説明

ゲル状食品の包装体及びゲル状食品の保存向上方法

【課題】ゲル状食品の包装体及びゲル状食品の保存性を向上する方法を提供する。
【解決手段】ゲル状食品のコンニャク糊とゲル化性蛋白の構成割合で、コンニャク糊を20以上〜80以下に対し、ゲル化性たんぱく質を80以下〜20以上とし、pHを7.8から9.8の間にコントロールして生成した加熱生成物質をケーシングに充填または、容器詰めにして、空気の流動を遮断する。更に高分子多糖類を併用するとその効果が倍増される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保存性の良好な農水畜産のゲル状食品及びその保存方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来魚肉、食肉練製品は低温加熱殺菌では、耐熱性菌が残るため、保存料を使用しても保存期間がせいぜい2週間程度である。又、保存料を使用しない場合は1週間程度が限度である。コンニャクの場合は保存性を高めるには通常pHを10.5以上にしているがアルカリの味が強い為、味付けされたものは商品化されていない。
【0003】
魚肉とコンニャクの融合化に関する技術は
【特許文献1】特開2005−287328
【特許文献2】特開2007−089518、
【特許文献3】特願2007−83581があるが、保存向上に関する記載のあるのは
【特許文献3】特願2007−83581であり、その記載についても、単に日持ちが良好になったという程度であり、その作用機構については解明されていない。
【特許文献1】特開2005−287328
【特許文献2】特開2007−089518
【特許文献3】特願2007−83581
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は未加熱コンニャクゲルと魚肉蛋白を融合させたゲルが、通常の魚肉練り製品より保存性が良好であることに着目し、この保存性が向上する理由とその機能を解明すべく、又魚肉とコンニャクの組み合わせ以外の組み合わせでの保存効果について、又その保存性をより向上させるファクターについて研究を行った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の構成要件は次に記載の3項目で、これらの共同作用で保存性向上を達成するものである。
1.コンニャク糊とゲル化性蛋白よりなるゾルは、コンニャク糊が20%以上でゲル化性蛋白質が80%以下の構成である、又はコンニャク糊80%以下でゲル化性蛋白質が20%以上の構成のものであること。
2.コンニャク糊とゲル化性蛋白よりなるゾルはpHを7.8以上9.8以下にアルカリ剤で調整したもの。
3.コンニャク糊とゲル化性蛋白よりなるゾルは、容器又はケーシング等に詰めて空気遮断したものを加熱ゲル化させるか、加熱後容器に詰めて又は包装して空気を遮断するが、この場合、容器の容積をゲル状食品の体積の7倍以下にすること。
更に高分子多糖類を添加することにより、無添加に比べ、製品の日持ちを延長することができる。又これらの高分子多糖類としてはアルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、カラギーナン、プルラン等であり、高分子多糖類の種類の違いによる保存性の延長効果に関しては大差は無い。
以上により本発明によるゲル状食品は、条件によっては、11カ月位保存が可能となった。
【0006】
本発明でのコンニャク糊とはコンニャク粉に水を添加して糊状にしたもの、又は生イモをすりおろし加熱したものであるが、コンニャク粉はグレードにもよるが水に対して2.5%位の添加濃度で使用するとよい。コンニャク粉はゲル化性蛋白に粉体で添加混合した後応分の水を添加してもよいし、又、ゲル化性蛋白に応分の水を添加した後、コンニャク粉を粉体で添加使用してもよい。この場合、コンニャク粉は微分グレードを使用すると、糊化までの時間が短くてすむので、ゲル化性蛋白の種類、作業効率を勘案して選択すればよい。ゲル化性蛋白とは、魚肉の生肉、魚肉スリ身、魚肉の落とし身、食肉、大豆粉、大豆を膨潤させて摩り下ろしたもの、分離大豆蛋白、小麦グルテン等で、魚肉、食肉はこのままでサイレントカッター、フードプロセッサー等でカッチングし、又はチョッパーで挽いて食塩を添加して攪拌等により粘ちょうな肉糊となり、大豆・大豆粉は加水後摩砕機〈マスコロイダー〉等で摩砕することにより、分離大豆蛋白、小麦蛋白は粉体に加水することにより、スリ身状のものになり、いずれも加熱によりゲル化する物性を持っている。
本発明では保存性向上の物質の解明までには至らなかったが、そのメカニズムについて推定すると、コンニャクの成分であるグルコマンナンとゲル化性植物蛋白、アクトミオシン蛋白との、pH7.3以上pH9.8以下での加熱反応生成物が、バクテリア、カビの増殖を抑え、空気の流動性を遮断した状態であると、その保存性は著しく増大する。更にこの保存性は、アルギン酸、アルギン酸Na、ペクチン、プルラン、カラギーナン、キサンタンガム等の高分子多糖類を併用すると著しく増大することが判明した。高分子多糖類はゾル状物の中にあって、グルコマンナン、動植物タンパク質と加熱により結合して、カビ、バクテリアの阻害物質となるか、又はカビ、バクテリアが増殖する為に必要とする水分の吸収を阻害する物質となる為と推定される。
本発明においてpHはアルカリ剤によって調製されるが、一般的にアルカリ剤として使用されるのは水酸化Ca、貝殻カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸3Ca、炭酸Na、リン酸3Na、リン酸3カリウム、炭酸K等があるが、アルカリ剤の種類による差は無いので、風味、添加量等を勘案して決定すればよいがpHが7.3より低くなると、ゲル化物のゲル強度が弱く、糊っぽさがでるので好ましくないし、pHが9.8をこえるとアルカリ味が強く出るため利用できない。
