説明

ケース封止構造

【課題】密封性良好で、開封防止性に優れたケース封止構造の提供を目的とする。
【解決手段】角筒状に組み立てられたケースAの左側壁部1Dの上下折込みフラップ1Db,1Dbと、右側壁部1Eの上下折込みフラップ1Eb,1Ebとを内側へ折曲げて上下互い違いに重ね合わせ、折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecを前側壁部1Fの左右上端及び左右下端に当接する。上蓋部1Bと底蓋部1Cとを内側へ折曲げて折込みフラップ1Db,1Ebに重ね合せるとともに、上蓋部1B及び底蓋部1Cの差込みフラップ1Ba,1Caを、前側壁部1Fと折込みフラップ1Db,1Ebとの間に差し込み、差込みフラップ1Ba,1Caの左右端部を、前側壁部1Fの左右上端及び左右下端に当接された折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ec裏面に係止して封止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば化粧品、タバコ、文具、玩具、食品、刃物、調理器具等の被収容物を収容する際に用いられるケース封止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記ケースを封止する構造としては、例えば角筒状に組み立てられたケースの両側壁部の上端及び下端に連設された各折込みフラップを内側へ折曲げて上下に重ね合わせる。この後、後側壁部の上端及び下端に連設された上下の蓋部を内側へ折曲げて、先に折曲げられた左右の各フラップの上に重ね合せるとともに、各蓋部に連設された差込みフラップを、前側壁部と各折込みフラップとの間に差し込んで封止する構造がある。しかし、蓋部の開封を容易にするため、差込みフラップと前側壁部との間に、指や爪等を差し込むための隙間が形成されているが、差込みフラップに付与される抜止め抵抗が小さいので、蓋部自体の復元力によって差込みフラップが引き抜かれてしまうことがあり、差込み状態を維持することができない。また、ケースに収容された被収容物の重量によって、底側蓋部に連設された差込みフラップが内側に湾曲し、前側壁部の内壁面と底蓋部の差込みフラップとの間に大きな隙間が形成される。これにより、両側壁部の下端に連設された各折込みフラップに対する底側蓋部の差込みフラップの係止量が浅くなり、底側蓋部の差込みフラップが抜けやすくなるため、ケースに収容された被収容物が抜け落ちてしまうことがある。
【0003】
他の構造としては、ケースの壁部上端に連設された内蓋フラップと中間蓋フラップとを順に内側へ折り曲げ、中間蓋フラップの先端に形成された差込片を、本体の側壁と内蓋フラップとの間に差し込む。この後、外蓋フラップを内側へ折り曲げるとともに該外蓋フラップの先端に形成された挿入片を、本体の側壁に形成された挿入孔に挿入して封止する特許文献1のケースがある。しかし、ケース自体の構造が複雑であるため、展開形状のケースを打抜き加工する際に用いられる金型の製作に手間及び時間が掛かるだけでなく、ケースを製造する際のコストが高くなる。
【特許文献1】実用新案登録第3101939号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は前記問題に鑑み、密封性良好で、開封防止性に優れたケース封止構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、角筒状に組み立てられたケースの両側壁部の上端及び下端に連設された左右の折込みフラップを内側へ折曲げて上下に重ね合わせた後、後側壁部の上端及び下端に連設された上下の蓋部を内側へ折曲げて各折込みフラップに重ね合せるとともに、各蓋部の先端に連設された差込みフラップを前側壁部と各折込みフラップとの間に差し込んで封止するケース封止構造であって、前記各蓋部の先端を、前記前側壁部の上端及び下端に沿って形成し、前記各蓋部の差込みフラップの両側部に、該蓋部の先端に沿って前記左右の折込みフラップを重ね合せてなる肉厚又は一方の折込みフラップの肉厚より幅広の切欠き部を形成したケース封止構造であることを特徴とする。
【0006】
この発明の態様として、前記各蓋部の先端を、前記前側壁部の上端及び下端に沿って平行に形成することができる。
【0007】
この発明の態様として、前記各蓋部の先端を、前記前側壁部の上端及び下端に沿って前方に突出する形状に形成することができる。なお、前方に突出する形状とは、例えば弧形状、台形状、角形状等を含むものである。
【0008】
また、この発明の態様として、前記両側壁部の上端に連設された各折込みフラップの端部に、該各折込みフラップを内側へ折曲げた際に前記ケースの前側壁部又は後側壁部の上端に対して当接される当接部を形成することができる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記両側壁部の下端に連設された各折込みフラップの端部に、該各折込みフラップを内側へ折曲げた際に前記ケースの前側壁部又は後側壁部の下端に対して当接される当接部を形成することができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記当接部の突出寸法を、前記ケースを構成するシートの肉厚と対応する寸法に形成することができる。
