説明

ケーブル工事車の制御装置

【課題】誤操作時にも所定の作動手順に従う順序でケーブル作業装置の作動を確実に実行可能なケーブル工事車の制御装置の提供。
【解決手段】ケーブル工事車の制御装置は、所定の作動手順でドラムを回転させケーブルの巻取や繰出を行うケーブル作業装置と、ケーブル作業装置の各作動を操作する操作装置90と、操作装置からの操作信号に基づきケーブル作業装置の各作動を実行するバルブ制御部111と、ケーブル作業装置の各作動の完了を検出する検出器121〜126と、検出情報に基づき操作装置が指令した作動が所定の作動手順に従う順序か否かを判定する判断部113と、操作装置が指令した該作動が所定の手順に従う順序でないと判断部が判定した時に、操作装置が指令した該作動より前段の作動であって検出器が未完了と検出した作動を所定の手順に従う順序に基づき自動で実行した上で、操作装置が指令した該作動を実行する制御を行う実行部115とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルドラムを回転させてケーブルの繰り出しや巻き取りを行うケーブル作業装置の作動を制御するケーブル工事車の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電柱間にケーブルを架け渡す架線工事やバイパス工法による無停電工事等を行うときにはケーブルの架設や撤去を行う必要があり、これらの作業を効率よく行うためには車体上にケーブル作業装置を搭載したケーブル工事車と称される車両が広く用いられている。このようなケーブル工事車はトラックをベース車両とし、その荷台上にケーブルドラムの選択やケーブルの繰り出し・巻き取り作動等が自在に構成されたケーブル作業装置が備えられており、例えば特許文献1には、バイパスケーブルの架設・撤去工事を行う場合に用いられるケーブル作業装置が開示されている。
【0003】
バイパス工事に使用されるケーブル作業装置は、例えば図11に示すように、複数のケーブルドラム201を公転作動させて所望のケーブルドラム201を所定の自転位置に位置決めするドラム公転装置202と、ケーブルドラム201の自転作動可能となる自転位置でケーブルドラム201を回転(自転)自在に支持するドラム固定装置203と、自転位置にあるケーブルドラム201に回転駆動可能なドライブローラ204を当接させて自転作動させるドラム自転装置205とを有して構成されており、ケーブルドラム201を正回転方向(繰出方向)に回転作動させることによりバイパスケーブルの繰り出し作業を行うことができ、逆回転方向(巻取方向)に回転作動させることによりバイパスケーブルの巻き取り作業を行うことができるようになっている。このようなケーブル作業装置において、例えばバイパスケーブルの繰出作動時の作動手順は、まずドラム公転装置202により複数のケーブルドラム201を公転させ所望のケーブルドラム201を自転位置に位置決めし、次に自転位置にあるケーブルドラム201をドラム固定装置203により回転可能に支持し、続いてケーブルドラム201にドライブローラ204を当接させ、最後にドライブローラ204を回転駆動してケーブルドラム201を正回転方向に自転させる、という流れになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平2−8933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように構成されるケーブル作業装置を用いて工事を行うときには、オペレータはケーブル工事車の車体後方側部に設けられた操作盤や、この操作盤に接続したリモコン(遠隔操作装置)を操作することによってケーブル作業装置の各作動を所定の作動手順に従った順序で行い、バイパスケーブルの繰り出しや巻き取り作業を行う。このとき、オペレータによっては(特に未習塾なオペレータにとっては)日頃慣れていない操作や不注意によって操作手順を間違えてしまう場合があり、オペレータにより手順の飛ばされた操作が行われると、安全性の観点からケーブル工事車に搭載された制御装置(コントローラ)によるインターロック規制が実行され当該作動が禁止されるようになっている。このようなインターロック規制が行われることによりオペレータは安心して操作を行うことができるものの、オペレータは不慣れな操作や複雑な操作手順によって同じ過ちを繰り返して作動操作をスムーズに進めることができず、その結果、作業効率が低下するという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、オペレータが操作を誤った場合でも所定の作動手順に従った正しい順序でケーブル作業装置の作動を確実に行うことが可能な構成のケーブル工事車の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に関わるケーブル工事車の制御装置は、走行可能な車体と、車体上に設けられ、所定の作動手順に従ってケーブルドラムを回転させてケーブルの巻き取りあるいは繰り出しを行うケーブル作業装置と、ケーブル作業装置の各作動を操作する操作装置と、操作装置からの操作信号に基づいてケーブル作業装置の各作動を実行する作動制御手段(例えば、実施形態におけるバルブ制御部111)と、ケーブル作業装置の各作動の完了を検出する検出手段(例えば、実施形態における検出器121〜126)と、検出手段からの検出情報に基づいて操作装置より指令された作動が所定の作動手順に従った順序であるか否かを判定する判断手段(例えば、実施形態における判断部113)と、判断手段により操作装置から指令された該作動が所定の手順に従った順序でないと判定されたときに、操作装置から指令された該作動よりも前段の作動であって検出手段により未完了と検出された作動を所定の手順に従った順序に基づいて自動で実行した上で、操作装置から指令された該作動を実行する制御を行う自動制御手段(例えば、実施形態における実行部115)とを備えて構成される。
【0008】
上記構成のケーブル工事車の制御装置において、ケーブル作業装置における所定の作動手順の各作動のうち、自動制御手段による制御の実行を許容するための絶対条件となる作動が予め定められており、検出手段により絶対条件となる作動が未完了であると検出された場合には、操作装置により絶対条件となる作動よりも後段の作動操作が行われたときでも自動制御手段による制御が規制されることが好ましい。
【0009】
また、上記構成のケーブル工事車の制御装置において、ケーブル作業装置は、複数のケーブルドラムを公転させるドラム公転装置と、ドラム公転装置により複数のケーブルドラムのうち所定の自転位置に位置決めされたケーブルドラムを公転不能なように固定するドラム固定装置と、回転駆動可能なドライブローラをケーブルドラムに当接させて自転位置に位置決めされたケーブルドラムを回転させるドラム自転装置とを有し、検出手段が、ドラム公転装置、ドラム固定装置、およびドラム自転装置の各作動の完了を検出するように構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るケーブル工事車の制御装置によれば、誤って操作された作動に対してインターロック規制をしつつ、手順の飛ばされた前段の作動を正しい作動手順に従って自動で実行した上でそれまでインターロック規制されていた当該作動が許容されて実行されるため、誤った操作の繰り返しや作業の中断が防止され、ケーブル作業の作業効率が向上するとともに、未習熟のオペレータでも確実に作業を行えるようになる。
【0011】
