説明

ケーブル敷設機

【課題】長距離のケーブルを簡単な施工で連続的に敷設することができる光ファイバ敷設機を提供する。
【解決手段】光ファイバや電線などのケーブル(光ファイバ2)を、接着剤3によって敷設対象物(計測対象構造物4)に敷設するためのケーブル敷設機1であって、敷設対象物へと送り出されるケーブルが挿通されるケーブル挿通路5を備えた筒状の胴部10を備え、胴部10に、ケーブル挿通路5の送出側端部に開口し敷設対象物へと送り出されるケーブルの少なくとも敷設対象物側部分に接着剤3を供給するための接着剤供給路6を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバや電力線や通信線などのケーブルを接着剤によって敷設対象物に敷設するケーブル敷設機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバを用いたひずみ計測が、長期間に亘る構造物の維持管理の分野で脚光を浴びている。この光ファイバひずみ計測は、光ファイバをトンネルや橋梁などの計測対象構造物に敷設して、光ファイバのひずみ量を計測することで、計測対象構造物のひずみを計測するものである。
【0003】
光ファイバを計測対象構造物に敷設するには、計測対象構造物に埋設する場合と、計測対象構造物に貼り付けたり沿わしたりする場合があった。これらの敷設作業は、いずれも、決められた敷設方法が確立されている訳ではなく、様々な方法で行われていた。これは、電力線や通信線などの、光ファイバ以外の他のケーブルを敷設する場合も同様であった。
【0004】
例えば、光ファイバを新設の計測対象構造物に敷設する場合は、光ファイバを計測対象構造物に埋設することが多い。この場合、敷設距離が100mを超えるような長距離であるときは、全線に亘って敷設する光ファイバを手持ちで移動させることは不可能なので、光ファイバを複数に分割し、所定の長さに小分けして、敷設する場合がある。例えば、接着剤を手に持ちながら、分割された光ファイバを計測対象構造物に形成された溝部に挿入しつつ、接着剤を溝部に流し込んで埋設する。一方、この方法とは別に、光ファイバをコンクリート打設時にコンクリートの内部に埋設してしまう場合もある。なお、分割された光ファイバの端部同士は、専用の機器を用いて融着する(従来技術1)。
【0005】
一方、光ファイバを既存の計測対象構造物に敷設する場合は、光ファイバを計測対象構造物の内部に埋設することはできないので、計測対象構造物の表面に接着剤で貼り付けたり、治具で固定して沿わしたりすることとなる。この場合も、敷設距離が100mを超えるような長距離であるときは、全線に亘って敷設する光ファイバを手持ちで移動させることは不可能なので、光ファイバを複数に分割し、所定の長さに小分けして、敷設するようになっている。接着剤で貼り付ける場合は、接着剤を手に持ちながら、まず、即効性接着剤で分割された光ファイバを計測対象構造物に固定した後に、液状のエポキシ樹脂系の接着剤で最終的に固定する方法が採られている。なお、分割された光ファイバの端部同士は、専用の機器を用いて融着する(従来技術2)。
【0006】
その他の敷設方法としては、特開2002−328010号公報に示すような方法もあった。この方法は、計測対象構造物に、光ファイバが挿通されるとともに、接着剤が充填される樋状カバーを固定するようになっている。この樋状カバーには、鉤状突起が形成されており、計測対象構造物に取り付けられた面ファスナーに固定されるようになっている(従来技術3)。
【特許文献1】特開2002−328010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記の従来技術1および従来技術2では、接着剤を手に持ちながら、長距離に亘る光ファイバを敷設しなければならないので、作業が煩雑で且つ非常に多くの手間と時間がかかるといった問題があった。また、光ファイバの融着には、専用の機器を用いて行ってはいるが、敷設場所が狭い場合や高所の場合もあり、融着作業環境は必ずしも良好ではない。そのため、光ファイバ同士の融着が十分でない場合もあり、計測精度が低下して計測に支障をきたすおそれがあるという問題もあった。さらに、光ファイバをコンクリートに埋設する場合には、融着が不十分であると、コンクリート打設時に融着部から水が浸入して計測不能になってしまうおそれもあった。
【0008】
前記従来技術3では、計測対象構造物に、面ファスナーを取り付けて、樋状カバーを別体で設けているので、光ファイバの固定構造が複雑となり、製作工程が増えるとともに施工工程も増えてしまう。さらに、この場合においても、敷設距離が100mを超えるような長距離であるときは、光ファイバを複数に分割し、所定の長さに小分けして、敷設するようになっているため、融着を行う必要があり、従来技術1および従来技術2と同様に、融着作業環境によっては、融着が十分でない場合もあり、光が漏れて輝度不足になり、計測精度が低下して計測に支障をきたすおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は前記の問題を解決すべく案出されたものであって、長距離のケーブルを簡単な施工で連続的に敷設することができる光ファイバ敷設機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための請求項1に係る発明は、光ファイバや電力線や通信線などのケーブルを、接着剤によって敷設対象物に敷設するためのケーブル敷設機であって、前記敷設対象物へと送り出される前記ケーブルが挿通されるケーブル挿通路を備えた筒状の胴部を備え、前記胴部に、前記ケーブル挿通路の送出側端部に開口し前記敷設対象物へと送り出される前記ケーブルの少なくとも前記敷設対象物側部分に接着剤を供給するための接着剤供給路を形成したことを特徴とするケーブル敷設機である。