【0011】
また、この発明の態様として、前記差込みフラップの横幅を、該差込みフラップが差し込まれる前記ケース内の横幅より幅狭に形成することができる。
【0012】
また、この発明の態様として、前記差込みフラップの横幅を、該差込みフラップが差し込まれる前記ケース内の横幅より幅広に形成することができる。
【0013】
また、この発明の態様として、前記後側壁部と上蓋部との折曲げ部分に形成された折曲げ罫線の底部に、該折曲げ罫線に沿って長さ方向に対して引き裂きが許容される肉厚が薄い薄肉部を形成することができる。
【0014】
また、この発明の態様として、前記後側壁部と上蓋部との折曲げ部分に形成された折曲げ罫線に、該折曲げ罫線に沿って厚み方向に貫通する引き裂き部を形成することができる。
【0015】
また、この発明の態様として、前記当接部を、前記折込みフラップの折曲げ部分から所定間隔に隔てられた位置に形成することができる。
【0016】
前記被収容物は、例えば化粧品、文具、玩具、食品、刃物、調理器具等で構成することができる。また、ケースは、例えばプラスチック、紙、金属等の単一又は複合した材質で構成することができるとともに、例えば立方体、長方形、三角形、四角形、多角形、丸筒形等の外観形状に組み立てられる筒状のケースで構成することができる。
【0017】
また、ケースをプラスチックシートで構成する場合、例えば生分解性プラスチック、塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アモルファスポリエチレンテレフタレート(A−PET)等の透明、半透明、不透明に形成されたプラスチックシート、或いは、所望する表示内容が印刷されたプラスチックシート等を用いることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、ケースの後側壁部に連設された蓋部を内側へ折曲げ、該蓋部の先端を前側壁部の上端に沿って近接或いは接しさせるとともに、該蓋部に連設された差込みフラップを前側壁部と各折込みフラップとの間に差し込んで封止する。これにより、蓋部の差込みフラップが前側壁部の内壁面に沿って平面的に密着され、良好な密封性が得られる。また、蓋部の差込みフラップが前側壁部の内壁面に対して押し付けられるので、前側壁部と差込みフラップとの間に隙間が生じることがなく、開封を防止するのに必要な接触抵抗が得られるとともに、開封防止性が向上する。
【0019】
また、蓋部の差込みフラップを差し込むだけの封止構造であるので、例えば粘着テープ、フィルム、止め具等の封止部材で封止するか、複雑な封止構造で封止するか、熱溶着装置で封止する必要がなく、ケースを封止する作業が簡単且つ容易に行えるとともに、自動ケース組立て機により機械的に組立てる作業に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のケース封止構造は、図1〜図9に於いて、立方体形状のケースAを展開してなるプラスチックシートAXの後側壁部1Aを基準として、該後側壁部1Aの左端に連設された左側壁部1Dの接合部1Daを、該後側壁部1Aの右端に連設された右側壁部1Eの前側壁部1Fに重ね合せて、接着剤3で接着固定して角筒状に組み立てる。左側壁部1Dの上端及び下端に連設された折込みフラップ1Db,1Dbと、右側壁部1Eの上端及び下端に連設された折込みフラップ1Eb,1Ebとを内側へ折曲げて上下互い違いに重ね合わせ、折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecを前側壁部1Fの左右上端及び左右下端に当接する。
【0021】
後側壁部1Aの上端に連設された上蓋部1Bと、下端に連設された底蓋部1Cとを内側へ折曲げて折込みフラップ1Db,1Ebに重ね合せる。上蓋部1Bの先端に連設された差込みフラップ1Baを前側壁部1Fと折込みフラップ1Db,1Ebとの間に上から差し込む。底蓋部1Cの先端に連設された差込みフラップ1Caを、前側壁部1Fと折込みフラップ1Db,1Ebとの間に上から差し込む。差込みフラップ1Ba,1Caの左右端部を、前側壁部1Fの左右上端及び左右下端に当接された折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ec裏面に係止する。これにより、ケースAの上面側開口部Aaと下面側開口部Abとを封止する構造である。
【0022】
なお、接着剤3に代わる固定方法として、例えば左側壁部1Dの接合部1Daと前側壁部1Fの遊端側前側壁部とを、粘着テープで粘着固定するか、熱溶着装置、超音波溶接装置等で溶着固定してもよい。
【0023】
