ケーブルドラム
【課題】本発明は、大リールと小リールに各々逆方向にのみに回動する回動板を設け、回転軸の回転方向で各リールの何れかのみを回転可能とし、各リールの同時回転をなくしてケーブルの他のリールへのからみつきを防止することを目的とする。
【解決手段】本発明によるケーブルドラムは、リール保持枠(1)に回転自在に設けられた回転軸(5)に大リール(4)と小リール(10)を設け、この大リール(4)と小リール(10)に互いに逆方向のみに回動する回動板(51,70)を設けると共に、前記回転軸(5)に一対のピン(5A,5B)を設け、この回転軸(5)の左、右回転では一方のリール(4,10)のみを回転させるようにした構成である。
【解決手段】本発明によるケーブルドラムは、リール保持枠(1)に回転自在に設けられた回転軸(5)に大リール(4)と小リール(10)を設け、この大リール(4)と小リール(10)に互いに逆方向のみに回動する回動板(51,70)を設けると共に、前記回転軸(5)に一対のピン(5A,5B)を設け、この回転軸(5)の左、右回転では一方のリール(4,10)のみを回転させるようにした構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルドラムに関し、特に、回転軸に設けた一対のピンを大、小リールに設けた各回動板に当接させ、一方向回転では大又は小リールのみを、他方向回転では小又は大リールのみを回転させることにより、各リールの同時回転をなくし、一方のリールに巻付けるケーブルが他方のリールにからみつくことのないようにするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のケーブルドラムとしては、社内製作のみであるため特許文献等は開示していないが、図9から図11で示す構成を挙げることができる。
すなわち、図9から図11において符号1で示されるものは全体形状が枠形をなすリール保持枠であり、このリール保持枠1の基部2の下部には複数のキャスタ3が設けられている。
【0003】
前記リール保持枠1内には大リール4を有する筒状の回転軸5が回転自在に軸支されており、この回転軸5にはハンドル6が設けられている。
前記大リール4は、一対の大リール用サイドプレート7,8により構成され、この大リール4にはケーブル9が巻回できるように構成されている。
【0004】
前記リール保持枠1から突出した前記回転軸5の突出部5aには、前記大リール4よりも小径の小リール10が固定して設けられている。
前記小リール10には、一対の小リール用サイドプレート11,12が設けられている。
【0005】
前記ケーブル9は、前記回転軸5の中空部5aを貫通してこの回転軸5のほぼ中央位置に形成された開口5bから大リール4内へ案内され、このケーブル9の一端9a側はこの大リール4に50〜60m分が巻回されていると共に、その他端9b側は前記小リール10に5〜6m分が巻回されている。
【0006】
前述の構成において、大リール4に巻回されたケーブル9の一端9aは、例えば、発射制御器側20に接続され、その他端9bは小リール10からはずして引出し遠隔操作器側21に接続される。
前記遠隔操作器側21でケーブル9を介して前記発射制御器側20に信号を送信し、発射制御を行うことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のケーブルドラムは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、大リール及び小リールは、回転軸に固定されていたため、大リールと小リールが同時に回転し、大リールにケーブルを巻き取る際、小リールも回転し、小リールにケーブルがからみつくことがあった。
このケーブルのからみつきが発生すると、ケーブルを小リールから離脱させなければならず、ケーブル設置等の作業に多大の悪影響が発生していた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるケーブルドラムは、全体形状が枠形をなし脚部を有するリール保持枠と、前記リール保持枠に回転自在に設けられハンドルを前記リール保持枠の外部に有する回転軸と、前記回転軸に相対回転自在でかつ軸方向の互いに異なる位置に設けられた大リール及び前記大リールよりも小径の小リールと、前記大リールの内面に設けられスプリングを有する蝶番及び第1ストッパにより一方向のみに回動する第1回動板と、前記小リールの内面に設けられスプリングを有する蝶番及び第2ストッパにより前記一方向とは反