【0011】
前記構成によれば、ケーブル挿通路からケーブルを供給しつつ、接着剤供給路から接着剤をケーブルに供給できるので、胴部の先端部分を敷設対象物に沿わして移動させるだけで、光ケーブルを連続的に敷設でき、敷設作業が非常に簡単に行える。また、ケーブルと接着剤とを一体的に敷設できるので、作業者の負担が低減され、長距離のケーブルを持ちながら敷設作業を行える。したがって、ケーブルが光ファイバの場合の融着作業を低減することができ、施工手間と時間を低減することができるとともに、計測精度の低下を防止することができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記ケーブルは、構造物のひずみを計測するための光ファイバであって、前記敷設対象物は、前記光ファイバによってひずみ計測が行われるトンネル、橋梁やダムなどを含む建設構造物一般の計測対象構造物であることを特徴とする請求項1に記載のケーブル敷設機である。
【0013】
前記構成によれば、光ファイバの敷設作業を容易に行えるとともに、光ファイバを用いたひずみ計測における、建設構造物の計測精度を高めることができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、前記胴部は、その外殻を構成する外筒と、この外筒の内部に所定の隙間をあけて設けられた内筒とを有しており、前記内筒の内部の空間で、前記ケーブル挿通路が構成され、前記内筒と前記外筒との間の隙間で、前記接着剤供給路が構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のケーブル敷設機である。
【0015】
前記構成によれば、簡単な構造でケーブル挿通路と接着剤供給路とを備えた胴部を構成でき、ケーブル敷設機を容易に製造することができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、前記外筒は、その先端部が先端側に向かって縮径するテーパ状に形成され、前記内筒は、その先端部の外周面が前記外筒のテーパの傾斜角度よりも小さい傾斜角度で縮径するとともに最大径部が前記外筒の先端開口径よりも大きいテーパ状に形成され、且つ前記外筒に対して軸方向に移動自在に固定されていることを特徴とする請求項3に記載のケーブル敷設機である。
【0017】
前記構成によれば、内筒を軸方向に移動させるだけで、接着剤供給路の開閉を自在に行うことができるので、接着剤の漏れを防止でき、ケーブル敷設機の運搬などを容易に行うことができる。
【0018】
請求項5に係る発明は、前記内筒の基端部には、前記外筒の内周面に螺合され、その軸周りに回転することで軸方向に移動する移動部材が固定されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のケーブル敷設機である。
【0019】
前記構成によれば、移動部材を軸回りに回転させるだけで、外筒に対して軸方向に移動するので、内筒の軸方向への移動を容易に行うことができる。
【0020】
請求項6に係る発明は、前記接着剤供給路には、前記接着剤を供給するための接着剤供給管が接続され、前記接着剤供給管には、前記接着剤の供給を停止させるストッパー装置が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のケーブル敷設機である。
【0021】
前記構成によれば、ストッパー装置で、接着剤の供給を確実に停止することができるので、接着剤の漏れを防止でき、ケーブル敷設機の運搬などを容易に行うことができる。
【0022】
請求項7に係る発明は、前記接着剤供給管は、弾性材にて構成されており、前記ストッパー装置は、前記接着剤供給管の側面を押圧することで前記接着剤供給管内の流路を閉塞して前記接着剤の供給を停止させるように構成されたことを特徴とする請求項6に記載のケーブル敷設機である。
【0023】
前記構成によれば、接着剤供給管の側面を押圧することで前記接着剤供給管内の流路を閉塞して前記接着剤の供給を停止させるようになっているので、接着剤供給管に特別な加工を施すことはなく、簡単な構造となるので、ケーブル敷設機を容易に製造することができる。
【0024】
請求項8に係る発明は、前記接着剤供給管には、前記ケーブルの送り出し速度に応じて前記接着剤の供給量を調整する接着剤供給量調整装置が設けられていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のケーブル敷設機である。
