説明

ケーブル結線支援装置およびケーブル結線支援方法

【課題】ケーブルの端より端点に接続されている端子台の情報を収集する。
【解決手段】複数のケーブルの両端にマスタ装置及びスレーブ装置を配置しケーブルと各装置間を接続端子で接続する構成になっている。また、マスタ装置とスレーブ装置には接地されている。マスタ装置は、接続されたケーブル1本毎にスレーブ装置のどの端子に接続されているかの問い合わせや相互通や接地接続、結線忘れの検査を行う。接続先や検査結果は表示装置を用いて表示を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル結線時におけるケーブルの接続支援及び接続確認及び導通試験を行うための装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された技術によれば、接続作業の終えた2本のケーブルの、片方の端点を接続したループを作成しループ内に微弱電流を流し2本のケーブルに限った導通テストを行っている。更に、ケーブル端点にケーブル端点RFIDを装着し、このRFIDのID情報を読み取ることにより接続確認を行っている。結線作業時にはケーブル両端に作業者を配置し、作業者間の連絡及び接続したケーブルの情報及び読み取ったRFIDのID情報を無線通信など結線したケーブル以外の通信手段を用いて作業管理センタなどに送り、接続状態の確認を行っている。
【0003】
特許文献2に開示された技術によればLAN配線を用いて上位装置から下位装置に向けて問い合わせ命令を発信し、下位装置の識別IDを取得しケーブルの接続先の確認を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−279914号公報
【特許文献2】特開2005−244615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたシステムにおいては、1.導通確認時にケーブル両端の作業員が連絡を取りながらケーブルの選択作業を行わなければならない。従って、ケーブル両端で最低2名の作業員が必要になる。2.ケーブル両端の作業員及び装置の通信は、敷設ケーブル以外の通信手段を利用している。そのため、建物内部のように壁で遮蔽された場所では通信できない場合も生じる。また、有線を利用する場合での敷設ケーブル以外に新たに通信用のケーブルを敷設する必要が生じる。3.確認するケーブルの選択及びRFIDの読み取りは目視確認及び人手作業で行う。そのため、ヒューマンエラーが生じる可能性がある。などの課題がある。
【0006】
また、特許文献2の手法では、ケーブルが規格化され、多芯ケーブル(LANは通常8本)と両端に取り付けるコネクタの接続が保障され上位と下位装置の相互通信が確保できる場合にはじめて使用できる手法である。従って、ケーブル内の心線1本毎の確認を行うことはできない。
【0007】
そこで本発明が解決しようとする課題は、ケーブル内の心線1本毎の接続状況を確認することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明のケーブル結線支援装置,ケーブル結線支援システムおよびケーブル結線支援方法は、マスタ装置とスレーブ装置の二種類の装置をケーブル両端に取り付ける。マスタ装置は、敷設ケーブルの心線がスレーブ装置のどの位置に接続されたかを確認する手段が備わっている。これら確認を行うためのマスタ装置とスレーブ装置間の通信は確認するケーブル心線のみで行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果によれば、ケーブル内の心線1本毎の接続状況を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態1に係るケーブル結線支援システムの構成図である。
【図2】結線作業の一例を表す図。
【図3】本実施形態1に係るケーブル結線支援装置の回路図。
【図4】本実施形態1に係るケーブル結線支援装置の処理フロー。
【図5】コネクタ型端子台の一例。
【図6】コネクタ型端子台をコネクタから外した例。
【図7】マスタ装置の設置方法を現す図。
【図8】マスタ装置の動作時の概観図。
【図9】結線作業終了後の概観図。
【図10】電圧変化の一例。
【図11】検査結果の表示例
【図12】本実施形態2に係るケーブル結線支援装置の構成図。
【図13】本実施形態2に係るケーブル結線支援装置の概観図。
【図14】本実施形態2に係るケーブル結線支援装置利用時の概観図。
【図15】マスタ装置側のデータベースの一例。
【図16】スレーブ装置側のデータベースの一例。
【図17】結線ケーブルの一例。
【図18】本実施形態2に係るケーブル結線支援装置の処理フロー。
【図19】コネクタの一例。
【図20】コネクタに用いた場合の一例。
【図21】一端子の一例。
【図22】二端子の一例。
【図23】接続確認を行う端子を人手で行う装置。
【図24】別実施例に係るケーブル結線支援装置の構成図。
【図25】別実施例に係るケーブル結線支援装置の構成図。
【図26】作業フローの一例。
【図27】ケーブル番号を取り付けたケーブルの一例。
【図28】処理手順の説明図。
【図29】表示の一例。
【図30】進捗状況のデータベースの一例。
【図31】初期状態の結線図。
【図32】正常接続が確認されたときの結線図の一例。
【図33】図3の回路より抵抗部分を抜き出した図の一例。
【図34】無視できる抵抗値を取り除いた回路図の一例。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。単心ケーブルは一本の導線が絶縁被覆で覆われているケーブルであり、多心ケーブルは複数の導線が絶縁被覆で覆われているケーブルである。ケーブルに入っている導線1本毎をケーブル心線として説明する。
