説明

ケーブル用コネクタ

【課題】 シールドコネクタの簡素化が容易であり、その完全な電磁シールドが可能になるケーブル用コネクタを提供する。
【解決手段】 導体ハウジング11内に、ソケット部13a、13bをもつコネクタ導体13を収容する収容インシュレータ14が配置される。導体ハウジング11に電気ケーブルの挿入される方向に形成された円筒部11aに螺合し、収容インシュレータ14を固定する螺子環状固定金具15が取り付けられる。この螺子環状固定金具15の内周面に圧接し、その径方向内側に弾性付勢する弾性接触子16が備えられる。更に、防水用ゴムリング17が取り付けられ、円筒部11aがキャップ12により密閉される。そして、ソケット部13aは電気ケーブルの芯線に圧着し、弾性接触子16は電気ケーブルのシールド編組部に圧着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド線付きの電気ケーブルを別の電気機器に接続するためのケーブル用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば百アンペア以上の大電流が電送される電気ケーブルでは、直流電流であってもその電流変動により発生する電磁波ノイズの漏洩防止が必要になる。特に、電気自動車あるいはハイブリッド自動車の場合のように厳しい環境条件(走行による振動、衝撃等)になる場合には、安全性の観点から優れた電磁適合性(EMC:Electro Magnetic Compatibility)の確保が極めて重要である。
【0003】
これまで、上記自動車で使用されるシールド線を有する電気ケーブルを例えば蓄電池あるいは燃料電池等の電流源に接続するために、種々のシールドコネクタが提示されている(例えば、特許文献1,2を参照)。ここで、電気ケーブル(以下、単にケーブルともいう)は網状のシールド線によりシールドされ、コネクタに対しても電磁シールドが施される。例えば特許文献1では、ケーブルの芯線が接続されるコネクタ端子(コネクタ導体)は、絶縁体のインナーハウジングとアウターハウジングを有する収容室に配置される。そして、このインナーハウジングとアウターハウジングとの間に電磁シールドとなる導電性カバーが取り付けられる。特許文献2のコネクタでは、ソケット型のコネクタ端子が収容される複数のチャンバ部品の外側面に電磁シールドとなる導電性層がコーティングされる構造になる。
【0004】
このようなシールドコネクタにおいて、上記コネクタ端子はシールド線付き電気ケーブルを別の電気機器例えば上記電流源、変圧器、開閉器等のプラグイン端子、雄端子、雌端子あるいは別のコネクタ等に電気接続する。そして、上記導電性カバー、導電性層がこの電気接続のところで生じた電磁波の漏洩を防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3174236号公報
【特許文献2】特表2009−530760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のシールドコネクタでは、コネクタ端子が配置される絶縁体のハウジングあるいはチャンバ部品のような収容室の構造は複雑化している。このため、その収容室の例えば導電性カバー、導電性層のようなシールド導体の取り付けが不充分になり易い。そして、例えば電気ケーブルの送電開閉のように、ケーブルの電流量が大きく変動するような場合に、発生する電磁波の強度が比較的に大きくなり、シールドコネクタからの電磁波漏洩が避けられなくなる虞がある。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、シールドコネクタの簡素化が容易であり、完全な電磁シールドが可能になるケーブル用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明にかかるケーブル用コネクタは、シールド線付きの電気ケーブルのコネクタであって、導体ハウジングと、前記導体ハウジング内に配置され、ソケット部を有するコネクタ導体が収容されたインシュレータと、前記電気ケーブルが前記導体ハウジングに挿入される方向に沿って形成された前記導体ハウジングの筒状部にその内部において螺合し、前記インシュレータを前記導体ハウジング内に固定する環状固定金具と、前記環状固定金具の内周面に圧接し、前記環状固定金具の径方向内側に弾性付勢する接触要素と、を備え、前記コネクタ導体のソケット部は前記電気ケーブルの芯線に圧着し、前記接触要素は前記電気ケーブルの絶縁外被が切除され露出したシールド編組部に圧着するようになっている。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、シールドコネクタが簡素な構造になる。そして、完全な電磁シールドが可能になる。また、自動車分野のように厳しい環境条件(走行による振動、衝撃等)下において、安定的なEMCの確保が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態にかかるケーブル用コネクタの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるケーブル用コネクタの一例を示す側断面図である。