【0025】
前記構成によれば、接着剤の塗りムラをなくすことができ、ケーブルの敷設対象物への接着強度を高めることができるとともに、光ファイバを用いたひずみ計測における計測精度を高めることができる。
【0026】
請求項9に係る発明は、前記接着剤供給管は、弾性材にて構成されており、前記接着剤供給量調整装置は、前記接着剤供給管に付勢される押込み部材と、前記ケーブルに接触する第一ローラ部材と、前記押込み部材に接触するとともに前記第一ローラ部材の回転力が伝達され前記押込み部材との摩擦力によって前記押込み部材をその付勢力に抗して押し戻す第二ローラ部材とを備えたことを特徴とする請求項8に記載のケーブル敷設機である。
【0027】
前記構成によれば、接着剤供給管に特別な加工を施すことはなく、また、接着剤供給量調整装置は、制御装置などの複雑な機器を設ける必要はなく、機械的で簡単な構造となるので、ケーブル敷設機を容易に且つ安価で製造することができる。
【0028】
請求項10に係る発明は、前記ケーブルが巻き付けられるロール部材と、前記接着剤を貯蔵して圧送する接着剤供給装置とを、さらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のケーブル敷設機である。
【0029】
前記構成によれば、ロール部材にケーブルを巻き付けることで、より長いケーブルを接着剤と一体的に敷設できる。したがって、ケーブルが光ファイバの場合の融着作業をほとんどなくすことができ、施工手間と時間を低減することができるとともに、計測精度の低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、長距離のケーブルを簡単な施工で連続的に敷設することができるといった優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施の形態では、光ファイバひずみ計測用の光ファイバ(ケーブル)を敷設対象物である計測対象構造物(本実施の形態では、トンネル、橋梁やダムなどを含む建設構造物一般)に敷設するためのケーブル敷設機を例に挙げて説明する。建設構造物一般には、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造などの種々の構造物が含まれる。なお、光ファイバひずみ計測は、トンネル、橋梁、ダム、ビル、プラント、道路斜面や河川堤防などの建設構造物一般の他に、飛行機や船などでも適用されるなど多岐に亘る。
【0032】
図1は本発明に係るケーブル敷設機を実施するための最良の形態の敷設時の状態を示した断面図、図2は本発明に係るケーブル敷設機を実施するための最良の形態の使用中断時の状態を示した断面図、図3は本発明に係るケーブル敷設機の移動部材を示した背面図および断面図、図4は本発明に係るケーブル敷設機の接着剤供給量調整装置を示した側面図、図5は本発明に係るケーブル敷設機を用いた敷設作業を示した斜視図、図6は本発明に係るケーブル敷設機のロール部材を示した断面図、図7は本発明に係るケーブル敷設機の接着剤供給装置を示した断面図である。
【0033】
図1および図2に示すように、かかるケーブル敷設機1は、ケーブルを、接着剤3によって敷設対象物(図5参照)に敷設するためのものであって、敷設対象物へと送り出されるケーブルが挿通されるケーブル挿通路5を備えた筒状の胴部10を備え、この胴部10に、ケーブル挿通路5の送出側端部に開口し敷設対象物へと送り出されるケーブルの少なくとも敷設対象物側部分に接着剤3を供給するための接着剤供給路6を形成したことを特徴とする。ところで、本実施の形態では、接着剤3は、二液混合型のものが用いられている。
【0034】
図5に示すように、本実施の形態において、ケーブルは、光ファイバひずみ計測に用いられる光ファイバ2であり、敷設対象物は、計測対象構造物4(本実施の形態ではトンネルの内周面)である。
【0035】
図1および図2に示すように、ケーブル敷設機1の胴部10は、その外殻を構成する外筒20と、この外筒20の内部に所定の隙間をあけて設けられた内筒30とを有している。
【0036】
内筒30は、円筒形状を呈している。内筒30の内周面は、光ファイバ2が挿通可能な内径を有しており、この内筒30の内部の空間で、ケーブル挿通路5が構成されている。内筒の先端部(光ファイバ2が送り出される側)の外周面は、先端側に向かって縮径するテーパ状に形成されている。内筒30の内周面は、全長に亘って同一の内径となっている。内筒30のテーパ部31の先端には、光ファイバ2が送り出されるケーブル送出口32が形成されている。
【0037】
外筒20は、内筒30の外周面と所定の隙間をあける内周面を有する円筒形状を呈している。外筒20の先端部は、先端側に向かって縮径するテーパ状に形成されている。外筒20のテーパ部21は、外周面と内周面がともに縮径するようになっており、テーパ部21の先端には、光ファイバ2と接着剤3が同時に送り出される送出口22が形成されている。外筒20のテーパ部21の傾斜角度(テーパ角度)は、内筒30のテーパ部31の傾斜角度(テーパ角度)よりも大きくなるように構成されている。送出口22の開口径(外筒20の先端開口径)は、内筒30の外周面の最大径部31aよりも小さくなるように構成されている。