【0012】
(実施形態1)
図2にケーブル接続の一例を示す。この例では端子台A21から端子台B22への接続の例である。各端子台間を8本の単心ケーブル201〜単心ケーブル208で接続する。なお、各端子台には端子番号212,端子番号213が割り当てられている。更に各端子台には1〜8の番号が割り振られている。また単心ケーブルにはケーブルID214が割り当てられている。ただし、図2の例では、正しくは2つの端子台A,端子台Bの同じ端子番号をケーブルで接続する予定であったが、接続ミスなどにより単心ケーブル201,単心ケーブル202を除くケーブルが正しく接続されていない例を示している。以下正しく接続されていない例を示す。
1.誤接続の例
単心ケーブル203及び単心ケーブル204は接続ミスのために、端子台B22の端子番号3と端子台A21の端子番号4を入れ違えて接続した例である(誤接続)。
2.相互通の例
単心ケーブル205,単心ケーブル206の接続は合っているがケーブルが途中でケーブルの絶縁損傷のため接触209してしまった例である(相互通)。
3.接地接続の例
単心ケーブル207はケーブル損傷によりグランドと接触しまった例210である(接地接続)。
4.接続忘れの例
単心ケーブル208はケーブル終点211の接続を忘れてしまっている例である(接続忘れ)。
【0013】
このようにケーブル接続には数種類の接続ミスが発生する。そこで、従来は接続後にケーブル検査員がケーブル両端に行きヘッドセットやベルを使い1本毎に接続チェックを行っていた。接続試験は工数のかかる作業であるし、検査員の検査ミスもゼロではなかった。本発明の第一の目的は上記、1.誤接続、2.相互通、3.接地接続、4.接続忘れ、の発見である。
【0014】
図1は、本実施形態1にケーブル結線支援装置の構成例を示す構成図である。複数のケーブル4の両端にマスタ装置1及びスレーブ装置2を配置しケーブルと各装置間をマスタ装置側端子台7及びスレーブ装置側端子台8で接続する構成になっている。また、マスタ装置1とスレーブ装置2にはマスタ装置側の接地5,スレーブ装置側の接地6のように接続されている。ここでの接地とは、地面への接地でも良いし、車両や金属製筐体等ように車体・筐体が金属製の場合、車体・筐体を接地としても良い。さらに、電気的に接続されたケーブル或いは導電体を接地としてもかまわない。マスタ装置1は、接続されたケーブル1本毎にスレーブ装置2のどの端子に接続されているかの問い合わせや相互通や接地接続,結線忘れの検査を行う。接続先や検査結果は表示装置3を用いて表示を行う。マスタ装置1およびマスタ装置2にはそれぞれ制御回路14及び15がある。詳細は後述するが、マスタ側の制御回路にはスキャン機能9,抵抗値測定機能10,ID受信機能11が、スレーブ側の制御回路には、スキャン機能12,ID送信機能13が搭載されている。
【0015】
マスタ装置及びスレーブ装置の概観を図5,図6,図7,図8,図9を用いて説明する。図5はコネクタ型の端子台の一例である。端子台の固定パネル52,固定パネル側に取り付けられたコネクタ51,コネクタ51に接続する端子台50、端子台50には複数の端子53がある。このコネクタ下部から配線54が接続されており固定パネル内にある配線に繋がっている。端子台50はコネクタ51に接続する構造になっている。端子台50とコネクタ51は図6のように簡単な操作で取り外し可能である。従来は、図5の状態で端子台50上の端子53に結線作業を行っていた。図7がマスタ装置1及びスレーブ装置2の取り付けの様子を示している。マスタ装置1の概観をマスタ装置70として示す。また、表示装置3と接続するための通信用コネクタ71がある。マスタ装置70は図8に示すように端子台50とコネクタ51の間に挿入して使用する。図8は結線した単心ケーブル82,表示装置(本実施例ではPCを用いている。)81であり、PCとの通信及び電源供給用の接続ケーブル80でコネクタ71に接続されている。接続ケーブル80の一例としてはUSBケーブルが上げられる。USBケーブルを用いればマスタ装置70への電源供給とPCとのデータ通信を同一ケーブルで行うことができる。図8の状態ではマスタ装置70の端子位置と端子台50の端子台は電気的に一対一に接続されており端子台50に接続した単心ケーブル82の信号を確実にマスタ装置の同じ端子位置に導くことができる。なお、コネクタ52とマスタ装置70との間は、電気的に接続しない状態とする。接続確認後には図9に示すように、マスタ装置70を取り外し端子台50とコネクタ52を再度接続して作業完了となる。スレーブ装置2の概観は、マスタ装置70の概観と同様であり図による説明は省略する。
【0016】
次に、マスタ装置1とスレーブ装置2の動作内容を図3の回路図及び図4の処理ブロックを用いて説明する。図3の回路はケーブル部のケーブル301を境に右側がマスタ装置側328,左側がスレーブ装置側327となっている。マスタ装置側の端子台303とスレーブ装置側の端子台302がある。本回路はスキャン回路M305を使いスイッチSW2nの制御行うことによりマスタ側端子、それにケーブルを介して接続されているスレーブ側の端子位置をスキャン回路S304を用いて探索し、探索結果をSW3と示すスイッチ314を用いて符号化し、マスタ側差動電圧検知回路308で検出する構成となっている。また、スレーブ装置は、接続ケーブルを利用してマスタ装置より供給される電力を利用して動作するようになっている。従って、マスタ側で全ての制御を行うためスレーブ装置側への検査員の配置は不要である。従って、スレーブ装置側の作業員が不要とる。また、新たに通信用のケーブルを敷設する必要が不要となる。また、ヒューマンエラーを防ぐことができる。