また、ケーブル作業装置における所定の作動手順の各作動のうち、自動制御手段による制御の実行を許容するための絶対条件となる作動を定めることにより、例えば安全性等の観点からオペレータの判断が必要になる作動等については誤った操作が行われたときでも自動制御手段による制御を規制することで、ケーブル作業を正確且つ安全に実施することができる。
【0012】
さらに、ケーブル作業装置を複数のケーブルドラムを公転させるドラム公転装置と、ドラム公転装置により複数のケーブルドラムのうち所定の自転位置に位置決めされたケーブルドラムを公転不能なように固定するドラム固定装置と、回転駆動可能なドライブローラをケーブルドラムに当接させて自転位置に位置決めされたケーブルドラムを回転させるドラム自転装置とを備えてバイパスケーブル作業装置として構成することにより、バイパス工法による無停電工事に用いられるバイパスケーブルの架設・撤去作業時の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係るケーブル工事車の制御装置における制御構成を示すブロック図である。
【図2】上記ケーブル工事車を示す側面図である。
【図3】上記ケーブル工事車を示す平面図である。
【図4】上記ケーブル工事車を示す背面図である。
【図5】上記ケーブル工事車に搭載されるケーブル作業装置を示す側面図であり、ドラム自転位置を示す。
【図6】上記ケーブル作業装置を示す側面図であり、ドラム走行位置を示す。
【図7】(A)は操作装置を示す正面図であり、(B)は操作装置を示す側面図である。
【図8】遠隔操作装置を示す正面図である。
【図9】上記制御装置における作動制御の判断条件を示す表である。
【図10】上記制御装置による制御方法の一例を示すフローチャートである。
【図11】従来のケーブル作業装置の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本実施形態に係る制御装置が適用されたケーブル工事車(バイパスケーブル工事車)の側面図、平面図、および背面図をそれぞれ図2、図3および図4に示しており、まず始めに、これらの図面を参照してケーブル工事車1の全体構成について説明する。
【0015】
ケーブル工事車1は、図2に示すように、タイヤ車輪11,11,…を備えて運転キャブ12から走行運転操作が可能なトラック式の車体10と、車体10上であって運転キャブ12よりも後方側の荷台13に設けられたボディ20と、ボディ20内に搭載されバイパスケーブルC(図5を参照)の架設および撤去作業に用いられるケーブル作業装置30と、ボディ20内に配設されケーブル作業装置30等の各装置の作動操作を行うための操作装置90とを有して構成されている。
【0016】
ボディ20は、車体10上であって荷台13前部に固設された略箱形状の固定ボディ21と、荷台13上で前後方向に延びる左右一対のガイドレール23に沿って摺動自在に設けられた略箱形状の可動ボディ22とを有して構成されている。固定ボディ21は後面側と下面側とを開口させ、可動ボディ22は前後面側と下面側とを開口させており、可動ボディ22を前側(固定ボディ21側)に摺動させることにより固定ボディ21が可動ボディ22の内壁面に沿って収納されるようになっている。なお、可動ボディ22は、側方に突出して回転自在に設けられた複数のローラ体(図示せず)を有しており、ガイドレール23上に固設された2つのスプロケット(図示しない)に無端状の環状チェーン25が巻回されて構成されるボディ駆動機構24を介して、一方のスプロケットに連結されたボディ駆動モータ26(図1を参照)の回転駆動力が伝達されることで(回転駆動力が直進運動に変換されることで)、ローラ体がガイドレール23に沿って案内されて前後方向に摺動可能に構成されている。
【0017】
可動ボディ22の後面側には、上下に開閉可能なシャッター式の扉27が設けられており、この扉27を上側に開くと可動ボディ22の後面側が大きく開口してボディ20内が大きく露出するようになっている。また、車体10の後部には、ケーブル作業装置30で使用するドラム(ケーブルドラム)40等を容易に積み降ろし可能にするためのテールゲートリフタ28が設けられている。テールゲートリフタ28は、可動ボディ22の扉の幅とほぼ同じ長さの幅を有したリフトテーブル28aが垂直格納姿勢と水平張出姿勢との間で揺動自在になっており(図2ではリフトテーブル28aの格納姿勢を示している)、水平張出姿勢(後方張出姿勢)を保持したまま、図示しない油圧シリンダによりこれを昇降移動させることができるようになっている。
【0018】
このようなケーブル工事車1は、可動ボディ22をガイドレール23に沿って荷台13の後端まで摺動させて可動ボディ22の後面開口を扉27で閉じることにより車体10を安定して走行させることが可能な走行姿勢をとることができ、可動ボディ22の後面開口を開放させて可動ボディ22をガイドレール23に沿って荷台13の前端まで摺動させることによりケーブル作業装置30を安全に作動させることが可能な作業姿勢をとることができる(図2ではケーブル工事車1の走行姿勢を示している)。
【0019】
ケーブル作業装置30は、荷台13上に設置された架台31と、複数のドラム40(40a,40b,40c,40d,40e)を公転作動させるドラム公転装置50と、複数のドラム40のうち回転可能(自転可能)となる所定の位置(以下、「自転位置」と称する)に位置決めされたドラム40をその位置で回転可能に保持するドラム固定装置60と、自転位置にあるドラム40を自転作動させるドラム自転装置70と、バイパスケーブルCの乱巻き等を防止するトラバーサ装置80とを主体に構成されている。
【0020】
ドラム40は、無停電工法に用いられるバイパスケーブルCを巻き取ることが可能な円筒状の巻胴41と、この巻胴41の両端部に半径方向外側に突出する円盤状の鍔部42とを有している。巻胴41は、外径の小さい小径胴部41aと、この小径胴部41aよりも径の大きい大径胴部41bとから構成されており、大径胴部41bの左側端部(小径胴部41aとの仕切部)には径方向外側に突出し互いに一定の間隔を有して配設された4つの突出部43が設けられている。小径胴部41aはケーブルクランプ(図示しない)によりバイパスケーブルCを掛止するための役割を有し、大径胴部41bは小径胴部41aで掛止されたバイパスケーブルCを巻回する役割を有し、突出部43は大径胴部41bに巻回されたバイパスケーブルCが大径胴部41bから小径胴部41aに脱離するのを防止する役割を有している。
【0021】
鍔部42の中央には軸方向に貫通する貫通孔(図示しない)が設けられており、この貫通孔にはドラムシャフト44が嵌挿されている。ドラムシャフト44は、棒状のシャフト本体44aと、シャフト本体44aの左側端部に固着されたギヤ44bとを有して構成されており、シャフト本体44aの右側端部とギヤ44bの右側には円筒状のローラ45(図5を参照)が回転自在に設けられている。シャフト本体44aには軸方向に3つのドラム40,40,40が連接して設けられており、この連接するドラム40において隣り合う鍔部42同士のボッチ(凸部)と溝(凹部)とを嵌合させることで、3つのドラム40がドラムシャフト44を回転中心として一体に回転可能になっている。
【0022】