【0038】
外筒20の内部には、内筒30を軸方向に移動可能に支持する複数(本実施の形態では3箇所)の支持部材23a,23b,23cが設けられている。支持部材23a,23b,23cは、リング状に形成されており、胴部10の軸方向に所定の間隔をあけて配置されている。この支持部材23a,23b,23cのうち、先端側に位置する支持部材23aは、外筒20の先端部から、所定の間隔をあけて配置されており、この支持部材23aの先端側に位置する、外筒20と内筒30との隙間で、接着剤供給路6が構成されている。先端側の支持部材23aと、中間に位置する支持部材23bとの間の、外筒20と内筒30との隙間は、接着剤供給路6に接着剤3を供給するための接着剤供給管7a,7bの配管スペース8を構成している。接着剤供給管7a,7bは、二液混合型である接着剤3のA液3aとB液3bとを、それぞれ別々に供給するために、二本設けられている。各接着剤供給管7a,7bは、外筒20に形成された貫通孔25,25をそれぞれ貫通して、配管スペース8内に延出されている。先端側の支持部材23aには、接着剤供給路6と配管スペース8を連通させる二つの連通口(図示せず)が形成されている。各連通口には、二本の接着剤供給管7a,7bがそれぞれ接続されている。これによって、接着剤供給管7a,7bから供給されたA液3aとB液3bは、接着剤供給路6で混合されて接着剤3を構成する。すなわち、接着剤供給路6は、A液3aとB液3bとを混合させる混合室の役目も果たす。接着剤供給路6を構成する外筒20のテーパ部21や内筒30のテーパ部31の先端部表面にスパイラル状の溝を形成して、A液3aとB液3bとの混合を効率良く行えるように構成してもよい。さらに、接着剤供給路6は、送出口22に向かって先端側が縮径するように構成されているので、A液3aとB液3bは、押し込まれながら効率的に混合される。なお、先端側とは逆側の基端側の支持部材23cは、外筒20の基端部から所定の間隔をあけて配置されており、内筒30の基端部に設けられた鍔部33と干渉しないように構成されている。内筒30と鍔部33との間にはバネ部材34が介設されている。バネ部材34は、内筒30の軸方向に沿って設けられており、接着剤供給路6の閉塞時に内筒30を先端側に付勢させるように構成されている。
【0039】
接着剤3は、例えば、A液3aが、エポキシ樹脂(粘性:180Pa・s=1800P)からなる主剤で構成され、B液3bが、ポリアミドアミン(粘性:30Pa・s=300P)からなる硬化剤で構成されている。このとき、A液3aとB液3bとの混合比は、50:50である。このような成分の接着剤3によれば、金属、ガラス、陶磁器、コンクリート、木材やタイルなどの接着に適用することができ、20〜25℃の環境下では、略12時間で硬化する。
【0040】
図1および図2に示すように、内筒30の基端部には、内筒30を軸方向に移動させるための移動部材35が設けられている。移動部材35は、鍔部33の基端側に固定された筒状の部材であって、図3に示すように、内部に内筒20から繋がるケーブル挿通路5が形成され、外周面に雄ネジ35aが形成されている。移動部材35の基端側面には中心から偏心した位置に把持部35bが形成されている。把持部35bは、基端側に突出した突起にて構成され、自由に回転するようになっている把持部35bの頭部を持って移動部材35を回転させることで、移動部材35の押し込みと押し戻しを円滑に行うようになっている。一方、外筒20の基端部の内周面には、移動部材35の雄ネジ35aに対応する雌ネジ24が形成されている。
【0041】
図1および図2に示すように、外筒20から外部に延びる接着剤供給管7a,7bには、接着剤3(A液3aおよびB液3b)の供給を停止させるストッパー装置40が設けられている。接着剤供給管7a,7bは、弾性材にて構成されており、径方向に伸縮自在に構成されている。ストッパー装置40は、接着剤供給管7a,7bの側面を押圧する押圧部材41を有しており、この押圧部材41は、接着剤供給管7a,7bの径方向に移動自在に構成されている。具体的には、押圧部材41は、バネ部材43の一端(胴部10の先端側)に固定されており、バネ部材43の他端(基端側)には、外筒20に対して傾動自在に設けられたトリガー44が固定されている。バネ部材43は、接着剤供給管7a,7bの径方向に延出して配置されている。トリガー44は、力を加えない状態で外筒20の軸方向に直交するように構成されており、胴部10の基端側に傾動するように構成されている。押圧部材41の胴部10の先端側には、接着剤供給管7a,7bが配置されている。
【0042】
トリガー44に力を加えない状態では、バネ部材43によって押圧部材41が胴部10の先端側へと付勢され接着剤供給管7a,7bを押圧して弾性変形させて、その内部の流路を閉塞するように構成されている。トリガー44を引いて胴部10の基端側へ傾斜させると、押圧部材41が、バネ部材43を介して基端側に引っ張られて接着剤供給管7a,7bから離間する方向へと移動し、接着剤供給管7a,7bの押圧状態が解除され、コンプレッサー72からの押圧により接着剤供給管7a,7bが元の形状へと戻るので、内部の流路が開放されることとなる。なお、トリガー44の、胴部10の基端側には、把持部45が設けられている。把持部45は、胴部10の外筒20の外周面に固定されており、作業者が把持部45を把持しながら、トリガー44を引寄せるように構成されている。