【0017】
以下、図4の処理ブロックに沿って回路図3を用いながら説明する。
【0018】
図3にそれぞれの抵抗の抵抗値を一例としてR1=0.01Ω,R2=50Ω,R3=100kΩ,R4=10kΩ,R5=100kΩとする。初期状態では図4のマスタ装置の初期状態401,スレーブ装置の初期状態407に示す状態になっている。
【0019】
マスタ装置は先ずケーブルの接続状況チェックモード402においてケーブルの接続状況チェックモードを実行する。このモードでは、「接地接続」及び「接続忘れ」のチェックを行う。SW1と示すスイッチ307はSW1=OFFの状態で、SW21〜SW2nを順次1つのスイッチだけONして行く。SW1=OFFということは抵抗R5と示す抵抗306を流れてVcc325が供給されることになる。また、シャント抵抗R1両端の電位差を差動電圧検出回路308で検出しており電位差よりR1を流れる電流(Vcc325から供給される電流)を検知することができる。
【0020】
ケーブルが「接地接続」の場合、R3の抵抗値よりもはるかに小さな抵抗で接地されているためR3の抵抗値は無視され、電流値がVcc/R5として観測される。従ってこの条件の時にはケーブルが接地接続と判定できる。
【0021】
ケーブルが「接続忘れ」の場合にはR3を通って流れる電流のみとなる。従って、電流値がVcc/(R5+R3)の場合「接続忘れ」或いは「未接続」と判定することができる。
【0022】
上記以外の条件の時は、「結線状態」と判定される。
【0023】
なお、ケーブルの接続状況チェックモードではスレーブ側に供給される電圧は小さいためにスレーブ側のCPUは動作していない408。
【0024】
次にID読み取りモードI403及びID読み取りモードII404へ移行する。ID読み取りモードとは、スレーブ側の各端子に割り当てたID情報を読み取ることによりマスタ側端子位置に接続されたケーブルがスレーブ側の端子のどの位置に繋がっているかを読み取るモードである。ID情報としては、スレーブの端子番号でも良いし、スレーブ装置が繋がっている端子台の個別IDと端子IDを組み合わせたIDでもかまわない。また、このモードでは「相互通」のチェックも行う。
【0025】
ID読み取りモードI403では先ずSW1=ONとする。このスイッチを入れ、SW2nのどれかのスイッチを入れることにより接続ケーブルを介してスレーブ側CPUを動かすのに十分な電圧を供給できるようになる。
【0026】
次にケーブルの接続状況チェックモード402で「結線状態」と判定されたSW2nを順番にONして行く。一番最初にSW2nをONした場合、電気二重層キャパシタ318の充電及びスレーブ装置のCPU316のリセット処理であるCPUリセット409を行う。電気二重層キャパシタは、SW2nの切替処理のために発生する瞬停の対策及びCPU316で消費する電力の平滑化のために用いている。
【0027】
図3の例ではSW22がONの状態になっている。そのためコンパレータ311はHighを示し、その他のコンパレータ321等はLowを示すことになる。スキャン410は、この状態をスレーブ装置CPU316はスキャン回路S304を用いてスキャンしHighの端子位置を検出する。この例ではSW52をONにしたときにHighが観測できるので端子台302の上から2番目に端子位置がマスタ装置から要求されている端子位置であると判定できる。
【0028】
次に、送信411を行うため、CPU316は端子位置に対応したID情報を送信用ID情報フラッシュROM319より選択しID情報の送信である、要求端子のIDをSW3のON/OFFを用いて送信・相互通の場合はその旨符号化して送信を行う。ID情報の送信にはSW3であるスイッチ314をON/OFFして行う。このON/OFFによりマスタ装置のシャント抵抗R1322両端の電圧は図10のように変化する。ID読み取りモードII404では、この電圧変化を利用してマスタ側ではID情報を受信する。その後、表示モード405でケーブル接続状況チェックモード及びID読み取りモードの実行結果を表示装置に表示する。その後、処理終了406する。これにより、マスタ装置の要求に応じて前記IDを送信する機能と、前記送信されたIDを前記マスタ装置で読み取り、前記ケーブル心線の接続関係を検出する機能が実現される。従って、マスタ側で全ての制御を行うためスレーブ装置側への検査員の配置は不要である。従って、スレーブ装置側の作業員が不要とる。また、新たに通信用のケーブルを敷設する必要が不要となる。また、ヒューマンエラーを防ぐことができる。
【0029】
ID情報伝送の様子をさらに詳しく説明する。図33は図3の回路より抵抗部分を抜き出した図である。ID読み取りモードの初期状態ではSW1=ONであるので、R5と示された抵抗306は取り除いてある。この回路の中で、省電力型のCPUを使えば消費電流330は1mA以下(3.3V動作の場合の抵抗換算値約3.3kΩ)、R3と示された抵抗323も大きな抵抗なので無視することができる。したがって、これら無視できる抵抗値を取り除いた回路図が図34となる。
【0030】
この回路図からSW3=OFFの時のR1両端の電位差VOFF
【0031】
【数1】

【0032】
SW3=ONの時のR1両端の電位差VON
【0033】
【数2】

【0034】
となる。
【0035】
初期状態でSW3はOFFである。したがって、R1の電位差はVOFF100となる。次にSW3をONにすると電位差はVON101となる。この電位差を差動電圧検出回路308を用いて検出すると共に閾値105を用いて0及び1に符号化することができる。
【0036】
データのサンプリング次のように行う。
