説明

ゲル電気泳動、イメージング及び分析の方法、デバイス、システム及び材料

本発明は、電気泳動を自動化された形式で実行する方法、デバイス、システム及び材料を提供する。電気泳動システムは、電気泳動が起きている間、同時に、ゲルを撮像してもよい。幾つかの実施の形態では、電気泳動システムは、電気泳動の間又は電気泳動の後に、撮像されたゲルを分析してもよい。デバイスは、ゲル処理システム、ゲル照明システム画像捕捉システム及び画像分析システムを含んでいてもよく、これらは、全て筐体内に収容される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2009年8月26日に出願された米国仮出願番号第61/237,287号、2009年8月26日に出願された米国仮出願番号第61/237、195号、2009年8月25日に出願された米国仮出願番号第61/236、795号及び2009年8月24日に出願された米国仮出願番号第61/236,293号の優先権を主張し、これらの全体は、引用によって本願に組み込まれる。
【0002】
分野
本発明は、包括的には、電気泳動を実行するためのシステムに関する。更に、本発明は、電気泳動の間に、同時にゲルをイメージングできる電気泳動システムに関する。更に、本発明は、電気泳動の間又は電気泳動の後に、イメージングされたゲルを分析できる電気泳動システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ゲル電気泳動は、DNA、RNA、ポリペプチド及びタンパク質等の生物学的分子の分離のための一般的な手法である。ゲル電気泳動では、印加された電界によって分子がフィルタリングゲル(filtering gel)を介して移動する速度に基づいて、分子をバンドに分離することができる。ガラス管内に入れられたゲル又はスラブとしてガラス板若しくはプラスチック板の間に挟み込まれたゲルを使用できる。ゲルは、塩基の導電性緩衝液によって満たされる空隙を画定する開いた分子ネットワーク構造(open molecular network structure)を有している。これらの空隙は、十分大きく、ゲルを介して移動する高分子の通路となる。
【0004】
電気泳動には、一般的に、ポリアクリルアミドゲルが使用される。電気泳動に適切な他のゲルとしては、アガロースゲル及びデンプンゲル等がある。ポリアクリルアミドゲル電気泳動(polyacrylamide gel electrophoresis)、すなわちPAGEは、ゲルが光学的に透明であり、電気的に中性であり、様々なサイズの空隙を有するように製造することができるので、広く使用されている。PAGEゲルを製造する方法は、周知であり、例えば、非特許文献1及び非特許文献2に説明されている。通常、アクリルアミドモノマ、架橋剤、例えばビスアクリルアミド等、ゲル緩衝液、及び変性剤、例えばドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecyl sulphate:SDS)を含む原液が準備される。これらの原液は、ゲルが必要になるまで、保存できる。ゲルを製造する際は、様々な成分の最終的な所望の濃度に基づく割合で、原液を水に混合する。ゲルは、チャンバに収容され、緩衝液に接触し、これによって、ゲルと、電源のカソード又はアノードとが電気的に接触する。高分子及び追跡用色素を含むサンプルをゲルの上に載置することができる。ゲルに電圧を印加すると、サンプル高分子及び追跡用色素は、ゲルの底面に向かって移動する。追跡用色素がゲルの最後に到達する直前に、電気泳動は、停止される。
【0005】
サンプル染色装置内で高分子に染色し、次に、独立した撮像装置においてゲルを撮像することによって、分離された高分子のバンドの位置が判定される。結果をレビューし、様々なバンドの位置を特定するために、撮像装置からの画像を操作する必要があることも多い。特定のバンドが移動した距離と、追跡用色素及び移動度が既知の高分子とを比較することによって、他の高分子の移動度を判定できる。これによって、高分子のサイズを算出できる。既存の電気泳動法では、電気泳動、ゲル染色、撮像及び画像操作/分析を実行するために、複数回の時間が掛かるステップ及び大きな設備の複数の部分が必要である。この分野では、より優れたゲル電気泳動方法、デバイス、システム及び材料が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】B. Hames and D. Rickwood, Gel Electrophoresis of Proteins (2d ed.Oxford University Press, 1990)
【非特許文献2】A. Andrews, Electrophoresis (2nd ed.Oxford University Press, 1986)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに説明する方法、デバイス、システム及び材料は、ゲル処理、画像捕捉及び画像分析の少なくとも1つを実行するゲル電気泳動デバイスを提供することによってこれらの課題を解決し、この結果、特に、電気泳動のための既存の器具及び方法に比べて、電気泳動を行うための時間を短縮し、器具コストを低減し、器具のフットプリントを低減することができる。
【0008】
本発明の様々な実施の形態に基づいて提供されるゲル電気泳動デバイスは、ゲル処理システム、ゲル照明システム、画像捕捉システム及び画像分析システムの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、本発明は、1つ以上のシステムを単独又は組合せて提供する。幾つかの実施の形態では、ゲル処理デバイスは、ゲル処理システムと、ゲル照明システムと、画像捕捉システムと、画像分析システムとを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理デバイスは、1つ以上のゲル緩衝液リザーバ、2つ以上のゲル緩衝液リザーバ、1つ以上のゲルホルダ又は2つ以上のゲルホルダを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理デバイスは、1つ以上の撮像システムを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理デバイスは、1つ以上の画像捕捉システムを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理デバイスは、1つ以上の画像分析システムを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理デバイスは、1つ以上のプロセッサを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理デバイスは、ゲルを処理及び/又は分析するための他の適切な如何なる部品を含んでいてもよく、これらは、以下に限定されるものではないが、ゲルの結合、精製、分離、又はゲルのダウンストリーム処理のための他のあらゆる部品を含む。
【0009】
様々な実施の形態に基づくゲル電気泳動を実行する方法は、ゲル電気泳動システムを取得するステップと、蛍光染料で標識された少なくとも1つのサンプルを取得するステップと、前記少なくとも1つの標識サンプルの電気泳動を実行するステップと、少なくとも1つの標識サンプルを撮像するステップのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動を実行する方法は、ゲル電気泳動システムを取得するステップと、蛍光染料で標識された少なくとも1つのサンプルを取得するステップと、少なくとも1つの標識サンプルの電気泳動を実行するステップと、少なくとも1つの標識サンプルを撮像するステップとを含んでいてもよい。この方法は、撮像されたサンプルを分析するステップ、分析された画像のハードコピーを取得するステップ及び/又は標識サンプルと同時に標識タンパク質スタンダードを電気泳動するステップを更に含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、標識タンパク質スタンダードに少なくとも2個のタンパク質が含まれ、標識サンプルと同じ蛍光染料で標識される。幾つかの実施の形態では、方法は、標識サンプルの分子量を判定するステップ、サンプル内の少なくとも1個の標識されたタンパク質の相対量を判定するステップ、及び/又はサンプル内の少なくとも1個の標識されたタンパク質の絶対量を判定するステップを更に含んでいてもよい。
【0010】
本明細書の特徴及び利点は、添付の図面を参照することによって、より明瞭になり、これらの図面は、本発明を例示するものであって、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に基づくゲル電気泳動デバイスの図である。
【図2A】筐体蓋が開かれ、ゲルランニングタンクがシステムから取り外された状態の図1に示すゲル電気泳動デバイスの斜視図である。
【図2B】筐体蓋が開かれ、ゲルランニングタンクがゲルランニングチャンバ内に配置された状態の図2Aに示すゲル電気泳動デバイスの斜視図である。
【図3A】本発明の実施の形態に基づくゲルランニングアセンブリの分解斜視図である。
【図3B】図3Aに示すゲルランニングアセンブリの組み立てられた状態の斜視図である。
【図4】図1に示すゲル電気泳動デバイスの分解斜視図である。
【図5A】図1に示すゲル電気泳動デバイスの電子アセンブリの分解斜視図である。
【図5B】図5Aに示す電子アセンブリの組み立てられた状態の斜視図である。
【図6A】カメラアセンブリ及び発光ダイオード(LED)アセンブリを含む図1に示す電気泳動デバイスの撮像システムの分解斜視図である。
【図6B】図6Aに示す撮像システムの組み立てられた状態の背面斜視図である。
【図7A】図1に示すゲル電気泳動デバイスのLEDアセンブリの分解斜視図である。
【図7B】図7Aに示すLEDアセンブリの組み立てられた状態の前部斜視図である。
【図7C】図7A及び図7Cに示すLEDアセンブリの組み立てられた状態の後部斜視図である。
【図8A】図1に示すゲル電気泳動デバイスのカメラアセンブリの分解斜視図である。
【図8B】図8Aに示すカメラアセンブリの組み立てられた状態の前部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書は、様々な実施の形態に基づいて、ゲル電気泳動デバイスを説明し、図1の参照符号20は、ゲル電気泳動デバイスの1つの実施の形態を示している。ゲル電気泳動デバイス20は、筐体22と、ベース24と、LCDディスプレイ26と、ユーザインタフェース28と、筐体蓋30とを含む。LCDディスプレイ26は、ユーザインタフェース28と動作的に関連付けることができる。