そして高分子多糖類を添加することにより、アルカリ金属に由来する苦味とアルカリ味が緩和される。又アルカリ剤によるコンニャク糊のゲル形成スピードのコントロールができる等の効果もあることが判明した。
この高分子多糖類の添加方法は工程中で粉末のまま添加しても良いし、コンニャク粉を溶解するとき、一緒に溶解する方法でも良い。
本発明において、コンニャク糊とゲル化性蛋白よりなるゾルは、コンニャク糊が20%以下で、ゲル化性蛋白が80%以上の構成の場合は苦みが強く出る為実用的ではない。
コンニャク糊80%以上で、ゲル化性蛋白が20%以下の構成の場合は、ゲルが著しく餅状になり,保形性が悪く、嗜好性が著しく低下し実用的ではないのでコンニャク糊は20%以上から80%以下が好ましい。
本発明において空気を遮断するとは具体的には(1)ゾル状物質をケーシングに充填し加熱したもの、(2)ゾルを成形して加熱ゲル化したものを容器に入れてパックする、(3)ゾルを成形して加熱ゲル化したものを袋詰めにするとかフィルムで包装することで達成できる。
ここで特に新規な事項としては、空気を遮断するために使用する包材、容器は、その種類・ガス透過性の良否等の材質は問わず、又必ずしもプラスチック製の袋等に入れてヒートシール等により密封する必要はなく、ゲル状食品を入れたトレーパックをポリエチレン製とか塩化ビニリデン製ラップフィルムで包み込んだ程度でも保存効果の差が無い。
【0007】
以下試験例にて説明する。
試験結果において記号−は異常なし、±はやや異常あり、+は異常でありカビの発生あり、ネトの発生ありを表す。
本発明におけるコンニャク糊とゲル化性蛋白よりなるゲル状食品の試験は次の条件下で実施した。
コンニャク糊の配合はコンニャク粉2.5部に水を100部加えて3時間膨潤溶解させた。ゲル化性蛋白としては、魚肉はスケソータラ冷凍スリ身2級に食塩2.5%添加してフードカッターでカッチングしたものを使用、食肉は豚ももひき肉で食塩2.5%添加してフードカッターでカッチングしたものを使用、植物性蛋白は分離大豆蛋白1に水4を加水したものを食塩2.5%とともにフードカッターでミキシングしたものを使用した。
これらのミックスの方法はフードプロセッサーでミキシング(1分程度)した。
pH調整は水酸化Caで、pHを8.5に調整した。
ケーシング詰めはクレハロンケーシングに充填(直径0.8cm×15cm)し両端を結束し、90℃で20分加熱する。
ケーシング無しの検体はケーシング詰めゲル状食品からケーシングを無菌的に除去して使用した。
ケーシング無しの試験に使用するプラスチック製容器は塩化ビニール製蓋付き容器で、蓋と本体は凸凹で加合させるタイプのものを使用した。
容器の体積は空の状態での容積とする。
保存試験は恒温・恒湿庫(6℃ 湿度飽和)で試験した。
【0008】
試験1
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類を使用しないでケーシングに充填して加熱冷却したゲル状食品を蓋なしのプラスチック製容器に入れて保存試験をした。
試験の結果は表1に記載する。
【0009】
試験2
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類を使用しないでケーシングに充填してから加熱冷却した後、ケーシングを除去したステック状のゲルの体積と容器の体積が1:8になるように調整してトレーに入れて蓋をして空気を遮断したもので試験した。
試験の結果は表2に記載する。
【0010】
試験3
試験2で調製したステック状のゲルの体積と容器の容積が1:6になるように調整して保存試験を行った。
試験の結果は表3に記載する。
【0011】
試験4
試験2で調製したステック状のゲルの体積と容器の容積が1:7になるように調整して保存試験を行った。
試験の結果は表4に記載する。
【0012】
試験5
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)使用してケーシングに充填して加熱冷却したゲル状食品を、蓋なしの容器に入れ保存試験をした。
試験の結果は表5に記載する。
【0013】
試験6
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類(アルギン酸0.1%)を添加使用したものでケーシングに充填し加熱冷却し、ケーシングを除去した。このステック状のゲル状食品の体積と容器の容積比が1対8、1対7、1対6となるように調整し、容器に入れて保存試験した。
試験の結果は表6に記載する。
【0014】
試験7
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.03%)を添加使用したものでケーシングに充填してから加熱後冷却し、ケーシングを除去したステック状のゲルの体積と容器の容積比が1対5となるように調整し、容器に入れて空気を遮断し保存試験した。
試験の結果は表7に記載する。
【0015】
試験8
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.05%)を添加使用したものでケーシングに充填してから加熱後冷却し、ケーシングを除去したステック状のゲルの体積と容器の容積比が1対5となるように調整し、容器に入れて空気を遮断し保存試験した。
試験の結果は表8に記載する。
【0016】
試験9
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.3%)を添加使用したものでケーシングに充填してから加熱後冷却し、ケーシングを除去したステック状のゲルの体積と容器の容積の比率が1対5となるように調整し、容器に入れて空気を遮断し保存試験した。
試験の結果は表9に記載する。
【0017】
試験10