(1)マスタ装置の差動電圧検出回路のサンプリングは最初の立ち下がりエッジ102を起点としてサンプリング間隔Δtでサンプリングを行う。したがって、サンプリングの時間的位置は103,104のようになる。
(2)スレーブ装置は最初にSW3をOFFにした時刻102を基準にΔtよりも手前の106の位置及び2Δtよりも手前の107の位置までに伝送する符号に応じてSW3を操作する。例えば、1を送りたい場合にはSW3をONとして0を送る場合にはSW3はOFFのままとする。
(3)以後上記(1)(2)の繰り返して情報を伝送する。
【0037】
これによりスレーブ装置側で操作したSW3の変化(伝送情報)をマスタ装置の差動電圧回路の出力値を観測することにより検出することができるようになる。
【0038】
また、ケーブル抵抗Rc以外の抵抗値R1,R2は既知である。従って、R1の電圧降下よりケーブルの抵抗値Rcを求めることができる。
【0039】
ケーブルの抵抗値は次のようにして観測する。
(4)最初のSW3がON区間の電圧VONを計測する。(例えば区間101→102)
(5)VONよりRcの値を以下の式で求める。
【0040】
【数3】

【0041】
なお、上記はVONを用いてRcの値を求めているがVOFFを用いても同様の手法で可能である。
【0042】
また、スキャン回路S304を用いてスキャンを行ったときに複数の端子でHighが検知された場合にはそこに繋がっているケーブルはどこかでお互いに接続されていることになる「相互通」と判定することができる。
【0043】
スキャン412では、ID情報の送信が終ったらONしてあったSW2nを一度OFFしその後次のSW2nのスイッチをONする。このときマスタ装置から供給される電力が一時中断されるので信号線324を用いてスレーブCPU316は終了を検知し、SW5nのスキャンを再開する。その後、スレーブ装置のCPU停止413では、マスタ端末からの電源供給停止と共にスレーブ装置の動作を停止をする。
【0044】
以上の処理を全ての端子で実行終了となる。
【0045】
検査結果は表示装置及び制御装置310の表示画面に表示される。一例として図2のような接続を行った場合の表示例を図11に示す。「相互通」「接地接続」「接続忘れ」を図11から読み取ることができる。また、「誤接続」に関しては、検査員がマスタ側で接続図と見比べて端子番号3及び端子番号4が入れ違いに接続されていることが判別できる。なお、マスタ側の表示装置及び制御装置310およびスレーブ側の表示装置及び制御装置329は上記説明した検査結果の表示以外に後で述べるが端子台へのケーブル心線位置の指示などにも用いることができる。
【0046】
このようにすることで、本実施形態1によれば、スレーブ側への検査員の配置が不要となり、接続ケーブル以外の通信手段を用いずともケーブルの接続検査を行うことができる。また、既存のケーブルを用いるだけでケーブル接続状態の確認ができ、新たな通信手段の確保が不要となる。
【0047】
なお、本実施形態では固定パネルに取り付けるコネクタ型の端子台の例を概観図として示したが、ケーブル途中に存在するコネクタの中間に挿入できるような形状のマスタ装置或いはスレーブ装置を製作して利用しても良い。図19に中間コネクタの概観を示す。190及び191が中間コネクタであり、多心ケーブル192及び多心ケーブル193を電気的に接続している。図20にマスタ装置の取り付けの様子を示す。マスタ装置のコントローラ202はコネクタ190とコネクタ191の間に挿入するコネクタ200で接続される。接続ケーブル201はマスタ装置のコントローラ202の制御信号をコネクタ200へ伝送するケーブルである。スレーブ装置が多心ケーブル193の先に取り付けられている場合にはコネクタ200とコネクタ191を接続してケーブル193の接続状態の検査を行い、ケーブル192の先にスレーブ装置がある場合にはコネクタ190とコネクタ200を接続して検査を行う。なお、図20ではマスタ装置の説明を行ったが、スレーブ装置側の概観形状や接続方法も同様である。このようにケーブルの中間コネクタに適合するような形状の検査用コネクタ200を用いることによりコネクタ接続のケーブルにおいても本実施形態を利用することができる。これにより多心ケーブルなど一度に接続可能なコネクタに適用可能となる。
【0048】
図21及び図22は、端子毎にマスタ装置或いはスレーブ装置を取り付けるための概観図である。図21は1端子の例、図22は2端子の例である。図13や図20の例の場合、標準化されたコネクタや端子台を用いることが本実施形態を利用するための前提条件となってしまう。そこで、さまざまな接続方法に対応するために端子毎にマスタ装置或いはスレーブ装置を取り付けるための一手段である。
【0049】
図21のケーブル2140が検査を行うケーブルである。端子2130はケーブル2140に取り付けられた端子である。クリップ2120は端子2130を一時的に接続するためのクリップである。スレーブ装置2110にスレーブ装置の回路が入っている。端子2100は、本来2130が接続する端子位置に一時的に取り付けるための端子である。図21のような形状のスレーブ装置を用いる場合、同じ形状のスレーブ装置を接続するケーブルの本数使うことになる。したがって、誤検査をなくすためにケーブル2140を本来取り付ける場所に210を使って取り付け誤検査の防止に利用する。
【0050】
同様に図22は2端子を同時に検査するためのスレーブ装置の概観である。検査ケーブル223,検査するケーブル224が検査するケーブルである。スレーブ装置220にはスレーブ装置の回路が入っている。なお、図22は2端子の例であるが更に多くの端子数にしてもかまわない。また、上記はスレーブ装置の例を示したがマスタ装置でも同様の使い方・概観となるので説明を省略する。
【0051】
これにより、標準化されたコネクタ以外でも本実施例を適用できる。