前記ケースAは、図2に示すように、約0.3mmの厚さに形成された透明又は半透明のプラスチックシートAXを、図1に示すような立方体形状のケースAを展開してなる大きさ及び形状に型抜きして形成する。型抜き時において、正面から見て正方形に形成された後側壁部1Aの上端及び下端と、該後側壁部1Aの上端及び下端に連設された上蓋部1B及び底蓋部1Cとの折曲げ部分に折曲げ罫線2を形成する。後側壁部1Aの左端及び右端と、該後側壁部1Aの左端及び右端に連設された左側壁部1D及び右側壁部1Eとの折曲げ部分に折曲げ罫線2を形成する。
【0024】
また、上蓋部1Bの先端と、該上蓋部1Bの先端に連設された差込みフラップ1Baとの折曲げ部分に折曲げ罫線2を形成し、底蓋部1Cの先端と、該底蓋部1Cの先端に連設された差込みフラップ1Caとの折曲げ部分に折曲げ罫線2を形成する。
【0025】
また、左側壁部1Dの左端と、該左側壁部1Dの左端に連設された接合部1Daとの折曲げ部分に折曲げ罫線2を形成し、右側壁部1Eの右端と、該右側壁部1Eの右端に連設された前側壁部1Fとの折曲げ部分に折曲げ罫線2を形成する。
【0026】
また、左側壁部1Dの上端及び下端と、該左側壁部1Dの上端及び下端に連設された折込みフラップ1Db,1Dbとの折曲げ部分に折曲げ罫線2を形成し、右側壁部1Eの上端及び下端と、該右側壁部1Eの上端及び下端に連設された折込みフラップ1Eb,1Ebとの折曲げ部分に折曲げ罫線2を形成する。
【0027】
上蓋部1B及び底蓋部1Cは、立方体形状に組み立てられたケースAの上面側開口部Aaと下面側開口部Abとが閉塞される大きさ及び形状に形成されているが、該開口部Aa,Abの略1/2が閉塞される大きさ及び形状に形成してもよい。
【0028】
また、上蓋部1Bの先端は、角筒状に組み立てられたケースAの前側壁部1Fの上端に沿って平行に形成している。底蓋部1Cの先端は、角筒状に組み立てられたケースAの前側壁部1Fの上端に沿って平行に形成されている。
【0029】
また、差込みフラップ1Ba,1Caの両側部には、左右の折込みフラップ1Db,1Ebを重ね合せてなる肉厚より幅広の切欠き部1Bb,1Cbを左右対称にそれぞれ形成している。切欠き部1Bb,1Cbは、上蓋部1B及び底蓋部1Cの先端に沿って中央部の閉塞側から両側部の開放側に向けて平行に形成されるとともに、長さ方向に対して同一の切欠き幅w4に形成している。
【0030】
また、切欠き部1Bb,1Cbの切欠き幅w4は、折込みフラップ1Db,1Ebを重ね合わせてなる肉厚より幅広に形成している。且つ、後述する当接部1Dc,1Ecが前方に向けて突出される幅に形成しているが、折込みフラップ1Db,1Ebを重ね合わせてなる肉厚と同一幅に形成してもよい。
【0031】
また、差込みフラップ1Ba,1Caの横幅w1は、差込みフラップ1Ba,1Caが差し込まれるケースA内の横幅w2より幅狭に形成しているが、ケースA内の横幅w2と同一幅に形成してもよい。
【0032】
また、折込みフラップ1Dbの折曲げ部分に寄った前端には、角筒状に組み立てられたケースAの前側壁部1Fの左側上端に対して当接される当接部1Dcを形成している。また、折込みフラップ1Ebの折曲げ部分に寄った前端には、角筒状に組み立てられたケースAの前側壁部1Fの右側上端に対して当接される当接部1Ecを形成している。
【0033】
当接部1Dc,1Ecの突出寸法w3は、ケースAの前側壁部1Fの内壁面を基準として、ケースAを構成するプラスチックシートAXの肉厚(0.3mm)と対応する寸法に形成されている。なお、当接部1Dc,1Ecの突出寸法w3は、プラスチックシートAXの肉厚以下の寸法(例えば0.2mm、0.25mm等の寸法)に形成してもよい。
【0034】
つまり、ケースAの左側壁部1Dに連設された上下の折込みフラップ1Db,1Dbと、右側壁部1Eに連設された上下の折込みフラップ1Eb,1Ebとを内側へ折曲げて上下互い違いに重ね合わせた際、図7のa部拡大図及び図8に示すように、折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecが前側壁部1Fの左右上端及び左右下端に当接される。これにより、折込みフラップ1Db,1Ebが前側壁部1Fの上端及び下端に当接した位置に規制され、ケースAの内側に押し込まれるのを防止することができる。
【0035】
また、折曲げ罫線2は、図示しない罫線刃により長手方向から見てV字状に1条形成しているが、各部の折曲げ部分に沿って複数条平行に形成してもよい。また、プラスチックシートAXを図2に示す大きさ及び形状に型抜きしてから形成してもよい。
【0036】
図示実施形態は前記の如く構成するものにして、以下、立方体形状に組み立てられるケースAの封止構造を説明する。
【0037】
先ず、図2に示すように展開されたプラスチックシートAXの後側壁部1Aを基準として、左側壁部1D及び右側壁部1Eを図3に示す矢印方向に向けて内側へ折曲げ、左側壁部1Dに連設された接合部1Daを、右側壁部1Eに連設された前側壁部1Fの遊端側前面(又は後面)に重ね合せる。また、左側壁部1Dの接合部1Daと前側壁部1Fの遊端側前面とを接着剤3で接着固定して角筒状に組み立てる(図3参照)。