【0013】
図2Aは、ゲル電気泳動デバイス20を開いた構成の斜視図を示している。この図に示すように、ゲル電気泳動デバイス20の筐体22内には、ゲルタンクチャンバ32を設けてもよい。ゲルタンクチャンバ32は、ゲルランニングタンク(gel running tank)34のための内部コンパートメントを提供できる。図2Aに示すように、ゲルランニングタンク34は、解放された位置で筐体22のゲルランニングチャンバ32から取り出し、又は取り外すことができる。ゲルランニングタンク34内には、少なくとも1つの緩衝液リザーバ36を設けてもよく、緩衝液リザーバ36は、少なくとも1つのゲルカセット38と動作的に関連付けられている。図2Aに示すように、ゲルランニングタンク34は、2つの部分に分かれた緩衝液リザーバ36を含むことができるが、幾つかの実施の形態では、特に2つではなく、1つ以上の幾つの部分を設けてもよい。同様に図2Aでは、2つのゲルカセット38が緩衝液リザーバ36と動作的に関連付けられているが、様々な実施の形態では、1つ以上のゲルカセット38を設けることができる。図2Aは、ゲル撮像システム40も示しており、ゲル撮像システム40は、ゲルタンクチャンバ34と動作的に関連付けられてもよい。図2Bは、図2Bのゲル電気泳動デバイス20の斜視図であり、ゲルランニングタンク34がゲルタンクチャンバ32に挿入されて、動作的に関連付けられている、開いた状態を示している。図2A及び図2Bの両方において、筐体蓋30は、筐体22に対して開いた状態にある。
【0014】
図3Aは、ゲル電気泳動デバイス20の分解斜視図を示している。例示的に2つ示しているゲルカセット38には、ゲルカセットと動作的に関連することができるウェッジウェルコーム(wedge well combs)46を配置してもよい。緩衝液リザーバ36とゲルホルダ42を動作的に関連付けてもよく、これによって、ゲルカセット38の挿入が可能になる。少なくとも1つの第1の電極50は、緩衝液リザーバ36と動作的に関連付けられてもよい。少なくとも1つの第2の電極52は、クランプ48と動作的に関連付けられてもよい。また、ゴムガスケット44は、緩衝液リザーバ36及びゲルカセット38と動作的に関連付けられてもよい。
【0015】
図3Bは、緩衝液リザーバ36を含むゲルランニングタンク34が、電気泳動デバイス20のゲルタンクチャンバ32から取り外された状態の斜視図であり、緩衝液リザーバ36には、ゲルカセット38が挿入されている。幾つかの実施の形態では、ゴムガスケット44、クランプ48及び、電極52を緩衝液リザーバ36に挿入し、動作的に関連付けてもよい。また、電極50は、ゲルランニングタンク34及びリザーバ36と動作的に関連付けられている。電極50、52は、共に電極対を形成し、これらの電極対の間に動電学的電場(electrokinetic field)を形成してもよい。
【0016】
図4は、ゲル電気泳動デバイス20の分解斜視図である。以下の部品は、互いに動作的に関連付けられており、ゲル電気泳動デバイス20の一部を構成する。上部筐体54は、筐体22と動作的に関連付けられ、ゲル電気泳動デバイス20の一部を構成している。筐体蓋30は、例えば、1個以上のヒンジを介して、上部筐体54と動作的に関連付けられている。ディスプレイカバー56は、ユーザインタフェース28(図1)を構成する前方に面する部分を含むことができる。ディスプレイカバー56は、上部筐体54と動作的に関連付けられており、少なくとも部分的に、ディスプレイ26上を覆っている。ディスプレイ26とは、プロセッサ58が動作的に関連付けられている。保護窓60は、ゲルタンクチャンバ32と動作的に関連付けられている。ゲルタンクチャンバ42内には、ゲルランニングタンク34及び緩衝液リザーバ36がある。ゲルカセット38は、緩衝液リザーバ36に挿入され、これと動作的に関連付けられている。ランニングタンクシール62は、ゲルタンクチャンバ32と動作的に関連付けられており、ゲルタンクチャンバ32の一部を構成している。幾つかの実施の形態では、低レベルコントローラ64を設けてもよい。シャーシ66は、ゲルタンクチャンバ32及び電気泳動デバイス20の他のコンポーネントと動作的に関連付けられている。カメラアセンブリ68も設けられ、これは、ゲルタンクチャンバ32と動作的に関連付けられている。発光ダイオード(light emitting diode:LED)アセンブリ70も設けられ、これは、カメラアセンブリ68と動作的に関連付けられている。安全スイッチ72は、LEDアセンブリ70と動作的に関連付けられている。第1の電源74が設けられており、更に第2の電源75を設けてもよい。幾つかの実施の形態では、第1の電源74は、低電圧電源を含み、第2の電源75は、高電圧は電源を含み、又はこの逆であってもよい。電源74、75を統合し、連続的な電源を構成してもよい。オン/オフスイッチ76は、第1の電源74及び第2の電源75の少なくとも1つと動作的に関連付けられてもよい。ファン78は、筐体22と動作的に関連付けられてもよい。
【0017】
図5Aは、筐体22を取り除いたゲル電気泳動デバイス20の分解斜視図である。図5Aには、以下の部品が示されており、これらは、集合的に動作的に互いに関連付けられており、ゲル電気泳動デバイス20と関連付けられ、且つゲル電気泳動デバイス20内でも関連付けられている。部品としては、プロセッサ58、タッチスクリーンディスプレイ26、シャーシ66、低レベルコントローラ64、第1の電源74、第2の電源75、電極コネクタ51、53、カメラアセンブリ68、安全スイッチ72、LEDアセンブリ70、オン/オフスイッチ76、ファン78及びイーサネットポート80である。図5Bは、図5Aに対応し、筐体22が取り除かれた、組み立てられたゲル電気泳動デバイス20の斜視図である。図5Bには、集合的に動作的に関連付けられているタッチスクリーンディスプレイ26、シャーシ66、LEDアセンブリ70、電源74及びオン/オフスイッチ76が示されている。
【0018】
図6Aは、カメラアセンブリ68、カメラホルダ82及びLEDアセンブリ70を含むゲル撮像システム40の分解斜視図である。図6Bは、図6Aに示す分解図に対応する組み立てられた構成のゲル撮像システム68の斜視図である。これは、LEDアセンブリ70、カメラ68及びカメラホルダ82が動作的に関連付けられている状態を示している。
【0019】
図7Aは、LEDアセンブリ70の分解斜視図である。ここには、LEDプリント回路板(printed circuit board:PCB)アセンブリ84、1つ又は複数個設けることができるメンブレンライト保護チューブ(membrane light protective tube)86及び1つ又は複数個設けることができるカメラ保護チューブ88が示されている。一次フィルタ90は、フィルタブラケット92と動作的に関連付けられており、このフィルタブラケット92は、フィルタソレノイド94に動作的に関連付けられている。また、二次フィルタ96及び散光器98も示されている。図7Bは、LEDアセンブリ70の一方の面の第1の斜視図を示している。二次フィルタ96は、サンプルウェルライト(sample well lights)100、102及び104として示されている。サンプルウェルライトの数は、1以上の幾つであってもよい。光106、108、110、111、112、114及び116を示しているが、メンブレンライト(membrane lights)の数は、1以上の幾つであってもよい。サンプルウェルライト及びメンブレンライトの数は、特定の実施の形態に応じて適切に変更してもよい。また、LED PCBアセンブリ84、散光器98及び二次フィルタ96が示されている。図7Cは、図7Bとは反対側から見たLEDアセンブリ70の第2の斜視図を示している。図7Cには、互いに動作的に関連付けられている、一次フィルタ90、フィルタブラケット92、フィルタソレノイド94及びLED PCBアセンブリ84が示されている。
【0020】
図8Aは、カメラアセンブリ68の分解斜視図を示している。図8Aは、カメラPCB118、レンズホルダ120及びレンズアセンブリ122を示している。図8Bは、図8Aに示すカメラアセンブリ68の組み立てられた状態の斜視図である。
【0021】
本発明の様々な側面に基づき、ゲル処理システム、ゲル照明システム、画像捕捉システム及び画像分析システムを含むことができるゲル電気泳動デバイスが提供され、これらのシステムは、動作的に関連付けられて、自動化することができる。幾つかの実施の形態では、ゲル処理システムは、少なくとも1つのゲル緩衝液リザーバを含む。幾つかの実施の形態では、ゲル処理システムは、少なくとも2つのゲル緩衝液リザーバを含む。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つのゲル緩衝液リザーバは、少なくとも1つのゲルホルダを含む。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つのゲル緩衝液リザーバは、少なくとも2つのゲルホルダを含む。幾つかの実施の形態では、ゲル処理システムは、少なくとも1つアノード及び少なくとも1つのカソードを含む。幾つかの実施の形態では、ゲル処理システムは、少なくとも1つのゲルホルダのそれぞれについて、少なくとも1つアノード及び少なくとも1つのカソードを含む。また、幾つかの実施の形態では、ゲル処理システムは、少なくとも1つの電源を含むことができる。
【0022】
幾つかの実施の形態では、ゲル照明システムは、少なくとも1つの光源を含むことができる。ゲルがゲル処理システム内に配置された際、少なくとも1つの電気泳動ゲルを照明する少なくとも1つの光源を設けてもよい。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの光源は、少なくとも1つの青色光源を含むことができる。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの光源は、約400nmから約800nmの波長域で発光する。例えば、幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの光源は、青色光(〜475nm)に対応する波長域で発光できる。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの光源は、約500nmから約700nmまでの波長域で発光する。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの光源は、約520nmから約640nmまでの波長域で発光する。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの光源は、少なくとも1つのLED、単なる例示に過ぎないが、例えば、少なくとも1つのLED青色光源を含む。幾つかの実施の形態では、単なる例示に過ぎないが、少なくとも1つのLED光源は、複数のLEDを含み、例えば、複数のLEDを含む青色光源である。幾つかの実施の形態では、LEDドライバを設けてもよい。適切な如何なるタイプのLEDを用いてもよい。幾つかの実施の形態では、ノースカロライナ州ダラムのCree Incorporated社から入手可能なCree XREBLUシリーズLEDが使用される。幾つかの実施の形態では、散光器ありで又は散光器なしで、少なくとも2個、少なくとも4個、少なくとも8個、少なくとも16個、少なくとも32個、少なくとも40個、又は少なくとも64個のLEDが使用される。