【0043】
図1、図2おおよび図4に示すように、接着剤供給管7a,7bには、光ファイバ2(ケーブル)の送り出し速度に応じて接着剤3の供給量を調整する接着剤供給量調整装置50が設けられている。接着剤供給量調整装置50は、外筒20の内部に配置されており、光ファイバ2に接するように設けられている。接着剤供給量調整装置50は、二本の接着剤供給管7a,7bの供給量をそれぞれ調整すべく、両方の接着剤供給管7a,7bに設けられている。
【0044】
図4に示すように、接着剤供給量調整装置50は、接着剤供給管7a(7b)に付勢される押込み部材51と、光ファイバ2に接触する第一ローラ部材52と、押込み部材51に接触する第二ローラ部材53を備えている。押込み部材51は、角柱形状を呈しており、光ファイバ2の軸方向に直交する方向(光ファイバ2の径方向)に沿って移動自在に配置されている。押込み部材51の、接着剤供給管7a(7b)とは逆側の端部には、バネ部材54が設けられている。このバネ部材54によって、押込み部材51が接着剤供給管7a(7b)に付勢されて、接着剤供給管7a(7b)を押圧して弾性変形させて、その内部の流路の断面積を低減させるように構成されている。第一ローラ部材52は、光ファイバ2の側部(ケーブルの径方向外側)に、回転自在に設けられており、ゴムローラにて構成されている。光ファイバ2が内筒30内を移動すると、ゴム製の外周面との摩擦力によって、第一ローラ部材52が回転する。第一ローラ部材52と第二ローラ部材53とは、ベルトなどの動力伝達手段55にて、互いに連結されており、第一ローラ部材52の回転力が第二ローラ部材53へと伝達されるように構成されている。動力伝達手段55は、第一ローラ部材52と第二ローラ部材53との中間でクロスするように構成されており、第一ローラ部材52と第二ローラ部材53とは反対方向に回転する。第二ローラ部材53は、押込み部材51の側部(光ファイバ2の軸方向基端側)に、回転自在に設けられており、ゴムローラにて構成されている。第二ローラ部材53は、押込み部材51と接触しており、光ファイバ2が送出された際に、押込み部材51を、接着剤供給管7a(7b)から離反するように移動させる方向に回転する。その際、回転速度を良く伝えるように、第二ローラ部材53と押込み部材51の表面には、摩擦効果を増加するための加工が施されている。加工形式は、例えば、粗度の大きい布やシートを表面に固定し、または、表面に微小な突起を形成するようにすればよい。
【0045】
光ファイバ2が内筒30のケーブル挿通路5内を軸方向に移動すると、第一ローラ部材52は、光ファイバ2の表面との摩擦力によって回転する。その回転力は、動力伝達手段55によって、第二ローラ部材53へと伝達され、第二ローラ部材53が回転する。このとき、第二ローラ部材53の外周面と、押込み部材51の側面とには、第二ローラ部材53の回転速度に応じて所定の摩擦力が発生する。
【0046】
図4(a)に示すように、光ファイバ2の送り出し速度が遅い場合は、第一ローラ部材52および第二ローラ部材53の回転速度も遅く、第二ローラ部材53の外周面と、押込み部材51の側面とに発生する摩擦力は、バネ部材54による付勢力より小さい。したがって、押込み部材51は、接着剤供給管7a(7b)を押し込んだままの状態となっている。これによって、接着剤供給管7a(7b)の断面積は小さく、接着剤3(A液3aおよびB液3b)の供給量が少なくなる。
【0047】
一方、図4(b)に示すように、光ファイバ2の送り出し速度が速い場合は、第一ローラ部材52および第二ローラ部材53の回転速度も早く、第二ローラ部材53の外周面と、押込み部材51の側面とに発生する摩擦力は、バネ部材54による付勢力よりも大きくなる。これによって、押込み部材51は、バネ部材54の付勢力に抗して接着剤供給管7a(7b)から離間する方向へ移動させられる。そして、接着剤供給管7a(7b)は元の形状に戻って、断面積が大きくなり、接着剤3(A液3aおよびB液3b)の供給量が多くなる。
【0048】
なお、接着剤供給量調整装置50の構成は、前記構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。
【0049】
図5に示すように、ケーブル敷設機1は、光ファイバ2(ケーブル)が巻き付けられるロール部材60と、接着剤3を貯蔵して圧送する接着剤供給装置70とを、さらに備えている。ロール部材60と接着剤供給装置70とは、一体に接合されており、作業員が背負って作業を行うようになっている。
【0050】
図6に示すように、ロール部材60は、送出用開口部61が形成されたケーシング62と、その内部に設けられた巻き付け用軸63とを備えている。巻き付け用軸63は、その表面が、光ファイバ2と摩擦力が殆んど発生しない材質で構成されており、光ファイバ2が引っ張られると、送出用開口部61から、順次引き出されるように構成されている。