こんにゃく糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.5%)を添加使用したものでケーシングに充填してから加熱後冷却し、ケーシングを除去したステック状のゲルの体積と容器内の空気の容積の比率が1対5となるように調整し、容器に入れて空気を遮断し保存試験した。
試験の結果は表10に記載する。
【0018】
試験11
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.8%)を添加使用したものでケーシングに充填してから加熱後冷却し、ケーシングを除去したステック状のゲルの体積と容器の容積比が1対5となるように調整し容器に入れて空気を遮断し保存試験した。
試験の結果は表11に記載する。
【0019】
試験12
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却するタイプで、pHの違いによる効果を試験した。pH調製は水酸化CaでpH9.8に調整した。
試験の結果は表12に記載する。
【0020】
試験13
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却するタイプで、pHの違いによる効果を試験した。pH調製は水酸化CaでpH9.5に調整した。
試験の結果は表13に記載する。
【0021】
試験14
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却タイプで、pHの違いによる効果を試験した。pH調製は水酸化CaでpH9.3に調製した。
試験の結果は表14に記載する。
【0022】
試験15
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却タイプで。pHの違いによる効果を試験した。pH調製は水酸化CaでpH9.0に調整した。
試験の結果は表15に記載する。
【0023】
試験16
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却するタイプで、pHの違いによる効果を試験した。pH調整は水酸化CaでpH8.5に調整した。
試験の結果は表16に記載する。
【0024】
試験17
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却タイプで、pHの違いによる効果を試験した。pH調整は水酸化CaでpH8.0に調整した。
試験の結果は表17に記載する。
【0025】
試験18
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却タイプで、pHの違いによる効果を試験した。pH調整は水酸化CaでpH7.8に調整した。
試験の結果は表18に記載する。
【0026】
試験19
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却するタイプで、pHの違いによる効果を試験した。pH調整は水酸化CaでpH7.5に調整した。
試験の結果は表19に記載する。
【0027】
試験20
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却タイプで、pHの違いによる効果を試験した。pH調整は水酸化CaでpH7.3に調整した。
試験の結果は表13に記載する。
【0028】
試験21
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却タイプで、アルカリ剤の違いによる効果を試験した。pH調整は水酸化Caで8.5に調整した。
試験の結果は表21に記載する。
【0029】
試験22
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却タイプで、アルカリ剤の違いによる効果を試験した。pH調整は牡蠣貝殻カルシウムでpH8.5に調整した。
試験の結果は表22に記載する。
【0030】
試験23
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱タイプで、アルカリ剤の違いによる効果を試験した。pH調整はリン酸3カルシウムでpH8.5に調整した。
試験の結果は表23に記載する。
【0031】
試験24
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却タイプで、アルカリ剤の違いによる効果を試験した。pH調整はリン酸3NaでpH8.5に調整した。
試験の結果は表24に記載する。
【0032】
試験25
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却タイプで、アルカリ剤の違いによる効果を試験した。pH調整は炭酸CaでpH8.5に調整した。
試験の結果は表25に記載する。
【0033】
試験26
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類(アルギン酸0.1%)の添加使用してケーシングに充填してから加熱冷却タイプで、アルカリ剤の違いによる効果を試験した。pH調整は炭酸NaでpH8.5に調整した。
試験の結果は表26に記載する。
【0034】
試験27
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類ペクチンを0.03%使用してケーシングに充填してから加熱冷却するタイプでペクチンの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表27に記載する。
【0035】
試験28
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類ペクチンを0.05%使用してケーシングに充填してから加熱冷却するタイプでペクチンの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表28に記載する。