【0038】
また、左側壁部1Dに連設された上下の折込みフラップ1Db,1Dbと、右側壁部1Eに連設された上下の折込みフラップ1Eb,1Ebとを図4に示す矢印方向に向けて内側へ折曲げて、上下互い違いに重ね合わせる。且つ、折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecを前側壁部1Fの左右上端及び左右下端に当接する(図4、図5、図6参照)。
【0039】
上蓋部1Bと底蓋部1Cとを図6に示す矢印方向に向けて内側へ折曲げ、上蓋部1BをケースAの開口部Aaと対向する状態に折曲げられた折込みフラップ1Db,1Ebに重ね合せる。また、底蓋部1CをケースAの開口部Abと対向する状態に曲げられた折込みフラップ1Db,1Ebに重ね合せる。これにより、上蓋部1Bの先端を前側壁部1Fの上端に沿って近接或いは接しさせ、底蓋部1Cの先端を前側壁部1Fの下端に沿って近接或いは接しさせる。
【0040】
上蓋部1Bの差込みフラップ1Baを、前側壁部1Fの上端と上側折込みフラップ1Db,1Ebの前端との間に上から差し込み、差込みフラップ1Baの左右端部を、前側壁部1Fの左右上端に当接された折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ec裏面に係止する(図7参照)。
【0041】
また、底蓋部1Cの差込みフラップ1Caを、前側壁部1Fの下端と下側折込みフラップ1Db,1Ebの前端との間に下から差し込み、差込みフラップ1Caの左右端部を、前側壁部1Fの左右下端に当接された折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ec裏面に係止する。これにより、差込みフラップ1Ba,1Caの引き抜きが阻止されることになり、ケースAの開口部Aa,Abを上蓋部1B及び底蓋部1Cで閉塞することができる。
【0042】
ケースAの開口部Aa,Abを開放する際に、上蓋部1Bの差込みフラップ1Baと底蓋部1Cの差込みフラップ1Caとを内側へ変形させて、差込みフラップ1Ba,1Caの左右端部を、前側壁部1Fの左右上端及び左右下端に当接された折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecから離脱させなければ、差込みフラップ1Ba,1Caの引き抜きが許容されないので、上蓋部1B及び底蓋部1Cによる閉塞状態を維持することができる。
【0043】
以上のように、ケースAの後側壁部1Aに連設された上蓋部1B及び底蓋部1Cを内側へ折曲げ、上蓋部1B及び底蓋部1Cの先端を前側壁部1Fの上端及び下端に沿って近接或いは接しさせる。また、上蓋部1B及び底蓋部1Cの差込みフラップ1Ba,1Caを前側壁部1Fと折込みフラップ1Db,1Ebとの間に差し込んで抜止めする。これにより、差込みフラップ1Ba,1Caが前側壁部1Fの内壁面に沿って平面的に密着され、良好な密封性が得られる。また、差込みフラップ1Ba,1Caが前側壁部1Fの内壁面に対して押し付けられるので、前側壁部1Fと差込みフラップ1Ba,1Caとの間に隙間が生じることがなく、開封を防止するのに必要な接触抵抗が得られるとともに、開封防止性が向上する。
【0044】
また、上蓋部1B及び底蓋部1Cの差込みフラップ1Ba,1Caを差し込むだけの封止構造であるので、例えば粘着テープ、フィルム、止め具等の封止部材で封止するか、複雑な封止構造で封止するか、熱溶着装置で封止する必要がなく、ケースAを封止する作業が簡単且つ容易に行えるとともに、自動ケース組立て機により機械的に組立てる作業に対応することができる。
【0045】
また、図9に示すように、ケースAに収容された被収容物の重量が底蓋部1Cに付加された際に、その付加される応力により底蓋部1Cの差込みフラップ1Caが外側に向けて湾曲し、前側壁部1Fの内壁面に沿って平面的に押し付けられる。これにより、前側壁部1Fの内壁面と底蓋部1Cの差込みフラップ1Caとの間に隙間が生じることがなく、底蓋部1Cの差込みフラップ1Caが抜けにくくなる。
【0046】
ケースAに重量の重い被収容物を収容しても、底蓋部1Cが不意に開封されることがなく、被収容物が抜け落ちるのを防止することができる。また、ケースAの大きさ、形状、肉厚等によって多少異なるが、底蓋部1Cの差込みフラップ1Caを差し込むだけの一般的な抜止め構造に比べて、約1.5倍〜3倍の重量に耐え得ることができ、構造的強度が向上する。
【0047】
また、左側壁部1D及び右側壁部1Eの折込みフラップ1Db,1Ebを内側へ折曲げて上下互い違いに重ね合わせ、折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecを前側壁部1Fの左右上端及び左右下端に当接する。
【0048】