【0051】
図7に示すように、接着剤供給装置70は、接着剤3を貯蔵するタンク71と、接着剤3を圧送するコンプレッサー72(図5では図示せず)とを備えている。タンク71は、内部に仕切り板73を備え、二つの貯槽71a,71bに分割されている。タンク71の各貯槽71a,71bの底部には、開閉弁74,74を備えた供給口75,75がそれぞれ形成されている。各貯槽71a,71bの上端部には、コンプレッサー72からの圧送空気を注入するための圧送空気口76,76がそれぞれ形成されている。圧送空気口76,76の下方には、接着剤3を構成するA液3aとB液3bが、圧送空気口76,76に飛び散らないようにするための、フィルター77,77がそれぞれ設けられている。フィルター77,77は、A液3aとB液3bは透過させないが圧送空気は透過する材質で構成されている。フィルター77,77の下部の各貯槽71a,71bの壁面には、A液3aとB液3bをそれぞれ補給するための接着剤注入口78,78がそれぞれ形成されている。接着剤注入口78,78には、開閉自在の蓋(図示せず)が設けられている。
【0052】
コンプレッサー72は、ピストン79で空気を圧縮する圧縮室80と、この圧縮室80に繋がるとともに、タンク71へ圧送空気を送り出す空気送出口81,81とを備えている。空気送出口81,81は開閉自在に形成されており、圧送空気の送出のオン・オフ切替を行うように構成されている。コンプレッサー72の空気送出口81,81とタンク71の圧送空気口76,76は、圧送空気管82,82にて接続されている。
【0053】
次に、前記構成によるケーブル敷設機1を用いて行う敷設工程を説明しながら、その作用を説明する。
【0054】
かかるケーブル敷設機1を使用するに際しては、まず、ロール部材60から光ファイバ2を引き出して、内筒30の基端部から先端部側へと挿通させる。これと同時に、接着剤供給装置70のコンプレッサー72を作動させるとともに、タンク71の開閉弁74,74を開く。このとき、コンプレッサー72は一定の圧力で空気を圧送するように設定するとともに、開閉弁74,74の開度を調整して、A液3aおよびB液3bの流出量を調整しておく。
【0055】
そして、胴部10に設けられたトリガー44を引いて、ストッパー装置40を供給開始状態にする。これによって、接着剤供給管7a,7bが開放され、接着剤3のA液3aおよびB液3bが、胴部10内に供給される。ここで、接着剤供給量調整装置50では、押込み部材51によって、接着剤供給管7a,7bが押し込まれているが、接着剤3のA液3aおよびB液3bは、少量ずつ接着剤供給路6内へと流入する。そして、接着剤供給路6内で、A液3aおよびB液3bが混合され、接着剤3が形成される。トリガー44を所定時間引いた後に、元に戻して接着剤3の供給を停止状態とする(図2の状態)。このとき、内筒30の基端部に設けられた移動部材35は、先端側に移動した状態となっており、バネ部材34によって、内筒30が先端側に付勢されている。これによって、内筒30の先端部が、外筒20の先端の送出口22を塞ぐように、押圧されるので、接着剤供給路6から、接着剤3が漏出することはない。
【0056】
その後、把持部35bを把持して移動部材35を軸周りに回転させることで、移動部材35を基端側に移動させる。これに合わせて、内筒30が基端側へと移動し、内筒30の先端が外筒20の送出口22よりも内側へ移動する。これによって、接着剤供給路6が開放され、接着剤3が送出口22から供給可能となる(図1の状態)。このとき、送出口22では、その軸心部で光ファイバ2が送り出されると、その周囲に接着剤3が押し出されることとなる。
【0057】
トリガー44を引きながら、光ファイバ2の先端を計測対象構造物4aの所定の位置に配置して、胴部10の先端を計測対象構造物4aに沿わしながら移動し、光ファイバ2と接着剤3の供給を開始する。このようにすれば、光ファイバ2は、先端部が計測対象構造物4aに固定されているので、ロール部材60から引っ張られることとなり、自動的に引き出されて、順次内筒30内を挿通して、計測対象構造物4aへと供給される。また、このとき、接着剤供給量調整装置50において、光ファイバ2の供給速度に応じて、A液3aとB液3bの供給量が調整され、適度な量の接着剤3が供給されることとなる。すなわち、光ファイバ2の供給速度が速い場合は、接着剤3の供給量が多くなり、光ファイバ2の供給速度が遅い場合は、接着剤3の供給量が少なくなるので、光ファイバ2の周囲には、単位長さ当たりで常に一定量の接着剤3が供給されることなる。これによって、光ファイバ2の周囲には一定厚さの接着剤層が形成されることとなり、光ファイバ2は、均一な接着力で計測対象構造物4aに接着される。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ケーブル挿通路5から光ファイバ2(ケーブル)を供給しつつ、接着剤供給路6から接着剤3を光ファイバ2に供給できるので、胴部10の先端部分を計測対象構造物4a(敷設対象物4)に沿わして移動させるだけで、光ファイバ2を連続的に敷設できるので、敷設作業が非常に簡単に行える。また、光ファイバ2と接着剤3とを一体的に敷設できるので、作業者は接着剤を手に持つ必要はなく、作業負担が低減され、長距離の光ファイバ2を持ちながら敷設作業を行える。さらに、光ファイバ2を巻き付けるロール部材60を有しているので、非常に長距離の光ファイバ2を分割することなく、敷設できる。したがって、光ファイバ2の融着作業を大幅に低減するか、なくすことができ、施工手間と時間を低減することができるとともに、計測精度の低下を防止することができる。