【0052】
ここまでの実施形態での説明では接続確認を行う端子はマスタ装置が電気的にスキャンしていたが、図23は、接続確認を行う端子を人手で行う装置の例である。マスタ装置237と、検査結果が表示されるディスプレイを持った検査結果を示す。プローブ234は作業員が検査対象のコネクタ231の端子232に接続するためのプローブ。接地端子236は接地されている。クリップ235は接地端子に接続するためのクリップである。ケーブル230の先には既にスレーブ端末が接続されている。
【0053】
作業員は、コネクタ231の各端子にプローブ234を接触させる。すると、ケーブル230の先に接続されたスレーブ装置よりスレーブ装置の端子IDが応答される。また応答信号の電圧変化より接続抵抗値の計測を行い表示装置238に表示する。作業員は、応答された接続先ID情報や抵抗値を見ながら接続確認を行う。
【0054】
以上、様々な形状のマスタ装置・スレーブ装置の説明を行ったが利用時にはそれぞれの形状の装置を適用場所に応じて選択しても良い。例えばスレーブ装置を図7で説明した形状の物を用い、マスタ装置を図23で説明した形状の物を用いてもかまわない。
【0055】
本実施例により、スレーブ装置側の作業員が不要となり人件費の削減を行うことができる。また、既存のケーブルを用いるだけでケーブル接続状態の確認ができ、新たな通信手段の確保が不要となる。更にケーブル心線の入れ替え作業は電子的スキャン方式を採用している。従って、ヒューマンエラーの発生を抑えることができる。
【0056】
(実施形態2)
実施形態1では「相互通」「接地接続」「接続忘れ」において自動的検出することを示した。しかし、「誤接続」に関しては、検査作業員が接続図と見比べながら判定を行う必要があった。そこで、これから説明する実施形態2では「誤接続」に関しても自動検出を行う手法について述べる。
【0057】
図12は本実施形態の構成図である。図1と比較すると、マスタ装置1に接続する表示装置及び制御装置120,マスタ装置側のケーブル結線DB122,スレーブ装置側の表示装置及び制御装置121,スレーブ側のケーブル結線DB123,マスタ装置1側のナビゲーション用LED群124,スレーブ装置側のナビゲーション用LED群125が追加されている。
【0058】
マスタ側のケーブル結線DB122,スレーブ側のケーブル結線DB123には、結線図及び使用する端子台のID及び接続端子位置が登録されている。マスタ装置側の表示装置及び制御装置120,スレーブ装置側の表示装置及び制御装置121はマスタ装置側のケーブル結線DB122,スレーブ装置側のケーブル結線DB123を参照し実施形態1で説明した端子台間でのケーブルの接続関係を確認したり、マスタ装置のナビゲーション用LED群124,スレーブ装置のナビゲーション用LED群125を用いて結線する端子台位置をマスタ装置側のLED126,スレーブ装置側のLED127のようにLEDを点滅させてナビゲートを行う。なお、本実施形態ではケーブル結線DB122,ケーブル結線DB123をマスタ側・スレーブ側別々に記載しているが、別途説明を行う図25におけるケーブル結線DB252のようにマスタ装置側のケーブル結線DB122,スレーブ装置側のケーブル結線DB123を同一のDBとしてもかまわない。例えば、作業前にケーブル結線DB252の情報をマスタ装置側のケーブル結線DB122やスレーブ側の装置側のケーブル結線DB123のDBにコピーして作業を行い、変更情報等があれば作業終了後にケーブル結線DB252へ変更情報を登録しても良いし、マスタ装置或いはスレーブ装置とケーブル結線DB252との間を無線或いは有線通信装置で接続し直接ケーブル結線DB252とやり取りを行ってもかまわない。
【0059】
図13は本実施形態でのマスタ装置128,スレーブ装置129の概観図である。マスタ・スレーブ装置131の概観を示す。スレーブ装置及びマスタ装置の内部回路構成は図3で示したように異なるが概観は同じ形状でもかまわない。ナビゲーション用LED132、表示装置及び制御装置120,表示装置及び制御装置121に接続するコネクタ133である。端子台番号134及び端子台番号135は端子台の識別情報を表す端子台番号である。図13では、図16のスレーブ側端子台を例としており、端子台番号を示す「B−003−C」「B−003−P」が記載れている。「B−003」の後の「−C」「−P」は対になる端子台50,端子台52を識別するための拡張子である。端子台番号134,端子台番号135は人による目視を考慮して端子台番号を記載した例であるが端子台番号の代わり或いは併記したバーコード或いはRFIDなどを用いてもかまわない。実際の使用時の様子を図14に示す。端子台50とコネクタ52の間に本装置131を挿入する形で利用する。表示装置及び制御装置140がある。結線するケーブルや心線の情報表示したり、マスタ装置のLED群124及びスレーブ装置のLED群125の点滅制御を行ったり結線の検査結果のデータ受信や検査結果の表示を行う。図14ではLED141を点灯している例である。これはLEDと対応する位置の端子と対応する位置の端子142へケーブルを接続するように指示している一例である。
【0060】
図15及び図16は、マスタ装置側のケーブル結線DB122,スレーブ装置側のケーブル結線DB123の一例である。図15がマスタ装置を接続した端子台の情報、図16はスレーブ装置を接続した端子台の情報である。DBには端子台を識別するための端子台番号に対応して、その端子台に接続するケーブル番号やケーブル内の心線番号が登録されている。また、心線番号と端子番号の対応情報も登録されている。これまでは、結線作業員が図15,図16の情報を頼りに結線作業を行っていた。
【0061】