ドラム公転装置50は、図5に示すように、架台31のフレーム32,33にそれぞれ枢支された駆動スプロケット51および従動スプロケット52と、駆動スプロケット51に回転軸(出力軸)が連結された公転駆動用モータ53(図1を参照)と、両スプロケット51,52間に掛け渡された無端状の公転駆動チェーン54とを有して構成されており、公転駆動チェーン54には各ブラケット55(55a,55b,55c,55d,55e)を介して複数のドラム40(40a,40b,40c,40d,40e)がそれぞれ所定の間隔離れて回転自在に取り付けられている。
【0023】
ドラム公転装置50において、次述するドラム固定装置60の係合連結を解除した状態で公転駆動用モータ53を回転駆動させることにより、その回転駆動力が駆動スプロケット51、公転駆動チェーン54、および従動スプロケット52に伝達され、公転駆動チェーン54の駆動とともに複数のドラム40が循環的に公転して、複数のドラム40のうちの所望のドラム40を自転位置に移動させることができる(図5ではドラム40aを自転位置に位置決めした状態を示す)。また、ケーブル工事車1を走行させる際(ケーブル作業の終了の際)には、図6に示すように、公転駆動チェーン54の駆動とともにドラム40を循環的に公転して、複数のドラム40うちの隣り合う3つのドラム40を下方に位置させ残りの2つのドラム40を上方に位置させた姿勢位置(このときのドラム40の位置を「走行位置」と称する)に移動させ、ドラム40を支持するドラム公転装置50を走行安定性が確保された(ドラム40の重量バランスが確保された)安定姿勢に保持することができる。
【0024】
ドラム固定装置60は、架台31のフレーム32においてピン62回りに上下揺動自在に枢結されたロックアーム61と、このロックアーム61を上下に揺動させるためのロックアーム揺動シリンダ63とを有して構成されており、ロックアーム61の先端部にはドラム40のローラ45と係合可能な鉤形状のロック部61aが形成されている。
【0025】
このドラム固定装置60は、ロックアーム揺動シリンダ63の伸長作動によりロックアーム61を上方に揺動させて、ロックアーム61のロック部61aとドラム40のローラ45とを係合させることでドラム40を自転位置において回転自在に支持し(このときのロックアーム61の位置を「ロック位置」と称する)、バイパスケーブルCの繰り出し或いは巻き取り作動を可能にするとともに、これらのケーブル作業時においてバイパスケーブルCからドラム40に作用する張力によって駆動スプロケット51を強制的に回転(公転駆動チェーン54を循環移動)させようとする回転モーメントに抗してドラム40を支持し、ドラム公転装置50の両スプロケット51,52や、公転駆動チェーン54、公転駆動モータ53等に無理な負荷が作用するのを防止している。
【0026】
なお、再びドラム公転装置50により5つのドラム40を循環的に公転させるときは、図6に示すように、ロックアーム揺動シリンダ63の収縮作動によりロックアーム61を下方に揺動させて、ロックアーム61のロック部61aをドラム40のローラ45から離隔させることで、ロックアーム61とドラム40との係合を解除することができる(このときのロックアーム61の位置を「アンロック位置」と称する)。
【0027】
ドラム自転装置70は、荷台13の床下に上下揺動自在に枢結されたドライブアーム71と、ドライブアーム71の両側面に回転自在に軸支された一対のドライブローラ72と、ドライブアーム71内に内蔵されドライブローラ72を回転作動させるドライブモータ73(図1を参照)と、ドライブアーム71に取り付けられたブラケット74と、ボトム部が荷台13に枢結されロッド部がスプリング(図示しない)を介してブラケット74に取り付けられたドライブアーム揺動シリンダ75とを有して構成される。左右一対のドライブローラ72はゴム等の弾性材料を用いて形成されており、その左右方向の配設位置が3つ連接するドラム40のうちの中央に位置するドラム40の両鍔部42に対応位置して設けられている。
【0028】
ドラム自転装置70において、ドライブアーム揺動シリンダ75を伸長作動させることでドライブアーム71を上方に揺動して各ドライブローラ72をドラム40の鍔部42に当接させることができ(図5に二点鎖線で示すこのときのドライブアーム71の位置を「ドライブ位置」と称する)、このドライブ位置でドライブモータ73を回転駆動させることにより、その回転駆動力がドライブローラ72に伝達され、当接状態にあるドライブローラ72の外周面とドラム40の鍔部42との間に生じる摩擦力によってドラム40が回転作動(自転作動)する。一方、ドライブアーム揺動シリンダ75を収縮作動させることでドライブアーム71を下方に揺動して、このドラム自転装置70を荷台13の床下に収納させることができる(図5に実線で示すこのときのドライブアーム71の位置を「待機位置」と称する)。
【0029】
トラバーサ装置80は、図3に示すように、架台31(図2を参照)に上下に揺動自在に取り付けられた左右一対のトラバーサアーム81と、トラバーサアーム81を上下に揺動させるためのトラバーサ揺動シリンダ82(図2を参照)と、一対のトラバーサアーム81の間で回転自在に水平に架け渡されたローラ保持軸83と、ローラ保持軸83の左端部に嵌合されたスクリュー部(リードスクリュー)84と、スクリュー部84に固定されたブラケット85aを介してローラ保持軸83に沿って左右に移動自在に設けられた第1ガイドローラ85と、ブラケット86aを介してローラ保持軸83の中央に左右に移動自在に設けられた第2ガイドローラ86と、ブラケット87aを介してローラ保持軸83の右端部に左右に移動自在に設けられた第3ガイドローラ87と、ドラムシャフト44のギヤ44bに連結されドライブモータ73の回転駆動力をローラ保持軸83に伝達するチェーン駆動機構88とを有して構成されており、第1〜第3ガイドローラ85,86,87はローラ保持軸83に左右方向に所定の間隔を有して配置されている。
【0030】
スクリュー部84の外周面には不図示の螺旋溝(往動溝と復動溝)が設けられており、スクリュー部84(ローラ保持軸83)の一方向回転のみによって、(このスクリュー部84に係合するブラケット85aを介して)第1ガイドローラ85を左右に往復移動させることができる。また、第1ガイドローラ85と第2ガイドローラ86との間、および第2ガイドローラ86と第3ガイドローラ87との間はロッド(図示しない)によって連結されることで、第1ガイドローラ85の往復移動に連動して第2および第3ガイドローラ86,87も一体となって左右に往復移動するようになっている。
【0031】
ガイドローラ85,86,87は4つのローラを矩形状に配設して構成されており(四面ローラとも称される)、これらのローラ間にバイパスケーブルCが挿通可能な空間部が形成されている。これにより、ガイドローラ85,86,87を左右に往復移動させながらバイパスケーブルCをドラム40に巻き取ることで、バイパスケーブルCの巻き取り位置を調節してバイパスケーブルCを乱れることなくドラム40に巻回させることができる。
【0032】
ケーブル作業装置30等の各作動操作を行うために荷台13上に配設された操作装置90は、図7に示すように、操作装置本体としての役割をする後部操作装置91と、この後部操作装置91にケーブル(信号線)を介して電気的に接続された有線式の遠隔操作装置(リモコン)100とから構成されている。
【0033】
