明の方法を実施する連続工程を示すフローチャート。
【図3】表面に炭化ケイ素の層が堆積された後の、シリサイド化により封止された耐熱構造複合材料部品の一部を示す概略図。
【図4】炭化ケイ素の層がラップ仕上げされた後の、図3に示すものと同じ部分を示す図。
【図5】毛管灯心を用いながら2つの部品間でろう付けを行う手法を示す概略図。
【図6】本発明により2つの部品を互いにろう付けした後に得られる構造を示す概略図。
【符号の説明】
【0044】
20,30…耐熱構造複合材料の部品
21…シリコン系組成物
22,32…耐火性セラミック材料の層
222…微小レリーフ
50…灯心
61…ろう付け組成物
S20,S30…部品の結合すべき表面
M…耐熱構造複合材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱構造複合材料(M)の2つの部品(20,30)をろう付けにより互いに取り付ける方法であって、前記部品の少なくとも互いに結合すべき表面を、前記部品をケイ素系組成物で含浸することにより、封止する事前工程を含み、
前記封止工程の後で、ろう付け工程の前に、前記部品の少なくとも互いに結合すべき表面(S20,S30)上に、ろう付け温度でケイ素と反応しない耐火性セラミック材料の層(22,32)を形成することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記セラミック材料が、炭化ケイ素または窒化ケイ素であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セラミック材料の層を形成する工程の前に、互いに取り付けるべき部品(20,30)の表面(S20,S30)を、前記2つの部品間に接合領域の形状を規定するように、機械加工することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記耐火性セラミック材料の層(22,32)を化学気相堆積により形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記耐火性セラミック材料の層(22,32)を化学気相浸透により形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記部品のそれぞれの表面上に形成された前記耐火性セラミック材料の層(22,32)の表面をラップ仕上げすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記耐火性セラミック材料の層(22,32)が、1μm〜100μmの範囲内の平均厚さを有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記耐火性セラミック材料の層(22,32)が、約50μmの平均厚さを有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ろう付け工程中に使用するろう付け組成物が、前記耐火性セラミック材料と反応しない、または前記耐火性セラミック材料に対し制御された反応性を呈する金属系組成物であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ろう付け工程の前に、前記部品のろう付けしない部分上に抗湿潤剤を適用することをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ろう付け工程の前に、ろう付け組成物を前記部品の接合すべき表面間に配置された灯心を用いた毛管作用により輸送することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−8508(P2006−8508A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−184921(P2005−184921)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【出願人】(502202281)スネクマ・プロピュルシオン・ソリド (48)
【氏名又は名称原語表記】SNECMA PROPULSION SOLIDE
【Fターム(参考)】