この後、上蓋部1B及び底蓋部1Cを、右側壁部1E及び左側壁部1Dの折込みフラップ1Db,1Ebに重ね合せて、差込みフラップ1Ba,1Caを前側壁部1Fと上側折込みフラップ1Db,1Ebとの間に差し込む
差込みフラップ1Ba,1Caの左右端部を、前側壁部1Fの左右上端及び左右下端に当接された折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ec裏面に係止する。これにより、角筒状に組み立てられたケースAを上下に積み重ねるか、被収容物をケースAの上に積み重ねる等しても、上蓋部1B及び底蓋部1Cが内側へ変形しにくく、立方体形状に組み立てられた形態が維持されるので、構造的強度が向上する。
【0049】
また、本発明の封止構造を採用すれば、ケースAを構成するプラスチックシートAXの肉厚を薄くしても、被収容物の収容状態を維持するのに必要な強度が得られるので、例えばプラスチックシートAXの肉厚を約0.3mmから約0.25mmに薄くするか、約0.25mmから約0.2mmに薄くする等して、ケースAの軽量化及び材料費の低減を図ることができる。
【0050】
図10、図11は、立方体形状のケースAの差込みフラップ1Ba,1Caを、上蓋部1B及び底蓋部1Cより幅広に形成した封止構造の他の例である。差込みフラップ1Ba,1Caの横幅w1は、該差込みフラップ1Ba,1Caが差し込まれるケースA内の横幅w2より幅広に形成されている。
【0051】
つまり、差込みフラップ1Ba,1Caの左右端部は、上蓋部1B及び底蓋部1Cの両側縁部より外側に向けて左右均等に突出される。また、差込みフラップ1Ba,1Caの左右両端の突出寸法w5は、約0.5mmに形成している。なお、ケースAのサイズに応じて、差込みフラップ1Ba,1Caの突出寸法w5を0.5mm以下又は0.5mm以上の突出寸法に変更してもよい。
【0052】
上蓋部1Bの差込みフラップ1Baを、前側壁部1Fと折込みフラップ1Db,1Ebとの間に差し込んだ際に、差込みフラップ1Baの左右端部が左側壁部1D及び右側壁部1Eの内壁面に当接される。その当接部分に生じる反力によって、差込みフラップ1Baの左右端部が内側に向けて湾曲される。
【0053】
その湾曲された差込みフラップ1Baの左右端部は、折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecより内側に係止されるので、当接部1Dc,1Ecに係止するよりも抜けにくく、前記封止構造より確実且つ強固に封止することができ、開封防止性が向上する。且つ、底蓋部1Cの差込みフラップ1Caも、前記上蓋部1Bの差込みフラップ1Baと同様に封止することができる。
【0054】
また、差込みフラップ1Baの復元力によって左側壁部1D及び右側壁部1Eが外側に向けて押し広げられ、左側壁部1D及び右側壁部1Eによって前側壁部1Fが幅方向に引っ張られる。これにより、前側壁部1Fが直線状態に真っ直ぐな緊張されるので、前側壁部1Fと差込みフラップ1Baとの間に隙間が形成されず、密封性が大幅に向上する。
【0055】
なお、差込みフラップ1Ba,1Caの一方を幅広に形成してもよい。また、差込みフラップ1Ba,1Caの横幅w1は、ケースAの横幅w2に対して0.01%〜0.1%の範囲に含まれる程度の寸法に形成するのが望ましい。
【0056】
図12、図13は、縦長形状のケースAを機械的に組立てる際に用いられる封止構造のその他の例である。ケースAの前側壁部1Fと対応する左側壁部1Dの折込みフラップ1Dbの前端と、右側壁部1Eの折込みフラップ1Ebの前端とを、基端側から遊端側に向けて後方へ傾斜する角度に形成している。また、前側壁部1Fの左端に連設された接合部1Faには、接合部1Faと右側壁部1Eとを接着するための接着剤3を塗布している。
【0057】
つまり、左側壁部1Dの折込みフラップ1Db,1Dbと、右側壁部1Eの折込みフラップ1Eb,1Ebとを内側へ折曲げて上下互い違いに重ね合わせると、前側壁部1Fと折込みフラップ1Db,1Ebとの間に、上蓋部1B及び底蓋部1Cの差込みフラップ1Ba,1Caの差し込みが許容される大きな空間が形成される(図13参照)。
【0058】
これにより、前側壁部1Fと折込みフラップ1Db,1Ebとの間の空間に対して、上蓋部1Bの差込みフラップ1Baと底蓋部1Cの差込みフラップ1Caとを自動ケース組立て機(図示省略)により機械的に差し込むことが可能となり、ケースAの組立て作業及び封止作業が機械的に行える。
【0059】
図14は、図12に示すケースAの差込みフラップ1Ba,1Caを、差込みフラップ1Ba,1Caが差し込まれるケースA内の横幅w2より幅広に形成した封止構造のその他の例である。上蓋部1Bの差込みフラップ1Baと底蓋部1Cの差込みフラップ1Caとを、前側壁部1Fと折込みフラップ1Db,1Ebとの間に差し込んだ際に、差込みフラップ1Ba,1Caの左右端部が内側に向けて湾曲される。その湾曲された差込みフラップ1Baの左右端部は、折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecより内側に係止されるので、前記実施形態と同等の作用及び効果を奏することができる。