後部操作装置91には、その正面側の最上段に、複数のドラム40のうちから自転位置に位置決めする所望のドラム40を選択するための5つのドラム選択スイッチ92、各ドラム選択スイッチ92に対応して設けられ選択したドラム40が自転位置に位置決めされたときに点灯する5つのドラム選択表示灯93、複数のドラム40を走行位置に位置決めするためのドラム走行位置スイッチ94、ドラム40が走行位置に位置決めされたときに点灯するドラム走行位置表示灯95、および、ドラム選択スイッチ92或いはドラム走行位置スイッチ94を選択操作した上でオン操作することによりドラム公転装置50を作動させて選択した所望のドラム40を自転位置或いは複数のドラム40を走行位置まで公転させるための公転スイッチ99が設けられている。ドラム選択表示灯93の上方にはドラム40の番号(ドラム40a〜40eに対して1〜5の番号)が刻印されており、ケーブル作業に必要なドラム40の番号に応じたドラム選択スイッチ92を選択操作した後に、更に公転スイッチ99をオン操作することにより、この選択された当該ドラム40が自転位置まで公転して位置決めされたところで、対応する番号のドラム選択表示灯93が点灯するようになっている。また同様に、複数のドラム40を走行位置に位置決めするときには、ドラム走行位置スイッチ94をオン操作し、更に公転スイッチ99をオン操作することにより、複数のドラム40が走行位置まで公転して位置決めされたところで、ドラム走行位置表示灯95が点灯するようになっている。
【0034】
後部操作装置91の正面側には更に、上、下もしくは中央いずれかの位置に傾動させておくことが可能なトグルスイッチからなるロックアーム操作スイッチ96、およびトラバーサアーム操作スイッチ97などが設けられている。ロックアーム操作スイッチ96はその傾動操作位置に応じてロックアーム61を上下に揺動させるためのトグルスイッチであり、トラバーサアーム操作スイッチ97はその傾動操作位置に応じてトラバーサアーム81を上下に揺動させるためのトグルスイッチである。
【0035】
後部操作装置91の側面側には、上、下もしくは中央いずれかの位置に傾動させておくことが可能なトグルスイッチからなりその傾動操作位置に応じて可動ボディ22を前後方向にスライド移動させるための可動ボディ操作スイッチ98や、遠隔操作装置100のケーブルを接続するためのリモコン接続口109などが設けられている。オペレータは作業開始の際に可動ボディ22の扉27を全開にすることで簡単に後部操作装置91の側面側にアクセスすることができ、この側面側に設けられた可動ボディ操作スイッチ98を傾動操作することで、可動ボディ22を前側にスライド移動させて荷台13の後部側を開放させ、車体10の左側部から後部操作装置91の正面側の各スイッチ類にアクセスすることができるようになっている。
【0036】
遠隔操作装置100には、図8に示すように、左、右もしくは中央いずれかの位置に傾動させておくことが可能なトグルスイッチからなりその傾動操作位置に応じてドライブアーム71を上下に揺動させるためのドライブアーム操作スイッチ101や、ドラム40を正回転方向に自転作動させる(バイパスケーブルCをドラム40から繰り出す)ための繰出スイッチ102、ドラム40を逆回転方向に自転作動させる(バイパスケーブルCをドラム40に巻き取る)ための巻取スイッチ103、バイパスケーブルCの繰出し・巻取り作動時に点灯表示する繰出表示灯104および巻取表示灯105などが設けられている。なお、後部操作装置91および遠隔操作装置100にはその他にも、リフトテーブル28a等の作動操作や、ケーブル工事車1の全アクチュエータの作動を停止させるためのスイッチ類や、各作動の完了に伴って点灯表示する表示灯などが設けられているが、その説明は省略する。
【0037】
ここで、図1はケーブル工事車1が備える制御装置の制御構成を示すブロックである。この制御装置は、図1に示すように、操作装置90、検出器121〜128、コントローラ110、制御バルブV1〜V6、油圧ポンプP、油圧アクチュエータ53,63,75,73,82,26等を有して構成される。また、コントローラ110には、バルブ制御部111、記憶部112、判断部113、インターロック制御部114、および実行部115が設けられている。
【0038】
車体10内に設けられた油圧ポンプPは図示しない動力源(エンジンや電動モータ等)により駆動され、この油圧ポンプPが吐出した作動油(圧油)は、公転駆動モータ53の作動を制御する第1制御バルブV1、ロックアーム揺動シリンダ63の作動を制御する第2制御バルブV2、ドライブアーム揺動シリンダ75の作動を制御する第3バルブV3、ドライブモータ73の作動を制御する第4制御バルブV4、トラバーサアーム揺動シリンダ82の作動を制御する第5制御バルブV5、ボディ駆動モータ26の作動を制御する第6制御バルブV6を介して対応する油圧アクチュエータ(公転駆動モータ53、ロックアーム揺動シリンダ63、ドライブアーム揺動シリンダ75、ドライブモータ73、トラバーサアーム揺動シリンダ82、およびボディ駆動モータ26)に供給されるようになっている。
【0039】
前述の操作装置90(後部操作装置91および遠隔操作装置100)における各スイッチ類がオペレータによって操作されると、スイッチ操作に対応した電圧信号が出力され、コントローラ110のバルブ制御部111に入力されるようになっている。
【0040】
コントローラ110のバルブ制御部111は、この入力された操作信号に基づいて対応する制御バルブV1,V2,V3,V4,V5,V6の各スプール(図示せず)を電磁駆動する。ここで、制御バルブV1,V2,V3,V4,V5,V6の各スプールの駆動方向は対応する油圧アクチュエータの駆動方向(伸縮もしくは回転方向)に関係し、各スプールの駆動量は対応する油圧アクチュエータに供給される作動油の流量(単位時間当たりの流量)、すなわち各油圧アクチュエータの作動速度に関係する。したがって、各制御バルブV1,V2,V3,V4,V5,V6のスプールの駆動方向が逆になると対応する油圧アクチュエータの作動方向が逆になり、各制御バルブV1,V2,V3,V4,V5,V6のスプールの駆動量が大きくなるほど対応する油圧アクチュエータの作動速度は大きくなる。
【0041】
コントローラ110の記憶部112には、操作装置90からの操作信号に基づいてケーブル作業装置30の各作動を実行するための所定の作動手順(ケーブル作業開始時およびケーブル作業終了時の作動手順)が予め記憶されている。ケーブル作業装置30における作業開始時の作動手順は、(A1)所望のドラム40を自転位置まで公転させる、(A2)ロックアーム61をロック位置まで揺動させる、(A3)ドライブアーム71をドライブ位置まで揺動させる、(A4)ドラム40を自転させてバイパスケーブルCを繰り出す、という流れになっている。一方、ケーブル作業装置30における作業終了時の作動手順は、(B1)ドラム40を自転停止させバイパスケーブルの巻き取りを停止する、(B2)ドライブアーム71を待機位置まで揺動させる、(B3)ロックアーム61をアンロック位置まで揺動させる、(B4)ドラム40を走行位置まで公転させる、という流れになっている。
【0042】
また、ドラム公転装置50には、ドラム40が自転位置にあるか否かを検出する自転位置検出器121、自転位置にあるドラム40が何番のドラム40であるかを検出するドラム番号検出器122、ドラム40が走行位置にあるか否かを検出する走行位置検出器123が備えられている。一方、ドラム固定装置60には、ロックアーム61がロック位置にあるか否かを検出するロック位置検出器124、アンロック位置にあるか否かを検出するアンロック位置検出器125が備えられている。また、ドラム自転装置70には、ドラム40が待機位置にあるか否かを検出する待機位置検出器126が備えられており、トラバーサ装置80には、トラバーサアーム81が格納位置にあるか否かを検出する格納位置検出器127が設けられている。さらに、ボディ20には可動ボディ22のスライド位置を検出するボディ位置検出器128が設けられている。そして、各検出器121〜128の検出信号はコントローラ110の判断部113に入力される。なお、これらの検出器121〜128は、例えば、リミットスイッチや近接スイッチ、フォトインタラプタ等により構成されている。