対方向の他方向のみに回動する第2回動板と、前記回転軸に設けられ前記第1回動板と当接する第1ピンと、前記回転軸に設けられ前記第2回動板と当接する第2ピンとを備え、前記第1ピンと第1回動板が当接した場合に前記第1回動板が第1ストッパと当接して前記大リールのみが前記他方向のみに回転され、前記第2ピンと第2回動板が当接した場合に前記第2回動板が第2ストッパと当接して前記小リールのみが前記一方向のみに回転され、前記大リール及び小リールは同時には同一回転方向へ回転しないようにした構成であり、また、前記大リール及び小リールは、大摺動リング及び小摺動リングを介して前記回転軸に摺動回転自在に設けられている構成であり、また、前記大リールの大リール用サイドプレートには穴が形成され、前記大リールに巻回されたケーブルが前記穴を介して前記小リールに案内して巻回されている構成であり、また、前記ケーブルの両端には、前記ケーブルを固定するためのケーブル固定用ひもが設けられている構成である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるケーブルドラムは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、大リールと小リールが回転軸に対して固定されないで摺動回転自在に設けられ、各リールの内面に設けたストッパと共働する各回動板に回転軸の各ピンが当接する構成とし、各回転板の回動方向が互いに異なる方向であるため、大リールと小リールは互いに逆方向にのみ回転可能となり同時回転を防止できる。
そのため、大リールでケーブルを巻取り中に小リールにケーブルがからみつくことはなく、各リールへのケーブルの巻付けを確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、回転軸に設けた一対のピンを大、小リールに設けたストッパを有する各回動板に当接させ、一方向回転では大又は小リールのみを、他方向回転では小又は大リールのみを回転させ、各リールの同時回転をなくすことにより、一方のリールに巻付けるケーブルが他方のリールにからみつくことのないようにしたケーブルドラムを提供することを目的とする。
【実施例】
【0011】
以下、図面と共に本発明によるケーブルドラムの好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。
図1から図4において符号1で示されるものは、全体形状が枠形をなすリール保持枠であり、このリール保持枠1の基部の両側には一対の脚部3が設けられている。
【0012】
前記リール保持枠1内には、大リール4及びこの大リール4よりも小径の小リール10を軸方向に異なる位置で有する回転軸5が回転自在に軸支されており、この回転軸5にはリール保持枠1の外側に位置するハンドル6が設けられている。前記各リール4,10は、図2で示すように大摺動リング4A及び小摺動リング10Aを介して回転軸5に対して自由回転すなわち摺動回転自在に構成されている。
【0013】
前記大リール4は、一対の大リール用サイドプレート7,8により構成され、この大リール4にはケーブル9が巻回できるように構成されている。
前記大リール4の隣には、小リール10を構成するための小リール用サイドプレート11が設けられ、前記各大リール用サイドプレート7,8の中の一方の大リール用サイドプレート7は小リール10用の一方のサイドプレートを構成している。
【0014】
前記大リール4の前記大リール用サイドプレート7には、図3で示されるような穴25が形成されており、ケーブル9はこの穴25を介して大リール4と小リール10間を案内できるように構成されている。
【0015】
前記大リール4に案内されたケーブルの一端9aが、図2のケーブルクリップ26でクリップされた後に、大リール4の外周に巻回され、このケーブル9の他端9b側は前記小リール10の外周に巻回され、前記各リール4,10からほどかれた前記一端9a及び他端9bは、発射制御器側20及び遠隔操作器側21に接続されている。
【0016】
前記ケーブル9の一端9a及び9bには、コネクタ30,31及びケーブル固定用ひも40,41が設けられており、このケーブル固定用ひも40,41は、何れかのリール4,10のケーブル9を引出す時に、片方のリール4又は10のケーブル9の一端9aか他端9bをケーブル固定用の穴4a又は10aに接続して固定するために設けられている。
【0017】