図17は接続するケーブルの一例である。ケーブル心線には心線番号を示すマークチューブ170〜173やケーブル番号をあらわすケーブルマーカ174が取り付けられている。なお、マークチューブ,ケーブルマーカとして目視確認できる文字表示の他にRFIDを埋め込んだもの、バーコードを併記したものを利用してもよい。この場合目視確認によりミスを低減することができる。
【0062】
図18に処理及び作業のフローを示す。この図を用いて本実施形態の処理の流れを説明する。
【0063】
まず、スレーブ装置を設置する側で作業を開始する。
【0064】
端子台番号を読み取り、端子台とコネクタの中間にスレーブ装置を設置180では、端子台番号134または端子台番号135を読み取り、端子台とコネクタの中間にスレーブ装置を設置する。端子台番号134が[B−001−C]、端子台番号135が端子台番号の読み取りは目視確認で行い表示装置及び制御装置121の表示及び制御装置に手入力しても良いし、端子台番号134,端子台番号135にRFIDを埋め込んだりバーコードを併記しておきリーダ装置を用いて表示装置及び制御装置121へ直接読み込んだりしてもかまわない。端子台番号読み取りの作業フローを図26に示す。作業フローは手入力による処理である手入力の場合261とRFIDやバーコードなどを用いた機械による端子番号の読み取りの場合264との手順に分けている。まず、手入力の場合、確認262では、図13の端子台番号134あるいは端子台番号135に記載の端子番号を目視で確認する。入力263では目視確認した端子台番号を表示装置及び制御装置の手入力デバイス(キーボードやタッチパネルなど)を用いて入力し、登録267で表示装置及び制御装置121へ端子台番号を登録する。機械による読み取りの場合264では、図24に示すようにマスタ装置側の表示装置及び制御装置120にマスタ装置側のRFIDリーダ241及びスレーブ側の表示装置及び制御装置121にスレーブ装置側のRFIDリーダ242RFIDリーダを取り付ける(バーコードの場合バーコードリーダ)。リーダ読み取り265では、このRFIDリーダを用いて端子台に取り付けられた端子台番号を読み取る。なお、RFIDの場合、書き込まれているID情報がRFID製造時にユニークな番号が既に書き込まれており書換えや追記ができない製品も存在する。このような製品を利用する場合には、RFIDのID情報と端子台番号を対応付けるテーブルを持ち、ID情報から端子台番号へ変換しても良い。出力266では、このようにして取得した端子台番号は読み取り装置から出力されて、登録267でスレーブ側の表示装置及び制御装置へ端子台番号として登録される。
【0065】
ケーブル結線DBを参照し端子台に接続する結線情報を取得181では読み取った端子台番号をもとにスレーブ装置側のケーブル結線DB123を参照しケーブル番号をスレーブ装置側の表示装置及び制御装置121へ表示する。図14の端子142は端子台番号[B−003]を作業する場合の表示例である。端子台番号[B−003]の作業を行うと読み取った端子台番号をもとにスレーブ装置側のケーブル結線D.B.123を参照し結線するケーブル番号をスレーブ装置側の表示装置及び制御装置121に表示(図18の例の場合、[AAB]と[AAC]を表示181で端子台番号を読み取ると、表示及び制御装置121は端子台番号をもとに図16の表を参照する。参照の結果、端子台にはケーブル番号「AAB」とケーブル番号「AAC」の2本のケーブルが接続されることがわかり、図14の端子142のように「作業対象端子台:B−003,結線するケーブル:AAB:AAC」と表示する。
【0066】
表示されたケーブルを結線場所付近に配置して、ケーブル番号をスレーブ装置側の表示装置及び盛業装置121へ入力182では表示された番号のケーブルを結線場所付近に配置してケーブル番号の入力を行う。ケーブル番号は、図17のケーブルマーカ174に示すように例えばケーブル端点付近に取り付られている(図示していないが、ケーブルのもう片方の端点にもケーブル番号を取り付ける)。また、図27に示すようにケーブル270全体にケーブル番号271〜279(文字記載,バーコード印刷,RFID内蔵・貼り付けなど)を取り付けたケーブルを用いてもかまわない。このケーブル番号を、図26で説明した端子台番号の入力方法と同じ手法を用いて読み取る。なお、ケーブル番号の取り付け方としてケーブルマーカ174のようにケーブル端点に取り付ける方法でも良いし、目視確認後に手入力で行っても良いし、RFIDやバーコードを利用してリーダ装置により自動入力しても良い。このケーブル番号の入力は、LED141に表示されたケーブル番号が正確に選択されて結線場所付近に配置されたことを確認するために行う。したがって、LED141で表示されたケーブル番号以外の番号を読み取った場合エラー表示等を行うことができるために誤結線の予防が行える。
【0067】
選択したケーブルの端末処理(ケーブルシースの取り外しやケーブル心線の絶縁体の剥離、ケーブル心線の導体への接続端子冶具の取り付け)完了後、スレーブ装置側の表示装置及び制御装置121へ結線作業の指示を行う183。指示により182では結線位置をわかり易くするために接続端子位置にLEDを点灯し、作業員は指示に従い端子台端子への結線作業を行う184。
【0068】
表示されたケーブルを結線場所付近に配置して、ケーブル番号を表示装置及び制御装置へ入力182及び指示に従い全結線作業を行い終了184の処理を、図28を用いて詳しく説明する。
【0069】
結線作業開始指示280では結線作業開始命令を作業員が行うと、スレーブ装置側表示装置及び制御装置は表示されたケーブルを結線場所付近に配置して、ケーブル番号を表示装置及び制御装置へ入力182で入力した端子台番号をもとにケーブル結線DBを参照し端子台に接続する結線情報を取得する281。例えば端子台[B−003]の場合図16の結線情報である。