【0023】
幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの光源は、少なくとも2個の光源を含むことができる。ゲル照明システムは、デバイス内に配置された各電気泳動ゲル毎に少なくとも1つの光源を含むことができる。幾つかの実施の形態では、ゲル照明システムは、少なくとも1つの集光デバイス又は少なくとも1つの光操作デバイスを更に含むことができる。少なくとも1つの集光デバイス又は少なくとも1つの光操作デバイスは、レンズ、ミラー、フィルタ、波長板、これらの組合せ等、又は他のあらゆる適切な光操作デバイスからなるグループから選択できる。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの集光デバイス又は少なくとも1つの光操作デバイスは、少なくとも1つの光強度制御部品を含むことができる。少なくとも1つの光強度制御部品は、デバイスが電気泳動のために用いられているとき、電気泳動ゲルがデバイスに配置された位置を照明する光強度を制御するように構成してもよい。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの光源を予め設定でき、これにより、システムの自動又は手動の起動以外に、ゲル照明システムの更なる操作が不用となる。光源は、デバイスが電気泳動のために用いられているとき、電気泳動ゲルがデバイスに配置された位置での画像の捕捉が成功するために十分な照明を提供するように構成してもよい。
【0024】
幾つかの実施の形態では、画像捕捉システムは、少なくとも1つのデジタルカメラを含んでいてもよい。カメラは、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor:CMOS)デバイスを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つのデジタルカメラは、少なくとも1.2メガピクセルを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、画像捕捉システムは、デバイスに配置された各電気泳動ゲル毎に少なくとも1つのデジタルカメラを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つのデジタルカメラは、デバイスが電気泳動のために用いられているとき、少なくとも1つの電気泳動ゲルがデバイスに配置されている位置で画像を捕捉するように構成してもよい。幾つかの実施の形態では、システムの自動又は手動の起動以外に、画像捕捉システムの更なる操作が不用となるように少なくとも1つのデジタルカメラを予め設定でき、デバイスが電気泳動のために用いられているとき、電気泳動ゲルがデバイスに配置されている位置で、画像捕捉が成功する。幾つかの実施の形態では、画像捕捉システムは、電気泳動の間、少なくとも1つの電気泳動ゲルの実時間撮像を提供するように構成してもよい。
【0025】
本発明の他の側面に基づき、ゲル電気泳動を実行する方法を提供する。この方法は、ゲル電気泳動デバイスを取得するステップと、蛍光染料で標識された少なくとも1つのサンプルを取得するステップと、少なくとも1つの標識サンプル(labeled sample)の電気泳動を実行するステップと、少なくとも1つの標識サンプルを撮像するステップとを含んでいてもよい。実行するステップ及び撮像するステップは、互いに動作的に関連付けられて、自動化してもよい。幾つかの実施の形態では、電気泳動デバイスは、自動化される。方法は、撮像されたサンプルを分析するステップを更に含んでいてもよい。方法は、分析された画像のハードコピーを取得するステップ、例えば、印刷するステップを更に含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、方法は、標識サンプルと同時に、標識タンパク質スタンダードを電気泳動させるステップを更に含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、少なくとも2つの標識タンパク質スタンダードを用いてもよく、これらは、サンプルを標識するために用いた蛍光染料と同じ蛍光染料で標識してもよい。方法は、標識サンプルの分子量を判定するステップを更に含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、方法は、サンプル内の少なくとも1つの標識タンパク質の相対量を判定するステップを更に含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、方法は、サンプル内の少なくとも1つの標識タンパク質の絶対量を判定するステップを更に含んでいてもよい。
【0026】
幾つかの実施の形態では、電気泳動方法は、約30分未満で実行してもよい。幾つかの実施の形態では、方法は、約20分未満で実行してもよい。幾つかの実施の形態では、方法は、約15分未満で実行してもよい。撮像は、標識サンプルを少なくとも1つの光源に露出することを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、撮像するステップは、標識サンプルを少なくとも1つの青色光源に露出することを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの青色光源は、LED青色光源を含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの光源は、約400nmから約800nmの波長域で発光し、例えば、青色光に対応する〜475nmで発光する。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの光源は、約520nmから約640nmまでの波長域で青色光を出射する。
【0027】
本発明のゲル電気泳動デバイスは、統合されたゲルベースのカセット器具(integrated gel-based cassette instrument)及びタンパク質分析のための分析装置を含んでいてもよい。このデバイスは、ゲル電気泳動のためのワークフローを実行することができ、電気泳動ゲルへの1つ以上のサンプルの導入から結果レポートの生成までを包含する制限された処理ステップを提供する。幾つかの実施の形態では、デバイスは、自動化されてもよい。
【0028】
幾つかの実施の形態では、電気泳動デバイスは、電気泳動ゲルへの1つ以上のサンプルの導入のポイントから結果のレポートの生成までの電気泳動ゲルの処理を提供してもよい。幾つかの実施の形態では、60分未満、55分未満、50分未満又は45分未満でプロセスを達成できる。
【0029】
幾つかの実施の形態では、デバイスは、電気泳動が起きている間、デバイス内で電気泳動ゲルの実時間撮像を提供することができる。幾つかの実施の形態では、実時間の撮像は、電気泳動が起きている間のデバイス内での実時間の照明及び電気泳動ゲルの画像捕捉を含んでいてもよい。撮像は、可視バンド及び/又は蛍光バンド、並びに電気泳動ランの間のバンド移動の一方又は両方のアクティブ化及び撮像を含んでいてもよい。
【0030】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイスは、同時に1個以上のゲル、例えば、同時に複数のゲル、例えば、2個から6個のゲル、すなわち、同時に2個、3個、4個、5個又は6個のゲルを電気泳動させるように構成してもよい。
【0031】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイスは、同時に1個以上のゲルを電気泳動させ、撮像し、分析することができる統合された器具を含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、デバイスは、統合してもよく、完全に統合してもよく、すなわち、外部電源、別個のコンピュータ又は中央演算処理装置を必要とすることなく、デバイスの制御、例えば、電気泳動プロセスの制御(以下に限定されるものではないが、電気泳動プロセスのために使用される電圧、電流及び/又は時間の1つ以上)等のゲルプロセスの制御、ゲル照明の制御、画像捕捉の制御画像処理の制御及び/又はオンボードのユーザインタフェースを用いる電気泳動後の分析の制御等を行えるようにしてもよい。分析の制御は、以下に限定されるものではないが、画像分析の制御及び/又はレポート生成及び表示の制御を含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理デバイスは、ゲルを処理及び/又は分析するための他の適切な如何なる部品を含んでいてもよく、以下に限定されるものではないが、ゲルの結合、精製、分離又はダウンストリーム処理のための他の如何なる部品を含んでいてもよい。
【0032】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイスは、統合又は完全に統合してもよく、ゲル処理システム、ゲル照明システム、画像捕捉システム、分析及び制御システム、電源、ディスプレイ、コンピュータ及び/又は中央演算処理装置のうちの少なくとも2個を含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、デバイスは、読取−書込CD−ROMドライブ又はDVDドライブ、少なくとも1つのUSBポート、及び/又は少なくとも1つのイーサネットポート等のデータ転送システムを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、デバイスは、デバイスの制御、画像捕捉の制御処理及び分析の制御及び/又は表示の制御、結果のエクスポートを可能にするプレロードされたソフトウェア及び/又は特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)を含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、分析は、デバイスによって捕捉された1つ以上のゲル画像からの個々のバンドの分子量推定、バンドパーセンテージ(%純度)、少なくとも1つの検体の相対定量又は絶対定量のうちの1つ以上の分析を含んでいてもよい。