前記大リール4の内面4aには、図5及び図6で示されるように、スプリング50aを有する蝶番50により回動自在に構成された第1回動板51が矢印Bの一方向のみに回動自在でスプリング50aによって元に戻るように設けられている。
前記第1回動板51は、矢印Bの一方向のみには回動できるが、前記矢印Bとは異なる矢印Cの他方向には回動できないようにラバー52aを有する第1ストッパ52に当接するように構成されている。
【0018】
前記回転軸5の外周には第1ピン5Aが半径方向に突出して設けられており、この回転軸5が矢印Bの一方向(右回転)に回転すると、第1ピン5Aが第1回動板51を一方向B側へ回動させるため、大リール4は回転軸5とは共に回転せず、空回りとなるが、この回転軸5を前述と逆の矢印Cの他方向(左回転)に回転すると、第1ピン5Aが第1回動板51と当接し、この第1回動板51が第1ストッパ52に当接するため、大リール4のみが回転軸5と共に前記他方向Cへ回転するように構成されている。
【0019】
また、前記回転軸5の軸方向で互いに異なる位置には第2ピン5Bが設けられており、この第2ピン5Bは前記小リール10に対応するように構成されている。
前記小リール10の内面には、図7で示される第2回動板70がスプリング71aを有する蝶番71を介して矢印Cの他方向のみに回動自在でスプリング71aによって元に戻るように設けられている。
【0020】
すなわち、前記第2回動板70は、前記第1回動板51とは逆方向に回動自在に設けられており、この第2回動板70は前記他方向Cとは逆の一方向Bには回転できないようにラバー72aを有する第2ストッパ72は当接するように構成されている。
【0021】
前記回転軸5が前記他方向C(左回転)に回転すると、第2ピン5Bが第2回動板70を他方向C側へ回動させるため、小リール10は回転軸5とは共に回転せず、空回りとなるが、この回転軸5を前述と逆の一方向B(右回転)に回転すると、第2ピン5Bが第2回動板70と当接し、この第2回動板70が第2ストッパ72に当接するため、小リール10のみが回転軸5と共に一方向Bへ回転するように構成されている。
【0022】
従って、前述の構成において、前記ハンドル6を回転して、引き出されたケーブル9を大リール4側又は小リール10側へ巻き取る場合について説明する。
前記ハンドル6を他方向C側へ回転させると、回転軸5は左回転となり、第1ピン5Aが図6で示されるように第1回動板51に当接し、この第1回動板51が第1ストッパ52に当接しているため、大リール4は左回転することによりケーブル9が大リール4に巻き取られる。
尚、この左回転時は、前述のように、小リール10は空回りの非回転状態となる。
【0023】
また、前記ハンドル6を一方向B側へ回転させると、回転軸5は右回転となり、第2ピン5Bが図7で示されるように第2回動板70に当接し、この第2回動板70が第2ストッパ72に当接しているため、小リール10は右回転することによりケーブル9が小リール10に巻き取られる。また、この右回転時は、大リール4は空回りの非回転状態である。
尚、この右回転時は、前述のように、大リール4は空回りの非回転状態となる。
【0024】
従って、回転軸5を左右何れかのみの方向に回転させた時は、大、小リール4,10の何れかのみの回転となり、従来のような大、小リール4,10の同時回転を避け、ケーブル9のからみつきを防止すことかできる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、ケーブルに限らず、ホースにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明によるケーブルドラムを示す正面図である。
【図2】図1の一部切欠きを有する側面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図1の背面図である。
【図5】図1の大リール内部を示す正面図である。
【図6】図5の要部のD−D断面図である。
【図7】図1の小リールに設けた第2回動板の構造を示す断面図である。
【図8】図1の回転軸を示す構成図である。
【図9】従来構成を示す平面断面図である。
【図10】図9の右側面図である。
【図11】図9の正面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 リール保持枠
3 脚部
4 大リール
4A 大摺動リング
5 回転軸
5A 第1ピン
5B 第2ピン
6 ハンドル
7,8 大リール用サイドプレート
9 ケーブル
9a 一端
9b 他端
10 小リール
10A 小摺動リング
20 発射制御器側
