説明

ゲルマン及び有機ケイ素化合物の検知剤

【課題】 半導体製造工程等から排出されるゲルマン及びビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン等の有機ケイ素化合物を、水素等の雰囲気ガスに影響されることなく高感度で検知でき、しかも使用するまでの期間中、光等により容易に感度が低下しない検知剤を提供する。
【解決手段】 無機質担体に、変色成分として、重クロム酸アンモニウム、アルカリ金属の重クロム酸塩等の重クロム酸塩を担持させてなる検知剤とする。好ましくは、無機質担体に重クロム酸塩とともに貴金属塩を担持させてなる検知剤とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲルマン及び有機ケイ素化合物の検知剤に関する。さらに詳細には、半導体製造工程等から排出される排ガスに含まれるゲルマン及び有機ケイ素化合物を高感度で検知できる検知剤に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工業においては、アルシン、ホスフィン、ジボラン、セレン化水素等とともにゲルマンが原料ガスとして使用されている。ゲルマンを使用した際には、半導体製造工程からは、窒素、水素、ヘリウム等のガスで希釈された状態で、未反応のゲルマンが排出されるが、ゲルマンは毒性が高く、大気にそのまま放出した場合は人体及び環境に悪影響を与えるので、大気に放出するに先立ってゲルマンを含有する排ガスを浄化し、これが含まれていないことを確認する必要がある。
【0003】
また、CVD法による銅の成膜として、ヘキサフルオロアセチルアセトン銅ビニルトリメチルシラン((CF3CO)2CHCu・CH2CHSi(CH33)、ヘキサフルオロアセチルアセトン銅アリルトリメチルシラン((CF3CO)2CHCu・CH2CHCH2Si(CH33)等がCVD原料として使用されている。これらのCVD原料を使用した際には、半導体製造工程からは、窒素、水素、ヘリウム等のガスで希釈された状態で、分解物であるビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン等の有機ケイ素化合物が排出されるが、これらの有機ケイ素化合物も毒性が高く、大気にそのまま放出した場合は人体及び環境に悪影響を与えるので、大気に放出するに先立って有機ケイ素化合物を含有する排ガスを浄化し、これらが含まれていないことを確認する必要がある。
【0004】
そのため、半導体製造工程から排出されるゲルマンあるいは有機ケイ素化合物を含む排ガスを、例えば乾式浄化法により浄化する場合は、浄化筒の破過を検知してこれらの有害成分が外部に放出されないようにしてきた。このような状況下、取り扱いが容易で感度が高いゲルマンあるいは有機ケイ素化合物を検知するための検知剤が開発されている。このような検知剤の多くは、有害成分と接触すると変色する成分を無機質担体に担持させてなる検知剤である。
【0005】
従来から、ゲルマン等の水素化物ガスを検知するための検知剤としては、例えば、第二銅塩とパラジウム塩との混合物を変色成分とする検知剤(特開昭62−22062号公報)、第二銅塩と金塩との混合物を変色成分とする検知剤(特開平2−32254号公報)、モリブデン酸及びモリブデン酸塩の少なくとも一種を変色成分とする検知剤(特開平8−129009号公報)、アルカリ金属の過マンガン酸塩を変色成分とする検知剤(特開2003−207500号公報)が知られている。また、有機ケイ素化合物を検知するための検知剤としても、アルカリ金属の過マンガン酸塩を変色成分とする検知剤(特開2003−207499号公報)が知られている。
【0006】
これらの検知剤を用いた検知方法としては、前記のような変色成分を含む検知剤をガラス管に充填して検知管を製作した後、サンプリングした検査対象ガスを検知管に通して、その変色によりゲルマンあるいは有機ケイ素化合物の有無を検知する方法、排ガスの浄化筒の浄化剤の下流側の覗き窓部に検知剤を充填した後、ゲルマンあるいは有機ケイ素化合物を含む排ガスを流通し、その変色によって浄化筒の破過を検知する方法等が一般的に用いられている。
【特許文献1】特開昭62−22062号公報
【特許文献2】特開平2−32254号公報
【特許文献3】特開平8−129009号公報
【特許文献4】特開2003−207499号公報
【特許文献5】特開2003−207500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、第二銅塩とパラジウム塩との混合物を変色成分とする検知剤は、水素の存在下では水素により変色するので、水素を含むガス中のゲルマンを選択的に検知することができないほか、ゲルマンまたは有機ケイ素化合物と、浄化剤が反応して水素を発生するような浄化筒の破過を検知することができないという不都合があった。また、第二銅塩と金塩との混合物を変色成分とする検知剤、モリブデン酸及びモリブデン酸塩の少なくとも一種を変色成分とする検知剤は、アルシン、ホスフィンを高感度で検知することができるが、ゲルマン、有機ケイ素化合物の検知については充分な感度が得られなかった。さらに、アルカリ金属の過マンガン酸塩を変色成分とする検知剤は、光により感度が低下するので、使用するまでの期間、光に当たらないように保存に注意が必要であるという欠点があった。