【0033】
幾つかの実施の形態では、デバイスは、ブロットメンブレンを撮像し、及びデバイス内に保存されているゲル泳動データにこれをリンクさせるように構成してもよい。このような実施の形態では、デバイスは、更に、白色光源、EPI蛍光源及びブロットメンブレンのためのホルダを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、デバイスは、ブロットメンブレンに基づいて、個々のバンドのそれぞれについて分子量推定値を算出し、レーンのアイデンティティ(lane identity)を算出し、及び少なくとも1つの検体の相対定量又は絶対定量を算出してもよい。
【0034】
幾つかの実施の形態では、デバイスは、例えば、2009年8月24日に出願された、米国仮出願第61/236,293号に開示されている電気泳動ゲル、緩衝液システム及び方法と共に用いてもよく、この内容全体は、引用によって本願に援用される。幾つかの実施の形態では、デバイスは、2009年8月25日に出願された、米国仮出願第61/236,795号に開示されている方法及びスタンダード及び染色に基づいて用いてもよく、この内容全体は、引用によって本願に援用される。幾つかの実施の形態では、デバイスは、2009年8月26日に出願された、米国仮出願第61/237,195号に開示されているように構成されたゲルカセット及びコームと共に用いることができ、この内容全体は、引用によって本願に組み込まれる。
【0035】
幾つかの実施の形態では、このデバイスによって、ユーザは、ゲルが器具内にあるとき、電気泳動ゲルのウェル内のサンプルローディングを直接的に観察することができる。このデバイスは、実験室のベンチトップに適合するように構成してもよい。幾つかの実施の形態では、デバイスは、重量が35kg未満であり、高さが55mm未満であり、幅が60mm未満であり、奥行きが70mm未満である。幾つかの実施の形態では、デバイスは、分子量(MW)算出のためのダイフロント追跡(dye front tracking)を含んでいてもよく、幾つかの実施の形態では、自動ラン停止オプションとして、ダイフロント追跡を含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、デバイスは、一定の時間、例えば、ユーザが選択した時間又はプレロードされたプロトコール時間に基づいて、自動ラン停止を提供してもよい。タイミングシステムは、ランを早期停止又は延長するためのユーザ操作優先機能を有していてもよい。
【0036】
幾つかの実施の形態では、ゲル処理システムは、1個以上の電気泳動ゲルカセット、例えば、1〜6個のゲルカセット、1〜4個のゲルカセット、1〜3個のゲルカセット、1〜2個のゲルカセット又は単一のゲルカセットを処理するように構成してもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理システム及びデバイスは、1個以上のゲルカセットを同時に処理するように構成してもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理システム及びデバイスは、少なくとも2個のゲルカセットを同時に処理するように構成してもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理システムは、2個以上のゲルカセットを個別に(同時に又は順次的に)処理するように構成してもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理システムは、少なくとも1個のランニングタンク、例えば、1〜6個のランニングタンク、例えば、1〜4個のランニングタンク、1〜3個のランニングタンク、1〜2個のランニングタンク、又は単一のランニングタンクを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、ランニングタンクを複数の個別のランニングリザーバに区切ってもよく、これにより、単一のランニングタンク内で、ランニングリザーバ間の相互汚染なしで、同時に複数のゲルカセットをランニングさせることができる。幾つかの実施の形態では、各ゲルカセットは、個別のランニングタンクを有していてもよい。ランニングタンク及び/又はランニングリザーバは、フィルレベルインジケータ(fill level indicator)及び/又は液体レベルコントローラ(liquid level controller)を含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、デバイスは、緩衝液タンクの能動的な温度制御を提供するように構成してもよい。他の実施の形態では、デバイスは、ランニングタンクの受動的な温度制御を提供するように構成してもよい。
【0037】
ランニングタンクは、各ゲルカセット毎にゲルホルダを有していてもよく、これは、処理の間、ゲルカセットを垂直方向の向きに保持してもよく、ランニングタンク内でゲルカセットの密封を補助してもよい。幾つかの実施の形態では、ユーザがゲルホルダ内でゲルカセットの垂直位置を調整できるように、ゲルホルダは、可動であってもよい。幾つかの実施の形態では、ゲルホルダは、ゲルカセットアセンブリと連携して動作するように構成してもよく、ランニングタンク内でゲルカセットを密封するために少なくとも1個の密封ガスケット、密封ロックフレーム(seal and lock frame)、並びにカムロックハンドルを含んでいてもよい。
【0038】
幾つかの実施の形態では、密封ロックフレームは、ゲルカセットを受容するように構成してもよい。密封ロックフレームは、ゲルカセット上の突起又はスロットと、密封ロックフレーム上のスロット又は突起との係合によって、ゲルカセットを受けるようにしてもよい。また、幾つかの実施の形態では、密封ロックフレームは、アノード端子及び/又はカソード端子、並びにアノードワイヤ及び/又はカソードワイヤを有していてもよく、これらは、密封ガスケットによって、ランニングリザーバの他の部分から絶縁してもよい。各端子及び/又はワイヤは、それぞれ、適切な如何なる導電材料から形成してもよく、例えば、金属、銅、プラチナ、パラジウム、金及びこれらの合金等、又は他の如何なる適切な導電材料から形成してもよい。幾つかの実施の形態では、密封ロックフレームと共にカムロックハンドルを設けてもよく、カムロックハンドルを用いて、密封ロックフレームに圧力を加え、ランニングタンク内におけるゲルカセットの適切な密封を確実にするようにしてもよい。密封ロックフレームは、デバイス内の他のシステムを用いる実時間の画像捕捉が密封ロックフレームによって妨げられないように構成してもよい。
【0039】
使用時には、ゲルカセットを密封ロックフレームに挿入し、密封ガスケット等の密封機構を密封ロックフレームの少なくとも1つの端部に沿って配置し、ゲルカセットアセンブリを形成してもよい。ゲルカセットアセンブリは、ランニングタンクのランニングリザーバ内のゲルホルダに載置され、カムロックハンドルを係合して、アセンブリを適切な位置にロックし、密封してもよい。また、カムロックハンドルは、カセットをホルダ内で位置決めすることを補助するために用いてもよく、又は処理後の取り外しのために用いてもよい。関連する緩衝液をランニングリザーバに加えてもよく、ゲルを電気泳動させ、他のデバイス部品を用いて、更に処理してもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル処理システムは、システムの自動又は手動の起動以外に、ゲル照明システム及び/又は画像捕捉システム及び/又は画像分析システムの更なる操作が不用となるように、予め設定される。電気泳動の後にゲルをデバイス内に配置し、デバイスを用いて電気泳動を行い、適切なゲル処理、画像捕捉及び画像分析を行ってもよい。
【0040】
幾つかの実施の形態では、ゲル処理システムを少なくとも1個の内部電源に接続してもよく、内部電源は、デバイスが構成されているゲルカセットを電気泳動させるために必要な電力を供給できる。幾つかの実施の形態では、デバイスが処理するように構成されているゲルカセットの数に応じて、複数の電源を用いることができる。幾つかの実施の形態では、ゲル処理システムは、端子を含んでいてもよく、端子は、ランニングタンクの上に嵌合される蓋に設けられた端子を介して、関連する電源に接続してもよい。このようにして、蓋が開いた状態では、デバイスの残りの電気系統からゲル処理システムを分離することができ、蓋が閉じたとき、蓋の電気端子がゲル処理システムのアノード端子及びカソード端子と相互に接触して、電気泳動に適切な動電学的な電場を提供する。幾つかの実施の形態では、蓋及びゲルアセンブリ上の様々な端子は、アセンブリ及び/又はゲルカセットが逆向きに挿入されたときは、電気泳動が実行されないように構成してもよい。
【0041】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイスは、ゲル照明システムを含んでいてもよい。適切な如何なる照明システムを用いてもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル照明システムは、少なくとも1個の光源を含んでいてもよい。光源は、白色光を出射してもよく、適切な如何なる波長の光を出射してもよく、例えば、感光分子を励起するために有用な波長の光を出射してもよく、感光分子は、サンプル内にあってもよく、及び/又はデバイスのゲルカセットで処理されているスタンダードに含まれていてもよい。幾つかの実施の形態では、少なくとも1個の光源は、ゲルがゲル処理システムに配置されたとき、少なくとも1個の電気泳動ゲルを照明するように構成してもよい。幾つかの実施の形態では、少なくとも1個の光源は、単一のランプ光源、複数のランプ光源、1つ以上のLED又はLEDの1つ以上のアレイを含み又はこれらから構成してもよい。幾つかの実施の形態では、少なくとも1個の光源は、白色光を出射してもよく、デバイス内のゲルカセットを照明する光から、望ましくない波長の光を除去する1つ以上のフィルタを含んでいてもよい。望ましくないとしてフィルタリング除去される波長には、画像捕捉システムによる識別のためのクリアな信号を提供する形式で関連する感光分子を励起するのに適さない波長、又は、撮像される放射ビームと重なる波長を含めてもよい。
【0042】