【0043】
コントローラ110の判断部113は、各検出器121〜128から入力される検出信号に基づいてドラム公転装置50、ドラム固定装置60、ドラム自転装置70、トラバーサ装置80、およびボディ駆動機構24の各作動が完了しているか否かを判定するとともに、オペレータが操作装置90を用いて指令した作動の順番が記憶部112に設定された上記作動手順に従って実行されるものであるか否かを監視している。ここで作業開始のための作動手順の各段において、判断部113は、ケーブル作業装置30の各作動の完了、すなわちドラム40が自転位置にあるか否かの判断を自転位置検出器121からの検出情報に基づいて行い、自転位置にあるドラム40が後部操作装置91により選択された所望の番号のドラム40であるか否かの判断をドラム番号検出器122からの検出信号に基づいて行い、ロックアーム61がロック位置にあるか否かの判断をロック位置検出器124からの検出信号に基づいて行う。
【0044】
なお、ドライブアーム71がドライブ位置にあるか否かの判断は、バルブ制御部111から第3制御バルブV3(ドライブアーム揺動シリンダ75)に出力される駆動制御信号(駆動制御信号が予め設定された所定時間だけ出力されたか否か)に基づいて行うようになっており、これはドライブローラ72に摩耗等が発生するとドライブ位置が変動する場合があるからであり、ドライブアーム71駆動のための駆動制御量(所定時間)を大きめに設定しておくことにより確実にドライブローラ72をドラム40に当接させることができるからである。なお、ドライブアーム揺動シリンダ75の油圧回路上に不図示のリリーフ弁を設けることにより、上記の駆動制御量を大きめに設定した場合でも、ドライブローラ72が過剰な圧力でドラム40を押し付けることが防止される。また、判断部113はドラム40が回転作動(自転作動)しているか否かの判断をバルブ制御部111から第4制御バルブV4(ドライブモータ73)への駆動制御信号の出力に基づいて行う。ここで、ドライブアーム71がドライブ位置にあるか否かの検出手段は、上記の方法に限定されるものではなく、例えば検出器121〜128と同じようにリミットスイッチ等から構成してもよい。さらに、ドライブアーム71が待機位置にあるか否かの判断をリミットスイッチ等(待機位置検出器126)からの検出信号ではなく、バルブ制御部111から出力される駆動制御信号に基づいて判断するように構成し、ドライブアーム71の位置検出(ドライブ位置および待機位置の検出)を全てバルブ制御部111の駆動制御信号に基づいて行う構成にしてもよい。
【0045】
一方、作業終了のための作動手順の各段において、コントローラ110の判断部113は、ドラム40の回転が停止しているか否かの判断をバルブ制御部111から第4制御バルブV4(ドライブモータ73)への駆動制御信号の出力(停止)に基づいて行い、ドライブアーム71が待機位置にあるか否かの判断を待機位置検出器126からの検出信号に基づいて行い、ロックアーム61がアンロック位置にあるか否かの判断をアンロック位置検出器125からの検出信号に基づいて行い、ドラム40が走行位置にあるか否かの判断を走行位置検出器123からの検出信号に基づいて行う。このようにしてコントローラ110の判断部113は、ケーブル作業装置30の各作動の完了を検出器121〜126から出力される検出信号やバルブ制御部111から出力される駆動制御信号等に基づいて行い、それまでに完了したと判断された作動と操作装置90から新たに指令された作動との順番が記憶部112に設定された作動手順に従っているか否か(順番通りか否か)を判定して、作動手順に従っていないと判断した場合にはインターロック制御部114に制御信号を出力する。
【0046】
コントローラ110のインターロック制御部114は、操作装置90より指令されたケーブル作業装置30における或る作動が所定の作動手順に反していると(作動手順を飛ばしていると)判断されて判断部113から上記の制御信号が出力されているときには、この正しい作動手順に適合するまで(操作装置90から指令された当該作動よりも前段の作動が完了するまでの間)バルブ制御部111に規制信号を出力して、操作装置90より指令された当該作動を規制するインターロック規制を行う。これは作動手順に反する作動を許容したのでは、オペレータに危険を及ぼす虞やケーブル作業装置30が他の構造物との干渉等により損壊する虞が出てくるためである。
【0047】
コントローラ110の実行部115は、インターロック制御部114から規制信号が出力されている場合、ケーブル作業装置30において手順の飛ばされた前段の作動を自動で実行させて所定の作動手順に適合させる制御を行う。すなわち、上記(A1)〜(A4)または(B1)〜(B4)の作動手順において、実行部115はオペレータによって操作装置90から指令されたケーブル作業装置30の作動が所定の作動手順に対して順番飛ばしとなっている場合には、飛ばされた前段の作動をバルブ制御部111により自動で行わせ、当該指令された作動を実行するための条件(作動手順)に適合させる制御を行うようになっている。これにより、インターロック制御部114はインターロック規制を解除するため、操作装置90により指令されたケーブル作業装置30の当該作動が許容されるようになっている。例えば、ケーブル作業装置30において作業開始の際に(A1)の作動のみが完了した状態で、オペレータが操作装置90により(A2)および(A3)の作動操作を行わずに(A4)の作動操作を間違って行ってしまったときには、コントローラ110の実行部115によりケーブル作業装置30を所定の作動手順に従って(A2)→(A3)→(A4)の順番で作動を行わせる制御が実行される。
【0048】
なお、図9には上記説明を分かり易くするために、コントローラ110(判断部113、インターロック制御部114、および実行部115)の判断条件を表として示しており、判断部113はオペレータの各作動操作に対して表中の丸印(二重丸含む)の条件全てが検出されているときに作動手順に適合していると判断し操作に応じた作動を許容し、丸印の条件が一つでも検出されていないときには作動手順に反していると判断する。インターロック制御部114は、操作された当該作動が作動手順に反している場合には、手順の飛ばされた丸印の条件が全て検出されるまでオペレータの指令した当該作動を規制するインターロック規制を行う。実行部115は、手順の飛ばされた丸印の条件が全て検出されるように、すなわち手順の飛ばされたケーブル作業装置30の作動をバルブ制御部111に自動で行わせる制御を実行する。これにより、それまで手順が飛ばされていた丸印の条件が検出されるため、インターロック制御部114によるインターロック規制は解除され、続いてオペレータによって既に操作されていた操作装置90からの操作信号(待ち状態となっていた信号)に基づいてケーブル作業装置30における目的の当該作動が実施される。
【0049】