【図3】図2のケーブル用コネクタに電気ケーブルが装着された状態を示す側断面図である。
【図4】図2に示したケーブル用コネクタを上方に切り開いたところの断面図である。
【図5】本発明の実施形態のケーブル用コネクタにおいてコネクタ導体の収容に用いられるインシュレータの一例を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態のケーブル用コネクタにおいて用いられる螺子環状固定金具の一例を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態のケーブル用コネクタにおいて用いられる弾性接触子の一例を示す側面図である。
【図8】本発明の実施形態のケーブル用コネクタの組み立ておよび電気ケーブルの装着の説明に供する分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の好適な実施形態について図1乃至図8を参照して説明する。以下、図面においては、その要部に符号が付され、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は一部省略される。
【0012】
図1に示すように、本実施形態のケーブル用コネクタ10では、シールド線付きの電気ケーブルKは、導電性物質からなる導体ハウジング11内において、電気機器からの端子等の別の電気器具に接続するようになっている。ここで、導体ハウジング11は例えばアルミニウム等の金属製の円筒部11aと台座部11bが一体構造になって形成されている。なお、電気ケーブルKが挿入される円筒部11aの挿入口はキャップ12により密閉されるようになっている。
【0013】
図2,3,4に示すように、ケーブル用コネクタ10は、上述した導体ハウジング11内に、電気ケーブルKを別の電気器具に電気接続するコネクタ導体13、このコネクタ導体13を収容する収容インシュレータ14を備えている。ここで、収容インシュレータ14はコネクタ導体13を導体ハウジング11から絶縁分離する。
【0014】
この収容インシュレータ14は、導体ハウジング11内に電気ケーブルKが挿入される方向、例えば電気ケーブルKの中心軸Mの方向に2分割された2つの半割りインシュレータ14a,14bが重ね合わされるように取り付けられていると好適である。そして、それ等の係合溝141と導体ハウジング11の係合突起111が係合して、収容インシュレータ14は導体ハウジング11内に安定配置される。詳細は後述されるが、例えば螺子環状固定金具15の螺着において、弾性接触子16と同様に中心軸M周りの回転が抑止される。
【0015】
コネクタ導体13は、電気ケーブルKの芯線K1が接続する一のソケット部13a、別の電気器具が接続する他のソケット部13bを有し、収容インシュレータ14に嵌め込まれように収容される。ここで、ソケット部13aの先端部131は収容インシュレータ14の前方突起部142に突き当たるようになっている。そして、コネクタ導体13は収容インシュレータ14に設けられた後方突起部143との間で挟持される。図3に示されるように、この第1のソケット部13aに電気ケーブルKの芯線K1が締められて圧着されるようになる。ここで、装着された電気ケーブルKの中心軸M方向への引張り強度は300kgf以上になる。
【0016】
更に、ケーブル用コネクタ10には、導電性で例えば円環状の螺子環状固定金具15が、円筒部11aの内壁に設けられた雌ネジ部112で螺合し、収容インシュレータ14を導体ハウジング11内に固定するように取り付けられている。また、接触要素である弾性接触子16が螺子環状固定金具15の内周面に沿って取り付けられている。この弾性接触子16は径方向に弾性を示し径方向内側に付勢する弾性片を有している。そして、弾性接触子16は収容インシュレータ14に固持されるようになっている。そのようなものとして例えばラメラ(lamella)コンタクトが好適である。
【0017】