【0036】
試験29
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類ペクチンを0.1%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプでペクチンの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表29に記載する。
【0037】
試験30
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類ペクチンを0.3%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプでペクチンの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表28に記載する。
【0038】
試験31
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類ペクチンを0.5%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプでペクチンの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表31に記載する。
【0039】
試験32
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類ペクチンを0.8%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプで、ペクチンの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表32に記載する。
【0040】
試験33
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類キサンタンガムを0.03%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプで、キサンタンガムの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表33に記載する。
【0041】
試験34
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50の生地に高分子多糖類キサンタンガムを0.05%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプで、キサンタンガムの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表34に記載する。
【0042】
試験35
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類キサンタンガムを0.3%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプで、キサンタンガムの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表35に記載する。
【0043】
試験36
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類キサンタンガムを0.5%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプで、キサンタンガムの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表36に記載する。
【0044】
試験37
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に、高分子多糖類キサンタンガムを0.8%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプでキサンタンガムの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表37に記載する。
【0045】
試験38
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類プルランを0.03%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプでプルランの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表38に記載する。
【0046】
試験39
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類プルランを0.05%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプでプルランの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表39に記載する。
【0047】
試験40
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類プルランを0.3%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプでプルランの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表40に記載する。
【0048】
試験41
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類プルランを0.5%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプで、プルランの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表41に記載する。