このため、本実施形態のケーブル工事車1の制御装置によれば、オペレータにより正規の作動手順を飛ばした作動操作が行われた場合には、まず第1に作動操作が行われた当該作動をインターロック規制することにより、手順が飛ばされた状態で次の作動が行われるのを防止できるため作業の安全性が向上するとともに、周囲の構造物との干渉等によりケーブル作業装置30が損壊するのを防止することができる。そして、第2に、インターロック規制するだけではなく、手順の飛ばされた前段の作動を正しい作動手順に従って自動で実行した上でそれまでインターロック規制されていた当該作動が許容されるため、バイパスケーブルの仮設・撤去作業の作業効率が向上するとともに、未習熟のオペレータでも確実に作業を行えるようになる。
【0050】
なお、図9中の二重丸の条件については、各作動を行うための絶対条件として、例えば、(A4)の作動操作に対して、実行部115は(A3)のみの作動、もしくは、(A2)と(A3)との両方の作動が飛ばされている場合にのみ上記制御を実行することとなるが、(A1)〜(A3)の全ての作動が飛ばされている場合には上記制御は実行しない。これは、絶対条件となる(A1)の作動については、バイパス工事で使用する所望のドラム40をコントローラ110が自動で選択して自転位置まで公転させることはできないからであり、(A1)の作動については必ずオペレータが所望のドラム40を選択した上でドラム選択スイッチ92および公転スイッチ99を操作することによってのみ行われるようになっている。もう一方の絶対条件となる(B1)については、バイパスケーブルC全てがドラム40に巻回される前に(バイパスケーブルCの巻き取り中に)コントローラ110により自動でドラム40の自転が停止されるとバイパスケーブルCが切断されてしまう虞があるためであり、(B1)の作動については必ずオペレータの判断によってバイパスケーブルCの巻き取りが完了した上で巻取スイッチ103を操作することによってのみ行われるようになっている。このようにオペレータの判断が必要になる作動については、コントローラ110の実行部115による自動作動を禁止してオペレータの作動操作によってのみ作動を許容する絶対条件とすることで、ケーブル作業装置30におけるケーブル作業を正確且つ安全に実施することができる。
【0051】
次に、上記のように構成された制御装置を搭載したケーブル工事車1における作動制御について説明する。ケーブル工事車1により目的の作業現場に到着した作業者は、ケーブル作業装置30を用いてバイパスケーブルCの架設・撤去工事を行うとき、まず始めに、リフトテーブル28aを下方に揺動移動させて水平方向に突出させるとともに、ボディ20(可動ボディ22)の後部に設けられたシャッター式の扉27を開いて、ボディ20内において後部操作装置91の側面部に配設された可動ボディ操作スイッチ98を操作することにより、可動ボディ22を前方にスライド移動させて荷台13後方部を開放状態にする。これにより、オペレータが後部操作装置91の正面パネル側に簡単にアクセスできるようになるとともに、ケーブル作業装置30を安全に作動させることができるようになる。
【0052】
オペレータは後部操作装置91または遠隔操作装置100を操作することにより、ケーブル作業装置30の作動操作を行うことができ、ケーブル作業開始の際は所定の作動手順に従って、先ずドラム選択スイッチ92および公転スイッチ99を操作することにより、(A1)ドラム公転装置50を作動させて所望のドラム40を自転位置まで公転させ、次いでロックアーム操作スイッチ96を操作することにより、(A2)ロックアーム61をロック位置まで揺動作動させて自転位置にあるドラム40を固定させた後、続いてドライブアーム操作スイッチ101を操作することにより、(A3)ドライブアーム71をドライブ位置まで揺動作動させてドライブローラ72をドラム40に当接させ、最後に繰出スイッチ102を操作することにより、(A4)ドライブモータ73を回転駆動させてドラム40を正回転方向に自転させるという流れで作業が行われる。このようにしてドラム40を正回転方向に自転させることにより、自転中のドラム40からバイパスケーブルCを繰り出すことができる。なお、このときトラバーサ装置80を利用することで、繰り出されるバイパスケーブルCはガイドローラ(四面ローラ)85,86,87内を挿通するので、バイパスケーブルCがドラム40から安定して繰り出されるようになっている。
【0053】
本来であればケーブル作業装置30の作業開始時の作動操作においては、上記のようにドラム選択スイッチ92→公転スイッチ99→ロックアーム操作スイッチ96→ドライブアーム操作スイッチ101→繰出スイッチ102の順番で操作されることにより、ケーブル作業装置30はその作動手順に従って(A1)→(A2)→(A3)→(A4)の流れで行われるはずであるが、例えば、オペレータが初心者である場合や手順を勘違いした場合などには、正規の作動手順を飛ばして順番違いの操作スイッチを操作してしまうことがある。それでは、このような作動操作の順番飛ばしの一例として(A1)〜(A3)の作動が完了する前に、オペレータにより(A4)の作動操作(繰出スイッチ102の操作)が行われた場合の本ケーブル工事車1の制御装置の作動について、図10に示すフローチャートを追加参照して説明する。
【0054】
ケーブル作業装置30の(A1)〜(A4)の作動操作の過程で、(A4)の作動操作を行うためにオペレータにより遠隔操作装置100の繰出スイッチ102が操作されると(ステップS1)、この操作信号がコントローラ110で検出されるようになっており(ステップS2)、コントローラ110の判断部113がこの(A4)の作動よりも1つ前段の作動である(A3)の作動が完了しているか否かをコントローラ110のバルブ制御部111から出力される駆動制御信号に基づいて判断する(ステップS3)。バルブ制御部111が予め設定された所定時間だけ第3制御バルブV3に駆動制御信号を出力しているときには、判断部113により(A3)の作動が完了しているものと判断され、このステップS3で肯定判定がなされる。これにより、オペレータの作動操作は正しい順序に従っているものと判断されて、直ちに(A4)の作動、すなわちドラム40の自転作動が開始されてバイパスケーブルCが繰り出される(ステップS4)。
【0055】
一方、バルブ制御部111から所定の時間だけ第3制御バルブV3に駆動制御信号が出力されず、ステップS3で否定判定がなされた(ドライブローラ72がドラム40に当接していない)場合には、インターロック制御部114によりドラム40の自転作動を規制するインターロック規制が実行され(ステップS5)、次のステップS6に進むこととなる。ステップS6に進行すると、コントローラ110の判断部113が今度は更に前段の(A2)の作動が完了しているか否かをロック位置検出器124の検出信号に基づいて判断する(ステップS6)。ロック位置検出器124がオン信号を出力しているときには判断部113により(A2)の作動が完了しているものと判断され、このステップS6で肯定判定がなされる。これに伴って、コントローラ110の実行部115が先ほど未完状態と判断された(作動順序が飛ばされた)、(A3)の作動をバルブ制御部111に自動で実行させる制御を行う(ステップS7)。これに伴ってバルブ制御部111から第3制御バルブV3に所定時間だけ駆動制御信号が出力されたのを判断部113が検出して、インターロック規制が解除(ステップS8)されると、それまで待ち状態となっていた繰出スイッチ102からの操作信号に基づいてバルブ制御部111が目的たる(A4)の作動、すなわちドラム40の自転作動を開始してバイパスケーブルCが繰り出される(ステップS4)。
【0056】