例えば、幾つかの実施の形態では、光源は、青色光源、例えば、青色LED、青色ランプを含んでいてもよく、白色LEDを含んでいてもよく、青色フィルタと共にランプを使用してもよい。青色光源から出射される青色光は、約435nmから約500nmまで、約440nmから約490nmまで、例えば、約450nmから約475nmまで、約460nmから約470nmまで、又は約475nmの範囲の波長であってもよい。このような具体例では、ゲルカセットで処理されるサンプル又はスタンダードを標識するために使用される感光分子は、約440nmから約490nmまで、例えば、約450nmから約475nmまで、約460nmから約470nmまで又は約475nmの波長域内に励起波長を有していてもよい。
【0043】
幾つかの実施の形態では、光源の波長域は、感光分子の最大励起波長から約20nm以内である。なお、適切な如何なる感光分子を用いてもよく、このような感光分子は、上に例示した青色光の範囲とは異なる励起波長域を有していてもよい。このような場合、適切な励起波長を提供する適切なランプ、LED、フィルタ及び他の光学部品を用いてもよい。
【0044】
幾つかの実施の形態では、ゲル照明システムは、1つ以上の光源を含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル照明システムは、デバイス内のランニングリザーバ/ゲルカセットアセンブリ毎に少なくとも1個の光源を有していてもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル照明システムは、各ランニングリザーバ/ゲルカセットアセンブリ毎に1つ以上の光源、例えば、2〜10個の光源、3〜8個の光源又は4〜6個の光源を含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、光源は、LEDのアレイを含んでいてもよい。このような形式で、単一の光源は、例えば、1〜50個のLED、2〜40個のLED、3〜30個のLED、5〜25個のLED、6〜20個のLED、7〜18個のLED又は8〜16個のLEDを含んでいてもよい。
【0045】
幾つかの実施の形態では、ゲル照明システムは、1つ以上の集光及び/又は光操作デバイスを含んでいてもよく、1つ以上の集光及び/又は光操作デバイスは、照明システムの光源の全て、幾つか又は1つと関連付けられていてもよい。幾つかの実施の形態では、集光又は光操作デバイスは、フィルタ、色付きフィルタ、ニュートラルデンシティフィルタ(neutral density filter:NDフィルタ)、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ダイクロイックフィルタ、ミラー、ダイクロイックミラー、レンズ、コリメートレンズ、波長板、導波路、プリズム回折格子、バッフル、ビームスプリッタ及びこれらの組合せ等から選択してもよい。幾つかの実施の形態では、集光又は光操作デバイスは、光強度制御部品を含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、光強度制御部品は、光源に供給される電圧(これによって、光源から出射される強度)を制御するニュートラルデンシティフィルタ又は電圧コントローラを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、光源の強度を制御することによって、既存のゲル照明システムに対して、ダイナミックレンジが改善される。幾つかの実施の形態では、システムの自動又は手動の起動以外、又は手動及び自動の組合せの起動以外、ゲル照明システム及び/又はゲル処理システムの更なる操作が不要となるように、少なくとも1個の光源を予め設定して、画像捕捉の成功のための十分な照明を提供してもよい。この構成は、デバイスが電気泳動のために用いられているとき、電気泳動ゲルがデバイスに配置された位置における画像捕捉を提供することができる。
【0046】
幾つかの実施の形態では、デバイスは、処理の間にゲルの実時間画像を捕捉することができ、デバイスのコンピュータ制御及び分析装置に画像を提供する画像捕捉システムを含んでいてもよい。画像捕捉システムは、画像分析システムが背景差分として使用するために、ゲル処理の開始の前に電気泳動ゲルの処理前の画像を捕捉するように構成してもよい。幾つかの実施の形態では、画像捕捉システムは、デジタルカメラを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、画像捕捉システムは、300dpiを上回る、例えば、300dpi〜3000dpi、300dpi〜2600dpi、400dpi〜2200dpi、400dpi〜2000dpi、500dpi〜1600dpi、500dpi〜1200dpi、500dpi〜800dpi又は500dpi〜600dpiの出力画像を生成できるデジタルカメラを含む。なお、例えば、少なくとも300dpi等、適切な如何なる出力画像dpiも許容できる。幾つかの実施の形態では、画像捕捉システムは、適切な如何なる画像ファイルフォーマット、例えば、PDFファイル、TIFFファイル又はビットマップファイルで捕捉された画像を提供するように構成してもよい。同様に、捕捉される画像の解像度は、約1メガピクセルより大きくてもよく、例えば、約1メガピクセル〜約6メガピクセル、約1メガピクセル〜約5メガピクセル、約1.1メガピクセル〜約4.5メガピクセル、約1.2メガピクセル〜約4.0メガピクセル、約1.3メガピクセル〜約3.5メガピクセル、約1.4メガピクセル〜約3.2メガピクセル、約1.5メガピクセル〜約3.0メガピクセル、約1.6メガピクセル〜約2.8メガピクセル、約1.7メガピクセル〜約2.5メガピクセル、1.8メガピクセル〜約2.2メガピクセルであってもよい。なお、例えば、少なくとも約1メガピクセルの解像度等、適切な如何なる画像解像度も許容できる。幾つかの実施の形態では、画像捕捉システムは、1つ以上の画像フォーカシング又は画像操作デバイス、例えば、フィルタ、ミラー、レンズ等から選択されたデバイスを含んでいてもよい。
【0047】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイスは、デバイス内の各ランニングリザーバ/ゲルカセットアセンブリ毎に少なくとも1個の画像捕捉システムを含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、画像捕捉システムは、各ランニングリザーバ/ゲルカセットアセンブリ毎に1つ以上のデジタルカメラを含む。幾つかの実施の形態では、少なくとも1個の画像捕捉システムは、デバイスが電気泳動のために用いられているとき、少なくとも1個の電気泳動ゲルがデバイスに配置されている位置で画像を捕捉するように構成される。幾つかの実施の形態では、少なくとも1つの画像捕捉システムは、システムの自動又は手動の起動以外に、画像捕捉システムの更なる操作が不用となるように予め設定され、画像捕捉の成功を提供する。この構成は、デバイスが電気泳動のために用いられているとき、電気泳動ゲルがデバイスに配置されている位置で画像捕捉を提供することができる。
【0048】
幾つかの実施の形態では、画像捕捉システムは、電気泳動の間に少なくとも1個の電気泳動ゲルの実時間の撮像を提供するように構成してもよい。幾つかの実施の形態では、画像捕捉システムは、ゲルカセットアセンブリ内で、ゲル処理の開始から、少なくともゲル処理の完了まで、電気泳動ゲルの実時間の撮像を提供するように構成してもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイスは、背景差分画像としての使用のために、ゲルカセット内で電気泳動ゲルの画像を捕捉するように構成してもよい。
【0049】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイスは、適切な統合されたシステムディスプレイ、統合されたコンピュータシステム又はコンピュータプロセッサ、及び適切な統合されたメモリを含み、ソフトウェア及びランデータを実行及び保存し、デバイスに挿入されたゲルカセットの処理、撮像及び分析を制御するパラメータを満たす。幾つかの実施の形態では、ディスプレイは、様々なバックグラウンド画像捕捉、ゲル処理、画像捕捉及び分析処理の間に、ゲルの1つ以上の実時間画像を表示してもよい。ディスプレイは、適切な如何なるディスプレイであってもよく、例えば、フラットスクリーンディスプレイ又はタッチスクリーンディスプレイシステムであってもよい。幾つかの実施の形態では、ディスプレイシステムは、実際のゲルサイズに近似し又はこれより大きい視認可能な画像サイズを有していてもよい。ディスプレイは、複数のゲル画像を一度に表示してもよく、複数のゲルの画像を一度に表示してもよい。ディスプレイは、タッチスクリーンディスプレイを含んでいてもよく、ユーザは、これを介して、デバイスとインタラクトして、ランデータ等のユーザ入力、例えば、電圧、電流、パワー、時間及び使用されるスタンダードに関するデータを提供し、デバイスの手動制御又はランプロトコールの手動入力を行うことができる。また、ユーザ入力によって、プレロードされているプロトコールを選択し、プレロードされているスタンダード又は他のラン情報を選択することもできる。
【0050】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、幾つかの望ましい条件又は特徴の1つ以上を提供し、これらを含み、又はこれらを満たしてもよい。幾つかの実施の形態では、外部インタフェースを設ける。例えば、USBホストサポート及びファイルシステムインタフェースを設けて、USBスティックの使用をサポートしてもよい。USBデバイスサポート及びファイルシステムインタフェースを設けて、PC(マスストレージデバイス)への直接接続をサポートしてもよい。FTPサーバ及びファイルシステムインタフェースを設けて、ネットワークファイル転送をサポートしてもよい。