【0049】
試験42
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類プルランを0.8%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプで、プルランの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表42に記載する。
【0050】
試験43
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類カラギーナンを0.03%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプでカラギーナンの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表43に記載する。
【0051】
試験44
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類カラギーナンを0.05%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプでカラギーナンの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表44に記載する。
【0052】
試験45
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類カラギーナンを0.3%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプでカラギーナンの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表45に記載する。
【0053】
試験46
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類カラギーナンを0.5%使用してケーシングに充填してから加熱するタイプで、カラギーナンの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表46に記載する。
【0054】
試験47
コンニャク糊50にゲル化性蛋白50のミックス生地に高分子多糖類カラギーナンを0.8%使用してケーシングに充填してから加熱すタイプで、カラギーナンの添加量の違いによる保存効果を試験した。
試験の結果は表47に記載する。
【0055】
試験48
コンニャク糊30、ゲル化性蛋白70のミックスをケーシングに充填しミックス生地に高分子多糖類を使用しないで保存試験を行った。
試験の結果は表48に記載する。
【0056】
試験49
コンニャク糊70、ゲル化性蛋白30のミックスをケーシングに充填しミックス生地に高分子多糖類を使用しないで保存試験を行った。
試験の結果は表49に記載する。
【0057】
試験50
コンニャク糊20、ゲル化性蛋白80のミックスをケーシングに充填しミックス生地に高分子多糖類を使用しないで保存試験を行った。
試験の結果は表50に記載する。
【0058】
試験51
コンニャク糊80、ゲル化性蛋白20のミックスをケーシングに充填しミックス生地に高分子多糖類を使用しないで保存試験を行った。
試験の結果は表51に記載する。
【発明の効果】
【0059】
以上のように保存性が著しく向上させることが出来るので、製造してからの賞味期限を延長することが出来るので、生産、流通上益すること甚大である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0061】
コンニャク糊40Kg、魚肉30Kg、大豆蛋白加水物30Kgの原料に、高分子多糖類アルギン酸を使用し、水酸化CaでpH9.0に調整し、ゲル状食品を製造した。
以下詳細を述べる。
製 法
○こんにゃく粉1.0Kg、アルギン酸150gを水に溶解し、40Kgのコンニャク糊をつくる。
○魚肉は冷凍スケソウスリ身を30Kg解凍しておく。
○大豆蛋白加水物は分離大豆蛋白6Kgに水24Kgを添加して含水させておく。
A.サイレントカッターにスケソウスリ身30Kgを入れ食塩1.5Kgを添加し塩ズリを5分間行う。水酸化Caを150g、砂糖300g、グルタミン酸Naを300g、リボタイドを50g、酵母エキスを100g、馬鈴薯澱粉3Kg、氷10Kgを添加し5分間カッチングする。
B.Aのミックスにコンニャク糊、大豆蛋白含水物を添加混合して肉糊の仕上がりとする。
このときのpHはpH9.0であった。
C.Bの肉糊(ゾルミックス)をクレハロンケーシングに充填し、90度で30分加熱後冷却し、一本の体積が約80立方センチメートルのステック状のゲル状食品をつくり、縦18.5cm×11cmのポリ袋に3本包装した。
包装体中のゲル状食品の体積は約240立方センチメートルで、包装体の容積は約330立方センチメートルであった。
保存試験
この包装体を冷蔵(6℃〜8℃)保存し、12ケ月後検査したが、外観から判定してカビの発生がなく、細菌検査結果は一般生菌数300個/g以下、カビは陰性であった。
【実施例2】
【0062】
コンニャク糊30Kg、魚肉30Kg、大豆蛋白加水物20Kg、豚肉20Kgの原料に、高分子多糖類キサンタンガムを使用し、牡蠣カルシウムでpH8.5に調整しゲル状食品を製造した。
以下詳細を述べる。
製 法
○こんにゃく粉0.75Kg、キサンタンガム150gを水に溶解し、30Kgのコンニャク糊をつくる。
○魚肉は冷凍スケソウスリ身を30Kg解凍しておく。
○豚肉はもも肉20Kgを解凍しておく。
○大豆蛋白加水物は分離大豆蛋白4Kgに水16Kgを添加して含水させておく。
A.サイレントカッターに魚肉30Kgと豚肉20Kgを入れ食塩1.5Kgを添加し塩ズリを5分間行う。