21 遠隔操作器側
25 穴
40,41 ケーブル固定用ひも
50,71 蝶番
51 第1回動板
52 第1ストッパ
70 第2回動板
72 第2ストッパ
B 一方向(右回転)
C 他方向(左回転)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルドラムに関し、特に、回転軸に設けた一対のピンを大、小リールに設けた各回動板に当接させ、一方向回転では大又は小リールのみを、他方向回転では小又は大リールのみを回転させることにより、各リールの同時回転をなくし、一方のリールに巻付けるケーブルが他方のリールにからみつくことのないようにするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のケーブルドラムとしては、社内製作のみであるため特許文献等は開示していないが、図9から図11で示す構成を挙げることができる。
すなわち、図9から図11において符号1で示されるものは全体形状が枠形をなすリール保持枠であり、このリール保持枠1の基部2の下部には複数のキャスタ3が設けられている。
【0003】
前記リール保持枠1内には大リール4を有する筒状の回転軸5が回転自在に軸支されており、この回転軸5にはハンドル6が設けられている。
前記大リール4は、一対の大リール用サイドプレート7,8により構成され、この大リール4にはケーブル9が巻回できるように構成されている。
【0004】
前記リール保持枠1から突出した前記回転軸5の突出部5aには、前記大リール4よりも小径の小リール10が固定して設けられている。
前記小リール10には、一対の小リール用サイドプレート11,12が設けられている。
【0005】
前記ケーブル9は、前記回転軸5の中空部5aを貫通してこの回転軸5のほぼ中央位置に形成された開口5bから大リール4内へ案内され、このケーブル9の一端9a側はこの大リール4に50〜60m分が巻回されていると共に、その他端9b側は前記小リール10に5〜6m分が巻回されている。
【0006】
前述の構成において、大リール4に巻回されたケーブル9の一端9aは、例えば、発射制御器側20に接続され、その他端9bは小リール10からはずして引出し遠隔操作器側21に接続される。
前記遠隔操作器側21でケーブル9を介して前記発射制御器側20に信号を送信し、発射制御を行うことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のケーブルドラムは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、大リール及び小リールは、回転軸に固定されていたため、大リールと小リールが同時に回転し、大リールにケーブルを巻き取る際、小リールも回転し、小リールにケーブルがからみつくことがあった。
このケーブルのからみつきが発生すると、ケーブルを小リールから離脱させなければならず、ケーブル設置等の作業に多大の悪影響が発生していた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるケーブルドラムは、全体形状が枠形をなし脚部を有するリール保持枠と、前記リール保持枠に回転自在に設けられハンドルを前記リール保持枠の外部に有する回転軸と、前記回転軸に相対回転自在でかつ軸方向の互いに異なる位置に設けられた大リール及び前記大リールよりも小径の小リールと、前記大リールの内面に設けられスプリングを有する蝶番及び第1ストッパにより一方向のみに回動する第1回動板と、前記小リールの内面に設けられスプリングを有する蝶番及び第2ストッパにより前記一方向とは反対方向の他方向のみに回動する第2回動板と、前記回転軸に設けられ前記第1回動板と当接する第1ピンと、前記回転軸に設けられ前記第2回動板と当接する第2ピンとを備え、前記第1ピンと第1回動板が当接した場合に前記第1回動板が第1ストッパと当接して前記大リールのみが前記他方向のみに回転され、前記第2ピンと第2回動板が当接した場合に前記第2回動板が第2ストッパと当接して前記小リールのみが前記一方向のみに回転され、前記大リール及び小リールは同時には同一回転方向へ回転しないようにした構成であり、また、前記大リール及び小リールは、大摺動リング及び小摺動リングを介して前記回転軸に摺動回転自在に設けられている構成であり、また、前記大リールの大リール用サイドプレートには穴が形成され、前記大リールに巻回されたケーブルが前記穴を介して前記小リールに案内して巻回されている構成であり、また、前記ケーブルの両端には、前記ケーブルを固定するためのケーブル固定用ひもが設けられている構成である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるケーブルドラムは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、大リールと小リールが回転軸に対して固定されないで摺動回転自在に設けられ、各リールの内面に設けたストッパと共働する各回動板に回転軸の各ピンが当接する構成とし、各回転板の回動方向が互いに異なる方向であるため、大リールと小リールは互いに逆方向にのみ回転可能となり同時回転を防止できる。