【0060】
図15は、立方体形状のケースAの上蓋部1Bを折曲げ罫線2に沿って引き裂いて開封する封止構造のその他の例である。後側壁部1Aと上蓋部1Bとの折曲げ部分に形成されたV字状を有する折曲げ罫線2の底部に、該折曲げ罫線2の底部に沿って長さ方向に対して引き裂きが許容される肉厚が薄い薄肉部2aを部分的に形成している。
【0061】
つまり、上蓋部1Bを開封する際に、前側壁部1Fと上蓋部1Bとの間に指の爪等を差し込むための隙間がなくても、後側壁部1Aと上蓋部1Bとの折曲げ部分を折曲げ罫線2の薄肉部2aに沿って引き裂けば、上蓋部1Bから差込みフラップ1Baが分離される。これにより、差込みフラップ1Baによる封止が解除されるので、上蓋部1B及び差込みフラップ1Caを変形させるような手間及び作業が省け、上蓋部1Bを開封する作業が簡単且つ容易に行える。また、一度開封すると、再封止することが不可能であるため、開封済みであるか否かを確実に確認することができる。なお、薄肉部2aに代わる構造として、例えば折曲げ罫線2の底部に沿って厚み方向に貫通する貫通部を部分的に形成してもよい。
【0062】
また、図16に示すように、後側壁部1Aと上蓋部1Bとの折曲げ部分に形成された折曲げ罫線2に、該折曲げ罫線2に沿って厚み方向に貫通する引き裂き部2bを形成してもよい。つまり、上蓋部1Bを開封する際に、後側壁部1Aと上蓋部1Bとの折曲げ部分に形成された引き裂き部2bを指や爪等で拡張して長さ方向に引き裂けば、上蓋部1Bから差込みフラップ1Baが分離される。
【0063】
これにより、差込みフラップ1Baによる封止が解除されるので、図15に示す構造と略同等の作用及び効果を奏することができる。なお、前記構造は、後側壁部1Aと底蓋部1Cとの折曲げ部分にも適用することができる。また、長方形状のケースAにも適用することができる。
【0064】
図17は、差込みフラップ1Baの各切欠き部1Bb,1Bbと対応する上蓋部1Bの上端左右角部に各切欠き部1Bc,1Bcを形成したその他の例である。差込みフラップ1Baの各切欠き部1Bb,1Bbと、上蓋部1Bの上端左右角部に切欠き部1Bc,1Bcとを合わせた切欠き幅w6は、図2に示す切欠き幅w4より幅広に形成されている。また、各切欠き部1Bb,1Bcからなる切欠き幅w6は、閉塞側から開放側に向けて徐々に幅広となるように形成されているので、トムソン刃等で簡単に型抜きすることができる。
【0065】
また、型抜き作業に用いられる型の製作が容易に行え、製造コストの低減を図ることができる。また、密封性及び開封防止性には何等影響がなく、前記実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。なお、差込みフラップ1Caの各切欠き部1Cb,1Cbと対応する底蓋部1Cの下端側左右角部にも図17に示すような各切欠き部を形成してもよい。
【0066】
図18は、上蓋部1Bの先端中央部を、角筒状に組み立てられたケースAの前側壁部1Fの上端に沿って前方に突出する弧形状に形成し、その弧形状の折曲げ部分に沿って折曲げ罫線2を形成したその他の例である。また、弧形状を有する折曲げ部分の変形幅w7は、上蓋部1Bの左右先端を結ぶ線を基準として約0.3mmに形成しているが、約0.3mm以下叉は約0.3mm以上の変形量に形成してもよい。
【0067】
つまり、上蓋部1Bの差込みフラップ1Baを内側へ折曲げて、角筒状に組み立てられたケースAの前側壁部1Fの上端と上側折込みフラップ1Db,1Ebの前端との間に差し込む。これにより、差込みフラップ1Baが、上蓋部1Bの先端に沿って弧形状に湾曲し、前側壁部1Fの内壁面に沿って曲面的に密着されるので、前側壁部1Fが前方に向けて突出する形状に湾曲していても、良好な密封性が得られる。なお、底蓋部1Cの先端を、図18に示すような弧形状に形成してもよい。また、弧形状以外の他の例として、例えば台形状、角形状等の前方に突出する形状に形成してもよい。
【0068】
図19、図20は、上蓋部1Bの差込みフラップ1Baと底蓋部1Cの差込みフラップ1Caを差し込む際に、左側壁部1D及び右側壁部1Eに連設された折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecが内側へ変形するようにした封止構造のその他の例である。
【0069】
上側折込みフラップ1Db,1Ebの後端に形成された当接部1Dc,1Ecは、後側壁部1Aの左右上端(後述する起立フラップ1Gの両側)に当接されるように形成されている。また、下側折込みフラップ1Db,1Ebの前端に形成された当接部1Dc,1Ecは、前側壁部1Fの左右下端に当接されるように形成されている。
【0070】