B.牡蠣Caを250g、砂糖300g、グルタミン酸Naを300g、リボタイドを50g、酵母エキスを100g、馬鈴薯澱粉3Kg、氷10Kgを添加し5分間カッチングする。
C.Bのミックスにコンニャク糊、大豆蛋白含水物を添加混合して肉糊の仕上がりとする。
D.Cの肉糊(ゾルミックス)をクレハロンチューブに充填し、90度で30分加熱後冷却し、1本の体積が80ccのゲル状食品をつくった。
E.次にこのケーシングを剝皮して、蓋つき塩ビ容器に5本入れて蓋をして製品化した。ゲル状食品の体積は約400立方センチメートルで塩ビパック内のゲル状食品の体積を除いた、塩ビパック内の空気の体積は400立方センチメートルであった。
保存試験
この包装体を冷蔵(6℃〜8℃)保存し12ケ月後保検査したが、外観から判定してカビの発生がなく、細菌検査結果は一般生菌数300個/g以下、カビは陰性であった。
【実施例3】
【0063】
コンニャク糊50Kg、豚肉50Kgの原料に高分子多糖類ペクチンを使用し、リン酸3NaでpH8.6に調整しゲル状食品を製造した。以下詳細を述べる。
製 法
○こんにゃく粉1.3Kg、ペクチン150gを水に溶解して50Kgのコンニャク糊をつくる。
○豚肉は冷凍品を50Kg解凍しておく。
A.サイレントカッターに豚肉50Kgを入れ食塩を1.5Kg添加し塩ズリを5分間行う。リン酸3Naを200g、砂糖300g、グルタミン酸Naを300g、リボタイドを50g、酵母エキス100gを添加し5分間カッチングする。
B.Aのミックスにコンニャク糊を添加混合して肉糊の仕上がりとする。
C.Bの肉糊(ゾルミックス)をボール形成機械で直径3cmのボール状に成形し、これを90℃で10分間ボイルした後、冷却し、内寸が9.5cm×15cm×3.0cmの蓋加合性PP製パックに7個入れて蓋をして製品化した。
ゲル状食品の体積は99立方センチメートルで、ゲル状食品の体積を除いた、容器内の空気の体積は200立方センチメートルである。
保存試験
この包装体を冷蔵(6℃〜8℃)保存し12ケ月後検査したが、外観から判定してカビの発生がなく、細菌検査結果は一般生菌数300個/g以下、カビは陰性であった。
【実施例4】
【0064】
コンニャク糊50Kg、魚肉50Kgの原料に高分子多糖類はプルランを使用し、炭酸NaでpH8.0に調整しゲル状食品を製造した。以下詳細を述べる。
製 法
○こんにゃく粉1.3Kg、プルラン150gを水50Kgに溶解しコンニャク糊をつくる。
○魚肉は冷凍スリ身を50Kg解凍しておく。
A.サイレントカッターに魚肉50Kgを入れ食塩1.5Kを添加し塩ズリを5分間行う。炭酸Naを250g、砂糖を1.0Kg、グルタミン酸Naを300g、リボタイドを50g、酵母エキスを100g、馬鈴薯澱粉3Kg、氷1000gを添加し5分間カッチングする。
B.Aのミックスにコンニャク糊を添加混合して肉糊の仕上がりとする。
C.Bの肉糊(ゾルミックス)をプラスチック製ラミネートフィルムガゼット袋(6cm×5cm×2.8cm)に充填し、リテーナーに入れて90℃で30分加熱ゲル化させた。
冷却後厚さ5mmにスライスし、発泡トレイに並べラップフィルムで包装した。ゲル状食品の体積は84立方センチメートル、ゲル状食品の体積を除いた、容器内の空気の体積は480立方センチメートルである。
保存試験
この食品包装体を冷蔵(6℃〜8℃)保存し結果3ケ月後検査したが、外観から判定してネト、カビの発生がなく、細菌検査結果は一般生菌数300個/g以下、カビは陰性であった。
【実施例5】
【0065】
コンニャク糊50Kgと大豆蛋白加水物が50Kgの原料に高分子多糖類カラギーナンを使用し、リン酸3CaでpH8.7に調整し、ゲル状食品を製造した。
以下詳細を述べる。
○こんにゃく粉1.3Kg、カラギーナン150gを水に溶解し、50Kgのコンニャク糊をつくる。
○大豆蛋白加水物は分離大豆蛋白10Kgに水40Kgを添加して含水させておく
製法
A.サイレントカッターにコンニャク糊を入れカッチングする。
B.大豆蛋白加水物をAに入れてカッチングする。
C.Bに食塩1000g、砂糖1000g、グルタミン酸Naを300g、リボタイドを50g、酵母エキスを100g添加し、このミックスにリン酸3Caを添加してpH8.7に調整し肉糊の仕上がりとする。
D.Cの肉糊を45mm×75mm×15mmのサイズに成形し、130℃で1分30秒間、180℃で1分間フライして発砲スチロール製のトレーに3個並べ入れラップフィルムで包装し空気を遮断した。
ゲル状食品の体積は150立方センチメートルで、ゲル状食品の体積を除いた、容器内の空気の体積は50立方センチメートルである。
保存試験
この製品を冷蔵(6℃〜8℃)保存し、12ケ月後検査したが、外観から判定してカビ、ネトの発生がなく、細菌検結果は一般生菌数300個/g以下であり、カビは陰性であった。
【実施例6】
【0066】
コンニャク糊40Kg、豚肉30Kg、大豆蛋白加水物30Kgの原料に、高分子多糖類キサンタンガムとアルギン酸を併用し、ホタテ貝CaでpH8.7に調整し、ゲル状食品を製造した。以下詳細に述べる。
製 法
○こんにゃく粉1.0Kg、キサンタンガム50g、アルギン酸150gを水に溶解し40Kgのコンニャク糊をつくる。
○豚肉はもも肉冷凍品を30Kg解凍しておく。
○大豆蛋白加水物は分離大豆蛋白6Kgに水24Kgを添加して含水させておく。
A.サイレントカッターに豚肉30Kgを入れ食塩を1.5Kg添加し、塩ズリを5分間行う。
B.ホタテ貝Caを300g、砂糖300g、グルタミン酸Naを300g、リボタイドを50g、酵母エキスを100g、馬鈴薯澱粉3Kgを添加し5分間カッチングする。
次にコンニャク糊、大豆蛋白含水物を添加混合して肉糊の仕上がりとする。
C.Bの肉糊(ゾルミックス)を直径80mm、厚さ13mmの円盤状に成形し、90℃で30分蒸煮し、冷却後スキンパックし、製品とした。
保存試験