そのため、大リールでケーブルを巻取り中に小リールにケーブルがからみつくことはなく、各リールへのケーブルの巻付けを確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、回転軸に設けた一対のピンを大、小リールに設けたストッパを有する各回動板に当接させ、一方向回転では大又は小リールのみを、他方向回転では小又は大リールのみを回転させ、各リールの同時回転をなくすことにより、一方のリールに巻付けるケーブルが他方のリールにからみつくことのないようにしたケーブルドラムを提供することを目的とする。
【実施例】
【0011】
以下、図面と共に本発明によるケーブルドラムの好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。
図1から図4において符号1で示されるものは、全体形状が枠形をなすリール保持枠であり、このリール保持枠1の基部の両側には一対の脚部3が設けられている。
【0012】
前記リール保持枠1内には、大リール4及びこの大リール4よりも小径の小リール10を軸方向に異なる位置で有する回転軸5が回転自在に軸支されており、この回転軸5にはリール保持枠1の外側に位置するハンドル6が設けられている。前記各リール4,10は、図2で示すように大摺動リング4A及び小摺動リング10Aを介して回転軸5に対して自由回転すなわち摺動回転自在に構成されている。
【0013】
前記大リール4は、一対の大リール用サイドプレート7,8により構成され、この大リール4にはケーブル9が巻回できるように構成されている。
前記大リール4の隣には、小リール10を構成するための小リール用サイドプレート11が設けられ、前記各大リール用サイドプレート7,8の中の一方の大リール用サイドプレート7は小リール10用の一方のサイドプレートを構成している。
【0014】
前記大リール4の前記大リール用サイドプレート7には、図3で示されるような穴25が形成されており、ケーブル9はこの穴25を介して大リール4と小リール10間を案内できるように構成されている。
【0015】
前記大リール4に案内されたケーブルの一端9aが、図2のケーブルクリップ26でクリップされた後に、大リール4の外周に巻回され、このケーブル9の他端9b側は前記小リール10の外周に巻回され、前記各リール4,10からほどかれた前記一端9a及び他端9bは、発射制御器側20及び遠隔操作器側21に接続されている。
【0016】
前記ケーブル9の一端9a及び9bには、コネクタ30,31及びケーブル固定用ひも40,41が設けられており、このケーブル固定用ひも40,41は、何れかのリール4,10のケーブル9を引出す時に、片方のリール4又は10のケーブル9の一端9aか他端9bをケーブル固定用の穴4a又は10aに接続して固定するために設けられている。
【0017】
前記大リール4の内面4aには、図5及び図6で示されるように、スプリング50aを有する蝶番50により回動自在に構成された第1回動板51が矢印Bの一方向のみに回動自在でスプリング50aによって元に戻るように設けられている。
前記第1回動板51は、矢印Bの一方向のみには回動できるが、前記矢印Bとは異なる矢印Cの他方向には回動できないようにラバー52aを有する第1ストッパ52に当接するように構成されている。
【0018】
前記回転軸5の外周には第1ピン5Aが半径方向に突出して設けられており、この回転軸5が矢印Bの一方向(右回転)に回転すると、第1ピン5Aが第1回動板51を一方向B側へ回動させるため、大リール4は回転軸5とは共に回転せず、空回りとなるが、この回転軸5を前述と逆の矢印Cの他方向(左回転)に回転すると、第1ピン5Aが第1回動板51と当接し、この第1回動板51が第1ストッパ52に当接するため、大リール4のみが回転軸5と共に前記他方向Cへ回転するように構成されている。
【0019】