また、当接部1Dc,1Ecは、図5のa部拡大図に示す当接部1Dcより幅狭に形成され、折込みフラップ1Db,1Ebの折曲げ部分の折曲げ罫線2から所定間隔(プラスチックシートAXの肉厚の5倍〜30倍の間隔)に隔てられた位置に形成されている。これにより、差込みフラップ1Ba,1Caを差し込む際に、後側壁部1Aの左右上端及び前側壁部1Fの左右下端に当接された折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecが内側に向けて変形しやすくなる。なお、図5に示す当接部1Dc,1Ecを、図22に示す寸法に切除して形成してもよい。
【0071】
つまり、図21及びb部拡大図に示すように、底蓋部1Cの差込みフラップ1Caを、角筒状に組み立てられた前側壁部1Fと折込みフラップ1Db,1Ebとの間に差し込む際に、差込みフラップ1Caによって前側壁部1Fの左右下端に当接された折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecが内側に向けて変形される。
【0072】
また、差込みフラップ1Caの左右端部は、左側壁部1D及び右側壁部1Eの内壁面に当接されながら、当接部1Dc,1Ecを支点として内側に向けて弧状に湾曲される。さらに、当接部1Dc,1Ecの折曲げ罫線2の端面と左右壁部1D,1Eの内壁面との間に形成された隙間Sに沿って内側へ差し込まれる。
【0073】
次に、図22に示すように、底蓋部1Cの差込みフラップ1Caが前側壁部1Fの下端より内側へ差し込まれた際に、折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecが前側壁部1Fの左右下端に対し当接される状態に復帰する。また、差込みフラップ1Caの左右端部が、前側壁部1Fの左右下端に当接された折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ec裏面に係止される。これにより、差込みフラップ1Caの引き抜きが阻止されることとなり、前記実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0074】
一方、上蓋部1Bの差込みフラップ1Baは、前記底蓋部1Cの差込みフラップ1Caと同様に、後側壁部1Aの左右上端に当接された折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ec裏面に係止される。これにより、上蓋部1B及び底蓋部1Cの差込みフラップ1Ba,1Caを機械的に折り曲げて差し込むことができ、自動ケース組立て機による組立て作業が簡単且つ容易に行える。
【0075】
図22のc部拡大図に示すX部の寸法は、プラスチックシートAXの肉厚の30%〜300%の範囲に含まれる程度の寸法に形成するのが望ましい。また、Y部の寸法は、肉厚の5倍〜30倍の範囲に含まれる程度の寸法に形成するのが望ましい。X部及びY部の寸法が広くなると、隙間が大きくなり、密封性が低下する。また、上蓋部1B及び底蓋部1Cの差込みフラップ1Ba,1Caが外れやすくなるので、前記範囲に含まれる寸法に形成するのが好ましい。
【0076】
また、上蓋部1B及び底蓋部1Cの差込みフラップ1Ba,1Caの折曲げ部分の変形幅w7は、上蓋部1B及び底蓋部1Cの左右先端を結ぶ線を基準として約0.7mmに形成しているが、約0.7mm以下叉は約0.7mm以上の変形量に形成してもよい。
【0077】
なお、前記実施例のプラスチックシートAXと異なる部分は、前側壁部1Fの上端には上蓋部1Bが連設されている。また、後側壁部1Aの上端には起立フラップ1Gが連設されている。また、切欠き部1Bb,1Cbの切欠き幅w4は、一方の折込みフラップ1Db,1Ebの肉厚(プラスチックシートAXの肉厚)より幅広で、折込みフラップ1Db,1Ebを重ね合わせてなる肉厚より幅狭に形成してもよい。
【0078】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の蓋部は、実施形態の上蓋部1B及び底蓋部1Cに対応し、
以下同様に、
両側壁部は、左側壁部1D及び右側壁部1Eに対応するも、
この発明は、前記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0079】
本発明のケース封止構造において、折込みフラップ1Db,1Ebの当接部1Dc,1Ecが、前側壁部1F又は後側壁部1Aの端面に当接されなくても、差込みフラップ1Ba,1Caが前側壁部1F又は後側壁部1Aの内壁面に対し平面的に密着され、開封を防止するのに必要な接触抵抗が得られる。これにより、ケース封止構造として密封性及び開封防止性に何等支承が生じることがなく、前記実施形態と同等の作用及び効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】立方体形状のケースの組立て状態を示す斜視図。
【図2】図1のケースの展開状態を示す平面図。
【図3】図2のケースを角筒状に組立てた状態を示す斜視図。
【図4】一方の折込みフラップを内側に折曲げた状態を示す斜視図。
【図5】左右の各折込みフラップを内側に折曲げた状態を示す平面図。