弾性接触子16は、導体ハウジング11内に電気ケーブルKが挿入される方向、例えば電気ケーブルKの中心軸Mの方向に2分割された2つの半割り接触子16a,16bが重ね合わされるようになっているとよい。この弾性接触子16にはその他に例えば線ばねが有効に適用される。上述した螺子環状固定金具15は、この一の弾性接触子16を押圧して固持する機能も有する。
【0018】
そして、図3に示されるように、弾性接触子16は、ケーブル用コネクタ10への電気ケーブルKの装着において、その絶縁内被K2表面に露出するシールド線K3の編組部K4をその弾性力により押圧し電気接続する。また、この弾性接触子16は螺子環状固定金具15に電気接続し更にこの螺子環状固定金具15が導体ハウジング11の円筒部11aに電気接続することで、電気ケーブルKのシールド線K3は安定的に導体ハウジング11に電気接続するようになる。
【0019】
また、導体ハウジング11の円筒部11aにおいて、上記螺子環状固定金具15から電気ケーブルKの挿入口の間に防水用ゴムリング17が取り付けられている。ここで、防水用ゴムリング17はケーブル用コネクタ10内への水分あるいは塵埃の浸入に起因する絶縁性劣化を防止する。そして、図3に示されるように、防水用ゴムリング17は、ケーブル用コネクタ10への電気ケーブルKの装着において、その絶縁外被K5表面に圧接するようになっている。このような防水用ゴムリング17は、電気ケーブルKが例えば自動車のような環境条件の厳しくなるところに配策される場合に好適となる。
【0020】
そして、円筒部11aの挿入口にキャップ12が取り付けられる。キャップ12は樹脂製あるいは金属製であり、防水用ゴムリング17に保持されるようになっている。あるいは、挿入口に螺着するようになっていてもよい。
【0021】
上記ケーブル用コネクタ10では、上述したコネクタ導体13の他のソケット部13b内に他の弾性接触子18が挿設されている。ここで、この弾性接触子18は上述した一の弾性接触子16と同様な弾性体からなる。但し、この弾性接触子18は一の弾性接触子16と異なり半割りでない環状になっていればよい。また、図2に示されるように、導体ハウジング11の円筒部11aから台座部11bにかけて挿抜口19を有するガイドインシュレータ20が取り付けられている。更に、図4に示されるように、台座部11bに複数のネジ穴21が形成されている。
【0022】
そして、別の電気機器からの例えばプラグイン端子のような雄端子がガイドインシュレータ20の挿抜口19から挿入され、他のソケット部13b内の弾性接触子18を介してコネクタ導体13に電気接続するようになる。また、このケーブル用コネクタ10は、台座部11bに設けられたネジ穴21に螺合するネジあるいはボルト等を通して上記電気機器に容易に締結されるようになる。ここで、ケーブル用コネクタ10の導体ハウジング11は、上記電気機器において、上記ネジ等を介して接地されるようになると好適である。
【0023】
収容インシュレータ14は、例えば図5に示されるように、有底筒状の樹脂からなるインシュレータが2分割された2つの半割りインシュレータ14a,14bからなる。ここで、半割りインシュレータ14bには、ガイドインシュレータ20の挿抜口19に連通する開口144が設けられている。また、半割りインシュレータ14a,14bの先端にそれぞれ円弧状の溝部145が設けられ、更に係止部146が形成されている。そして、詳細は後述される例えばラメラコンタクトからなる弾性接触子16が収容インシュレータ14に対して固持されるようになっている。
【0024】
螺子環状固定金具15は、例えば図6に示されるように、その外周面に雄ネジ部151を有し、この雄ネジ部151が導体ハウジング11の円筒部11aに形成した雌ネジ部112に螺合する。ここで、螺子環状固定金具15は、そのネジ頭部152にネジ頭溝153が設けられた構造になっており、ねじ回しとなる円環状の固定金具締め治具(図示せず)により円筒部11aに螺着される。
【0025】
弾性接触子16は、例えば図7に示されるように、例えば2つの円環状の接触子カラー部161の間に複数の弾性片162が固着している。この弾性片は例えばベリリウム銅のような強い弾性力を有する導電性物質からなる。そして、この弾性片は円環の径方向内側に弾性付勢するようになっている。また、接触子カラー部161に切り欠き部163が形成されている。
【0026】
このような弾性接触子16は上述したように収容インシュレータ14に固持されるようになっている。例えば、弾性接触子16の接触子カラー部161の一部が収容インシュレータ14の溝部145に挿入され、切り欠き部163が収容インシュレータ14の係止部146に係合する。このようにして、螺子環状固定金具15を固定金具締め治具により円筒部11aの雌ネジ部112に螺合させる際に、弾性接触子16の中心軸M周りの回転は抑止される。
【0027】