また、前記回転軸5の軸方向で互いに異なる位置には第2ピン5Bが設けられており、この第2ピン5Bは前記小リール10に対応するように構成されている。
前記小リール10の内面には、図7で示される第2回動板70がスプリング71aを有する蝶番71を介して矢印Cの他方向のみに回動自在でスプリング71aによって元に戻るように設けられている。
【0020】
すなわち、前記第2回動板70は、前記第1回動板51とは逆方向に回動自在に設けられており、この第2回動板70は前記他方向Cとは逆の一方向Bには回転できないようにラバー72aを有する第2ストッパ72は当接するように構成されている。
【0021】
前記回転軸5が前記他方向C(左回転)に回転すると、第2ピン5Bが第2回動板70を他方向C側へ回動させるため、小リール10は回転軸5とは共に回転せず、空回りとなるが、この回転軸5を前述と逆の一方向B(右回転)に回転すると、第2ピン5Bが第2回動板70と当接し、この第2回動板70が第2ストッパ72に当接するため、小リール10のみが回転軸5と共に一方向Bへ回転するように構成されている。
【0022】
従って、前述の構成において、前記ハンドル6を回転して、引き出されたケーブル9を大リール4側又は小リール10側へ巻き取る場合について説明する。
前記ハンドル6を他方向C側へ回転させると、回転軸5は左回転となり、第1ピン5Aが図6で示されるように第1回動板51に当接し、この第1回動板51が第1ストッパ52に当接しているため、大リール4は左回転することによりケーブル9が大リール4に巻き取られる。
尚、この左回転時は、前述のように、小リール10は空回りの非回転状態となる。
【0023】
また、前記ハンドル6を一方向B側へ回転させると、回転軸5は右回転となり、第2ピン5Bが図7で示されるように第2回動板70に当接し、この第2回動板70が第2ストッパ72に当接しているため、小リール10は右回転することによりケーブル9が小リール10に巻き取られる。また、この右回転時は、大リール4は空回りの非回転状態である。
尚、この右回転時は、前述のように、大リール4は空回りの非回転状態となる。
【0024】
従って、回転軸5を左右何れかのみの方向に回転させた時は、大、小リール4,10の何れかのみの回転となり、従来のような大、小リール4,10の同時回転を避け、ケーブル9のからみつきを防止すことかできる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、ケーブルに限らず、ホースにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明によるケーブルドラムを示す正面図である。
【図2】図1の一部切欠きを有する側面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図1の背面図である。
【図5】図1の大リール内部を示す正面図である。
【図6】図5の要部のD−D断面図である。
【図7】図1の小リールに設けた第2回動板の構造を示す断面図である。
【図8】図1の回転軸を示す構成図である。
【図9】従来構成を示す平面断面図である。
【図10】図9の右側面図である。
【図11】図9の正面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 リール保持枠
3 脚部
4 大リール
4A 大摺動リング
5 回転軸
5A 第1ピン
5B 第2ピン
6 ハンドル
7,8 大リール用サイドプレート
9 ケーブル
9a 一端
9b 他端
10 小リール
10A 小摺動リング
20 発射制御器側
21 遠隔操作器側
25 穴
40,41 ケーブル固定用ひも
50,71 蝶番
51 第1回動板
52 第1ストッパ
70 第2回動板
72 第2ストッパ
B 一方向(右回転)
C 他方向(左回転)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体形状が枠形をなし脚部(3)を有するリール保持枠(1)と、前記リール保持枠(1)に回転自在に設けられハンドル(6)を前記リール保持枠(1)の外部に有する回転軸(5)と、前記回転軸(5)に相対回転自在でかつ軸方向の互いに異なる位置に設けられた大リール(4)及び前記大リール(4)よりも小径の小リール(10)と、前記大リール(4)の内面に設けられスプリング(50a)を有する蝶番(50)及び第1ストッパ(52)により一方向(B)のみに回動する第1回動板(51)と、前記小リール(10)の内面に設けられスプリング(71a)を有する蝶番(71)及び第2ストッパ(72)により前記一方向(B)とは反対方向の他方向(C)のみに回動する第2回動板(70)と、前記回転軸(5)に設けられ前記第1回動板(51)と当接する第1ピン(5A)と、前記回転軸(5)に設けられ前記第2回動板(70)と当接する第2ピンとを備え、