【0008】
従って、本発明が解決しようとする課題は、半導体製造工程等から排出されるゲルマン及び有機ケイ素化合物を、雰囲気ガスに影響されることなく高感度で検知でき、しかも使用するまでの期間中、光等により容易に感度が低下しない検知剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、変色成分として重クロム酸塩を用いることにより、ゲルマン及び有機ケイ素化合物を、雰囲気ガスに影響されることなく高感度で検知でき、しかも使用するまでの期間中、光等により容易に感度が低下しないことを見出し、本発明のゲルマン及び有機ケイ素化合物の検知剤に到達した。
すなわち本発明は無機質担体に変色成分として重クロム酸塩を担持させてなることを特徴とするゲルマンの検知剤である。
また、本発明は、無機質担体に変色成分として重クロム酸塩を担持させてなることを特徴とする一般式CHCH-SiR、CHCH-Si(OR)、CHCHCH-SiR、またはCHCHCH-Si(OR)(Rは飽和炭化水素または芳香族化合物)で表される有機ケイ素化合物の検知剤である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲルマン及び有機ケイ素化合物の検知剤により、半導体製造工程等から排出されるゲルマン及び有機ケイ素化合物を、雰囲気ガスに影響されることなく高感度で検知することが可能となった。また、本発明の検知剤は、光等により容易に感度が低下しないので、使用するまでの保存が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、窒素、水素、アルゴン、ヘリウム等をベースガスとして含むガス中に存在するゲルマン及び有機ケイ素化合物を検知する検知剤に適用されるが、特に水素を含むガス中のゲルマン及び有機ケイ素化合物の検知に効果が発揮される。尚、本発明におけるゲルマンは、モノゲルマン(GeH)のほか、ジゲルマン(Ge)、トリゲルマン(Ge)を含むものである。また、本発明における有機ケイ素化合物は、一般式CHCH-SiR、CHCH-Si(OR)、CHCHCH-SiR、またはCHCHCH-Si(OR)(Rは飽和炭化水素または芳香族化合物)で表される有機ケイ素化合物であり、例えば、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリフェニルシラン等である。
【0012】
以下、本発明の検知剤について詳細に説明する。
本発明のゲルマン及び有機ケイ素化合物の検知剤においては、重クロム酸塩が無機質担体に担持せしめられて検知剤とされる。無機質担体としては、シリカゲル、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカアルミナ、シリカチタニア等を例示することができる。しかし、これらの無機質担体の中で、高比表面積の無機質担体として使用でき高感度の検知剤が得られる点からシリカゲルを用いることが好ましい。無機質担体の形態には特に制限はないが、シリカゲルの場合は、通常は比表面積が0.1〜400m/gの範囲のものが使用可能である。
【0013】
本発明の検知剤における重クロム酸塩としては、重クロム酸アンモニウム、または重クロム酸カリウム等のアルカリ金属の重クロム酸塩を挙げることができる。重クロム酸塩の含有量は、無機質担体に対して、通常は0.05〜10wt%、好ましくは0.1〜5.0wt%である。重クロム酸塩の含有量が無機質担体に対して0.05wt%未満の場合は、検知剤の変色成分の色が薄すぎて検知しにくくなる不都合を生じる。また、重クロム酸塩の含有量が無機質担体に対して10wt%を超える場合は、水素に対して変色しやすくなる不都合、検知剤の色が濃くなりすぎて検出感度が悪くなる不都合を生じる。
【0014】
本発明のゲルマン及び有機ケイ素化合物の検知剤においては、変色成分である重クロム酸塩のほか、さらに貴金属塩を無機質担体に担持させることが好ましい。本発明に使用できる貴金属塩としては、貴金属のハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩等を例示することができるが、これらの中では、パラジウムのハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、または硝酸塩が好ましい。また、貴金属塩の担持量は、無機質担体に対して、通常は0.5wt%以下であり、好ましくは0.001〜0.2wt%である。貴金属塩の含有量が無機質担体に対して0.5wt%を超える場合は水素の存在下で変色してしまう。本発明においては、パラジウム等の貴金属の塩を重クロム酸塩と併せて無機質担体に担持させることにより、検知剤の検出感度が良好になる。