これに対して、ロック位置検出器124からオフ信号が出力されステップS6で否定判定がなされた場合には、ステップS9に進行して、コントローラ110の判断部113が前述したケーブル作業装置30の各作動の絶対条件たる(A1)の作動が完了しているか否かを自転位置検出器121およびドラム番号検出器122の検出信号に基づいて判断する(ステップS9)。自転位置検出器121がオン信号を出力するとともに、ドラム番号検出器122により識別されたドラム40の番号がドラム選択スイッチ92で入力されたドラム40の番号と一致しているときには、判断部113により(A1)の作動が完了しているものと判断され、このステップS9で肯定判定がなされ、このときも同様にして、続いて(A2)および(A3)の作動が自動で順番通りに実行され(ステップS10、ステップS7)、続いてインターロック規制の解除がされることにより(ステップS8)、最終的には目的となる(A4)の作動が実行される。
【0057】
自転位置検出器121がオフ信号を出力し、又はドラム番号検出器122により識別されたドラム40の番号がドラム選択スイッチ92で入力されたドラム40の番号と一致しないときには、コントローラ110の判断部113により(A1)の作動が完了していない(つまり、ドラム番号選択スイッチ92で入力された所望のドラム40が自転位置にない)と判断され、ステップS9で否定判定がなされる。このときコントローラ110の実行部115は絶対条件となる(A1)の作動を自動で(強制的に)実行する制御を行うことなく(ステップS11)、これを以てケーブル作業装置30の作動制御を終了する。なおこのとき、オペレータは作動手順に従った正しい順序で(A1)→(A2)→(A3)→(A4)の流れで改めて作動操作を行うことにより、バイパスケーブルCの繰り出し作業を行うことができる。
【0058】
このように構成されるケーブル工事車1の制御装置によれば、オペレータが操作手順を間違えた場合でも、間違った作動操作をインターロック規制しつつ手順の飛ばされた前段の作動を正しい作動手順に従って自動で実行するので、オペレータにより何度も間違えられた操作が繰り返されたり最初から操作をやり直したりするような作業の無駄が防止されるとともに、作動手順が分からなくなって作業が中断するのが防止されるため、バイパスケーブルCの仮設・撤去作業の作業効率が向上する。また、未習熟のオペレータでも確実に作業を行うことが可能になる。
【0059】
そして、無停電工法によるバイパス工事が完了すると、オペレータは巻取スイッチ103をオン操作することによりドラム40を逆回転方向に回転駆動させ、繰り出されたバイパスケーブルCをドラム40に巻き戻していく。このとき、巻き戻されるバイパスケーブルCはトラバーサ装置80のガイドローラ(四面ローラ)85,86,87を挿通するので、バイパスケーブルCはドラム40に乱れることなく巻き戻される。
【0060】
これに伴ってオペレータはケーブル作業を終了させるための作動操作を行う。ケーブル作業終了の際は所定の作動手順に従って、オペレータは先ず巻取スイッチ103をオフ操作することにより、(B1)ドライブモータ73の回転駆動を停止させてドラム40の自転作動を停止させ、次いでドライブアーム操作スイッチ101を操作することにより、(B2)ドライブアーム71を待機位置まで揺動作動させてドライブローラ72をドラム40から離反させた後、続いてロックアーム操作スイッチ96を操作することにより、(B3)ロックアーム61をアンロック位置まで揺動作動させてドラム40の固定を解除し、最後にドラム走行位置スイッチ94および公転スイッチ99をオン操作することにより、(B4)ドラム公転装置50を作動させてドラム40を走行位置まで公転させるという流れで作業が行われる。このようにしてドラム40を走行位置に位置決めすることにより、ドラム公転装置50を走行安定性が確保された(ドラム40の重量バランスが確保された)安定姿勢に保持することができるため、ケーブル工事車1の路面走行時において複数のドラム40が自重等で公転してしまうような事態が防止される。
【0061】
ここで、本来であればケーブル作業装置30の作業終了時の作動操作においては、上記のように巻取スイッチ103→ドライブアーム操作スイッチ101→ロックアーム操作スイッチ96→ドラム走行位置スイッチ94→公転スイッチ99の順番で操作されることにより、ケーブル作業装置30はその作動手順に従って(B1)→(B2)→(B3)→(B4)の流れで行われるはずであるが、例えば、オペレータが作動の完了を待たずに(検出器から検出信号が出力される前に)、早まって次の段の作動操作を行ってしまい、その作動手順が飛ばされることがある。それでは、このような順番飛ばしの一例として、(B1)の作動完了後であって(B2)の作動が完全に終了する前に、オペレータにより次の(B3)の作動操作(ロックアーム操作スイッチ96の操作)が行われた場合の本ケーブル工事車1の制御装置の作動について説明する。なお、この一例は具体的には、オペレータがドラム40の自転作動を停止された後、ドライブアーム操作スイッチ101の操作によりドライブアーム71が完全に待機位置に到達する前に(待機位置検出器126がオン信号を出力する前に)、ロックアーム操作スイッチ96を操作した場合である。
【0062】
このように(B3)の作動操作を行うためにオペレータにより後部操作装置91のロックアーム操作スイッチ96が操作されると、この操作信号がコントローラ110で検出されるようになっており、コントローラ110の判断部113がこの(B3)の作動よりも1つ前段の作動である(B2)の作動が完了しているか否かを待機位置検出器126の検出信号に基づいて判断する。このとき前述のようにドライブアーム71は待機位置に達していないため待機位置検出器126からはオフ信号が出力されている。このため、コントローラ110の判断部113により(B2)の作動は完了していないものと判断され、インターロック制御部114によりロックアーム61のアンロック位置への揺動作動(B3)を規制するインターロック規制が実行される。コントローラ110の判断部113は更に前段に遡って、ケーブル作業装置30の各作動の絶対条件たる(B1)の作動が完了しているか否かを、バルブ制御部111から第4制御バルブV4(ドライブモータ73)への駆動制御信号の出力状態に基づいて判断する。このとき、前述のようにドラム40の自転作動は既に停止されているためバルブ制御部111からは第4制御バルブV4へ駆動制御信号が出力されておらず、判断部113により(B1)の作動が完了しているものと判断される。
【0063】
コントローラ110の判断部113により絶対条件たる(B1)の作動完了を受けて、コントローラ110の実行部115は、先ほど未完状態と判断された(作動順序が飛ばされた)、(B2)の動作をバルブ制御部111に自動で実行させる制御を行う。これに伴って待機位置検出器126からオン信号が出力されると、インターロック規制が解除され、それまで待ち状態となっていたロックアーム操作スイッチ96からの操作信号に基づいてバルブ制御部111が目的たる(B3)の動作、すなわちロックアーム61をアンロック位置まで揺動作動させてドラム40の固定を解除する。
【0064】
その後、オペレータはドラム走行位置スイッチ94および公転スイッチ99を操作することにより、ドラム公転装置50を作動させてドラム40を走行位置まで公転させ、ドラム公転装置50を走行安定性が確保された(ドラム40の重量バランスが確保された)安定姿勢に保持することができる。そして、これにより(B1)〜(B4)の作動全てが完了する。