前記第1ピン(5A)と第1回動板(51)が当接した場合に前記第1回動板(51)が第1ストッパ(52)と当接して前記大リール(4)のみが前記他方向(C)のみに回転され、前記第2ピン(5B)と第2回動板(70)が当接した場合に前記第2回動板(70)が第2ストッパ(72)と当接して前記小リール(10)のみが前記一方向(B)のみに回転され、前記大リール(4)及び小リール(10)は同時には同一回転方向へ回転しないように構成されていることを特徴とするケーブルドラム。
【請求項2】
前記大リール(4)及び小リール(10)は、大摺動リング(4A)及び小摺動リング(10A)を介して前記回転軸(5)に摺動回転自在に設けられていることを特徴とする請求項1記載のケーブルドラム。
【請求項3】
前記大リール(4)の大リール用サイドプレート(7)には穴(25)が形成され、前記大リール(4)に巻回されたケーブル(9)が前記穴(25)を介して前記小リール(10)に案内して巻回されていることを特徴とする請求項1又は2記載のケーブルドラム。
【請求項4】
前記ケーブル(9)の両端には、前記ケーブル(9)を固定するためのケーブル固定用ひも(40,41)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のケーブルドラム。
【請求項1】
全体形状が枠形をなし脚部(3)を有するリール保持枠(1)と、前記リール保持枠(1)に回転自在に設けられハンドル(6)を前記リール保持枠(1)の外部に有する回転軸(5)と、前記回転軸(5)に相対回転自在でかつ軸方向の互いに異なる位置に設けられた大リール(4)及び前記大リール(4)よりも小径の小リール(10)と、前記大リール(4)の内面に設けられスプリング(50a)を有する蝶番(50)及び第1ストッパ(52)により一方向(B)のみに回動する第1回動板(51)と、前記小リール(10)の内面に設けられスプリング(71a)を有する蝶番(71)及び第2ストッパ(72)により前記一方向(B)とは反対方向の他方向(C)のみに回動する第2回動板(70)と、前記回転軸(5)に設けられ前記第1回動板(51)と当接する第1ピン(5A)と、前記回転軸(5)に設けられ前記第2回動板(70)と当接する第2ピンとを備え、
前記第1ピン(5A)と第1回動板(51)が当接した場合に前記第1回動板(51)が第1ストッパ(52)と当接して前記大リール(4)のみが前記他方向(C)のみに回転され、前記第2ピン(5B)と第2回動板(70)が当接した場合に前記第2回動板(70)が第2ストッパ(72)と当接して前記小リール(10)のみが前記一方向(B)のみに回転され、前記大リール(4)及び小リール(10)は同時には同一回転方向へ回転しないように構成されていることを特徴とするケーブルドラム。
【請求項2】
前記大リール(4)及び小リール(10)は、大摺動リング(4A)及び小摺動リング(10A)を介して前記回転軸(5)に摺動回転自在に設けられていることを特徴とする請求項1記載のケーブルドラム。
【請求項3】
前記大リール(4)の大リール用サイドプレート(7)には穴(25)が形成され、前記大リール(4)に巻回されたケーブル(9)が前記穴(25)を介して前記小リール(10)に案内して巻回されていることを特徴とする請求項1又は2記載のケーブルドラム。
【請求項4】
前記ケーブル(9)の両端には、前記ケーブル(9)を固定するためのケーブル固定用ひも(40,41)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のケーブルドラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−306605(P2006−306605A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−133968(P2005−133968)
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)
【Fターム(参考)】
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