この製品を冷蔵(6℃〜8℃)保存し、12ケ月後検査したが、外観から判定してカビの発生がなく、細菌検査した結果一般生菌数が300個/g以下であった。
【実施例7】
【0067】
コンニャク糊40Kg、魚肉30Kg、大豆摩砕物30Kgの原料にキサンタンガムを使用し、水酸化CaでpHを9.0に調整し、ゲル状食品を製造した。以下詳細を述べる。
製法
○こんにゃく粉1.0Kgを水に溶解し40Kgのコンニャク糊をつくる。
○魚肉はさんまの落とし身冷凍品を30Kg解凍しておく。
○大豆摩砕物は大豆を含水させた後、ミキサーでペースト状に破砕する。
A.サイレントカッターに魚肉30Kgを入れ食塩1.5Kgを添加し塩ズリを5分間行う。
B.水酸化Caを150g、砂糖300g、グルタミン酸Naを300g、リボタイドを50g、酵母エキスを100g、馬鈴薯澱粉3Kgを添加し5分間カッチングする。
C.Bのミックスにコンニャク糊、大豆摩砕物を添加混合して、これにキサンタンガムを粉末のまま150g添加して肉糊の仕上がりとする。
D.Cの肉糊(ゾルミックス)を直径25mmのコラーゲンチューブに充填し、両端を結束し、79℃で60分蒸煮後冷却し、1本80立方センチメートルのコラーゲンチューブ入りゲル状食品を製造した。
E.これを縦18cm×横15cm×高さ3cmの塩ビ製凸凹加合タイプ蓋つきパックに5本入れて製品とした。
ゲル状食品の体積は400立方センチメートルで、ゲル状食品の体積を除いた、容器内の空気の体積は380立方センチメートルである。
保存試験
この製品を冷蔵(6℃〜8℃)保存し12ケ月後検査したが、外観ら判定してカビ、ネトの発生がなく、細菌検査の結果は一般生菌数が300個/g以下で、カビは陰性であった。
【実施例8】
【0068】
コンニャク糊40Kg、豚肉30Kg、小麦蛋白加水物30Kgの原料に、高分子多糖類キサンタンガムとアルギン酸を併用し、ホタテ貝CaでpH8.7に調整し、ゲル状食品を製造した。
以下詳細に述べる。
製 法
○こんにゃく粉1.0Kg、キサンタンガム50g、アルギン酸150gを水に溶解し40Kgのコンニャク糊をつくる。
○豚肉はもも肉冷凍品を30Kg解凍しておく。
○小麦蛋白加水物は小麦グルテン6Kgに水24Kgを添加して含水させておく。
A.サイレントカッターに豚肉30Kgを入れ食塩を1.5Kg添加し、塩ズリを5分間行う。
B.ホタテ貝Caを300g、砂糖300g、グルタミン酸Naを300g、リボタイドを50g、酵母エキスを100g、馬鈴薯澱粉3Kgを添加し5分間カッチングする。
C.Bにコンニャク糊、小麦蛋白含水物を添加混合して肉糊の仕上がりとする。
D.Cの肉糊(ゾルミックス)をポリエチレン袋(80×150×0.03mm)に充填し、リテーナーに入れて90℃で30分加熱ゲル化させ製品とした。
保存試験
この製品を冷蔵(6℃〜8℃)保存し、12ケ月後検査したが、外観から判定してカビの発生がなく、細菌検査した結果一般生菌数が300個/g以下であった。
【実施例9】
【0069】
製 法
A.魚肉は冷凍糸よりスリ身を100Kg解凍しておく。
B.サイレントカッターに魚肉100Kgを入れ食塩を2.5Kg添加し塩ズリを15分間行う。砂糖2000g、グルタミン酸Naを300g、リボタイドを50g、酵母エキスを100g、馬鈴薯澱粉3Kg、氷10Kgを添加し15分間カッチングして出来上がりとする。
C.Bのミックスをプラスチックラミネートフイルム製ガゼット袋(6cm×5cm×2.8cm)に充填し、リテーナーに入れて90℃で30分加熱ゲル化させた。
保存試験
これを冷蔵(6℃〜8℃)で14日保存し検査したが、細菌検査の結果一般生菌数が150万個/gで変敗していた。
【実施例10】
【0070】
A.魚肉は冷凍糸よりスリ身を100Kg解凍しておく。
B.サイレントカッターに魚肉100Kgを入れ食塩を2.5Kg添加し塩ズリを15分間行う。砂糖2000g、グルタミン酸Naを300g、リボタイドを50g、酵母エキスを100g、馬鈴薯澱粉3Kg、氷10Kgを添加し15分間カッチングして出来上がりとする。
C.Bのミックスをプラスチックラミネートフイルム製ガゼット袋(6cm×5cm×2.8cm)に充填し、リテーナーに入れて90℃で30分加熱ゲル化させた。これより包材を除去し厚さ5mmにスライスしてトレーに10枚並べて、ラップフイルムで包んで製品化した。
保存試験
この包装体を冷蔵(6℃〜8℃)で10日保存したものを検査したが、細菌検査の結果一般生菌数が150万個/gで変敗していた。
【実施例11】
【0071】
コンニャク粉微分1.3Kg、水50Kg、豚肉50Kgの原料に高分子多糖類ペクチンを使用し、リン酸3NaでpH8.6に調整しゲル状食品を製造した。以下詳細を述べる。
製 法
○コンニャク粉微分1.3Kg、ペクチン150gを粉体混合しておく。
○豚肉は冷凍品を50Kg解凍しておく。
A.サイレントカッターに豚肉50Kgを入れ食塩を1.5Kg添加し塩ズリを5分間行う。砂糖300g、グルタミン酸Naを300g、リボタイドを50g、酵母エキス100gを添加し5分間カッチングする。
B.Aのミックスにコンニャク粉微分を添加し水50Kg添加する。リン酸3Na200gを加え、肉糊の仕上がりとする。
C.Bの肉糊(ゾルミックス)をボール形成機械で直径3cmのボール状に成形し、これを90℃で10分間ボイルした後、冷却し、内寸が9.5cm×15cm×3.0cmの蓋加合性PP製パックに7個入れて蓋をして製品化した。
ゲル状食品の体積は99立方センチメートルで、ゲル状食品の体積を除いた、容器内の空気の体積は200立方センチメートルである。
保存試験
この包装体を冷蔵(6℃〜8℃)保存し12ケ月後検査したが、外観から判定してカビの発生がなく、細菌検査結果は一般生菌数300個/g以下、カビは陰性であった。
【0072】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【表31】