【0051】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、1つ以上のオンボード能力を提供し、これらを含み又はこれらを満たしてもよい。例えば、ソフトウェア又はファームウェアは、推定された分子量、推定された量、パーセント純度(レーン内のバンド比率)及び推定された解像度(バンド/ピーク幅)を含む相対的な定量分析結果の出力を提供してもよい。少なくとも100枚のゲル画像、関連データ及びレポートファイルを保存するために十分な内部メモリを設けることができる。相対分子量(MW)定量及び純度を算出する能力を提供してもよい。画像分析に部分的に基づくメンブレン上のバンドの識別を可能にすることもできる。ソフトウェア又はファームウェアによって、使用されているゲルカセットからの画像分析又は関連する情報のユーザ入力に基づくオンボードのレーン及びバンド追跡を提供してもよい。スタンダードを含むレーン間の検体のピーク位置に対する分子量(MW/Rf)の算出のために、複数の相対的なスタンダード整列能力を提供してもよい。オンボードのタンパク質及び/又は核酸スタンダードデータベースを提供してもよく、これらは、プレロードしてもよく、ユーザが新たなスタンダードの一意的な組を追加できるようにしてもよい。幾つかの実施の形態では、電気泳動の間、35秒以下の更新レート及びユーザの要求によって示されるゲルの実時間のスナップショットを提供してもよい。現在表示されている最後のスナップショットの撮影時刻をGUIスクリーン上にスナップショットと共に表示してもよい。デフォルト分離パラメータ(時間、電圧、電流)をユーザが制御できるようにしてもよい。画像捕捉パラメータ(明るさ、露出、コントラスト、ガンマ)をユーザが制御できるようにしてもよい。TIFFフォーマットの画像をエクスポートできるようにしてもよい。画像ファイルフォーマットのレポート及びゲル画像を提供してよく、これを写真プリンタに挿入されたメモリデバイスから直接印刷できるようにしてもよい。USBスティックインタフェースを用いて、オンボードソフトウェアのフィールドアップグレードを提供してもよい。MS Excel互換のファイルを生成できるようにしてもよい。編集するレーン、スタンダード、正しいレーン数、使用されるロード量を編集する再計算機能を提供してもよい。ユーザが画像を選択すると、再処理のために関連するファイルを自動的に読み出すようにしてもよく、メモリがフルになると、ユーザに警告するようにしてもよい。出力ファイルには、タイムスタンプを付してもよい。出力ファイルには、複数のランを区別できるように名称を付してもよい。更に、最近の出力ファイル位置を表示し、ユーザが内部又は外部のストレージ装置からそれらのデータを容易に読み出せるようにしてもよい。
【0052】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、他の条件又は特徴を提供してもよい。幾つかの実施の形態では、「実時間」画像を生成してもよい。例えば、電気泳動の間のゲルの「実時間」画像を表示してもよい。1又は複数のゲル画像をディスプレイに同時に並べて表示してもよい。レーンのオーバレイは、各ゲル画像のトップに亘って、水平に表示してもよく、Rf追跡マークは、ゲルの側に沿って、垂直に表示してもよい。ダイフロントを追跡するRf1.0によって、Rfマークを動的に更新してもよい。ゲル画像は、白色背景に黒色のバンドで表示してもよく、黒色背景に白色のバンドで表示してもよい。画像表示モードは、(a)2個のゲルを〜80%スケールで同時に示すモード及び(b)単一のゲルを100%のスケールで示すモードを含んでいてもよい。ユーザは、様々な撮像表示モードについて、サムネイル画像上で選択及びトグルを行うことができ、サムネイル画像は、現在表示されている画像を強調してもよい。ゲル画像ディスプレイは、画像捕捉レートを超えない範囲内でできるだけ速く更新してもよい。ランの間に一時停止オプションを用いて、ランが完了する前に、ユーザがゲル画像を調べることができるようにしてもよい。一時停止オプションを開始すると、ゲルへの電源が停止され、そして、ユーザは、関連する何らかのデータを収集し、ランを再開し、又はランを終了して関連する何らかのデータを収集するオプションを有する。
【0053】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、以下の条件又は特徴の1つ以上を提供し、これらを含み又はこれらを満たしてもよい。幾つかの実施の形態では、例えば、ダイフロントが所望の位置まで進むと自動的に一時停止し、ランコントローラへのフィードバックによって、色素全面を追跡すること、ユーザが定義したスタンダードの入力を可能にする設定(MW及び/又は量)及び画像雑音低減の導入のうちの1つ以上を自動化してもよい。
【0054】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、メッソドファイルに関連する以下の条件又は特徴の1つ以上を提供し、これらを含み又はこれらを満たしてもよい。メソッドファイルとは、包括的には、ゲル電気泳動デバイス、分析及びレポート作成を制御するパラメータのレポジトリであってもよい。これらは、デフォルト値を有し、ユーザが編集可能なフィールドから構成してもよい。コンピュータ制御システムがゲル電気泳動デバイスソフトウェアのメソッドファイルを読み出して、ランのための撮像及び電源設定を設定してもよい。ユーザが定義したメソッドファイルを利用できるようにしてもよい。幾つかの実施の形態では、少なくとも30個のファイルが利用可能である。デバイスの各ラン毎に1個のメソッドファイルを用いてもよく、個別のランニングリザーバ内のランを個別のメソッドファイルが制御してもよい。ラン固有のパラメータは、電圧、電流、停止モード、ランニング緩衝液等を含み、メソッドファイル内のゲル固有のパラメータ(スタンダード、レーン等)から独立していてもよい。ユーザは、背景差分のためにデフォルトのローリングディスク半径を設定してもよい。ユーザは、ランニング緩衝液タイプを設定してもよい。ユーザは、実験の電圧、電流、時間、最大電流限界及びこれらの組合せ等を選択/入力してもよい。ユーザは、ランモード、例えば、定電力、定電圧又は定電流を選択/入力してもよい。ユーザは、例えば、分単位のランタイムを含む自動停止モード又はダイフロントの追跡を選択/入力してもよい。ユーザが、データベースから選択/入力を行えるようにしてもよく、例えば、スタンダード毎に1個のレーン割当を選択するようにしてもよい。各ゲルは、自らのスタンダードを個別に用いてもよく、異なるゲルからのスタンダードを用いてもよい。例えば、2個のランニングリザーバランにおいて右のゲルの演算のためのスタンダードとして、左のゲルのレーン1を使用するよう選択してもよい。ユーザは、スタンダードのロードボリュームを選択/入力してもよい。ユーザは、印刷する電気泳動図のレーンを選択/入力してもよい。ユーザは、MW図パラメータ及びデータテーブル単位(Rf又はmm)を選択/入力してもよい。ユーザは、質量曲線単位、例えば、ng、μl又はピコモルを選択/入力してもよい。ユーザは、例えば、左又は右のゲル等、質量較正曲線を選択/入力してもよい。ユーザは、MW較正のために曲線あてはめタイプを選択/入力してもよい。ユーザは、印刷するレポートを選択/入力してもよく、例えば、どのレーンの電気泳動図レポートを取得するかを選択してもよい。ユーザは、作成されるレポート及び出力レポートセクション内で定義されるオプションを選択/入力してもよい。ユーザは、外部ストレージデバイスに出力ファイルをコピーすることを指定してもよい。
【0055】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、自動レーン作成に関連する以下の条件又は特徴の1つ以上を提供し、これらを含み又はこれらを満たしてもよい。メソッドは、ゲル画像の取得の後に自動的にレーンを作成してもよい。このメソッドは、カセット画像からのバーコード又は印刷された情報を用いて、レーン境界を確立してもよく、例えば、Rf=0をユーザによって設定してもよく、バーコード又は印刷された情報から特定してもよい。ゲル間のギャップを特定し、レーンとして定義されることを防止してもよい。レーンの番後付けは、更なるゲルのそれぞれ毎に再開してもよい。例えば、レーンの傾斜を考慮に入れて、コームによって定義されるゲルの上下における同じ幅をレーン内のバンドの重心に縦に揃えてもよい。レーン作成のために関心領域を手動で選択できるようにしてもよい。
【0056】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、画像捕捉の後に背景差分を提供してもよい。ゲル処理の開始の前に、1つ以上のゲルの背景画像を捕捉してもよく、この画像を背景差分のために使用してもよい。背景差分を示す電気泳動図を表示してもよい。背景差分のための電気泳動図の画像は、ピークヒストグラム、ゲル/レーン番号、背景ライン及び関連するゲル/レーンスライス画像を表示してもよい。電気泳動図のスケールは、レーン画像のスケールに一致させてもよく、バンドは、ピークによって整列させてもよい。バンド検出の前に、ローリングディスク法を用いて、背景差分を抽出してもよい。ユーザは、ローリング値指数及び上下矢印を用いて、ローリングディスク法(rolling disc method)のための半径を、100〜900の間で、100ずつインクリメントさせて調整できる。電気泳動図は、各ランの後に、ローリングディスク調整効果をライブで表示してもよい。ローリングディスク値は、特定のゲルに関連するメソッドファイル内に保存してもよい。デフォルトのローリングディスク半径を設定してもよく、ユーザが調整できるようにしてもよい。例えば、背景差分:ローリングディスク、半径=X等のように電気泳動図の画像及びレポートにローリングディスク半径を注釈として付加してもよい。他の適切な背景差分メソッドをサポートしてもよい。ピーク数、幅又は他の注釈を示してもよい。メソッドファイルからユーザが選択した単位を示してもよい。画素強度(Pixel Intensity)を示してもよい。背景差分調整のために用いられる電気泳動図の画像は、例えば、800の特定のデフォルトローリングディスク半径によって判定された最も多くのバンド/ピークを有するレーンからのものであってもよい。幾つかの場合、ユーザは、特定のゲルからの他の如何なるレーンを選択して、調整を行ってもよい。
【0057】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、バンド検出感度を提供してもよく、例えば、バンド検出閾値を調整できるようにしてもよい。バンド検出感度の判定は、バンドカウントが安定するまで繰り返されるように構成してもよい。例えば、最終的なバンド検出、電気泳動図、バンド%、MW判定及び/又は定量化に関して、ゲル分析の前に、感度を固定してもよい。
【0058】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、自動バンド検出を提供してもよい。バンド検出誤差を補正できるようにしてもよい。誤差は、ソフトウェアによって直接的に補正可能であってもよく、サードパーティの分析ソフトウェアを用いて、オフラインで補正してもよい。デバイスは、背景差分パラメータのユーザ調整がバンド検出感度に影響を与えるように構成してもよい。スタンダードからのMW及び濃度データを組み込んでもよい。各ゲルについて、計算のために1又は複数のスタンダードを用いてもよい。レーンについて、バンドの数及び位置を確立するためのスタンダードを含むプレロードされたスタンダードデータベースを用いてもよい。ユーザが定義したスタンダードが正しく検出されない場合、GUIは、警告及び補正ウィンドウをユーザに表示してもよい。レーン内のバンド数を電気泳動図に表示してもよく、演算に関連付けてもよい。バンド付番は、Rf=0に最も近い各レーンにおいて、1から開始してもよい。