次に、本実施形態のケーブル用コネクタ10の組み立ておよび電気ケーブルKの装着について説明する。はじめに、電気ケーブルKの端部からキャップ12、防水用ゴムリング17および螺子環状固定金具15を、順次に絶縁外被K5を被包するように差し込む。そして、その端部の絶縁外被K5、シールド線K3、絶縁内被K2を切除し、露出する芯線K1をコネクタ導体13のソケット部13a内に挿入しソケット部13aを締めて圧着する。そして、絶縁内被K2内周面に露出するシールド線K3を編組部K4とする。なお、上記差し込みと切除の手順は逆であってもよい。
【0028】
次いで、コネクタ導体13の他のソケット部13b内に別の弾性接触子18を装着する。そして、このコネクタ導体13に半割りインシュレータ14a,14bを上下から被せる。続いて、ガイドインシュレータ20およびOリング22を導体ハウジング11の台座部に取り付ける。このようにした後に、シールド線K3の編組部K4に弾性接触子16を上下からあてがい、収容インシュレータ14に係合させる。そして、電気ケーブルKの芯線K1が接続するコネクタ導体13を収容した状態で、その収容インシュレータ14を導体ハウジング11内に挿入する。ここで、半割り接触子16a,16bは上下から重ね合わせて編組部K4に圧接する。また、半割りインシュレータ14a,14bからなる収容インシュレータ14に固持される。
【0029】
そして、円筒部11aに収容インシュレータ14、弾性接触子16を挿入した状態で、螺子環状固定金具15を円筒部11aに螺着する。この螺着では、上述したような固定金具締め治具(図示せず)を用い、円筒部11aの所定の位置に設けられた雌ネジ部112と螺子環状固定金具15の雄ネジ部151を固く螺合させる。この螺合において、弾性接触子16は収容インシュレータ14に固持されているために、その回転が抑止されて編組部K4に圧着する。
【0030】
最後に、螺着した螺子環状固定金具15に当接するように防水用ゴムリング17を円筒部11a内に挿入する。更に、円筒部11aの挿入口にキャップ12を取り付ける。このようにしてケーブル用コネクタ10の組み立ておよび電気ケーブルKの装着が完了する。
【0031】
上記ケーブル用コネクタ10の組み立ておよび電気ケーブルKの装着において、2分割された半割りインシュレータ14a,14bによりコネクタ導体13を固定して収容する。このため、コネクタ導体13を収容した収容インシュレータ14は、電気ケーブルKと共に、一体構造の導体ハウジング11内に、その円筒部11aの挿入口から極めて容易に装着することができる。
【0032】
また、弾性接触子16として2分割の半割り接触子16a,16bを用いることは、シールド線K3の編組部K4において例えばその折り返し形成等により厚さムラが生じる場合に極めて有効になる。このような厚さムラがあっても、半割り接触子16a,16bを編組部K4の上下から重ね合わせ圧接することができる。なお、編組部K4に厚さムラがなく、またその外周面が平滑になる場合には、2分割されない弾性接触子を用いることができる。この場合には、上述したように、はじめに電気ケーブルKの端部からキャップ12、防水用ゴムリング17および螺子環状固定金具15に加えて2分割されない弾性接触子16が順次に絶縁外被K5を被包するように差し込まれることになる。
【0033】
上記実施形態では、導体ハウジング11が円筒部11aを有する場合が示されているが、その他にその外形は筒状になっていてもよい。
【0034】
また、本実施形態のケーブル用コネクタ10では、電気ケーブルKと別の電気機器からの端子が互いに直交するようにコネクタ導体13に接続にするようになっているが、鈍角または互いに直線状になって接続する構造であってもよい。この場合には、コネクタ導体13において、ソケット部13aとソケット部13bが共に上述した電気ケーブルKの中心軸Mに沿って設けられる。あるいは、コネクタ導体13のソケット部13bは雄端子で形成される構造であっても構わない。この場合には電気ケーブルKは別の電気機器からの雌端子と接続する。
【0035】
上記電気ケーブルKが別の電気機器からの端子と直線状に接続する構造となる場合、上記収容インシュレータ14は2分割にしなくても、そのコネクタ導体13と共に導体ハウジング11内に装着することができる。
【0036】
本実施形態では、電気ケーブルKの芯線K1が電気接続するコネクタ導体13は収容インシュレータ14内に収容されて、例えば一体構造の導体ハウジング11内に配置される。また、電気ケーブルKのシールド線K3の編組部K4は弾性接触子16に圧着し、この弾性接触子16に圧接し導体ハウジング11に螺着する螺子環状固定金具15を通して導体ハウジング11に電気接続するようになっている。