【表32】

【表33】

【表34】

【表35】

【表36】

【表37】

【表38】

【表39】

【表40】

【表41】

【表42】

【表43】

【表44】

【表45】

【表46】

【表47】

【表48】

【表49】

【表50】

【表51】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンニャク糊とゲル化性蛋白よりなるゾルを、高分子多糖類を併用し又は併用することなく、ゾルのpHを7.8以上9.8以下にして、加熱前に包材にて包み加熱したゲル状食品を更に包装し又は包装することなく空気の流動を遮断する、又は前記記載のゾルを加熱によりゲル化させたゲル状食品を包材にて包み、又は容器に入れて空気の流動を遮断することを特徴とするゲル状食品の包装体
【請求項2】
コンニャク糊とゲル化性蛋白よりなるゾルを、高分子多糖類を併用し又は併用することなく、ゾルのpHを7.8以上9.8以下にして、加熱前に包材にて包み加熱したゲル状食品を更に包装し又は包装することなく空気の流動を遮断することと、又は前記記載のゾルを加熱によりゲル化させた後包材にて包み、又は容器に入れて空気の流動を遮断することとゾルの加熱生成物との共同作用により保存性を向上させることを特徴とする、ゲル状食品の保存向上方法
【請求項3】
請求項1、請求項2に記載の高分子多糖類はアルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、カラギーナン、プルランの中から選ばれた1種類、又は複数種類併用したものであるゲル状食品の包装体及びゲル状食品の保存向上方法。
【請求項4】
請求項1、請求項2に記載のコンニャク糊とゲル化性蛋白よりなるゾルは、コンニャク糊が20%以上でゲル化性蛋白が80%以下の構成である、又はコンニャク糊が80%以下でゲル化性蛋白が20%以上の構成であるゲル状食品の包装体及びゲル状食品の保存向上方法。
【請求項5】
請求項1、請求項2に記載のゲル状食品を包装している容器の容積が、ゲル状食品の体積の7倍以下であるゲル状食品の包装体及びゲル状食品の保存向上方法。

【公開番号】特開2011−78323(P2011−78323A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231142(P2009−231142)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(391008102)
【Fターム(参考)】