【0059】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、ピーク位置、分子量(MW)、ピーク高さ、ピーク面積、ピーク体積及びバンドパーセンテージに関連する特徴の1つ以上を提供し、算出し、表示し及び/又は印刷するように構成してもよい。例えば、ピーク位置の生成(Rf又はmm)、分子量(MW)、ピーク高さ(画素強度)、ピーク面積、ピーク体積、バンド鮮鋭度、バンドパーセンテージのうちの1つ以上を提供してもよい。これらの特徴は、各ピーク毎に提供してもよい。背景差分を算出してもよい。各ピーク毎に、ピーク番号、Rf又はmm、分子量(MW)、量、バンド鮮鋭度及びバンドパーセンテージを表示してもよい。以下のパラメータを判定及び/又は算出してもよく、選択されたレーン内の各バンドの数値は、表の形式で提示してもよく、図式的に表示してもよく、及び/又は印刷してもよい。ピーク位置(Rf)は、0.000から1.000までの間の値であってもよい。1つ以上の既知のゲルスタンダードの分子量を用いて、MWを判定してもよい。ピーク高さは、所与のバンドの背景差分演算されたピーク画素強度であってもよい。ピーク面積は、以下の式を用いて算出してもよい(また、バンド幅(band width)は、バンド鮮鋭度(band sharpness)とも呼ばれる。):ピーク面積=バンド幅×バンド長さ。ピーク体積は、以下の式を用いて算出してもよい:ピーク体積=ピーク面積×ピーク高さ。体積は、バンド%及び質量定量化のために使用してもよい。%純度(1レーンあたりのバンド%)は、以下の式を用いて算出してもよい:%純度=(レーン内のピーク番号のピーク体積/レーン内の全てのピークのピーク体積の和)×100。幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、レーン画像及び電気泳動図を生成してもよい。選択されたレーンの電気泳動図を生成してもよく、例えば、レーン画像、並びにレーン番号及び左右の何れのゲルが画像に対応しているかの注釈を含ませてもよい。電気泳動図のx軸は、Rf(デフォルト)又はmm(ユーザ選択)であってもよく、y軸を画素強度としてもよい。Rfは、例えば、左から右に、0.0〜1.0の間で、0.1ずつインクリメントする範囲を有していてもよい。画素強度は、例えば、16ビット階調画像の場合、0〜255の範囲を有していてもよい。選択されたレーンの電気泳動図には、ピーク番号を示してもよい。また、電気泳動図には、バンド鮮鋭度を表すピーク境界を示してもよい。電気泳動図は、バックグラウンドを示してもよい。
【0060】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、スタンダードデータベースを含んでいてもよく、スタンダードデータベースにリンクさせてもよい。このデータベースは、画像分析ソフトウェアによって使用されるファイルのレポジトリを含んでいてもよく、ユーザによって追加又は編集してもよい。これらのファイルは、ランメソッドファイルにおいて指定してもよい。
【0061】
MW対Rf図:幾つかの実施の形態では、MWスタンダードに関する情報を含む予め定義されたオンボードのスタンダードデータベースがあってもよい。この情報は、複数の順次的に特定されたバンドのそれぞれについてMWを含んでいてもよい。データベースは、ユーザによって追加してもよい。例えば、読出専用として保存されたプリセットスタンダードを含んでいてもよい。ユーザは、各ランのためのデータベースからスタンダードを選択してもよい。ゲルランの後に、(プレロードされた又はユーザ定義の)スタンダードのための先に存在しているMWデータを用いて、MW「較正」曲線及びチャートを生成してもよい。この曲線及びチャートは、デバイス上に表示してもよく、オプションとして、レポート内に含ませてもよい。チャートにゲル及びレーン番号、並びに日付及びタイムスタンプによって、注釈を付してもよい。この情報を用いて、ゲルランの最後に表示されるスタンダードオーバレイを生成してもよい。曲線あてはめは、例えば、デフォルトで、3次スプラインであってもよい。ユーザがログMW(log MW)又は他のあてはめを選択してもよい。ユーザは、データベースから、MWスタンダード及びスタンダードが含まれるレーンを選択してもよい。MWスタンダードが特定されない場合、MWを算出することができず、この場合、デバイスプロンプトによってユーザにこれを通知してもよい。
【0062】
相対定量及び絶対定量:予め定義されたオンボードのスタンダードデータベースは、特定されたバンドについての数量を含んでいてもよい。このデータベースは、ユーザが追加することができるが、幾つかのプリセットスタンダードは、読出専用であってもよい。ユーザは、定量化する各ランについて、データベースからスタンダードを選択してもよい。これは、メソッドファイルによって設定してもよい。ゲルランの後に、スタンダードについて、先に存在している量データを用いて、定量化「較正」曲線及び図を生成してもよい。スタンダードは、プリセットであっても、ユーザが定義したものであってもよい。曲線及びチャートは、デバイス上に表示してもよく、レポートとして使用可能にしてもよい。チャートには、ゲル及びレーン番号で注釈を付してもよい。定量化のための曲線あてはめは、線形であってもよく、ユーザ選択オプションから選択してもよい。ユーザは、データベースから、定量化スタンダード及びスタンダードが含まれる1又は複数のレーンを選択してもよい。バンドを選択し、その量の値に関連付けてもよい。定量化スタンダードが特定されない場合、量を算出することができず、この場合、デバイスプロンプトによってユーザにこれを通知してもよい。幾つかのスタンダードは、ソフトウェアがMW位置からバンドを判定できるように作成してもよい。定量化スタンダードのために1個以上、例えば、5個のフィールドを用いてもよい。例示的なフィールドとしては、ランの後に判定された概算的なMW、量、ロードされた体積、レーン番号及び定量化スタンダードデータベースファイルを含ませてもよい。ユーザは、定量化のために、先のラン較正曲線を選択してもよく、同じランにおける1つ以上の他のゲルからの曲線を選択してもよい。各ゲルタイプ毎に複数の質量曲線のためのストレージを提供してもよい。曲線には、例えば、ゲルロット番号で、ランニング緩衝液タイプ、ゲルタイプ及び定量化スタンダードデータベース選択と共に、日時をスタンプしてもよい。
【0063】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、ウェスタン転写メンブレンの画像を取得できるようにしてもよい。この取得の後、ソフトウェア上で分析を用いて、MW割当を行ってもよい。この機能は、デバイス上の反射的な可視光及び落射蛍光撮像能力を含んでいてもよい。撮像のためにメンブレンを保持するフレームを提供してもよい。メンブレン画像には、日時をスタンプしてもよく、これが導出されたゲルに関連付けてもよい。メンブレン画像は、保存してもよい。
【0064】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、出力レポートを作成してもよい。例えば、生のゲル画像の生成では、個別の出力ファイルとして、少なくとも16ビット300dpiグレースケールの非圧縮TIFFファイルを提供してもよい。画質が劣る画像をレポートに埋め込むようにしてもよい。
【0065】
レポート作成:複数の選択可能なレポートフォーマットを提供してもよく、例えば、デフォルトの最小限のフォーマット、詳細なフォーマット及びユーザが定義可能なフォーマットを提供してもよい。ユーザ選択肢として利用可能な例示的なレポートセクションは、電気泳動パラメータ、電圧、電流、電力及び時間(デジタル形式及び/又はグラフィカル形式)、ユーザから見てどちらが左及び右であるかの注釈付きのゲル画像、ゲルバンド識別マーキング及びレーン番号、赤色のMW割当ライン内に表示されたスタンダードとゲルバンド識別画像の側にオーバレイされた値、MW較正曲線、定量化のために較正された体積曲線及び較正されたロードを含んでいてもよい。
【0066】
電気泳動図については、レポートは、「画素強度」、ピーク上にバンド番号が示された「Rf」水平背景差分ヒストグラム、ラインとしてのディスプレイ背景レベルピークに揃えてスケーリングされたレーンの実際の水平画像、背景差分メソッド、バンド雑音因子及び傾斜(ピークを判定するために用いられたS/N)、バーコード情報(ウェルの番号、ゲル%等)、スタンダードタイプ及び割当、緩衝液タイプ、電圧、電流及びランタイム、照明モード、フォルダ名(ロット、シリアル番号)、及びゲルランの間に用いられた電力等を示してもよい。
【0067】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、約0V〜約400V、例えば、335Vの独立した出力電圧を有する電源を提供してもよい。電源は、約0A〜約0.5A、例えば、375mAの独立した出力電流及び約0W〜約200Wの出力電力を有していてもよい。
【0068】
幾つかの実施の形態では、ゲル電気泳動デバイス、ソフトウェア又はファームウェアは、外部インタフェースを備えていてもよい。例えば、グラフィカルユーザインタフェース(graphical user interface:GUI)モジュールは、LCDディスプレイ、キーパッド及び/又はタッチスクリーンを含んでいてもよい。ユーザインタフェースモジュールは、LCDに表示される画面を制御できる。これらの制御動作は、キーパッド及び/又はタッチスクリーンを介してユーザから情報を受信し、表示更新及び/又は「解釈された」情報をシステムの他のモジュールに転送してこれに応答することによって実行してもよい。GUIは、ポインティングデバイス又はキーボードを必要としないように設計してもよい。幾つかの実施の形態では、器具とPCとの間のファイル転送は、様々な手法で行うことができ、例えば、USBメモリスティック、直接PCに接続されたUSBケーブル、FTPを用いるイーサネットネットワーク転送等によって行ってもよい。
【0069】