【0070】
スレーブ装置側の表示装置及び制御装置121は接続する端子番号に対応する位置のLEDを図14のLED141に示すように点灯させる282。また、スレーブ装置側の表示装置及び制御装置121には図29の表示内容290のように「作業対象端子台:B−003、結線するケーブル:AAB,端子番号:1,心番号:AAB001」を表示させる(端子番号1が結線対象位置の場合)。
【0071】
作業員はLEDの点灯位置及び表示内容290のように表示された情報をもとに端子台端子にケーブル心線の結線作業を実施する284。
【0072】
ケーブル心線にRFIDやバーコードが取り付けられている場合には、心番号をRFIDリーダやバーコードリーダを用いて読み取る285。
【0073】
読み込んだ心線番号と接続対象の端子番号に接続する心番号の比較を行う。心番号が異なる場合、121に接続間違いの表示等を行う288。
【0074】
接続する端子数上記処理を繰り返して実行し286、全接続端子の結線が終了して結線終了となる287。
【0075】
結線終了後表示及び制御装置121をスレーブ装置のコネクタから取り外す。この操作によりスレーブ装置はマスタ装置からの要求信号を待機する待機モードへと以降する185。
【0076】
この作業が終った時点で作業員はマスタ装置を設置する端子台に移動する。
【0077】
マスタ装置では、スレーブ装置で行った作業180〜184と同じ処理を実行する186。
【0078】
スレーブ装置で行った(180)〜(184)の処理をマスタ装置側でも実行186の作業が終了したら、マスタ装置側で実施形態1で行った接続確認処理をマスタ及びスレーブ装置が通信しながら実行し「接続先」「相互通」「接地接続」「接続忘れ」「抵抗値」を確認する187。
【0079】
確認結果を用いてマスタ装置側のケーブル結線DB122と照合し不具合があったら不具合の内容を表示装置及び制御装置120に表示する188。
【0080】
不具合修正後、マスタ装置を取り外し端子台をもとのコネクタ位置に接続してマスタ装置側の作業は終了する189。
【0081】
再度スレーブ装置側に作業員が移動し、スレーブ装置を取り外し端子台をもとのコネクタ位置に接続しスレーブ装置側の作業も終了する190。
【0082】
なお、上記フローでは一組の端子台毎にスレーブとマスタを移動するようにも見えるが、複数のスレーブ装置を用意し、複数の端子台をまとめて作業することも可能である。本実施形態で用いているスレーブ装置は電力をマスタ装置側から供給されるため、作業の時間が空いてしまった場合でもスレーブ装置のバッテリ切れ等の問題は生じない。
【0083】
本実施形態では、実施形態1で課題となっていた結線図面との照合を自動化することができる特徴がある。試験ケーブルの切り替えは人的手段を用いない装置・システムを提供でき、従って、ヒューマンエラーの発生を抑えることができる。
【0084】
(実施形態3)
結線接続確認を行った時刻をもとに結線の進捗状況を可視化する実施形態の説明を行う。図25が進捗状況を可視化するための構成図である。図24の構成図に進捗状況のデータベース251および結線図のデータベース253を付加している。また、図面簡素化のためにケーブル結線DBは共通化し1つのデータベースとしてケーブル結線DB252として表示している(共通化に関しては実施形態2で説明済み)。
【0085】
進捗状況のデータベース253の一例を図30に示す。端子台番号3050毎に端子番号3000の作業の完了した時刻3010及びケーブル心線の抵抗値3020が登録できるようになっている。また、作業が完了していない端子番号には「未完了」3040が登録されている。結線図データベース253には、初期状態では図31に示すような結線図が登録されている。端子台番号3100,端子台番号3110は端子台番号である。端子番号3120,端子番号3130が端子番号である。ケーブル心番号3140がケーブル心番号である。ケーブル番号3150がケーブル番号である。初期状態(未結線時)には配線は点線3160で表示されている。
【0086】
作業開始前は、図30の進捗状況のデータベースの完了時刻3010はすべて「未完了」の状態になっている。実施形態2の図18の実施形態1で行った接続確認処理をマスタ及びスレーブ装置が通信しながら実行し「接続先」「相互通」「接地接続」「接続忘れ」「抵抗値」を確認187の接続確認処理で正常接続が確認されると端子番号の対応する完了時刻の欄に完了時刻と接続抵抗値が登録される。また、検査により不具合が検知された場合、原因が抵抗値欄に登録される。図30の例では端子番号6が「接続忘れ」端子番号7が接地接続である。また、結線図データベースでは正常接続が確認されると結線が点線から実線3200に変化する(図32)。これにより、点線部分が未完の部分であり点線3160,点線3170のどの配線が未完成であるかを可視化することができる。この実施形態では一対の端子台間の回路を例に説明したが、装置全体の回路で行っても良い。これにより装置全体の結線の進捗状態を可視化することが可能になる。
【0087】
また、接続抵抗値3020を計測時間とともにデータベースに記憶している。したがって、この記憶された情報と時間経過後に再度測定を行うことによりケーブルの抵抗値の経年変化を計測することができる。これにより、今度の保全作業にも活用できる。
【0088】
なお、本実施形態では抵抗値計測について述べたが、インピーダンス計測も同様の手法で行うことが可能であり、接続直後のインピーダンス計測や経年変化の計測も可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 マスタ装置