【0059】
また、ケーブル敷設機1の胴部10は、その外殻を構成する外筒20と、この外筒の内部に所定の隙間をあけて設けられた内筒30とを有しており、内筒30の内部の空間で、ケーブル挿通路5が構成され、内筒30と外筒20との間の隙間で、接着剤供給路6が構成されているので、簡単な構造で胴部10を構成でき、ケーブル敷設機1の製造加工手間が低減され、容易に製造でき、製造コストを低減することができる。
【0060】
さらに、外筒20は、その先端部が先端側に向かって縮径するテーパ状に形成され、内筒30は、その先端部の外周面が外筒20のテーパの傾斜角度よりも小さい傾斜角度で縮径するとともに最大径部が外筒20の先端開口径よりも大きいテーパ状に形成され、且つ外筒20に対して軸方向に移動自在に固定されているので、内筒30を軸方向に移動させるだけで、接着剤供給路6の開閉を自在に行うことができるので、接着剤3の外部への漏出を防止でき、ケーブル敷設機1の運搬や収納などを容易に行うことができる。
【0061】
また、内筒30の基端部には、外筒20の内周面の雌ネジ24に螺合され、その軸周りに回転することで軸方向に移動する移動部材35が固定されているので、移動部材35を軸回りに回転させるだけで、外筒20に対して軸方向に移動するので、内筒30の軸方向への移動を容易に行うことができる。さらに、内筒30の基端部には、バネ部材34が設けられているので、接着剤供給路6の閉塞を確実に行うことができる。
【0062】
また、接着剤供給管7a,7bには、ストッパー装置40が設けられているので、接着剤3の供給を確実に停止することができ、接着剤3の漏出を防止でき、ケーブル敷設機1の運搬や収納などを容易に行うことができる。接着剤供給管7a,7bは、弾性材にて構成されており、ストッパー装置40は、接着剤供給管7a,7bの側面を押圧することで接着剤供給管7a,7b内の流路を閉塞してA液3aおよびB液3b(接着剤3)の供給を停止させるように構成されているので、接着剤供給管7a,7bに特別な加工を施す必要はなく、ストッパー装置40も簡単な構造となるので、ケーブル敷設機1を容易に製造することができる。
【0063】
さらに、接着剤供給管7a,7bには、光ファイバ2の送り出し速度に応じてA液3aおよびB液3b(接着剤3)の供給量を調整する接着剤供給量調整装置50が設けられているので、作業員の熟練に頼ることなく、光ファイバ2の長さに対して、常に一定量の接着剤3を供給できる。したがって、接着剤3の塗りムラをなくすことができ、光ファイバ2の計測対象構造物4aへの接着強度を高めることができるとともに、計測対象構造物4aに見済みが発生した場合には、光ファイバ2にひずみが確実に伝わるので、光ファイバを用いたひずみ計測における計測精度を高めることができる。
【0064】
そして、接着剤供給量調整装置50は、接着剤供給管7a,7bに付勢される押込み部材51と、光ファイバ2に接触する第一ローラ部材52と、押込み部材51に接触する第二ローラ部材53と、第一ローラ部材52と第二ローラ部材53とを連結する動力伝達手段55とを備えて構成されているので、接着剤供給管7a,7bに特別な加工を施すことはなく、また、接着剤供給量調整装置は、制御装置などの複雑な機器を設ける必要はないので、機械的で簡単な構造となるので、ケーブル敷設機1を容易に且つ安価で製造することができる。
【0065】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、本実施の形態では、ケーブル敷設機1の胴部10は、外筒20と内筒30の二重管構造となっているが、これに限られるものではなく、軸心部にケーブル挿通路を有し、その周囲に孔状の接着剤供給路を有する構成であってもよい。
【0066】
また、前記実施の形態では、接着剤3は、光ファイバ2の周囲を覆うように供給されているが、少なくとも、光ファイバ2の計測対象構造物4a側(敷設対象物4側)に設けられて、光ファイバ2を計測対象構造物4aに接着できるようになっていればよい。
【0067】
また、前記実施の形態では、光ファイバ2を計測対象構造物4aに敷設する場合を例に挙げて説明したが、ケーブルは光ファイバ2に限られるものではなく、電力線や通信線などの他の線状部材であっても、本発明を適用できるのは勿論である。
【0068】
さらに、前記実施の形態では、接着剤3は二液混合型のものであるが、一液タイプであっても三液以上の混合型のものであっても、本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係るケーブル敷設機を実施するための最良の形態の敷設時の状態を示した断面図である。