本発明の検知剤の製造方法としては、重クロム酸塩を含む水溶液、または重クロム酸塩と貴金属塩を含む水溶液を、無機質担体に含浸させた後乾燥する方法、あるいは無機質担体をかき混ぜながら前記水溶液を振りかけた後乾燥させる方法を例示することができる。
【0015】
次に本発明の検知剤の使用方法について詳細に説明する。
本発明のゲルマン及び有機ケイ素化合物の検知剤は、例えば半導体製造工程等から排出されるゲルマンまたは有機ケイ素化合物を含有するガスと接触させることにより、ガスに含まれるゲルマンまたは有機ケイ素化合物が検知される。
本発明において、重クロム酸塩がゲルマンまたは有機ケイ素化合物と接触すると分解し変色するので、この間の検知剤の変色を検知することによりガス中のゲルマンまたは有機ケイ素化合物を検知することができる。例えば、ゲルマンまたは有機ケイ素化合物が、白色の無機質担体に重クロム酸塩(重クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウム)を担持させた検知剤と接触した場合、検知剤は黄色ないし橙色から焦茶色に鋭敏に変色する。
【0016】
本発明のゲルマン及び有機ケイ素化合物の検知剤は、通常は固体であり、例えば本発明の検知剤をガラス製の透明管に充填して検知管とし、検知対象ガスを配管等のガス採取口より検知管に吸引することにより目的のゲルマンまたは有機ケイ素化合物を検知することができる。また、本発明の検知剤をガラス製あるいはプラスチック製の透明管に充填し、これを検知対象ガスが流通する配管のバイパス管として設置し、透明管の中に検知対象ガスを通すことにより目的のゲルマンまたは有機ケイ素化合物を検知することができる。また、本発明の検知剤を、浄化筒の破過を検知するために使用する場合には、検知剤を浄化筒内の浄化剤層の下流側、浄化筒の後、または複数の浄化剤層の間などに設けられた透明な覗き窓部に充填して使用される。
【0017】
本発明の検知剤を透明管に充填し、これをバイパス管に設置して使用する場合、あるいは本発明の検知剤を浄化剤等とともに使用する場合等において、検知剤と接触させる検知対象ガスの速度に特に制限はないが、通常は空筒線速度で0.01〜100cm/sec程度とされる。空筒線速度が0.01cm/secより低い場合は検知が遅くなり、100cm/secより高い場合は圧力損失が大きくなる虞がある。接触時の検知対象ガスの温度は通常は−20〜100℃、また、圧力は通常は常圧であるが1kPa(abs)の減圧から1MPa(abs)の加圧下においても使用可能である。
【0018】
本発明の検知剤は、水素の存在下でも水素により変色しないので、水素を含むガス中のゲルマンまたは有機ケイ素化合物を選択的に高感度で検知することができる。また、半導体製造工程から排出されるゲルマンまたは有機ケイ素化合物を乾式浄化法により浄化する場合、ゲルマンまたは有機ケイ素化合物と浄化剤が反応して水素を発生するような浄化筒の破過も高感度で検知することができる。さらに、本発明の検知剤は、日光が入る室内においても日光が直接当たらなければ変質しないので保存が容易である。
【0019】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
(検知剤の調製)
変色成分として10gの重クロム酸アンモニウムを1000mlの水に溶解した溶液と、貴金属塩として0.25gの硫酸パラジウムを50mlの硫酸に溶解した溶液を混合し、径1.5〜4mm、比表面積300m/gの球状シリカゲル500gに含浸させた後、ロータリーエバポレーターを用いて80℃の温度で減圧乾燥させて検知剤(重クロム酸アンモニウムと、硫酸パラジウムと、シリカゲルの含有重量比は、2:0.05:100)を調製した。このように調製した検知剤を透明密閉容器に入れ、温度25℃、湿度50%の空気で満たされた実験室の日光が直接当たらない明るい場所に30日間放置したが、変色、変質等は見られなかった。次に、この検知剤を用いて、検知能力の測定を行なった。
【0021】
(検知能力の測定)
この検知剤20gを内径20mmのガラス管に充填した検知管を製作した。この検知管に、10%の水素を含有する窒素ガスを、25℃、常圧、空筒線速度5cm/secの条件で100時間流通し検知剤に接触させた結果、検知剤は橙色を維持し変色しないことが確認された。次に50ppmのゲルマン及び10%の水素を含有する窒素ガスを、25℃、常圧、空筒線速度5cm/secの条件で流通し検知剤に接触させた結果、検知剤が橙色から焦茶色に変色した。検知剤が変色し始めるまでの時間を測定した結果を表1に示す。
【0022】
[実施例2]
実施例1の検知能力の測定におけるゲルマンの濃度を10ppmに変えたほかは実施例1と同様にして検知能力の測定を行なった。その結果を表1に示す。
【0023】
[実施例3、4]
実施例1の検知剤の調製における重クロム酸アンモニウムの含有量を、各々シリカゲルに対して0.6wt%、6wt%に変えたほかは実施例1と同様にして検知剤を調製した。この検知剤を用いたほかは実施例1と同様にして検知能力の測定を行なった。その結果を表1に示す。
【0024】