2 スレーブ装置
3 表示装置
4 ケーブル
7 マスタ装置側端子台
8 スレーブ装置側端子台
9 IDを要求する機能
10 接続関係を検出する機能
11 スキャン回路M
12 IDを送信する機能
13 スキャン回路S
14 マスタ装置CPU
15 スレーブ装置CPU
309 マスタ装置CPU
310 表示装置及び制御装置
312 R2
313 R4
315 レギュレータ
317 電流制限回路
322 R1
323 R3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル心線一方に設置されたマスタ装置と、
前記ケーブル心線他方に設置されたスレーブ装置と、
前記マスタ装置は、前記ケーブル内のケーブル心線と接地を用いて、前記スレーブ装置に、前記スレーブ装置側の各端子に割り当てられたIDを要求する装置と、
前記スレーブ装置は、前記ケーブル内のケーブル心線と接地を用いて、前記マスタ装置の要求に応じて前記IDを送信する装置と、
前記送信されたIDを前記マスタ装置で読み取り、前記ケーブル心線の接続関係を検出する装置を有することを特徴とするケーブル結線支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載のケーブル結線システムにおいて、
前記マスタ装置は、前記マスタ装置のスイッチの制御を行うスキャン回路を有し、
前記スレーブ装置は、前記スレーブ装置のスイッチの制御を行う第二のスキャン回路を有することを特徴とするケーブル結線支援装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のケーブル結線システムにおいて、、
前記ケーブル心線に取り付けられたID情報を有するデバイスと、
前記デバイスのID情報を読み取る読み取り装置と、
前記読み取り装置により読み取られた前記ID情報を前記IDとすること特徴とするケーブル結線支援装置。
【請求項4】
ケーブル結線作業を支援する装置において、
ケーブル心線ごとに端子台を有したマスタ装置と、
ケーブル心線ごとに端子台を有したスレーブ装置と、
前記マスタ装置は、ケーブル心線ごとにケーブル端点に取り付けられたスレーブ装置の識別IDを読み取る装置と、
前記スレーブ装置は前記マスタ装置の要求に応じて識別IDを応答する装置と、
配線接続関係のデータベースとマスタ装置の端子台及びスレーブ装置の端子台の関係を表すデータベースと、
前記マスタ装置はスキャン装置を有し、
前記スキャン機能によりスキャンしたスレーブ装置のID情報と前記配線接続関係のデータベースを比較して誤配線を検出する装置を有することを特徴とするケーブル結線支援装置。
【請求項5】
請求項1に記載のケーブル結線支援装置において、
前記ID送信時にケーブル心線を流れる電流値を検出する装置と、
前記電流値から前記配線経路の抵抗値、又はケーブル相互接続の有無、又は接地、又は接続開放を検出する装置を有することを特徴とするケーブル結線支援装置。
【請求項6】
請求項1のケーブル結線支援装置において、
結線作業の進捗状況を記憶するデータベースと、
ケーブル結線状態を記憶するデータベースと、
受信したケーブル情報から対象の結線作業を選択する装置と、
前記接続端子位置にLEDを点灯させる装置を有することを特徴とするケーブル結線支援装置。
【請求項7】
請求項1に記載のケーブル結線支援装置において、
結線作業の進捗状況を記憶するデータベースと、
ケーブル結線状態を記憶するデータベースと、
前記進捗状況を記憶するデータベースに前記作業の完了した時刻、前記ケーブル心線の抵抗値を記録する装置を有することを特徴とするケーブル結線支援装置。
【請求項8】
請求項7に記載のケーブル結線支援装置において、
表示機能が、前記作業が未完成の場合と前記作業が完成した場合で可視化状態を変えて表示する装置を有することを特徴とするケーブル結線支援装置。
【請求項9】
ケーブル心線一方にマスタ装置を設置し、
前記ケーブル心線他方にスレーブ装置を設置し、
前記マスタ装置から、前記ケーブル内のケーブル心線と接地を用いて、前記スレーブ装置に、前記スレーブ装置側の各端子に割り当てられたIDを要求し、
前記スレーブ装置から、前記ケーブル内のケーブル心線と接地を用いて、前記要求に応じて前記IDを送信し、
前記マスタ装置で前記送信されたIDを読み取り、
前記ケーブル心線の接続関係を検出することを特徴とするケーブル結線支援方法。
【請求項10】
請求項9に記載のケーブル結線支援方法において、
前記IDの要求は、前記マスタ装置のスイッチの制御を順次切り替えて行うこと特徴とするケーブル結線支援方法。
【請求項11】
請求項9に記載のケーブル結線支援方法において、
前記ケーブル心線の接続関係の検出は、ID情報と配線接続関係のデータベースの情報を比較して誤配線を検出することを特徴とするケーブル結線支援方法。
【請求項12】
請求項9に記載のケーブル結線作業システムにおいて、
進捗状況を記憶するデータベースに前記作業の完了した時刻、前記ケーブル心線の抵抗値を記録することを特徴とするケーブル結線支援方法。
【請求項13】
請求項9に記載のケーブル結線支援方法において、
前記作業が未完成の場合と前記作業が完成した場合で可視化状態を変えて表示することを特徴とするケーブル結線支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2010−288406(P2010−288406A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141788(P2009−141788)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】