【0037】
このために、ケーブル用コネクタが簡素な構造にできる。そして、例えばケーブル用コネクタ10は、電気機器に取り付けられ、電気ケーブルKと上記電気機器の端子のような電気器具との接続状態において、その内部が電磁的に完全に密閉される。すなわち、ケーブル用コネクタ10の導体ハウジング11、螺子環状固定金具15および弾性接触子16と、接続される電気ケーブルKのシールド線K3および端子等の電気器具とにより完全に密閉される。
【0038】
また、本実施形態で説明したようなケーブル用コネクタ10は、電気ケーブルKの中心軸M方向への引張り強度が非常に高くなり、電気ケーブルKの抜脱に対して高い耐性を有する。そして、電気ケーブルKの中心軸Mに直交する方向への捩れがあっても、弾性接触子16の弾性付勢により捩れによる応力が緩和されるために、編組部K4は弾性接触子16を通して長期に安定して接地電位に固定される。
【0039】
このようにして、本実施形態で説明したようなケーブル用コネクタは、ケーブルの電流量が大きく変動するような場合にあっても、安定してシールドコネクタからの電磁波漏洩を防止できる。そして、その電磁シールドの完全化が可能になる。また、本実施形態で説明したようなケーブル用コネクタは、振動、衝撃等がある厳しい条件下であっても安定した機能を有する。このために、自動車分野のように厳しい環境条件(走行による振動、衝撃等)下において、安定的なEMCが確保される。
【0040】
また、本実施形態で説明したようなケーブル用コネクタは、電気ケーブルKの装着が簡便であり、その使用において高い利便性を有する。
【0041】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
【0042】
例えば、本発明のケーブル用コネクタは、シールド線付き電気ケーブルに換えて、高周波を伝送するための同軸ケーブルが装着される場合であってもよい。
【符号の説明】
【0043】
10…ケーブル用コネクタ,11…導体ハウジング, 11a…円筒部,11b…台座部,111…係合突起, 112…雌ネジ部,12…キャップ,13…コネクタ導体,13a,13b…ソケット部,131…ソケット先端部,14…収容インシュレータ,14a,14b…半割りインシュレータ,141…係合溝,142…前方突起部,143…後方突起部,144…開口,145…溝部,146…係止部,15…螺子環状固定金具,151…雄ネジ部,152…ネジ頭部,153…ネジ頭溝,16,18…弾性接触子,16a,16b…半割り接触子,161…接触子カラー部,162…弾性片,163…切り欠き部,17…防水用ゴムリング,19…挿抜口,20…ガイドインシュレータ,21…ネジ穴,22…Oリング,K…電気ケーブル,K1…芯線,K2…絶縁内被,K3…シールド線,K4…編組部,K5…絶縁外被,M…中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド線付きの電気ケーブルのコネクタであって、
導体ハウジングと、
前記導体ハウジング内に配置され、ソケット部を有するコネクタ導体が収容されたインシュレータと、
前記電気ケーブルが前記導体ハウジングに挿入される方向に沿って形成された前記導体ハウジングの筒状部にその内部において螺合し、前記インシュレータを前記導体ハウジング内に固定する環状固定金具と、
前記環状固定金具の内周面に圧接し、前記環状固定金具の径方向内側に弾性付勢する接触要素と、を備え、
前記コネクタ導体のソケット部は前記電気ケーブルの芯線に圧着し、前記接触要素は前記電気ケーブルの絶縁外被が切除され露出したシールド編組部に圧着するようになっていることを特徴とするケーブル用コネクタ。
【請求項2】
前記環状固定金具は、その外周面に設けられた雄ネジ部と前記導体ハウジングの筒状部の内周面に設けられた雌ネジ部とにより螺合することを特徴とする請求項1に記載のケーブル用コネクタ。
【請求項3】
前記接触要素は前記インシュレータに係合することを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル用コネクタ。
【請求項4】
前記接触要素はラメラコンタクトであり、前記インシュレータおよび前記接触要素は、前記電気ケーブルが挿入される方向に沿って2分割されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のケーブル用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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