【0065】
このように構成されるケーブル工事車1の制御装置によれば、ケーブル作業装置30の作動手順の各段において、オペレータが或る作動操作を未完了の状態で次の段の作動操作を早まって行った場合でも、未完状態の前段の作動を自動で完了させた上で次の段の作動を行うようになっている。このため、オペレータがインターロック規制によって作動が進まない原因を究明できずに最初から操作をやり直すような作業の無駄を防止できるとともに、作動規制の原因が検出器の故障等と誤判断して作業が中断するのを防止できるため、バイパスケーブルCの架設・撤去作業の作業効率が向上する。
【0066】
なお、作業終了に伴ってオペレータは、トラバーサアーム操作スイッチ97を操作してトラバーサアーム81を格納位置まで揺動作動させた後、可動ボディ操作スイッチ98を操作することで可動ボディ22をガイドレール23に沿って荷台13の後端部まで摺動させ、最後に可動ボディ22の後面開口を扉27で閉じることにより車体10を安定して走行させることが可能な走行姿勢にすることができる。
【0067】
このとき、上述した作業終了時の(B1)〜(B4)の作動手順に対して更に、トラバーサアーム操作スイッチ97を操作することにより、(B5)トラバーサアーム81を格納位置まで揺動作動させた後、可動ボディ操作スイッチ98を操作することにより、(B6)可動ボディ22を荷台13の後端部までスライド移動させる、これら(B5)および(B6)の2つの作動を追加して、本実施形態のケーブル工事車1の制御装置をこれら(B1)〜(B6)の作動操作に対して上記のような手順飛ばしの作動を自動で実行する制御構成としてもよい。
【0068】
ところで、ケーブル作業の途中でコントローラ110の電源が遮断される事態が起こると、コントローラ110はそれまで検出していた各作動の完了・未完了の記憶を一度クリアして、再度電源が投入された時点で各検出器からの検出信号を再入力することで、それまで行われていた作動の完了・未完了を再び判断することとなる。しかしながら、上述したようなバルブ制御部111からの駆動制御量(駆動制御信号が所定時間だけ出力されたか否か)に基づいて作動の完了を検出する場合には、電源が再投入されてもコントローラ110は電源遮断前に自身が出力していた駆動制御量の記憶を回復することはできないので、この作動が実際には完了していたときでも電源再投入に伴いコントローラ110は未完了状態と判断することとなる。このときオペレータの認識では当該作動は完了しているものとなっているがコントローラ110では未完了と判断されているため、従来の制御ではオペレータが次の段の作動を行おうとしてもインターロック規制により作動が進行しないという問題があったが、本実施形態のケーブル工事車1の制御装置によれば、この未完了状態と判断された作動を自動でもう一度繰り返す制御を行うため(バルブ制御部111が予め設定された所定時間だけ駆動制御信号を再び出力するため)、オペレータは何の違和感もなく次の段の作動を実施することができる。
【0069】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示されたものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、本発明が適用されるケーブル工事車が、バイパス工法による無停電工事に用いられるバイパスケーブル工事車であったが、これに限定されるものではなく、架空ケーブルの電柱間への新設・交換工事に用いられる架空ケーブル工事車であってもよい。
【0070】
また、上述の実施形態では、ケーブル作業装置30において作業開始時および作業終了時の作動手順が(A1)〜(A4)、および(B1)〜(B4)の4つの作動によりそれぞれ構成されていたが、これに限定されるものではなく、例えばケーブル作業装置の作動手順が5つ以上の作動に基づいて構成されるものでもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 ケーブル工事車
10 車体
30 ケーブル作業装置
40 ドラム(ケーブルドラム)
50 ドラム公転装置
60 ドラム固定装置
70 ドラム自転装置
90 操作装置
110 コントローラ
111 バルブ制御部(作動制御手段)
113 判断部(判断手段)
114 インターロック規制部
115 実行部(自動制御手段)
121 自転位置検出器(検出手段)
122 ドラム番号検出器(検出手段)
123 走行位置検出器(検出手段)
124 ロック位置検出器(検出手段)
125 アンロック位置検出器(検出手段)
126 待機位置検出器(検出手段)
C バイパスケーブル(ケーブル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行可能な車体と、
前記車体上に設けられ、所定の作動手順に従ってケーブルドラムを回転させてケーブルの巻き取りあるいは繰り出しを行うケーブル作業装置と、
前記ケーブル作業装置の各作動を操作する操作装置と、
前記操作装置からの操作信号に基づいて前記ケーブル作業装置の各作動を実行する作動制御手段と、
前記ケーブル作業装置の各作動の完了を検出する検出手段と、
前記検出手段からの検出情報に基づいて前記操作装置より指令された作動が前記所定の作動手順に従った順序であるか否かを判定する判断手段と、
前記判断手段により前記操作装置から指令された該作動が前記所定の手順に従った順序でないと判定されたときに、前記操作装置から指令された該作動よりも前段の作動であって前記検出手段により未完了と検出された作動を前記所定の手順に従った順序に基づいて自動で実行した上で、前記操作装置から指令された該作動を実行する制御を行う自動制御手段とを備えて構成されることを特徴とするケーブル工事車の制御装置。
【請求項2】
前記ケーブル作業装置における前記所定の作動手順の各作動のうち、前記自動制御手段による前記制御の実行を許容するための絶対条件となる作動が予め定められており、前記検出手段により前記絶対条件となる作動が未完了であると検出された場合には、前記操作装置により前記絶対条件となる作動よりも後段の作動操作が行われたときでも前記自動制御手段による前記制御が規制されることを特徴とする請求項1に記載のケーブル工事車の制御装置。
【請求項3】
前記ケーブル作業装置は、複数の前記ケーブルドラムを公転させるドラム公転装置と、前記ドラム公転装置により前記複数のケーブルドラムのうち所定の自転位置に位置決めされた前記ケーブルドラムを公転不能なように固定するドラム固定装置と、回転駆動可能なドライブローラを前記ケーブルドラムに当接させて前記自転位置に位置決めされた前記ケーブルドラムを回転させるドラム自転装置とを有し、
前記検出手段が、前記ドラム公転装置、前記ドラム固定装置、および前記ドラム自転装置の各作動の完了を検出するように構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル工事車の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−263717(P2010−263717A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113657(P2009−113657)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000116644)株式会社アイチコーポレーション (168)
【Fターム(参考)】