[実施例5、6]
実施例1の検知剤の調製における変色成分を、各々重クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウムに替えたほかは実施例1と同様にして検知剤を調製した。この検知剤を用いたほかは実施例1と同様にして検知能力の測定を行なった。その結果を表1に示す。
【0025】
[実施例7、8]
実施例1の検知剤の調製における貴金属塩を、各々塩化パラジウム、塩化白金酸に替えたほかは実施例1と同様にして検知剤を調製した。この検知剤を用いたほかは実施例1と同様にして検知能力の測定を行なった。その結果を表1に示す。
【0026】
[実施例9〜13]
実施例1の検知能力の測定における検知対象ガス(ゲルマン)を、各々ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリフェニルシランに替えたほかは実施例1と同様にして検知能力の測定を行なった。その結果を表1に示す。
【0027】
[比較例1]
(検知剤の調製)
変色成分として5.0gのリンモリブデン酸と1.0gの硫酸銅を1000mlの水に溶解させた溶液を、径1.5〜4mm、比表面積300m/gの球状シリカゲル500gに含浸させた後、ロータリーエバポレーターを用いて80℃の温度で減圧乾燥させて検知剤を調製した。
【0028】
(検知能力の測定)
この検知剤20gを内径20mmのガラス管に充填した検知管を製作した。この検知管に、10%の水素を含有する窒素ガスを、25℃、常圧、空筒線速度5cm/secの条件で流通し検知剤に接触させた結果、検知剤は黄褐色を維持し変色しないことが確認された。次に50ppmのゲルマン及び10%の水素を含有する窒素ガスを、25℃、常圧、空筒線速度5cm/secの条件で流通し検知剤に接触させた結果、検知剤は60分経過後も変色しなかった。
【0029】
[比較例2〜6]
比較例1の検知能力の測定における検知対象ガス(ゲルマン)を、各々ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリフェニルシランに替えたほかは実施例1と同様にして検知能力の測定を行なった。その結果を表1に示す。
【0030】
[比較例7]
(検知剤の調製)
変色成分として12.5gの硫酸銅と2.5gの塩化パラジウムを1000mlの水に溶解させた溶液を、径1.5〜4mm、比表面積300m/gの球状シリカゲル500gに含浸させた後、ロータリーエバポレーターを用いて80℃の温度で減圧乾燥させて検知剤を調製した。
【0031】
(検知能力の測定)
この検知剤20gを内径20mmのガラス管に充填した検知管を製作した。この検知管に、10%の水素を含有する窒素ガスを、25℃、常圧、空筒線速度5cm/secの条件で流通し検知剤に接触させた結果、検知剤が黄褐色から黒色に変色してしまった。
【0032】
【表1】

【0033】
以上のように、本発明の実施例の検知剤は、雰囲気ガスに影響されることなくゲルマン及び有機ケイ素化合物を高感度で検知でき、しかも使用するまでの期間中、光等により容易に感度が低下しないことが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機質担体に変色成分として重クロム酸塩を担持させてなることを特徴とするゲルマンの検知剤。
【請求項2】
重クロム酸塩が、重クロム酸アンモニウムまたはアルカリ金属の重クロム酸塩である請求項1に記載のゲルマンの検知剤。
【請求項3】
重クロム酸塩のほか、さらに貴金属塩を無機質担体に担持させた請求項1に記載のゲルマンの検知剤。
【請求項4】
貴金属がパラジウムである請求項3に記載のゲルマンの検知剤。
【請求項5】
無機質担体に変色成分として重クロム酸塩を担持させてなることを特徴とする一般式CHCH-SiR、CHCH-Si(OR)、CHCHCH-SiR、またはCHCHCH-Si(OR)(Rは飽和炭化水素または芳香族化合物)で表される有機ケイ素化合物の検知剤。
【請求項6】
有機ケイ素化合物が、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリメトキシシラン、またはアリルトリフェニルシランである請求項5に記載の有害ガスの浄化方法。
【請求項7】
重クロム酸塩が、重クロム酸アンモニウムまたはアルカリ金属の重クロム酸塩である請求項5に記載の有機ケイ素化合物の検知剤。
【請求項8】
重クロム酸塩のほか、さらに貴金属塩を無機質担体に担持させた請求項5に記載の有機ケイ素化合物の検知剤。
【請求項9】
貴金属がパラジウムである請求項8に記載の有機ケイ素化合物の検知剤。

【公開番号】特開2008−20343(P2008−20343A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−192842(P2006−192842)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(000229601)日本パイオニクス株式会社 (96)
【Fターム(参考)】