幾つかの実施の形態では、ラン開始、定義、許可、イネーブル、メソッドファイルを介する制御、照明、ラン中断、ラン終了、撮像及び分析、並びにレポート属性の選択等のユーザ入力オプションの1つ以上の組合せを提供してもよい。幾つかの実施の形態では、USBタイプAインタフェース、USBタイプBインタフェース及びRJ−45ソケット等の通信インタフェースを設けてもよい。幾つかの実施の形態では、ソフトウェアは、以下の属性の1つ以上を有することができ、例えば、ゲルの挿入から分析レポートの作成までの電気泳動ランの自動化等の属性を有することができる。幾つかの実施の形態では、同じランの間、同じゲルに関して複数のタイプ及びレーンのMW/濃度スタンダードを用いてもよい。幾つかの実施の形態では、挿入されているゲルに関する情報に基づいて、ランレーンの自動識別及び作成を行ってもよい。幾つかの実施の形態では、様々なゲルタイプ/ウェル構成について、(予め保存されている又はユーザが入力した)レーンテンプレートのストレージを提供してもよい。幾つかの実施の形態では、様々な既存のタンパク質スタンダードに関する予め保存された情報、タンパク質スタンダードに関するユーザ入力情報のストレージ、及びタンパク質スタンダードのための編集可能なMWデータが提供される。幾つかの実施の形態では、自動的なバンドの実時間検出が提供される。幾つかの実施の形態では、MW対Rfチャートの蛍光較正生成(fluorescence calibration generation)、例えば、較正及び曲線あてはめ、スタンダード較正に基づくMWの純度(バンドパーセンテージ)の判定、相対的なタンパク質定量化及び絶対的なタンパク質定量化が提供される。幾つかの実施の形態では、提供される特徴及び調整パラメータは、以下に限定されるものではないが、「実時間で」最小16ビットカラー画像の生成、TIFF、JPEG又はビットマップとしての画像の保存、ゲル画像の出力への埋め込み(少なくとも300dpi解像)、以下に限定されるものではないが、明るさの調整、ズーム、クロッピング等の画像の編集、注釈の付加、レーン境界の編集、レーン傾斜/そり補正能力、手動バンド検出、関心領域(ゲル領域、単一のレーン、バンド)の手動選択、バンド検出感度調整能力、バンド編集能力、異なる露光時間への対応、蛍光/吸収バンド検出二重性(fluorescence/absorbance band detection duality)等が含まれる。幾つかの実施の形態では、提供される特徴及び調整パラメータは、以下に限定されるものではないが、背景差分を含む各レーンについての検出されたバンドの実時間の電気泳動画像の生成及び表示、情報の包含、例えば、電気泳動図によるレーン画像の表示、各レーン内のピークID/バンド番号、ピーク位置(画素、mm、Rf)ピーク高さ、ピーク面積及びピーク体積、バンド鮮鋭度に基づくピーク幅及び解像度、ガウスピークあてはめ能力によるピーク分割、ピーク正規化(バンド間、レーン間)、電気泳動図差分、画面上への電気泳動図オーバレイ、(ゲルに亘る)バンドパターン整合、比較精度、再現性(MW)等を含んでいてもよい。幾つかの実施の形態では、比較再現性(純度)、ゲル間分析(MW)、濃度、質量及び純度、並びにゲル間正規化を提供してもよい。幾つかの実施の形態では、ゲル性能/品質確認及び/又は最終的な背景差分された電気泳動画像を提供してもよい。幾つかの実施の形態では、NGE器具とPCとの間の双方向通信を提供してもよい。幾つかの実施の形態では、ランの最後に器具から外部ソースにデータを転送してもよい。幾つかの実施の形態では、提供される特徴及び調整パラメータは、以下に限定されるものではないが、例えば、バーコードから又はゲル画像からの読出及び記録ゲルタイプ(Cat番号、ロット番号及び一意的識別子)、タッチスクリーンGUI、ソフトウェア更新能力及び機能、データテーブル生成(例えば、EXCELフォーマット)、印刷レポートフォーマット/レイアウトの生成(例えば、MS WORD)、他のファイルへのリンク(インポート/エクスポート機能)、印刷、高解像度画像(少なくとも300dpi)、(例えば、Windowsとの)オペレーティングシステム互換性、(例えば、Excelに)エクスポート可能なテーブルファイル、プレロードされたプリンタドライバ、PCなしでの印刷能力、及びマクロ作成能力を含む。
【0070】
本明細書において言及した全ての刊行物、特許及び特許出願は、引用によって本願に組み込まれるものとし、これは、個々の刊行物、特許又は特許出願について、特別に、個別に、引用によって本願に組み込まれると示した場合と同様である。
【0071】
ここでは、本発明の実施の形態を示し、説明したが、このような実施の形態は、例示的に示されているに過ぎないことは、当業者にとって明らかである。当業者は、本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更及び代替を想到できる。なお、本発明の実施にあたり、ここに説明した発明の実施の形態の様々な代替を採用してもよいことは明らかである。特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造、並びにこれらの均等物も特許請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
ゲル処理システムと、
ゲル照明システムと、
画像捕捉システムと、
画像分析システムとを備え、
前記ゲル処理システム、前記ゲル照明システム、前記画像捕捉システム及び前記画像分析システムは、全て前記筐体内に収容されている、ゲル電気泳動デバイス。
【請求項2】
前記各システムは、動作的に関連付けられ、自動化されている、請求項1記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項3】
前記ゲル処理システムは、
少なくとも2つのゲル緩衝液リザーバと、
少なくとも2つのゲルホルダと、
前記少なくとも2つのゲルホルダのそれぞれのための少なくとも1つのアノード及び少なくとも1つのカソードと
を備える、請求項1記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項4】
前記ゲル照明システムは、前記ゲル処理システム内に少なくとも1つの電気泳動ゲルが配置されたとき、前記電気泳動ゲルを照明するように構成された少なくとも1つの光源を備える、請求項1記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光源は、少なくとも1つの青色光源を含む、請求項4記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの青色光源は、波長域が約440nmから約490nmまでの青色光を出射する、請求項5記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの青色光源は、少なくとも1つのLED青色光源を含む、請求項4記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの光源は、少なくとも2つの光源を含む、請求項4記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項9】
少なくとも1つの光強度制御部品を更に備える、請求項4記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの光源は、前記ゲル照明システムの自動又は手動の起動以外に、前記ゲル照明システムの更なる操作が不用となるように予め設定され、前記デバイスが電気泳動のために用いられるとき、前記電気泳動ゲルが前記デバイスに配置された位置での画像の捕捉を成功させるのに十分な照明を提供する、請求項4記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項11】
前記画像捕捉システムは、少なくとも1つのデジタルカメラを含む、請求項1記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つのデジタルカメラは、前記画像捕捉システムの自動又は手動の起動以外に、前記画像捕捉システムの更なる操作が不用となるように予め設定され、前記デバイスが電気泳動のために用いられるとき、前記電気泳動ゲルが前記デバイスに配置された位置での画像捕捉を成功させる、請求項11記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項13】
前記画像捕捉システムは、電気泳動の間、少なくとも1つの電気泳動ゲルの実時間撮像を提供するように構成される、請求項11記載のゲル電気泳動デバイス。
【請求項14】
ゲル電気泳動を実行する方法であって、
ゲル処理システム及び画像捕捉システムを含むゲル電気泳動デバイス内の少なくとも1つの標識サンプルの電気泳動を実行することと、
前記画像捕捉システムによって、前記少なくとも1つの標識サンプルを撮像することとを含み、
前記実行すること及び撮像することは、互いに動作的に関連付けられ、自動化されている、方法。
【請求項15】
前記画像捕捉システムと動作的に関連付けられている画像分析システムによって、前記撮像されたサンプルを分析して、分析された画像を生成することを更に含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記分析された画像のハードコピーを印刷することを更に含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記標識サンプルと同時に標識タンパク質スタンダードを電気泳動させることを更に含む、請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記標識サンプル内の少なくとも1つの標識タンパク質の絶対量を判定することを更に含む、請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、約30分未満で実行される、請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、約15分未満で実行される、請求項14記載の方法。
【請求項21】
前記撮像することは、前記標識サンプルを少なくとも1個のLED青色光源に露光することを含む、請求項14記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1個のLED青色光源は、波長域が約440nmから約490nmまでの青色光を出射する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記画像捕捉システムは、電気泳動の間、前記少なくとも1個の標識サンプルに関して、実時間で画像を捕捉する、請求項21記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate


【公表番号】特表2013−502597(P2013−502597A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526916(P2012−526916)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/046491
【国際公開番号】WO2011/025781
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.WINDOWS
【出願人】(502221282)ライフ テクノロジーズ コーポレーション (113)
【Fターム(参考)】