【図2】本発明に係るケーブル敷設機を実施するための最良の形態の使用中断時の状態を示した断面図である。
【図3】本発明に係るケーブル敷設機の移動部材を示した(a)は背面図、(b)は断面図である。
【図4】本発明に係るケーブル敷設機の接着剤供給量調整装置を示した側面図であって、(a)は光ファイバの送出速度が遅い状態を示した図、(b)は光ファイバの送出速度が速い状態を示した図である。
【図5】本発明に係るケーブル敷設機を用いた敷設作業を示した斜視図である。
【図6】本発明に係るケーブル敷設機のロール部材を示した断面図である。
【図7】本発明に係るケーブル敷設機の接着剤供給装置を示した断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 ケーブル敷設機
2 光ファイバ
3 接着剤
4 計測対象構造物
5 ケーブル挿通路
6 接着剤供給路
7a 接着剤供給管
7b 接着剤供給管
10 胴部
20 外筒
30 内筒
31a 最大径部
35 移動部材
40 ストッパー装置
50 接着剤供給量調整装置
51 押込み部材
52 第一ローラ部材
53 第二ローラ部材
60 ロール部材
70 接着剤供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバや電力線や通信線などのケーブルを、接着剤によって敷設対象物に敷設するためのケーブル敷設機であって、
前記敷設対象物へと送り出される前記ケーブルが挿通されるケーブル挿通路を備えた筒状の胴部を備え、
前記胴部に、前記ケーブル挿通路の送出側端部に開口し前記敷設対象物へと送り出される前記ケーブルの少なくとも前記敷設対象物側部分に接着剤を供給するための接着剤供給路を形成した
ことを特徴とするケーブル敷設機。
【請求項2】
前記ケーブルは、構造物のひずみを計測するための光ファイバであって、
前記敷設対象物は、前記光ファイバによってひずみ計測が行われるトンネル、橋梁やダムなどを含む建設構造物一般の計測対象構造物である
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル敷設機。
【請求項3】
前記胴部は、その外殻を構成する外筒と、この外筒の内部に所定の隙間をあけて設けられた内筒とを有しており、
前記内筒の内部の空間で、前記ケーブル挿通路が構成され、
前記内筒と前記外筒との間の隙間で、前記接着剤供給路が構成された
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のケーブル敷設機。
【請求項4】
前記外筒は、その先端部が先端側に向かって縮径するテーパ状に形成され、
前記内筒は、その先端部の外周面が前記外筒のテーパの傾斜角度よりも小さい傾斜角度で縮径するとともに最大径部が前記外筒の先端開口径よりも大きいテーパ状に形成され、且つ前記外筒に対して軸方向に移動自在に固定されている
ことを特徴とする請求項3に記載のケーブル敷設機。
【請求項5】
前記内筒の基端部には、前記外筒の内周面に螺合され、その軸周りに回転することで軸方向に移動する移動部材が固定されている
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のケーブル敷設機。
【請求項6】
前記接着剤供給路には、前記接着剤を供給するための接着剤供給管が接続され、
前記接着剤供給管には、前記接着剤の供給を停止させるストッパー装置が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のケーブル敷設機。
【請求項7】
前記接着剤供給管は、弾性材にて構成されており、
前記ストッパー装置は、前記接着剤供給管の側面を押圧することで前記接着剤供給管内の流路を閉塞して前記接着剤の供給を停止させるように構成された
ことを特徴とする請求項6に記載のケーブル敷設機。
【請求項8】
前記接着剤供給管には、前記ケーブルの送り出し速度に応じて前記接着剤の供給量を調整する接着剤供給量調整装置が設けられている
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のケーブル敷設機。
【請求項9】
前記接着剤供給管は、弾性材にて構成されており、
前記接着剤供給量調整装置は、前記接着剤供給管に付勢される押込み部材と、前記ケーブルに接触する第一ローラ部材と、前記押込み部材に接触するとともに前記第一ローラ部材の回転力が伝達され前記押込み部材との摩擦力によって前記押込み部材をその付勢力に抗して押し戻す第二ローラ部材とを備えた
ことを特徴とする請求項8に記載のケーブル敷設機。
【請求項10】
前記ケーブルが巻き付けられるロール部材と、前記接着剤を貯蔵して圧送する接着剤供給装置とを、さらに備えた
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のケーブル敷設機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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