【図6】左右の各折込みフラップを内側に折曲げた状態を示す斜視図。
【図7】図6の各折込みフラップの係止状態を示す横断底面図。
【図8】上蓋部の差込みフラップの係止状態を示す拡大縦断側面図。
【図9】底蓋部の差込みフラップの係止状態を示す拡大縦断側面図。
【図10】図2の差込みフラップを幅広に形成した状態を示す平面図。
【図11】図10の差込みフラップの係止状態を示す横断底面図。
【図12】縦長形状に組立てられるケースの展開状態を示す平面図。
【図13】図12の各折込みフラップを内側に折曲げた状態を示す平面図。
【図14】図12の差込みフラップを幅広に形成した例を示す平面図。
【図15】ケースの上蓋部を引き裂いて開封する構造を示す斜視図。
【図16】ケースの上蓋部を引き裂いて開封する他の構造を示す斜視図。
【図17】差込みフラップの各切欠き部を幅広に形成した例を示す拡大図。
【図18】蓋部の先端を前方に突出する形状に形成した例を示す平面図。
【図19】折込みフラップの当接部を幅狭に形成した他の構造を示す平面図。
【図20】底蓋部及び左側壁部の折込みフラップを示す拡大平面図。
【図21】折込みフラップの当接部の変形状態を示す底面図及びb部拡大図。
【図22】差込みフラップの係止状態を示す底面図及びc部拡大図。
【符号の説明】
【0081】
AX…プラスチックシート
A…ケース
Aa,Ab…開口部
1A…後側壁部
1B…上蓋部
1C…底蓋部
1D…左側壁部
1E…右側壁部
1F…前側壁部
1G…起立フラップ
1Ba,1Ca…差込みフラップ
1Bb,1Bc,1Cb…切欠き部
1Da…接合部
1Db,1Eb…折込みフラップ
1Dc,1Ec…当接部
2…折曲げ罫線
2a…薄肉部
2b…引き裂き部
3…接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角筒状に組み立てられたケースの両側壁部の上端及び下端に連設された左右の折込みフラップを内側へ折曲げて上下に重ね合わせた後、後側壁部の上端及び下端に連設された上下の蓋部を内側へ折曲げて各折込みフラップに重ね合せるとともに、各蓋部の先端に連設された差込みフラップを前側壁部と各折込みフラップとの間に差し込んで封止するケース封止構造であって、
前記各蓋部の先端を、前記前側壁部の上端及び下端に沿って形成し、
前記各蓋部の差込みフラップの両側部に、該蓋部の先端に沿って前記左右の折込みフラップを重ね合せてなる肉厚又は一方の折込みフラップの肉厚より幅広の切欠き部を形成した
ケース封止構造。
【請求項2】
前記各蓋部の先端を、前記前側壁部の上端及び下端に沿って平行に形成した
請求項1に記載のケース封止構造。
【請求項3】
前記各蓋部の先端を、前記前側壁部の上端及び下端に沿って前方に突出する形状に形成した
請求項1に記載のケース封止構造。
【請求項4】
前記両側壁部の上端に連設された各折込みフラップの端部に、該各折込みフラップを内側へ折曲げた際に前記ケースの前側壁部又は後側壁部の上端に対して当接される当接部を形成した
請求項1〜3のいずれか一つに記載のケース封止構造。
【請求項5】
前記両側壁部の下端に連設された各折込みフラップの端部に、該各折込みフラップを内側へ折曲げた際に前記ケースの前側壁部又は後側壁部の下端に対して当接される当接部を形成した
請求項1〜4のいずれか一つに記載のケース封止構造。
【請求項6】
前記当接部の突出寸法を、前記ケースを構成するシートの肉厚と対応する寸法に形成した
請求項1〜5のいずれか一つに記載のケース封止構造。
【請求項7】
前記差込みフラップの横幅を、該差込みフラップが差し込まれる前記ケース内の横幅より幅狭に形成した
請求項1〜6のいずれか一つに記載のケース封止構造。
【請求項8】
前記差込みフラップの横幅を、該差込みフラップが差し込まれる前記ケース内の横幅より幅広に形成した
請求項1〜6のいずれか一つに記載のケース封止構造。
【請求項9】
前記後側壁部と上蓋部との折曲げ部分に形成された折曲げ罫線の底部に、該折曲げ罫線に沿って長さ方向に対して引き裂きが許容される肉厚が薄い薄肉部を形成した
請求項1〜8のいずれか一つに記載のケース封止構造。
【請求項10】
前記後側壁部と上蓋部との折曲げ部分に形成された折曲げ罫線に、該折曲げ罫線に沿って厚み方向に貫通する引き裂き部を形成した
請求項1〜9のいずれか一つに記載のケース封止構造。
【請求項11】
前記当接部を、前記折込みフラップの折曲げ部分から所定間隔に隔てられた位置に形成した
請求項4〜6のいずれか一つに記載のケース封止構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−42858(P2010−42858A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249593(P2008−249593)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(508219416)
【Fターム(参考)】